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長崎の証言ニュース No.24 - 長崎大学 学術研究成果リポジトリ
NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE Title 長崎の証言ニュース No.24 Author(s) Citation 長崎の証言ニュース No.24; 1974 Issue Date 1974-07-05 URL http://hdl.handle.net/10069/36285 Right © 長崎の証言の会 This document is downloaded at: 2017-03-31T16:18:36Z http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp 四年目の﹁核問題﹂講座 勤務先の立教大学で、一般教育 課程の﹁自由課目﹂のひとつとし て、﹁核問題概論﹂という講座を 開い・てからもう四年目になる。去 年まではテスト。ケースの意味で 半年間、二単位の小さな講座にし ていたが、三年間の経験で呼吸も いくらかわかって き た し 、 学 内 の 定着性もそれなりにでてきて、一 定の自信もついてきたので、こと しから一年間、四単位のまとまっ た講座に格上げ︵?︶してもらっ た。それと同時に、一般教育部の 側からの要望に応じて、従来は﹁自 然科学系列﹂に入っていたのを、 してしまった。 平和教育の内容と運動の課題 六月一日・二日、広島平和教育 研究所の主催で開かれたシンポジ ュームに、長崎の証言の会員六名 ︵鎌田・築城・清水・末永。高橋 ・今田︶が参加した。 開会行事の記念講演で、東京学 芸大学の星野安三郎先生は﹁憲法 と平和教育﹂と題して﹁平和教育 は教育基本法の理想の実践であ、 戦争と敗戦の体験より生まれたも のである。明治憲 法 に は 平 和 の 文 字すらなく、教育勅語にも、田中 首相の五つの大切十の反省にも平 和は見当らない。憲法を見る一つ の視点は、何が書かれているかを 見るとともに、何が書かれていな 明治憲法は諺.且緩急あれば義 いかを見るべきである。 勇公に奉じよ﹂がその精神である。 新憲法は、人類に共通の価値を獲 得したのであるから先駆者の自信 刑法改正の動き、五切十省、国定 教科書などの例で具体的に説明し ﹁軍備は国民を分裂させるだけで あり、武器を捨てた平和建設だけ が国民の合意である。特にアジア 諸国民との平和共存をめざし、未 来に自信と勇気をもって平和教育 を進めよう。﹂と呼びかけた。 シンポジュームは、学校教育と 平和教育など八分科会、十会場に 分かれ、問題提起、討議、まとめ がされたが︾長崎の証言の会の末 永さんは教科外活動と平和教育分 科会で﹁中学校平和教育年間計画 案と平和教育の進め方﹂を、鎌田 さんは戦災史実発掘と平和教育分 科会で﹁国民教育運動としての被 爆証言運動﹂を、高橋さんは平和 問題研究と平和教育分科会で﹁長 崎における平和教育運動の現状と 課題﹂について、今田はマスコミ 文化と平和教育分科会で﹁自衛隊 展抗議のたたかいとマスコミの問 題点﹂を、それぞれ問題提起した。 二日間の討論を森田俊男国民教 育研究所長が総括し、﹁1軍国主 義的動向として①海外進出②自 衛隊の強化③修身科復活、日の ア︵や○ に対し、私たちは、 2平和教育の組織として①文学 者。俳優。劇作家。労働者などを 含む広範な参加②職場。学級づ くり③父母と子と家庭での結合 ④シンポジューム形式から研究集 会へ、と組織を強化すべきである。 a内容的課題として①諸民族の たたかいと連帯②歴史を掘り起 こす③新しい共同体を家庭。学 校。地域につくり出す④記念日 ・おまつりなど新しい習俗を生み 出す⑤幼児の感性的認識に訴え る平和教育⑥生産労働と平和教 ︵今田斐男︶ 育など、次年度への課題として取 り組んでいこう。﹂と結ばれた。 広島おりづるの会のみなさんへ 日吉小学校五年小川久美子 私たちの先生が、六月一日。二 日に平和教育シンポジュームに参 加されたとき、広島おりづるの会 のみなさんから、千羽づると原爆 ドームのほってあるたてをもらっ てこられました。おりづるの会の みなさん毒どうもありがとうござ いました・ 三日の朝、先生が千羽づるを持 って教室に入ってこられたとき、 私はきれいな千羽づるだなあと思 いました。先生がくびにかけてい いき士ふしよ学っ。 長崎と広島と手をつなぎあって、 世界の人びとに平和をよびかけて 千羽づ・るありがとうございましたo 私たちは四年生のときから﹁ナ ガサキの原爆読本﹂を使ってべん きょうしていますが、長崎。広島 に原爆を落とされて、数万の人が 殺され、二十九年たった今でもた くさんの人が苦しんでいることを 知りました。あんな原爆はもうこ りごりです。私たちはぜつたいに 戦争をしてはいけません。 広島おりづるの会のみなさん、 ます。 去年いただいた原爆の子の像の 模型と、今年いただいた原爆ドー ムのたても、黒板の上にならべて おいてあります。私たちは毎日、 それを見ながらべんきょうしてい るしてあります。 みなさんからいただいた千羽づ ると、去年やはり広島おりづるの 会のみなさんからいただいた千羽 づると、私たちの学級には二つあ り、教室の前の天井になかよくつ を、私たちも見せていただきました。 先生が広島に行かれるとき、私 たちの学級のお友だちがつくった 千羽づるを持って行き、広島の平 和公園の原爆の子の像にかけてこ られたそうです。そのときの写真 した。 ただいたというつるの輪もありま 一一国・ロロ・・・ロ・ロロ﹃面・戸﹃・・戸再・・︼・﹄﹃・︼﹃﹃ヨーニ・卓一 毎年、秋にうず高く積み上げられ その証撞に、教室の空気は真剣 るレポートをよみ、いちいちコメ そのもので、私の一言、一句に、 ントを書いて返却する作業は決し ほとんど全員が全神経を集中して て生やさしいものではないが、ゼ いることが、彼らの目つきからも ミとしては多過ぎる学生との一対 小川岩雄 ひしひしと感じられるのである。 一の交流のせめてものチャンネル だから、ちょっとじよう談をいう として、私は重視したい。 まい、二○人近くの学生が、二人 と、とたんに全員が笑い声を上げ 実際、過去三年の履習者で、こ 掛けで座ったり、戸口の外で立っ の講座や、レポート、研究室での しかし、核問題自体は深刻かつ たまま聴講する有様で、二回目か 雑談などを通じて、文・経。社。 ら大きい教室に移らなければなら 多 岐 に わ た る 現 代 の 大 問 題 で あ る 理・各学部の多くの学生と思いが 以上、講義も﹁楽しくわかりやす なくなった。いままでは、﹁初日﹂ けなく親密になれた。終講後も、 に七○人位来て、夏のレポート提 く ﹂ ば か り で は と う て い や れ な い 。 この問題を追い続けている粘り強 出者は五○人位︵おわり頃の常連 私 と し て は 、 何 よ り も ま ず 問 題 の い学生も少なくない。経済のA君 は二○人足らず︶だったので、制 理 解 の 基 礎 と な る よ う な 科 学 的 事 は、郷里の教育実習先で、生徒に 度の変更で履習者が五割くらいふ 実 や 、 歴 史 的 経 過 な ど を 、 手 堅 く えた勘定になる。︵その結果、大 講 述 す る 方 針 を と ら ざ る を 得 な い 。 日本のアジア侵略史を教え、校長 とわたり合った武勇伝を報告にき 声を出さなければならなくなった 講義は早くも核物理学の基本概念 に 挑 む 段 階 に さ し か か り 、 甘 い 期 た。写真部所属の女子学生Bさん のには少々閉口している︶ は、他大学の写真部と合同で﹁広 学生の履習の動機はさまざまで、 待を抱いていた連中の脱落が目立 島﹂を撮る長期プロジェクトに執 人文、社会系の学生の中には、数 ち は じ め る 。 き び し い 学 習 抜 き の 念を燃している。理C君や法D君 式や専門概念がいっぱい出てくる 社 会 批 判 、 核 批 判 な ど あ り え な い は、私の知らなかった核文献を教 ことを、学生に思い知らせる意図 純﹁自然科学系﹂を敬遠したもの えに来てくれた。等々。 もい・るだろうし、理科系の連中に も 秘 め て 、 私 は 正 攻 法 の 順 序 を く みんなきっと日本の反核を担う は逆に法律、経済などの手堅い勉 ず さ な い 。 そ の ﹁ 試 練 ﹂ に 必 死 に ﹁地の塩﹂となってくれるだろう。 強を逃げる安易な気持も働いたか 耐 え て 、 息 を 切 ら せ な が ら も つ い ︵立教大学理学部教授︶ も知れない。しかし動機が何であ てくる学生を私は無性にいじらし れ諺何かの機縁で核問題について く 、 ま た 頼 も し く 感 じ る 。 ︹受贈誌一覧︺ これはまた、八月六日、九日に 学ぶ機会を得た学生が、次第にふ 理浦灼。別号︵瓊浦高校︶炮唄釦。 えてきたことは、いいことだと思 向 け て の 、 私 な り の 、 そ し て ま た う し 、 私 と し て も や り 甲 斐 を 感 じ 彼 ら な り の 、 知 的 、 精 神 的 な 準 備 釦・兜号︵炮蝦社︶原爆前後型。妬 る。それに、昨今の社会の状況の 作 業 と も な る こ と を 、 私 は ひ そ か 号︵思い出集世話人会︶詩集ヒロシ マ。未来風景︵栗原貞子︶近畿文学 中で、核問題に強い関心を向ける に期待している。 娚号︵近畿文学結社。豊中詩人協会︶ 学生が実際にふえていることもま 夏休みの宿題として今年もまた た事実であろうと思われる。 レポートを出させるつもりでいる。 わが娘へ︵活水中学校社会科︶ ● ことしから﹁自然科学・社会科学 共通系列﹂所属に変更した。私自 身の気持としては壱一自然科学者 に過ぎない私の講義を聞いたこと で、社会科学の単位が取れるとい うのは、不自然な 感 じ が 拭 え な い が、依頼学部がそれでよいと言わ れるので、少々面映ゆいが、承諾 交通ストで授業開始が遅れ、四 月二六日に開講したところ︽予想 以上におおぜいの学生が聞きにき て、八○名定員の教室が溢れてし ● 教育反動化が進行している。これ ● 全国平和教育シンポジウム参加報告 ● 丸。君が代法制化のもくろみなど 二 一 . _ 吟 呈 一一 一 一 L ■ _ 一 一 と誇りをもって﹁正義こそ力﹂で あると、文部省も﹁新しい憲法の はなし﹂で言っている。しかし、 現状は靖国神社法強行審議、日教 組への刑事弾圧等々壷憲法と逆の 方向に動いている。﹂として、岸 一信介氏らによる憲法改正案要綱、 |自衛隊の本質と実状、長沼判決、 − □ ( 4 1 長崎の証言ニュースNO" ( 5 )