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異なるペニス形状
応力 図−1に示すように、異なる形状の軸に異なる荷重が作用する場合、軸 にかかる負担はどちらが大きいかを考えたい。このような問題を考える前 に、日ごろ経験している例を取り上げて考えてみよう。 図−2に示すように、 (A)水の入ったバケツを 2 本のロープで吊り下げ る場合と、 (B)1本のロープで吊り下げる場合、を考える。ただし、吊り 下げるバケツは同じものであり、ロープは同じものを用いているものとす る。 (A)の場合、2 本のロープでバケツを支えるのに対し、 (B)の場合 は 1 本でバケツを支えているのであるから、1 本のロープが支える力で考 えれば、 (A)の場合は(B)の場合の半分である。同じバケツを支えると W 2 W いうことでは同じであっても、支えているロープの状況を考えると、(A) (B) (A) より(B)の方がロープにとってはきつい条件であるということが分かっ 図−1 たが、これはロープ 1 本当たりの支える力というように考えるこ とにより明らかになった。このような考え方を図−1の場合に応 2 本のロープ 1 本のロープ 用することを考える。図−1の(A)も(B)も断面形状が異な るが、図−2の例と同じように考えて、単位の断面積を持ったロー プのようなものが集まって図−1の(A) 、 (B)のような断面形 状が作られていると考えれば、このロープのようなもの 1 本当た りの力で考えることにすると、その値は作用している力を断面積 で割れば求まる。しかし、このようにして求めた値は、外力を断 面積で割った値であるから、軸を構成している材料の状況を知る (A) には外力ではなく、物体内で作用している力(仮想切断面に作用 (B) する力、すなわち内力)を断面積で割った値を求める必要がある。 図−2 つまり単位面積当たりの内力を考えることにより、軸を構成して いる材料がどれくらい力学的に厳しい状況に置かれているかが判断出来る。 力が作用することによって物体は変形をするが、力の作用の P 仕方によって力の変形に対する影響の仕方が異なる。例えば、 A A0 図−3に示すように断面に垂直に力が作用する場合は、一般に 物体の長さは変形後長くなり、太さは減少する(形状は変化せ ず、大きさが変化する) 。これはゴムひもを引っ張った場合を 考えれば納得できる。また、図−4に示すように断面に平行に 変形前 力を作用させると、物体はゆがみを生ずる(形状が変化する)。 変形後 これは、身近な例としては、豆腐やコンニャクにこのような力 図−3面に力が垂直に作用する場合 を負荷した場合を想像すれば納得出来るであろう。 P 材料に作用する力の厳しさを考えるとき、単位面積当 たりの力で考えればよいということであったが、図−3、 4の例から分かるように、力が面に垂直に作用するのか、 平行に作用するのかによって、変形に対する影響が異な 変形前 変形後 図−4面に力が平行に作用する場合 ることが分かった。そこで次のような物理量を定義する ことにする。 -- 垂直応力(normal stress) σ 考えている面(仮想切断面)に垂直に作用する単位面積当たりの内力。ただし、引張力が作用し ている場合を正、圧縮力の場合を負とする。垂直応力を表わす記号は、通常σ(シグマと読む) を用いる。 せん断応力(shearing stress) τ 考えている面 (仮想切断面) に平行に作用する単位面積当たりの内力。せん断応力を表わす記号は、 通常τ(タウと読む)を用いる。 ここで、考えている面(仮想切断面)の面積は、変形前と変形後とでは若干異なるが、材料力学で扱 う変形量は小さい量に限定されるので、変形前と変形後の面積を同一と見なし、変形前の面積を用いて 計算する。このように計算される垂直応力やせん断応力を公称応力と呼ぶ。また、変形後の面積を用い て計算した垂直応力やせん断応力を真応力と呼んでいる。材料力学では、特に断らない限り公称応力で 考える。使用する単位は、面積は m2、力は N であるから、応力の単位は N m であるが、これを Pa と書 2 きパスカルと読む。上記の定義だけでは分かりにくいので、例を用いて説明する。 A A B P P P x A0 A0 A0 P 図−5 軸に平行な張力を受ける軸 B C C x A0 D P P A0 D x A0 図−6 AB 間の中間 C で仮想切断した軸 図−5に示すように全長にわたって一様な断面形状を有する軸の両端を荷重 P で引っ張っている場 合を考える。軸に垂直な断面の面積を A0 とする。図−6は、軸の中間の点 C で軸に垂直な断面で仮想 切断した場合の力の作用状況を示している。仮想切断面には、 仮想切断面に垂直な方向(軸方向)に引っ 張りの内力 P が作用しており、仮想切断面に平行な方向には内力は何も作用していない。したがって、 軸に垂直な仮想切断面上の垂直応力 s0 およびせん断応力 t0 は、上述の定義から次のようになる。 v0 = P A0 x0 = 0 =0 A0 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - (1) この結果は、仮想切断した左側の物体で考えても、右側の物体で考えても同じである。 A C C θ P P A0 D x B A P P D P x A0 A0 図−7 軸と角 q をなす仮想切断面上の力 C sθ Pco P θ θ x A0 nθ i s A’ P D E C P θ sθ Pco B nθ Psi D P x A0 図−8 仮想切断面上に作用する力の分解 では次に図−7に示すように仮想切断面が軸と直交しない場合、すなわち軸と直交する切断面と角 q をなす仮想切断面上の応力を考えよう。断面上に作用する軸方向の力 P を面に垂直に作用する力と面 に平行に作用する力に分解すれば、 図−8に示すようになる。軸に垂直な断面(CE)の面積は A0 であっ たが、この場合の仮想断面(CD)の面積 A' はどのように考えたらよいだろうか。図−9は鉛直な壁に 長方形の板を立て掛け、水平な光線で板を照らしている状態を描いたものである。鉛直な壁 AB につく る板 CDEF の影の面積と板 CDEF の面積の関係は、図−8に示す軸に垂直な断面 CE と仮想切断面 CD -- A の面積の関係と同じである。図− F A 9(A)から分かるように板の C 幅 CF( あ る い は DE) と 鉛 直 な 壁 AB にできる板の影の幅は同じ である。異なるのは、板の長さ CD(あるいは FE)が CB になっ E た点である。したがって、板の面 B B D D (B) ( A) 図−9 壁に立て掛けた板の影 積と壁に出来る影の面積の割合 は、CD と CB の比で表わされる。 立て掛ける板が円形や楕円形で あっても同様である(図−9(B) に示すように、これらの形状が、奥行き方向に細長い小さな長方形の集まりと考えれば納得がいくであ ろう)。したがって、図−8の仮想切断面 CD の面積 A' と軸に垂直な断面積 A0 の関係は、次式で表わ される。 A 0 すなわち、 A' = cos i = A 0 、 cos i A' 以上の考察から、図−8に示す仮想切断面上に作用する垂直応力およびせん断応力は、 v= P cos i P cos i P = = cos2 i = v0 cos2 i A' A0 A0 cos i - - - - - - - - - - (2) P sin i P sin i P 1 x= = = sin i cos i = v0 sin i cos i = v0 sin 2i A' A0 A0 2 cos i となる。ただし、s0 は軸に垂直な仮想断面上の応力である。図−8から分かるように、仮想切断した 左側の物体で考えても、右側の物体で考えても垂直応力、せん断応力の大きさは同じであるが、その作 用方向は互いに逆向きである。これは内力がこのような性質を持っていたことから、 当然のことである。 式(2)から分かるように、軸の単軸引張の場合、垂直応力は軸に垂直な断面上(q=0, p)で最大、軸 に平行な断面上(q=p/2, 3p/2)で0である。また、せん断応力は、軸と p/4, 5p/4 をなす断面上で最大と なり、その大きさは軸に垂直な断面上に作用する垂直応力の半分である。軸と 3p/4, 7p/4 をなす断面上 でもせん断応力の大きさは同じであるが、前者は物体を時計回りに回転させるように作用しているが、 後者は物体を反時計回りに回転させるように作用している点が異なる。 --