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弦楽器の音を調べる
物理基礎 テレビ学習メモ 講師:大津豊隆 第 2 編 さまざまな物理現象とエネルギー 第 28 回 弦楽器の音を調べる ~弦の振動~ 今回学ぶこと ギターなどの弦をはじくと音が聞こえます。音の大きさや高さは、どのように すると変わるのでしょうか。弦の長さ、弦の太さ、弦を張る力の大きさを変えて 調べます。また、弦に定常波を生じさせて、振動数と波長の関係などを実験を通 じて学習していきます。 学習のポイント 弦楽器の音の出し方 音の高さを決めるもの 倍振動と倍音 ▪学習前チェック項目▪ 固有振動 定常波 倍振動 倍音 ▼ 弦楽器の音の出し方 ギターの弦をよく見ると、太い弦と細い弦がある。また、弦を指で押さえて、弦が振動できる部 分の長さを変えると音の高さが変わり、さらに弦を張る強さを変えても音の高さが変わる。 これらの関係は、調べると次のようになっていることがわかる。 ・細い弦ほど、音が高い。 ・弦が短いほど、音が高い。 ・弦の張力が大きいほど、音が高い。 − 56 − 高校講座・学習メモ 物理基礎 弦楽器の音を調べる 音の高さを決めるもの 弦に低周波発振器を使って振動を与えると、ある振動数のときに定常波ができる。この振動を固 有振動といい、そのときの振動数を固有振動数という。弦の固有振動数は弦の長さや太さ、張力な どによって決まる。 弦の特徴と固有振動数の関係は、次のようにまとめられる。 ・細い弦ほど、固有振動数が大きい。 ・弦が短いほど、固有振動数は大きい。 ・弦の張力が大きいほど、固有振動数は大きい。 倍振動と倍音 弦の固有振動には、腹が 1 つの基本振動の他に、腹が 2 つの 2 倍振動、腹が 3 つの 3 倍振動などがある。これらを 基本振動、2 倍振動、3 倍振動の図 倍振動といい、倍振動による音を倍音という。 2 倍振動の振動数は、基本振動の 2 倍であり、3 倍振動 基本振動 の振動数は、基本振動の 3 倍である。 弦をはじくと、倍振動の混ざった振動が起こるが、この 2 倍振動 ▼ 倍振動の混ざり方の違いによって、音色が異なる。 3 倍振動 − 57 − 高校講座・学習メモ