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HT23160
平成23年度 ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI (研究成果の社会還元・普及事業) 業 務 完 了 報 告 書 HT23160 生体分子を未来センサーとして使おう ~DNAで陽イオンを検出する ~ 開 催 日 : 2011年8月20日(土) 実 施 機 関 : 甲南大学 (実施場所) ポートアイランドキャンパス プログラムの様子を 伝える写真を貼り付 けてください。 実 施 代 表 者 : 杉本 直己 (先端生命工学研究所・所長 (所属・職名) フロンティアサイエンス学部・教 授) 受 講 生 : 29名 関 連 URL : http://www.konanfiber.jp/hirameki_tokimeki/inde x23.html 本プログラムでは、2点のことを受講生に学んでもらうことを目的としました。 具体的には、 1)生命体がどのようにDNAの構造を制御し、この制御は生命体内でどのような役割を担って いるのかを学ぶ。 2)生命体の制御機構を基にして、DNAをどのようにナノテクノロジーに活かすことができるのか を受講生に考え・体験して学ぶことです。さらに、受講生が積極的に実験、考察、議論ができる ように講義、実験に工夫を施しました(詳細を下記に記します)。 本プログラムでは、25名の参加者を募集しましたが、応募締め切りの1週間前に37名の 申込みがあったため、実験補助の学生アルバイトを増員しました。当日、若干名の欠席が ありましたが、計29名の参加であり、保護者16名にも見学していただきました。 <当日のスケジュール> 9:30-10:00 受付(ポートアイランドキャンパス玄関前集合) 10:00-10:10 開会のあいさつ 10:10-10:40 科研費の説明、学部・研究所の紹介、実験内容の説明 10:40-10:50 休憩 10:50-11:50 実験1(実験操作の説明、実験器具の操作練習、DNAや試薬の調製) 11:50-12:40 昼食 (教員・大学院生と一緒に昼食) 12:40-14:15 実験2 (実験操作の説明、実験) ディスカッションタイム (実験結果を予測し、班ごとに議論する) 14:15-15:15 キャンパスツアー (最先端の実験施設や世界最大のDNAモニュメントを見学する) クッキータイム (おやつを食べながら、博士研究員との交流) 15:15-15:45 FIBERオリジナルDNAゲーム (ゲームをしながらDNAについて楽しく学ぶ) 15:45-16:10 実験結果の観察・評価 16:10-16:40 「DNA博士号」授与式、閉会の挨拶(アンケート記入) 16:40 終了・解散 プログラムの遂行においての<留意点・工夫した点>を以下に挙げます。 ・実験に必要なバックグラウンドや実験操作は、予め準備したスライドや動画を使って分かりやすく説 明しました。 ・実験では、塩濃度やpHに応答したDNAの構造変化(スイッチ)を視覚的に楽しく観測できるように、 DNAに蛍光修飾を施し、色の変化で構造変化を追跡できるように工夫しました。 ・身近な飲料水(ミネラルウォーターやレモン水)を用いて、DNAの構造がどのように変化するかを予 測させ、議論する機会をプログラム中に組み入れ、受講生の能動的な活動を促しました。 ・DNAの構造と特性を”The largest model of DNA”として、2010年3月にギネスに登録された当研究所 内のDNAモニュメントを観察しながら説明することで、DNAへの本質的な理解をふかめようと努めまし た。 ・受講生が自ら活発に議論できるように実験結果の予測や考察を各実験グループに分けて討論させる 時間(ディスカッションタイム)を設けました。 ・ディスカッションタイムの際、より円滑に受講生らが意見を交換できるように、プログラムホームペー ジ内に「予約サイト」を設け、また宿題として、実験に使う資料を自ら考え準備するように促しました。 ・昼食時やクッキータイムには、当研究所の教員、博士研究員や大学院生に同席してもらい、受講生 と気軽に交流できる機会を設け、第一線で活躍する研究者へ関心をもってもらえるようにしました。 ・クッキータイムでは、海外博士研究員と企業研究員に当研究所での研究について発表してもらい (10分程度)、受講生らの研究への興味を喚起できるよう工夫しました。 ・同伴者の実験参加(間近での見学)を可能にするため、実験室後方の広いスペースに同伴者席を 設け、参加者の実験座席もその近くに配置しました。 ・事前の参加者情報より、英語での対応を希望する学生に英語で実験内容を説明できるように考慮 し、適切な教員・アシスタントを配置しました。 ・スケジュール通りに遂行できるよう実験と実験の間にイベントを設定し、時間調節を行うことで予定 通りにプログラムを遂行できました。 ・実験の事後学習ができるように、プログラム後に質問を受け付ける掲示板をホームページ上に配置 しました。 ・参加申込者が定員を大きく超えたため、当大学にて別途「予算」を計上し、実験補助のアルバイトを 増員しました。 実施代表者 杉本直己FIBER所長より開会の挨拶を行った後,科研費の説明・実験内容の講義,ア シスタントの紹介を行いました。 アシスタントは,参加者一人一人にアドバイスするよう心が け,適切な配置により,英語での対応や同伴者の自由な見学 に配慮しました。 安全に実験を行えるよう詳しく 実験操作について説明しまし た。 受講者たちは、真剣に実験に取り組み、ディスカッションしていました。結果観察タイムでは、部屋 の明かりを消して、DNAセンサーの蛍光変化を観測しました(右図)。 昼食やクッキータイムでは,受 FIBERで開発したDNAの構造安定性予測法をDNAカードゲーム 講者たちが教員や大学生、海 を通じて、学びました。 外研究員と交流を深めました。 閉会式ではDNA博士号が受講者全員に 授与され、記念撮影を撮りました。 <事務局との協力体制> 学内の産学連携推進組織(フロンティア研究推進機構)とポートアイランドキャンパス事務室が協働し て協力体制をとりました。フロンティア研究推進機構は申請手続き及び学内手続きを担当しました。 ポートアイランドキャンパス事務室は,広報活動,経費執行,会場準備など,現場における対応を担 当し,実施教員と一体となって行いました。 <広報体制> 広報活動は,ホームページへの広告掲載、広告チラシを配布することにより行いました。具体的に は、本研究所のホームページ内に本事業専用ページを開設しました。広告チラシは、昨年度までの 反響を踏まえ、600部作成し、近隣 (神戸市・芦屋市)の中学校や前回までのプログラムに参加実績 のある中学校に配布しました。これらの事前活動により,参加申し込みの締切日から数週間前には 定員を上回りました。 <安全体制> ・実習の安全確保のため,1グループ(受講生6名以内)に対して教員1名,大学院生2名を配置させま した。 教員および実施協力者(大学院生)で予備実験を行い,実験中の危機予測を綿密に行いました。 ・重要な注意事項は、実験の操作説明の際に口頭で注意を促し、さらに再度確認できるよう実験レ ジュメ内にも強調して記載しました。 ・体に悪影響を及ぼす試薬や取り扱いが困難な試薬は極力使用しないように配慮した実験計画を立 てました。さらに、保護めがね、安全手袋,使い捨て白衣を受講生全員に配布し,装着を義務付ける ことで安全対策に万全を期しました。 <今後の発展性,課題> 参加者アンケートによると,本企画は参加者29名中「とてもおもしろかった(22名),おもしろかった(6 名)」と極めて好評であり,参加者からは,「難しそうだったけど,分かり易く説明してもらえた」「将来, 化学者になりたいと感じた」などの声を頂き,保護者の方からは「来年も是非,子供を参加させたい」 などの言葉を頂きました。 来年度以降も,より充実した企画を用意して開催したい。 【実施分担者】 遠藤 玉樹 建石 寿枝 長門石 暁 中野 修一 三好 大輔 臼井 健二 【実施協力者】 【事務担当者】 先端生命工学研究所・講師 先端生命工学研究所・助教 先端生命工学研究所・助教 フロンティアサイエンス学部・准教授 フロンティアサイエンス学部・准教授 フロンティアサイエンス学部・講師 10名 フロンティアサイエンス研究推進機構事務室 藤本佳和