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議事録(PDF 346KB)

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議事録(PDF 346KB)
平成24年度第2回隅田川ルネサンス推進協議会
平成25年2月12日
【事務局】
それでは、まだ来られていない方もいらっしゃいますが、定刻になりまし
たので、ただいまから第2回隅田川ルネサンス推進協議会を始めさせていただきます。
本日は、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。当協議会の事務局
を務めさせていただきます、東京都知事本局の高石と申します。どうぞよろしくお願いい
たします。
本日の会議は公開とさせていただきます。カメラの撮影については、専門委員会の検討
状況についての冒頭説明までとさせていただきますので、あらかじめご了承ください。
また、席上のマイクは、装置の一番下にあるボタンを押すとマイクの電源が入ります。
ご発言をされる際はボタンを押してからご発言いただきまして、発言が終わりましたら再
度ボタンを押して電源を切っていただきますようお願いいたします。
続きまして、委員の出欠についてご報告いたします。
本日は前回同様、専門委員の皆様にもご出席いただいております。専門委員の皆様には、
この後行われる意見交換にもご参加いただければと存じます。また、本日は、古屋委員、
黒田委員、田所委員、浅沼委員、並木委員、関委員につきましては所用によりご欠席のた
め、代理の方にご出席をいただいております。また、小山専門委員、米山専門委員からは
ご欠席とのご連絡をいただいております。なお、竹内副会長におかれましては、40分ほ
どおくれるとのご連絡をいただいております。
なお、本日は、専門委員会におけるあかりを活用した夜間景観のイメージアップの検討
にご協力いただいております、株式会社 ライティング プランナーズ アソシエーツから、
取締役の田中謙太郎様にもご出席をいただき、議論にご参加いただきます。ライティング
プランナーズ アソシエーツは、東京駅の照明も手掛けられるなど、照明デザインでさまざ
まな功績を残されております。本日はよろしくお願いいたします。
続きまして、配付資料についてご確認させていただきます。
クリップどめでとめてある資料でございますが、資料1といたしまして、「隅田川ルネサ
ンス推進協議会専門委員会の検討状況について」というA3の一枚紙がございます。それ
から資料2といたしまして、「水辺景観など川を軸としたまちづくりについて」ということ
-1-
で、中野専門委員からご提出いただきました資料を配付させていただいております。それ
から資料3といたしまして、あかりを活用した夜間景観のイメージアップ、「隅田川におけ
る『あかり』の将来イメージについて」ということで、こちらはA3で4枚の資料をつけ
させていただいております。それから資料3の参考といたしまして、「専門委員会による夜
の隅田川水上視察の報告について」という資料をつけさせていただいております。それか
ら資料4といたしまして、「メディア戦略に関する取組の進捗状況」ということで、A4横
2枚の紙をつけさせていただいておりまして、参考といたしまして、「ロゴマーク公募のテ
レビ番組放映について」
、それから1月17日の毎日新聞東京版の記事の抜粋をつけており
ます。それから資料5といたしまして、「平成25年度の主な取組について」ということで
A3一枚紙をつけておりまして、その参考といたしまして、
「隅田川夕日見∼藝大みこし汐
入パレード∼」実施状況、東京都生活文化局の資料をつけております。参考2としまして、
まち歩き「船めぐりコース」の概要、中央区観光協会さんの資料をつけております。それ
から参考3といたしまして、東京都公園協会さんから提出していただきました、イベント
情報のご案内等の資料をつけております。
それから、クリップどめには入っておりませんが、追加といたしまして、墨田区観光協
会さんからご提出いただきました「墨田区観光まる得ブック」という冊子、それからイベ
ント関係のチラシの3枚をご提出いただいております。また、深川観光協会さんから、「お
江戸深川さくらまつり」のA3で1枚のチラシを添付しております。
それから、クリップどめの最後でございますが、参考資料1として、「2020年の東京」
へのアクションプログラム2013の抜粋、それから参考2といたしまして「2020年
の東京」抜粋の一枚紙を配付させていただいております。
配付資料は以上でございます。もし資料の不足等がございましたら、事務局にお申し出
いただければと思います。よろしいでしょうか。
それでは、以下の議事の進行につきましては宮田会長にお願いいたします。
【宮田会長】
ありがとうございました。皆様、お忙しいところご参加いただきました
ことを感謝申し上げます。
それでは、時間の都合もありますので、専門委員の先生方に検討状況を、まず陣内先生
にお願いしてよろしいでしょうか。
【陣内専門委員長】
はい。それでは、専門委員会における検討状況を簡単にご説明申
し上げます。
-2-
まず、資料1をご覧ください。9月10日に第1回の隅田川ルネサンス推進協議会が開
かれ、その中で、隅田川ルネサンスの取組の方向性についてテーマが設定されたわけです。
3つございました。川めぐりを楽しむための船上のサービスの充実。隅田川沿いのにぎわ
い創出に向けた飲食店の多様な展開。それから、これが非常に重要なのですが、3番目は、
あかりを活用した夜間景観のイメージアップ。
そして、大きな柱の一つ、メディア戦略の推進としては、1つ目がPR活動の展開でロ
ゴマークの活用、これも非常に重要なテーマになっています。それからホームページの充
実と。
それを受けまして、11月13日に、平成24年第1回の専門委員会が開かれました。
そこで、LPA、ライティング プランナーズ アソシエーツの面出代表、この面出さんは、
もう皆さんご存じだと思いますが、東京駅の新しい照明も含めて、大変、都市照明で大活
躍されていますが、この面出さんより、他地域の今までの経験を踏まえたあかりの取組事
例についてプレゼンテーションしていただきました。そして、同時にメディア戦略の進め
方についても審議をいたしました。
あかりに関して、委員の方々からはいろいろなご意見が出まして、まずはパイロット事
業を実施して、課題や状況を把握することが重要ではないかと。それで、実際に隅田川の
夜を視察しようということにもなりました。まあ、試行錯誤しながら柔軟にケースバイケ
ースで試行して、いいものを採用していこうという。
それから、西欧の都市のまねというわけではなくて、やはり日本らしく、隅田川らしく、
陰影を大事にしながら、歴史的な文化を考慮に入れた照明がいいのではないかというご意
見がありました。
それから、メディア戦略に関しては、小山委員から――小山委員はテレビのBSフジで
「小山薫堂
東京会議」という大変人気番組を担当していらっしゃって、そういうマスメ
ディアとの連携によるロゴマーク作成に関する発信をしていこうということになりました。
ロゴマークを募集して決めていくプロセス自体、皆さんに関心を持ってもらう。それで、
ダイナミックな運動として、この隅田川のルネサンスを展開していこうということになり
ました。審査風景も、番組を通じてオープンにして、関心を高める。そういう開かれた議
論をすることによって、隅田川ルネサンス自体の考え方が洗練されていくという期待を込
めたいというご意見が出ました。
それで、水上バスによる夜の隅田川視察というものも12月12日に実現し、多くの専
-3-
門委員の方々にも加わっていただいて、結局、関係者46名という、すごい数の大視察ツ
アーが実施され、屋根の上に登って、寒かったのですが、夜の景観、まだまだ改善の余地
がいっぱいあるわけですが、それでもダイナミックな夜景を満喫しながら議論いたしまし
た。
それからロゴマークの案も公募が始まり、その過程で、既に小山委員の番組で放映、宣
伝していただいているということです。また、今の段階での応募総数というのは、事務局
からご紹介が、あると思います。
その間に、東京都の「2020年の東京」へのアクションプログラム2013を公表し、
その中で、隅田川ルネサンスの展開の位置づけもなされました。
その次の、つい先日ですが2月6日に、第2回目の専門委員会が開かれて、中野委員か
ら――中野委員も、世界のこういう水辺再生の状況を本当にたくさん視察されて、随分前
からその動きを詳しくご存じなのと、ご自身も門司港のウォーターフロントのエリアの再
生の都市デザインを長く担当されるなど、非常に精通していらっしゃるのですが、そうい
うご経験を、水辺景観など川を軸としたまちづくりということでプレゼンテーションして
いただきました。それと、LPAの面出代表より、隅田川におけるあかりの将来イメージ
について、具体的に作業していただいた内容のすばらしいプレゼンテーションをいただき
まして、隅田川がこんなに魅力的になるのだという、本当に大きな夢を与えていただきま
した。
中野委員とLPAのご説明については、要約した形で、再度この後に中野委員と、LP
Aから今日いらしている田中様にお願いしますが、委員会で出された意見をこの場でちょ
っとご紹介しておきますと、どこかあかり、それからカフェ――カフェというのは、今、
台東区がオープンカフェをつくろうということで、まさに実現に向けて歩んでいるところ
です。そのカフェと、それから舟運、これはいろいろな試みが既になされつつあると。こ
ういうものを複合したいい取組を、具体的な場所、雰囲気のいい場所を選んで、試験的に
やってみるのがいいのではないかというご意見が出ました。
それから、世界でもいろいろな水辺再生の努力、まさに都市を魅力的にする一番の切り
札、一番の象徴軸として水辺が生かされているという事例が多いということです。隅田川
にもぜひそういう考え方で積極的に、しかも、隅田川も長いので、場所ごとに検討してい
く。竹内先生がいつもおっしゃる「大通りと横丁」
、世界でもやはり大きな川と小さい運河、
いろいろ工夫している。それからどこも、船がやはりいっぱい使われているのです。そう
-4-
いうものを我々も考える必要があるということのご意見が出ました。
あかりに関してはまた後でご説明がいただけますが、川そのものを照らすということも
あるのですが、むしろ両岸を場所に応じた趣向で照らす。それで川の輪郭をつくるのがい
いのではないかという。10年かければ、じっくり育めば、本当にすてきなエリアができ
るはずである。ロンドンオリンピック開催中は、テムズ川が夜までにぎわっていて、夜景
を楽しんでいたということの紹介がありました。オリンピックの東京の招致が決まればも
のすごい追い風になるでしょうし、その場合は開催までの7年間で、相当、水の都市がよ
みがえるだろうと。
ともかく、試験的に実施して、隅田川がこう変わるという、特に照明は効果的ですので、
そういうことからやっていきたいという強いご意見が出ました。
水辺には人を集める力があるわけです。世界中がそこに気がついて、知恵を絞って今、
投資しているわけです。効果を上げているわけです。東京は大分よくなってきたのですが、
まだまだで、もっと本腰を入れてやっていくべきであるという意見が出ました。
メディア戦略の進捗に関して、委員会では、ロゴマークについては市民の参加のプロセ
スができ上がって、みんなで一緒につくるという仕組みができてきた。大変いい動きだろ
うということで、ホームページ作成についても、いろいろな意見、実績、そういうものを、
NPOへのインタビューなども含めてどんどんそのホームページ上に紹介し、さまざまな
人を巻き込んで、一緒に展開をしていくような方向が望ましいと。
それから、大阪と比べると、東京はまだまだ民間の企業、民間の方々の参加が少ないの
です。そういうところにどんどん入ってきていただく上でも、メディア戦略が非常に重要
であろうというご意見がありました。
それでは、水辺景観など川を軸としたまちづくり、それから隅田川におけるあかりの将
来イメージについては、それぞれ中野委員、田中様から資料を提出していただいています
ので、それぞれ本人から内容を簡単に説明していただきたいと思いますが、その前に、取
組について、事務局にまずは説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【事務局】
それでは、中野委員、それからLPAの田中様のご説明の前に、まず、そ
の他の取組につきまして事務局からご説明をさせていただきますが、その前に、カメラの
撮影につきましてはここまでにさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
お手元の資料4をごらんいただければと思います。
まず、メディア戦略に関する取組の進捗状況でございますが、ロゴマークにつきまして
-5-
は、12月14日から公募を実施してございます。当初は1月31日までの予定でありま
したが、より多く、試験や卒業制作の後の学生の方にもご応募いただきたいということで、
募集期間を2月28日まで延長いたしまして、現在も募集しているところでございます。
なお、応募状況につきましては、東京都ではなくテレビ局のほうに応募作品が届くこと
になっておりますが、先週末の段階では、現在17件と聞いておりますが、今後より多く
の応募が来ることを期待してございます。
それから、テレビ番組「小山薫堂
東京会議」と連携いたしまして、同番組において、
今後の告知と合わせて、隅田川ルネサンスの紹介企画を放映するということを予定してお
ります。
公募の状況といたしまして、記者発表として、14日に東京都から公募の記者発表をい
たしました。それから、都庁ツイッター、知事本局ツイッターでも公募の告知を掲載して
おります。それからテレビ放映といたしまして、BSフジ「小山薫堂
東京会議」におい
てテレビ放映、それから同番組ホームページでも公募の告知を掲載しております。その他
といたしまして、美術系大学等に公募のチラシをお送りしまして、周知等を依頼しており
ます。
今後の予定といたしましては、一次選考及び最終選考、こちらは応募者のプレゼンテー
ションなどを含むことを予定しておりまして、これらを経て、3月中に最優秀作品を決定
しまして、来年度以降、各種イベントにおいて活用しまして、隅田川ルネサンスのPRと
ブランド力の向上を図る予定としております。
2枚目でございますが、ホームページにつきましては、12月にホームページ制作の委
託業者を選定いたしまして、現在、新しいホームページの構成等について検討していると
ころでございます。この新しいホームページにおきましては、デザインの更新などとあわ
せまして、隅田川のにぎわい創出のための取組事例を紹介するために、民間の活動団体に
対する取材を実施しております。取材しております民間の活動団体につきましては、各区
さんからもご紹介をいただきまして4団体を選定いたしまして、NPO法人「水都東京を
創る会」、NPO法人「江東区の水辺に親しむ会」、「江戸流し雛振興会」、「和船友の会」、
これらの団体につきまして、現在、委託業者と東京都で取材をしまして、そのインタビュ
ーの内容や写真といったものを新しいホームページに掲載する予定としております。
今後の予定といたしましては、ロゴマークの決定に合わせまして、画面デザインの更新
等について検討いたしまして、3月末までにリニューアル作業を終えて、一般公開を開始
-6-
する予定となっております。
続きまして参考1でございますが、先ほどご説明しましたロゴマークのテレビ放映につ
きまして、内容について簡単にご紹介いたします。
小山専門委員にご協力をいただきまして、BSフジ「小山薫堂
東京会議」という番組
で、昨年12月15日、それから再放送で12月22日に、2回、放送をいただいており
ます。30分番組ですが、この回は全てこのロゴマーク関係の企画で放送していただきま
して、内容といたしましては、墨田区役所さんにご協力をいただきまして、屋上から隅田
川を見渡せる場所でオープニングの撮影を行いました。それから、隅田川沿川の向島周辺
のまち歩き、それから最後は江戸東京博物館において、こちらは竹内副会長にもご出演い
ただきまして、隅田川の魅力やロゴマークについての出演者のトークを行っております。
出演者といたしましては、専門委員の小山委員、竹内副会長、それから今村委員、その他
ゲストといたしましてミュージシャンの小宮山さんや辛酸なめ子さん、それから「ブラタ
モリ」プロデューサーの尾関さんなどに出演していただいております。
それから参考2でございますが、こちらは、特に東京都からお願いしたわけではないの
ですが、毎日新聞の東京版におきまして、1月17日に、このロゴマーク募集についての
記事が掲載されておりまして、新聞でもこのような形で、隅田川ルネサンスのプロジェク
トとして東京都がロゴマークを募集しているということを取り上げていただいております
ので、この場をかりてご報告をさせていただきます。
資料4については説明は以上でございますが、あわせまして、参考資料について簡単に
ご説明をさせていただきます。
参考資料1と参考資料2でございますが、こちらは、東京都が最近公表いたしました「2
020年の東京」へのアクションプログラム2013でございます。
参考資料2に書いております、水と緑のネットワーク実現プロジェクト、こちらが「2
020年の東京」に位置づけられました隅田川ルネサンスの展開ということで、ここに書
かれておりますような将来像を目指して、隅田川ルネサンスを取り組んでいくということ
になっておりますが、それにつきまして、1月に公表いたしましたアクションプログラム
2013の中でも、目標3の中で位置づけているところでございます。
今回の特色といたしまして、1枚目の「重点事業」という中で、新知事の公約ですとか、
そういった重点的に進めていく取組を特出しいたしまして掲載してございますが、その中
-7-
でも、右下にございますように、隅田川ルネサンスの展開ということで、現在、推進協議
会及び専門委員会で議論されておりますような取組につきましても、今後も引き続き進め
ていくということで掲載しているところでございます。こちらは参考としてご報告させて
いただきます。
【事務局】
事務局からの説明は以上でございます。
【宮田会長】
【中野専門委員】
それでは、中野先生、お願いいたします。
専門委員の中野です。2月6日の専門委員会で、国内外の先端的な、
先進的な水辺の事例を報告しましたので、改めて、ここでも手短に解説したいと思います。
資料は、資料2に、私が本にしたためたものの抜粋版を入れておりますので、これは映
像を見ていただいた後にお読みいただければと思いますので、まずは映像のほうを流して
いきたいと思います。
世界の水辺の事例、これは韓国のソウルの清渓川の話は皆さんご存じのことかと思いま
す。このように、町の中心部が、水辺が復活することでこれだけのにぎわいが復活しまし
た。ご存じのことだと思います。このように自然が回復してきました。実はかなりの部分
が、人工的な水辺といってもよいでしょう。地下鉄の湧水を使っていますが、実は漢江か
らポンプで水をくみ上げて導水しています。とにかく夏になりますと、水辺に人が集まっ
てきます。
少し日本の河川の事例をお見せしましょう。皆さんもこれはご存じだと思いますが、大
阪がここ数年、水辺再生に向けていろいろプロジェクトを進めています。これは土佐堀川
の川の駅、これはとんぼりウォークです。大阪の場合は、水都再生プロジェクトと銘打っ
て大々的にキャンペーンを張っていますし、地元財界も全面的に協力しています。これは
そのパンフレットの映像です。
その中で、土佐堀川の「はちけんや」ですが、歴史的には熊野古道の基点になったかつ
ての船着場のところですが、今も高水敷上に船着場があり、その脇にこのような建物が造
られました。水上レストランといいますか、2階がフランス料理のレストラン、これも国
土交通省にご承認いただいて、こういう大胆な「川の駅」ができ上がっています。1階は
水没してもいいような施設になっています。
とんぼりウォークです。
それと、とんぼりウォークにあわせて、今、各地でいろいろなイベントをしております
し、最近、注目されておりますのが大阪川床「北浜テラス」というもので、川に背を向け
-8-
ていたビル群が、川のほうにカフェとかそういうものを出す、いわゆる北浜テラスという
川と街の連続性をつくる運動がこのように進んでおります。
これは、広島の京橋川のリバーカフェの風景です。これも、河川法準用規則の改正につ
ながった、広島の先駆的な試みです。これは独立店舗を川沿いに並べております。これは
レストランの例です。
かつてはこういうふうな、左側のような水辺だったのですが、それが1970年代以降、
積極的に水辺景観整備が進められてきました。これも実は、私が若いころにお手伝いした
て水辺の景観設計の事例ですが、そこにもカフェが常設されております。
これは水郷・柳川の掘割再生の写真です。これもご存じのことかと思います。
これは近江八幡の八幡掘、ここも一旦埋め立てする話があったところを市民が守って、
このような再生が進められてきました。
これは松江・堀川。これも同じように、水質悪化で埋め立ての意見があったところです
が、ここも市民が積極的な運動を展開して、このように水辺が再生してきましたし、今、
松江ではこのように喫水が浅くて、上に橋がかかっているところも、遊覧船が就航してい
ます。
これは同じく松江ですが、私が土木学会の景観デザイン賞をいただいた作品例、水の美
術館の前の護岸をこのように緩傾斜にしました。以前はこのようなかみそり型の、普通の
コンクリートの堤防があったところです。左がビフォー・右がアフターと、水辺もこのよ
うに少し手を入れるだけで全然違った風景になります。
これは25年前からずっとかかわり続けています北九州の門司港の水辺の再生事例です。
ここも埋め立てを予定されていた船溜まりの水面を守って、このように水辺に人の気配を
感じるように、このようなカフェ状態ができ上がっております。これもいろいろ報道をさ
れていますので、ご存じの方もいらっしゃると思います。
時間の関係で早回しさせていただきます。
これも夜景の景観整備ということで、石井幹子先生とご一緒させていただき、ライトア
ップの演出等を行いました。結果として、宿泊客が増えましたね。
世界の主要河川ですが、これも有名な話ですが、ドイツのケルンのライン川沿いの道路
の地下化プロジェクト。上が遊歩道になっていますが、実は、この地図にありますように、
この部分が町と川の間に幹線道路が走っていましたが、これを地下化し、町と川が一体的
になった例です。
-9-
似たような例で、アメリカのポートランドも、これも6車線の道路を別のルートに振り
かえて、道路の予定になっていたところをこういう公園にした。ポートランドのウィラメ
ット川の例です。
アメリカのシカゴも、今、積極的にシカゴ川の再生プロジェクトを進めておりまして、
これは町の中心部です。かつては上流にも工場地帯があったり、この部分は市民に開かれ
ていなかった水辺だったのですが、それが積極的な形で新しい都市計画、まちづくりが進
められ、このような形で水辺に遊歩道ができましたし、遊覧船も走っております。夜にな
るとこういうライトアップによる水辺の景観演出、光による演出も行われております。
ボストンのチャールズ川もこのように市民に開かれていますし、野外劇場も水辺の公園
にできています。
パリのセーヌも少し参考に紹介します。セーヌ川は図のような形になっています。後で
紹介するサンマルタン運河がここです。まずは、セーヌですが、ご存じのようにバトー・
ムッシュが就航していますが、夏になると、ひと夏1カ月間、このセーヌ川沿いの道路が
閉鎖されて、プラージュという砂浜が出現します。このように、市民の憩いの場に変わっ
ていきます。通常はこういう姿です。それが1カ月間の間に、こういう場所に変わり、砂
を敷いたり、人工芝を張り、ボードデッキをつくったりということを行っています。これ
は、ロッククライミングの練習場に早変わりして、子供たちが遊んでいます。このように、
水辺にとにかく人が集まるような仕掛けがなされています。
そのプラージュが、各地に飛び火しています。ウィーン、ドナウ川の水辺ですが、その
内水面のドナウ運河にこういうふうな砂浜ができ上がっていました。これもひと夏のイベ
ントです。まだ本格的なものには至っていないのですが、少しずつ、こういうものが世界
に飛び火しています。
フランスのリヨンのローヌ川、ギョティエール・テラスという、すばらしい水辺ができ
上がりました。これは、かつて駐車場として使われていた部分を、大胆にもこういう階段
状の堤防、護岸に改修し、下の部分は高水敷に徒渉池、子供たちが遊べるようなじゃぶじ
ゃぶ池ができ上がっています。すばらしい水辺に様変わりしました。対岸から見た風景で
す。恐らく、私が見てきた中で一番感動したのはこの水辺です。
ゲントというベルギーの町も、かつては水辺がさびれていたのですが、車の通行をとめ
て、水辺の再生をしていったら、このように町が生き返ったという例です。これもすばら
しい水辺に変わりました。かつてはこういう、駐車場になっていた部分です。
-10-
ドイツ・ハンブルグのハーフェンシティ、エルベ川沿いのかつての港湾地区で、現在も
再開発が進行中です。すばらしいランドスケープが施されていますが、これはスペイン人
のランドスケープアーキテクトの作品です。水辺にこのようなカフェが並ぶようになって
いますが、実はこの町は、水に親しむために、ある程度遊歩道のレベルを下げていまして、
高潮のときは水没するそうです。水没してもいいように、周りの建物の1階はしつらえら
れているというのが、実に大胆です。このように、水辺が市民のための空間に様変わりし
ています。まだ工事中ですが、すばらしい水辺に変わりました。
それに関連して、ハンブルグのアルスター湖も、これは市庁舎の前の部分ですが、こう
いうふうな階段護岸をつくられていますし、その対岸にはアルスター・アルカーデンとい
う有名なアーケード街があるのですが、そこにもこういうカフェが営業しております。
これはアルスター湖の水辺の部分です。夏のイベントをしている風景です。
スペイン・セビリアのグアダルキビル川です。こういうふうに水辺がすばらしい形に再
生されてきている例です。
リスボンのテージョ川も、このような形で川沿いにカフェがつくられていました。
あとポルトガルのポルトという町のドウロ川にも、こういう水辺のカフェが営業してお
りました。
運河・小河川の事例です。これは有名なサンアントニオのパセオ・デル・リオ、英語読
みでリバーウォークですが、1968年から80年代にかけて再生事業が行われて、こう
いう水辺だったのがこのように変わりました。これは、実は内水面として、ポンプと水門
で水面のコントロールがされている部分です。かつては暴れ川だったものですから、バイ
パスをつくり、そこのいわゆる閉鎖された部分の活用を、こういう形でしたものです。こ
れも有名な話です。
サンマルタン運河、パリに戻りますが、ここも、ナポレオン時代、産業革命時代に物流
のためにつくられた運河ですが、用をなさなくなり、埋め立てして道路をつくろうという
プロジェクトが起きたのですが、これも市民の反対で水面が守られたという経緯がありま
す。ここは水位差がありますので、閘門で行き来するようになって、十数カ所ありますが、
これが今、遊覧船が復活し、すばらしい水辺に再生しています。
あと、同じようにロンドンでも、かつての物流を支えた運河が、今、復活して、これは
カムデンロックという、今、若者たちが集まるメッカになっている、東京の原宿みたいな
ものなのですが、その一角にリトル・ベニスという名前がつけられていますが、このよう
-11-
に水上レストラン、カフェが営業していますし、水辺には、かつての工場や倉庫街だった
ところが新しいマンションに切りかわっています。
同じく、チェスターという町も、チェスター運河が再生されています。
フランスのアヌシーのティウー運河、これはすばらしい水辺です。こういう風景もあり
ます。ここも一時は水質汚濁で大問題が起きたところですが、水質浄化をすると同時に水
辺の再生をしました。
ユトレヒトの旧運河も、夏になりますとこのような形でカフェが営業しております。
リューベックというドイツの北部の町ですが、これも、トラヴェ川に、夏になりますと
こういうカフェが営業しています。
コペンハーゲンのニューハウン、これも運河沿いにこういうカフェができておりますが、
実はこれも、かつてはこういう駐車場だったところです。それが、車をとめてレストラン
の営業を認めておりますし、ここも船が復活しました。
こういう形の、世界でいろいろなプロジェクトが進行してきました。
以上です。
【陣内専門委員長】
【LPA田中氏】
では、田中さん。
どうも皆さん、おはようございます。LPAの田中と申します。
きょうは、先日の6日に行われました委員会での、隅田川のひかりの景観についてのご
説明をした資料に対して、抜粋になりますが、その内容をご説明したいと思います。
まず、私たちがひかりの景観という立場から隅田川に求められる5つの視点というもの
を、まず定めました。まず1つ目が、眺められるための河川景観。これは、やはり夜です
ので、水のある風景というものをどういうふうに楽しませるか、そこに水があるというこ
とを楽しませる仕組みというものを注目していきました。
それから2つ目に、そぞろ歩きを楽しむ夜間の親水環境ということで、夜に親水公園の
安全なあかり、それからそこを活用できるような環境をつくっていこうということです。
3点目が、光害のないエコロジカルなひかり環境ということで、昨今話題になっており
ます無駄光や障害光、光害と言われる部分に配慮しながらも、LEDを使った環境に優し
い、消費電力の少ないひかり環境を目指そうということです。
それから4つ目が、上り下りの船遊びを楽しめるシークエンシャルな夜景ということで、
やはりテーマが「船」ということで、移動できるという、かなり楽しいものがございます。
そのときに、隅田川の景観の、移動しながらどういう特徴をつくっていくかということを
-12-
注目していきました。
最後に5つ目として、江戸・東京ならではの個性的な夜景ということで、先ほどご説明
がありましたように、これから国際的になって、隅田川というものを見つめた場合、江戸
というものをどういうふうに表現して、なおかつそれをどういうふうに見た方に伝えてい
くかということを注目していきました。
今日ご説明しますのは、隅田川に求められる7つのひかりの品質、それから現場調査、
それから隅田川らしいひかりを実現するためのエリア。このエリアは、ここで必ずやると
いうことではなくて、私たちが調査したときに、こういうところをやったらいいのではな
いかということで暫定的に選んだところでございます。それから、そのエリアに対しての
具体的なイメージというものを最後にご説明したいと思います。
まず、隅田川に求められる7つのひかりの品質ということで、照明というのは、それ自
体は視覚的に見えないものでございますので、その照明の質というもの、見えていないと
ころにかなりクオリティを左右する要素が隠れておりますので、きちっとこの7つの品質
というものを隅田川のほうでもキープをしていきながら、ひかり環境をつくっていきたい
と思います。
一つ一つ説明をしていきます。まず鉛直面の輝度ということで、左側にございますのが、
あまり鉛直面がないというか、道路照明の明るさに頼っている。それに対して、こちらは
リヨンでございますが、橋を眺めている男性がおりますが、なるべく照明器具というもの
は抑えて、そこにある建築の構造物や建物の壁面というものをうまく活用して明るさ感を
つくりながら、同時に周りの景観を楽しめるというようなひかり環境をつくっているとい
うことを写真で示しています。これはいわゆる鉛直面の輝度と申しまして、立っている壁
ですとか、そういったところに明るさを与えて、景観の明るさ感というものを形成してい
くという手法です。
グレアフリーということは、これはもう、言葉そのままですが、まぶしさを排除すると
いうことです。最近の日本の道路照明も、かなり数字でずっと計画されてきた経緯がござ
いますので、数字上はオーケーなのですが、見た目の景観とすると、隣の家までひかりが
飛んでいってしまったりとか、かなり目にきつい光源がございますので、そういったもの
を排除していくことで、非常に見やすいひかり環境ができ上がってくるということを示し
ています。
高い演色性というものが挙げられます。これは、隅田川のところには緑ですとか、いろ
-13-
いろの建物の素材、あと護岸のれんがですとか、なまこ壁の質感ですとか、いろいろな素
材がございます。それらの素材をより美しく見せるような光源の選定というものが求めら
れると思います。これは、LEDというものが最近出てきておりますが、LEDも非常に
まだ高価なものでございます。LEDにもいろいろ性能がございまして、まだ演色性とい
う部分では、やっと昨今、きれいな色味を再現できる光源のLEDが発売されてきました
ので、そういうものをきちっと選定をして選んでいくという必要があろうかと思います。
色温度の対比というのは、ひかりの色には、白いものですとか電球色、あるいは最近は
LEDで色がスカイツリーのように変わるという、いろいろな色の表現がございますが、
やはり、東京の都心部と違いまして、少し人の住むエリアも中には組んでございますので、
今回の隅田川に至りましては、右側のほうの低い色温度で、住宅あるいは江戸の情緒の雰
囲気に合った低い色温度で統一できればいいのではないかと思っております。
快適な陰影バランスとございますのは、単に明るさというものを求めて、均一に明るく
するということではなくて、適度な影の部分もつくっていこうということでございます。
端から端まで明るくする以外に、動線ですとかその場所の空間の特性といったことをもっ
とよりよく認知して、適度な陰影をつくっていこうということです。
それから、光源は今申し上げたような、蛍光灯ですとかLED、それからメタルハライ
ドランプといった、技術的な部分ですが寿命の長い光源がふえてきておりますので、そう
いったものを積極的に使用していく必要があろうかと思います。
最後に、これはもちろん、隅田川ならではのひかりの名所というものをぜひつくってい
きたいと考えております。やはり、そのキーポイントとなるのは、水をどう表現するかと
いうことになろうかと思います。
先日の12日に現場視察をさせていただきました。その中で、課題の整理として、非常
に単純ですが、まぶしかったところがございました。それから、若干暗いところがござい
ました。それから、色温度が少し、整備をされたのですが若干ばらばらで、統一感のない
ような場所もございました。そういった中を調整した中で、3つのエリアに関してご提案
をしていきたいと思います。
まずは、スカイツリーが見えて、今一番にぎわっております向島周辺です。それから、
今、船宿等があります柳橋周辺。それから、ちょうど隅田川のゲートのようなことになり
ます勝どき橋周辺です。
まず、向島周辺の昼間の景観。スカイツリーが見えて、非常に今、船の発着所もあって、
-14-
にぎわっているという現状で、桜もきれいな場所になります。これが今の現状です。少し
ポール灯の輝度がまぶしかったりしていますが、まずは、具体的な提案としては、このポ
ール灯の輝度を少し軽減できないかと。
この絵では、ちょっと強引に消しちゃおうという提案をしています。消しますと当然暗
くなってしまいますので、そのかわりに、既存にあります手すり照明等を使って、低い位
置で、なおかつ路面の照度を確保していくような照明を採用したらどうかということであ
ります。
それから、街路灯というものも、もう少し、見て江戸情緒を感じさせるような、行灯の
ようなものを追加できないかと。それから、これは水辺のほうですが、水辺の中に演出す
る、水辺を演出するあかりということで、今、一度水面が青くなりましたが、高架等を照
らして、その映り込みを演出の要素に入れていきたいということです。少し絵は極端です
が、水の中にひかりというよりは、周りの建物、あるいは建築の構造物を照らすことによ
って、それを映り込ませて、隅田川ならではの景観をつくろうという計画でございます。
それから、ここの場所に関しては、樹木というものが非常にいい要素なので、樹木のラ
イトアップ。こういったところをベースに、向島周辺でのひかりの景観、スカイツリーが
きれいに見える景観ということをよりよく演出していければと考えております。
2つ目が、船宿等があります柳橋周辺です。これが今、昼間の現状です。上流側を見て
おりますので、今、ちょうど総武線の陸橋が見えております。
柳橋はライトアップされておりますが、もう少し、この柳橋の雰囲気を、より奥に、何
か船宿があるような感じをつくっていきたいということで、まずは壁面護岸の間接照明を
両側にやっていく。これで、水に映り込む景色をまずつくっていけるかと思っています。
それから、その護岸に、先ほど向島周辺にもありましたような行灯のようなものを、ち
ょうど柳橋のほうにいざなうような、「お迎え行灯」と今、勝手に名前をつけております
が、そういうふうなキャラクターをつくっていきたい。あと、船が航行していくわけです
が、その船にも演出をしていきたい。こんなようなことで、柳橋の船宿の、少し江戸情緒
の歴史性みたいなことを、お迎え行灯で演出をしていくようなことを、このエリアの個性
としていければと思っております。
それから3つ目、最後がゲートエリアという、勝どき周辺です。昼間の景観ということ
で、非常に護岸を整備されて、夜もジョギングをされている方とかが多かったのですが、
現状は今、こういう形で、擁壁の上に、画面の右側ですが、かなりまぶしいポール灯で明
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るさをとっているような状況でございます。このポール灯も少しグレアをとりまして、明
るさを確保するために、やはり壁面をうまく使う、あるいは手すりをうまく使っていこう
ということです。同時に、これは対岸から見ると水に映り込む景色になるので、非常に一
石二鳥というか、景観に対しても照度に対しても有効な手段かと思います。
それから、現状あります家具ですとか、そういったものも照明器具として有効利用でき
ないかというご提案です。
それから、対岸の樹木等もライトアップすることで、自分のいる側、あるいは対岸のほ
うに景観をつくっていく。
それから、これはゲートとして、勝どきならではなのですが、跳ね橋が当初動いていた
ようなところを、ひかりでも演出していければと。跳ね橋が徐々に上がっていくのをひか
りで表現できないかなと。こういう形で、隅田川のゲートとして、まず下流のほうからお
迎えする。そういった仕組みができないかなということをご提案さしあげました。
以上でございます。
【陣内専門委員長】
【宮田会長】
これで、専門委員会のご報告を終わらせていただきます。
各先生方、ありがとうございました。すばらしい報告でございました。
ちょうど竹内先生もおいでいただきまして、ありがとうございます。
さて、この発表でございますが、皆様、ご意見やご提案等ございましたら、ちょっと時
間が押しておりますが、一、二個ばかり、いただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
これ全体を見ていますと、カフェができていたり、そういうのを見ると、これは行政じ
ゃなくて民間だなという感じ。世界中見ているとそんな感じ。カフェができれば人が来る、
人が来ればにぎわう。これは当たり前なんです。だから経済も非常に活性化する。にぎわ
いができる。すると、それぞれの、東京都もそうですが、区も町の人たちも元気が出ると。
そういう構図になっているなと。そういう流れですね。そういう隅田川の流れになってい
るなというのが、全体を見た感じでございますが、いかがでしょうか。
【古屋委員代理(藩)】
よろしいでしょうか。私、中央区なのですが、このようない
ろいろな計画の段階で、行政のほうにいろいろ、やはり規制等々がありますので、相談を
するわけです。そうすると、今、プレゼンのあったようなヨーロッパには、あまり地震が
ないのです。東京の場合には、非常に、特に日本全体を含めて、地震ということを考えな
ければいけないという宿命があるわけです。
そうすると、よしんば水辺につくりますと、例えば地震があったときに、すぐ撤去でき
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るとか避難できるようにしなさいというような、必ず指導があるわけです。
ですから、関東地方、要するに首都直下型地震が30年以内に70%の確率で起こるな
んていう話が出ていますと、やはり行政としては人命第一ということを考えますと、どう
してもある程度規制を強化せざるを得ないという宿命というか、状況にあるわけです。
そうすると、我々としては、ヨーロッパの、今あったように、もっと水辺に親しむよう
な形をつくりたいとは考えてはいるのですが、そういうときに、どうしても、日本の置か
れている現状というもの、要するに地形的な問題等々にひっかかってしまうということが
あるのですが、それはどういうふうに考えたらよろしいかということなのですが。
【宮田会長】
さて、これはどうしましょうか。
私などは、この間の3.11を見ていて、つくづくこのルネサンスを推進しなければいけ
ないなと思ったのです。というのは、結局、誰もあそこの川を利用して、避難とか物資の
流通をしようということをやろうとしても、みんな、どこに何があるかが知らないという
ことがあったのです。逆に、これがカフェがあったり、船着場があったり、いろいろなも
のがあることによって、そうか、ここはこういうふうになっているんだ、というふうなこ
とで。
ちょっと話がずれますが、今、劇場法ができたのです。それができたことによって、ふ
だん行かないと、ああいうところを避難場所としては使わないのですが、常に劇場とかそ
ういうものを活用していれば、そういう、いざといったときに、今お話があったようなと
きに大いに利用できるというようなことがあるので、その持っていき方次第によっては、
本当にいい連携ができるのかなと。
さあ、そのときに、今のご質問の中にあったような、この規制の問題というのはどうし
ましょうか。これはもう、すぐ答えの出る話ではないかもしれませんが、ちょっと東京都
さんのほうで何かヒントがございましたら。
私は、これはもう、どんどんやっていくことによって、解決することができるのかなと
思いますけれども。
【中野専門委員】
私からお答えしましょうか。専門委員の中野です。
河川管理者の立場では説明しにくいかと思いますが、私は、結構河川管理者の方と協議
をして、いろいろクリアさせていただいています。
ただ、ヨーロッパと日本が根本的に違いますのは、やはり川の流れが根本的に違います
ので、川の特性に合わせた形での設計の仕方が必要なのです。例えば上流で洪水が起きた
-17-
場合、それが何分後、何時間後に到達するかということなども、ヨーロッパの場合はかな
り緩やかな流れですので、数日後に来るとかいうことなのです。日本の場合はとにかく早
い。そうすると、短時間にどう避難するかということを考えなくちゃいけない。それは当
然、ハイウォーターというのが決められておりまして、その中につくる場合は、かなりス
ピード感を持った形でのものが要求されますので、根本的に違うはずなのです。
ただ、江東内水面のような形で、ある程度、水のコントロールができているところにつ
いては、可能ではないかと思いますし、当然のことながら、いろいろな事例を見ても、ハ
イウォーターより上に積極的なつくられ方をしているのです。それとあわせて、沿道の建
物に厨房をつくって、それからサービスするというようなシステム。これは世界共通です。
ですから、日本の場合も、川だけではなくて、川とその沿道の建物との関係、そこをう
まく整理していく必要があると思います。
あと、当然のことながら、交通規制が可能かどうかです。これも全体の交通の規制と交
通計画との関係の中、いわゆるまちづくり全体として考えていかないと成立しない。それ
が、ヨーロッパの場合は、中心市街地の部分は基本的に歩行者優先の考え方が浸透してい
ますので、そういうものも含め、クリアしているということだと考えています。
よろしいでしょうか。
【古屋委員代理(藩)】
【宮田会長】
はい、ありがとうございます。
ありがとうございます。大変重要な問題だと思いますが、いつ来るかわ
からないということに対しては恐怖もありますけれども。
どうでしょうか。どうぞ。
【
見委員】
よろしければ。河川部長の
見でございます。
若干、地震の話もあったので、少しご紹介だけさせていただきたいと思いますが、まさ
に地震への対応は、おっしゃるように非常に大事な話だと思います。東京の河川、それか
ら港湾の護岸もそうなのですが、考えられる最大級の地震が来たときに、仮に津波が来た
ときにどうかということはまずあるのですが、高さ的には東京の護岸、伊勢湾台風級、東
京に来たことのない、名古屋に来た非常に大きな台風に伴う高潮に対応できる高さで整備
してきていますので、津波はそれよりも十分低いということの被害想定になっております
から、高さ的には大丈夫だということがあります。
とはいえ、最大級の地震を考えたときには、これまでと違う地震動を考えるということ
ですので、一部、護岸の損傷をする可能性があるということで、これへの対応を早急にし
-18-
ないといけないということで、昨年の8月に、どういうふうに考えていくかということを
公表させていただき、昨年の12月の末に、具体的にどういう場所で耐震対策、耐震補強
をしていくかということを公表させていただいております。一部、当然ながら耐震補強を
していったり、あるいは水門などもしっかりとしたものに補強していくということを、具
体的に打ち出させていただいております。
ですから、まさにそういう、都民の方に安心安全を確保する、それから安心感を持って
いただくということで、耐震対策、待ったなしの課題だと思っていますので、鋭意取り組
んでいきたいと思っています。
それから、中野先生もおっしゃっていただいたように、具体的に今、始まっているのは、
後ほども紹介があると思いますし、委員長のほうからも先ほどちょっとコメントがありま
したが、例えば隅田公園に隣接するところで、既に河川占用許可準則を使った区域を、河
川管理者としても指定をさせていただいています。それは、さらに護岸の上のところを使
っているということですので、そんな取組を既に始めさせていただいていることを紹介さ
せていただきます。
以上です。
【宮田会長】
ありがとうございました。
報告、どなたがございますか。ほかにご意見は。後からでも結構でございます。
よろしいですか。それでは、次に移らせてもらいます。
各団体の25年度の取組の説明をしていただいて、意見交換としたいと思いますが、大
変申しわけないのですが、ワンクール2分という時間なのですが、東京都さん、それから
中央区さんとか台東区さんとか区の方々、それから観光協会の方々、3つの団体でござい
ますが、よろしくご説明のほどお願い申し上げます。
まず東京都から行きましょうか。
【秀嶋委員】
東京都の知事本局でございます。お手元の資料5をごらんください。こ
ちらの資料5の左上、取組の番号①、「東京ホタル」ひかりのシンフォニーの開催でござ
いますが、実行委員長の宮田先生の前で紹介するのも恐縮ではございますが、ことしの5
月25日、土曜日、夜6時30分から9時までの予定で開催の予定でございます。
イベントの詳細につきましては、3月以降に東京ホタル実行委員会から再度発表される
予定となってございます。
続きまして、右下でございます、取組番号⑱と打っておりますが、メディア戦略の強化
-19-
についてでございます。本日の推進協議会のご議論や、専門委員会での議論を踏まえて、
ロゴマークとホームページの作成を進めてまいります。
知事本局からは以上でございます。
【宮田会長】
ありがとうございます。
それでは生活文化局、お願いします。
【関委員代理(舩木)】
生活文化局の舩木と申します。文化振興部長の関の代理でご
説明申し上げます。
資料5、A4の資料をご覧ください。
生活文化局では、今年度、隅田川のにぎわい創出をするための文化イベントとして、隅
田川夕日見という催しを実施いたしました。
昨年10月8日、荒川区の都立汐入公園を中心にとした隅田川界隈で、東京藝術大学の
学生が制作した「藝大みこし」を活用して、地域と連携しながら実施いたしました。
実施内容につきましては、「川に目を向かせる」というコンセプトによる「川のパレー
ド」と、地域の方々と一体になった「陸のパレード」の2つで構成いたしました。
川のパレードにつきましては、東京藝術大学にご協力いただき、学園祭のために学生が
制作した「藝大みこし」を3基お借りして、台船に乗せて川に浮かべてパレードをいたし
ました。また、陸におきましては5基を、藝大の学生140名のほか地元の方々60名ほ
どに「担ぎ手」としてご参加いただき音楽のパフォーマンスも組み合わせた練り歩きを行
ないました。
当日は、ちょうど、汐入公園に隣接する商店街で「みなせんまつり」という地域のお祭
が開催されておりましたので、こちらの方々とも連携して地域に密着したにぎわい創出と
することができたと思っております。
来年度につきましても、引き続き、実施したいと考えています。
以上でございます。
【宮田会長】
御苦労さまでございました。
それでは都市整備局さん、お願い申し上げます。
【永島委員】
都市整備局の永島でございます。資料5、A3横の資料でございますが、
15番の区域を越えた取組ということで、景観についての取組をお話し申し上げます。
都では、東京都景観計画に、隅田川景観基本軸を定めております。届出制度ですとか、
建築物の事前協議制度を通じまして、周辺建物群とのスカイラインや形態意匠の調和を図
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りまして、水辺に建物の顔を向けた配置となるよう誘導しているところでございます。
また、景観法に基づきまして、都から区へ景観行政団体を移行する際には、その場合は
景観の届出先が区になりますので、移行の際は都の隅田川に関する景観計画の内容を取り
入れまして、区の景観計画を策定し、都の計画との整合を図るなどして、連携して景観誘
導を行っております。引き続き、各区と連携・協力して、隅田川沿いの良好な街並み景観
の形成を図ってまいります。
以上でございます。
【宮田会長】
それでは、産業労働局、お願い申し上げます。
【十河委員】
産業労働局観光部でございます。資料5の左下をご覧ください。区域を
越えた取組の⑯に記載がありますように、本年度に引き続きまして、舟運を機軸とした観
光振興事業を推進してまいります。
これは、舟運を活かした観光ルートの開発のための運航実験や、ルート開発に合わせた
航路周辺の魅力や、観光客の回遊性を向上させるような水辺施設の整備、あるいはイベン
トなどの賑わい創出の取組に対しまして、補助事業という形で支援を行うものでございま
す。
【宮田会長】
ありがとうございました。
それでは建設局からお願い申し上げます。
【
見委員】
河川部長の
見でございます。まず左上、②ですが、隅田川のテラス整
備ということで、矢印の先、ちょっと見にくいのですが2カ所ほど、黄土色で線を引いた
ところがございます。1つが厩橋下流右岸、約200メートル。それから図面の一番北の
ところ、白鬚橋下流左岸、約300メートルということで、いずれも上部の修景工事を中
心に行うということになります。
それから10番、右側のほう、上から3番目ですが、小名木川の「塩の道」ということ
で、これも矢印の先2カ所ほど、黄土色、黄色で線が引いてあります。扇橋閘門周辺、そ
れから小名木と横十間川の交差部付近、約800メートル。これも主に上部の修景部分と
いうことになります。ここに書きましたように、平成25年度で「塩の道」の整備が完成
ということになります。
それから、左側の③、上から3つ目ですが、桜橋防災船着場の一般開放の試行期間の延
長ということで、浅草周辺の主要ニーズを引き続き把握するということもありまして、試
行期間を1年延長するということを昨年公表させていただいております。延長後、平成2
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5年11月15日までということで、結構、利用いただく船も多くなっているという状況
にございます。
それから4つ目、右下の17番、にぎわい創出支援ということで、先ほどもちょっと触
れさせていただきましたが、昨年12月に隅田川の隅田公園の隣接地区において、河川占
用許可準則に基づいて、利用区域というものを河川管理者の都として指定をさせていただ
いてございます。これに先立って、実は都内では渋谷川でも、これは区が中心でございま
すが、やはり同じような準則に基づく指定区域というものをさせていただいておりますが、
それに続いて隅田川でも指定をさせていただいたというものです。
今後とも、地元協議会の設置に参画をさせていただいたり、あるいは地元で実施する取
組を支援したりということで、これを一層進めていきたいと思ってございます。
私からは以上です。
【宮田会長】
ありがとうございました。東京都からの発表でございました。
藝大のみこし等も、大変皆さん、ありがとうございました。学生も喜んでいました。あ
りがとうございました。
それでは、区のほうからご説明をお願いしたいと思います。
中央区さんから、台東区さん、墨田区さん、江東区さんと、お願い申し上げます。
【浅沼委員代理(守谷)】
中央区でございます。資料5の6番、7番、左下にありま
すのが中央区の取組でございます。
初めに⑥番、中央区1DAYトリップでございます。こちらは、今年度になりますが、
6月、7月にかけて、舟運を生かした観光コースのいわば実験ということで、区内全域、
築地市場等がございます築地地域、日本橋のある日本橋地域、また昨今、もんじゃで有名
になっていますが月島地域、こちらの3地域、隅田川を含む舟運ルートということで実験
をしてまいりました。
その中から、採算性等を考慮いたしまして、安定的かつ継続的に実施していこうという
ことで、25年度につきましては日本橋を中心に、隅田川の支流にはなりますが、舟運と、
それにあわせまして区内の見どころとか老舗といったところをめぐって、観光消費も活性
化させようということで、中央区1DAYトリップということで、日本橋を中心に、今年
度は実施の計画でございます。
【宮本委員】
続きまして、中央区の観光土木部長の宮本でございます。
⑦番でございます、月島三丁目児童遊園の整備でございます。これは、前の会議でも出
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させていただきましたが、来年度、整備を完了するものでございます。
延長的には100メートルにも満たない小さな児童遊園でございますが、大きく2つの
特徴があると思っております。1つには、こちらは開発事業者のほうでエレベーターを設
置していただく予定になっておりまして、陸側からはエレベーターで24時間、スーパー
堤防の上に登れると。また、スーパー堤防の上からは、スロープでございますがテラスに
おりていくというような特徴があって、車椅子の方々などには使いやすい構造になるのか
なと思っております。
2つ目といたしましては、この月島地域でございますが、上流の石川島公園、佃公園が
ございますが、パリ広場がございます。こちらのほうにはスロープが整備されていたので
すが、ワンウェーでございまして、下流のほうの月島水門に至ると戻ってこなくてはいけ
ないというところがございましたが、このバリアフリーができることによって、パリ広場
から来た人がこちらのほうで出て、月島地域のほうにも行っていただくことができるとい
う点で、大きな意味があるのかなと思っております。
私のほうからは以上でございます。
【宮田会長】
ありがとうございました。それでは中央区さん、いいですね。
では台東区さん、お願いいたします。
【田辺委員】
台東区でございます。④の台東区オープンカフェでございますが、これ
は、当会の陣内先生を座長として、東京都の河川部さんの協力も得て、協議会を立ち上げ
て、現在、準備を進めております。夏に営業を開始できるようにやっておりますが、水辺
のにぎわい創出のためのオープンカフェを設置するということでございまして、設置及び
営業は公募決定した民間事業者が実施をするということで、先日、協議会が行われまして、
業者が決定をいたしました。今週の15日に議会に報告をして公表するという運びで、現
在、準備を進めております。
台東区からは以上でございます。
【宮田会長】
もう早速行動に移しているということでございますね。ありがとうござ
いました。
それでは墨田区さん、お願いいたします。
【河合委員】
墨田区の都市整備部長の河合でございます。私からは⑧吾妻橋防災船着
場整備事業についてご説明申し上げます。
墨田区では、区役所前の隅田川に、長さ40メートル、幅6メートルの浮桟橋式の船着
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場を設置する工事を昨年11月から行っております。区では、既存の船着場の一般開放は
行っていませんでしたが、水辺空間を活用した潤いのあるまちづくりの推進を目的として、
区内5つの船着場を平常時において旅客船が利用できるように、船着場条例を制定いたし
ました。施行日は平成25年4月1日でございますが、吾妻橋防災船着場につきましては
平成25年5月末の完成となっているため、平成25年6月1日からの利用を予定してい
るところでございます。
私からは以上でございます。
【高野委員】
同じく産業観光部長の高野でございます。資料5の⑨をごらんください。
「吾妻橋フェスト(8月)」と書いてございます。これは、墨田区の区役所庁舎の前から
隅田川テラスにかけて、ステージによる音楽演奏と水辺のカフェを実施して、にぎわいを
創出するものでございます。
それで、今ご説明がありました、吾妻橋の船着場のオープンを記念し、このオープニン
グに合わせて、水辺を活用した記念イベントも予定してございます。
以上でございます。
【宮田会長】
楽しみでございますね。ありがとうございます。
では、江東区さん、お願い申し上げます。
【鈴木委員】
江東区地域振興部長の鈴木でございます。資料の⑪から⑭までが江東区
の取組でございますが、私からはそのうち⑫と⑬につきましてご説明を申し上げます。
まず、観光イベント事業でございますが、大江戸深川さくらまつり、藤まつりと、区の
特性を生かしたイベントを実施する観光関係団体に対しまして、来年度も助成を行い、区
内観光事業の振興並びに地域経済の活性化を図っております。
次に、観光ガイド活用事業ですが、こちらのほうは24年4月から、従前の観光ボラン
ティアガイドと文化財ガイドを統合いたしまして、現在79名の方が活動されております。
予約制のまちあるきガイドサービスとして7コース、また募集型といたしまして旧中川、
荒川、小名木川の水辺散歩など、季節やテーマ別のイベントガイドを年8回実施し、毎回
好評を得ているところでございます。来年度は、舟運の活用とまち歩き等、新たな観光ル
ートの活用につなげていきたいと考えております。
また、資料にはございませんが、2点、報告をさせていただきたいと思います。
1点目ですが、江東区観光協会の設立についてでございます。従来から活動しておりま
す深川・亀戸両観光協会、あるいはNPO法人など、各関連団体の特性を生かしながら、
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地域や文化を超えた全区的な観光事業に取り組むものでございまして、現在、25年4月
の指導に向けまして、準備会を立ち上げ、設立の準備を進めているところでございます。
2点目ですが、亀戸四丁目に「亀戸梅屋敷」という施設の建設が進んでおりまして、来
月17日の日曜日に開館をいたします。
この施設ですが、地元の商店街の有志の方によって設立されました事業協同組合が建設
し、管理運営するものでございます。具体的には、これから説明申し上げます区の「川の
駅」事業との連携で、水陸両用バスの発着、あるいは亀戸ブランドの開発等々を行ってま
いります。また、区は、その組合に観光業務の一部を委託しまして、PRコーナーの設置
等々観光情報を発信して、観光拠点として活用していきたいと考えております。
私からは以上です。
【並木委員代理(山田)】
それでは、私、土木部長代理、みどり推進担当課長の山田
と申します。私からは⑪番、旧中川・川の駅事業についてでございます。
本区の東端、大島九丁目、旧中川に、旧中川・川の駅が3月16日にオープンします。
川辺には多目的スロープ、これは民間事業者による水陸両用バスの入出水が行われます。
また、手こぎ船用乗船所があり、カヌー・カヤック等、ウォータースポーツの拠点として
も位置づけられております。
また、一段上り、川面が見渡せる丘には、にぎわい施設を設けました。にぎわい施設は、
公募選定された運営事業者により、喫茶や軽食、物販に加え、足湯の管理も行います。
本区としても初めての試みですので、開場後も、庁内連携はもとより、地域や事業者の
方と地域活性化、あるいは観光の拠点、スポーツ基地として工夫を進め、運営してまいり
ます。
次に⑭番、防災船着場整備事業・船着場維持管理事業であります。老朽化した既存の防
災船着場の改修を着実に行うことで、安全性、利用環境の向上を図り、災害時における舟
運の活用を確保します。先ほどお話にも上りましたが、平常時の防災船着場の使用を促進
することで、船着場の周知を図り、新たな観光拠点の創出と、地域活性化を図ってまいり
ます。
以上です。
【宮田会長】
ありがとうございました。
区のほうからのご報告は以上でございますね。ありがとうございました。
【古屋委員代理(藩)】
中央区からの報告ですが、先ほど商工観光課の課長からお話
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のありました、ピンクで囲ってある⑥番、1DAYトリップの件ですが、これは、主体は
中央区観光協会が募集いたしまして、運営をいたしました。公園協会さんにお世話になり
まして、カワセミ号を使わせていただきまして、これは借り上げという形で、1回幾らと
いう形で観光協会が借り上げまして、大体、その次の次のA4の紙に書いてございますが、
資料5の参考2というので、4回計画いたしましたが、やはりこれは天候に左右されるも
のでありまして、第1回目が天候が悪いため中止になりました。基本的には30名という
人数募集をしたのですが、2回は人数が満たなかった。この原因は、やはり宣伝不足、要
するに周知徹底されなかった点ではないかということが原因の一つと考えられます。
それから、乗られた方々にアンケートという形でいろいろご意見をお聞きしまして、値
段が高いのか安いのかとか、時間はどうなのかという点をお聞きしましたら、人によって
は、90分のコースなのですが、ちょっと長いという人もいましたし、ちょうどよかった
という人もおられて、それぞれお考えのあるようです。
先ほど申し上げたように、平成25年度もこのような形でやっていきまして、中央区に
は日本橋の橋のたもとに船着場を区がつくりまして、それがかなり、現在のところ、いろ
いろな点で活用されております。そういう点を生かしまして、このような形で、もっとも
っと皆さんに川と船に親しんでいただくということを目的にいたしまして、進めていきた
いというのが、現在の観光協会、中央区の立場でございます。
以上でございます。
【宮田会長】
ありがとうございました。ぜひ満員になるようにね。
それでは、浅草観光連盟さん、お願いいたします。
【冨士委員】
浅草観光連盟でございます。先ほど台東区のほうから、田辺部長からお
話のございましたオープンカフェ、これを一緒に協力してやっております。
また、今、JTさんと協力して、町の中の飲食店の分煙化活動をしておりまして、それ
のアピールをやはり隅田公園で行っております。
また、8月に、現在、予定しておりますのが、毎年やっておりますが灯篭流しという行
事をいたしており、また3月に流しびなという行事をいたしております。
先の話になりますが、15年後に浅草寺のご本尊がご示現1400年というのを迎えま
して、昨年やりました舟渡御をそのときにやりたいということで、現在、これから準備の
スタートを切ったところでございます。
以上でございます。
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【宮田会長】
ありがとうございました。船渡御。あれは感動的ですね。
それでは墨田区観光協会さん、お願いいたします。
【阿部委員】
墨田区観光協会の阿部でございます。墨田区観光協会はご承知のとおり、
一般社団法人として活動しているわけですが、公益性を意識しながらも、収益事業を主体
的に行っていくということをしております。
きょう、お手元に、ペラ紙3枚と「観光まる得ブック」というのが行っていると思いま
すが、ペラ紙3枚の中の1つに、これは本年度事業のうちでございますが、「隅田川クル
ージングと忠臣蔵」ということで、墨田区は、ご承知の方もいらっしゃるかと思いますが、
吉良邸の跡地がありまして、いわゆる討ち入りをされた場所でありますが、その討ち入り
のきっかけになった松の廊下事件が3月に行われたということを踏まえて、今回は、中央
区さんの一部、築地からスタートをして、しばらくまち歩きをした後、水辺ラインさんの
船をお借りして隅田川のクルージングをし、両国の船着場でおりた後、本所松坂町公園、
これは吉良邸の跡でございますが、周辺のまち歩き観光をするということで、このチラシ
の左の下、「一般社団法人墨田区観光協会」の上、知事様からの登録旅行者番号が書いて
ありますが、平成22年に旅行業者としての登録も行いまして、いわゆる募集観光事業、
旅行事業をしております。たまたま、この忠臣蔵のクルージングについては3,600円と
いうことで設定をしておりますが、正直申し上げて、公益性を多少意識するあまり、安
すぎるのではないかという感じがしないでもありません。もし、この中で、お時間のある
方がいらっしゃれば、ぜひ一度お乗りいただいて、ご参加いただいてご批判をいただける
とありがたいなと思っております。
同様に、平成25年度も、ルネサンス事業に、隅田川と関係した事業に必ずしも限りま
せんが、まち歩き事業と連携した募集旅行事業を積極的に展開していきますので、できま
したらば、近隣の区の方とも連携をして、主体的に募集をし、収益事業の一環としてしっ
かりやっていきたいと思っております。
それと、まる得ブックですが、これはあちらこちらで配らせていただいているので、既
に見たことがあるという方がいらっしゃるかと思いますが、今年度、昨年の5月、スカイ
ツリーのオープン直前に第1号を出しまして、これは第2号であります。半年間に約10
万部、1年間に20万部を配布させていただいておりますが、今のところ墨田区――当然、
墨田区のまる得ブックですので、区のシティプロモーション的な部分と同時に、具体的な
事業者、特にレストラン、食べるところのクーポンブックを兼ねた冊子で、墨田区と観光
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協会の合同で出させていただいているものですが、来年度、川の事業が少し積極的に表面
に出てくれば、来年5月を目途に次を発行する予定でございますので、場合によっては隅
田川ルネサンスそのものの、例えばロゴマークが決定をし、プロモーション、PRをして
いくような場合、ページを割いて、1ページなり見開きの中で、隅田川についての読み物
を入れていってもいいかなと思いますし、他区との連携の中で何か物語をつくっていって
もいいかなと思います。
観光協会としては、行政からの委託事業も収益事業の一つと考えておりますので、もし
もルネサンス事業の中で、スカイツリーに来る全国からのお客様に対して積極的に何かP
Rをする道具の一つとして、5月に発刊予定のまる得ブックに何かPRをしたいというこ
とであれば、ぜひご相談をいただければと思いますので、よろしくお願いします。
以上でございます。
【宮田会長】
ありがとうございました。まる得ブックは墨田区以外のことを入れてよ
ろしいということでございますね。
【阿部委員】
墨田区も関連をしていればということです。というのは、川を入れると、
区内の内部河川のことだけになってしまいますので、必ず連携をしながら行きたいと思っ
ておりますので、よろしくお願いします。
【宮田会長】
はい、わかりました。
それでは深川観光協会さん、お願いいたします。
【石島委員】
江東区の深川観光協会の石島でございます。
我々観光協会では、毎年、お江戸深川さくらまつりというのを開催いたしております。
ことしが第9回目ということで、年々盛大になってきております。
日にち的には3月30日の土曜日から、土曜日・日曜日を4週やることになっています
ので、計8日間ということです。
催し物としましては、江東区からお借りした和船が7そう、1日に約600名限定で乗
っていただいております。そのほかに動力船20名乗りと40名乗り、20名乗りのほう
は黒船橋から高橋に出て、隅田川を回ってもとの黒船橋に帰るというものでございます。
もう一つ、40人乗りのほうは、日本橋さんのお力をおかりしまして、日本橋から黒船橋、
そして黒船橋から高橋、そして日本橋へ帰るという、40名乗りの動力船を用意してござ
います。
そのほかには、夜桜クルーズとかお花見スカイバス、こういうものを用意しております。
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周りでは、お休みどころと称しまして、お花見カフェみたいなものを運営しております。
大体毎年二十店舗が参加をいたしております。
また、和船に乗った方たちが、終わった後、お客様の要望によって、まち歩き案内人が
地元を案内を無料でさせていただいております。
そのほかに、イベントで特に評判がいいのが、深川で発生をしたと言われております新
内流し、これがお年寄りの方にものすごく評判がよろしいようでございます。
あと、周りをにぎやかにするために、大横川の両岸にはちょうちんが400ぐらい用意
してございまして、4時から9時までちょうちんにあかりがついて、周りを盛り立ててお
ります。
そんなところでございますが、この中の一番下に、各日にちのイベントのスケジュール
が書いてございますので、後でごらんになっていただければと思っております。
以上でございます。
【宮田会長】
ありがとうございます。もうこの辺は、桜は本当にすばらしいですね。
3年前から引っ越したもので、この辺は楽しみです。ありがとうございました。
それでは、亀戸観光協会さん、お願いいたします。
【福地委員】
亀戸観光協会、福地と申します。よろしくお願いいたします。
亀戸は隅田川には沿っていないのですが、内部河川を利用いたしまして、北十間、横十
間という川があります。特に北十間はスカイツリー桟橋からこちらの亀戸天神の、江東区
さんがつくられた桟橋がありますので、昨年、初めて藤まつりのときに、和船を当時6隻、
隅田川をスカイツリーの手前まで往復するという形で、2日間で500名を乗せて、和船
をいたしました。
一応、考え方としては、今、北十間、横十間、東京都さんで河川工事をしていただいて、
遊歩道の、3メートルの両サイドの遊歩道をつくっていただいているのですが、ただ、そ
れをつくって、後、やはり船が行き来する川辺が、先ほど言ったようにすてきな町をつく
ろうよという案で、ぜひ和船が行ったり来たりするような川を、それを見ながら遊歩道を
歩いていただくと。
スカイツリーは未来都市、亀戸は神社仏閣の町と。亀戸天神とか古い神社仏閣がありま
すので、そこに来ていただく。特に、ことしの、先ほど部長から報告がありましたとおり、
ことし3月17日に、400坪の敷地を江東区さんが買っていただいて、我々、いきいき
事業協同組合という法人をつくりまして、そこでお金集めをいたしまして、3月17日に
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亀戸梅屋敷という観光案内所と、あと皆さんのまち歩きとかそういう形が多いものですか
ら、少し休憩の場所をつくろうということで、休憩の場所をつくるという施設を、3月1
7日。また、そこから水陸両用バスが発着していく場所もつくりますので、ぜひ亀戸に遊
びに来ていただきたいと思います。
以上です。どうもありがとうございました。
【宮田会長】
区との連携のもとに、水陸両用ですか。
それでは、東京都の公園協会さん、お願いいたします。
【田所委員代理(園尾)】
東京都公園協会でございます。代理の園尾でございます。
よろしくお願いいたします。
お手元にお配りしております資料は、資料5の参考3というものでございます。こちら
は主に24年度の活動でございまして、ご参考にごらんいただければと思います。
私どもは東京水辺ラインという水上バスを運行しておりますが、来年度に向けては、大
きくは3点ほどございまして、1つは、もともとの商品力の強化に努めてまいりたいと思
っております。東京ゲートブリッジですとか、隅田川から少し外れますが、そういった新
たな観光拠点と隅田川を結ぶようなコースを、現在も試験的に運航したりしております。
また、私ども公園協会のほうで管理をしている施設として、環七の地下にあります地下
調節池といったような施設もございまして、そういったものと川とを合わせて、防災等に
ついて学んでいただくようなツアーも販売しております。
また、庭園も私どもで管理しておりますので、そちらと連携した、例えば浜離宮でござ
いますが、そういった商品を販売してまいりたいと思っております。
また、冬場は寒うございますのでどうしても人出が減りますが、寒さを逆手にとって、
現在は夜景ないしは夜の花火といったものを売りに、販売をしているところでございます。
また私ども、お恥ずかしいところですが、商売がまだまだ下手でございまして、営業力
を強化するために、今、旅行会社さん、代理店さんへの商品の説明会といいますか、搭乗
会みたいなことを用意したり、また、お手元の資料にもつけましたが、メールマガジンと
いったものを始めております。さらに、近々にはツイッターのほうにもシフトして、より
若い方々への販売促進ということも進めてまいりたいと考えております。
さらに、沿線の各区様ないしは東京都様が、防災船着場の一般開放をお進めになってい
らっしゃいます。これと私どもも協力して、一般開放に助力をし、隅田川かいわいのより
一層の華やぎ、人寄りに寄与してまいりたいと思っております。
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以上でございます。
【宮田会長】
どうもありがとうございました。東京都、区、それから観光協会さん等々
のご説明がございました。ありがとうございました。
【黒田委員代理(島津)】
【宮田会長】
済みません、浅草みなみ観光連盟です。
どうも失礼しました。どうぞ。
【黒田委員代理(島津)】
浅草みなみ観光連盟で、きょうは私、黒田会長が見えませ
んので代理で参っております。先ほど、あかりの将来イメージの中で2番目に紹介されま
した、ちょうど柳橋地区のところでございますが、5月11・12日と、従来ずっと「紅
白マロニエまつり」という、みなみ観光連盟でやっております。
その中で、陸のほうでやることについてはいろいろ、パレードであるとか市であるとか
やっているのですが、5月25日に、これも日にちを指定しておりまして、大川船下りと
いう屋形船を6そう、神田川の台東区側には船宿さんが8軒ありますが、毎年3軒ずつ交
代で2そうずつ出していただいて、ことしも5月25日に行います。東京ホタルと重なる
のですが、この間の専門委員会で、東京ホタルさんは一定の区間の中でやりますので、そ
の中に、私ども、従来やっておりますので、入れていただくことはできないのでしょうか
という、区のほうに私どもも要望したのですが、いろいろ協賛金のことがあったりして難
しいらしいのですが、とりあえず、近々の催し物は、その大川船下りということです。
それから従来、私どもは総武線の浅草橋駅で、駅に一番近い親水テラスの入り口がある
地域なのですが、これも、厩橋、昨年の春だったと思うのですが、そういう会合のところ
で、防災船着場を柳橋の堤防のところにできるだけ早くというお願いをしてあったと思う
んです。それともう一つ、船宿さんと防災緊急の協定を結んでおりますので、そういうと
きに、船宿さんが避難場所でいいのかという。ちょっとそれは混乱するので、そういう意
味においても、できるだけ早く防災船着場をつくっていただきたいということを要望して
あったと思うのです。それも、区も通じて、区長懇談会であるとかでいろいろお話もして
くれているのですが、なかなか進まないようで残念に思っております。
それで、かつて柳橋地区は、従来、江戸時代から花火をずっとやって、川の催しについ
てはいろいろとやっていたのですが、とりあえず、交通の問題であるとか、護岸の使い方
の問題であるとかでずっと途切れておりますが、今、我々の観光協会としては、いろいろ
な川辺のことについて模索中、いろいろな、どういうことをやろうかということを考えて
いるところです。
-31-
以上です。
【宮田会長】
ありがとうございました。
それでは、少し時間も押しておりますが、報告を踏まえながら意見交換をしていきたい
と思います。
竹内副会長さん、それから陣内先生、それから専門委員の先生方、中野先生や池田先生
や、今村委員はちょっと会議があるということでいませんが、お話をいただけたら幸いか
と思います。
それでは竹内先生、ひとつ報告を踏まえましてお願いいたします。
【竹内副会長】
遅参しまして大変失礼いたしました。前半のお話を聞いておりません
が、非常に大雑把な感想ですが二つ申しあげます。その一つは、陣内先生なども多分御苦
労なさったと思いますが、緊急の防災発着所の県です。あれは防災のためなのだから一般
には開放できないということで、それがいつも大きな壁になっていたみたいですが、今日
お聞きしますと、これからつくる発着所は、災害時以外のときに、どうぞどんどんご活用
くださいという、条例を作るという話。大変な変わりようです。これも隅田川ルネサンス
の会議のおかげかなと、非常にうれしく思っております。
それから、もう一つの感想ですが、知事本局が今、まとめ役をやっていますが、言いに
くいことですが、ふだんは縦割りでなかなか連携がとれない各部局あるいは各区、あるい
は各観光協会それぞれが、縦ではなくて、この場はまさに横に連携していて、企画がダブ
る面もあれば、そこでどうするか話し合って調整するということで、この事業が非常に実
施しやすくなっている。恐らく、こういうケースがどんどん行政とか民間でふえてくれば、
こういうものは隅田川ルネサンスの会議に限らず、すごく進んでいくのではないか。
そういう意味で、大雑把な感想で、しかも、まだ進行中のことですが、大変うれしく思
っております。
【宮田会長】
竹内先生、ありがとうございました。さすが江戸博の館長でございます
ね。全体感をすっとおまとめになられました。特に防災船着場は、本当にそんな感じがい
たします。
それでは陣内先生、お願い申し上げます。
【陣内専門委員長】
きょう、いろいろ伺っていて、ソフト面もハード面も着実に成果
を上げているなと、本当に実感を持ちました。
まずソフト面ではイベントも本当に活発で、やはり東京の、この隅田川に実現、あるい
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はこのルネサンスで実現することというのは西欧のまねでは困るわけで、非常に日本らし
いというか、そこにソフトもハードも、そういう「らしさ」を追求するのが大分見えてき
た。
しかし、それを日常へ、あるいは常設へと持っていくことが本当に重要で、そういうこ
とも課題として大分見えてきたと思うんです。実際にそれを推進していくものとしてはカ
フェがあるし、これは台東区の、本当に期待できると思いますし、それから船着場も、今、
竹内先生がおっしゃったように、防災船着場も一般開放するし、これからますます積極的
なものができているし、そして、そういうものをつなぐものとして、照明というのが今回
出てきたわけです。これはもう、実験しやすいことですし、皆さんの反応といいますか意
見というか、そういうものもキャッチしながら、どんどんいいものにしていけるのではな
いか。そういう魅力。そして、船着場ができれば舟運が促進できる。そうすれば、水上タ
クシーだって夢じゃないかもしれない。
そうなると、水辺の土地に、自分はもっといい建物をつくろうとか、商業施設やカフェ
をもっともっと開こうという、宮田会長がさっきおっしゃったように、だんだんみんなに
ぎわって、人が集まってきてという、商売にも行くという、だんだんその回路が見えてき
たのではないかというのがきょうの実感です。
【宮田会長】
ありがとうございました。よくおまとめいただきました。
それでは中野先生、そして池田先生とお願いしたいと思います。
【中野専門委員】
専門委員の中野です。25年度の主な取組、もうたくさん出てきて
いまして、ある意味では隔世の感がありますね。今まで、水辺というのは市民を――都民
といいますか、遠ざけていたようなイメージがあったのが、積極的な活用が図られるよう
になってきた。
それと、防災船着場も、かなり管理が厳重といいますか、私たちはよく水辺で、Eボー
トというのを使うのですが、かなり難しかったのが、一般開放の方向に来ているというこ
とで、恐らくこれから若い人たちが積極的に水辺を使ってくれるような雰囲気が出てきつ
つあるのかなと思っております。
ただし、先ほどありましたように地震の問題ですとか水害の問題も含めた安全性という
のは、やはり世界のいろいろな国々と比べても一番難しい課題だと思いますが、これはや
はり、東京都を中心として克服していくべき、マニュアルといいますか、ハード、ソフト
を含めた対応が必要なのかなと思いました。
-33-
それと、防災船着場に関連していくと、「川の駅」という言葉がようやく表に出てきま
した。実は私、七、八年前に、国土交通省河川局さんの方々と、川の駅というのを普及さ
せていこうという運動の委員会の委員長を引き受け、実はロゴマークをつくりました。ロ
ゴマークも、今まで国土交通省さんの「道の駅」というのがかなり厳重に管理されていま
すが、それはむしろ民間のほうで積極的に使えるような形の仕組みになっています。その
意味では、できればそのロゴマークを使っていただいて、普及させていく方向にしていた
だければと思います。
ただ、そこはハードだけではなくて、ハード、ソフト両方ないと、川の駅のマークを使
ってはいけないというルールをつくりまして、早速、大阪の川の駅もそのロゴマークを使
っていただいています。ロゴマークの選定委員会の委員長は法政大学の名誉教授の田村明
さんで、残念ながらお亡くなりになりました。私は副委員長でした。あと、元国土地理院
長の野村さんという方にも協力いただき、地図に入れた場合どう見えるかということもア
ドバイスいただきました。公募して決めた経緯がありますので、もしできれば、そのハー
ド、ソフトも含めたものをご理解いただき、使っていただければと思っておりますので、
よろしくお願いします。
以上です。
【宮田会長】
大変貴重なご意見でございます。ありがとうございました。ロゴマーク
というのは結構、皆さん今、胸につけていますが、東京誘致、そんな感じで、隅田川のロ
ゴマークも期待したいと思います。
池田先生、お願い申し上げます。
【池田専門委員】
最初に、今、地震のことが出たのですが、この隅田川ルネサンスの
一番の目指すところは親水、水に親しむということですよね。その、水に親しむというの
がなかなか、部分的な小さい公園であると可能なのですが、これだけ大きな自然の流れを
扱っているわけですから、どうしても恐怖心というのが拭い切れませんよね。その背景に
あるのは、やはり水に対する恐怖というものが底辺にあると思います。
そういう中で、きょうのお話で、今、中野委員から、各国の例を見せていただいたり、
またそれに対する沿川の建物との関係とか、そういう具体的なものとか、防災船着場とか
スーパー堤防とか、そういうものが出てきましたが、大変有効な、きょうは会議がスター
トできたと思います。
それで、ありきたりな言葉で言えば、やはり気持ちがいい空間ができるかどうかという
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ことで、それはやはり、水がきれいであるとか、風が心地よいとか、非常に季節感が感じ
られるとか、そういう部分だと思うんです。
そういう点でいいますと、一つは、先ほどの水は怖くないんだというところを、このル
ネサンスの文化性のもう一つの説得力として、どんどん説明していく必要があると思いま
す。
あとは、やはり1年間を通して見ると、冬場は相当寒いですから、あそこで時系列でい
ろいろなイベントをやりましたが、相当風が強いし、吹き飛ばされます。
その点で、やはり季節に合ったものというか、夏場だけというのもちょっと寂しいので
すが、夏は自然に人が集まりますけれども、桜もあるし花火もあるし。それ以外に、秋と
か春とかそういう部分に人が歩けるような、そういう気持ちよさ。冬はやはり、なかなか
人が川辺まで来ませんよね。そういうところを、きょうの照明、あかりなどは相当有効に、
四季を通して連続してあそこを魅力的な場所にする。夜だけではなくてですね。そういう
点では非常に大きな要素として、きょう、感じられました。
あとは、なるべく水をきれいにするという、竹内先生が前、お話を聞いたときに、子供
のときはあそこで泳げたんだ、みたいなことをお話ししていましたが、そこまでいかない
までも、小さい運河にしても、非常に水がきれいになるということを徹底的にやってほし
いし、あと、どうしても低いところに水がありますので、そういうところの部分の清潔感
とかを、特に重視してもらいたいと思います。
【宮田会長】
よろしゅうございますか。ありがとうございました。
非常にこの2時間が中身の濃い、そして期待感のある感じがいたします。
それでは、最後になりますが、これだけの多くのイベントがうまくつながるような、何
かホームページみたいなものがあると、きょうはどこへ行こうか、と探さなくても、そこ
を見れば、きょうは中央区のあそこ、あしたは台東区の、とかいうふうに、どんどんいろ
いろなところへ行ける、何か入り口の透明感というか、そういうのがあるといいなと思い
ました。せっかくのそれぞれの区、それから観光協会さんのご努力というのは大変大切な
ことだなと思っております。
それでは時間が来ましたので、事務局より、今後のスケジュール等々も含めましてお願
いしたいと思います。
【事務局】
各委員の皆様、貴重なご意見をいただきましてどうもありがとうございま
した。また、資料につきましても、これから改善させていただきたいと思います。
-35-
今後のスケジュールにつきましては、改めて日程を調整し、ご連絡させていただきます
ので、よろしくお願いいたします。
【宮田会長】
以上です。
終わりかな。皆さん、ご協力ありがとうございました。2分前で何とか。
それでは皆様、御苦労さまでございました。また発展することを期待しております。
田中さん、いいプレゼンをありがとうございました。
【LPA田中氏】
ありがとうございました。
――
-36-
了
――
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