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太陽電池モジュール世界市場に関する調査結果 2015

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太陽電池モジュール世界市場に関する調査結果 2015
2015 年 11 月 4 日
太陽電池モジュール世界市場に関する調査結果 2015
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて太陽電池モジュール世界市場に関する調査を実施した。
1.調査期間:2015 年 6 月~9 月
2.調査対象:太陽電池メーカー、太陽光発電システム販売会社、システムインテグレーターなど
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査併用
<太陽電池モジュール市場とは>
本調査における太陽電池モジュール市場規模とは、太陽電池モジュール供給量(単位:MW)を予測し、次に
各年のモジュール供給価格を算出、それぞれを乗じて金額規模を予測した。また、世界市場は暦年(1‐12 月)
ベースで、日本市場は年度(4‐3 月)ベースで、それぞれ算出している。
【調査結果サマリー】
‹ 2015 年の太陽電池モジュール世界市場を前年比 25.4%増の 54,500MW、
金額ベースでは前年比 11.2%増の 1,199 億ドルになると予測
2015 年の太陽電池モジュール世界市場規模は、地球温暖化ガス排出規制等により導入が進み、モ
ジュール供給量ベースで 54,500MW(前年比 25.4%増)に拡大すると予測する。供給量ベースでは大き
く拡大するものの、モジュール供給価格の急落によって、2015 年の市場規模(金額ベース)の伸び率は
その半分程の前年比 11.2%増、1,199 億ドルに留まると予測する。
‹ 新たなビジネスモデルを模索する太陽電池メーカー
太陽電池メーカーは、太陽電池の製造・販売事業における赤字体質から脱却するため、太陽電池を
用いた新たなビジネスモデルとして O&M(Operation & Maintenance)事業、電力小売事業など、太陽光
発電システムからのビジネスモデル転換に注力している。
‹ 2025 年の太陽電池モジュール世界市場は 147,510MW、
金額ベースでは 782 億ドルになると予測
今後も中国や米国の他、東南アジア、インド、アフリカ、オセアニアなどの地域で太陽光発電システム
の設置が増加し、太陽電池モジュール世界市場(モジュール供給量ベース)は、2015 年から 2025 年ま
で年平均成長率が 10.5%で成長し、2025 年の同市場規模は 147,510MW へ拡大すると予測する。しか
し、市場におけるモジュール供給価格は今後も下落し続け、金額ベースでの 2015 年から 2025 年までの
年平均成長率は-4.2%となり、2025 年の同市場規模(金額ベース)は 782 億ドルに留まるものと予測
する。
◆ 資料体裁
資料名:「太陽光発電システム市場の現状と将来展望 2015」
発刊日:2015 年 10 月 21 日
体 裁:A4判 222 頁
定 価:150,000 円(税別)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected]
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。
Copyright © 2015 Yano Research Institute Ltd.
2015 年 11 月 4 日
【 調査結果の概要 】
1. 市場概況
近年、地球温暖化ガス排出規制によって、中国や米国が排出量削減目標を達成するための有効な
電力源として、太陽光発電システムを積極的に導入する政策方針を発表しており、世界では太陽光発
電システムへのニーズが高まっている。また、先進国のみならず、南米やアフリカなどの新興国において
も太陽光発電の導入量が増加しており、世界における太陽光発電システム出荷量も増加傾向にある。
一方で、日本国内においては、2014 年以降は出荷量が縮小する傾向を示している。国内の太陽光発
電システムは 2012 年の FIT(Feed-in Tariff、再生エネルギーの固定価格買取制度)導入以降、急速に
拡大し、IEA(International Energy Agency)によると 2014 年の単年導入量では中国に続き世界で 2 番目
に多い 9,700MW の導入量を記録した。しかし、FIT の買取価格の見直しや電力会社における出力制御
がかけられる方向に政策が固まりつつあることから、太陽光発電システムへの国内需要は減少する方向
にあると予測する。
こうした状況により、2014 年の太陽電池モジュール世界市場規模(モジュール供給量ベース)は
43,460MW、2015 年には前年比 25.4%増の 54,500MW に拡大すると予測する。一方で、2014 年度の日
本国内の同市場規模(同ベース)を 9,700MW と推計するが、2015 年度は上述の動向から前年度比
1.2%減の 9,582MW に減少し、世界市場における構成比は 17.6%になると予測する。(図 1 参照)
また、各年のモジュール供給価格を予測し、同市場規模(金額ベース)を推計すると、世界市場は
2014 年が 1,078 億ドルとなり、2015 年は前年比 11.2%増の 1,199 億ドルになると予測する。一方で、日
本市場は 2014 年度が 241 億ドルとなり、2015 年度はモジュール供給価格低下の影響もあり、211 億ド
ルに減少すると予測する。(図 2 参照)
2. 注目すべき動向
太陽電池モジュールの供給価格は 2015 年で 2.2 ドル/W(モジュールベース)まで下落しており、日本
国内を含め世界の太陽電池メーカーでは、既に太陽電池の製造・販売事業では利益を確保することが
難しい状況にある。太陽電池メーカーは、太陽光発電ビジネスにおいて利益を確保し、事業を存続させ
るため、太陽電池を活用した、新たな再生エネルギービジネスモデルを模索し、その構築に総力をあげ
ている。
例えば、公共・産業向け事業部門では自ら大規模発電所を設置し、発電した電力を販売する電力小
売事業への進出が目立つ。また、他社のメガソーラーの運転状況を監視し整備する O&M(Operation &
Maintenance)事業 ※ も拡大している。住宅向け事業部門では、EV(Electric Vehicle)・家電・HEMS
(Home Energy Management System)などと太陽電池を組み合わせたスマート電力供給システムや蓄電
池を活用した太陽光発電システムを提案するなど、太陽電池に付加価値を付けた新しい収益モデル構
築に注力している。
※参考資料;分散型電源の O&M アウトソーシング市場に関する調査結果 2013(2013 年 6 月 28 日発表)
http://www.yano.co.jp/press/press.php/001108
3. 将来予測
太陽電池モジュール世界市場は、中国や米国の他、東南アジアやインド、アフリカ、オセアニアなどの
地域でも太陽光発電システムの設置数が増加し、2015 年から 2025 年までの年平均成長率は 10.5%で
推移し、2025 年の太陽電池モジュール世界市場(モジュール供給量ベース)は 147,510MW に拡大する
と予測する。ただ、太陽電池モジュールの供給価格は継続的に下落し、2015 年から 2025 年までの年平
均成長率は-4.2%となり、2025 年の同世界市場規模(金額ベース)は 782 億ドルに留まるものと予測す
る。
日本国内の太陽電池モジュール市場では 2020 年度には 3,613MW(モジュール供給量ベース)まで
落ち込み、金額ベースでも 25 億 2,900 万ドルまで減少するが、新築住宅と1MW 以下の公共・産業用向
けで需要が少しずつ回復し、2025 年度の同市場規模は 5,116MW(同ベース)となり、金額ベースでは
27 億 1,200 万ドルと予測する。なお、2020 年度以降の市場は、電力ベストミックス計画において太陽光
発電システムへ割り当てられる電力供給目標に応じて、市場拡大の伸び率が決まってくると考える。
Copyright © 2015 Yano Research Institute Ltd.
2015 年 11 月 4 日
図 1. 世界と日本の太陽電池モジュール市場規模推移と予測(容量ベース)
(単位:MW)
160,000
日本
147,510
世界
140,000
120,000
100,000
91,910
81,300
73,300
80,000
66,500
54,500
60,000
60,000
43,460
40,000
20,000
9,700
9,582
9,133
5,959
4,191
4,084
3,613
5,116
2015年
予測
2016年
予測
2017年
予測
2018年
予測
2019年
予測
2020年
予測
2025年
予測
0
2014年
矢野経済研究所推計
注 1.モジュール供給量ベース
注 2.世界市場は暦年(1-12 月)ベース、日本市場は年度(4 月~3 月)ベースで算出した。また、日本市場は内数。
注 3.2015 年(年度)以降は予測値
図 2. 世界と日本の太陽電池モジュール市場規模推移と予測(金額ベース)
(単位:百万ドル)
日本
世界
140,000
119,900
120,000
111,000
107,781
106,400
102,620
100,000
85,365
78,180
80,000
64,337
60,000
40,000
24,056
20,000
21,080
16,896
9,535
5,868
4,288
2,529
2,712
2018年
予測
2019年
予測
2020年
予測
2025年
予測
0
2014年
2015年
予測
2016年
予測
2017年
予測
矢野経済研究所推計
注 4.各年のモジュール供給価格を予測し、供給予測量に乗じて市場規模を算出した。
注 5.世界市場は暦年(1-12 月)ベース、日本市場は年度(4 月~3 月)ベースで算出した。また、日本市場は内数。
注 6.2015 年(年度)以降は予測値
Copyright © 2015 Yano Research Institute Ltd.
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