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- 5 - 【パネルディスカッション発言要旨】 大宮教授 みなさんこんにちは

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- 5 - 【パネルディスカッション発言要旨】 大宮教授 みなさんこんにちは
【パネルディスカッション発言要旨】
大宮教授
みなさんこんにちは。コーディネーターを務めます高崎経済大学の大宮
です。
ここからは「MICEで拓く 群馬の未来」をテーマにパネルディスカ
ッションを行ってまいります。本日は様々な分野でご活躍の皆さまにパネ
リストとしてご参加いただいておりますので、それぞれの立場から貴重な
お話をいただけることと思います。
早速、地元の経済界で活躍する原会頭から、経済界での現在の展示会や
見本市といったコンベンションへの取組や開催の状況、コンベンションに
対する企業の考え方、新しいコンベンション施設に対して期待することと
いったポイントで問題提起をしていただきたいと思います。
原会頭
地元の代表ということで、大宮先生からいただいた3項目に沿って話を
したいと思います。
県内には中小の施設はありますが、大規模な展示会や見本市が開催でき
る施設は存在しません。コンベンション施設ができることは画期的なこと
です。群馬県の魅力もそうですが、一義的には高崎の魅力を高めないと、
来ていただいた方に満足いただけない、そういう責任も出てきたと思いま
す。来週、高崎新観光戦略懇談会が発足し、これを出発点として群馬県全
体の活性化に繋げていきたいと思います。
2015年度には北陸新幹線が金沢まで延伸します。それを睨んで、北
陸新幹線沿線都市交流会というのを立ち上げました。交流人口を増やす上
で、これまで首都圏を見てきましたが、関西、北陸方面からの集客の必要
性を強く感じました。高崎から2時間圏で考えると金沢まで入ってきま
す。また、北関東自動車道が開通しましたが、水戸まで2時間で行けま
す。これからは1時間圏ではなく、2時間圏まで広げて考える必要がある
のではないでしょうか。そうすると、高崎を起点にした交流人口は4千6
百万人になります。コンベンションなどを大きな魅力として、高崎や群馬
を最終観光地とできるかが、これからの群馬の発展にとって重要となりま
す。
群馬は宣伝が下手です。この春も大阪で食博覧会というものがあり、そ
こに出展しましたが、草津や伊香保は知っているがそれが群馬だという認
識がありません。草津などは長野県と勘違いしている人もいました。いず
れにせよ2時間圏内に4千6百万人という交流人口がいる、全国有数の交
通拠点性をフルに活かしながら、この事業を成功させていかなければなら
ないし、高崎の経済界も大いに期待をして、また頑張っていかなければな
らないと思っています。
大宮教授
原会頭から、現状はコンベンションや施設活用までキチッとした方向性
がある訳ではないので、ここをしっかりしなければならないということか
ら始まって、新幹線により拠点性が高まっているが、通過点にならないよ
うに、コンベンション施設を有効な拠点として、4千6百万人の交流人口
をしっかりと受け止めるようにしたいとの話がありました。
それでは群馬大学の高田学長から、学術会議あるいは医学関係の国際会
議など色々と開催されている視点から、今度の新しいコンベンション施設
への意見をお願いします。
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高田学長
群馬大学の学長の高田でございます。学会といっても、なじみのない方
も多いと思いますので、どういうことをやっているか、またそこで何が足
りなくて何が良かったかなどについて私どもの経験をお話ししたいと思い
ます。
情報化の時代であり、学会を開催せずともインターネットで足りるじゃ
ないかと考える方もいらっしゃると思いますが、逆にそうであればこそ、
そこに行けば誰かに会えるということが魅力になってきています。参加者
は百人~2百人程度のものから、4千人以上の大規模のものまでありま
す。全国規模の学会では千人から2千人規模が多く、そういったものを前
橋で開催することが多くなっておりました。4千人規模となると会場が決
まってきます。県民会館では、最大2千人ですので、グリーンドーム前橋
で開催しました。しかし、大きな会場が一つあれば足りる訳ではなく、全
員で講演を聞いた後は、専門分野ごとに分かれて会議をしますが、この会
場が足りません。グリーンドーム前橋はそういった会場がありません。そ
うなると他施設の会議室も併せて使うということになります。大きな国際
学会では、みんなで集まった後、それぞれの専門分野に分かれてサテライ
トとしてリゾートでやることも多く、そのためには様々な会場を準備する
必要があります。
学会には一般の参加者だけでなく招待者がいます。国際学会は特に多
く、相応の宿泊施設が必要になります。奥様を同伴される方も多いです。
このため国際学会ではソーシャルプログラムと呼ばれる学会中に並行し
て、ツアーやお茶会などをセットでやることが多くあります。
次はホテルです。ホテルは決定的に不足しています。また、国際学会以
外の学会もグローバル化しています。要望があるのは、外国の方に安心し
て泊まって貰えるフロントの対応やサービスのあるホテルです。
最近、国際学会では重粒子線関係の学会がありましたが、これだと6百
人ぐらい外国の方が来ました。一番大事なのは、地元が歓迎するムードで
す。パシフィコ横浜で開催することも多いのですが、歓迎の旗があった
り、参加者に対する優待サービスもあります。そうなると施設だけでな
く、地域で取り組むことが大切であり、それが地域のイメージアップにも
繋がってきます。それと、大事なのは価格面です。資金に十分余裕のある
学会もありますが、基本的には資金は十分ではないので、みなさん苦労し
ています。高崎のコンベンション施設では、リーズナブルな価格で利用が
できればと思います。
大宮教授
ありがとうございました。高田学長からは、実際に群馬大学を中心に行
われている学会の苦労話を中心に、現状を紹介していただきました。2千
人、3千人規模になる時には、バランスの取れた会場の確保が難しいとい
うことでした。また、ホテルの確保が困難であり、外国からの参加者に対
応できるホテルが求められているとのことです。それから、ホスピタリテ
ィ、歓迎のムード、受け入れ体制が整っていることが重要であり、最後に
価格の問題をどうするかといったお話しがありました。
それでは、群馬県出身ではありますが、世界的に活躍され、外から群馬
県を見られている吉川相談役から、企業経営者として、コンベンション施
設に関する考え方、群馬県の可能性についてお話をいただければと思いま
す。よろしくお願いします。
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吉川相談役
吉川でございます。県外から見た視点から気づいた事を申し上げます。
まずは総論ですが、私は仕事で全国各地を回ってきましたが、群馬の利点
は交通の要衝であり、素晴らしい自然があることです。気候も空っ風程度
の風は全国にあり、気にする程ではなく温暖です。そういった意味で、群
馬は発展性、可能性を持った県であると思っています。
しかし、群馬県はブランド力が低迷していることが証明するように、視
野があまり広くありません。内向きで、外と自分を比較するという視点が
ありません。未だに前橋と高崎で争っている。こんなの非常識です。もっ
と協力して外と戦うという強い視点を県民全体が持たないといけません。
まずは基本コンセプトとして、東京には勝てないので、北関東随一とい
う視点を共通の認識としてはどうかと思います。以下、この視点に基づき
5~6点、各論を申し上げたいと思います。
まず1点目として、県民が楽しむこと以上に、県外から人を呼び込むこ
とが重要です。交通の要衝というのは、便利であるが魅力がなければ通過
されてしまいます。高崎だからという何かしらの魅力で、まずはワンスト
ップさせるという姿勢が必要だと思います。例えば、国際会議の誘致で
す。医療、教育、文化等切り口はたくさんあります。
2点目として、具体的にどんなイメージがあるかということですが、太
田、伊勢崎という先端的なものづくりや、群馬大学が重粒子線治療施設と
いう全国でも少ない、非常に高い医療レベルを誇ってます。シンガポー
ル、中国や韓国といった、受験勉強が日本より遙かに進んでいる国と、高
校生の問題や受験教育の課題について交流するなども切り口になると思い
ます。切り口は、工夫すればたくさんあります。
3点目として、アジアの音楽や芸術も良いです。目先の取りつきやすい
視点から、アジア、ロシアをターゲットにして少なくとも年間10~15
回ぐらいは、イベントを開催したらいいと思います。国内的な視点では、
北関東の拠点という位置づけで一流のライブをやれれば良いと思います。
1万人レベルですが、東京からも人が来るでしょう。また、国内のバレエ
や歌舞伎、海外で活躍する方など、音楽家や芸術家はお金がない人が多い
ので、アルバイト感覚で来てくれます。
次に4点目ですが、来客した人達を群馬の様々な観光に繋げていくこと
です。先ほどから宿泊施設のことが話に出ています。高崎にはかなりのホ
テルがありますが、ほとんどが出張者向けです。海外のセレブが宿泊でき
るレベルではありません。特にセキュリティが駄目です。そういったレベ
ルの宿泊施設が必要です。私は全国にホテルを9千室持つ藤田観光の運営
に相談役として携わっていますが、ホテルの経営は大変難しいもので、宿
泊では大体儲からないのです。宿泊で利益を上げるには、値段との関係も
ありますが、8割ぐらいの稼働率が必要となります。黒字になるのは、パ
ーティ、宴会、食です。こういうものと組み合わせて、ようやくホテルは
黒字になります。ホテルの質や規模は、プロフェッショナルな人達が、相
当に検討しないといけません。もし、吉川手伝いをしろと言われれば、我
が社のノウハウを提供しない訳にはいかないと思っております。
食で言いますと、高崎は美味しい店はありますが、トップレベルではあ
りません。ミシュランレベルの和洋食を中央から呼び寄せるとか、中華で
も中途半端ではなく、本格的な中華を横浜から呼び寄せるとか、そういう
視点が必要になります。
運営については、天下り先にしないで欲しいと思います。役所のみなさ
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んが悪いという訳ではなく、予算を執行、消化することを旨とする役所の
文化と、投資したものを回収する民間では基本的に育ち方が違うというこ
とです。コンベンション施設は投資したらそれを回収するぐらいの気持ち
が必要となります。民間のトップや営業、あるいはサービスなどをスカウ
トした方が良いでしょう。
音楽ホールや体育館も近くに新設されると聞いています。良い物ができ
るということで、しっかりと連携をした方がいいと思います。
県民が常時集まれる施設ということで、名古屋では有機野菜の直売セン
ターが非常に成功して、1日千人もの来客があると聞きます。何かそうい
った住民が気楽に来られる場所を併設したら良いのではないでしょうか。
また、運営にあたっては県内のみなさんとは別に、県外で色々と活躍さ
れる方を、アドバイザリー委員会のような形で、コンベンションのトップ
に定期的に意見をするような形を取ってはどうかと思います。
上毛新聞、群馬テレビは頑張って欲しいと思います。どんどんタダで記
事を書いて盛り上げて欲しいです。地元メディアの使命であると思いま
す。
大宮教授
浅井名誉会長
色々な指摘がありましたが、基本的には素晴らしい資源を持っているの
に、それを活かせていないという話から、外から人を呼び込む具体的な方
策の指摘をいただきました。また、魅力を作って、外から人を連れてき
て、それを回遊させて、総合力で勝負するという話をいただきました。そ
れから、民間を活用し、今日のように外部からアドバイザーのような形で
意見を入れてしっかり運営すること。最後にマスコミの話と、県民が集ま
ることも大事だという話がありました。
それでは、先ほど非常に面白い講演をしていただいた、浅井名誉会長か
ら言い足りなかったこと、あるいは今までの意見を受けて感じたことなど
をお願いします。
話を聞いていてキーワードがいくつか出てきました。1つは県外という
ことです。県外、国外からもMICEを持ってこなければ、県内の経済効
果は変わりません。外と協力するには、外と同じぐらいのレベルのホテル
がないと難しいと思います。これはビジネスホテルの業界の人達にも良い
ことなのです。トップはそこに泊まって、それ以外の人たちはビジネスホ
テルに泊まるのです。総需要は間違いなく大きくなります。
私は10何年こういった話をしていますが、コンベンションの話をする
ときはどこに行っても色気がありません。全然会場が官能的ではないので
す。グレーと黒とで、全然色がありません。これはとても不思議であり、
日本にMICEが息づかない1つの理由であろうと思います。我々海外の
MICE関係者の78%は女性会員です。コンベンションの業態は女性が
活躍する舞台なので、安倍首相が進めるアベノミクスにある女性の社会進
出にも沿うので、是非ともお願いしたいと思います。
ミーティングの原則を理解していない人が多く、どうしても社内の会議
や国会の質疑応答などを想像してしまいますが、何かを生み出すのがミー
ティングであり、多くのミーティングは、そのようなメカニズムにはなっ
ていません。ミーティングには3原則があり、何かを解決する、未来に向
かって良い意思決定をする、それから信頼関係を作るということです。
それから、勘違いされているのが、MICEが観光庁に収まっているの
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で誤解されやすいですが、MICEはビジネスであり、アカデミーです。
MICEはレジャーとも補完関係にあります。リゾートの宿泊は週末が混
んでおりますが、平日のデスティネーションとして利用するので、リゾー
ト側にも大きなメリットがあります。
シンガポールではやっていることですが、アカデミックな場所でビジネ
スを教えています。日本にはホテルマネジメントスクールはありません。
なぜなら、文科省がホテルは産業ではないと決めつけているからです。日
本でも国はすぐ誘致という言葉使いますが、ロビイストも大していないの
で、誘致はできません。群馬でもビジネスクラスターをしっかり育て、勝
手に向こうが来る仕組みを作ることが大事です。
よくある静岡らしさ、長崎らしさみたいなものは、全然分かっていない
方の意見です。群馬に来れば何が解決できるのか、そういうことが大事で
す。神戸はメディカルコンベンション都市として、20世紀は頑張りまし
たがそれでは足りません。だから、CからMICEになったのです。パシ
フィコ横浜で、コンベンションは20%しかありません。後は、握手会や
コンサート、家具フェアなどもあり稼働率が80%ほどになっています。
イベントを外から持ってくるということを戦略的に考えなければいけませ
ん。5年、10年はすぐ来てしまいます。
大宮教授
ありがとうございました。非常に興味深いお話をいただきました。MI
CE、ミーティングというと、会議を開くというイメージですが、問題解
決を具体的に示して始めないと、うまくいかないということだと思いま
す。国際会議、イベントを具体的なものとして設定して、それを実現する
ためにどうするのかということを、マーケティングもターゲットを絞り、
取り組まないと5年、10年はすぐ来てしまうというお話でした。
それぞれの問題提起をしていただきました。共通の問題は、外から客を
どんなふうに呼び込んでいくのか。魅力はあるが、それを使って呼び込む
形になっていない。それをみなさんがお話いただいたと思います。もう一
つみなさんに、具体的なコンベンション施設の可能性と、魅力の展開につ
いて、コンベンションの活用、魅力づくりから具体的なものがありました
ら、一言ずついただけたらと思います。原会頭お願いいたします。
原会頭
先ほど、高田学長からも、大宮教授からも価格というお話がありました
が、今年と去年2回、丸の内の丸ビルを借りて、高崎ビジネス誘致キャン
ペーン2013というのを実施しました。驚いたのが、とにかく高いこと
です。3日間で8百万円くらいするのです。その時感じましたが、高崎の
コンベンション施設は、価格面が大きな誘致の要素になると考えておりま
す。それから、高崎商工会議所で少し前ですが、高崎と宇都宮を比べてホ
テル面で、何が大きく違うのか統計を取ったことがございます。その時の
結論で、高崎は宇都宮と比べて、団体の宿泊客と外国人の宿泊客が極めて
少ないといった話がありました。交通の拠点性というものを、体系的に見
直し、人を呼び寄せる大きな材料にしていただきたいと思っております。
大宮教授
高田学長
ありがとうございました。それでは、高田学長お願いします。
会場は立派なものができるとは思うのですが、問題は運営だと思いま
す。継続的に学会を引き受けることのできる体制づくりが大事だと思いま
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す。私どもも学会を前橋でやるときは、前橋観光コンベンション協会にお
願いするのですが、いろんな手配を全部してくださるので、非常にスムー
ズに行き感謝しております。それから、民間の運営の方が良いのではとい
うお話がございましたが、確かに私どもも公のものを借りると、朝はなか
なか鍵が開かない等、実際の運営面で支障が生じることがあります。特に
国際学会ですと、朝は8時くらいから全体会議をやって、それから個別の
会議というのが普通だと思います。臨機応変に使いやすい形にしていただ
けると良いと思います。
大宮教授
ありがとうございます。原会頭から価格競争で優位性を取るということ
とか、宇都宮と比べて団体客や外国人客が少ないことをどうするのかとい
う問題提起がありました。高田学長からは、自由な臨機応変な運営をして
いかないと魅力に繋がらないというお話をいただきました。それでは、吉
川相談役お願いします。
吉川相談役
経営者の視点で、コンベンションを運営する、経営するという視点で考
えまして、やはりコスト、価格、サービスの質だと思うんです。価格は、
高い価格で稼働率を下げるのか、低い価格で稼働率を上げるのかとなると
思います。これだけの巨額の投資なので、投資そのものは回収はできませ
んが、赤字を出さずに運営するために、価格を下げて稼働率を上げるとい
う作戦が大事だと思います。固定費を吸収するためには、経営的には稼働
率を上げるというのが良い思います。もう1つ、質はやはりサービスで
す。ここで働く人たちが、群馬レベル高崎レベルでなくて、本当に高いレ
ベルのサービスを提供する。それにはやはり働く人たちの教育を徹底的に
やるということで魅力が出てくるのだろうと思います。
大宮教授
ありがとうございます。稼働率の問題と、サービスの質の高いレベルの
提供ということで、ここは真剣に取り組んでいかなければいけないという
指摘をいただきました。それでは、最後に浅井名誉会長お願いします。
浅井名誉会長
運営・経営という面で、日本国中うまくいっていない箱物施設というの
は、指定管理業者に任せっきりになっています。中央にある管理会社でや
っていることが多いです。責任形態がどういう形であれ、できれば地元で
運営し、経営もする方がいいでしょう。指定管理者制度の弱点というの
は、運営だけやっているところなんです。低価格で取ってきて、運営をし
ているだけなんです。収益を上げていかなければいけない施設では、こう
いうことをやっていく必要があると思います。いい例として、富山国際会
議場では女性10人くらいの株式会社PCOという、会議運営会社があり
ます。この運営会社がしっかりしていて、国際会議でもうまく受けている
ので、地元の全体的なレベルを上げるためにも、収益を上げるためにも良
い取組だと思います。パシフィコ横浜もAPECで独り勝ちと思われてま
すが、東京と比べたら死に物狂いです。優秀なセールスチームがいて、学
会の先生たちは事前に資金がないので、先に貸し付けをするといった工夫
もしています。やはり、創意と工夫というものが、今後の施設に求められ
るものだと思います。
大宮教授
ありがとうございました。原さん、高田さん、吉川さん、浅井さんか
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ら、マネジメントをしっかりやらないと、いい物を、いい場所に広大な敷
地の中で造っても結果は駄目だと。しっかりと人材を作って、魅力のある
コストパフォーマンスが回るような施設にするために、いろんな工夫が必
要だということをご提案いただきました。
会場の方から、2、3質問を受けたいと思いますが、何か質問あるいは
ご意見がございましたらお願いいたします。
桂川県議
今日はありがとうございました。県議会議員の桂川です。浅井先生にお
伺いしたいのですが、ビジネスの方を呼ぶためには、私たちが考えて、群
馬に来たら何を解決できるのかということを提案しなければいけないと思
いますが、そのことについてもう少しお話しいただけますでしょうか。
浅井名誉会長
そんなに難しく考えないで、身近な興味を持てる目的があればいいと思
います。MICEというのは、1つは目的を持って集まります。2つ目は
コミュニケーションの場、3つ目は情報の集まるところ、4つ目は未来に
向かっていい結果を出すために行うんです。そのためには何でもいいんだ
と思います。例えば、世界酒グランプリとして、そこで日本のいい酒のラ
ンキングを決めてはどうでしょう。ミシュランのシェフも、日本のシェフ
も皆日本酒が好きだから、効果があるのではないでしょうか。問題解決を
しようと難しく考えるのではなくて、身近なことから考えていただければ
いいのではないでしょうか。
桂川県議
難しく考えていたようです。ありがとうございます。もう1つお伺いし
ますが、運営というのがとても大事になると思っておりますが、例えば、
数年後この施設ができるということで、既にどの程度のものを用意してお
くかを検討しておかなければいけない時期だと思うのですが、外から呼び
込む期間というのは、大体どのくらい前からでしょうか。
浅井名誉会長
ほとんどのMICEが周期で開催されます。例えばあるイベントでは、
今2020年の開催地を決めています。ということは、2019年まで行
き先が決まっています。6、7年先のデスティネーションをやっていま
す。インセンティブですと大体1年半ずつで目的地が回ってます。企業の
関係ですと1年を切って、証券会社ですと、3千人くらいでも3カ月前か
ら動くというのが現実です。ですから、一概にすべてのMICEがこう動
くということは言いませんが、それぞれの業種であったり、それぞれのタ
イプで大体の動きは決まってます。ですから、初年度に10件くらいご祝
儀のイベントがあるようにするためには、もう既に動かなくてはいけませ
ん。それから、運営の方もどの程度レベルを上げるという検討も必要です
けれども、会議施設や展示会施設ということでは、世界的な展示会施設の
協会とか会議施設の協会とかございますので、そこが最低定めているスタ
ンダードというものはきちっとやるということです。我々はホスピタリテ
ィは求めてません。どちらかというと機能面でのスタンダードを良く調べ
られたらいいと思います。
本村先生
前橋工科大学の非常勤講師を務めております。本村と申します。私は生
まれ育ちが大分県大分市です。他県の者から見まして、群馬県というのは
水も空気もきれいで、東京にも近く、農業も工業も大変盛んな地域であ
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り、大変ポテンシャルの高い県だと思っております。魅力をフルに活かせ
ていないというのは、吉川先生と同じ意見です。コンベンション施設を活
用して、群馬県の魅力をもっと発信できると思っております。例えば、医
療を切り口に、滞在者をもっと増やす。さらに、群馬大学医学部の重粒子
線治療施設は非常に価値があり、学問の世界でももっと活用できるもので
す。他にもいろいろなアイデアがあってしかるべきだと思うのです。是
非、もっと群馬の魅力をアピールするようなアイデアを出していただけれ
ばと思っているのですが、いかがでしょうか。原会頭お願いします。
原会頭
先ほどから高崎のオフィスの集積とかショッピングの集積といった話を
していますが、もう少し具体的に申しますと、東口周辺の栄町の数棟の建
物だけで約百社が入っております。これはほとんど首都圏に本社がござい
ます大企業の支店・営業所でして、県内だけでなく、北関東や上信越を管
轄しているところも非常に多いです。商業集積では、西口に、モントレ
ー、高島屋、スズラン。東口にはヤマダ電機。それから、西口はビブレに
変わりまして、北関東最大級となるイオンモールの駅前進出が決まってお
ります。いろんな意味で高崎も変わってくると思いますけれども、会頭と
しても努力をしていかなければならないと考えております。余分な話です
が、毎年総務省から、工業生産額、商業売上額が発表になっております。
おかげさまで高崎は、卸売業、小売業の売上金額が約2兆9千億円ござい
ました。これは全国の都市の14番目です。1番から13番は特別区部と
政令指定都市ですから、中核市の中では高崎がトップでございまして、政
令指定都市は20あると思いますが、まだ高崎の下にも8つありますの
で、そういうことも励みにしながら頑張ってまいりたいと思います。
大宮教授
まだ、いろいろ回答して頂きたいのですが、予定の時間が迫ってきまし
たので、私の方から最後にまとめをしまして閉じたいと思っております。
今日は高崎の魅力を高めて、国内外から群馬県に交流人口を呼び込むた
めの、拠点としてのコンベンション施設ということでお話をいただきまし
た。理念的なもの、具体的な方策も含めて様々な提案がなされたと思いま
す。これをきっかけとして、魅力づくりと魅力発信を具体的、戦略的にや
っていただきたいと思います。
最後に、関係ない話でもあるんですが、この間高崎経済大学に、東大の
玄田先生が講演に来てくれました。その講演の中で、ストロングタイズと
ウィークタイズという言葉が印象に残っています。これから、コミュニテ
ィーとかまちづくりとか、ここにいるメンバーを含めてしっかりした強い
きずなをどう作っていくかという課題と、国内外に向けた緩やかなネット
ワーク、きずなをどうやって作っていくのかということが勝負になりま
す。コンベンション施設という1つの拠点をもとに、これを築くことがで
きるのかが問われると改めて感じました。皆さんも是非これからの展開に
お手伝いいただければと思います。
今日は基調講演を始めとしまして、パネルディスカッションにお付き合
いいただいた皆様に感謝したいと思います。ありがとうございました。
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