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DreamCraft - 大規模国際中継 作者： 尾上 泰夫 チオピアNPOコンサートイベント中継レポート ングの事例紹介」 「AKAMAIを利用した大規模ストリーミ 尾上泰夫 AKAMAIネットワーク配信の仕組みと運用事例 世界規模で高品質な配信を約束してくれる アカマイ社（ www.akamai.com）は、エッジ キャッシュでコンテンツデリバリーサービスを行う老舗である。 CNNをはじめマスメディア各社、Apple、IBM、SONY、Microsoft、Yahooなど、世界の人気サイ トがそろってアカマイ社を利用するには、パフォーマンスと安心感を両立した実績にあるのだ 。コンテンツデリバリの仕組みを説明する前に、映像を配信するWebCastの仕組みを業務例か ら簡単に紹介しよう。 1 / 2 DreamCraft - 大規模国際中継 作者： 尾上 泰夫 まず、ライブ中継の例として１１月１１日にエチオピアで行われた環境問題を考えるNPOの呼 信する作業で見てみよう。 たコンサートイベント「いだき」エチオピアコンサートをインターネットでストリーミング配 報センター、エチオピア商船公社、エチオピア航空公社、NPOいのち、NPO高麗の主催で行われ 税庁、エチオピア観光局、エチオピア電信電話公社、エチオピアテレビジョン公社、ワルタ情 びかけで、エチオピア情報文化省、アチオピア外務省、アディスアベバ行政府、エチオピア関 10万人規模の動員、メスケル広場を埋め尽くした群集へ大型スクリーン8台に斎藤忠光が2年間 でも確認できる音響設備となっている。 ド状のステージでは、教会に設置するようなパイプオルガンを持ち込み、数キロはなれた場所 にわたりエチオピア各地を撮影した映像を映写。大規模なスピーカー群を吊り下げるピラミッ て展開したところだ。 継と、インターネットを組み合わせた配信で応じるインタラクティブなメディアイベントとし 今回のイベントの特徴は、インターネットで世界各地よりメッセージを受け取り、衛星中 う。 インテルサットを中継に利用した世界衛星生放送で国際間コンテンツ配信を各国テレビ局へ行 ート収録をエチオピアテレビジョン公社と、日本実行委員会との共同チームで制作を担当し、 はじめに、素材となる映像だが、会場となるエチオピアのコンサ 次にその中継画像を東京のKDDI（大手町）にて受信し、イ のStreamFactryと、技術検証でDPSのNetStreamerを利用する。 ンターネット用にエンコードを行う。この部分を弊社（FTT）で行っている。機材はPINNACLE コンサート映像は、後に DVDでの出版予定も ーム素材と、後に利用するオンデマンド用の素材を記録する。 DSR2000を用いてDVCAMへ録画しながら、SDIでエンコーダーへ分配し、リアルタイムでストリ あるのでSONY 当然現地で各カメラの素材はキープしている（ PAL）上に、カメラは1台だがHDでも収録を行っている。 い。 だけで済む他、既存のテレビ中継技術を利用することで安定した作業ができるメリットは大き 海外イベントの世界中継で、エンコード作業を日本国内で行えるのは、スタッフの移動が国内 エンコード作業では、ここで 内にあるストリームサーバーへライブ転送を行うわけだ。 RealVideoと、WindowsMediaのストリームファイルを、それぞれのファーストノードとなる国 （ W（アカマイ）のエッジキャッシュでのコンテンツデリバリーサービスを利用することにする。 indowsMediaでは配信サーバーから取りにくるように設定） パケット転送のロスを軽減するためにCisco社のルーターを使用するなど品質管理も必要だ。 で、増加した場合の対応も意識しておかなければならない。 ）とライブで合流するイベントなので、瞬間的に予想を越える視聴者が訪れる可能性もあるの オサーバーの配置場所を意識することも必要となる。また、各国のテレビ放送（ニュースなど トリーミングでは、対象となる視聴者の接続プロバイダーに近い場所から配信するようにビデ ことにこだわらず、自在に帯域を加減できるホスティングサービスを利用するのが賢明だ。ス ライブなどの瞬間的な広帯域を必要とするサービスでは、自社のサーバー環境を利用する ンスを考慮したいので、多くの地域にまたがる配信を行う必要があった。 関係する視聴者の関心から、アメリカへ６割、ヨーロッパへ２割、アジア圏へ２割の配信バラ さらに、今回のイベントは を制限する必要が出てくるのだ。 ように回線を準備するところだ。逆にコンテンツの品質を上げてしまうと、同じ予算では人数 WebCastの難しいところは、最大の視聴者数を予測しながら、アベレージの流量を維持できる そこで、今回は弊社が取次をはじめた世界規模で高品質な配信を約束してくれるAKAMAI社 信を行い、 するのに対して、ラストノードに近い場所にあるエッジキャッシュへ効率的なコンテンツの配 このサービスは、通常ファーストノードにあるオリジナルサーバーコンテンツを何人もが視聴 らコンテンツを代理提供するサービスのことである。 2人目のユーザーからはオリジナルサーバーへアクセスすることなく直接エッジキャッシュか 世界中に１万数千台に及ぶエッジキャッシュサーバーを有する ーバーの配置実績を持つコンテンツデリバリーサービスのメジャーブランドだ。 AKAMAI社では、メジャーなプロバイダーに、ほとんどと言って良いぐらいエッジキャッシュサ 更する能力も有している。 コルをパテントで有し、インターネット全域から最適な回線を瞬時に計算して提供ルートを変 ードの混雑をバイパスしたり、複数の有効なルートを利用したアレイ転送のような転送プロト しかもエッジキャッシュへのコンテンツデリバリには衛星などの独自回線を利用してミドルノ 試みた場合、 例えばアメリカのユーザーが最初に東京にあるファーストノードのサーバーへアクセスを い。 ているが、自前で1万台を超えるビデオサーバーを世界に配置するコストを考えていただきた れるわけだ。最近では社内で、本社、海外支社とエッジキャッシュで接続する企業も増えてき ッシュで足りてしまうので、ファーストノードへのアクセスはなくなり、負担は一気に軽減さ 2人目以降の同じラストノードプロバイダーに近いユーザーは、すべてキャ 海外もコンテンツデリバリ専門会社は数社存在するが、AKAMAI社に匹 敵する総合サービスは見当たらない。 今回は ろん克明な記録がAKAMAI社から監視ツールの形でフォローされている。 る接続記録などの資料を、きちんと整理することも事後の作業と心得ておく必要がある。もち が、企画するイベントによっては料金プランによった課金方法や、マーケティングデータであ NPOのイベントで、多くの人に参加してもらうことが目的なので、課金などの制限は行わない 報道されるケースが増えてきている。 の原因になる。有名アーティストのコンサートや、期間限定の申し込みなどサーバーダウンが るのだ。さらに、短時間でサーバーへ集中するアクセスに耐え切れなくなるとサーバーダウン 近のファーストノードにあるネットワーク回線が渋滞し、タイムアウトする現象を助長してい 多くのエンドユーザーをオリジナルサーバーへ導いてしまう通常の配信方法では、サーバー付 ーバークォリティを覚悟しなければならない。 線の増量や、サーバー多重化による負荷分散など更なる投資が必要になる。これは平常時にオ オリジナルサーバーへ集中するしかない環境では、改善の方法が、高額なバックボーン回 キャッシュサービスを利用することだ。 この状態を効果的に改善するにはエッジ ロールすることができるので劇的にオリジナルサーバーでのピーク需要の扱いが改善される。 アカマイは、エンドユーザーの近くからデータを配信し、コンテンツ配信のバランスをコント 有名な話だ。 集中が発生したが、アカマイ社のサービスによってサーバーダウンを救われたのは関係者では ニューヨークでのテロ事件を報道するメディアでは、インターネット始まって以来のアクセス 今回のイベントでも、 もオリジナルサーバーへはほとんど影響を与えずに処理を行えたことをご報告しておきたい。 3時間のイベント中で、各国のニュースが流されたと思しき時間に示した急激なアクセス増加 大規模通販サイトの、McAfee や、TowerRecords など、効率的な運用にも利用されるアカマイ社 。 は中立的でグローバルなコンテンツデリバリネットワークを提供してくれるありがたい存在だ 2 / 2