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薬物乱用防止対策推進協議会議事録

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薬物乱用防止対策推進協議会議事録
薬物乱用防止対策推進協議会議事録
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開催日時
平成28年8月17日 16時~17時30分
2
開催場所
福岡市役所 1503会議室
3 出席者
4
20名
議事録
発言者
発言内容
(1)平成27年度活動報告及び平成28年度活動計画について
議長
それでは,ただいまから議事に入ります。
まず,
「平成27年度活動報告及び平成28年度活動計画について」
でございます。各機関,団体等における薬物乱用防止対策の現状と今
後の取り組みについて,簡潔にご報告をお願いいたします。
それでは,最初に,福岡県警察本部少年課からお願いいたします。
後ほど「青少年における薬物の使用状況等」についてお話しいただき
ますので,昨年度および今年度の取り組みにつきましては,簡単にご
報告お願いします。
近藤委員
それでは,まず,平成27年度の活動報告でございます。薬物乱用
防止教室を中心として行っておりますが,この教室自体が大幅に増加
しております。回数でいえば+65回,+22,822人を対象とし
て予防教育を実施することができました。そのほか,県警で運用して
おります薬物乱用防止広報車,通称「D・A・P」の使用回数が増加
しており,児童・生徒以外の市民に対する啓発も行っております。翌
年度の改善事項ですけれども,薬物乱用防止教室は今まで小・中・高
校生を対象として行っておりました。後程,年齢構成についても説明
する予定としておりますが,薬物乱用の実質的な危険がより身近な中
学・高校生を対象に力を入れて,非行防止・再犯防止対策と合わせて
実施していく予定としております。
続いて,28年度活動計画ですが,これまでと引き続き,全体の目
標としては,薬物の乱用防止教育,それと,防止気運醸成のための広
報啓発,それと検挙補導活動,併せて再乱用防止支援活動,これは立
ち直り支援のことですが,行っていくこととしております。
議長
ありがとうございました。続きまして,福岡県警察本部薬物銃器対
策課からお願いします。後ほど「最近の薬物乱用の情勢等」につきま
して,お話しいただきますので,取り組みにつきましては,特に強化
した点などあれば簡単にご報告をお願いします。
西川委員
平成27年度の取り組みでございます。最近問題になっておりまし
た危険ドラッグにつきましては,25年年末に,県内のいわゆる店舗
型といわれる危険ドラッグ販売店舗は壊滅し,その後,いわゆるデリ
バリー型といわれる注文をうけて配達する業者につきましても,昨年
1
中に目に見える形では解決したということでございます。その結果,
被疑者が,これは販売する側と自分で使った側両方ですけれども,9
6名になるということです。危険ドラッグにつきましては,ご存じの
とおり現在かなり小康化といいますか,少なくはなってきております。
ただ一方で,依然危険ドラッグらしきものを持っている人間の職務質
問もまだありますので,入手経路の解明を進めているところでありま
す。薬物乱用防止につきましては,西南大学をはじめ,各大学に危険
ドラッグを中心とした薬物乱用防止の防犯教室といったものを実施し
ております。
来年度でございますけれども,先ほど説明したとおり,危険ドラッ
グにつきましては需要対策,これは使う側ですけれども,それから供
給対策に力を入れていきます。依然として街頭では使用している人間
がいるということなので,入手経路の解明に力をいれていきたいと思
います。
議長
ありがとうございました。続きまして,福岡市薬剤師会のご報告を
お願いいたします。特に力を入れた点などについて簡単にご説明お願
いします。
井上委員
薬剤師会におきましては,昨年度は第6回 NO DRUG,KNOW
DRUG キャンペーンを福岡市,エフエム福岡,薬剤師会の3者で7月
1日から9月6日まで2か月あまりで開催しました。9月6日にはイ
ムズプラザでイベントを開催しております。2400名ほどの来場者
がお見えになりまして,盛況に行われました。また,福岡県違法薬物
夜回り隊にも参加しております。また,全校に配置されている学校薬
剤師が児童・生徒に対してくすりの正しい使い方を啓発しております。
薬物乱用者が低年齢化しているという話もありますので,そういうと
ころから活動を広げていきたいと考えております。
今年度につきましては,現在,7月1日から8月31日まで NO
DRUG,KNOW DRUG キャンペーンを実施しております。8月21日
にソラリアゼファーにてイベントを行う予定としております。県警や
福岡大学,西南学院大学,第一薬科大学も含め様々な機関と協力しま
して,学生・児童・生徒に対しまして,薬物に手を出さないというこ
とを訴えております。今後も継続して活動を行っていきたいと思いま
す。
議長
ありがとうございました。続きまして,福岡市保護司会からお願い
します。
廣田委員
手元資料で9ページから12ページになります。保護観察所の方で
資料を作成しておりまして,そのなかで保護司関連部分を説明したい
と思います。保護司は7区に合計500名ほどおりまして,各区で活
動しております。年間を通じて薬物乱用防止街頭啓発活動をやってお
りまして,昨年は7月に九州大学,それから8月に天神で地域広報活
2
動をやっております。保護司会として一番メインなのは6~9月にか
けての社会を明るくする運動ですが,犯罪のない明るいまちづくりを
めざしミニ集会とも合わせ,薬物乱用防止啓発活動を行っております。
また,福岡県の薬物乱用防止の研修会等にも参加しております。
28年度につきましては27年度と同様啓発活動をおこなっていき
ます。7月15日には南区の大橋駅にて街頭啓発活動を行いました。
また6月24日には中村学園大学にて街頭啓発活動を行いました。社
会を明るくする運動も27年度と同様,各区にてミニ集会・講演会等
をおこない,終了後にチラシ等を配布するなどして啓発活動をおこな
いました。今年度の新規取組として,年2回の薬物専門保護司向け研
修を行います。薬物専門保護司というのは今年度から各区約2名ずつ
配置としております。刑の一部執行猶予制度が始まりましたので,そ
ういったことにも対応できるよう,研修をおこないます。
議長
ありがとうございました。続いて,福岡市の取り組みの状況を事務
局からお願いします。
事務局
福岡市の取組みをご報告いたします。福岡市では関係する各局,各
区役所でそれぞれ薬物乱用防止のための取り組みを行っております。
市の活動内容につきましては,お手元の資料の13ページから36ペ
ージに掲載しております。
まず,13ページと14ページはこども未来局青少年健全育成課の
取組みです。成人の日の記念行事で,危険ドラッグ乱用防止DVDの
上映を行っており,28年度も継続して実施することとしております。
15ページをお開きください。同じくこども未来局のこども総合相
談センターの取り組みです。電話や面接により,子供やその家族に対
し,臨床心理士,保健師などによる相談業務を行っております。28
年度も関連機関との連携を図りながら対応してまいります。
次に,17ページから24ページになります。各区役所の企画振興
課等の取組みです。各区青少年育成連絡会や保護司会,警察署等と連
携し,各区で工夫し様々な取組みを行っております。主なものとしま
しては,少年愛護パトロール員研修会での講話,子どもや若者が集ま
るイベントでの啓発活動などを実施しております。28年度もほぼ同
様の内容を実施することとしております。
25ページをお開きください。教育委員会生徒指導課の取組みです。
昨年度は5月から3月にかけ薬物乱用防止教育を小・中・高校生を対
象として全校で実施しました。教職員に対する指導者研修等も実施し
ており,教職員の薬物乱用防止に関する意識の向上にも努めておりま
す。28年度もほぼ同様の内容を実施することとしております。
27ページをお開きください。市民局生活安全課の取り組みです。
学生向けに違法薬物乱用防止に関する出前講座を実施し,若者への啓
発を行っております。28年度も継続して実施することとしておりま
す。
29ページをお開きください。各区の保健福祉センターの取組みで
3
す。薬物に関する相談に随時対応しているほか,教育委員会と連携し
て喫煙防止教室や薬物乱用防止教室を実施しております。28年度も
ほぼ同様の内容を実施することとしております。
31ページをお開きください。福岡市精神保健福祉センターの取組
みです。依存症治療や再乱用防止に重点をおき,薬物依存症回復プロ
グラムや依存症相談のほか,新たにリーフレットを作成するなど,啓
発や広報にも力を入れております。28年度もほぼ同様の内容を実施
することとしております。
35ページをお開きください。最後になりますが,保健福祉局地域
医療課の取組みです。全ての大学,専修学校の新入生へのリーフレッ
ト配布や大学構内での啓発資材配布などを行うとともに,先程,薬剤
師会さんからのご報告にもありましたとおり,7月1日からの2か月
間,NO DRUG,KNOW DRUG キャンペーンを実施いたしました。2
8年度につきましては,引き続き,昨年と同様の啓発活動を実施する
ほか,新たな啓発資材を検討するなど,効果的な啓発を目指していき
ます。
議長
ありがとうございました。各団体のご報告が終わりました。
報告資料にはございませんが,薬物乱用に対する積極的な取り組み
を実施している西南学院大学さんの大学内での状況,啓発活動等につ
きまして,西南学院大学より,お話しいただきたいと思います。
平山委員
本学ではまず,入学式後のガイダンスの際に,新入生を対象とした
薬物乱用防止の啓発ガイダンスを行っております。また,前期・後期
にチラシを配布するなどの1週間単位のキャンペーンを展開しており
ます。また,福岡県警・福岡市の協力をいただきながら薬物乱用防止
啓発をおこなったり,保健管理室と連携して学生への指導啓発をおこ
なっております。
議長
それでは,ご意見,ご質問があればお願いします。
井上委員
薬剤師会です。現在,NO DRUG,KNOW DRUG キャンペーンを実
施しております。名刺サイズのチラシを作成しまして,表面がキャン
ペーンポスター,裏面に FUKUOKA NEXT のロゴが入っております。
一般の方々に,
「NO」と「KNOW」
,
「ダメ」と「知る」というところ
を啓発していきたい。「NO」大麻は,一回でも乱用。「知る」くすり
が,リスク。薬というのは,用法・用量があります。覚せい剤・大麻
に限らず,普段から身近な薬もきちんとした使用法を守ることが薬物
乱用防止の基本になります。今会場でも配布しておりますが,薬剤師
会の会員薬局にも配布しまして,広く啓発できたらと思っております。
もしご希望でしたら薬剤師会に在庫がございますのでお声掛けくださ
い。
4
(2)青少年による薬物使用状況及び最近の薬物乱用の情勢について(福岡県警)
議長
それでは,次の議事に入ります。議事2は「青少年による薬物使用
状況及び最近の薬物乱用の情勢について」であります。
スポーツ選手や芸能人による覚せい剤の使用や高校生の大麻所持な
ど薬物をめぐる報道は後を絶ちません。福岡県警のお二人からは,福
岡県における薬物乱用の状況についてご報告いただきたいと思いま
す。まずは,少年課,続けて薬物銃器対策課からご報告お願いいたし
ます。
近藤委員
配布資料がございます。
「薬物乱用少年の検挙状況」この1枚と,合
わせまして,今回の会議の中で配布されております「27年度活動報
告」と並行して説明させていただきます。といいますのが,
「27年度
活動報告」の一番下に福岡市内の検挙人数を入れておりますので,こ
れを両方見ながら説明させていただきます。
まず,全県下の覚醒剤乱用少年の過去5年間の数値を出しておりま
す。平成27年,覚せい剤取締法違反で検挙された少年は合計10人
です。前年比+1名。特徴としましては,うち7人が女子で,全体の
7割をしめております。過去5年間をさかのぼってみますと,概ね1
0~20人,一進一退を繰り返している,横ばいの状態です。去年に
限らず過去5年間,他の薬物に比べ女子の割合が高いのが特徴です。
27年の10人の検挙者のうち,福岡市は4人です。
続いて大麻乱用少年です。全県下の検挙者数は平成27年に10人,
前年比+7人です。10人のうち福岡市は7人となっております。+
7人,増加傾向の理由は明確ではありません。グラフの中にも入れて
いますが,有職少年と無職少年からなる一般少年が多く,大麻は年齢
が高いのが特徴です。また,昨年,京都で小学生が大麻を吸引したニ
ュースがありました。本県においては,13歳の中学生を大麻で触法
少年として通告をしております。1名のみが通告されておりますが,
年齢別でみると13歳はこの大麻の一件のみです。このほかは17・
18・19歳となっております。大麻はほかの薬物に比べ一般的にハ
ードルが低いと言われ,加えて海外では合法となっている国もあると
聞いております。そういった要因も一つにはあるのではないかと考え
ております。
続いてシンナー乱用少年です。平成27年にシンナーで検挙された
少年は1名,これは福岡市の1名です。過去5年間,さらに10数年
遡りますと,平成15年のピーク時には検挙者数が814名でした。
ここ数年,特に26・27年は1名ずつの検挙ということで,激減し
ております。非行少年のなかでも,シンナーだけには絶対に手をだす
なと,シンナーする奴は仲間に入れないとかいうような話になってい
るようです。これは行政・教育機関・警察等の薬物乱用防止教室等が
少年たちに浸透しているということかと思います。
続いて指定薬物です。平成27年に指定薬物で検挙されたのは県下
で5名,うち福岡市は2名です。所持・使用・購入・譲受とあります
5
が,5名とも所持で検挙されております。
年齢別の資料を最後につけています。覚醒剤・大麻・シンナー・指
定薬物の薬物全体の合計について,18歳と19歳で全体の約8割を
占めております。先ほどもお話ししましたが,薬物全体を通して,非
行少年のなかでも薬物に手を出してはいけない,手を出す奴は仲間に
入れない,という認識が広まっているようです。とはいうものの,ゼ
ロではありません。薬物に手を出す少年は,かなり非行が進んでいる
状態だと言えると思います。非行の背景には,家庭や交流関係,居場
所がないので孤独を紛らわすためにこういった薬物に手を出している
という状況があるのではないかと思います。行政や教育機関や警察も
それぞれ様々な活動を行っておりますが,こういった薬物に手を出す
状況となる前に,社会全体で立ち直り支援を行うことが重要であるの
ではないかと考えております。
年齢別にみると,全体的に低年齢化という話もありましたが,13・
14・15・16・17歳くらいまではぽつぽつといった感じで,低
年齢化が進んでいるということは,平成27年の検挙状況では見受け
られないかと思います。やはり,中学校・高校くらいから興味を持ち
始める,そういったところに県警も今までも薬物乱用防止教室をやっ
ておりましたが,再非行も含めて中学校,高校を重点的に薬物乱用防
止教室をやっていこうかと考えております。ただし,小学生向けに行
わないということではありません。小学生に対しては従前の非行防止
教室を行っております。そのなかで薬物の悪性についても広報啓発し
ていくこととしております。
西川委員
薬物銃器対策課の西川と申します。配布資料をお配りしております
が,確定していない箇所もございますので後程回収させていただきま
す。申し訳ありませんがご協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは,一つ目に薬物全体の状況,二つ目に今回初めて分析して
みました年齢構成,三つ目に暴力団との関連をお話しさせていただき
ます。
まずは薬物事犯の検挙人数です。見ていただければわかる通り,危
険ドラッグが非常に流行しましたが,やはり薬物の乱用の中心は覚醒
剤ということで,割合は若干減ってきてはおりますが,覚醒剤が約8
0%で一番多くなっております。先ほどもお話がありましたが,女性
の比率が高く,約25%です。危険ドラッグ,つまり指定薬物につい
ては,9%となっております。54人ということで増えてはおります
が,今年に入って激減しております。一方で,昨年来から増えている
のが大麻です。なぜこういったことになるかというと,危険ドラッグ
が減ったというのは明らかで,皆様の数年の活動の成果だと思います。
報道や啓発により,危険ドラッグが本当に危険なんだということがわ
かったのだと思います。
大麻については,先ほど申し上げたとおり,一時期非常に流行って
ここ数年は減っておりましたが,また盛り返しております。危険ドラ
ッグから大麻へ,というのも要因の一つとは考えられますが,全国的
6
に結論はでておりません。大麻は日本では非常に規制が厳しいのです
が,世界的に見ると一部地域では合法となる場合もあります。また使
い方も煙草に近く,これは危険ドラッグも同じなのですが,ハードル
が低いと,好奇心で安易に入りやすいということで大麻が増加したと
いうことがあるのではないかと個人的には思います。
しかしながら,薬物については再犯率が65%を越えております。
これは,一度使ったら,100人捕まえたら65人また捕まるという
ことです。なおこれは捕まった人数なので,使った人数ではありませ
ん。警察が取り扱うほかの犯罪のなかでも,この再犯率はトップだと
思います。それだけ再犯率が高いということは,一度使うとなかなか
やめられないということで,これが薬物の非常に恐ろしいところであ
り,啓発の必要があると思います。これに関しては NO DRUG,KNOW
DRUG などの活動で,薬の正しい知識,医療に使う医薬品の正しい使
い方や薬物の恐ろしさを啓発していくことが重要であると思います。
続きまして,真ん中にあります検挙人数です。平成27年,5年ぶ
りに1000人を越えました。これは,末端乱用者という言い方をし
ますけれども,やはり薬物を求めている人がまだ多いということかと
思います。捜査に力を入れたということもございますが,力を入れて
これだけ検挙されるということは,底辺で薬に手を出す人が多いとい
うことかと思います。
二つ目に年齢構成です。これは今回初めて試みたものですが,これ
は皆様の認識と若干異なるかもしれません。先ほど,青少年に対する
薬物乱用対策を強化するというお話もありましたが,棒グラフを見る
と,10代・20代の面積が減っており,実は青少年の乱用が少なく
なっていることがわかります。一方で,50代・60代が増えている
こともわかります。30代・40代については横ばいのようです。こ
こから客観的に何が読み取れるかというと,実は最近乱用が増えてい
るのは50代以上の働き世代,第二次・第三次薬物乱用期に使用して
いた人たちが,やめきれていないということではないかと考えられま
す。一方で子供たちはどうかというと,これだけ薬物が危険だという
啓発活動をしておりますので,それが浸透しているのではないかと。
手を出さない子は出さないということで,こういった啓発活動はやは
り重要であると思います。なお,この分析はあくまでも福岡県内のも
ので,全国的にこういう傾向があると発表できるものではありません。
青少年が手を出さないようにするというのは我々の重要な使命です
が,一方で,働き盛りの40~50代の第一線で活躍している人であ
っても,何かのきっかけで薬物に手を出してしまう危険性は十分にあ
るということを改めて発信していかなければいけないと思います。
三つ目に暴力団との関連です。薬物は素人が手を出せるものではあ
りません。薬物事犯全体が1000人超,これは売る方・買う方いま
すけれども,このなかで暴力団関連事犯667人,約7割が暴力団員
や周辺者です。薬物というのは捕まるというリスクが非常に高いです
が,暴力団の一番簡単な資金源となっているという現状です。
最後に危険ドラッグです。供給側について力を入れて検挙しました
7
ので,目に見えて大きな密売や事件・事故は発生しておりません。し
かし,やはりちらほら使っているものは上がってまいりますので,こ
ういった活動は続けていかなければなりません。何度も言いますが,
あれだけ多かった,全国でぶっちぎりのワーストだったシンナーを,
年に1件あるかないかにまで減らした。なぜここまで減らせたのかと
いうと,県警でありません。皆様がシンナーの流通経路や保管管理等
を徹底いただいたおかげで,子供たちが手に入れられなくなったんで
すね。危険ドラッグも同じように,福岡県はやれるということで5年
前からずっと言っておりましたけれども,そのとおり,皆様の活動の
おかげでここまで縮小しております。ここで手をゆるめることなく,
危険ドラッグについても,皆様の手をお借りして0に近づけていけた
らと思います。
議長
近藤様,西川様ご報告ありがとうございました。危険ドラッグにつ
いては,啓発や取り締まりの強化で終息に向かいつつあるが,それに
代わり大麻の使用に回帰しているとのお話でした。
それでは,ご質問等ございませんでしょうか。
藤原委員
よろしいでしょうか。精神科のいわゆる措置入院,この措置入院を
させるときに,私も関わることがあるのですが,判断が非常に難しい
と感じております。このあいだの相模原の事件にしても,措置入院を
してもどうせ出れるという,認識もあるようで,再犯にもつながって
いる。そういうところが,今から利用されるんではないかと思うので
すが,いかがでしょうか。
西川委員
先生方がおられるところで恐縮ですが。私も過去,措置入院に関わ
ったことがあります。薬物に限らず精神保健でいうと,私が取り扱っ
たなかで印象に残っているのは,自宅に火をつけたケースです。その
ときに,その方の言動で,ほかの家にも火をつけたということなので,
措置入院になりました。措置入院になるかどうかというのは精神科の
先生のご判断です。警察としてはやはり,この方が本人の意思に依る
か否かは別として,このままの状態だと自身や第三者の危害につなが
るかどうかという意見はお話しさせていただきますけれども,入院が
必要かという知識は警察官にはないので,人権の問題もあり,難しい
ところです。
藤原委員
犯罪をしないだろうという判断というのはやはり精神科としても難
しいみたいですね。この間の事件でも,結局ヘイトクライムという結
果になってしまっている。
今任委員
措置入院の判断が正しかったのかということは困難だと思います。
1日くらいならともかく,先のことを正確に予測するというのは不可
能です。このままだと何らかの事態を起こすだろうというときには措
置入院を課すこともありますが。私の方でも年に10件くらい措置入
8
院に関わることはありますが,該当しないという判断は10件中1件
くらいですね。診断をきちっとつけましょうということで,措置入院
ということが多いです。
藤原委員
そういったときには間に保護司さんとかの介入はあるのですか。
今任委員
保護司さんは関係ないですね,保健所と,医師と,警察です。
西川委員
なかなかやはり難しいですね。最初に現場に行ったときには興奮状
態ですし,平常時もあるのかもしれませんが,波もあるでしょうし。
本当に難しい。
今任委員
波があっても,診断をするためにしばらく入院とかいう場合もあり
ますね。
西川委員
ああ,なるほどですね。
議長
貴重なご質問ありがとうございます。ほかにご質問はございません
か。
(特になし)
(3)薬物乱用を考える(第一薬科大学)
(4)その他
議長
最後に,
「その他」でございますが 各団体からお知らせや連絡事項
などございませんでしょうか。また,全体を通して,ご意見などござ
いませんでしょうか。
(特になし)
議長
以上をもちまして,議事を終了させていただきます。本日の協議内
容を皆様の団体にお持ち帰りいただき,より一層の薬物乱用防止活動
に繋げていただきたいと思います。皆様,ご協力ありがとうございま
した。
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