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児童発達支援
平成27 平成 27年度 27 年度 第1回 札幌市児童発達支援研修会(基礎研修) 児童発達支援 -基礎編- 1 札幌市の障がいのある子どもの支援体制(早期発見から発達支援の流れ) 札幌市 の障がいのある子どもの支援体制(早期発見から発達支援の流れ) → 早期発見 相談 → 発達支援(発達支援・家族支援・地域支援) 早期発見 相談・フォロー 相談・ フォロー ○ 乳幼児健診 ・さっぽ・こども広場 ・さっぽ ・こども広場 ・こやぎの広場 ・こやぎの広場 【 児童相談所】 児童相談所】 ・ 4ヶ月, ヶ月,10ヶ月, ヶ月, ヶ月, 1歳6ヶ月, 歳 1歳 ヶ月,3歳 ヶ月, 歳,5歳 ・心理,精神発達相談 ・家庭訪問 【 保健センター】 保健センター】 発達支援(早期療育) ○通所支援 [児童福祉法] ・児童発達支援センター ・児童発達支援センター ・児童発達支援事業所 ・児童発達支援事業所 ・保育所等訪問支援 ・保育所等訪問支援 ・放課後等デイサービス ・放課後等デイサービス 【 各通所支援事業所】 各通所支援事業所】 ○医療受診 【 医療機関】 医療機関】 ○障がい児相談 保育所での支援 特別支援教育体制 ○相談 【 相談支援事業所】 相談支援事業所】 幼稚園での支援 特 別 支 援学校幼稚部での支援 【 児童相談所】 児童相談所】 放課後児童健全育成事業 等 保育所・幼稚園巡回支援,療育支援 保育所・幼稚園巡回支援,療育支援事業 療育支援事業 入所支援[児童福祉法] 相談支援[児童福祉法・総合支援法等] 在宅サービス(ホームヘルプ、ショートステイなど),日中一時支援事業 在宅 サービス(ホームヘルプ、ショートステイなど),日中一時支援事業 補装具・日常生活用具等の給付 ・自立支援医療等 [総合支援法] 自立支援協議会子ども部会[総合支援法] 0歳 2 7歳 18歳 発達支援とは 障 がいの がいの ある子どもや発達に心配 ある子どもや発達に心配のある子どもが、 発達に心配のある子どもが、 主体的に育ち、発達する 主体的 に育ち、発達するために、発達上の課題を理 に育ち、発達するために、発達上の課題を理 解、把握しながら支援すること 発達支援現場では、 発達支援を必要とする子ども 発達支援を必要とする子どもと 子どもと家族(親やきょうだい)に 家族(親やきょうだい)に対して、 対して、 子 育てをベースにして 育て をベースにして、 をベースにして、身近な地域(生活) 身近な地域(生活)で、 生活)で、専門的 で、専門的な支援 専門的な支援(発達 な支援(発達 支援)や 支援) や 相談、 相談、地域作り(地域療育)を推進すること 地域作り(地域療育)を推進すること 支援の3つの柱(要素) → 子ども, 子ども,家族, 家族,地域 への支援 発達支援 家族支援 地域支援 ≪ 発達支援の要素≫ 発達支援の要素≫ ・子育て支援 ・発達支援(発達評価,個別支援計画,実践,モニタリング等) ・家族支援(親相談,メンタルヘルス支援,きょうだい支援等) ・地域支援(システム作り,機関連携等) ・生活支援 ・人権擁護 3 ・情報公開 ・情報 公開 等 遊び(活動)を通した発達支援 ⼼理(⼼理⼠)の⽴場からの発達支援 子どもは、遊びや活動を通して 子どもは、遊びや活動を通して外界からの情報を取り入れ、 遊びや活動を通して外界からの情報を取り入れ、 自分の身の回りのものやできごとについて理解を深めていきま 自分の身の回りのものやできごとについて理解を深めていきま す。その理解の仕方は子どもによって多様ですが、共通してい す。 その理解の仕方は子どもによって多様ですが、共通してい ることは、どの子どもも、頭だけで情報処理しているのではなく、 「うれしい」とか「たのしい」あるいは「やってみたい」といった感情 や動機づける心の動きがあることです。 それらが自分だけの満足でなく、他者とつながる社会性をもつ それらが自分だけの満足でなく、他者とつながる社会性をもつ ように、共感的な働きかけや配慮をすることが重要です。 さらに、この安心 さらに、この安心できる関係性を 安心できる関係性を土台に関わり合う中で、子ど できる関係性を土台に関わり合う中で、子ど もの主体性や自己肯定感が育まれます。 もの主体性や自己肯定感が育まれます。これらの関わりを遊び や自己肯定感が育まれます。これらの関わりを遊び や活動の中で続けることが、心理的な発達支援の大きな役割で 4 す。 遊び(活動)を通した発達支援 『コミュニケーション(ST)の⽴場からの発達支援』 「 ことば」には、3つの側面があります。それは、 ことば」には、3つの側面があります。それは、「話しこと 、3つの側面があります。それは、「話しこと ば」、 ば」 、 「頭の中で考える中身」 頭の中で考える中身 」、「コミュニケーション意欲 「コミュニケーション意欲」 意欲」です。 です。 その中の その 中の「コミュニケーション意欲(伝えたい気持ち)」 中の 「コミュニケーション意欲(伝えたい気持ち)」を豊かに 「コミュニケーション意欲(伝えたい気持ち)」を豊かに するには、 するには、周りの大人が「良い聞き手」なること 周りの大人が「良い聞き手」なることが大切です。 ことが大切です。 「 良い聞き手」とは、子ども 良い聞き手」とは、子どもの行動や表情の 、子どもの行動や表情の一つひとつに の行動や表情の一つひとつに気を配 一つひとつに気を配 り、目を向け、 り、目 を向け、共感 を向け、共感をもって見守り、応じてあげることです。 共感をもって見守り、応じてあげることです。 「ことば」は、何度も味わったり、 「ことば」は、何度も味わったり、触れたり 、何度も味わったり、触れたり、見たり、聞いたり 触れたり、見たり、聞いたりなど、 、見たり、聞いたりなど、 自分の体を 自分 の体を通した体験に、子どもの発達段階に の体を通した体験に、子どもの発達段階に応じた表現 通した体験に、子どもの発達段階に応じた表現(擬 応じた表現(擬 音・擬態語、身振り、絵、話しことばなど)を結びつけて、理解 を結びつけて、理解し、 音・擬態語、身振り、絵、話しことばなど)を結びつけて、理解し、 表出(宇宙語・身振り・有意味語など) 表出 (宇宙語・身振り・有意味語など)出来るようになります (宇宙語・身振り・有意味語など)出来るようになります。 出来るようになります。 ですから、子どもに無理に話させようとするのではなく、日常の ですから、子どもに無理に話させようとするのではなく、日常の 様々な活動を共に体験しながら、場面に合ったことば(物の名前 5 よりも感情を伝えることば)を言ってあげることが大切です。 遊び(活動)を通した発達支援 『運動(OT)の⽴場からの発達支援』 子どもは、周りにあるものに気付き、興味をもって取り込んで、 自分の世界を拡げます。この時、 自分の世界を拡げます。この時、子どもは「姿勢や体を変えて、 。この時、子どもは「姿勢や体を変えて、 動き」、「気付き、感じ」、そして「働きかける」ことを繰り返します。 子どもの中には、姿勢保持や運動が難しい子,不器用な子、 抱っこや触られるのが嫌な子(触覚),特定の音や騒がしいのが 嫌な子(聴覚),偏食が強い子(味覚、触覚),バランスを取るの が苦手な子がいます。この運動や感覚面の処理が上手くいかな が苦手な子がいます。この運動や感覚面の処理が上手くいかな い と、取り込む世界が狭くなり、色々な問題 と、取り込む世界が狭くなり、色々な問題が 、色々な問題が生じてきます。 安定した関係性を土台にし、工夫された環境の中で「遊ぶこと」 安定した 関係性を土台にし、工夫された環境の中で「遊ぶこと」 が大切です。体や五感を使った「遊び」を通して、体の固さを和ら が大切です。体や五感を使った「遊び」を通して、体の固さを和ら げたり、色々な姿勢を取ったり、安心できる状態で無理のない刺 激から徐々 激から徐々に慣れたりすること 徐々に慣れたりすることが、子どもの「意欲」や「自信」を育 に慣れたりすることが、子どもの「意欲」や「自信」を育 6 てることに繋がります。 遊び(活動)を通した発達支援 具体的な遊び(活動)の実践 〈 日課〉 日課 〉 朝の会 見て、分かり易い隊形(弧の形)を組みます。子ども の状態に合わせて、一人で座ったり、大人と一緒に 座る等、楽しい雰囲気を作ります♪ 座る等、楽しい雰囲気を作ります♪ エプロンシアター (はらぺこ あおむし) あおむし) エプロンのポケットから色々なものが エプロンのポケットから色々なものが 飛び出し、やり取りをしたり、音楽を 7 (挨拶→名前呼び 絵本→挨拶) 挨拶) 聴いて、楽しい世界が拡がります! (挨拶 名前呼び→手遊び・ 名前呼び 手遊び・わらべうた 手遊び・わらべうた→絵本 わらべうた 絵本 遊び(活動)を通した発達支援 具体的な遊び(活動)の実践 〈 制作〉 制作 〉 :こいのぼり作り 毎日の体作りは、細かい手先の動きにも繋がます。さら に、大きなこいのぼりを話し合い協力して作ります♫ 完成したものは飾ると、子どもは達成感や喜びを味わい ます!! ます !! 一人で塗れる子は、 楽しそうに色を塗り ます。 「こんな鯉作るよ~」と見本を見せる と、子どもは期待感がいっぱい!! と、子どもは期待感がいっぱい 職員の支えや介助 職員 の支えや介助 で、子どもは自信を 8 もって塗ります♪ 遊び(活動)を通した発達支援 具体的な遊び(活動)の実践 運 動:リズム遊び 音楽に合わせて、いろいろな動物に模して動 き、子どもの体や神経系の発達を促します。 散歩・外遊び 体力作りは、身体 の発達を促し。さら の発達を 促し。さら に、自然の中 に、自然の中での の中 での 活動は五感と体を 活動は五感と体を 刺激します♩♩ 刺激 します♩♩ 毛布ブランコ遊び 毛布やバスタオルで揺れて、 心地良い感触を味わいま す。お母さんは見える所に 立ち最後は抱っこ!! 立ち最後は抱っこ 9 遊び(活動)を通した発達支援 具体的な遊び(活動)の実践 あそび(行事):王様あそび あそび(行事):王様あそび 紙キャッチ(シャボン玉)遊び 意識して、良ーく視る体験。楽しいネ♪ キャッチ 輪を作り、歌に合わせて走り、 最後はリーダーの元へ…。 最後はリーダーの元へ 。 ジャンプ遊び 伸びたり跳んだりして 伸びたり 跳んだりして取るヨ 跳んだりして 取るヨ 10 色々な姿勢を経験します!! 色々な姿勢を経験します 遊び(活動)を通した発達支援 具体的な遊び(活動)の実践:感覚面を重視した遊び ・感覚の処理が上手くいかないと、世界と仲良くするのが大変です ・ 感覚の処理を整えることが発達の土台作りに大切です 遊びを通して、色々な感覚情報を組み合わせましょう 視覚 聴覚 味覚 臭覚 前庭覚 水遊び ローション遊び゙ 山登り 触覚 固有受容覚 泥遊び 布乗り遊び すべり台 ターザンロープ 抱っこ遊び パラシュート遊び リズム遊び ソリ遊び 11 毛布ブランコ遊び 遊び(活動)を通した発達支援 『パニックや他害⾏動の理解と対応』 『 パニック?と思われる時… パニック?と思われる時… 』 『 他害があって困る時… 他害があって困る時…』 ①安全面を考え、危険な物は取り除き ①どうして他害があるのか、その行動 ましょう。または、本人自身を他の場 の要因(きっかけ)と状況を丁寧に把 所に移しましょう。 握、記録しましょう。 ②否定的な声かけはせず、静かに落 ち着くまで、少し離れて見守りましょう。 ②子どもの立場に立って、要因を考え ②子どもの立場に立って、要因を考え ③落ち着いたら、パニックのことには触 、行動の目的(意味)を考えましょう。 れず、気持ちを切り替えるために、他 ③行動の目的が達成できるように、望 の遊びや活動に誘いましょう。 ましい行動を伝え、示し、一緒に体験 しましょう。 【 パニックを少なくするために…】 パニックを少なくするために 】 ・パニックが起こる要因(きっかけ)を考 ④また、他害の要因が他(環境側)に あるならば取り除きましょう。 え、要因を取り除いたり、アプローチ を変えてみましょう! ⑤子どもが他の場面で、頑張って取り ・また、自分の気持ちをコントロールす 組んだ時や上手く振る舞え 組んだ時や上手く振る舞えた時は、た 振る舞えた時は、た る(我慢する)体験を少しずつ重ねる くさん褒めてあげましょう。 12 ことも大切です。 肢体不自由のある子どもへの配慮と対応 肢体不自由のある子どもへの配慮と対応 ☆介助する時の基本 •ゆっくり動く方向に、相手の運動を利用して 勢いや反動をつけない。(おむつ交換や着脱、遊び) •身体をくっつけて一緒に動いて 手のみの力で行わない •筋緊張と力比べしないで 一旦その動きに合わせリラックスする のを待ってから •背中を伸ばして支持点(安定 させるところ)をはっきりと 坐骨部(お尻の骨)に体重をのせる •子どもにもたれない 子どもの肩に介助者の腕の重みや体重をかけない 13 放 課 後 等 デ イ サ ー ビ ス 変化の大きい学齢期の特徴を理解し、 様々な活動を通して、子どもの育ちを保障する場 放課後等デイサービス(学齢期) 児童発達支援(幼児期) ・安心・安全感(信頼感)の獲得 ・やり取りの体験 ・生活スキルの獲得 ・健康な生活の体験 色々な体験 (交流,生産 活動,学習 等) ★教育との連携の必要 - 役割分担★ 家族支援:自立に向けて、子どもを育て支える 家庭(家族)を支援する 地域連携:子どもの困り感を受け止め支える環 境を作り、連携しながら子どもを地 域で支援する 自己肯定感 自尊心 社会スキル 基礎学力 放課後デイ写真 14