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テキサス経済概況 - ヒューストン日本商工会ホームページ

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テキサス経済概況 - ヒューストン日本商工会ホームページ
テキサス経済概況
2011年-2012年
ヒューストン日本商工会
在ヒューストン日本国総領事館
ジェトロ・ヒューストン
表紙写真提供:米元錦城様(Gold Castle, Inc.)
目
次
Ⅰ テキサス州概観
1 州名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2 州都・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
3 位置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
4 面積・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
5 人口・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
6 地勢・気候・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
7 州旗、州花、州木・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
Ⅱ 対日関係
1 在留邦人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
2 日本との姉妹都市等交流・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
3 JET プログラム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
Ⅲ 政治関係
1 政治状況全般・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
2 ヒスパニック系住民の動向と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
3 2010 年中間選挙・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
Ⅳ テキサス州経済概況
1 州経済の変遷・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
2 経済規模・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
3 産業の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
4 貿易・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
5 国際投資・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
6 財政・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
7 地域動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
Ⅴ 最近の経済動向等
1 最近の経済動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
2 人口の動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
Ⅵ 歴史
1 スペイン人の植民・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
2 メキシコの支配・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
3 テキサス共和国・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
4 合衆国併合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
5 南北戦争とその後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
付表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
Ⅰ.テ キ サ ス 州 概 観
1.州名
・ テキサス州(State of Texas)
・ Texas の語源は「友人」ないし「同盟」を意味するアメリカ・インディアンの言葉に由
来する。
・ テキサス共和国の国旗(現在の州旗)の一つ星のデザインから Lone Star State の別名があ
る。
2.州都
オースティン(Austin)
3.位置
(1) 米国南部に位置する。南はリオ・グランデ川をメキシコとの国境とし、北はオクラホ
マ州、東はルイジアナ州及びアーカンソー州、西はニューメキシコ州と接し、南東部はメキ
シコ湾に面している。
(2) 州の最南端の緯度は北緯 25 度 50 分、最北部は 36 度 30 分。最東部の経度は西経 93 度
31 分、最西部は西経 106 度 38 分。
(3) 州内の最長直線距離はオクラホマ州境西端から州最南端のメキシコ国境までで、801 マイル
(1,288km)である。
4.面積
261,226 平方マイル(676,575 平方キロメートル)
日本の面積の 1.8 倍強に相当、アラスカ州に次ぐ全米第 2 位(米国全土の 7.4%)
[2010 年国勢調査局]
5.人口
(1) 州人口:25,145,561 人(カリフォルニア州に次ぐ全米第 2 位、全米人口の 8.1%、2000 年から
2010 年までに 20.6%増) [2010 年国勢調査局]
(2) 主要都市の人口[2010 年国勢調査局推計]
都市名
人口(人)
全米中の順位
2000-2010 年の増加率(%)
ヒューストン
2,099,451
第 4位
7.5%
サンアントニオ
1,327,407
第 7位
16.0%
ダラス
1,197,816
第 9位
0.8%
オースティン
790,390
第 14 位
20.4%
フォートワース
741,206
第 16 位
38.6%
エルパソ
649,121
第 19 位
15.2%
1
なお、大都市圏の人口を見ると、ダラス・フォートワース・アーリントン都市圏 (Dallas-Fort
Worth - Arlington MSA)は 6,371,773 人(全米第 4 位)、ヒューストン・シュガーランド・ベイタ
ウン都市圏 (Houston-Sugarland-Baytown MSA)は 5,946,800 人(全米第 6 位)となっている。
(3)
テキサス州人口における人種構成
人
種
ヒスパニック
非ヒスパニック合計
非ヒスパニック 白人
同 黒人
同 アジア系
同 アメリカン・インディアン/
アラスカ・ネイティヴ
同 ハワイ・太平洋島嶼
同 その他
計
[2010 年国勢調査局]1
人
口
全体に占める割合
9,460,921 人
15,684,640
37.6 %
62.4
全米での比率
16.3
11,397,345
2,886,825
948,426
45.3
11.5
3.8
83.7
63.7
12.2
4.7
80,586
17,920
353,538
0.3
0.1
1.4
0.7
0.2
2.2
25,145,561
100.0
100.0
%
6.地勢・気候
(1) 地理的には Gulf Coast Plains、Interior Lowlands、Great Plains 及び Basin and Range Province
の 4 つに大別される。
イ.Gulf Coast Plains
メキシコ湾岸一帯の平野部で、気候は亜熱帯に属し冬季にも氷結を見ることはほとんどな
い。石油、石炭等豊富な天然資源に恵まれている。農業は柑橘類、コメ生産、牧畜等が行わ
れている。
ロ.Interior Lowlands
Gulf Coast Plains の後背地でオクラホマ州境まで延びる内陸地帯。気候は内陸部のため比較
的寒暖の差が激しい。農業は牧畜、綿花栽培等が行われている。
ハ.Great Plains
Interior Lowlands の西に位置し、パンハンドル地方(鍋の柄のようにオクラホマ州の間に細
長く突入している地域)に至る地帯で、石油、天然ガスを産出し、農業では綿花、トウモロコ
シ栽培、牧畜等が行われている。冬季には降雪や突風に見舞われることがある。
ニ.Basin and Range Province
州の西端部は、ロッキー山脈系の 2,000m 級の山々がニューメキシコ州からメキシコへ連
なる地帯の一角をなす山岳地域にあり、乾燥地帯である。
(2) 最高地点はグアダルーペ山の 8,749 フィート(2,878m)である。
1
人口の動向については、P16 参照。
2
(3) ヒューストン、ダラス、東京の各月平均気温と降水量
(ヒューストン、ダラスは 1974~2010 年平均、東京は 1981~2010 年平均)
ヒューストン
最高気温
16.9 18.7 22.3 25.9 29.6 32.4 33.6 33.6 31.3 27.4 22.2 18.3
平均気温
11.8 13.5 17.0 20.9 24.7 27.6 28.7 28.7 26.5 22.0 16.7 13.1
最低気温
6.7
8.3 11.7 15.8 19.8 22.8 23.9 23.8 21.7 16.6 11.2
7.8
降水量
97
83
98
75 89
121 153 116 114 138 127 107
出所:National Climate Data Center
ダラス
最高気温
12.9 15.6 20.1 24.6 28.7 33.2 35.6 35.6 31.3 25.8 19.2 14.2
平均気温
7.2
9.7 14.2 18.6 23.2 27.4 29.8 29.7 25.5 19.7 13.4 8.4
最低気温
1.5
3.8
8.2 12.6 17.7 21.8 23.9 23.8 19.7 13.6
7.7 2.7
降水量
54
64
86
64
77
126
88
55
50
68
101
60
出所:National Climate Data Center
3
東 京
最高気温
9.9 10.4 13.3 18.8 22.8 25.5 29.4 31.1 27.2 21.8 16.9 12.4
平均気温
6.1
6.5
9.4 14.6 18.9 22.1 25.8 27.4 23.8 18.5 13.3
8.7
最低気温
2.5
2.9
5.6 10.7 15.4 19.1 23.0 24.5 21.1 15.4
5.1
降水量
9.9
52.3 56.1 117.5 124.5 137.8 167.7 153.5 168.2 209.9 197.8 92.5 51.0
出所: 気象庁
(4) 州内で記録された最高気温は 1994 年 6 月 28 日 Monahans における華氏 120 度(摂氏 49 度)、
最低気温は 1933 年 2 月 8 日 Seminole における華氏-23 度(摂氏-31 度)である。
7.州旗、州花、州木
(1) 州旗
州旗は、テキサス共和国時代の 1839 年 1 月 21 日にテキサス議会で採択され、テキサス
共和国ラマー大統領(Mirabeau B. Lamar)により承認されたものである。デザインは、旗の横
幅の3分の1を縦の青地とし、その中央に 5 角の白星を配し、残りの3分の2は水平に二分し
て上部を白、下部を赤とすると定められている。赤は bravery、白は purity、青は loyalty を
表す。
(2) 州花
ブルーボネット(bluebonnet)
(3) 州木
ピーカン(pecan、クルミ科の木)
4
Ⅱ.対 日 関 係
1.在留邦人
○ 近年の在留邦人数の推移については、次のとおり(各年 10 月1日現在、総領事館調)。
テキサス州合計
ヒューストン
ダラス
オースティン
サンアントニオ
エルパソ
(長期滞在者、永住者別)
長期滞在者
永 住 者
2007 年
7,869
2,446
1,870
818
624
355
2008 年
8,212
2,488
1,896
890
707
342
2009 年
8,020
2,550
1,928
860
615
392
2010 年
7,444
2,392
1,864
768
608
306
5,016
2,853
5,150
3,062
4,812
3,208
4,042
3,402
○ 在留邦人の主要団体としては、次のものがある。
「ヒューストン日本商工会」
、
「グレーター・ヒューストン日本人会」
、
「ダラス日本人会」
、
「オースティン日本人会」、「サンアントニオ日本企業会」、
「エルパソ日本人会」
、
「ガルベストン日本人会」、
「マッカレン日本商工会」
、
「フォートワース日本人会」
、
「オースティン日本社会人会」、「東テキサス日本クラブ」
2.日本との姉妹都市等交流
コーパスクリスティと横須賀市がアイゼンハワー大統領提唱の「国民と国民の交流計画」を発
端として 1962 年に提携したのを始まりとして、現在までに 15 件の姉妹都市等交流が行われてい
る。姉妹都市等の関係は、在留邦人、日系企業又は親日米国人やロータリークラブ等を介して提
携されたものがほとんどで、その由来は、基地の存在(コーパスクリスティ、横須賀市)、港町(ガ
ルベストン、新潟市)あるいは観光都市(サンアントニオ、熊本市)といった産業構造や都市形態等
に類似点が存在することによる場合が多い。姉妹都市間の交流としては、職員の派遣、姉妹校の
提携交流、学生・子供のホームステイによる相互訪問、フェスティバルへの協力等の活動が行わ
れている。
<姉妹都市等一覧>
コーパスクリスティ-横須賀市(神奈川県) (1962)
パサデナ-秦野市(神奈川県)
(1964)
ガルベストン-新潟市(新潟県)
(1965)
キャニオン-みなかみ町(群馬県)
(1967)
ヒューストン-千葉市(千葉県)
(1972)
ボーモント-別府市(大分県)
(1985)
フォートワース-長岡市(新潟県)
(1987)
5
サンアントニオ-熊本市(熊本県)
(1987)
オースティン-大分市(大分県)
(1990)
ハンツビル-みなかみ町(群馬県)
(1991)
2
サウスレイク-登米市(宮城県)
(2004)
タイラー-八千代市(千葉県)
(1992)
ベルトン-えびの市(宮崎県)
(1994)
ナカドーチェス-奄美市(鹿児島県)
(1995)
3
ダラス-仙台市(宮城県)
(1997)
3.JET プログラム
北米地域では、日米間の緊密な関係を反映して地方自治体や民間のあらゆるレベルで活発な
人的交流が行われている。例えば地方自治体では、姉妹都市等交流の他に JET プログラム(語
学指導等を行う外国青年招致事業「The Japan Exchange and Teaching Program」の略称、地方自
治体と総務省、外務省、文部科学省及び財団法人自治体国際化協会との協力の下で実施)による
人的交流が活発に展開されている。これは、海外の青年を日本の各自治体に招聘し、小・中・
高校の外国語指導や国際交流活動に従事してもらうプログラムであり、同プログラムにより
1987 年の発足以来 5 万人を超える青年が、米国、カナダをはじめとする各国から訪日し、地域
レベルでの国際交流に大きく貢献している。
因みに JET プログラムのテキサス・オクラホマ両州からの参加者は、2009 年 43 人、2010 年
42 人、2011 年 36 人(予定)となっている。また、当地では、日本から帰国した JET プログラ
ム参加者により JET-AA(JET プログラム同窓会テキサス・オクラホマ支部)が組織され、メンバ
ーは現在 200 人を超えている。JET-AA は、当地での日本関連事業等に積極的に参画するなど、
日米市民レベルの交流に大きく貢献している。
2
3
1991 年民間友好確認書の締結、その後 2004 年姉妹都市協定を締結
国際友好都市の関係(「ダラス―仙台市」以外は姉妹都市関係)
6
Ⅲ.政治関係
1.政治情勢全般
テキサス州は、他の南部諸州同様、伝統的に保守的な土地柄である。歴史的には、1860 年頃に共
和党が南部の社会基盤であった奴隷制の廃止を推奨したことから、南北戦争を契機にテキサス州民
は民主党を強く支持するようになった。この状況は一世紀に亘り続いたが、1960 年代に民主党が公
民権運動を通じリベラル色を強めるようになると、州民は次第に民主党を離れ、共和党支持に乗り
換えるようになった。
この傾向は、
テキサス州知事にブッシュ前大統領が選出された 1994 年の中間選挙を境に顕在化し、
以降、州民の支持政党は民主党から共和党優位に移行した。共和党は、州知事他州政府の要職を独
占しており、更に、2004 年の総選挙においては、ディレイ下院共和党院内総務(当時)の強い後押
しを受け、共和党に有利な下院選挙区区割りが行われたこともあり、共和党が連邦上下両院、州上
下両院の全てにおいて過半数の議席を獲得し、テキサス州における同党の支配を確固たるものとし
た。
2008 年の大統領選挙では、テキサス州全体においては共和党のマケイン候補が勝利したものの、
都市部を中心に民主党がやや勢力を伸ばし、ハリス郡(ヒューストン市とその周辺地域)において
はオバマ大統領が勝利した他、同年の州下院議員選挙では、共和党と民主党の議席数の差はわずか 1
議席となった。
(その後、民主党議員 1 名が共和党に鞍替えし、共和党 77 議席、民主党 73 議席とな
った。
)
但し、最近では、オバマ大統領の支持率低下や医療制度改革に対する反対、保守系草の根グルー
プ「ティーパーティ運動」の勢力拡大等により、共和党が再び勢いを取り戻している。実際、後述
の通り 2010 年の中間選挙では、
「反現職」
、「反ワシントン」の流れの中で、連邦下院、州知事、州
下院選挙で共和党が勝利した。
2.ヒスパニック系住民の動向と課題
テキサス州はメキシコとの間に長い国境線を有することもあって、州内ヒスパニック系住民の人
口増加が著しい(州内の人口の約 3 割を占める)
。一般的に、ヒスパニック系住民は経済的に恵まれ
てない貧困層に所属する割合が高いため、民主党を支持する傾向があると見られている。その一方
で、宗教や家族の価値に関しては非常に保守的であることから、2004 年の大統領選では、この価値
観を重視して巧みな選挙戦術を展開したブッシュ前大統領が、テキサス州においてヒスパニック票
の 6 割弱を獲得したといわれている。一方、2008 年の大統領選挙等では、逆にヒスパニック票の多
くが民主党の候補に流れたと考えられている。
いずれにせよ、今後、特に若年層のヒスパニック系住民が選挙権を有するようになれば選挙に与
える影響は大きく、民主・共和両党にとって、彼らの支持獲得は、選挙対策上の大きな課題となっ
ている。その一方で、貧困層の増大による治安の悪化、子女の教育費の増大、不法移民への対処等
が州の喫緊の政治課題となっている。
7
3.2010 年中間選挙
(1)連邦下院選挙
共和党が1議席増やした 2008 年の選挙に続き、2010 年の中間選挙でも、共和党候補が第 17 選挙
区、23 選挙区及び 27 選挙区で民主党現職を相手に勝利し、3議席増やした。
第 17 選挙区では、例えば 2008 年大統領選挙で共和党のマケイン候補が圧勝するなど元々共和党
寄りの選挙区であり、2010 年中間選挙でも共和党が最優先で奪取を目指す選挙区の一つとされてい
た。第 23 選挙区は、事前には民主有利とされていたが、最終的には共和党候補が当選した。第 27
選挙区でも、共和党候補が接戦を制し、約 800 票差で勝利した。
改選後の議席は、共和党 23 議席、民主党 9 議席となった(改選前は、共和党 20 議席、民主党 12
議席。
(2)テキサス州知事選挙
2010 年の選挙では、最近の州知事選挙では最も有力な民主党候補と言われるビル・ホワイト前ヒ
ューストン市長と 3 選を目指すリック・ペリー州知事の戦いが注目されてきたが、世論調査で大差
ではないものの常にリードを保ってきたペリー州知事が再選を果たした。
(3)州議会選挙
連邦下院議員選挙と同様に、州下院議員選挙では共和党が議席を拡大し、22 議席増となった(改
選後の議席は、共和党 99 議席、民主党 51 議席)
。他方、州上院議員選挙では、両党の議席数に変
化はなかった(共和党 19 議席、民主党 12 議席)。
8
Ⅳ.テキサス州経済
1.州経済の変遷
テキサス州は、歴史的に農業及び牧畜業が主要産業であったが、1901 年のスピンドルトップで
の油田の発見以来、エネルギー産業の比重が急激に高まり、以後エネルギー産業とともに歩んで
きた。こうしたことから従来、州の産業は、Cotton、Cattle、Crude のいわゆる3Cに代表される
といわれてきた。しかし、80 年代以降は、エネルギー産業に加えハイテク産業も成長するなどサ
ンベルトの一大中心州として急速な発展を遂げてきている。
州の石油生産量のピークは 1972 年の 13 億バレル、石油リグ数のピークは 1981 年の 1,316 基で
あるが、二度にわたる石油価格の上昇(石油ショック)が州に多大な経済発展をもたらし、人口増
加率も 70 年代に年平均 2.7%、80 年代に 1.9%と全米平均(1.1%、1.0%)と比較して高い増加率を記
録した。
しかし、1980 年、1986 年の石油価格の急激な下落(1986 年には1バレル 10 ドル以下となった)
は州経済に極めて厳しい環境をもたらした。この不況に伴う人口、所得の伸びの鈍化と建設ラッ
シュ期(1983 年にはテキサス州は一戸建住宅では全米の 11%、アパートでは 25%を建設していた)
での過剰在庫とがあいまって不動産業界は大打撃を受けるとともに、州内の金融機関・消費者金
融は不動産・エネルギー産業に対する貸付債権の焦付きから軒並み経営危機に瀕するに至った。
この結果、1987 年には一般企業倒産数 8,300 件以上、1989 年には商業銀行倒産数 132 社を記録し
ている。
その後、1987 年以降、石油価格の回復、ドル安に伴う輸出の好転等を反映して緩やかではある
が不況から回復し、90 年代には全米平均水準を上回る安定成長を記録した。また、80 年代のエ
ネルギー・不動産不況を契機として経済構造の多角化、高度化が進展し、近年においては、通信・
コンピュータ関連を中心としたハイテク産業やサービス産業等の発展がめざましい。州にとって、
1987 年は不況から経済の多様化の進展を伴う安定成長への一つの転換点とみられている。
1990 年には、ヒューストンで先進国首脳会議(サミット)が開催された。1994 年には、80 年代
後半からメキシコ向け輸出が急増する中、NAFTA(北米自由貿易協定)が発効した。1995 年には、
前年末のペソ危機でメキシコ向け輸出は減少したものの、それを補う形でアジア向け輸出が増大
し、逆に 1998 年には、アジア通貨危機の影響でアジア向け輸出が減少したものの、NAFTA 加盟
国(メキシコ及びカナダ)向け輸出が大幅に増加した。2002 年頃からは急速な経済成長と WTO 加
盟で貿易が活発化した中国への輸出が著しく増加している。
2007 年 12 月に米国経済が景気後退入りした後も、テキサス州経済は原油・ガス価格高騰に沸
くエネルギー産業が牽引し、比較的健全な経済成長を続けていた。2008 年 7 月には原油価格が 1
バレル 147 ドル台の最高値を記録し、石油大手各社は過去最高益を更新したが、世界景気後退や
エネルギー需要縮小から 08 年末には原油価格が 1 バレル 30~40 ドル台へと急落し、さらにハイ
テク産業や輸出の落ち込みも加わって、テキサス州経済は急激に失速した。米国経済の戦後最長
の景気後退期(07 年 12 月~09 年 6 月)にはテキサス州の失業率は常に全米平均を下回っていた
が、建設業界が 10 万人近い人員削減を行うなど、2001 年の景気後退期の 2 万 3,000 人削減を大
9
幅に上回る規模であった。
その後、ハイテク産業やエネルギー産業の回復に伴ってテキサス州は他州に比べて早いスピー
ドでリセッションから抜け出し、雇用成長、人口増、資本投資増加、輸出拡大など、米国経済回
復を先導している。
2.経済規模
州の経済規模を概観すると、2010 年の州内総生産(GSP)は1兆 2,075 億ドルで、カリフォルニ
ア州に次いで全米第2位(全米シェア 8.3%)
。全米各州を独立国と考えれば、テキサス州は中国、
日本、ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、ブラジル、カリフォルニア州、カナダ、インド、
ロシア、スペインに次ぐ世界第 13 位の経済規模である。また、人口、雇用数は全米第 2 位、製
造業付加価値額は全米第 2 位、製造業出荷額は全米第1位、輸出額は全米第1位、農林水産業生
産額は全米第 3 位など、主要指標の多くが全米トップ級である。個人所得総額は全米第2位であ
るが、一人当たり個人所得(39,493 ドル)では全米第 24 位となっている。
3.産業の特徴
テキサス州の主要産業としては、エネルギー産業、石油化学工業やハイテク産業を中心とする
製造業、農業、米墨貿易の発展とともに成長している運輸・通信業等があげられる。エネルギー
産業は、80 年代半ばから 10 年間で雇用数が約3分の2に減少するなど州内産業に占めるウエイ
トが減少していたが、石油価格の上昇とともに増加し引続き重要な位置を占めている。このほか、
雇用源として卸売・小売業、教育・保健、専門サービス業が挙げられる。
州の産業構造の変化について州内総生産(2010 年価格)に占めるウエイトを見ると、10 年前の
2001 年には金融・保険・不動産業が最も大きく 16.1%、次いで卸売・小売業が 14.2%、製造業 12.5%、
政策部門 11.1%、専門サービス業 10.5%、鉱業 6.5%、運輸・公益業 6.4%となっていた。2010 年
も金融・保険・不動産業が 15.6%と依然トップだが、製造業(13.3%)と卸売・小売業(12.2%)は
順位が入れ替わった。ウエイトの伸びが比較的大きいのは、鉱業(6.5%→9.5%)となっている。
州の産業基盤に関する特徴としては、以下の諸点があげられる。
・ 天然資源、エネルギー資源が豊富であり、全米の石油生産量の 5 分の 1、天然ガス生産量の 3
分の 1、精製能力の 4 分の 1 を占める全米最大の資源州。
・ 再生可能エネルギーの発電潜在量が大きく、特に風力発電導入量(能力ベース)は全米の 25%
を占める。
・ ヒューストンを中心とする石油化学工業は、全米の基礎化学物資生産高の約6割を占めると
いわれ、世界の石油化学産業の中心的存在。
・ コンピュータ関連や今後の時代を担う産業といわれるナノテク、バイオ、航空宇宙等のハイ
テク分野では最先端地域の一つ。
・ 州税制では、売上税(税収に占める割合は 2010 会計年度で 55.5%)、事業税(同 10.9%)、自
動車販売税(同 7.4%)、自動車燃料税(同 8.6%)が重要な税収源となっており、州法人税・所得
10
税は課されていない。
・ 地理的に米国の東西の中心に位置し、陸海空の輸送体系が整備され充実している。
4.貿易
テキサス州の輸出額は 2002 年にカリフォルニア州を抜いて以来、全米1位を維持しており、
2010 年は 2,066 億ドルであった。この間、全米輸出に占めるテキサス州の割合は、2002 年の 13.8%
から 2010 年には 16.2%へ上昇している。
輸出は 80 年代の不況期にも州経済の活力を維持する役割を果たし、1988~1989 年の州内総生
産増加額のうち、輸出の寄与度は 20%に達した。また、経済回復期の 1990~1995 年までの 5 年
間で州の名目輸出額は 66%増加し、経済回復の牽引役を果たした。IT バブル崩壊などに伴う 2001
年からの景気後退期や金融危機に伴う 2008 年からの景気後退期は、一時減少を見せたが、石油・
石炭製品、化学製品、機械、輸送用機器の好調さにより 2010 年の輸出額合計は 5 年間で 36.9%
増加した。
テキサス州の輸出相手国としては、NAFTA 加盟国のメキシコ、カナダの両国で 44%を占め、
特に隣接国であるメキシコの割合が 35.0%と圧倒的に高い。全米では、メキシコはカナダに次ぐ
第 2 位の輸出相手国であるが、その割合は輸出で 12.8%、輸入で 12.0%程度に留まる。また、テ
キサス州の全米輸出に占める割合は 16.2%であるが、対メキシコ輸出だけでみると 44.3%もの割
合を占め、メキシコ経済との結びつきが極めて強いことがうかがえる。
メキシコ、カナダに続くテキサス州の輸出相手国は 2010 年では、中国、ブラジル、韓国、シ
ンガポール、オランダ、台湾、日本と続き、アジア地域が上位を占める。日本については、2002
年にはメキシコ、カナダ、台湾に次いで第 4 位(3.0%)の輸出相手国であったが、徐々に順位を下
げ、2010 年には第 9 位(1.9%)となっている。
テキサス州からの輸出品をみると、コンピュータ・電気製品、化学製品、石油・石炭製品、機
械類が上位を占め、ハイテク、石油関連の比重が大きいことがうかがえる。
なお、ヒューストン港は 2010 年統計によると、貿易貨物取扱量(トンベース)が全米第1位、貨
物取扱総量(トンベース)では全米第2位である。貿易貨物取扱量(トンベース)の内訳をみると、輸
出・輸入共に石油・石油製品が圧倒的な比重を占める。
5.国際投資
国別の対米直接投資の状況(2009 年)を残高ベースでみると、日本はイギリスに次いで第2位の
投資国となっており、全体の 11.4%を占めている。対米直接投資全体に占める割合は 92 年をピ
ークに低下傾向にあったが、2003 年からは増加に転じ、2005 年~2009 年の 5 年間で 39.2%増加
している。
日本の対米直接投資を業種別にみると、2009 年では卸売業(44.7%)と製造業(29.0%)が大きな割
合を占め、卸売業は 2001 年以降、製造業を抜いて第1位となっている。製造業の内訳をみると、
輸送用機器が大きな比重を占めるが、近年は化学分野の大きな伸びが目立つ 。
11
次に、国別の対テキサス直接投資の状況を残高ベースでみると、日本はイギリス、ドイツ、フ
ランスに次いで第 4 位となっており、全体の 8.0%を占める。この割合は 1998 年まで増加傾向に
あったが、1999 年以降 2002 年まで 4 年連続で減少、そして 2003 年に増加に転じた後、2007 年
は再びポイントを下げた。一方、雇用者数ベースでみると、日本は 2008 年では 33,700 人を雇用
し、イギリス、フランス、カナダ、ドイツ、オランダに次いで第 6 位となっており、国別割合は
投資残高とほぼ等しい 7.7%を占めている。
なお、ジェトロの調査(調査時点 2010 年 7~8 月)によると、米国に進出している日系製造業の
工場数は 2,153 工場で、前回調査時(同 2009 年 7~8 月)から 23 工場増加した。州別では、カリフ
ォルニア州(23%)、
オハイオ州(8%)、イリノイ州(6%)、ケンタッキー州(6%)、インディアナ州(5%)、
テキサス州(5%)、ミシガン州(5%)等に多く立地している。業種別では、輸送用機械部品(24%)、
化学品(9%)、一般機械(9%)、電気・電子部品(8%)、食品・農水産加工(8%)の順に多い。テキサス
州への進出工場数は 113 工場、州別ランクは全米第 6 位で、いずれも前回調査時から上昇した。
12
6.財政
テキサス州の州政府及び地方政府の歳入構造の特徴は、所得税及び法人税がなく、その代替と
しての売上税と資産税(Property Tax)に大きく依存している点である。州税においては、売上税が
税収全体の半分以上を占め最大の税目となっている。特に、1990 年に税率が 4.125%から 6.25%(地
方政府賦課分の最高 2%と合わせると最高 8.25%)へ引き上げられるとともに課税ベースが通信、
サービスへも広げられたため、その割合は増大した。また、資産税はそのすべてが地方税であり、
地方政府における資産税への依存度は極めて高くなっている。
州政府の 2010 会計年度(2009.9~2010.8)4の歳入・歳出の内訳をみると、歳入(873.6 億ドル)は、
税収が全体の 40.5%、連邦政府からの譲与金(42.2%)、手数料・罰金(7.9%)、宝くじ収入(1.9%)、
利子・配当(1.2%)等となっている。一方、歳出(904.3 億ドル)は、医療・保健(40.1%)、教育(35.8%)、
運輸(6.6%)、警察・治安(5.2%)等となっている。
税収は、主要税目である売上税や、事業税が減収であったことに加え、天然ガス生産税が前年
比 48.5%減の大幅減収となったことから、全体で前年比 6.5%減と落ち込んだ。
7.地域動向
テキサス州は、広大で文化、気候、地質等を異にする地域を有する多様性に富む州である。ま
た、資源も偏在し地域間の経済発展に差異をもたらしている。伝統的にテキサス州を特徴づける
とされている3C(Cotton、Cattle、Crude)も地域的な分布は一様ではない。テキサス各地の地域的
特徴は、概ね次の 6 つの経済地域に区分して説明することができる。
(1) セントラル・コリドー
州都オースティン、サンアントニオを中心としたこの地域は天然資源に乏しく、伝統的に連
邦、州の政府機関及び大学等の高等教育機関が集中した政治と大学の地域であり、官民のサー
ビス活動や軍事基地等の活動を中心に発展してきた。最近では、ハイテク製造業・サービス業
の役割が急速に増大している。特にオースティンでは、1983 年に MCC(Microelectronic and
Computer Technology Corporation:米国コンピュータ業界によって設立された新世代のコンピュ
ータに関する共同研究組織)、1987 年には SEMATECH(Semiconductor Manufacturing Technology
Consortium:米国半導体業界によって設立され連邦政府が支援した新世代半導体に関する共同
研究組織)が設立されたこと、優秀な労働力の供給源であるテキサス大学があること、水や電力
の確保が容易なこと、更には州政府の企業誘致努力などが功を奏し、シリコンバレー等からの
脱出企業が多数立地するようになり、「シリコンヒル」と呼ばれている。また、オースティン
とサンアントニオを合わせて「ハイテク・コリドー」と呼ぶこともある。
(2) メトロプレックス
テキサス州の会計年度は 9 月から翌年 8 月までであるが、予算は 2 年度制を採っており、現予算年度は
2009 年 9 月~2011 年 8 月である。
4
13
ダラス、フォートワースを含むこの地域は、ハイテク電子・宇宙産業・国防関連産業を中心
とした製造業、卸・小売業、航空・運輸業、サービス業、金融業が発達している。州内におけ
るハイテク産業のウエイトが最も高い地域であり、雇用・生産の両面で4割以上のシェアを占
めるとされる。テキサスインスツルメンツ(TI)、エレクトリック・データ・システムズなどの
半導体、コンピュータ関連企業や通信関連企業が数百社集積している地域で、「テレコム・コ
リドー」とも呼ばれている。
(3) ガルフ・コースト
ヒューストンを中心としたボーモントからコーパスクリスティにかけての沿岸地域は、石
油・ガス産業、石油化学工業及びその関連産業が発達している。特に、全米の基礎化学物資の
約6割がヒューストン周辺で生産されているといわれ、デュポンなど多くの企業が立地する世
界の石油化学産業の中心的存在となっている。石油化学産業以外にもヒューストンでは、ハイ
テク・コンピュータ産業、宇宙産業、メディカル産業等、新たな有望産業へ傾斜を強めており、
急速に経済構造の多様化を進めている。伝統的に鉄鋼、造船、港湾関連事業なども盛んで、海
運の便に立脚した物流中心地となっている。農業の比重も大きく、豊富な水資源や肥沃な土地
から米、綿花、飼料用穀物、大豆、亜麻等が多く収穫されている。
(4) ボーダー
西部国境のエルパソ、南部国境のラレド、マッカレン、ブラウンズビル等を中心とするボー
ダーは、メキシコとの経済的結びつきが深く、他の地域とは異なった特色を有する。また、80
年代後半からのマキラドーラにおける米国企業の急激な進出とそれに対応した雇用者数の増
加が顕著な動きとしてあげられるが、NAFTA の発効に伴う米墨間貿易の拡大はボーダー地域
の雇用環境にも大きな影響を及ぼしている。90 年代前半は、ペソの低下にもかかわらず国境を
越えて米国側の都市で購買するメキシコ人も多くこの地域の卸・小売業に大きく貢献した。94
年末のペソ危機によるメキシコ人の購買力の低下は地域経済に少なからぬ影響を与えたが、マ
キラドーラの発展等に起因するメキシコ経済の回復に伴い再び活気を取り戻した。さらに、マ
キラドーラ関連の物流・事業サービスが発展しているほか、エルパソなどではコールセンター
の進出も見られる。この地域の主要業種としては、運輸業、観光サービス業があげられるほか、
南東部のクレバーグカウンティは、天然ガスの生産地として有名である。
(5) 東部テキサス
テキサーカナ等を含むこの地域は、木材、石油及び石炭等の天然資源に恵まれ、製造業の雇
用者の割合も比較的高い。この地域は「Pine Woods」と呼ばれ、松林が密集し、木材及び木製
品の供給地として有名である。また、農業生産も米、トウモロコシ、ピーナッツ、綿、大豆、
干し草等が収穫されており、木材生産と同様に重要な役割を果たしている。
14
(6) プレインズ
アマリロ、ラボックを含むこの地域は、石油・天然ガス等の資源並びに綿花・トウモロコシ・
小麦等の農産物に恵まれた地域である。豊富な地下水は農業灌漑に利用され、北部のラボック
カウンティはテキサス一の綿花生産地域となっている。南部では、牛・山羊・羊が飼育され、
なかでもアンゴラ山羊とモヘアは全米の筆頭生産地となっている。また、種牛(テキサス牛)の
生産でも全米の中心的地域となっている。
15
Ⅴ
最近の経済動向等
1.最近の経済動向
2010 年のテキサス州経済は他州に比べて早いスピードで景気後退からの回復を遂げ、雇用は 20
万 9,000 人増と前年比 2%近い伸びを示した(全米平均は 0.7%)
。ハイテク産業とエネルギー産
業が好調で、住宅価格の下落も軽微にとどまったことも特徴である。
ダラス連銀が景気指標として発表している「ビジネスサイクル指数」
(地域ごとに、非農業雇用
者数、失業率、インフレ調整後の賃金、州内総生産(GDP)などを総合した指標)の動きを見る
と、09 年 11 月に底を打ち、2010 年 12 月までに年間 2.2%の成長を示している。
2010 年春以降、景気対策効果の剥落や在庫積み増し効果の減退などから経済回復ペースが減速
したものの、オースティン、ダラス、ヒューストンを中心にハイテク産業が州経済牽引の大きな
役割を果たした。2010 年のコンピュータ・電気製品の輸出は前年比 22.0%増に拡大し、2008 年
を上回る程にリバウンドしている。同様に、エネルギー産業も 2010 年は原油価格が 1 バレル 75
~80 ドルと高値で安定推移したこともあり盛況で、州内稼働リグ数は前年比 59%増、鉱業部門の
雇用者数は同 10%増と順調に伸びた。原油価格の上昇と稼働リグ数の増加は 2011 年に入ってか
らも続き、2011 年 4 月には 1 バレル 110 ドル台に達し、5 月時点では前年同期比 37%増の 101.
27 ドルとなった。一方、天然ガスは右肩上がりの原油価格とは別の動きを示し、2011 年 5 月時点
で 4.29 ドル/百万 Btu と前年同期比 3%増にとどまる。
テキサス州経済は比較的順調に推移しているが、2011 年の経済成長の抑制要因として懸念され
るのは、緊縮財政を強いられる州・地方政府の動向と低迷が続く住宅市場である。州人口の増加
に伴い、ヘルスケア、治安、教育など公共サービスのニーズは高まる一方だが、財政赤字を抱え
る州政府が歳出削減または増税政策をとることになれば、州経済の回復スピードを弱めることに
なりかねない。住宅市場は 09 年に底を打ってから 2010 年に若干増加し、2011 年はわずかながら
増加が期待されるが、差押え物件や在庫の高止まり等のため着工件数の伸びに繋がっていない。
商業用も低迷しており、2011 年内の改善は厳しい模様だ。
2.人口の動向
国勢調査局(Census Bureau)によると、2010 年のテキサス州人口は 2,514 万 5,561 人で、前回セ
ンサス(2000 年)からの人口増加率は 20.6%で全米第 5 位の伸び率。オースティン、ダラス・フ
ォートワース、サンアントニオ、ヒューストンの 4 大都市圏における人口増加が著しい。また、
エルパソ、マッカレン、ラレド、ブラウンズビルなどのメキシコ国境に接する諸都市では近年人
口増加率は非常に高い。
テキサス大学サンアントニオ校のテキサス州データセンターでは、移民による人口増加率が 90
年代の半分で推移するとの最も可能性の高い仮定に基づき、2040 年の州人口を 3,576 万人と予想
している。増加人口の大部分をヒスパニック系5が占めると見ており、2020 年にはヒスパニック
5
国勢調査で「ヒスパニックあるいはラティーノ」と区分されているグループは、便宜上「ヒスパニック
16
系人口が非ヒスパニック系白人の人口を超え、最大グループになると予想している 。
国勢調査局の推計によれば、2004 年以降、テキサス州は、ハワイ州、ニューメキシコ州、カリ
フォルニア州に次いで全米 4 番目の「多数派が少数派の州(Majority-minority state)
」(非ヒスパニ
ック系白人が総人口の 50%以下の州)となっており、2010 年のマイノリティー(非ヒスパニック
系白人以外)の人口は、州全体の 54.7%を占めている。
ダラス連銀は当該データを引用し、ヒスパニック系の人口増加が、教育、住宅、労働市場に大
きな影響を与え、ベビーブーマー世代が高齢化するに従い、住宅・ヘルスケア・社会福祉への需
要がさらに増加すると分析している。
系」と表記する。なお、ヒスパニックとは中南米系のスペイン語話者とその子孫、ラティーノとはヒスパ
ニック及び中南米系の非スペイン語話者(ポルトガル語等)とその子孫を指す地理的・言語的区分であり、
人種的区分ではない。そのため、「ヒスパニックあるいはラティーノ」の人種は横断的である。
17
Ⅵ.歴史
テキサスの地に先住民が居住し始めたのは、およそ1万 1,200 年~8,000 年前と言われているが、
豊富な土地と水、豊富な獲物がその背景となった。この土地にスペイン人が姿を見せるのは 16 世
紀に入ってからであった。
1.スペイン人の植民
1540 年、スペイン王の命令によりフランシスコ・バスケスはテキサスを含むアメリカ南西部へ
の遠征を始めたが、彼らが興味を示したのはエルパソ地域のみで更なる遠征には関心がなかった。
しかし、1685 年にフランス人遠征家がマタガルガ湾に到着しその近郊に要塞を建設すると、スペ
イン側もこれに対抗して 1690 年に布教拠点兼要塞を建設した。その後 1718 年、それはサンアン
トニオにも建設され、これが後にアラモとして知られるようになった。フランス勢力の拡大を恐
れたスペインは、民間人によるテキサスへの移住が必要と考え、植民地であるカナリア諸島から
の移民を奨励、1731 年に 15 家族(55 人)が長い航海を経てテキサスの地に辿り着いた。彼らがテ
キサス初の民間からの永住者となった。しかし、スペインが頭を痛めたのはフランス勢力の拡大
だけではなかった。1810 年に始まった New Spain(メキシコ)の独立戦争がそれであった。
スペインのメキシコに対する支配力が衰退した 1820 年、スペインはその領土テキサスを外国
人に開放する決定を下した。これを受けてモーゼス・オースティンは、東テキサスに 300 のアメ
リカ人家族の入植を求め、それが認められた。翌年のモーゼスの死後、父の意思を継いだ息子の
ステファンは、この計画を遂行、1821~24 年の間に 300 家族が東テキサスに入植した。ステファ
ン・オースティンは後に「テキサスの父」と呼ばれるようになった。
2.メキシコの支配
1821 年、メキシコはスペインからの独立を宣言し、テキサスはメキシコの領有下に置かれるよ
うになり、3世紀続いたスペインによるテキサス領有は幕を閉じた。これをきっかけにアングロ
アメリカンの移住が増えたが、彼らのメキシコ政府に対する権利の要求が激化すると、ついにメ
キシコ政府は、1830 年4月6日、法律により外国からの移民を禁止した。これを背景にアングロ
アメリカンとメキシコとの対立が深まっていった。
1836 年2月下旬、メキシコ大統領であったサンタ・アナは、アラモの砦に立て篭もるテキサス
軍を 13 日間にわたり包囲し、指導者トラビスに降伏を求めたが、彼がこれに応じないため、3
月6日、総勢 5,000 人のメキシコ軍は、総勢 200 人にも満たないテキサス軍への攻撃を開始した。
この戦闘は約1時間半でメキシコ軍の勝利に終わり、テキサス軍のトラビス、クロケット、ボー
ウィ等の英雄は壮絶な死を遂げた。また、ゴリダットの要塞を守備するファニン率いるテキサス
軍も降伏を余儀なくされ、多くの兵士が銃殺された。
3.テキサス共和国
一方、テキサス入植者のリーダーによって組織される議会では、1836 年3月2日にテキサスの
18
独立宣言が行われたが、このことはアラモとゴリダットを守備するテキサス軍の兵士たちの知る
ところではなかった。アラモとゴリダットでの戦いに敗れたテキサス軍は東に向かって退却を続
け、現在のヒューストン近郊のサン・ジャシントでメキシコ軍と衝突した。そして、4月 21 日、
サム・ヒューストンの指揮の下、総勢 900 人のテキサス兵士がメキシコ軍 1,400 人を急襲、
“Remember the Alamo!”“Remember the Golidad!”の声の下、僅か 18 分の戦闘で勝利を収めた(1939
年には戦場となった場所に記念碑等が建てられた。)。ここに名実ともにテキサス共和国が誕生
し、サム・ヒューストンが大統領に選出され、ステファン・オースティンは国務長官となった。
1839 年、テキサス共和国の首都がヒューストンからオースティン(ステファン・オースティン
を称えて名付けられた)に移された。南北と東西を結ぶ貿易ルートの交差地点であったこと、地
理的にも州の中心に近いことがその理由とされている。
4.合衆国併合
テキサス共和国は、イギリス、オランダ、ベルギーから外交的な承認は受けたものの、財政難
で人口も激減した。こうした中、共和国政府はアメリカ合衆国への併合を望んだが、財政難に加
え人口の 25%以上が奴隷という当時の事情もあり、その実現は容易ではなかった。
しかし、1845 年、合衆国政府が承認し、12 月にポーク大統領が併合の協定書に署名したこと
により、テキサスは連邦 28 番目の州となった。ローンスターという州のニックネームにも表れ
ているとおり、アメリカ合衆国の中で唯一共和国としての歴史を持つテキサスの人々にはその誇
りが感じられる。
合衆国への併合により、
テキサスへの人口移動が増加し、人口は 1836 年の 35,000
人から 50 年には 212,000 人に、60 年には 604,000 人まで膨れ上がった。ドイツを皮切りにチェコ
スロバキア、ポーランドといったヨーロッパ各国からの移民が殺到したのである。
5.南北戦争とその後
1865年に南北戦争が終わると、主要都市を結ぶ鉄道がテキサス全域まで広がり、州経済を支え
る綿花の輸送に大きく貢献した。外国(特にメキシコとヨーロッパ)からの移民も鉄道の充実に
より更に増加し、テキサスは大きく成長していった。1870年以降は大学教育機関の設立も始まり、
Texas A&M大学が最初の州立大学として設立された。
20世紀に入ってからは、1901年にスピンドルトップで原油が大噴出し、州経済は綿花から石油
へと移行していった。一時は過剰生産により原油が1バレル3セントであったのに対し、飲料水が
1カップ5セントで売られていた地域もあったと言われている。ダラス市は、南北戦争後の鉄道の
普及に伴い北テキサスの綿花輸出の中心地となっていたが、1900年初頭のウィルソン政権時代に
は連邦準備銀行が置かれたのをきっかけに金融業が目覚しく発展した。また、ヒューストン市は、
1914年にヒューストン港が開港し、貿易の重要な拠点となった。
第二次大戦後、1963年には、ヒューストン近郊に米国の有人宇宙計画の拠点となる「NASA
有人宇宙飛行センター」が開設され、1973年には現在の「リンドン・B・ジョンソン宇宙センタ
ー」に改称された。また、1974年には、ダラス・フォートワース国際空港が世界一の面積を誇る
19
空港として開港した。1972年以降、産油量が減少し、80年代は石油価格の下落により州経済が大
きな打撃を受けたが、90年代に入って産業構造が多様化し、経済的に大きく潤った。1990年には、
ヒューストン市が先進国首脳会議(サミット)の開催地となっている。
なお、テキサス州出身の大統領としては、第36代のリンドン・B・ジョンソン大統領(民)、
第41代のジョージ・H・W・ブッシュ大統領(共)
、第43代のジョージ・W・ブッシュ大統領(共・
前大統領)が挙げられる。
20
付
表
21
表 1 テキサス州主要経済指標
1 兆 3,081 億 3,200 万ドル(11 年)
州内総生産(GSP)
人
口
雇用数(非農業合計)
時
全米 2 位
2,567 万 4,681 人(11 年推計)
全米 2 位
1,055 万 7,300 人 (11 年)
全米 2 位
給
平
20.72 ドル(11 年) 全米 22 位
均
15.44 ドル(11 年)
中間値
製造業
付加価値額
1,748 億 8,100 万ドル(09 年)
全米 2 位
出荷額
4,818 億 2,700 万ドル(09 年)
全米 1 位
主要分野
石油・化学製品、電気・電子機器、産業用機械、金属製品、食品
農林水産業
州内生産額
主要農産品
98 億 9,700 万ドル(11 年)
全米 2 位
2,498 億 6,004 万ドル(11 年)
全米 2 位
牛、綿花、ブロイラー、温室栽培
輸出
輸出額
主要輸出品
石油・石炭製品(20.5%)、化学製品(18.7%)、コンピュータ・電気
(2011 年シェア)
製品(16.8%)
、機械(11.0%)、輸送用機器(8.7%)
主要輸出先
メキシコ(34.7%)、カナダ(8.8%)、中国(4.4%)、ブラジル(4.0%)、
(2011 年シェア)
オランダ(3.6%)
個人所得総額
10,165 億 2,936 万ドル(11 年)
全米 2 位
39,593 ドル(11 年)
全米 26 位
1人当たり個人所得
出所:Bureau of Labor Statistics, U.S. Department of Labor, The Texas Economy
International Trade Administration, U.S. Department of Commerce
Bureau of Economic Analysis, U.S. Department of Commerce
Business and Industry Data Center
22
表 2 テキサス州の産業別雇用数の推移
(単位: 千人、 %)
区分
2002
非農業合計
2006
構成比
9,415.8
鉱業
145.3
建設業
567.8
製造業
948.0
卸売・ 小売業
1,556.4
運輸・ 公益
1,948.3
情報
249.3
金融
579.7
専門サービス
1,066.3
教育・ 保健
1,082.4
娯楽・ 観光
846.6
その他サービス
356.1
政府部門
1,626.0
出所: Bureau of Labor Statistics
100.0
1.5
6.0
10.1
16.5
20.7
2.6
6.2
11.3
11.5
9.0
3.8
17.3
2011
構成比
10,064.6
185.9
605.6
924.0
1,630.1
2,049.0
221.7
628.2
1,241.1
1,215.7
940.3
347.9
1,705.4
100.0
1.8
6.0
9.2
16.2
20.4
2.2
6.2
12.3
12.1
9.3
3.5
16.9
構成比
10,557.3
236.0
559.5
835.5
1,671.2
2,103.3
195.5
639.0
1,339.2
1,422.2
1,043.7
369.3
1,814.1
100.0
2.2
5.3
7.9
15.8
19.9
1.9
6.1
12.7
13.5
9.9
3.5
17.2
02年比
06年比
(02年=100) (06年=100)
112.1
162.4
98.5
88.1
107.4
108.0
78.4
110.2
125.6
131.4
123.3
103.7
111.6
104.9
126.9
92.4
90.4
102.5
102.7
88.2
101.7
107.9
117.0
111.0
106.2
106.4
表 3 テキサス州の産業別総生産の推移
産業
2002
州内総生産
782,780
農林水産業
6,969
鉱業
45,806
建設業
42,460
製造業
96,561
卸売・ 小売業
109,511
運輸・ 公益
46,187
情報
37,522
金融・ 保険・ 不動産
129,291
専門サービス
77,929
教育・ 保健
50,238
娯楽・ 観光
28,533
その他サービス
20,465
政府部門
91,310
出所:Bureau of Economic Analysis
構成比
100.0
0.9
5.9
5.4
12.3
14.0
5.9
4.8
16.5
10.0
6.4
3.6
2.6
11.7
2007
1,147,404
8,724
111,450
59,057
173,057
144,455
65,967
47,652
163,047
120,840
67,928
37,519
25,478
122,232
2008
1,209,267
7,716
145,073
60,982
151,283
147,859
70,125
45,453
181,715
130,799
73,137
37,807
27,234
130,086
23
(単位:百万ドル、%)
2009
2010
2011
1,129,537
6,144
86,495
57,748
138,924
143,172
64,110
43,682
181,212
124,658
79,255
38,142
27,856
138,138
1,222,904
9,763
97,083
55,956
173,199
151,158
66,513
42,381
193,233
133,999
85,408
40,777
29,470
143,966
1,308,132
9,897
118,578
57,970
192,024
162,378
67,434
44,903
199,414
144,655
90,005
43,504
31,209
146,162
構成比
100.0
0.8
9.1
4.4
14.7
12.4
5.2
3.4
15.2
11.1
6.9
3.3
2.4
11.2
表 4 テキサス州主要都市の失業率の推移
ヒュ ーストン
ダラス
オーステ ィン サンアントニオ
都市圏
都市圏
都市圏
都市圏
2002
6.0
6.5
5.9
5.7
2003
6.7
6.6
6.0
6.1
2004
6.2
5.8
5.1
5.6
2005
5.6
5.2
4.5
5.0
2006
5.0
4.8
4.2
4.6
2007
4.3
4.3
3.7
4.1
2008
4.8
5.0
4.4
4.7
2009
7.5
7.7
6.8
6.6
2010
8.5
8.2
7.1
7.4
2011
8.1
7.8
6.8
7.4
出所:Bureau of Labor Statistics, Texas Workforce Commission
( 単位: %)
エルパソ
都市圏
8.2
8.8
7.6
7.0
6.7
5.9
6.3
8.8
9.8
10.3
表 5 米国の輸出入の状況
区分
2007
2008
2009
1,148,198
1,287,441
1,056,042
輸出
対全世界
輸入
1,956,961
2,103,640
1,559,624
輸出
135,918
151,220
128,892
対メキシ コ
輸入
210,713
215,941
176,654
輸出
11.8
11.7
12.2
メキシ コの占め
輸入
10.8
10.3
11.3
る割合
輸出
62,936
69,732
69,496
対中国
輸入
321,442
337,772
296,373
輸出
5.5
5.4
6.6
中国の占める
輸入
16.4
16.1
19.0
割合
輸出
61,159
65,141
51,134
対日本
輸入
145,463
139,262
95,803
輸出
5.3
5.1
4.8
日本の占める
輸入
7.4
6.6
6.1
割合
出所:International Trade Administration, U.S. Department of Commerce
米国からの輸出額
米国への輸入額
百億ドル
百億ドル
メキシコ
30
中国
(単位: 百万ドル、 %)
2010
2011
1,278,263
1,480,552
1,913,160
2,206,929
163,473
197,543
229,907
263,105
12.8
13.3
12.0
11.9
91,880
103,878
364,943
399,335
7.2
7.0
19.1
18.1
60,485
66,168
120,545
128,811
4.7
4.5
6.3
5.8
日本
メキシコ
中国
日本
40
35
25
30
20
25
15
20
15
10
10
5
5
0
0
2 0 07
2 0 08
2 0 09
2 0 10
2 0 11
24
2 0 07
2 0 08
2 0 09
2 0 10
2 0 11
表 6 米国の輸出に占めるテキサス州の割合
区分
2007
2008
2009
(単位:%)
2011
2010
米国の輸出に占め る テ キ サス
州の割合
14.7
14.9
15.4
16.2
16.9
対メキ シコ 輸出に占め る テ キ サ
ス州の割合
41.2
41.1
43.5
44.3
43.9
対中国輸出に占め る テ キ サス
州の割合
13.2
12.1
12.8
11.2
10.5
5.6
5.6
5.4
出所:International Trade Administration, U.S. Department of Commerce
6.6
6.7
対日本輸出に占め る テ キ サス
州の割合
表 7 テキサス州の主要輸出品
品名
輸出額合計
2007
2008
2009
(単位:百万ドル、%)
2011
2010
構成比
0 7 年 比 (0 7
年=100)
168,228
192,221
162,994
206,960
249,860
100.0
148.5
14,723
34,986
25,323
38,376
21,325
31,015
33,067
38,858
51,312
46,626
20.5
18.7
348.5
133.3
33,637
24,791
35,205
27,268
32,053
23,771
39,231
26,375
42,022
27,573
16.8
11.0
124.9
111.2
16,388
16,918
14,396
18,709
出所:International Trade Administration, U.S. Department of Commerce
21,624
8.7
132.0
石油・ 石炭製品
化学製品
コンピュ ータ・ 電気製品
機械
輸送用機器
表 8 テキサス州の主要輸出相手国
国名
(単位:百万ドル、%)
2011
2007
2008
2009
2010
168,228
56,006
16,899
8,278
3,905
5,291
5,571
192,221
62,087
19,381
8,421
5,959
7,062
5,150
162,994
56,035
13,799
8,906
5,043
6,064
5,302
206,960
72,627
18,755
10,275
7,160
5,917
6,442
249,860
86,631
21,967
10,941
9,987
9,038
7,490
100.0
34.7
8.8
4.4
4.0
3.6
3.0
148.5
154.7
130.0
132.2
255.7
170.8
134.4
4,526
5,479
5,134
5,926
2,289
3,020
2,785
4,414
3,447
3,628
2,784
3,999
3,179
3,590
2,980
3,682
出所:International Trade Administration, U.S. Department of Commerce
6,580
5,052
4,404
4,136
2.6
2.0
1.8
1.7
145.4
220.7
127.8
130.1
輸出額合計
メキシ コ
カナダ
中国
ブラジ ル
オランダ
韓国
シ ンガポール
コロンビア
日本
ベルギ ー
25
構成比
0 7 年 比 (0 7 年
=100)
表 9 テキサス州の対日主要輸出品
(単位:百万ドル、%)
2011
品目
2007
対日輸出額合計
化学製品
2008
2009
2010
構成比
0 7 年 比 (0 7 年
=100)
3,447
971
3,628
1,071
2,784
812
3,999
1,678
4,404
1,728
100.0
39.2
100.0
178.0
757
735
774
659
646
338
701
424
765
700
17.4
15.9
101.1
95.2
260
301
288
228
221
5.0
85.0
40
90
54
113
出所:International Trade Administration, U.S. Department of Commerce
167
3.8
417.5
コンピュ ータ・ 電気製品
機械製品
輸送用機器
石油・ 石炭製品
表 10 国別の対米直接投資
国名
イギリス
日本
オランダ
ドイツ
カナダ
スイス
フランス
その他
合計
2006
(残高ベース)
2007
構成比
2008
構成比
(単位:百万ドル、%)
2010
2009
構成比
構成比
414,629 22.5
405,543 20.3
447,529 21.9
416,139 19.7
432,488
204,020 11.1
222,695 11.2
234,748 11.5
239,312 11.3
257,273
182,014
9.9
184,613
9.3
179,938
8.8
199,906
9.5
217,050
205,969 11.2
187,815
9.4
173,843
8.5
191,461
9.1
212,915
165,281
9.0
201,924 10.1
168,746
8.2
202,303
9.6
206,139
134,568
7.3
149,732
7.5
157,121
7.7
140,745
6.7
192,231
147,799
8.0
141,487
7.1
141,922
6.9
157,921
7.5
184,762
386,183 21.0
26,507
1.3
130,274
6.4
296,098 14.0
390,191
1,840,463 100.0 1,993,156 100.0 2,046,662 100.0 2,114,501 100.0 2,342,829
出所:US Department of Commerce "Survey of Current Business"
26
06年比
構成比 (06年=100)
18.5
104.3
11.0
126.1
9.3
119.2
9.1
103.4
8.8
124.7
8.2
142.9
7.9
125.0
16.7
101.0
100.0
127.3
表 11 日本の対米直接投資
(残高ベース)
(単位:百万ドル、%)
業種
製造業
2006
2007
構成比
2008
構成比
59,345
29.1
67,509
30.3
食品
1,531
0.8
1,528
化学
7,734
3.8
8,245
金属
2,136
1.0
機械
3,446
1.7
電気製品
5,338
電子部品
736
輸送用機器
2009
構成比
73,412
31.3
0.7
1,635
0.7
3.7
12,835
2,560
1.1
3,078
3,940
1.8
3,965
1.7
2.6
5,900
2.6
5,935
0.4
1,350
0.6
1,411
2010
構成比
構成比
72,433
30.3
06年比
(06年=100)
80,739
31.4
136.1
1,677
0.7
1,754
0.7
114.6
5.5
14,086
5.9
18,040
7.0
233.3
1.3
3,256
1.4
3,622
1.4
169.6
4,073
1.7
4,555
1.8
132.2
2.5
5,004
2.1
6,015
2.3
112.7
0.6
1,308
0.5
1,252
0.5
170.1
29,260
14.3
35,443
15.9
36,497
15.5
34,358
14.4
35,767
13.9
122.2
卸売業
96,722
47.4 106,200
47.7
98,725
42.1
95,897
40.1
104,009
40.4
107.5
小売業
4,207
2.1
4,019
1.8
3,856
1.6
4,101
1.7
4,315
1.7
102.6
情報・ 通信
2,059
1.0
1,911
0.9
9,623
4.1
8,735
3.7
9,015
3.5
437.8
銀行
8,444
4.1
7,107
3.2
8,333
3.5
12,141
5.1
13,451
5.2
159.3
14,136
6.9
13,978
6.3
17,073
7.3
21,059
8.8
19,313
7.5
136.6
5,827
2.9
5,659
2.5
5,338
2.3
5,177
2.2
5,600
2.2
96.1
3970
1.9
5,479
2.5
6,498
2.8
7,045
2.9
7,537
2.9
189.8
9,311
4.6
10,832
4.9
11,892
5.1
12,723
5.3
13,295
5.2
142.8
222,695
100.0
234,748
100.0
239,312
100.0
257,273
100.0
126.1
金融業( 除銀行) ・ 保険
不動産・ リース業
専門サービス
その他
合計
204,020 100.0
出所:US Department of Commerce "Survey of Current Business"
表 12 国別の対テキサス直接投資
(雇用者数ベース)
2007
国名
イギリス
フランス
カナダ
ドイツ
オランダ
日本
スイス
その他
合計
構成比
73,400
42,500
31,400
36,400
37,500
33,800
24,100
143,500
422,600
(単位:人、%)
2009
2008
17.4
10.1
7.4
8.6
8.9
8.0
5.7
34.0
100.0
08年比
構成比
71,600
42,700
35,900
37,800
35,300
34,800
24,900
161,800
444,800
16.1
9.6
8.1
8.5
7.9
7.8
5.6
36.4
100.0
出所:US Department of Commerce, Bureau of Economic Analysis
27
構成比 (08年=100)
68,300
39,200
31,400
34,800
34,200
34,000
29,000
138,600
409,500
16.7
9.6
7.7
8.5
8.4
8.3
7.1
33.8
100.0
95.4
91.8
87.5
92.1
96.9
97.7
116.5
85.7
92.1
表 13 テキサス州の歳入・歳出
歳入
租税収入合計
売上税
事業税
自動車販売税
自動車燃料税
天然ガス生産税
タバコ税
保険業税
石油生産税
酒税
その他租税
租税外収入合計
連邦譲与金
手数料・罰金
利子・配当
宝くじ収入
その他収入
歳入合計
(2011 会計年度)
金額
構成比 前年比
(百万ドル)
( %)
( %)
38,856
41.2
9.9
21,478
22.8
9.4
3,932
4.2
2.0
2,977
3.2
13.2
3,104
3.3
2.0
1,109
1.2
53.0
1,559
1.7
12.3
1,349
1.4
1.9
1,472
1.6
46.0
862
0.9
6.5
201
0.2
40.6
55,414
58.8
6.6
38,430
40.8
4.3
7,876
8.4
14.8
1,034
1.1
▲ 2.3
1,675
1.8
2.5
4,064
4.3
5.6
94,270
100.0
7.9
出所:Texas Comptroller of Public Accounts
28
歳出
一般行政
行政
立法
司法
教育
医療・保健
運輸
警察・治安
州職員福利厚生
資源開発
宝くじ支払
取締機関
負債利子
資本取崩
歳出合計
金額
構成比 前年比
(百万ドル)
( %)
( %)
4,342
4.5
20.0
3,924
4.1
22.2
138
0.1
5.9
278
0.3
1.4
33,558
35.2
3.5
38,718
40.6
6.7
6,706
7.0
12.3
4,549
4.8
▲ 3.3
3,410
3.6
2.0
1,808
1.9
▲ 0.3
541
0.6
11.2
312
0.3
▲ 6.1
979
532
1.0
0.6
11.2
▲ 5.9
95,458
100.0
5.6
テキサス州・最近の経済動向(グラフ)
グラフ1 テキサス州ビジネスサイクル指数の前月比変化率
データ出所:ダラス連銀(Federal Reserve Bank of Dallas)
グラフ2 テキサス州個人所得伸び率(四半期ベース、年率)
データ出所:経済分析局(Bureau of Economic Analysis)
29
グラフ3 非農業雇用者数伸び率(テキサス州・全米、四半期ベース)
データ出所:労働統計局(Bureau of Labor Statistics)
グラフ4 原油価格とテキサス州内稼動リグ数
リグ数/月
月平均名目価格
(ドル)
1000
160
900
140
800
120
700
100
600
500
80
400
60
300
200
稼動リグ数
100
原油価格
40
20
0
0
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
データ出所:エネルギー情報管理局(EIA)、ベイカーヒューズ(Baker Hughes)
30
グラフ5
テキサス州のハイテク製造業雇用者の変化(月ベース)
データ出所:ダラス連銀(Federal Reserve Bank of Dallas)
グラフ6 失業率(テキサス州・全米、月ベース)
(%, 季節調整済)
テキサス州
全米
12.0%
10.0%
8.0%
6.0%
4.0%
2.0%
0.0%
1990
1992
1994
1996
1998
2000
2002
2004
データ出所:労働統計局(Bureau of Labor Statistics)
31
2006
2008
2010
2012
グラフ7 テキサス州 4 大都市圏失業率(月ベース、季節調整済)
データ出所:労働統計局(Bureau of Labor Statistics)
グラフ 8 テキサス州人種・民族構成予想
(移民による人口増加率が 1990 年代の 50%で推移するとした場合)
データ出所:テキサス州データセンター
32
グラフ 9
住宅価格(テキサス州・全米、四半期ベース)
ドル(季節調整済)
全米
225.0
ダラス
175.0
125.0
75.0
25.0
-25.0
データ出所: S&P/Case-Shiller Home Price Indices
33
主要指標テキサス・全米比較
区分
年
単位
テキサス州
全米又は
全米平均
ウェイト 順位
<一般>
面積
2010
平方マイル
261,232
3,531,905
7.4%
2
人口(推計)
2011
千人
25,675
311,592
8.2%
2
白人
2010
%
45.3
63.7
ヒスパニック
2010
%
37.6
16.3
黒人
2010
%
11.8
12.6
アジア系
2010
%
3.8
4.8
その他
2010
%
1.5
2.6
2010 人/平方マイル
96.3
87.4
億ドル
13,081
149,810
内
人口密度
28
<経済>
総生産(GDP)
2011
農業生産
2011
億ドル
99
農地面積
2011
百万エーカー
130.0
製造業付加価値
2009
億ドル
製造業出荷額
2009
億ドル
個人所得総額
2011
一人当り個人所得
2011
消費者物価上昇率
8.7%
2
1,777
5.6%
2
917.0
14.2%
1
1,749
19,780
8.8%
2
4,818
44,362
10.9%
1
億ドル
10,165
129,817
7.8%
ドル
39,593
41,663
2011
%
3.1
3.0
失業率(年間平均)
2011
%
7.9
8.9
非農業雇用者数
2011
千人
10,557
131,359
8.0%
2
輸出額
2011
億ドル
2,499
14,806
16.9%
2
2011
ドル
43,090
45,230
連邦政府交付額
2009
億ドル
353
5,521
6.4%
3
州一般財政収入
08-09
億ドル
961
14,957
6.4%
3
高校卒業率
2009
%
79.9
85.3
51
凶悪犯罪発生件数
2010
件/10 万人
450.3
403.6
16
財産に対する犯罪の発生件数
2010
件/10 万人
3,783
2,941.9
3
幼児死亡率
2007
人/千出産
6.3
6.8
38
2
26
23
<労働>
労働者平均年間賃金
22
<財政>
<生活>
(注)ウェイト欄については、テキサス州の対全米比率を示す。GDP は 2011 年価格。
出所:Statistical Abstract of the United States 2012 他
34
テキサス州のフォーチュン 500 企業(2012 年)
本社所在地
業
種
エネルギー
ダラス・フォートワース
ヒューストン都市圏
都市圏
サンアントニオ都市圏
オースティン都市圏、その
他
ConocoPhillips (4)
Exxon Mobil (1)
Valero Energy (12)
Marathon Oil (173)
HollyFrontier (170)
Tesoro (101)
Enterprise Products Partners (62)
Energy Future Holdings (357)
Western Refining (285)
Plains All American Pipeline (87)
Energy Transfer Equity (312)
NuStar Energy (377)
Texas Instruments (200)
Dell (44)
Halliburton (118)
Baker Hughes (141)
National Oilwell Varco (184)
Apache (154)
Anadarko Petroleum (192)
Centerpoint Energy (305)
Kinder Morgan (311)
Enbridge Energy Partners (282)
Calpine (364)
Cameron International (362)
EOG Resources (263)
Targa Resources (361)
Spectra Energy (438)
El Paso (488)
MRC Global (493)
CVR Energy (477)
ハイテク・製造
FMC Technologies (475)
その他製造
Kimberly Clark (137)
Commercial Metals (326)
Celanese (368)
Dr. Pepper Snapple Group (417)
運輸・通信
AT&T (11)
AMR (123)
Southwest Airlines (167)
Metro PCS Communications (490)
小売・卸売
技術サービス
Sysco (69)
J.C. Penney (153)
Group 1 Automotive (405)
Dean Foods (207)
Susser Holdings (486)
GameStop (273)
KBR (280)
Fluor (124)
Whole Foods Market (264)
United Service Automobile
Association (144)
その他サービス
Waste Management (203)
Tenet Healthcare (272)
(注)1.全米上位 500 社入りしたテキサス州の企業は 52 社。
2.( )内の数字は売上高の全米ランクを示す。
35
CC Media Holdings (394)
テキサスの主要歴史年表
1519 年
テキサスの地にスペイン人到来
1540 年
スペイン王の命を受け、フランシスコ・バスケスがアメリカ南西部遠征
1685 年
フランス、テキサスに進出
1690年
スペイン、東テキサスに布教拠点兼要塞を建設(1718 年、サンアントニオにも建設され、
それが後にアラモとして知られるようになる。)
1810 年
メキシコの独立戦争始まる
1821 年
メキシコ、スペインからの独立を宣言
アメリカ人のテキサスへの入植始まる
1836 年 3 月
4月
テキサス軍とメキシコ軍がアラモで戦闘、メキシコが勝利
テキサス軍とメキシコ軍がサン・ジャシントで戦闘、テキサスが勝利、テキサス共和国の
誕生
1839 年
共和国の首都がヒューストンからオースティンに移される
1845 年
テキサス、アメリカ合衆国への併合認められる
1865 年
南北戦争が終了
1901 年
スピンドルトップで油田発見
1914 年
ヒューストン港開港
1963 年
NASA 有人飛行センター開設
(1973 年「NASA リンドン・B・ジョンソンスペースセンター」に改称)
11 月
ダラスでケネディ大統領が暗殺される
リンドン・B・ジョンソン(副大統領、テキサス州出身)が第 36 代合衆国大統領に就任
1974 年
ダラス―フォートワース空港開港
1989 年
ジョージ・H・W・ブッシュ(副大統領、テキサス州出身)が第 41 代合衆国大統領に就任
1990 年
ヒューストンで先進国首脳会議(サミット)開催
2001 年
ジョージ・W・ブッシュ(州知事)が第 43 代合衆国大統領に就任
2004年
ジョージ・W・ブッシュ大統領が再選(2009 年退任)
36
テキサス州の主要都市
アマリロ
オクラホマ州
●
ニューメキシコ州
アーカンソー州
ラボック
●
テキ ○
サーカナ
ミッドランド
フォートワース
●
●
エルパソ
● ■
ダラス
ルイジ
アナ州
ウェイコー
●
オースティン
●
○
ボーモント
■
●
ヒューストン
■
サンアントニオ
メキシコ
コーパス
クリスティ
ラレド
●
●
メキシコ湾
マッカレン
●
●
ブラウンズビル
■ 人口 100 万人以上の都市
● 人口 50 万人以上 100 万人未満の都市
●
人口 10 万人以上 50 万人未満の都市
○
人口 10 万人未満の都市
37
Fly UP