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「心の健康 ∼知っていますか子どもの心∼」メディアが与える心の影響
日進小学校拡大学校保健委員会 平成19年2月8日(木) 「心の健康 ∼知っていますか子どもの心∼」メディアが与える心の影響 日進小学校 学校医 医療法人 石谷小児科医院 石谷 暢男 先生 人が生きるために基本となる生活習慣は、まず「早 起き」から 「早起き、早寝、朝ごはん」 東京北社会保健病院副院長 神山 潤 氏より まず「明日の朝○時に起こすよ」と宣言しておく。 すると目覚めが良くなる。 メディアの接触時間が増える ⇒就寝時間が遅くなる これが大きな問題 おすすめの基本的生活習慣 ○ 朝食はしっかり、朝日を浴びて ○ ご飯はしっかりよくかんで、特に朝はきちんと食べて ○ 昼間はたっぷり運動を ○ 夜更かしになるなら昼寝は早めに切り上げて ○ テレビ、ビデオはけじめをつけて、時間を決めて ○ 眠るまでの入眠儀式(本を読む・音楽を聴く・寝巻きに着替える・翌日の準備をする)を大切に ○ 暗い部屋でゆっくりお休み ○ 早起きして、悪循環(夜更かし⇒ 朝寝坊⇒ 慢性の時差ぼけ⇒ 眠れない)を断ち切って 自分を変える事の強さが大切 1 日 4 時間のテレビ・テレビゲームが消費する時間 1 年間で1460時間 小学校 6 年間で8760時間 なんと6年間のうちの1年間分に相当。 何が子どもたちの休息を妨げているか 53年前 テレビ放送が始まる 47年前 少年サンデー創刊 28年前 スペースインベーダーが大流行 23年前 任天堂ファミコン発売 ⇒子どもの遊びが戸外から室内へ 任天堂ファミコン発売されて14年後 ⇒首を切って校門に乗せる神戸の少年(14歳) 任天堂ファミコン発売されて17年後 ⇒17歳の少年による凶悪犯罪が何件も起きる これは偶然の一致? 物質による環境汚染に対して、情報による心の中の環境汚染=脳内汚染 長時間メディア接触の問題 ○ メディアとの接触により、親子のコミュニケーション時間や場面が奪われる ○ 暇な時は、ついゲームをする、テレビのスイッチを入れてしまう。 ○ 大切な3つの時間の喪失 ※ 運動する、仲間と遊ぶ、孤独である 孤独や沈黙や手持ち無沙汰で死ぬほど退屈な時間 思春期に思い悩むことは大切 子どもの文化 ○ 大人が与える文化 絵本、漫画、玩具、テレビ、テレビゲームなど ⇒テレビやゲームの内容を把握し吟味し、より良いものを選択する(子どもをメディア漬けにし ない)⇒メディアリテラシー ○ 子どもが創り出す文化 伝承的な遊び、ジュウムシ、ハチムシ、缶蹴り、警泥(けいどろ) 、わらべ歌など子どもの遊びの 中から生まれた⇒機会・場・情報の提供が必要 メディアリテラシー メディアは全て構成されている。 つくられた情報を、他人の情報と気付かぬうちに自分の意見だと錯覚してしまう。 モデリング ○ 全てのテレビが、教育のテレビになる。テレビが何を教えているか良く知り選択をすることが大切。 ○ 芝居だとしても子どもは本当だと思う。⇒視聴している子どもたちは、残酷な行為が社会的に承認 されるのを目撃する。 キンドリング効果 ○ テレビゲームで戦闘の疑似体験(毎日ごく微弱な刺激)。パイロットの訓練などで有効にも活用さ れているが・・・ ○ 毎日のように敵と戦って殺すという体験をバーテャルリアリティーの世界で体験 ⇒脳自身がそういう行動に慣れ親しんでしまう。⇒脳内の思考サーキットが出来上がってしまう ⇒一定の回数を経験すれば、ほんのわずかな刺激で脳が指令を出し人を簡単に殺してしまえる。 現時点でいえること ○ 長時間のビデオテレビの視聴は、子どもの言葉や社会性、行動・情緒面の発達が損なわれる場合が ある。 ○ 全ての子どもに影響があるわけではない。 ○ もともと社会性に問題があるような子ども、一人でテレビやビデオに見入ってしまうような子ども に特に影響がある可能性がある。⇒自閉的な傾向のある人は、ビデオやテレビにはまりやすい。 ○ ゲームを始めると、前頭前野の活躍が低下あるいは停止する。 ○ メディアとの過剰接触により、日常生活に支障をきたす人(慢性疲労・睡眠障害・身体症状を訴え ている人)は、いったんメディアから遠ざけ、症状が消失してから少しずつ慣らしていく。 親や兄弟にその傾向があるときは要注意である。 例えば、卵アレルギーのある時、注意が必要なのと対応が似ている。 子育て=脳育て ○ 生活習慣が脳を育てる。生活習慣の一つである食習慣も脳を育てる重要な要素 「食」という字は、人に良いと書く ⇒生活習慣の乱れがキレル子をつくる。 認知を変え行動を変容させる ○ ノーテレビ・ノーゲームデー、ノーテレビ・ノーゲームウイークをしてみることで何か認知を変え る経験ができることで行動が変わる。 ○ 捨てるものより拾うものが同等かそれ以上の価値がないと続かない。みないこと、しないことで見 つけたことは? ○ 親子で摩擦があってもいい。摩擦のないところにはぬくもりはない。摩擦は関係をつくるきっかけ。 ○ 子どもの生活が単調で、人間関係の楽しみの範囲が狭いほど、テレビやテレビゲームが重要な位置 を占めてくる。 ○ ノーテレビ・ノーゲームデー、ノーテレビ・ノーゲームウイークをしてみることで、テレビゲーム の方がやはり楽しいとテレビやテレビゲームの楽しさを強化し再認識させるようであれば、認知を 変える経験ができないので、その後の行動も変わらない。 ○ ノーテレビデーをするにはテレビを消しているだけでは苦しいだけだし続かない。 ○ ゲームもテレビも子どもだけでさせておかないで、親子で一緒にしてみること。共有してディスカ ッションしてみる方法もある。 まず、テレビのある環境で育った親の意識が変わらなければいけない。