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永田岳(屋久島)∼ヒル道を行く∼

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永田岳(屋久島)∼ヒル道を行く∼
永田岳(屋久島)∼ヒル道を行く∼
【報 告 者】T 石り
【日
時】8 月 5、6日
【参 加 者】T 石り
【天
候】晴れのち雨
≪コースタイム≫
5 日 8:00 花山登山口∼12:00 花山広場∼15:00 鹿ノ沢小屋
6 日 10:00 鹿ノ沢小屋∼12:00 花山広場∼14:00 花山登山口
≪
報
告
≫
屋久島の花山歩道を通っての永田岳、このコースは屋久島の登山道の中でも、より
自然のままの姿が見られる、屋久島らしさを感じることのできるコースと聞いていま
した。静かな山行ができるコースでもあります。
観光案内所が出しているコース案内では「道が荒れているので上級者向き、単独行
は避けて」と書かれていた。問い合わせた時もそう言われました。が、個人の山行記
録を見るとテープがしっかり付けてあると書いているし、仕事の都合で平日休み、や
はり単独という事になってしまう。分からなくなったら引き返すという事で花山歩道
から永田岳を往復というコースを計画した。
1日目、夜勤が 9:00 に終わる。いったん家に帰り、荷物を持って電車に飛び乗る
電車の中で天気予報を再度、確認、、、!!!台風の影響が予想以上にありそうだ!!
博多駅に着いて船の運行状況を電話で確認。波が高いので条件付きで運行(途中で引
き返す場合あり)と言われる。そんな状況で行っていいものか、楽しめるのか、時刻
の電光掲示板を睨みながら迷う。今回は縦走ではなく、基本樹林帯を歩くコース、雨
が降っても雨の森を味わうのもいいのではないか、連休もそうそう取れるわけでもな
いし、、、迷ったあげく、えいやっと「さくら」に飛び乗った。
初「さくら」だったが、爆睡、
、船乗り場に着くと旅行者がたくさんいる、登山者も!!
ほっとする。船に乗り込み、いざ出航!!やはり波は高い。小型船がどんぶらこ∼ど
んぶらこ∼と海上を行く。波しぶきがガラスを叩く。すごい揺れだし、ほんと引き返
すのではないだろうかと内心ヒヤヒヤする。というか睡眠不足の私はガチでグロッキ
ー(涙)周りを見渡しても皆平然としている、キッズまでも、、後悔の念を抱きつつじ
っと耐える。そうこうしていると、まもなく到着という放送が、、港が見えてきた。や
ったーーある種の達成感が沸き、船乗りの人達に感謝。最初の核心を突破した気分。
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うんうん、曇っているが天気は悪くない。船から降りる、ポタポタ、、??
ザザーーーザーーーーーーーっっっっ!!! 豪雨!!!まれにみるバケツをひっく
り返したような雨。屋根のある通路を通っていても濡れる。こんなギャグみたいな事
ある?!!皆、騒然としている。本気で後悔する。予約していたレンタカーの送迎の
車に飛び乗る。最悪、屋久島観光でもいいやと思い、レンタカーを借りて登山口へ向
かう。最後林道を 30 分程行くが、道がかなりえぐれていて悪い。ジープ型のR―VⅣ
を借りていてよかった。
登山口でテントを張る予定だったが雨、雨、雨だったので車で寝ることにした。夜
中、目が覚めても雨、雨である。やさぐれながら寝る。明日の山行は朝になって決め
よう。二度寝を繰り返し 7 時に目を覚ますと、なんと雨がやみ、光が差している。お
おっ!! 急いで仕度して登り始める。
や∼∼緑が雨に濡れてキレイだ。ニコニコしながら歩みを進める。30分程歩いて
衣服調整の為、10 分程休憩。また歩き始めると??、、手の甲にヒルがっ!!
上の方の鹿の沢小屋付近にヒルがいるとは聞いていて、撃退用の塩も携帯していたが、、
すでに歩き始めからいるとは、、よく見ると足から登ってくるのもいるし、登山靴には
左右の足に 6 匹ほどピチャピチャと動いている。ぎゃ∼∼∼大急ぎで手で弾く。
虫がまぁまぁ大丈夫な私でも、さすがに気持ち悪い!!!
立ち止まってはいけな
い!!
全身いないことを確認して歩き始める。途中何かいる気配を感じて首に手を当てる
とヒルが、、わーーーっ!!はがして捨てる。ふと覗くとお腹にヒルが、、うんぬ∼∼
本当にまいる。ザックで上着の背中部分が上がってくるがそこからもヒルが侵入して
くる。上着を完璧にINにする。顔の周りもタオルで巻く。はぁ∼ほんと一人でよか
った。女子を誘って来ようものなら、かなり申し訳ないと思うだろう。
ヒルが登ってきていないか何度も確認しているが、突如、手の甲にいたりする。
ヒルは下からだけではなく、上からも飛んできているのではないだろうか、とさえ思
えてくる。恐るべし、、平坦なヒルのいなさそうな砂地で足踏みしながら行動食を食べ
る。原生林の中、心静かに佇む、、なんて事を思い描いていたがとんでもない!!
進むか食われるかである!!
それでも場所的なものなのか、途中の花山広場まで行くとヒルの姿は見られなくな
った。ここでようやく気持ちが落ちつく。そしてここから原生林の巨木が見られる。
が、私は巨木がものすごくあり異空間的なものを想像していた。がそこまではなかっ
た気がする。13 年前に行った宮之浦縦走路の方が初めてでインパクトがあったのだろ
う。その時のほうが感動したように思える。自然な屋久島らしい道というのは、メジ
ャールートが木道などで舗装されているのに比べて、自然な道ということなのではな
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いだろうか。道自体はほとんど手を加えられていないが、ピンクテープはしっかり要
所要所にあり、迷う事はなかった。
鹿ノ沢小屋に着くくらいで雨が降り出したので、行動終了。誰もいない、というか
この小さな小屋に他に人がいても気まずい。自由に使わせてもらう。
雨風が強くなる。奇跡的にラジオが聞けた。人の声になんとなくホッとする。台風
情報を聞くと影響はかなりありそうだ。暗い山の中、シュラフにくるまってラジオを
聞く。そこから流れてくるサラブライトマンの歌声。いっそう心に響く。
する事がないのでたっぷり眠った。朝目覚めても、本当に「台風のさなか」という
感じで雨風がすごい。稜線上に出るとかもってのほかだ。カッパなどフル装備しその
まま頂上踏まずに下山する事にした。下山しながら今回、山行を決行した事に後悔し
かけていた時、ふと巨木が目に入る。巨木が雨風を受けながら凛と立っている。その
姿は本当に強く美しい。ありのままを受け入れて生きている。「強くしっかりと生き
ろ」と言われたようだ。そう、思い出した、13 年前に縄文杉に会った時も同じ事を言
われたなぁ∼、、雨が強く降るなか、その木の写真を撮った。
この雨風だから見える風景がある。自然はあらゆる顔を見せてくれる。また大きな
ものをもらった山行だった。
今回の山行で思った事
・やはり樹林帯だけでは物足りない感があった。縦走コースにして稜線を歩きたいと
思った(天候によりますが)
・この時期の花山歩道はヒルがすごい為、二度と行かないと思った。
皆さん(特に女子)気を付けましょう
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