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Ⅰ 国際関係 10・04 IAEA総会が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が6
Ⅰ 国際関係+世界金融危機/Ⅱ 日本関係/Ⅲ 地域別 2008 年 10 月 1 日− 31 日 大野圭一郎・清水 敬善 細川 洋嗣・本蔵 一茂 編 吉田 昌樹 (共同通信) Ⅰ 国際関係 10 ・ 04 IAEA 総会が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が 6 ヵ国協議合意に反して寧辺の 核施設の復旧作業を進めていることに「懸念」を表明する決議を全会一致で採択、13 日、 北朝鮮が無能力作業再開を IAEA に通告、14 日、米政府が作業再開を確認 06 2008 年のノーベル医学生理学賞がエイズウイルスを発見した世界エイズ研究予防財団の リュック・モンタニエ理事長らフランス人 2 人と子宮頸がんを引き起こすヒトパピロー マウイルスを発見したドイツがん研究センターのハラルド・ツア・ハウゼン名誉教授に 07 ノーベル物理学賞が素粒子物理の理論体系構築に重要な貢献をしたとして南部陽一郎米 シカゴ大名誉教授と小林誠高エネルギー加速器研究機構名誉教授、益川敏英京都大名誉 教授の 3 氏に、日本人の共同受賞は初、8 日、ノーベル化学賞は緑色蛍光タンパク質の 発見者の下村脩米ボストン大名誉教授ら 3 人に 国連食糧農業機関(FAO)が年次報告を発表、バイオ燃料の地球温暖化防止効果は予想 以下で石油などを代替するほどの生産も見込めないなどとして生産拡大のための補助金 支出や税制面の優遇策を見直すよう各国に要請 08 スイスの経済研究機関「世界経済フォーラム」が 2008 年版の「世界競争力報告」を発 表、日本は前年の 8 位から 9 位に後退、トップは 4 年連続で米国 09 ノーベル文学賞がフランスの作家ジャン・マリ・ギュスターブ・ル・クレジオ氏に 10 国際エネルギー機関(IEA)が 10 月の石油市場月報で 2008 年の世界の石油需要予測を従 来予測から日量 24 万バレル引き下げ平均で日量 8650 万バレルに下方修正 ノーベル平和賞がインドネシアのアチェ州独立紛争の和平合意をまとめコソボなど世界 各地で紛争解決に当たったマルッティ・アハティサーリ前フィンランド大統領に 11 米国務省が北朝鮮と核計画申告の検証方法で合意したことを受け北朝鮮に対するテロ支 援国家指定を約 20 年 8 ヵ月ぶりに解除したと発表 14 ノーベル経済学賞が貿易理論を刷新しグローバル化の影響を解明したポール・クルーグ マン米プリンストン大教授に 米シンクタンク「国際食料政策研究所(IFPRI) 」がサハラ以南のアフリカと南アジアを 中心とした計 33 ヵ国が深刻な飢餓状況にあるとする 2008 年の「世界飢餓指数」を発表 16 ニューヨーク原油先物相場の終値が 1 バレル= 69.85 ドルと 1 年 2 ヵ月ぶりの安値 17 国連総会が 2009 年から 2 年任期の安保理非常任理事国に日本、トルコなど 5 ヵ国を選出、 1 回目の投票でイランとの争いを制した日本は加盟国中最多の 10 回目の選出 21 国連と世界銀行が鳥インフルエンザに関する報告書を発表、2008 年 9 月までに感染が確 認されたのは 20 ヵ国で 2007 年同期比の 25 ヵ国から減少、2003 年以来世界で 385 人の感 染を確認、うち 15 ヵ国の 245 人が死亡 OECD が加盟 30 ヵ国のうち日本を含む 4 分の 3 以上の国で貧富の差が拡大と発表、若年 層の貧困増を指摘 国際問題 No. 577(2008 年 12 月)● 46 国際問題月表 22 国連ハビタット(UN-HABITAT、本部ナイロビ)が「世界都市状況報告」で地球温暖化 に伴う海面上昇により世界の主要都市が洪水被害などに遭う危険性が高まると警告 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」 (本部パリ)が各国の報道の自由度を発表、 1 位はアイスランドなど 3 国、最下位はエリトリア、日本は 29 位 23 国際海事局海賊情報センターが 2008 年 1 ― 9 月にソマリア沖と同国北部アデン湾で海賊 事件が未遂も含め 63 件発生し前年同期比で 27 件増加、世界全体の約 3 分の 1 に上ったと 発表 24 OPEC が臨時総会で原油価格の急落を受け 11 月から日量 150 万バレルの大幅減産を決定 アジア欧州会議(ASEM)の首脳会議開催(→ 25 日、北京)、気候変動問題やエネルギ ーなど地球規模の課題を協議し「持続可能な発展に関する北京宣言」を発表 ●世界金融危機 10 ・ 03 米下院本会議が金融危機対策として最大 7000 億ドル(約 75 兆円)の公的資金で不 良資産を買い取るための緊急経済安定化法案の修正案を可決、法律成立 04 フランスなど欧州主要 4 ヵ国の首脳らが緊急会議開催(パリ)、EU に欧州の金融機関の 監督と国際協力を担う機関を創設することなどを盛り込んだ声明を発表 07 IMF が米国の信用力の低い人向け住宅ローン(サブプライムローン)問題による世界の 金融機関の損失を 1 兆 4050 億ドル(約 143 兆円)と推計、米欧などに公的資金による資 本注入の検討を促す 08 米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)など主要 6 ヵ国・地域の中央銀 行が協調利下げを発表、いずれも政策金利を 0.5% 引き下げ、日銀は利下げには参加し ないものの強い支持を表明、市場へのドル資金供給などを通じ協力 IMF が世界経済見通しを発表、世界的な金融危機の影響で 2009 年は日本、米国、欧州ユ ーロ圏がそろってほぼゼロ成長となると予測 10 ニューヨーク株式市場のダウ工業株 30 種平均が約 5 年半ぶりに一時 8000 ドル割れ 先進 7 ヵ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が公的資金を活用して金融機関の資本を増 強することや重要金融機関の破綻阻止を盛り込んだ行動計画を発表 12 ユーロ圏(15 ヵ国)首脳が緊急会議(パリ)、公的資金の資本注入など包括的な共同行 動計画を策定、13 日、ドイツ、フランスなどが対策発表、英国も英大手金融 3 グループ に総額 370 億ポンド(約 6 兆 4000 億円)の公的資本注入を発表、15 日、EU 首脳会議が 公的資金投入など一連の対策を加盟 27 ヵ国に拡大することを決定、金融システムの動揺 をいち早く察知し対応する「緊急対策室」を新設へ(ブリュッセル) 14 ブッシュ米大統領が国内大手金融機関に公的資金の資本注入を柱とした緊急の金融危機 対策を発表、資本注入枠は 2500 億ドル(約 25 兆 6000 億円) 、9 社が年内の注入に同意 18 ブッシュ米大統領がサルコジ = フランス大統領ら EU 首脳と会談(ワシントン) 、金融危 機対策で緊急首脳会合(サミット)の米国開催で合意、22 日、11 月 15 日開催と発表 24 IMF が世界的な金融危機の打撃を受けたアイスランドに 21 億ドル(約 2100 億円) 、26 日、 ウクライナに 165 億ドル(約 1 兆 6800 億円)、28 日、EU などと協調しハンガリーに総額 200 億ユーロ(約 2 兆 5000 億円)の緊急支援を行なうことで合意と発表 27 ダウ平均終値が 8175.77 ドルと 5 年半ぶりの安値、28 日、前日比 889.35 ドル高の 国際問題 No. 577(2008 年 12 月)● 47 国際問題月表 9065.12 ドルと上げ幅史上 2 番目、31 日、10 月のニューヨーク株式市場の月間下げ幅が 前月末比 1525.65 ドルと史上最大、下落率 14% Ⅱ 日本関係 10 ・ 02 防衛省が中国の潜水艦事故をめぐり防衛秘密を新聞記者に漏洩したとして自衛隊法 違反容疑で書類送検された元情報本部課長の 1 等空佐を懲戒免職処分 07 8 月の機械受注統計で受注額が前月比 14.5% 減の 8917 億円と 5 年 4 ヵ月ぶりの低水準に 10 経営危機に陥っていた中堅生保の大和生命保険が東京地裁に更生特例法の適用を申請、 世界的金融危機が波及して破綻した日本の金融機関は初めて 政府が閣議で北朝鮮籍船舶の入港禁止など日本独自で行なっている北朝鮮に対する経済 制裁の半年間延長を決定、延長は 4 月に続き 4 回目 1981 年のロサンゼルス銃撃事件で三浦和義元会社社長(日本では無罪確定)がロス移送 後に収容先の独房で自殺、14 日、ロス郡地裁が検察側の取り下げ請求を認める決定をし 米国での刑事司法手続きが法的に終結 12 海上自衛隊の特殊部隊の養成過程で 3 等海曹が 15 人相手の格闘訓練で死亡していたこと が発覚、集団暴行の疑いで警務隊が捜査 14 米政府が北朝鮮のテロ支援国家指定を解除したことに麻生太郎首相が不満を表明、拉致 問題で進展がない限り対北朝鮮エネルギー支援に参加しない方針を明言 15 東京都八王子市保健所が中国製冷凍インゲンを食べた主婦が一時入院しきわめて高濃度 の有機リン系殺虫剤ジクロルボスが検出されたと発表、警視庁が捜査開始、中国の工場 側には問題はなかったとの認識 21 政府が 10 月の月例経済報告で景気の基調判断を「弱まっている」とし 2 ヵ月ぶりの下方 修正、日銀も 10 月の地域経済報告を発表、全国 9 地域すべての景気判断を下方修正 政府が北朝鮮の核廃棄に関連し資金や技術を提供する方向で検討していることが判明、 重油支援はオーストラリアや欧州の一部が肩代わりする方向で米国などと調整 22 麻生首相がシン = インド首相と会談(東京)、対テロや核不拡散など安全保障協力を促 進する行動計画策定を盛り込んだ共同宣言に署名 24 ASEM に出席のため中国を訪問中の麻生首相が中国の胡錦濤国家主席、温家宝首相、李 明博韓国大統領と個別に会談(北京)、日中韓首脳会談を年内に日本で開催することで 一致 28 東京株式市場の日経平均株価がバブル経済崩壊後の最安値を更新、一時 7000 円を割っ て 1982 年 10 月以来の安値水準に落ち込み イージス艦情報流出事件で「特別防衛秘密」を漏らしたとして日米相互防衛援助協定等 に伴う秘密保護法違反の罪に問われた海上自衛隊の 3 等海佐松内純隆被告に横浜地裁が 懲役 2 年 6 月、執行猶予 4 年の有罪判決 29 財務省が全国財務局長会議で 7 ― 9 月の景気判断を過去最多の 45 都道府県で下方修正 30 麻生首相が事業総額 26 兆 9000 億円の追加経済対策(生活対策)を発表、将来的に社会 保障の安定財源確保などのため 3 年後の消費税率引き上げ、景気対策を優先し衆院解散・ 総選挙は当面見送る考えなど表明 国連の B 規約(市民的および政治的権利)人権委員会が日本政府に対し死刑制度の廃止 国際問題 No. 577(2008 年 12 月)● 48 国際問題月表 検討を勧告、従軍慰安婦問題でも被害者の多数が受け入れる形で謝罪すべきと勧告する 審査報告書を発表、同委員会の対日審査は 1998 年以来 10 年ぶり 31 日銀が政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を現行の年 0.5% 程度から 0.2% の引き下げを決定、即日実施、約 7 年半ぶりの利下げ 田母神俊雄防衛省航空幕僚長が植民地支配を正当化し「侵略はぬれぎぬ」との論文を発 表、浜田靖一防衛相が政府見解と違うとし更迭 Ⅲ 地域別 ●アジア・大洋州 10 ・ 01 インド北東部トリプラ州の州都アガルタラの市場などで少なくとも 5 回の連続爆発 があり 2 人が死亡、約 100 人が負傷 02 パキスタン北西辺境州チャルサッダにある連立政権与党アワミ民族党のカーン党首の自 宅で自爆テロ、警備員ら 4 人が死亡、6 人負傷、カーン党首は無事 03 パキスタン北西部の北ワジリスタン地区でアフガニスタン駐留米軍の無人機によるとみ られるミサイル攻撃、21 人が死亡、26 日、南ワジリスタン地区でも同様の攻撃、イスラ ム武装勢力メンバーら少なくとも 20 人が死亡 04 金正日北朝鮮総書記がサッカーの試合を観戦したと朝鮮中央通信が 51 日ぶりに総書記の 動静を報道、10 日、金総書記が軍の訓練を視察と同通信が写真付きで報道、動向報道で の写真公開はほぼ 2 ヵ月ぶり 06 タイのバンコクの首相府を占拠している反タクシン元首相派の市民団体が道路を封鎖、 7 日、警官隊が強制排除に踏み切り双方が衝突、1 人死亡、430 人以上が負傷 パキスタン中部パンジャブ州で野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派のナワニ 下院議員宅に男が侵入し自爆、少なくとも 25 人が死亡、ナワニ氏を含め 53 人が負傷 08 アブドラ = マレーシア首相が 2009 年 3 月の与党統一マレー国民組織の総裁選に出馬せず 首相と総裁の座をナジブ副首相に譲ると表明(クアラルンプール) 10 パキスタン北西部オラクザイ地区で部族の集会中に男が自爆し少なくとも 113 人死亡、 約 300 人負傷、2007 年 10 月のブット元首相暗殺未遂事件以来同国で最大規模のテロ 12 中国共産党の第 17 期中央委員会第 3 回総会(3 中総会)が農民の収入を 2020 年までに 2008 年の 2 倍に引き上げることを謳ったコミュニケを採択し閉幕(← 9 日、北京)、19 日、土地使用権の売買を容認し大規模経営を発展させると明記した同総会での農村改革 のための決定全文を発表 15 カンボジアとタイの国境未画定地域にある世界遺産登録のヒンズー教寺院跡付近で両国 軍が交戦、双方の計 3 人が死亡、16 日、部隊を後退させることで合意 胡錦濤中国国家主席とザルダリ = パキスタン大統領が会談、貿易などの経済協力促進で 一致(北京)、18 日クレシ = パキスタン外相が同会談でパキスタンが計画中の原子力発 電所 2 基の建設協力で合意したと発表 20 中国国家統計局が 7 ― 9 月期の GDP 実質成長率(速報値)が前年同期比 9.0% と発表、 四半期ベースで成長率が 10% を割り込むのは速報値としては 2005 年 10 ― 12 月期以来 21 タイ最高裁が土地の不正取得をめぐり汚職防止法違反罪に問われたタクシン元首相に禁 固 2 年の実刑判決 国際問題 No. 577(2008 年 12 月)● 49 国際問題月表 22 インドが初の無人月探査機「チャンドラヤーン」の打ち上げに成功 23 東南アジアとオセアニアにまたがる海域の沿岸 6 ヵ国がマグロなどの海洋資源保護のた め漁獲規制強化の行動計画を策定することで基本合意(マニラ) 28 モルディブ大統領選(8 日実施)で野党モルディブ人民主党のモハメド・ナシード党首 が現職を破り当選、6 期 30 年の長期政権に幕 29 パキスタン西部でマグニチュード(M)6.4 の地震があり約 300 人が死亡 30 インド北東部アッサム州で連続爆弾テロ、77 人死亡、イスラム組織が犯行声明 韓国の首相傘下機関が日本の植民地支配下で強制連行され死亡した 225 人の遺族に初め て死者 1 人当たり 2000 万ウォン(約 159 万円)の慰労金支払いを決定 ●中近東・アフリカ 10 ・ 02 バグダッドのイスラム教シーア派のモスク(礼拝所)2 ヵ所で爆弾テロ、少なくと も 24 人が死亡、50 人以上が負傷 03 トルコ南東部ハッカリ県セムディンリで分離独立を目指す少数派クルド人の武装組織ク ルド労働者党(PKK)と軍が衝突、トルコ兵 15 人、PKK も少なくとも 23 人が死亡 05 アブルゲイト = エジプト外相がイラク訪問、エジプト外相のイラク訪問はイラク軍のク ウェート侵攻で両国関係が悪化した 1990 年以来初めて 09 ジンバブエの中央統計事務所が 2008 年 7 月と 07 年同月を比べた年間インフレ率が 2 億 3100 万 % を記録したと発表、戦争状態にない国家としての世界最悪水準を更新 10 エチオピアで国際医療団体の 2 人が誘拐された事件で日本人女性医師の身元が赤羽桂子 さんと判明、取材に「ソマリアにいて無事」と返答、31 日、犯人グループが身代金 300 万ドル(約 2 億 300 万ドル)を要求していることが判明 11 ムガベ = ジンバブエ大統領が主要閣僚を与党に配分する方針発表、連立合意で与野党で 二分することが決まっていたと野党民主変革運動が反発、連立政権樹立協議が暗礁に 15 ムアレム = シリア外相とサルーフ = レバノン外相が 15 日付で国交を正式に樹立するとの 共同声明に署名 18 イスラム教シーアの反米指導者サドル師派が 2009 年以降の米軍のイラク駐留を可能にす る米国との地位協定拒否を訴える大規模デモ(バグダッド)、数万人が参加、28 日、イ ラク政府が地位協定案の修正案を閣議合意 26 シリア東部アブカマルの民家を米軍ヘリコプター 4 機が攻撃、住民 8 人が死亡 オルメルト = イスラエル首相の後継候補のリブニ外相が各党との連立政権協議が不調に 終わったとしてペレス大統領に総選挙実施を要請 28 イエメン南東部アデン湾沿岸を襲った暴風雨で国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が 死者・不明者は約 100 人で 1 万人以上が家を失ったと発表 29 ソマリア北部で独立や自治を宣言しているソマリランドとプントランドで独立政府や国 連機関事務所などを狙った連続自爆テロ、少なくとも 28 人が死亡 ●欧 州 10 ・ 01 EU 欧州委員会がろうそくなどの原料の固形パラフィンの販売をめぐり違法な価格 カルテルを結んだとして EU 競争法違反で米石油大手エクソンモービルなど大手 9 社に総 国際問題 No. 577(2008 年 12 月)● 50 国際問題月表 額 6 億 7600 万ユーロ(約 1000 億円)の制裁金支払いを命令 03 ブラウン英首相が内閣を一部改造、主要閣僚は留任、世界的な金融・経済危機に対応す るため経済関係閣僚や閣外相で構成する「国家経済会議」を政府内に設置と発表 05 ドイツ政府が米サブプライムローン問題で資金繰りが悪化していたドイツ不動産金融大 手ハイポ・リアル・エステートに対しドイツの民間銀行団などと合同で最大 500 億ユー ロ(約 7 兆 1700 億円)を支援する救済策を発表 ベルギー政府が経営難に陥ったベルギー最大の金融グループのフォルティス救済策とし てベルギー、ルクセンブルク部門をフランスの大手銀行 BNP パリバが買収すると発表 06 オーストリア政府が 9 月 28 日実施の国民議会選挙(下院、定数 183)の最終結果を発表、 社会民主党が 57 議席(得票率 29.3%)で第 1 党 08 英政府が金融安定化策を公表、公的資金による資本注入枠を総額 500 億ポンド(約 8 兆 8000 億円)用意、うち 4 兆 4000 億円を年末までに大手 8 行に注入 11 ナチス擁護や外国人排斥発言などが物議を醸したオーストリアの極右政党オーストリア 未来同盟のイエルク・ハイダー党首が飲酒運転による交通事故で死亡(58 歳) 15 ロシア軍が人種的迫害行為を行なったとしてグルジア政府が申し立てた保全措置につい て国際司法裁判所(ハーグ)がグルジア、ロシア双方に迫害行為を中止するよう求める けんか両成敗の決定 欧州自動車工業会が発表した欧州 28 ヵ国の 9 月の新車登録台数が金融危機の影響で前年 同月比 8.2% 減の 130 万 4583 台で 10 年ぶりの低水準 アイスランドの中央銀行が政策金利を 3.5% 引き下げ 12% とし即日実施、28 日、中銀は 一転して政策金利を 6% 引き上げ年 18% にすることを決定 16 欧州中央銀行(ECB)が急落したハンガリーの通貨フォリントの信用不安解消のためハ ンガリーの中央銀行に最大 50 億ユーロ(約 6700 億円)の融資を発表 スイス政府が総合金融最大手 UBS に対し 60 億スイスフラン(約 5250 億円)の公的資金 による資本注入を実施、スイス国立銀行(中央銀行)が UBS の不良資産分離のために最 大 540 億ドル(約 5 兆 4000 億円)を融資するなど救済策を発表 18 ドイツの社会民主党(SPD)が臨時党大会開催(ベルリン) 、ミュンテフェリング元党首 の党首復帰とシュタインマイヤー副首相兼外相を首相候補にすることを正式決定 20 フランス政府が BNP パリバなど国内の主要 6 銀行の資本増強のため総額 105 億ユーロ(約 1 兆 4000 億円)の公的資金を資本注入すると発表、オランダ政府も同国の金融・保険最 大手 ING グループに約 100 億ユーロ(約 1 兆 3600 億円)を注入と発表 24 英統計局が発表した 7 ― 9 月期の GDP(季節調整済み)速報値は実質で前月比 0.5% 減と なり 1992 年 4 ― 6 月期以来約 16 年ぶりのマイナス成長 ●独立国家共同体(CIS) 10 ・ 01 グルジアの南オセチア自治州をめぐる 8 月のグルジアとロシアの軍事衝突を受け EU 議長国フランスが仲介した和平合意に基づく EU 監視団がグルジア各地で活動開始 02 メルケル = ドイツ首相がメドベージェフ = ロシア大統領との会談後に共同記者会見しグル ジアの領土保全は譲れないと強調(サンクトペテルブルク) 05 キルギス南部の中国との国境地帯で午後 10 時ごろ M6.6 の地震が発生したと米地質調査所 国際問題 No. 577(2008 年 12 月)● 51 国際問題月表 などが発表、6 日のキルギス非常事態省の発表によれば死者は 72人 08 ロシア国防省が爆撃機ツポレフ 22M3 の 2 機が長距離訓練飛行で日本海上空へ向かったと ころ緊急発進した航空自衛隊の F15 戦闘機計 4機に 2回にわたり追尾されたと発表 09 ユーシェンコ = ウクライナ大統領が最高会議(議会)の前倒し選挙を12月7日に行なうと する大統領令に署名 10 サーカシビリ = グルジア大統領が南オセチア自治州などの周辺の緩衝地帯は「基本的に撤 廃された」と述べロシア軍撤退が事実上完了したことを認める 11 ロシア海軍がバレンツ海の北方艦隊の原子力潜水艦から太平洋の赤道付近の海域に向け核 兵器搭載可能な最新の大陸間弾道ミサイル「シネワ」の発射実験を初めて実施と発表 米地質調査所によると午後 1 時ごろロシア南部チェチェン共和国の首都グロズヌイ付近で M5.9 の地震、地元当局によると 12 人死亡、100 人以上負傷 13 リトアニア議会選(12日実施)で中道右派野党「祖国同盟・キリスト教民主党」などが得 票率(19%)で社会民主党(同 12%)など連立与党側を上回り与党側が敗北、26日、小選 挙区の決選投票が行なわれ祖国同盟・キリスト教民主党が第 1 党に 16 アゼルバイジャン大統領選(15 日実施)で中央選挙管理委員会が開票率約 97% の暫定結 果としてイルハム・アリエフ大統領が約 89% を得票したと発表、再選決定 22 メドベージェフ大統領がバドリOPEC事務局長と会談(モスクワ郊外) 、下落基調の原油価 格の維持で OPEC諸国と協力していく姿勢を示す 南オセチア自治州の独立派政権が「首相」としてロシアの北オセチア共和国の税務局長だ ったアスランベク・ブラツェフ氏を充てる人事が議会で承認されたと発表 27 日本たばこ産業のロシア現地法人が約 24 億ルーブル(約 80 億円)の追徴課税を不服とし た訴訟でロシア最高仲裁裁判所が税務当局の主張を退け課税無効が確定 サーカシビリ大統領がグルゲニゼ首相を解任し後任にグリゴル・ムガロブリシビリ駐トル コ大使を指名したと発表 28 温家宝中国首相とプーチン = ロシア首相が会談(モスクワ) 、経済協力拡大で一致、東シ ベリアの原油を太平洋岸に運ぶ石油パイプラインの中国向け支線建設を正式決定 31 カスピ海のカシャガン油田開発事業でカザフスタン政府と日欧米の石油会社がカザフ側の 権益比率をほぼ倍増することで合意 ●北 米 10 ・ 01 調査会社オートデータがまとめた 9 月の米新車販売台数が前年同月比 26.6% 減で 1993 年以来の低水準 米上院本会議が米国から核保有国インドへの民生用核燃料・機器輸出や核技術移転に道 を開く原子力協力協定を承認する法案を可決、10 日、協定発効 03 米政府が地対空誘導弾パトリオットなど長年の懸案となっていた最新型兵器の台湾への 売却計画を議会に通告、6 日、中国政府が抗議、軍事交流の一部中止などを米側に伝達 07 ワシントンの米連邦地裁がキューバのグアンタナモ米海軍基地に 7 年近く収容されてい た 17 人の新疆ウイグル自治区出身の中国人イスラム教徒は「敵の戦闘員」には当たらな いと判断、直ちに釈放し同地裁に移送するよう命令 14 米財務省が 2008 会計年度の財政赤字が前年度比 2.8 倍の 4548 億ドルと過去最大になった 国際問題 No. 577(2008 年 12 月)● 52 国際問題月表 と発表、景気低迷で税収が減少する一方国防費や失業給付が膨らみ赤字幅が拡大 カナダで下院選(定数 308)が行なわれハーパー首相率いる与党保守党が 140 議席以上 で第 1 党の座を維持して勝利 16 米銀大手シティグループが 7 ― 9 月期決算でサブプライムローン問題の損失が拡大し 2007 年夏以降の関連損失が累計で 130 億ドル(約 7 兆円) 、証券大手メリルリンチの同期決算 でも関連損失が累計 500 億ドル(5 兆円)規模に 28 米政府が緊急経済安定化法に基づき大手 9 銀行に対し 12 兆円の公的資本注入を開始 29 米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会で主要政策金利であるフェデラルフ ァンド(FF)金利の誘導目標を 0.5% 引き下げ 1.0% にすることを全会一致で決定、即日 実施 米デルタ航空がノースウエスト航空との統合完了と発表、世界最大の航空会社誕生 30 米商務省が 7 ― 9 月期実質 GDP 成長率が前期比で年率 0.3% 減とマイナス成長、個人消費 は 17 年ぶりに減少と発表 ●中南米 10 ・ 01 ペルー政府がノルウェーの企業に便宜を図ったとの疑惑が浮上、デルカスティジョ 首相ら全閣僚がガルシア大統領に辞表を提出、11 日、大統領が新首相に北部ランバイエ ケ州の左派系知事イェウデ・シモン氏を指名 ペルー南部ワンカベリカ県の山岳地帯で左翼ゲリラのセンデロ・ルミノソ(輝く道)と みられる武装集団に軍兵士らが爆弾などで攻撃され少なくとも 19 人が死亡 20 キューバ、メキシコ両政府が米国を目指してメキシコに不法入国したキューバ人密航者 をメキシコが送還することを定めた覚書に調印 23 ミシェル EU 欧州委員(開発・人道援助担当)とペレス = キューバ外相が会談(ハバナ) 、 相互の協力関係を再開する文書に署名 メキシコ上院が油田開発への外国資本の呼び込みを図るため政府が独占してきた石油事 業への民間参入を規定する法案を賛成多数で可決 26 コロンビアで 2000 年に左翼ゲリラのコロンビア革命軍(FARC)に誘拐、監禁されてい たリスカノ元下院議員が FARC 指揮官とともに脱出、約 8 年ぶりに無事保護 27 南米 5 ヵ国でつくる地域経済共同体の南部共同市場(メルコスル)が臨時会合開催(ブラ ジリア) 、景気後退に伴う対外貿易の縮小懸念から域内貿易の活発化を図ることで合意 31 中南米諸国とスペイン、ポルトガルなどによるイベロアメリカ首脳会議開催(サンサル バドル) 、国連の枠組み内で金融危機に関する首脳会議開催を求める共同声明など採択 国際問題 第 577 号(電子版) 2008 年 12 月号 編集人 『国際問題』編集委員会 発行人 佐藤 行雄 発行所 財団法人日本国際問題研究所 〒 100−6011 東京都千代田区霞が関 3−2−5 霞が関ビル 11 階 電話 03−3503−7262(出版・業務担当) http://www.jiia.or.jp/ *本誌掲載の各論文は執筆者個人の見解であり、執筆者の所属する 機関、また当研究所の意向を代表するものではありません。 *論文・記事の一部分を引用する場合には必ず出所を明記してくだ さい。また長文にわたる場合は事前に当研究所へご連絡ください。 *電子版最近号 07 年 11 月号 焦点:急増するFTA―世界貿易体制とアジア 07 年 12 月号 焦点:グローバリゼーションと経済安全保障 08 年 1・2 月号 焦点:転機に立つアメリカと中国 08 年 3 月号 焦点:岐路に立つ日本外交 08 年 4 月号 焦点:国連安保理の機能変化 08 年 5 月号 焦点:不透明感を増す世界経済 08 年 6 月号 焦点:洞爺湖サミットと地球環境―気候変動を中心に 08 年 7・8 月号 焦点:政情不安と大統領制の行方 08 年 9 月号 焦点:活発化する人の国際移動 08 年 10 月号 焦点:外交構想とシンクタンクの役割 08 年 11 月号 焦点:ASEAN の可能性 国際問題 No. 577(2008 年 12 月)● 53