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HT23178 - 日本学術振興会
平成23年度 ひらめき☆ときめきサイエンス∼ようこそ大学の研究室へ∼KAKENHI (研究成果の社会還元・普及事業) 業 務 完 了 報 告 書 HT23178 植物工場で植物の診断と制御の技術を学ぶ −最先端の植物研究への招待− 開 プログラムの様子を 伝える写真を貼り付 けてください。 催 日 : 平成24年1月9日(月、祝) 実 施 機 関 : 山口大学 (農学部及び機器分析実験施 (実施場所) 設) 実 施 代 表 者 : 山本 晴彦 (所属・職名) (農学部・教授) 受 講 生 : 高校生15名 関 連 URL : http://www.yamaguchiu.ac.jp/page.php/index/page/id /1959 【実施内容】 ・受講生に分かりやすく研究成果を伝えるために、また受講生に自ら活発な活動をさせるためにプログラ ムを留意、工夫した点 受講者の高校生と年齢が近い学生(3年生2名、4年生3名)、修士院生(2名)および博士院生(1名)の 計8名を実施協力者として配置し、高校生にも理解しやすい言葉と丁寧な実験・実習環境を演出して、科 学研究費で得られた成果を十分に伝えるように心がける工夫をした。受講生の実験・実習の体験時間を 多くするため、講義の時間は始めの30分間に止め、実験・実習時間を計210分間とした。また、植物工場 での実践的な実習も取り入れることにより、科研費の成果が近代的な農業現場で実際に利活用が出来 ることを認識させる機会を設けた。 ・スケジュール 時間 10:30∼11:00 11:00∼11:10 11:10∼11:40 11:40∼12:40 12:40∼13:20 13:20∼14:10 14:10∼15:00 15:00∼15:20 15:20∼15:45 内容 受付(農学部玄関) 開会式(挨拶、オリエンテーション) (プログラム・科研費の説明、研究者・院生等の紹介、注意事項 等) 1.講義「光と植物」(農学部1階実験室) 担当:農学部教授・山本晴彦 2.実習「植物工場での実習体験」(植物工場) 担当:農学部教授・山本晴彦 農学部学術研究員・吉越 恆 昼食(農学部1階実験室) 先生及び大学院生・学生とともに食事、ディスカッション 1班 3.実験「植物用LED照明の測定」(農学部1階実験室) 担当:農学部教授・山本晴彦 農学部学術研究員・岩谷 潔 2班 4.実験「植物の光合成をはかる」(農学部1階実験室) 担当:農学部教授・荊木康臣 1班 4.実験「植物の光合成をはかる」(農学部1階実験室) 担当:農学部教授・荊木康臣 2班 3.実験「植物用LED照明の測定」(農学部1階実験室) 担当:農学部教授・山本晴彦 農学部学術研究員・岩谷 潔 クッキータイム(農学部1階実験室) 先生及び大学院生・学生とともにフリートーク 1班 5.実習「植物工場の養液診断(簡易分析)」(農学部1階実験室) 担当:農学部教授・山本晴彦 農学部学術研究員・吉越 恆 15:45∼16:10 16:10∼16:30 16:30 2班 5.実習「植物工場の養液診断(化学分析)」(機器分析実験施設) 担当:理学部准教授・村上良子 機器分析実験施設技術専門職員・森福洋二 1班 5.実習「植物工場の養液診断(化学分析)」(機器分析実験施設) 担当:理学部准教授・村上良子 機器分析実験施設技術専門職員・森福洋二 2班 5.実習「植物工場の養液診断(簡易分析)」(農学部1階実験室) 担当:農学部教授・山本晴彦 農学部学術研究員・吉越 恆 終了式(アンケートの実施、「未来博士号」授与式)(農学部1階実験室) 解散 ・実施の様子 開会式の後、プログラム・科研費の説明、研究者・院生等の紹介、実習等での注意事項を説明し、まず 山本晴彦教授が「1.講義(光と植物)」を行い、植物工場での環境制御と課題についても紹介した。引き 続き、「2.実習(植物工場での実習体験)」を実施し、工場内での生産管理工程の紹介、野菜の播種・収 穫作業などの実習を行った。 午後からは、「3.実験(植物用LED照明の測定)、山本晴彦教授」、「4.実験(植物の光合成をはかる)、 荊木康臣教授」を2班(7人・8人)に分け、植物工場用照明の分光測定、クロロフィル蛍光測定と測定値の 記録、さらにはパソコンを使用して測定結果の解析(グラフ化)を行い、一連の実験・実習の流れを実践 的に体験し、参加した高校生にとっては貴重な体験となった。 次に、「5.実習植物工場の養液診断」では養液診断の重要性を講義した後、2班に分かれてバッグテス トによる簡易元素分析、機器分析実験施設で村上良子准教授と森福洋二技術専門職員によるプラズマ 発光分光分析装置(ICP)による化学分析を行い、両者の比較検討を行った。 本行事の昼食やクッキータイムでは、高校生と本学研究者とのフリートークの時間が設けられ、高校生 にとっては高等教育機関である大学で研究を行っている教員や大学院生等の貴重な話を聞くことがで き、日常では体験することができないさまざまな体験をすることができた非常に有意義な行事となった。 ・事務局との協力体制 研究推進課研究助成係が委託費の管理や大学HPでの広報について関係部署と連絡調整を行った。 また、振興会との連絡調整と提出書類の確認・修正等を行った。 ・広報体制 新聞(読売・朝日・毎日・中国・山口・宇部日報)には、募集活動についての紙面掲載を依頼すると同時 に、山口大学のホームページに募集案内を掲載して参加者の募集を行った。山口市および近隣の高等 学校(5校)を実施担当代表者が訪問して、学校の理科担当教員に活動の内容を直接説明して、生徒へ の募集案内の配布を依頼し、積極的な参加要請を行った。山口県内および近隣の県の高等学校164校 にポスター500枚、チラシ15,000枚を送付し、参加者の募集を行った。これらの積極的な募集活動により、 開催1ヶ月前の12月9日は定員14名を越え、その後も10名以上の応募者があったため、募集を打ち切り、 先着16名(1名は欠席)について受講可能の案内を送付した。 ・安全体制 本プログラムの実施場所は、講義・実験・実習が可能な生物資源環境科学科の学生実験室および「植 物工場」を使用したが、「植物工場」は実習に使用できる面積が15平米と狭いため、参加人数を15名に限 定し、2班に分けて実施した。学生実験室は、通常は学部2・3年生の学生実験に使用しており、「植物工 場」も完全制御型で安全・安心な野菜生産を実施していることから、安全に配慮して実施できた。当日 は、実施代表者・実施分担者以外に、安全確保のため受講生15名に対してTA8名で実施したため、きめ 細かな配慮が行き届いた。薬品を用いた化学実験は行わないため保護具は使用しないが、「植物工場 での実習体験」では作業ウエア・長靴・キャップ・手袋を貸与して、人工環境制御下での実習を行った。な お、実験に不慣れな高校生のために、注意喚起を事前に行った。受講生、実施協力者は短期の傷害保 険に加入させ、実施代表者・実施分担者についても、土曜日開催では大学が加入している保険が適用さ れないので、傷害保険に加入した。 ・今後の発展性、課題 近年は、植物工場は目覚しい発展を遂げており、高校生や保護者も大きな関心を示している。平成24 年6月には、学内に現在の植物工場の2倍の規模の工場が完成することから、懸案であった手狭な実習 スペースも解消される。定員を超えて参加できなかった高校生も考慮し、平成24年度も同様なテーマで応 募を行っており、採択されればさらに研究成果の啓発等に貢献が期待される。 【実施分担者】 山口大学農学部 教授・荊木 康臣 山口大学理工学研究科 准教授・村上 良子 山口大学総合科学実験センター(機器分析実験施設) 技術専門職員・森福 洋二 【実施協力者】 【事務担当者】 10 名 研究推進課研究助成係長 片山 恵子