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平成17年7月号通巻241号
平成17年7月号通巻241号 東京黒百合会 事務局 杉山 直 習志野市鷺沼 3−14−31℡047「453−6350 会報編集発行 小石浩治 ホームページアドレスht申:〟mem如咄C¢m.hαn息nejp此如岬押〟 お知らせ 上写真:(梅南の晴れ間・横須賀菖蒲周) 6/17撮影:(OLⅥMPUS・ル)小石清治 ◆日帰りスケッチ会 ◆エルム写生会 時:7月2日(土)※目前の第一土曜日! 所:(皇居内)東御苑 集合場所:大手門 午前11時 時:7月28日(木) 交通:①東京駅丸の内北口から徒歩約15分 所:葛西臨海公園 駅:京葉線 葛西臨海公園駅11時集合 (ヨメトロ大手町C13b出口から直進 世話役:喜多さん、菊池さん。 ◆グループ・ライユ展(新宿・世界堂6円 ◆合 評 会 期間:7/10から16日まで 大谷さんが出品されます。 時:7月17日(第三日曜日) 午後2時から。 ◇デッサン会・7月はお休み 次回は8月21日第三日曜日です。 所:(稲荷町)下谷製本会館2F ◇日帰りスケッチ会・8月はお休み −1− する。とくに「つつじの咲く頃」の筆使い には新鮮な感動をおぼえる。このほか「運 次回は9月第一土曜日、横浜方面。 河」F20と「小春日和」F6も力作で良い ◇裸婦クロッキー夏期集中講座 作品である。 春にご案内した上記クロッキー講座は大 変好評で、すでに2回実施しましたが、こ か石浩治氏は4点出品されている。 のたび更に下記日程で3回目の集中講座を 開くことになりました。ふるってご参加下 いつもの働く人物像をモチーフとする油絵 さい。 3点、水彩1点である。油絵3点とも良くで きているが、特に窓際に飾られている「野 (笠原寛氏談) 時期(実技):7月27.28.29日の3日間 外学習」F20が面白くまた良く描けてい 27.28日….午前中 amlO:00∼12:30 る。この作品作りの発想が面白い。このほ 但し27日のみ午前9:30 かに「音楽の稽古」「休漁日」の人物像は 午 後 pm13:30∼16:00 良く措けており成功している。 29日….午前中のみ 作品展示:7/30(土)∼8/1(月) 次は坂下潔氏で3点出品している。 参加費用:15.000円 「白樺湖」M12はしっかり良く描けてい (モデル代、展示費費用含む) る。いままで拝見した風景画のなかでも トップクラスの出来映えである。それ以外 講師:井上護(二紀会委員) 主催:(国分寺)司画廊 の作品では「静物」F8の人形が良く描け 国分寺市本町4−14−1 ている。ただ人形の上部にある棚の小物類 は日立たぬよう色を抑えられるとよい。 ※申込み、お問い合わせ先 司画廊事務局 TEL:042−324−0015 次に嶋田勝弘氏は3点出品されている。 このうち窓側に飾られた「明野のひまわ 農 魔 食 感 沓 り公園」F15はひまわりの花を中心に絵作 りをやっており、面白い作品に仕上がって いる。なお「谷川岳五月」FlOや「秋の白 ○篇15回北斗展を拝見して 樺高原」F8の二つの作品も従来の山岳風 加藤文男 景に比べ良くなっている。 日本橋ギャラリー砂翁で、5月22日(日) ∼28日(士)まで第15回北斗展が開催された 次に関谷英一氏は4点出品されている。 ので拝見した。 このうちグアム島のスケッチ小品が3点 ある。この作品は短時間で勢い良く描いた 作品で、私の好きなサラッとした作品であ る。題名は「恋人岬遠望A,BJF8,F6と 今回から谷さんが参加され、メンバーが 6名となった。この会は関谷さん、大谷さ んがリーダー格の会で、新メンバーのレベ 「イパオ海岸風景」F8である。 ルアップによって良い会に成長しつつあ る。名簿順に作品を見て行きたい。 なおエジプト個展のおまけと言われる 「クフ王の夢」P12は面白い。 まず永谷敏風圧であるが、4点の水彩出 次に新人の沓琴夫氏であるが、2点出品 されている。この内容からみる限り新人と 品作品のうち「つつじの咲く頃」FlOと 「水仙群生」F射ま見事な出来映えで感服 −2− は言えない力量がる。「北国朝陽」のリト 次に東武風塵民は油彩「早春の息吹 き」FlO号一点を出品されている。お病気 グラフはなかなかの出来映えで素晴らし い。また「タイからの贈り物」油絵FlOも 良くできている。バックにタイの風景のシ ルエットを入れたのがしやれている。 のため以前に措かれた作品を出品されたと 思われるが、従来スタイルとは異なった造 型性のレベルの高い作品のように思われ (北斗展代表作品・巻末添付) る。 次に下田修氏は油絵3点を出品されてい る。いずれも絵に強さや勢いがあって良 い。3点の中では「西伊豆・雲見」F20が 良く描けている。中間の岩場が強く描けて いるのが良い。「横浜港。新山下」F15も 感じのよい出来映えの作品と思う。欲を言 ○算用蘭胱農展を拝見して 加藤文男 室町ギャラリーで第13回北農展が5月23 日(月)から28日(土)まで開催された。 えば空をもう少し明るくされると更に良く この会は以前の北恵展時代の18回を加 なる。 えると30回を越えるほど長く続いている。 はとんどメンバーが変っているがその伝統 は受け継がれている。遠藤さんがお元気で そのリーダー役を果たしていただいてい る。今回もレベルの高い良い展覧会になっ 建脇勉氏は油絵5点出品されている。こ のうち3点は山岳風景で、とくに「妙義山 新緑」FlOが良くできており傑作と思う。 「八ヶ岳早春」F20は大作の下絵と思う た。以下、名簿順に作品を見てみたい。 が、落着いた色調でかっちり描けているの が良い。「谷川岳残雪」FlOは山は良く描 まず江本樽氏は水彩3点を出品されてい るが、「さくらI」20号と「さくらⅡ」 20号に注目したい。本人の説明によると (さくらⅠ)は桜の勢いを、(さくらⅡ)は桜 の華やかさと勢いを表現したかったと言 う。桜は模式化され(さくらⅡ)では桜の明 けているが前景の木々の処理に問題を残し ているように思う。 次に中島敏夫氏は油絵2点を出品されて いる。このうち「三渓園」FlOの船と菖蒲 が良く措けている。「ワシントンモニュメ ント遠望」は力作であるが、ワシントンモ ニュメントがあまりにも小さすぎるので、 暗に変化を加えている。この絵を見て、三 岸節子の『さいたさいたさくらがさいた』 (1998年)の絵を連想した。 ともに模式化している点は似ているが、 私は江木氏の作品のほうが好きである。 もっと大きく措くよう構図を直されてはど うか。 松田忠好氏は油絵3点出品している。 次に遠藤惇氏は「早春」「晩秋」の油 「白樺湖の秋」FlOはすっきりとうまく描 絵2点を出品されている。大胆な太い黒縁 で裸婦3人を措き、今回はさらにカラフル な色でつつみこんで、スカッ卜した良い作 品である。高齢になられてますます絵が明 るくなっているのに驚く。 けている。「オホーツクの眺め」F20は空 と海が美しく措けているのが良い。 「ふる里の春」FlOは桜を中心とする色 合いの美しい作品に仕上がっている。ただ 道路の色を直されるはうが良いと思う。 ー3− 感想: 2 次に横山幹憲氏は山の作品3点を出品し 小石清治 ているが、この中では「蓼科山秋景」FlO が明るくよく出来ている。とくに参科山と 今年の北廼展は楽しいイベントがあると いう誘いにのり、パーティーに参加した。 それはペリーダンスといって、おへそが 見える悩ましい踊りだが、3尺余の大刀を 振りかざし、時には腰のくびれに刃をのせ て、一心に踊る様はまさにアラビアンナイ トの光景であった。踊りも作品も楽しく見 せていただいた。 前景の木々がうまく描けており傑作と思 う。なお「秋の白樺潮」F6は楽しく描か れているのが良い。 (北島展代表作晶・巻末添付) [コ ○北喜ヨ昆(6J6∼即12) 感想:1 北娘展のメンバーは現役組が多いせい 佐々木 寮 か、展覧会に間に合わせる為、大急ぎで作 品を仕上げること度々だったと聞く。しか 以前の、三輿画廊に比べ、天井はやや低 し時には油が未だ乾かないとか塗り残しな いものの絵の貼り付け面積は広くなったと どがあっても、作品本体の訴求力はかえっ て増大し、深夜、絵具とキャンバスと格闘 した様が窺われ、画面の前にたてば会話が はずみ、たちまち楽しい雰囲気を醸し出 す。それは人の評を気にせず「描いて楽し む」という確固たる信条、信念があるから 感じました。 皆さん頑張って一人当たり3点から11点 の、独自の道を模索する作品を紹介展示さ れ、それぞれがライトアップされて各々個 性的な雰囲気をかもし出し熱気がありまし た。 に他ならないと思う。 水彩画あり油絵あり、シャドーアートあ り空想絵画あり、人物画あり風景画あり、 それぞれに見所ありました。 祝賀会は、お客や先輩諸氏もみえ、ベ リーダンスがそのいろどりを添えて楽しい ものになりました。(注) 来年は先輩方に負けずに、より大きな作 品を壁いっぱいに飾るぺく、今日から精進 していきたいと思います。 皆様のご尽力で手ごろな価格で会場が借 りられ、これから新会員の勧誘も気軽に容 易になると期待してます。 皆様どうもお疲れ様でした。また来年に 向け、こつこつ書き溜めてまいりましょ う。 (注)ペリーダンスぬelbf dance): 女性が腹部や腰をくねらせるアラビア風 の踊り。オリエンタルダンス。 なお英語の[be】妙]は、腹、腹部、胃、 食欲などの意味がある。 上写真:後藤一雄氏作 「シャドウボックス」 −4− 始着である川口先生の門下生の発表の場と 山田氏の登場人物の顔と眼の動きは好 してスタートしたが、30回を簸た今は 奇心と内面の葛藤、細井氏の洞穴の前で 手招きする骸骨と夜明けに飛ぶ鳥は、不安 と期待の象徴。木綿氏の池に映る桜は小 舟を操る二人の夢舞台。江沢民の線を省 略しても腕や腰の量感が見える裸婦描法。 加藤さん始め大洋展の重鎮が作品を並べる 鎌倉の大きな展覧会の一つとして定着して いる。 そこに映る何か。佐々木(繁)民の素朴で シンプルな色使いに生き返る風景と静物。 加藤さんは「早春の谷川岳」(F80)、 「晩秋の裏磐梯」(F30)、「晩秋の妙義 山」(F30))の3点を出品していた。 100号のが並ぶ大作室の正面の壁の中央 に据えられた加藤さんの絵は、長老に相応 後藤氏のチップスや針金などの組み合せ しい彼独自の世界をゆったりと主張する貫 の妙。神秘的なデザイン。杉山氏の圧倒 禄を見せていた。 西村氏の黒い四角画面を更に小窓に抜き 的な桜の津波に浮かぶ彼岸の屋棍。 以 上 メンバーに共通しているのは、皆忙しい 忙しいと云いながら最後に自分が「楽し ◎日帰りスケッチ会 む」という余裕、とっておきの空間を残し ながら描いていることだ。 6月4日、雨天の天気予報が外れて時々 薄日が差す曇天、午前11時前に大船フラ ワーセンターに加藤、江木、鍛冶、横山、 小石、佐々木繁、下田の7名集合、睡蓮 池、花菖蒲、に分かれて写生、バラ囲も見 そこには、いつの間にか観客を巻き込 み、狐自の世界に踏み込ませて、迷いなが らも作者と同じような夢に遊び、楽しませ てくれる魔力のようなものがある。 事だが大谷先生が居ないので見送り、午後 巻末代表作品写真の右隅に踊子の写真。 3時園内の軽食堂に集合各自の成果を批評 踊り子が「皆さんも一緒に締りましょう」 し合って3時半解敬した。 と手招きした。バックの山田氏措く人物も 妖艶な踊りにびっくりしたが、たちまち踊 子の魅力に取込まれてしまい、絵から抜け 出して、束の間の「銀座のアラビアンナイ ト」を楽しんだ。 (下田 修 記) ◇ [寄 稿] 実験「色を奏でる」旅 (北麹展代表作品・巻末添付) 工藤長正 風薫る五月、ブルターニュ地方を重点に じっくり滞在型のフランス・スケッチ紀行 ○リピーエール展の加藤さん に参加。総勢26名。この内男性9名、女性 17名。ご夫妻での参加3組。プロの絵描き 青木 宏 は今年3月に退官した札幌出身の東京芸術 大学名誉教授を含む6名という多士済々。 参加者のうち約半数は東京だが、静岡県6 名、名古屋市と神奈川県各々4名。旅行中 第30回のリピエール展が5月31日か ら6月5日まで鎌倉駅前の生涯学習セン ターで開かれた。この展覧会は大洋会の創 一5− ′−■・漣 の使用画材は水彩が圧倒的に多かったもの の油彩4名、顔彩2名、色鉛筆1名。とくに 油彩4名の早業と色鉛筆の名人芸が光って  ̄、‖り r ■■−■■ 」 ▲■ 1■ r いて、顔彩の凸凹コンビは顔色ナシ。 宿泊拠点はブルターニュ地方のボンタ ヴァン椿泊)、レ島のサン・マルタン極 泊)、パリに近いリヨン・ラ・フォーレ(6 泊)で、ここからジュアルヌネ、ロタロナ ン、ラ・ロッシェル、タルモン・シュル・ ギロンド、レ・ザンドリ等がカバーできて 極めて充実したトラベル・プランとなって いた。 最近フランスではリーダーズ・ダイジェ スト社から『美しい村』100選が発表され たばかりだが、あっと言う間に148ケ所に 脹らみ、その解説書(改訂版)は仏誇版と英 語版がでていて、スケッチ旅行計画が随分 と楽になった。有鄭堂洋書部によると、フ んだ志村ふくみ女史(1924年生まれ。草木 染の重要無形文化財保持者で、大仏次郎賞 ランスから取り寄せになるので納期は2ケ やエッセイスト・クラブ賞を受賞)の名著 月程度(仏語版のみ)。お値段は郵送料込で 「一色一生」や「色を奏でる」に触発され、 2,520円也。 不遜にも自分も顔彩を駆使して「色を奏で 例えば今回の敢在地の中には、ロタロナ シュル・ギロンド、リヨン・ラ・フォレの る」旅にしようと洒落こんだが、結果はや はり実験止まり。これは終生のテーマのよ うな気がする。最初の拠点ボンタヴァンは 四つが入っている。とくにこのリヨン・ 富山県八尾に良く似た水音と坂道とロマン ラ・フォーレはパリから2時間足らず。 の街。スケッチブックの裏には次のような ン、ラ・フロツテ・アン・レ、タルモン・ メモが残っている。−−一 『セーヌの真珠』といわれる景勝地レザ ンドリの隣村。ここの中央、マルクト広場 には大きな瓦葺きの屋根があり、市の立た ない日は、その真ん中にどっかと陣どれ ば、360度全部絵が描ける。雨は大丈夫。 鐘の響きに藤の花散る ル・ボア・ダムール 色を奏でる さすらいや 筆止めて聞く 水の音 心をよぎる その瞳 一日中太陽の光に歩調を合わせて描ける から運動不足になること請け合い。その真 ん前にある築400年の宿屋に泊ったが、日 本流に言えば、徳川時代の前半に建てられ たという文化と情緒あふれる館。 想い出つれて 私はひとり旅 時の過ぎ行くままに…… 確か昨年の東京黒百合会総会では、海外 写生旅行も計画中とのことだったが、「フ ランスの美しい村」については、資料と情 報提供でお役にたてるかも知れない。 さて今回は何か「統一テーマ」で実験 (試行錯誤)をと思っていたところ、最近読 一6−