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講義資料No.2
解析 B 資料 No. 2 担当:松田 晴英 1 1.3 指数関数・三角関数 三角関数 平面上で,半直線 OP が点 O を中心として回転するとき,この半直線を動径といい,動 径のはじめの位置 OX を始線といいます。 点 O のまわりの回転には 2 つの向きがあり,時計の針と反対向きの回転を正の向き,同 じ向きの回転を負の向きといいます。動径 OP の回転の量に,正の向きの回転ならば正の 符号を,負の向きの回転ならば負の記号をつけて表し,それを動径 OP の表す角といい ます。 P 正の角 X O 負の角 座標平面上で,原点 O を中心とし半径 r の円をかきます。x 軸の正の向きを始線とした とき,一般角 θ の動径がこの円と交わる点を P(X, Y ) とします。このとき, sin θ = Y , r cos θ = X , r tan θ = Y X (1) と定義します。 y r θ X -r O P(X, Y) Y r x -r さらに,sin θ, cos θ, tan θ の逆数を,それぞれ cosec θ, sec θ, cot θ と書き,θ のコセ カント,セカント,コタンジェントといいます。 cosec θ = 1 , sin θ sec θ = 1 , cos θ cot θ = 1 tan θ (2) (1), (2) で定義された θ の関数を三角関数といいます。三角関数の符号は,θ がどの象 限にあるかによって図のように定まります。 1 sinθの符号 y cosθの符号 y x O tanθの符号 y x O x O 例題 右図のような AB=1 の直角三角形 ABC において,次の問いに答えよ。 (1) BC の長さを sin A を用いて表せ。 BC BC 解答 sin A = = だから,BC = sin A AB 1 B 1 (2) AC の長さを cos A を用いて表せ。 AC AC 解答 cos A = = だから,AC = cos A AB 1 A A C (3) (1),(2) を用いて tan A を sin A, cos A を用いて表せ。 BC sin A 解答 tan A = = AC cos A (4) 三平方の定理 AC2 + BC2 = AB2 を使って sin A, cos A がみたす関係式を導け。 解答 (1), (2) より,AC = cos A,BC = sin A だから, 1 = AB2 = AC2 + BC2 = cos2 A + sin2 A ¶ ³ 三角比の基本的性質 tan A = µ sin A , cos A cos2 A + sin2 A = 1, 1 + tan2 A = 1 cos2 A ´ 練習問題 1. 右下の図において,次の問いに答えよ。 B (1) 直角三角形 ABC において,BC,AC を x, y を用いて表せ。 1 E F x y (2) 直角三角形 ABE において,BE,AE を x を用いて表せ。 2 D A C (3) 直角三角形 BEF において,BF,EF を x, y を用いて表せ。 (4) 直角三角形 AED において,AD,DE を x, y を用いて表せ。 ¶ ³ 三角比の基本的性質 II 任意の角 x, y に対して,次の関係式が成り立つ。 (a) sin(x ± y) = sin x cos y ± cos x sin y (加法定理) (b) cos(x ± y) = cos x cos y ∓ sin x sin y (加法定理) µ ´ 加法定理を使うと,2 倍角の公式,3 倍角の公式,積和公式,和積公式が得られます。 ¶ ³ 合成公式 任意の角 x, y に対して,次の関係式が成り立つ。 a sin x + b cos x = ここで,α は sin α = √ b a2 +b2 √ a2 + b2 sin(x + α) をみたす角 µ 1.4 ´ 逆三角関数 π π 5 x 5 としたとき,y = sin x は 1 対 1 の関数になるので,逆関数を定義すること 2 2 ができます。この関数を y = sin1 x または,y = arcsin x と表わし,逆正弦関数 (arc sine) といいます。つまり, ³ π π´ y = sin−1 x ⇐⇒ x = sin y − 5x5 2 2 − という関係が成り立ちます。同様にして,逆余弦関数 (arc cosine) ,逆正接関数 (arc tangent) を以下のとおりに定義します。 y = cos−1 x ⇐⇒ x = cos y y = tan−1 x ⇐⇒ x = tan y 3 (0 5 x 5 π) ³ π π´ − 5x5 2 2