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乾燥帯と熱帯の気候とは
地 理 テレビ学習メモ 第4回 現代世界の系統地理的考察【自然環境】編 乾燥帯と熱帯の気候とは 監修・講師 ~砂漠と熱帯雨林の暮らし~ 内藤正典 学習のねらい 世界の気候区分のなかから今回選んだのは乾燥帯と熱帯。この2つの気候帯は、 赤道に近い地域が熱帯、つぎに乾燥帯が来ることが多い。乾燥帯というのは 降水量が少なくて限られた植物しか育たない地域。熱帯というのは、降水量で決めたのではな くて、世界のなかでもっとも気温の高い地域のこと。今回は、この2つの異なる気候帯に暮ら す人びとの生活を学習する。 学習前チェック 熱帯はどこにあるか、広がりをチェックしてみよう。 乾燥帯はどこにあるか、広がりをチェックしてみよう。 乾燥帯は、かならずしも暑い(気温の高い)地域だけではないことに注目。 ▼ カラカラの「乾燥帯」とアツアツの「熱帯」 ■熱帯はどこにある? ケッペンの気候区分では、早い話が、赤道に近いところが A。この地域はいちばん暑い。だ いたい北回帰線(北緯 23.5 度)と南回帰線(南緯 23.5 度)のあいだぐらい。熱帯というのは、 湿度(ジメジメしているとか、カラカラに乾いているとか)ではなく、主に気温が高いことが特 徴。熱帯といっても、年中、雨がふるとは限らない。雨の多いところでは熱帯雨林の森林が発達 するが、あまり雨が降らないところはサバナといって草原地帯になる。 ■乾燥帯はどこにある? ケッペンの気候区分では、A の外側に乾燥帯がある。乾燥帯というのは、気温は 10 度以上だ − 10 − 高校講座・学習メモ 地理 乾燥帯と熱帯の気候とは かんぼく が、乾燥しているために植物があまり生育できないところ。完全にカラカラの砂漠気候と灌木ぐ らいは生えるステップ気候にわかれる。乾燥帯は雨が降らないからできる。一年間の雲の動きを 番組で追ってみるので確認してみること。 砂漠と熱帯雨林 暮らしの知恵 ■ “ 水のないところに人は住めない ” 乾燥帯の生活 乾燥帯の一日は、気温が上昇する昼と気温が低下する夜の温度差が非常に大きいこと。そのた め、砂漠で暮らすには、長袖の服が欠かせない。夜の寒さと昼の乾燥から身体を守るため。完全 な砂漠には人は住めないが、水があれば、貴重な水を大切に使うことによって生活ができる。地 下に横穴を掘って、遠くまで水をはこぶカナート(ファラジ、あるいはフォガラともいう)とい う水路も乾燥帯ならではの工夫。こうして水を得られるところをオアシスといい、集落ができて、 ナツメヤシや野菜などをつくって人びとが生活している。 ■ “ たくさんの水と上手につきあう ” 熱帯雨林の生活 熱帯の中でも熱帯雨林気候は、一年中気温が高く、降水量が多いのが特徴。強風を伴う激しい 雨(スコール)に見舞われることもある。こうした地域では、水と共生した暮らし方の工夫が欠 ▼ かせない。東南アジアでは、高床式の住居が多く見られる。高床式の住居は、洪水から家を守り、 湿気を防ぐだけでなく、熱帯雨林に生息する危険な生き物から身を守る役目もある。 − 11 − 高校講座・学習メモ