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Page 1 学校法人北海学園 Ilekkai-Gakuen Or9anization of
 タイトル
地域ブランド構築のための住民と生産者の連携に関す
る研究 : 国道230号沿線の新規ブランドのためのイメ
ージ作り
著者
加藤, 由紀子
引用
北海商科大学論集, 1(1): 81-99
発行日
2009-11-00
81
地域 ブ ラ ン ド構 築 の た め の
住 民 と生 産者 の 連携 に関 す る研 究
一 国 道230号 沿 線 の 新 規 ブ ラ ン ドの た め の イ メ ー ジ作 り一
加
鷹.は
藤
由紀子
じめ に
r住 ん で よ し、 訪 れ て よ しの 国づ く り」 は 、2003年4月
に発 行 され たr観 光 立 国 懇 談 会 」(座 長 ・
木 村 尚三 郎 東 大 名 誉 教 授)の 報 告 書 の 副題 で あ る 。 観 光 立 圃 の 基 本 理 念 と して 、 マ ス ツー リズ ム に
代 わ り観 光 者 が 主 体 とな る 「
薪 しい型 の 観光 」 の促 進 と、 地 域 資 源 を活 用 した 「持 続 可 能 な 観 光 」
を念 頭 にお い た、 地 域 住 民 が主 導 的 に展1箔す る 「自律 的観 光 」 の 実 現 化 を函 る こ とが 盛 り込 まれ て
い る。 その3年 前 の2000年 に は 、 「21世紀 初 頭 に お け る 観 光振 興 方 策 」 が 答 申 され 、 「観 光 客 が 訪 れ
てみ た い 郵ま ち遷 は 、地 域 の住 民 が住 ん で み た い 縁 ち三 で あ る との 認 識 の も と、 従 来 は 必 ず し も
観 光 地 と して は捉 え られ て こ な か っ た 地域 も含 め 、 当 該 地 域 の 持 つ 麟然 、 文化 、 歴 史 、 産 業 等 あ ら
ゆ る 資源 を最 大 隈 に活 用 し、住 毘 や 来 訪 者 の 満足 度 の 継 続 、 資 源 の 保 金 等 の 観 点 か ら、 持 続 的 に発
展 で きる 『
観 光 ま ちづ く り選 を 、 獺 光 産業 中心 壽 に 偏 る こ とな く、 『
地 域 住 民 中 心』 に 軸足 を遣 き
なが ら推 進 す る必 要 が あ る(答 申 第45号)」 と 「観 光 まち づ く り」 が 提 唱 され て い る。
そ の後 「
住 ん で よ し、訪 れ て よ し」 は まち づ く りの キ ー ワー ドに なっ た 。 観 光 分 野 だ けで な く、
様 々 な取 り継 みが 各 地 で行 な わ れ て い る が 、 や は り過 疎化 に 悩 む 串 山間 地 域 や 空 洞 化 が 進 む 申 心 甫
街 地 な ど、多 くの地 域 に お い て 交 流 入 目 を増 や して 、 地 域 をiu性 化 す る た め の 手 段 と して 、 観 光 へ
の期1が 大 きい。
そ の 際 に よ く湖題 に な る の は 、 自分 の 住 ん で い る ま ちの 魅 力 につ い て の 認 識 の 低 さで あ る。2004
年 に 行 なわ れ た 「
観 光 立 国 に 関 す る 特 別 世 論 調 査jDで
は 、「住 ん で い る地 域(市
区 町 村)は 、 多
くの 人 が 佳 ん で み た い 、 訪 れ て み た い と思 う よ う な魅 力 的 な と こ ろ だ と思 うか 」 とい う 問 い に 対
し、 「
魅 力 的 な と ころ だ と思 う」 とu答 した 人 が 半 数(48.8%)を
思 わ な い 」 も、 半 数 近 く(45.6%)の
占め た が 、 「魅 力 的 な と こ ろ だ と
人が そ う答 え てい る こ とが 分 か っ た。 ま た 、 旧 本 国 内 で 、
佳 ん で い る 地域 以外 に 、 訪 れ て み た い 、 住 ん で み た い と思 う よ う な魅 力 的 な と こ ろ く
市 区町 村)は
あ る か 」 とい う問 い に 対 して は 、 「他 に も魅 力 的 な と こ ろが あ る(73.2°0)」 に餐 し 「他 に は魅 力 的
な と こ ろは な い(!9.4%)」
と、 自労 の 往 ん で い る所 へ の こ だ わ りが 強 く兇 ら れ ず 、 他 の まち な ど
の方 が 良 く見 え る傾 向 が み られ る。
ま ち づ く りに は 、 地域 住 民 の 主 体 的 な取 り,gみ と、 様 々 な地 域 資 源 の 活 用 が 基 本 と な る。 先 行 箏
例 の 多 くは 、 地域 資 源 の 喪 央 な ど に危 機 感 を縛 った 地 域 の 人 達 が 、 有 志 を集 め 、保 全 な ど をす る組
織 を 立 ち 上 げ 、 そ れ らの 取 り維 み の 中 で 、 資 源 の 保 全 と並 行 しなが ら利 活 用 に様 々 なzを
して き
た 。 そ れ らの 取 り組 み が 持 続 的 に行 な われ て き た結 果 、大 き な交 流 入 口 を呼 び、 毅 しい観 光 地 が 形
成 され た り、 伝統 的 観 光 地 が 再 生 され て きた 。 しか し多 くの 市 町 村 で、 こ の よ う な取 り組 み が 行 な
わ れ て い て も、 必 ず し も交 流 入 口の 増 加 に結 びつ か ず 、 生 か しき れ な い所 が 多 い のが 現 実 で あ る。
そ のLと
して は 様 々あ るだ ろ うが 、 「ま ちづ く りへ の 合 意 形 成 の 難 しさ」 「資源 の認 識 の欠 如 」
82
r源
と 来訪 者 の 期 待 との ミス マ ッチ 」 「リ ー ダ ー シ ップ を と る 人材 の 不 足 」 な どが 多 い と 思 わ れ
る。 誰 し もが 自分 た ちの 地 域 の 向 上 を願 って お り、 そ の よ う な 中、 地 域 活 姓 化 に少 しで も役 立 ちた
い と考 え、 北 海 道 観 光 を支 え る道 民 の 交 流 需 要 に、 グ リー ン ッ ー リズ ムが どの よ う に関 与 で き るか
を模 索 して い る 中で この 研 究 が 始 め た 。
2.北
海 道 の グ リー ン ツ ー リズ ム
〈1>北 海 道 の グ リ ー ン ツ ー リ ズ ム の 現 状
グ リー ンッ ー リズ ム とは 「
農 山漁 村 地域 に お い て 、 自然 、文 化 、 入 々 の交 流 を楽 しむ滞 在 型 の余
暇 活 動2>で
あ る。 具 体 的 な 活 動 内 容 と して は 、 当 初 の グ リー ン ツ ー リズ ム の 、 「農 業 ・農 村 の 活
雛 化 」 や 「自然 ・景 観 ・文 化 な どの 農 業 ・農 村 の多 面 的 機 能 の 保 全 」 「
都 市 往 民 の ゆ と りあ る余 暇
活 動 」 とい う都 市 住 民 の 論 理 で 展 開 され て い た もの か ら、 「直 売 所 で の 農 産 品 の 購 入 や 祭 りや イ ベ
ン トへ の 参 加 」 細 植 え ・稲 刈 りな どの 農 作 業 へ の 参 加 、 市 民 農 園 の 利 幣 な どの 農 業 ・農 村 体 験 」
瞠 校 教 育 の 一 環 と して 行 わ れ る農 業 ・農 村 体 験 」 も含 め て 、広 く都 市 と農 村 の 交 流 一 般 を 意 味 す
る 概 念 と して 理 解 され る よ うに なっ て きた 。
加 えて 「農 林 漁 業 体 験 民 宿 へ の 宿 泊 を通 じた 農 林 漁 業 や 人 々 との 交 流 」 や 「棚 覆 オー ナ ー 制 度 や
ワ ー キ ング ホ リデ ー 等 の 交 流 」 「地 産 地 消 や 食 育 との 関 わ り」 が)111わり、 農1!」
漁 村 の体 験 を含 ま な
い 滞 在 や 、 実 際 に労 働 や 資 金 な ど経 済 的 な支 援 な ど、 さ ら に幅 広 い 交 流 に な っ て きて い る。
北 海 遵 に お け る グ リ ー ン ツー リズ ム は比 較 的 早 くに ス タ ー ト した と い われ て い る。 特 に、 第5期
北 海 道総 合 覇 発 計 画 の蓋 本 的N標(1988-1997=1度
・1988'#)の
騨
戸の 施 策 の基 本 的 考 え方 で 、
「
都 窃 住 民 と農111漁村 伎 民 との広 域 的 な 交 流 に よ り都 市 田 園 複 合 コ ミュ ニ テ ィ を展 開 し、 豊 窟 な 国
土 資 源 を生 か して生 産 、生 濡 に か か わ る諸 活 動 の 活性 化 を図 る」 と の一 文 が あ る。 ヂ都 甫 田 園複 合
コ ミュ ニ テ ィは 、都 辮 の 活力 や利 便 牲 と繍 園生 活 の う る お い や 自然 との ふ れ あ い の 共膚 を 欝指 す も
の で あ り、 道外 や 海外 を 含 む 地域 外 か らの 多様 な 人 々 の 来 訪 を促 し、 国 民全 体 の 余 暇 活動 や 国際 交
流 な どへ の 審 与 の ほ か 、 こ れ らの 人 々 との接 触 を 通 じて 、 地域 社 会 に 清新 な 文化 的刺 激 と ビジ ネ ス
チ ャ ンス を もた らす もの と期 待 され る 」 と、 グ リー ンツ ー リズ ム に早 くか ら注 目 して い た こ とが 分
か る。
多 方(2000)は1992年
5カ 所 、 オーrヤ
鎗 月 時 点 で 、 北 海 道 に は 農轡 地 域 拠 点 宿 泊 施 設 が127カ 所 、 フ ァ ー ム イ ン
ン プ場 が35カ 所 あ った と述 べ て い る 。 農 林水 産 省 の 新 政 策 「新 しい 食 料 ・農 業 ・
農 村 政 策 の 方 向 」 の 発 表 が 漁92年6月
、 農 山 漁 村 地 区 の 活 姓 化 、 都"r}Iiと
農 山 漁 村 の 共 存 関 係 の構 築
を政 策 と して 打 ち出 し、 グ リー ン ツー リズ ム を提 噛 した 「グ リー ン ッー リズ ム 研 究 会 中 問 報 告 」 は
綱年7月 で あ る こ とか ら考 え る と、 北 海 道 にお け る グ リー ン ツー リズ ムの 展 開 は 早 く、 特 に宿 泊 を
中心 と して発 達 して き た可 能 牲 が 高 い。
北 灘 道 の フ ァー ム イ ンは、 農 家 民 宿 との 境 界 線 が 年 々明 瞭 で は な くな っ て きた も のの 、 ど ち らか
とい う と、民 宿 型 、 別荘 型 、ペ ン シ ョン71!1な
ど、 都 会 住 畏 と農 家 の 濃 密 な人 的交 流 とい う よ り、 都
会 催 民 の余 暇 活 動 の延 長 線 上 に あ る と考 え られ る。
住 腰 ス タイ ル を例 に とる と、螺ヒ海 道 は 防寒 の癬 か ら農 家 独 自 の もの は少 な く、 農 家 以 外 の民 家 な
ど と共 通 して い る もの が 多 い 。 本 州 や 九 州 の 日本 の 原 風 景 の よ う な景 観 の な か で 、100'な
どの
古 い 民 家 や茅 葺屋 根 な ど特 徴 あ る建 築物 、 こた つ や い ろ り端 な どの あ つ らえ が あ る 本州 や 九州 、 四
国 な どの 農 家 民 宿 とは 大 い に 異 な る 。
地域 ブ ラン ド構 築の ため の往 民 と生産 者の 連携 に閣 す る研 究83
ま た農 村 が 保 持 して い る農 村 文化 も、 開 拓 の 歴 史 は140年 ほ どあ る もの の 、地 域 文 化 と して は、
本 州 や 四 国 ・九 粥 な ど に比 べ る と 、 ま だ ま だ伝 続 的 な もの と い う に は浅 い。 この よ う な特 徴 を持 つ
北 海 道 の グ リ ー ン ツ ー リズ ム は、 農 業 の 形 態 や 農 村 文 化 の 違 いの み な らず 、 生 活 の 土 台 と な る地 域
形 成 な どか ら、 北 海 道 は本 弼 や 九 州 な ど の交 流 モ デ ル と は異 な るで あ ろ う。
現 在 北 海 道 で の グ リー ン ッ ー リズ ムの 取 り組 み は 、石 狩 、 後志 、 空 知 、 上111、十 勝 、 網 走 支 庁 管
内 にお い て 盛 んで あ り、fib{」{村
へ の移 住 者 や 地 域 の先 導 的 な実 践 者 に よ り始 め られ た所 も多 い 。 そ の
中で も空 知 支 庁 が 北 海 道 金 体 の4分 の1を
占 め 、 フ ァ ー ム イ ンの8割 近 くが 、 ま た農 業 体 験 の5`ail
が 空 知 支 庁 に集 約 さ れて い る。 グ リ ー ン ツ ー'Jズ ム特Cの 認 定 を受 け て い る長 沼 町の 、 町 をあ げて
の 取 り組 み は大 き く、 フ ァ ー ム イ ンや 農 業 体 験 の多 さ は群 を抜 い て い る。
も と も と空 知 支 庁 の農 業 は、 稲 作 が 中心 で あ るが 、野 菜 や 花 な どの近 郊 農 業 も展 開 され て お り、
農 業 産 出額 は金 道 の 約1割
を 占 め て い る。 札 幌 圏 に比 較 的 近 い こ と か ら、 農 朧 物 の 薩 売 や 農 作 業 体
験 な どの 取 り組 み が 盛 んで あ り、 さ ら に岩 見 沢 市 栗 沢 の 「ク ラ イ ン ガ ル テ ン」 や 深 用 市 の 「ア グ リ
工 虜 ま あぶ 」 な どの 都 市 農 村 交 流 施 設 も早 くか ら設 置 さ れ て い る。
北 海 遂 に は2007年 末 で 延 べ2084件 の グ リ ー ンツ ー リズ ム 関連 施 設 が あ るが 、北 海 道 の 人 口の3分
の1を
占め る札 幌 市 周 辺 に は、 空 知 支 庁549件 、腿 振 支 庁112件 、 石 狩 支 庁263件 、 後 志 支Jr179T`-Fと
半 数 近 くの グ'J一 ン ツー リ ズ ム 関連 施 設 が あ る。 札 幌 毒 が 属 す る石 狩 支 庁 で は フ ァ ー ム イ ンの 登 録
は な く、観 光 農 園57件 と市Eatsfi'〈
園 の40件 は 全 道 で は最 多 で あ り、 薩 売 場 も窒 知 支 庁 に継 ぐ197件 と
札 幌 市 とい う大 都 寮 圏の ニ ー ズ に合 わせ た もの に な っ て い る と思 わ れ る(表1>。
そ れ ぞ れ の 施 設 で 展 開 さ れ て い る もの の具 体 的 な 内容 と して は 、叡 穫 な ど畑 作 体 験 ・稲 作 体 験 、
酪 農 作 業 体 験 、 農 業 施 設 晃 学 な どの 「体 験 兇 挙 」、 イ チ ゴ摘 み 、 ブ ドウ狩 り、 サ ク ラ ンボ 狩 り、 リ
ン ゴ狩 りな どのr果 物 収 穫 」、 ア イ ス ク リー ムや バ タ ー な どの 乳 製 鍼 加 工 や 、 ジ ャム や ソー セ ー ジ
な ど の 食ranra加Tほか 、 草 木 染 め 、 ドラ イ フ ラ ワ ー な どの 工 芸 品 の 「工 房 体 験 」、 乗馬 をは じめ と し
て 、羊 や牛 な ど との 「動 物 との ふ れ あ い 」、 さ らに 、 カ ヌ ー 、 釣 り、 歩 くス キ ー 、 ゲ ー トボ ー ルや
パ ー ク ゴ ル フ な どの 「ス ポ ー ツ ア ク テ ィビ テ ィ」、 な どで あ り、 多 くは直 売 所 を併 設 して い る。
(2)北
海 道 民 の グ リー ンッ ー リズ ム の認 知 度
北 海 道 で は2004年3月
に 「
北 海 道 グ リー ンツ ー リズ ム推 進 計 画 」 を策 定 し、 そ れ に蛇 して の道 民
意 向 を孝
巴握 す る た め に、 「
道 民 意識 調 査 」3)を 行 な っ た。
そ れ に よ る と、 「グ リー ンッ ー リズ ム」 の 認知 度 は 、 ジ
知 らな い」 が約85%と
だ定 着 した と は書 え な い状 況 に あ る。 た だ 、2005年U月
な っ て お り、 ま だ ま
に 内 閣麿 が 行 な っ た 「
都 市 と農 山漁 村 の共
生 ・対 流 に 関 す る世 論 講 査 」む に よ る と、 「
都 市 と農 山漁 村 の 共 生 ・対 流 」 と い う取 り組 み を知 っ
て い る かFい た と こ ろ 、 「陣 い た こ とが あ り,敏 組 の 内 容 も知 っ て い る 」 が5.1%、
あ る が 、 取 組 の 内 容 ま で は 知 ら な い」 が15.6%、
「聞 い た こ とが な い 」 が73.8%と
「聞 い た こ と は
な ってい るの
で 、北 海 道 民 の認 知 度 が 一 概 に低 い とは 欝 え な い。
「グ リー ン ツー リズ ム」 の 興 味 の 度 合 い につ い て は 、 前 述 の 道 民 意 識 調 査 で は 「非 常 に興 昧 が あ
る」 が13.5°.'0、
「少 し興 味 が あ る 」 が56.3°roで、 お よ そ7割 が 興 味 を示 して い る 。 一 方 、 内 隠府 の
調査 では、「
都 市 と農 山漁 村 の 共 生 ・短 流 」 と い っ た毅 しい ラ イ フ ス タ イ ル に 関 心 が あ るか 聞 い た
と こ ろ 、「関心 が あ る」 が24.5%、
「どち らか とい う と関心 が あ る 」 が27.9%と
や 関心 の度 合 い で は 、北 海 道 の ほ うが 高 い 。
、 合計 は5割 で興 昧
84
表1グ'J一
支
庁
名
ン ・ツ ー リ ズ ム 関 連 施 設 数(支
施
設
数
レ
ス
ト
ラ
ン
フ
ア
1
ム
イ
ン
庁 別)(平
農業
観
光
農
圏
体
験
成20年
肇月1日
農 力羅
産 工
物 体
験
直
売
所
現 在)
乗
市
浅
農
園
馬
農
村
公
園
そ
の
他
石狩
263
0
8
67
57
15
197
7
畦0
2
6
渡島
138
0
1
23
16
7
73
5
4
11
40
檜山
50
0
1
2
6
1
22
2
1
8
16
後志
179
5
13
85
42
15
85
1
2
20
71
窒知
549
176
9
31
25
249
2
6
20
40
上川
237
12
!3
54
29
37
136
3
2
24
39
留萌
43
0
0
2
16
4
26
0
1
4
11
宗谷
37
1
圭
10
4
5
13
1
!
11
10
網走
!64
8
10
37
25
36
79
5
5
9
37
胆振
112
U
7
5
26
9
78
5
11
5
11
34
日高
31
1
3
5
0
2
12
8
1
4
6
十勝
173
10
22
37
17
35
71
11
4
20
63
釧路
so
7
6
20
1
15
31
12
4
2
!7
根室
28
3
1
8
0
7
9
4
0
!
13
Total
2084
223
goo
270
213
108!
66
82
9
380
144
注 〉受 入 施 設 等 の 内 訳 は延 べ 件 数 で あ る 。
出所)グ
リー ン ・ッ ー リズ ム 関連 施 設 調 査(2008)北
海道 。
ま た 、 農 由 漁 村 で 休 暇 を 過 ご す こ と に つ い て は 、 前 一,が 「%1:」F'過
ご し て み た い 」 が12.6%、
き れ ば 過 ご して み た い 」 が49.2°0と
、 参 加 意 欲 は6割
を 超 す 。 後 者(緒il市
「で
と 農 山 漁 村 の 暴≒生 ・対
流 」 とい っ た新 しい ラ イ フ ス タ イ ル を 麟分 で 実 践 して み た い とい う願 望 が あ るか 聞 い た と こ ろ、
「あ る 」9.9%「
ど ち ら か と い う と あ る 」20.1%で
あ っ た)と
姥 べ る とほ ぼ倍 近 い。
こ の よ うに 、北 海 道民 の グ リー ン ツ ー リ ズ ム に対 す る関 心 は高 い。 実 際 に グ リー ン ツ ー リ ズ ムの
内 容 に 踏 み 込 ん で み る と 、 北 海 道 の 調 査 か ら は 、rグ
し て は 、Cみ
ど り と や す ら ぎ 」(44.7%)、
果 物 σ)戯 売 」(31.4%)な
で)1ヨ
「都 市 の 人 と 農 山 漁 村 の 人 と の 交 流 」(39.1%〉
ど で あ り、 体 験 の 形 態 に つ い て は 、 「111人で(あ
的 地 に 行 き 、 体 験 し た い 」(48.9%)が
ま た 、Xtiu3す
(14.7%)、
る体 験 日数 につ い て は
「4泊 以 上 」(6.0%)な
構 が 行 な っ た 、 首 都 圏30km(rl内
ム ニ ー ズ 調 査(交
リー ン ツー リ ズ ム」 か ら遮 想 す る イ メー ジ と
る い は 家 族 や友 入 岡 士
最 も多 い 。
「2∼3泊
」(52.3%)、
ど と な っ て い る が 、 こ れ ら は(財
に 居 住 す る40歳
流 意 向 調 査)」S>の
、 「野 菜 や
以 上70歳
「1泊
」(16.4%)、
「iヨ帰 り」
〉 都r15農 由 漁 村 交 流 活 性 化 機
未 満 の 男 女 に よる
ヂグ リ ー ン ・ツ ー リ ズ
結 果 と 類 似 して い る 。
次 に 、 農 由 漁 村 で 体 験 す る 、 体 験 を 鍵 供 す る こ と に 関 し て 興 味 の あ る も の と し て は 、 「野 菜 や 果
地域 ブ ラ ン ド構築 の ため の住艮 と生 産者 の連 携 に閣す る研 究85
物 の も ぎ取 り」(49.4%)、
(36.3%)、
「チ ー ズ ・バ タ ー ・ア イ ス ク リー ム づ く り」(37.5°o)、 「森 林 散 策 」
「そ ば う ち」(24.5%)な
どで あ り、 特 に 上 位 に挙 げ られ た 「野 菜 や 果 物 の も ぎ取 り」、
「チ ー ズ ・バ タ ー ・ア イ ス ク リー ムづ く りJな どは 、 どち ら か とい う と農 業 体 験 と い う よ り、 レ
ジ ャー 感 覚 で の 参 加 に近 い 。
この よ うな こ とか ら、 北 海 道 で は グ リー ン ッ ー リズ ム とい う名 称 の 使 用 如 何 を問 わず 、 都 市 住 幾
は も ぎ取 りや 食 晶加 工 体 験 な どに古 くか ら親 しんで い た と思 わ れ る。 グ リ ー ン ツ,aズ
ムの認知
疫 と興 味 ・関 心 の 度 含 いの 差 は、 グ リー ン ッー リズ ムが オ ル タ ネ ィ テ ィブ ツ ー リ ズ ム とい う新 しい
概 念 と して捉 え られ て い る部 分 の 差 とい う こ と な の だ ろ う。
道 内 入 目の3分 の1を
占 め る札 幌 市 は 、 「
地 域 ブ ラ ン ド調 奮2008(ブ
ラ ン ド総 合 研 究 所)」 で 、全
国 で最 も魅 力 的 な毒 区 町村 に3年 連 続 で選 ば れ て お り、ま ち の イ メ ー ジ と して は、綴 光 ・レジ ャ ー
の まち 」 で あ る と され て い る 。 札 幌 市 罠 の 観 光 ・Lジ ャー が どの よ う に な っ て い る か を 直 接 示 す
デ ー タは な い もの の 、道 央 圏 屠 住 者 が6割
を 占 め る 遵 内 観 光 客 動 態 調 査 報 告 書(2003年
・北 海 道)
か らそ の姿 を追 っ て み る と、 自家用 車 を利 用 した 家族 旅 行 や5入 以 下 の グ ル ー プ旅 行 で 、 段帰 り も
し くは1泊2日
、行 き先 に つ い て は 遠 い と ころ で は留 蕩 ・上 用 支庁 、 近場 で は 、胆 振 、石 狩 、後 志
支 庁 とい っ た傾 向 が 見 え て くる。 北 海 道 の ドラ イ ブ 旅 行 に お け る走 行 距 離 は 本 弼 と比較 す る と長 い
と考 え られ るの で 、 「
安 近 短 」 傾 向 と は一 概 に は 簿 え な い が 、 比 較 的 近 場 を中 心 と した ドラ イ ブ 旅
行 が 多 い こ とが 推測 で きる 。
多種 多 様 な 観 光 資 源 を持 って い る北 梅 道 の グ リー ン ツー リズ ムで は 、 交 流 を見 込 め る都 市住 民 と
して の 道 外 客 や 外 国 人 旅 行 客 の 客 在 もあ るが 、 参 加 す る都 市 住 民 の 多 くは 、 札 幌 を申 心 と した 道 央
圏 で あ る と言 え るだ ろ う。 も と も と 自然 景 観 な どが 、 大 都 市 と して は 恵 まれ て い る札 幌 甫 民 に と っ
て の グ リー ン ツー リズ ムの ニ ー ズ は 、 レ ク リs一 シ ョン と して の 野 外 活 動 で 、 賭 間 消 費 型 グ リー ン
ッー リズ ム で は ない か と考 え る。
(3>札
幌 市 の グ リ ー ン ツー リズ ム資 源
グ リー ン ツー リズ ム と は 「農 由漁 村 地 域 にお い て、 自然 、 文 化 、 人 々の 交 流 を楽 しむ滞 在 型 の 余
暇 活 動 」 で あ る こ と は瀞 述 したが 、 こ こ で お膝 元 の札 幌 市 のESil3-<_.に
つ い て触 れ てお き た い。
札 幌 市 の農 業 は明 治 初 期 のfirJ拓
の歴 史 に始 ま る。 開拓 使 が 設 琶 さ れ 、 ア メ リ カ か ら タマ ネ ギ の種
子 や リ ン ゴ、 ナ シ 、 ブ ドウ な どの 菌 木 を輸 入 し、札 幌 官 園 で 牛 、 馬 、 羊 な ど を飼 育 して きた 。 水
稲 、畑 作 か ら 園芸 農 業 に変 化 して きた現 在 で は 、 タ マ ネ ギ 、バ レイ シ ョ、 ホ ウ レ ンソ ウ 、 レタ ス 、
カ ボチ ャ 、 ス イ カ 、 メ ロ ン、 イ チ ゴの ほ か 、 リ ンゴ 、 サ ク ラ ンボ な ど と、 ラ イ ラ ック 、 ミス テ ィー
ブ ル ー(ハ
イ ブ リ ッ ドス ター チ ス)、 宿 根 カ ス ミ草 や 鉢 花 な ど花 卉 栽 培 も行 な って い る。1960年 に
ピー ク を迎 え た農 家 数 も、2005年 の 農 業 セ ンサ ス に よ る と、 総 農 家数1121戸 中 、 販 売 農 家 数 は772
戸 、 自給 的農 家 数 は349A、
土 地 持 ち 非 農 家 数 は401戸 に 減 っ た 。 農 家 は 主 に 珪
ヒ区 や 東 区 、南 区 に 点
在 し、 この 三 つ の 区 で 総 農 家 数 の 半 数 以 上 を占 め て い る 。 そ の な か で 今 測 調 査 を実 施 した 、爾 麓 の
販 売 農 家 数 は148戸 、 自給 的 農 家 数 は63i=、 土 地 持 ち 非 農 家 数 は26pと
なっている。
農 家 戸 数 の 滅 少 は 、 や は り高齢 化 が 大 きい とい わ れ る。 ち なみ に 農 業 従 事 者 等 の 平 均 年 齢 は 北 海
道 で54。8歳、 札 幌 市 で59.2歳 、 南 区 で61.5歳 に なる 。 基 幹 的 農 業 従 事 者 の 平 均 年 齢 は 北 海 道 で55.6
歳 、札 幌 事 で61.9歳 、 薦 区 で64.6歳 で あ り、 後 継 著 が い ない 農 家 も多 い と聞 く。
ま た 、経 営 耕 地 癒 積 と1経 営 体 当 た りの 経 営 耕 地面 積 につ い て は 、 札 幌 市 で2284ha、1経
営体
86
当 た りの経 営 耕 地 面積 は291haで
に は経 営 耕 地 廊 積 は169ha、!経
あ るが 、北 薩 や東 区 、手 稲 区 と比 べ 、 南 区 は 農 業 従 事 者 が 多 い 割
営 体 当 た りの経 営耕 地 面積 は113haと 少 ない 。
札 幌 帯 の農 業 者 経 営 耕 地 は、 都 市 化 が 進 行 し、 農 地 の 閣発 や 農 家 と住 宅 の 混 住 化 な どで 減 少 す る
一 方 で あ るが
、 併 せ て 耕 作 放 棄 地 も増 えて お り問 題 と な っ てい る。
2005年 農 林 業 セ ンサ ス に よ る と 、耕 作 放 棄 地 は 、北 海 道 全 体 で4066経 営 体 ・8760haで あ るが 、
札 親 市 は138経 営 体 ・!28haで 、特 に 南 区 は 杓 幌市 の 中 で一 番 状 況 が 悪 く、33経 営 体 ・29haで あ る
と い う。 南 区の 砥 山や 豊 滝 、 小 金 湯 の 農 家 で ヒ ア リ ン グ した と こ ろ、 や は り高 齢 化 と後 継 者 が い な
い こ と、家 族 の 介 護 で 農 地 が なか なか 管 理 で き ない な ど、 農 家 が 抱 え る共 通 の 簡 題 が 浮 か び上 が っ
た。
後 継 者 不 足 の 塁 要 な要 因 と して 、 この 地 区 に限 らず 農 家 の 所 得 が 低 い こ とが 挙 げ られ る。 ちな み
に 、 農1物 販 売 金 額 に つ い て は 、販--JG無しの[iitflt家
を除 く と、 札 幌 南 で は200万 円未 満 の 農 家 が 半 数
近 くで あ り、 南 区 は6割 近 い 。
今 回調 査 を した 札 幌 市 爾 匿 南 酉 部 は、 豊 平 用 が 形 成 す る扇 状 地 の か なめ 部 分 にあ た り、 平 地 部 分
が 少 ない 。 そ の た め 集 落 も含 め て 豊 平lilyい に細 長 く連 な り、 作 付 獅 積 が 狭 くな って い る が 、 そ の
代 わ りに水 資 源 は豊 か で 、 白川 地 区 は 札 幌 市 の 基 導1李
浄 水 場 とな って い る。 平 均 気 温 もrh街 地 に比 べ
/-2度
低 く、 冬 場 の 降 雪 量 も多 い 。 また 叢 平 川 上 流 に は 、 札 幌 市 の 奥 座 敷 と呼 ば れ て い る ヂ小 金
一
〇
.i3 と「定 由渓 」 の 二 つ の 灘 泉 が あf)
、 小 金 湯 に は 札 幌 市 の ア イヌ 文 化 交 流 施 設 「ピ リカ コ タ ン」、
rノ ー スサ フ ァ リサ ッポ ロ」 な ど の小 動 物 との ふ れ あ い 施 設 、乗 馬 、パ ー ク ゴ ル フ場 な ど観 光 資 源
も整 って い る。
該 当 地 区 で は 市 内 で も冷 涼 な気 候 を生 か して 、水 稲 、 バ レイ シ ョ、 豆 類 の ほ か 、 トマ ト、 ナ ス 、
ピー マ ン、 キ ュ ウ リ、 ホ ウ レ ン ソ ウ、 カボ チ ャ、 トウモ ロ コシ 、 アス パ ラ カス 、 大根 、 人 参 な どの
野 菜 類 と イチ ゴ を生 産 して い る。 特 に イチ ゴ を 手 が け て い る 農 家 は札 幌 宙 で は圧 倒 的 に爾 区 に 多
く、 栽 培 面 積 も広 い 。
さ らに 果 樹 も多 く、 石 狩 支 庁 の 果樹 栽 培 農 家 数 で の 札 幌 市 南 区が 占 め る割 合 は 高 い 。 サ ク ラ ン
ボ 、 プル ー ン、 プ ラム 、 モ モ 、 ブ ドウ、 洋 ナ シ、 千 両 ナ シ、 リ ン ゴ と多pp種 で 種 類 も多 い 。 この 地
区 で は山 裾 に果樹 園 が 広 が る た め 、 畑 の 標 高 に よ り 霞照 や気 温 の 違 い で 、 収穫 時 期 が 週 単位 で 異 な
る(表2)。
しか し、果 樹 を 含 め て 作 付 細 積 が 狭 く、 ロ ッ トも小 さい た め 、1907人
近 い札 幌 とい う大 消 費地
で は 少 貴 少 生 魔 で は 不 利 を否 め な い 。 通 年 ベ ー ス で イチ ゴ を栽培 して い る 他J業 か らの 参入 フ ァー
ム を除 き、 パ ー ク ゴル フ場 や レス トラ ン、釣 り堀 な どの ア クテ ィ ビテ ィな どをif-一,して い る 農 家 も
あ るが 、 果樹 を中 心 と した 農 家 は も ぎ取 りや庭 先販 売 の 果樹 園 を メ イ ン と して い る 。 一 方果 樹 以外
の 農 家 で は 、 独 麹の 販 売 網 を 持 つ 農 家 もあ る 一 方 、JAの
直 売Pli'や
霧 場 が 主 なiii荷先 で あ る 。加 工
品 と して は 、 リ ン ゴや ブ ドウ、 プ ラ ム な どが ジ ュ ー ス や ジ ャム 、梅 や根 菜類 な どは漬 物 とな っ て い
る。
生 産 鍛 が 少 な い た め 差 別 化 が 必 要 で あ る が 、札 幌 で は 余市 、仁 木 な ど同 じ作 物 の一 大 生 麗 地 が あ
り、 さ らに リ ン ゴは 青 森 県 か らの 移 入 も多 く、生 産物 の み の 差 燐化 は難 しい と考 え る。 食 の安 全 ・
安 心 は 消 費 者 に と って 最 大 の 関 心 事 で は あ る が 、 エ コフ ァー ム認 定 の取 得 や独 自 の農 法 で の栽 培 な
ど、 こ う い っ た 農 家 の 自助 努 力 が 、 もは や 特 化 の 条 件 に は な りに く くな っ て い る。 こ の よ う に グ
リー ン ツー リズ ム と して の 条件 もそ ろ っ て い る こ とか ら、札 幌 とい う大 都 市 の市 街 地 の南 のエ ッ ジ
地域 ブ ラン ド構 築の ため の住 罠 と生麗 者の 連携 に闘 する研 究87
表2販
売 農的 の作物 の作 物溺 作 付(栽培)農 家数 と作 付(栽 培)面積(果
樹)
単 位:農 家 数(戸)栽
ぶ どう
露地
市町村名
遵計
石狩支庁計
日本 な し
露地
露地
施設
りん ご
栽
培
農
家
数
栽
培
弼
積
栽
培
農
家
数
667
700
113
!0
そ の 他 の果 樹
露地
施設
栽
培
農
家
数
栽
培
灘
積
44
511
639
239
66
991
701
51
1
92
5!
2
X
裁
培
面
積
裁
培農
培 面積(ha)
家
数
栽培
栽
培
悪
積
農
家
数
栽
培
灘
積
栽
培
農家
栽
接
数
羅
15
2
2
X
23
10
11
1
X
18
7
9
X
64
24
1
X
1
X
15
6
6
X
52
21
圭
X
札幌市計
7
X
爾区
7
X
豊平区
一
常
昌
胃
三
X
1
X
6
1
西区
一
P
引
一
1
X
2
X
3
2
清田区
曽
冒
卿
一
1
X
3
1
268
322
146
47
511
389
24
117
61
7
"
,
一
曹
常
嘗
一
¶
後志支庁
494
582
95
42
空知支庁
60
47
1
X
76
114
24
4
胆振支庁
16
12
7
1
36
64
17
2
74
43
3
0
上川支庁
41
33
曽
■
17
20
14
4
78
60
3
0
留萌支庁
20
5
3
0
35
39
17
6
55
48
6
0
出森>2005年
8
X
農 林業 セ ンサ ス か ら筆 餐 作 成 。
部分 で 行 わ れ て い る こ う した 果樹 や イチ ゴな ど果 物 を含 む 都 市 農 業 を、 時 間 消 費 型 グ リー ン ツー リ
ズ ム を一 つ の 切 り目 と して 地 域 の 活 性 化 に繋 げ る こ と は意 義 あ る もの と考 え る。
3.地
(1>地
域 イ メ ー ジ と地 域 ブ ラ ン ド
域 ブ ラ ン ドの 現 状
近 年 、 地域 づ く りの 一 環 と して 、 地 域 の 産 品 か ら 「地 域 ブ ラ ン ド」 を作 る動 きが 全 国 的 に 盛 ん に
な っ て い る。 地 域 ブ ラ ン ドは 、馳 域 の 事 業 者 が 協 力 して 、 事 業 考 間 で銃 一 した ブ ラ ン ドを 用 い
て 、 当該 地域 と侮 らか の(自 然 的 、 歴 史 的 、 風 土 的 、 文 化 的 、社 会 的 等)関 連 性 を有 す る特 定 の 商
品 の生 産又 は役 務 の 提 供 を行 う取 組 み(産 業 構 造 審 議 会 知 的 財 産 政 策 部 会 「地 域 ブ ラ ン ドの 商 標 法
に お け る保 護 の在 り方 に つ い て 」 〈2005年〉)で あ る が 、2006年 に 「地 域 圃 体 商 標 鯛 慶 」 が 始 ま り、
地域 ブ ラ ン ド作 りが さ らに 加 速 した 。
地域 ブ ラ ン ドの 中 で は 、 農林 水 産 物 ・食 品 を対 象 と した もの が 多 く、 これ まで 地域 団 体 簡 標 の 登
録 査 定 を受 け た 品 護の うち 、 半 数 以 上 が 農 林水 産 物 ・食 品 と なっ て い る 。 特 に 北 海 道 の 場 合 、 第 ∼
次 産 業 産 品 につ い て は 金 国 シ ェ アが 高 く、 「
北 海 道 」 とい う地 域 の もつ 、 冷 涼 な気 候 と土 地 の 広 さ
の イ メ ー ジ か ら、 食 の ブ ラ ン ドに 対 す る 期 待 も高 い 。
20072FJに
全 国 の 消 費 者 約5千
入 を対 象 に 実 施 した 、 雛経 魔 業 地 域 研 究 所 の 「地 域 ブ ラ ン ド
88
583銘 柄 の ラ ン キ ング 」 は 、 毘 願 中 を含 む地 域 ブ ラ ン ド(地 域 団 体 商 標 〉 と同 綱 度 の 創 設 以 前 に登
録 され て い た文 字 の み 地 名 を付 け て い た 商標12銘 柄 を含 め た583銘 柄 に つ い て 、 知 名 度 、体 験 度 、
地 名 ア ピー ル 度 、 商 品 力 、 地域 独 自性 、購 入 意 向 の6項
目の ス コア の 偏 差 値 平 均 で 算 出 した もの で
あ る。 こ こで は 、 食 品 が397銘 柄 と7割 弱 を占 め て い る 。
同 調 査 に よ る と、 「夕 張 メ ロ ン」 が 地 名 ア ピー1L度 と商 品力 で トップ に な り、 総 合 で1位
とな っ
て い る。 この 「地 名 ア ピー ル 度 」 は 「この ブ ラ ン ドの 地 域 名 に ひか れ る罰 合 」 を表 して い るが 、 夕
張 メ ロ ンが 地 域 ア ピー ル度 に貢 献 して い るの は、 夕 張 メ ロ ン とい う プ ロ ダ ク トブ ラ ン ドを長 年 に わ
た っ て独 自の 贔 質 管 理 で 守 って きた こ と、9持
ちが しない とい う特 性 は あ る もの の 、 まず は道 内 、
特 に道 内 屈 指 の 観 光 地 で あ る札 幌 で 消 費 者 に支 持 を得 た こ と、 そ して 流 通 にお け る イ ン フ ラ整 備 が
大 きい。
北 海 道 の 「地 域 ブ ラ ン ド」 の認 定 お よ び 患糠 が 地 県 と比 べ て少 な い の は、 もと も とバ レイ シ ョや
玉 葱 、小 豆 な どは金 国 シ ェ アが と て も高 く、 質鑑 的 に他 県 の追 従 を受 け に くい と い う背 景 もあ る。
が 、特 に 農 産 品 や 水 産 品 は 、個 別 の 地 域 名 が つ くプ ロ ダ ク トブ ラ ン ドよ り、 「
北 海 道 」 とい う よ い
イ メ ー ジ が先 行 した 「
北 海 道 ブ ラ ン ド」 の存 在 が 大 きい と考 え る 。
金 国 レベ ル の ブ ラ ン ドに な る た め に は 、 夕 張 メ ロ ンの よ うに 、生 食 だ け で な く果汁 な どを 菓子 に
利 用 す る こ とな ど、様 々 な工 夫 が必 要 に な る.同
じ く ビ ッグ ネ ー ム の 隙 ブ ラ ン ド」 を もつ京 都 府
と比 べ て み る と、 京都 府 は京 野 菜 な どの 第 一 次 産 品 だ け で な く、 漬物 や 菓子 、 味 噌 な ど食 品加 工 さ
れ た もの も多 い 。 伝 統 工 芸 と同 じ よ うに 長 い 歴 史 を もつ 食 晶加 工 妓術 が あ る こ と も事 実 だ が 、 そ れ
だ けで な く、 京 潜 理 や 夏 の 風 物 詩 で あ る 「鴨 川 の 納 涼 床(飲 食 店 が 鴨111の川 岸 に高 床 の 座 敷 を作
り、 料 理 を提 供 す る)」 な ど、 文 化 を生 か した 取 り維 み も な され て い る。 こ の よ う に 、 地 域 内 の
r次
産 品」 「
食 品撫 工 」 「サ ー ビス や 景 観 」 が 側 別 に 発 展 す る の で は な く、 三 位 一 体 と な っ て ブ ラ
ン ドを形 成 す る こ とが プ ラ ン ドを考 え る上 で 重 要 で あ る と考 え る。
グ リー ン ツー リズ ムの 場 合 は、 地 域 ブ ラ ン ドと は薩 接 の 関 係 は ない もの の 、 そ の 地 に 認が 向 く、
足 が 向 く もの が 必 要 で あ り、 特 にIII,,<il品
の 場 合 は、 生 産 地 域 の イ メー ジが 重 要 で あ るの は同 様 で あ
みすまい
と やま
とよたき
こ がね ゆ
る。 札 幌 市 南 区南 西 部 の藤 野 、 簾 舞 、 砥 由、 豊 滝 、 小 金 湯 の 農 家 は、 札 幌 市 とい う大 き な市 場 の 中
に あ りなが ら 、市 内 の1t1?[Xや
近 隣 翻 町村 と比 べ る と、 栽 培itn積な ど に不 利 を抱 えて い る こ とはfUl述
した。 特 に果 物 の も ぎIIIhは 、札 幌rli/tiにとって も人 気 のあ る レジ ャ ーで あ る に もかか わ らず 、 後
そ うべつ
志 の仁 木 、余 市 や腿 振 の壮 瞥 な ど の方 が 知 名 度 は商 く、札 幌 市 内で も果 物 の もぎ取 りな どが で き る
こ とは 、 あ ま り知 られ て い な い。 さ らに主 要 国道 沿 線 に あ りなが ら、 国道 沿 い に多 数 の 果 樹 畑 が 広
が り、直 売所 や 案 内所 が 国 道 に連 な る仁 本 や壮 瞥 な ど と異 な り、南 区 の こ う した果 樹 園が 広 が る景
観 は 、 国 道 か らは 直 接 望 め ず 、 直 売 所 も(r]道か ら さ らに 細 い ア クセ ス 道 路 に 入 ら な け れ ば な ら な
いo
地 域 ブ ラ ン ドは 、 地 域 そ の もの の ブ ラ ン ド(RegionalBland)と
(ProductsBland)と
地域 の 特性 を生か した商 品
か ら構 成 さ れ る とい わ れ て い る が 、 ど ち ら に して もそ こ に注 昌 して も ら う に
は 、 まず 該 当域 が 内外 で どの よ うに捉 え られ て い る の か把 握 す る こ とが重 要 で あ る 。 こ れ を南 区西
部 に 当 て は め て 考 え る と、 地域 の特 性 を生 か した 商 品(農 産 品 ・加 工 品 ・周 辺観 光 地)は 有 して い
るが 、 地 域 そ の もの を構 成 す る イ メー ジが 浮 か び に くい 。 そ こ で 、 国 道230号 の 沿 線 に時 闘消 費型
グ リー ン ツー リズ ム が 実 現 で きる か 、 い ま一 度 地域 の イ メ ー ジ を探 っ て み た 。
地域 ブ ラ ン ド構築 の ため の往 民 と生 産者 の連 携 に関す る研 究89
(2>札
幌 市 南 区 に お け る 国 道230号
沿道 の概 要
屡 道230号 は 、 札 幌 市 中 央 区 北1条 醤4丁
目の 嗣 道12号 ・醤道36号 交 差 点 か らせ た な町 の 国 道229
ヒデん に よ し よ う
号 交 差 点 ま で を結 ぶ208.2kmの
にん
国 道 で あ る。1870=Cに 東 本 願 寺 の 薪 道 切 開 事 業 と して 、 現 如 上
おおたにこう えい しょうにん
入 、 大 谷 光 榮 上 人 を筆 頭 に、 尾 去 別 よ り平 岸 終 点 ま で1年3カ
寺 道 路 」 が そ の 前 身 で あ る。!965年 に 一 般 国X230一
月 とい う短 期 間 で 完 成 した ヂ本 願
と な っ た が 、 札 幌 市 内 は罰 名石 山 通 りと呼 ば
れ て い る。
国道230号 沿 道 の 景 観 は、 藤 野 ま で は 商 業 施 設 が 多 く、 飲 食 店 や ス ー パ ー マ ー ケ ッ トな どがa
に諏 し、 住 宅 街 が そ の 背 後 に あ る。 簾 舞 、豊 滝 、小 金 湯 、豊 平IIIを挾 んで 臨 む地 区 で は商 業 施 設 や
住 宅 街 は ぐっ と減 る。 藤 野 、 簾 舞 、豊 滝 、 豊 平 用 を挟 ん で砥 由地 区(写 真 圭〉 な ど今 回 の調 査 対 象
(xに 入 るが 、 そ こ は古 くか ら農 業 が盛 ん で あ っ た所 で 、穀 類 ・野 菜 な どの ほ か 、 イチ ゴ 、サ ク ラ
ン ボ、 プ ラ ム、 プ ル ー ン、 ブ ドウ 、 リ ンゴ な どの 果樹 栽 培 が 、特 に 山 麓 の豊 滝 、砥 山 で今 で も行 わ
れ てい る。
小 金 湯 を過 ぎる と定 山'E31'1(}:(llllil<ま
で は 、変 哲 の な い 山 聞 部 の景 観 とな る。E31-7東2丁
X230%と
朝 里 綜 か ら小 樽 驚 へ 至 る 道 道1号
目で 国
に分 破 す る が 、 定 山渓 ダ ム と さ っぽ ろ湖 、 朝 黒 峠 近 く
の 鷹際 ス キ ー場 は こ の 道道!号 上 に あ る 。
定 山渓 は支 笏 溝爺 国立 公 園 の 区域 内 に位f鴛して お り、!866-、
美 泉 定 由 に よ り定 山 渓'19(IIIL泉
が 開1
した。1918年 にLl!l渓 鉄 道 が 開通 して か らは 、札 幌 の 奥 座 敷 と して 、 湯 治 場 とい う よ り遊 興 地 と し
て栄 え た 。現 在 で は 旅館 な ど33の 宿 泊 施 設 が あ り、 年 問 延べ240E入
の観光客が訪れている。
国道230号 は定l!a渓温 泉 を過 ぎる と山 聞 部 に 入 り、 標r.`=`i831mの
中 由 峠 が 、 魏 幌 市 爾 区 と喜 茂 別i町
の 境 目 と な る 。 中 由峠 を 罫 り喜 茂 珊 町 で 、1?lmo?230と
鷹 選276号 の ジ ャ ン ク シ ョ ン に入 り、n道
230号 は 溝 爺 湖 方 面 へ 、 国 道276号 は ニ セ コ方 面 や 支 笏 湖 方 颪 へ 繋 が って い く。
この よ う に 国 道230号 は、 札 幌 寮 内 で は 、 市 内 中心 部 か ら南 区 の/11id、石 由 ・藤 野 、簾 舞 、 豊1竜
(写真 ⇔
團道230号 豊 滝付 近 か ら見 た八劉 出 とW麓 の砥 由地 区の集 落 と果樹 園
右側 の下 砥 嶽 と左 側 の上砥 山 地区 を1999年1こ開 通 した 八剣山 トンネル が結 ぶ。
..瀬N
一
一
90
な ど の住 宅 地 へ の通 勤 ・通 挙 の ア ク セ ス道 路 で あ り、定 山渓 澱 泉 ・中 由峠 へ の霊 要 な トラ フ ィ ック
機 能 を もち、 交 通 量 も多 い。 しか し、 こ の 国道 か6一 歩 脇 道 に入 る と、農 業 景 観 が広 が4)、 魂 幌 市
内 中心 部 か ら車 を利 用 す る と1時 間 以 内 で ア ク セ スnJ能 な こ とか ら、 グ リー ンツ ー リズ ム の需 要 に
応 じ られ る と推 測 す る。
(3>地
域 イ メ ー ジ の 重 要 性 と ラ ン ドマ ー ク
地域 の イ メ ー ジが 、交 流 に大 き な影 響 を与 え る こ と は 、 こ れ ま で の研 究 で 明 らか に な っ て い る。
絹 中(1997)は
、 よ い イ メ ー ジ は 、訪 問 者 ・観 光 客 な ど交 流 入 目 の増 繍 や 人材 誘 致 、地 域 の特 産 品
の販 売 促 進 な ど、外 か ら の 資 本導 入 を促 進 し、∼ 方 で地 域 佐 民 の コ ミュ ニ テ ィ意 識 ・地 域 へ の帰 属
意 識 高 揚 に寄 与 す る と して い る。
イ メ ー ジ の重 要 性 は 、地 域 活 難 化 だ け で な く、 あ らゆ る ス テ ー ジ で醤 わ れ尽 く して い る はず な の
だ が 、意 外 に地 域 イ メ ー ジ を具 体 的 に共 有 す る機 会 が 少 な い。
ジ ョ ン ・ア ー り 一 は、 著 書 『
観 光 の ま な ざ し書 で 、 ヂ
私 た ち は'拙 か け で
周 囲 を関 心 とか 好 奇
心 を もっ て眺 め る。 周 圏 は私 た ち の見 方 に合 わせ て語 りか け て くれ る 、 と い うか 少 な くて も語 りか
け て くれ る だ ろ う と期 待 す る 。
」6)と 述 べ て い るが 、"出 か け て"と い う行 動 を起 こ させ る ため に は
地 域 の イ メ ー ジが 良 い こ とが 当然 求 め ら れ る。
良 い イ メ ー ジ を抱 かせ る に は、 適 切 な'1発
信 が 必 要 で あ る が、 そ のベ ー ス と して生 産 者 を含 め
た 地域 住 民 が 正 し く現 状 を認 識 して発 信 す る こ とが 必 要 と な り、 そ の情 報 の 質 と蟻 も吟 味 しな くて
は な らな い。 イ メ ー ジ と現 実 の霜 離 は、 発/の
情 報 の 壁 に もよ るで あ ろ う。
箭 述 の とお り地 域 ブ ラ ン ドと し て は 全 国 総 合 第1位
を誇 る 汐 張 メ ロ ン」 で あ る が 、 「地 名 ア
ピー ル 度(こ の ブ ラ ン ドの 地 域 名 に ひ か れ る割 合)」 は 高 い もの の 、 産 地 で あ る 夕 張 市 自体 は、 財
政 再 建 団体 に認 定 さ れ 、夕 張 市 が 「と て も魅 力 的 」 と評 価 す る 入 は少 な い7)0
今 園 の研 究 認 象地 域 に選 ん だ フ ィ ー ル ドであ る札 幌 箏 南Cの 八 剣 山周 辺 の 砥 山 ・簾 舞 ・豊 滝 ・小
金 湯 地 区 は 、古 くか ら野 菜 や 果 樹 を栽 培 して い た所 で あ る もの の、 宅 地 化 が 進 み 、作 付 面 積 も広 く
な い こ とか ら、 ほ と ん ど の農 家 の 経営 規 模 は非 常 に小 さい 。 一 部 を除 き直 売 所 や庭 先 販 売 、 観 光
果樹 園 、他 のvジ ャr設(パ
ー ク ゴ ル フ場 や 釣 堀 な ど〉 を経 営 しなが ら農 業 を営 んで い る。 地 域
活 ・r化を7Fiす 任 意 団体 が 醐 くイベ ン トで 次 第 に知 名 度 が 上 が って き た と い われ るが 、 地 下 鉄 真 駒
内駅 か ら車 で30分 足 らず と い う鈍 離 にあ り、農 産 物 や レ ク リエ ー シ ョン空 間 な ど グ リ ー ン ツー リ ズ
ム と して の地 域 資源 を有 して い る に もか か わ らず 、地 域 イ メー ジが 薄 い。
そ の 理rUの 一 つ と して 、 も と も と南 区 は 札 幌 欝 の 人 口 の7.8%し
域 は そ の薗 区 に お い て わず か3.7%(札
幌 市 総 入 口の02%)の56!1人
か 占め て お らず 、 さ ら に該 当 地
に過 ぎ ない こ とが 挙 げ られ よ
う。 高 齢 化 率 も20、5%で あ り、高 齢 化 と居 佐 人 口の 少 な さが 情 報 発 信 の 薄 さ に繋 が って い る と考 え
る。 さ らに、 そ れぞ れ の集 落 が 果 樹 や 野 菜 な どの 農 産 物 な ど を燦 出 してい るの だ が 、 農 業 や 田 園 漿
観 を イ メ ー ジ させ る地 名 は 少 な く、 露 出 度 も低 い。 国道230号 に も カ ン ト リーサ イ ンな どは な く、
相 対 的 に地 域 を イ メ ー ジで きる もの が 微 少 で あ る。
地域 イ メ ー ジ は 景 観 な ど可 視 的 な もの の 他 に、 往 甕 気 質 な ど の不 可 視 的 な もの が あ り、 そ れ は
様 々 な媒 体 を通 して 地 域 外 に受 け と られ て い る。 さ ら に、 石 見 利 勝 ・m中 美 子(1996>は
、 入 々が
地 域 に紺 して持 つ イ メ ー ジ は あ る程 度 の 類 型 化 が 可 能 で あ り、 そ れ に薄 応 して イ メー ジ を表 す シ ン
ボ ルが 存 在 す る と した。 つ ま り良 い イ メー ジが 持 た れ て い る地 域 に は、 イ メ ー ジの 良 い シ ンボ ル が
地域 プラ ン ド構 築の ため の住 民 と生産者 の 連携 に関 する研 究91
存 在 し、 シ ン ボル の 無 い 、 あ るい は浮 か び に くい地 域 で は イ メー ジが 希 薄 か 不 在 、 そ して 知 名 度 が
低 い と して い る。
シ ンボ ル には ラ ン ドマ ー ク な どの 可 視 的 な もの 、 気 候 な どの 不nJ視 的 な もの が あ り、 そ の 地 域 に
固 有 な もの が シ ンボ ル と な る。 札 幌 布 を例 に と る と、 時 計 台 や 大 通 り公 園 は景 観 だけ で な く、 あ る
程 度 の 魏 幌 の イ メー ジ を ま とめ あ げ る#J二
会 的 要 素 が あ る。 雪 祭 りな どは 季 節 約 な もの で あ るの に も
か か わ らず 、 雪 の 利 活 朋 とい う文 化 的 な イ メー ジ を ま とめ あ げ る。 また 不nJ視 的 な もの と して は 、
札 幌 の 女姓 は 強 くて 開 放 的 だ とか 、 札 幌 の 人 は籍 しい もの 妊 きで あ るな ど 、入 的 要 素 の 強 い もの が
ある。
今 網 の 研 究 対 象 地 域 の 共 逓 した もの を挙 げ る と、 可 視 的 な もの は 山、111、国遵230号 、不 可 視 的
な もの はr農 業 が 行 わ れ て い る こ と」r開 拓 の 歴 史 が あ る と こ ろ」 「田園 の 雰 囲 気 が あ る と ころ 」 な
どで あ ろ う。 しか し、不 可 視 的 な もの は 解 釈 が 欄 入 に よ って 違 うた め 憶 測 を呼 びや す い し、 可 視 的
な もの で あ っ て も、 豊=F/(1や畷 道230号 に 面 して い ない 所 もあ る。 しか もそ の 地 域 に屠 住 して い て
も、興 味 が 持 て な か ったh、 学 習 しな い と、 地 域 の イ メー ジ と して 結 び つ きに くい と考 える 。
ラ ン ドマ ー クは 、 航 海 者 や 旅 行 者 の 訪 れ る 土 地 にお け る方 向 感 覚 の 目印 にな る もの で 、 国 や 地域
を象微 す る シ ンボ ル 的 な モ ニ ュ メ ン トや 建 築 、 空 問 を慧 味 す る。 必 ず し も高 屡 建 築 や 薪 しい もの ば
か りで な く、 自然 物 や そ の 地 域 の 歴 史 的 建 造 物 等 も含 まれ るが 、 容 易 に そ れ と気 づ くこ との 禺 来 る
よ うな もの とい う意 味 で 用 い られ て い る。
津 川(2005)は
、 ラ ン ドマ ー ク を 「広 義 に と ら え る と地 理 的 窒 開 に お け る景 観 要 素 の 一 つ で あ
り、 人 聞 の行 動 を 支 え 、 地 域 の シ ンボ ル にな る な ど多;岐に 及 ぶ 特 姓 が 存 在 す るJと 述 べ て い る 。 そ
れ に よる と、 人 間 は 自然 環 境 に順 応 しな が ら歴 史 の 串 で祉 会 生 活 を営 ん で きた の で 、 こ う した 地 理
的空 問 に お け る生 活 の場 が 成 立 し、 様 々 な景 観 が 形 成 され て きた 。 人 聞 と景 観 との 関 係 は 密 接 な も
の とな り、記 憶 や 原風 崇 とな っ て 掴 々入 の 空 問 イメ ー ジ を形 作 っ て い くと して い る。
さ ら に津 用 は 、「人 聞 の視 覚 は 量 観 を捉 え る た め に色 や形 、 明 階 を判 断 し、 各 種 の 景 観 要 素 を認
知 ・認 識 し、 そ の 過 程 で 人 々 は特 異 点 を各 種 ラ ン ドマ ー ク と して認 識 す る」 と、nJ視 的 な ラ ン ド
マ ー ク の重 要性 に つ い て 説 い た 。 また 「地域 の 景 観 は 各 種 の 景 観 要 素 か ら成 り立 ち、 顕 著 な 景 観 要
素 は 地域 の シ ンボ ル と して 位 置 づ け られ 、 地 域 性 を育 む 要 素 と して 重 要 な 役 割 を果 た して い る 。 そ
れ らは ラ ン ドマ ー ク と して 認 識 され 、 ア イス トップ と して 認 識 レベ ル の 違 い は あ るに せ よ人 々 の 空
間行 動 を支 え 、 地域 の ア メ ニ テ ィ要}f;Gも な るJと 、 ラ ン ドマ ー クの 重 要 性 も説 い て い る。
そ こで 、 対 象地 域 に は 、 遠 景 と近 景 で 違 い は あ る もの の 、r八 剣lll(観 音 岩 山 〉
」(写 婁辺)は
いず れ の地 区 か ら も見 え る の で 、 これ を地域 の 共 通 す る ラ ン ドマ ー クに し、 該'Li域
、
の シ ンボ ル に
す る こ と に よ り、 地 域 イ メ ー ジ の定 藩 化 を 図 れ る の で は な い か と考 え た 。 この 仮 説 を検 証 す る た
め 、 こ の地 域 に は 、八3i1C_Uとい う名称 の付 い た 地 名 は な い た め 、 そ れ を地 域 の 共 逓 の シ ンボ ル と し
た場 合 、 どの く らい の認 知 度 が あ る か 、 自分 達 の 地 区 の シ ンボ ル と して どれ ぐ らい の 思 い 入 れ が あ
る か を含 め 、 ア ンケ ー トに よ り可 能 で あ る か を調 査 した 。
(4>八
剣 山周 辺 の イ メー ジ
ア ンケ ー ト調 査 は 、200ア年8月
実 施 した 。 この 情 報 館 は 、zu230に
か ら9月 に か け て7日 聞 、 札 幌 市 南 区豊 滝424-1の 道 路 情 報 館 で
面 して お り、 札 幌 方 廊 か らは 簾舞 地 区 を経 て 、 定 由 渓 方 癖
か らは小 金 湯 を経 て 、豊 滝 地 猛 の 入 りnに あ た る場 所 に あ る0さ
らに 豊 平111を隔 て て 砥 山 地 区 と、
92
(写真2)道
路 情 報館 か ら見 た八剣 山(観 音 岩W)
八剣LLI(観 音 岩 山)は 標 高498m、 国土 地理 院 の地 図 には2つ の名 称 が併 記 され る 山で あ る。豊 平川 に
藤 して 、山 の 中腹 まで は林 、 山頂 付 近 に はが 剣の よ うに鋭 角 な岩 を連 ね てお り、切 り立 った岩 場 は、 南
のこぎり
翼 か ら見 る と 鋸 の 刃 の よ う な 形 を して い る 。
黛 ㍗
蒋
蓼
レ
熱 驚.
薩 ∴難 欝
噸
ノ
道 路情 報 館 が 、 八 剣 由が 背 後 に 迫 る この 辺 一 帯 の 中 目 地 点 で あ る こ と か ら、 国 道230号 の 利 用 者 の
地 域 に 対 す る外 部 の ま な ざ しの 調 査 を行 な っ た 。 ア ンケ ー ト総 数985件 、 そ の うち 札 幌 市 内居 住 者
が全 体 の60.6%、
75.2%を
道 内居 住 者 が27.9%を
占 め、 国遵 利 用 目的 で は、 観 光 ・レジ ャ ー 目的 が 、全 体 の
占めた。
そ れ に よ る と地域 外 の 入達 に よ る こ の地 域 の イ メ ー ジ は 、 「入里 ち か くに あ る 由(里 山)」、raと
山 の あ い だ(由 聞部)」、 「
奥 の深 い 山(深 山刀
と続 い た 。前 年 の予 備 調 査 で も岡 じよ うな傾 向 が あ
り、通 りす がhの 旅 行 客 に とっ て 、里 山 や 山 間部 な どの 山 の イ メ ー ジ が 強 く、農 業 地帯 や 田 園地 帯
とい う イメ ージ は低 い。
さ らに 八剣llaの認 知 度 を計 っ た とこ ろ 、 ド当然 知 っ て い る ・知 っ て い る」 が 約27°,6、「
名 箭 はfい
た こ とが あ る」 が23%、
「
知 らな い 」 が49%で
最 高 峰 で あ る 余 毒 岳(1488m>を
(1251m)、 鳥 暢 子 掻(1!09m)な
、 実 体 を 知 らな い 入 が 半 数 以 上 を 占め た 。 南 区 に は
は じめ と して 、 無 意 根 山(1464m)、
ど1000m級
の11-Ihと、 砥石LLI(826m)、
る が 、 や は り札 幌 市 申心 往テか ら眺 め ら れ る 藻 岩 山(531m)やFLJU_i(225m)、
札 幌 岳(1293m)、
空沼岳
硬 石 山(371m)な
どが あ
手 稲 山(1023m>と
比 べ る と札 幌市 民 で も識 別 が 難 しい と もい え る。
しか し、 こ の ア ン ケ ー ト調 査 の 最 中 に 、八 剣 山 に興 味 を示 した人 は 多 く、 数 々 の 質 問 を受 け た。
情 報 の,1;し方 に よ っ て八 劒 山 の知 名 度 が あ が る可 能性 を実 感 した0
ま た 、 瞬年9タ 彗に簾 舞1条2丁3に
ある 「
簾 舞 逓 行 麗(1871年
の本 願 守 道 路 の完 成 に伴 い 、 開拓
使 に よ って °IL}?1+Lさ
れ た宿 泊 休憩 施 設 、 そ の 後 麗 守 を務 め た 黒 岩 家 のi1.宅とな っ た)」 現 簾 舞 郷 土 資
料館 で開かれた 「
通 行 屋 ま つhJで
、 来場 者 に 同様 の ア ン ケ ー ト調 査 を行 な っ た。 こ の祭 りは 、札
幌市 有 形文 化 財 に指 定 さ れ て い る 「簾 舞 逓 行 屋 」 の広 報 と 、 ス テ ー ジ シ ョー や地 元 の農 産 物 販 売 を
通 じて 地域 の 交流 を 図 る イ ベ ン トで 、近 隣 の地 区 か らの 来訪 者 が多 い。
地 域 ブ ラ ン ド構 築 のた めの住 民 と生 産者 の連携 に関す るb3f究93
ア ン ケ ー ト総 数13!件 の うち82T'-f-(62,5%)が
者 で あ り、南 区 金 体 で は109件(83%)と
簾 舞 、砥 山 ・豊 滝 ・藤 野 ・小 金 湯 地 区 か らの 来 訪
、 地 元 の 居 佳 者 が 占 め た。 そ れ に よ る と この 地 域 の イ
メ ー ジ は 、「入墨 ち か くに あ る 山(里 山)」 が圧 倒 的 に 多 く、 農村 、 田 園 地帯 、 山村 な どが拮 抗 して
い る。
さ ら に八 剣 山 の 認 知 度 は 、縷 然 知 っ て い る ・知 っ て い る 」 が 約86°0、 「名 前 は 聞 い た こ とが あ
る」 が90aで
ほ ぼ住 民 は 認知 して い る と思 わ れ る 。
ま た 、 八 剣 山 につ い て 、 地 域 の シ ン ボ ル に な る と思 うか を 問 うた と こ ろ、 「地 区 の シ ン ボ ル に な
る と思 うの で 、大 切 に して い きた い 」 が83%を
占めた。
地1住 畏 が 多 い た め 、 農 業 従事 春 もお り、 農 業 地 欝 や 欝 園 とい う イ メー ジ の 測 答 が 多 か っ た7能
牲 は あ る が 、講 年 に簾 舞小 学校 で 閣 か れ た 町 内 対 抗 運 動 会 で41様 の ア ンケ ーhを 実 施 し、 そ ち らに
も同 じ よ うな 傾 向 が 見 られ た 。
また 、flit述の 外 部 の イ メ ー ジ の 結 果(里
山 や 山 間 部 、 深 山 が 多 い こ と)に つ い て の 感 想 と して
は 、r外 部 の 人 の イメ ー ジ した と ころ は 正 しい と思 う し、 階分 もそ う思 う」 が7割
を 占め た 。
内 部 と外 部 の イメ ー ジの 乖 離 は 、 地 域 住 民 に して み る と強 購 な ア イ デ ンテ ィテ ィ(自 分 の 所 は 一
番 良 い 、 な ど)が もた らす もの と、 自信 の な さ(絹 舎 で な に も ない 、 な ど)が もた らす もの が あ る
と考 え る 。外 部 か らの まな ざ し につ い て は 、今 團 は八 剣 山地 区 を 百的 と して 来 た 人 は少 な く、 ほ ぼ
通 過 客 が 占め て い る と思 わ れ た の で 、 あ る程 度 隠答 しや す い イ メー ジ を表 記 した 関 係 上 、 多 少 の 偏
りが 生 ず る。 また 、 条 件 をあ わせ て 比 較 す るた め に、 内 部 調 査 の ほ う も、CaL"現
に した こ と に よ
り、 完 金 な もの とは い え ない が 、 双 方 の ア ンケ ー トか ら は 、 こ の地 域 の ド里 山」 と い う イ メー ジ は
共 通 して お り、 八 剣 山が 地 域 シ ン ボ ル と して地 元 で は認 識 さ れ て い る ので 、外 部 か ら も情 報 の 出 し
方 い か ん で シ ンボ ル と して 認 識 され る可 能 性 が あ る と考 え る 。 「里 山 」 や 「由」 「由村 」 とい う イ
メー ジは 、 過 疎 地 の よ う なマ イ ナ ス イ メ ー ジ は少 な く、八 剣 由 の形 も非 常 にユ ニ ー クで 覚 えや す い
もの で あ るの で 、 十 分 に勤!癒
蓑3地
ど の シ ン ボ ル と な る ラ ン ドマ ー ク で あ ろ う(表3・
表4)。
域 の風暴 な どか ら感 じるイ メー ジ(複 数園 答)外 部 ・内部比 較
地 域 の風 景 な どか ら感 じる イ メ ー ジ
地 域外 部(情 報 館)
地域 内部 樋 行崖)
件 数/割 合(%)
件 数/割 合(%)
348/39.32
72/54.96
奥 の深 い 山(深 山)
219/24.74
7/5.34
山 と由 の あ い だ(山 聞 部)
221/24.97
14/!0.68
87/9.83
16/12.2!
49/5.53
17/12.97
い な か(田 園 地葡
67/7.57
!7/12.91
住 宅地(都 市郊外)
36/4.06
!4/!0.68
過疎地
!8/2.03
00
その他
15/1.69
2/1.52
無圓答
15/1.69
3/2.29
人 里 ち か く に あ るl!l(塁
山)
Il_1と山 の あ い だ に あ る 集 落 地 帯(山
田 や畑 の あ る 農業 地欝(農
村)
村)
94
表4八
剣 山(観 音岩 山)の 名 称 の知名 度外 部 ・内部 比較 表
八 剣 山(観 音 岩 山)の 名 称 の 認 知 度
地 域 外 部(情 報 館)
地 域 内 部(通 行 屋)
件 数/割 合(96)
件 数/割 合(%)
登 っ た こ とが あ る の で 当 然 知 っ て い る
45/5.08
50/38.16
知っている
195/22.03
63/48.09
名 前 は 聞 い た こ とが あ る
204/23.05
12/9.16
知 らな い
436/49.26
6/4.58
無 回答
5/0.56
ofo
また 、そ れ ぞ れ の 調 査 にお い て 、 この 地 域 で どん な もの が 生 産 され て い れ ば 買 い 求 め るか を複 数
醸 答 で 問 うた と ころ 、圧 倒 的 にrく だ もの 」 が 挙 が った 。 そ の 他 、 トマ トな どの 果 菜 類 や キ ノ コな
どの 林 産 品 に も注 目が 集 ま って い る。 通 行 屋 で も、 地 域 の 農 産 物 を祭 りで 販 売 して い た とは い え 、
同 じ よ うな 結 果 が 出 て い る 。
さ ら に、 情 報 館 で新 た な 資 源 につ い て複 数 圏 答 で 問 う た と こ ろ 、 「ア ウ ト ドア ス ポ ー ツ(登 山 ・
ラ フテ イ ン グ ・乗 馬 ・釣 ・カ ヌ ー ・そ の他)」 と 「温 泉 」 が 多 く、 逆 に 「貸 農 園 」 や ギガー デ ニ ン
グ や 家庭 菜 翻 な どの 講習 会 」 は い まひ とつ のFI答 結 果 で あ っ た。 地 域 の イ メ ー ジ が里 山 とい うこ と
か ら、 ア ウ ト ドア 活動 を楽 しみ た い とい う期 待 が多 い ので は な い か と思 わ れ る。
ま た 、情 報 媒 体 と して は 、 「
パ ン フ レ ッ ト」 と 「イ ン タ ー ネ ッ トサ イ ト」 が 群 を 抜 い て お り、 や
は り外 部 訪 問 者 に と っ て 、地 域 総 合 とmカ
ル な情 報 の双 方 が 必 要 で あ り、 コ ア な情 報 まで は触 手
を伸 ば さな くて も よい よ うに も考 え る 。 た だ 、 「カー ナ ビゲ ー シ ョ ン」 は 道 路 情 報 館 で ア ンケ ー ト
調 査 を した 影 響 も大 きい と思 うが 、 黒 由や 山 な どで は、 カー ナ ビ に グ リー ン ッー リズ ム情 報 を入 れ
て い る と便 利 で あ る こ と を示 唆 して い るの で は ない だ ろ うか 。
さ ら に ワ ンス トッ プす る場 所 で の 精 報 と して 、 避 路 情 報 館 で 、 トイ レ利 用 や 道 路 情 報 の ほ か に 、
どの よ う な 情 報 が 必 要 か 調 査 した と こ ろ 、 「農 産 物 直 売 所jr温
い 。 観 光 情 報 と して も 「八 寅畦
山 地 区(上 砥 山
下砥l!!小
泉 」 「イベ ン ト情 報 」 の 数 値 が 高
金n(iii豊 滝
簾 舞)」 やr札 幌 市 南 区 西
部(定 山 渓 、 中1-L峠)」 が必 要 とい う声 が 多 く、地 域 の み な らず 、 隣 接 した 地 区 の 、 気 軽 に参 煽 で
きる もの を 求 め て い る と推 測 で きる 。
(5)隣i接
す る 定 山渓 温 泉 の イ メ ー ジ
八 剣 山周 辺 の地 域 の イ メ ー ジ は 、 「人羅 ちか くに あ る 山(里 山)」、「山 と 山 のあ い だ(山 間部)」、
r奥 の 深 い 山(深 山)」 で あ るが 、 そ こ か ら車 で15分 の と こ ろ に あ る 年 問240万 人 観 光 入 込 客 数 が あ
る定 山渓 灘 泉 の イ メ ー ジ は 、 どの よ う な もの で あ ろ うか 。
2006年 に 、 定 山 渓 の 宿 泊 機 関 の 従 業 員 と地 域 住 民 の175名 に 定 山渓 の ラ ン ドマ ー ク を挙 げ て も
ら った と こ ろ、 か っ ぱ像 の 認 識 が 群 を抜 い て 高 く、 泉 源 公 園 、 月 見 橋 、 二 見 吊橋 が 拮抗 す る結 果 と
な った 。 また 、 地 域 の ラ ン ドマ ー クへ の 思 い 入 れ は 、 シ ンボ ル と して 大 切 に した い と思 う一 方 で 、
八 剣 山 の よ うに 統 一 した ラ ン ドマ ー ク と して絞 れ な か っ た結 果 、思 い 入 れ に つ い て も多 少 違 っ た結
果 とな った(表5・
表6)。
定 山 渓 観 光協 会 は1965年 に 、 「か っ ぱ」 を イ メ ー ジ シ ンボ ル に した まちづ く りを始 め 、 「か っ ぱ」
地域 ブラ ン ド溝 築 のため の住 罠 と生 産者の 運携 に麗 す る研 究95
表5定
山渓 の ラ ン ドマ ー ク(複Q答)
定 山 渓 の ラ ン ドマ ー ク
R
件 数/割 合(%)
25/14.28
Jai.橋
朝 露岳
6/3.42
源泉公園
33/!8.85
夕 日岳
4/2.28
湯の滝
15/5.57
三笠山
4/2.25
二 見 つ り橋
22/12.5%
定 山渓小 天狗岱
圭/0.57
岩戸 観音 堂
17/9.7!
定 山渓天狗岳
4/2.28
か っ ぱ像
84/48.0
そ の他
13/7.42
思 い 浮か ば な い
!3/7.42
ラ ン ドマ ー ク は な い
!7/9.71
表6定
霞 渓 の ラ ン ドマ ー ク に つ い て の 地fで
の思 い入 れ
定 山渓 の ラ ン ドマ ー ク につ い て 、 どの よ うに 考 え る か
件 数/割 合(%)
地 区の シ ン ボ ル だ と思 うの で 、大 切 に して い きた い
98/56.0
地 区の シ ン ボ ル に な る と は思 うが 、 た い して思 い入 れが な い
44/25.1
地 区の シ ン ボ ル は必 要 な い
4/2.28
その他
6/3.42
無回答
21/12.0
はfや
イ ラ ス トな ど様 々 な所 で 使 わ れ て い る 。 定 由 渓 観 光 協 会 に よ る と 、 二 見 昂 橋 上 流 付 近 に
「カ ッパililJが あ り、1991=1札 幌 了1眠か ら募 集 した ア イ デ ア を も とに 、 道 内 外 の 彫 刻 家 に よ って メ
ル ヘ ンカ ッパ像 が 制作 され 、23箇 所 に設 遣 され た 。
定 山 渓温 泉 は1996年 に 「健 康 保 養 地 宣=tを
観 光 関 連事 業i、
行 ない 、2003年 に新 た な ま ちづ く りと して 、 地 域 の
町 内 会 、 佐 民 な どが 中 心 とな った ヂ定 山渓 瀟腺 ま ちづ く り委 員 会 」 が 立 ち上 が っ
た 。2004年 度 に 策 定 さ れ た 「
定l!l渓 ま ち づ く り基 本 ビ ジ ョ ン」 で 、 活 姓 化 に向 け た 基 本 方 向 と し
て 、地 域 自 ら取 り組 む まち づ く り、 地域 住 民 の 豊 か な 暮 ら し を配 慮 した ま ちづ く り、 来 訪 者 と地 域
住 畏 が 交流 で きる まち づ く り、新 た な 顔 づ く り事 業 と して 地 域 の 新 しい シ ン ボル ゾー ンの 設 概 を舞
ち 出 し、 定 由 渓 温 泉 に お け る広 域 的 な グ ラ ン ドデザ イ ン(ゾ ー ン区 分)を 作 成 した。 「
温泉観 光地
活 性 化 モ デ ル 事 業 ア クシ ョン プ ラ ン」 で は 、 「シ ン ボ ル ゾ ー ンの 整 備(源 泉 と 由野 草0)公 園)」 「由
野 菓 の ま ちづ く り」r自 然 体 験 学 校 か っ ぱ塾 の 充 実 化 」 な ど を行 な っ て きて お り、 定 山渓 温 泉 の 将
96
来 像 と して 「お 湯 と山 野 草 が まち と人 を結 ぶ 快 適 で 楽 しい ま ち」 を 目指 す こ とに な っ て い る。
2005年 の 定 山 渓 温 泉 ま ちづ くり委 員 会 と観 光 協 会 が 行 な った ア ン ケ ー ト調 査 に よ る と 、 シ ン ボ ル
ゾ ー ンの 施 設 イ メ ー ジ は 「温 泉 情 緒 の あ る イ メ ー ジ(75件/30.2%)」
/17.3%)」
「源 泉 の イメ ー ジ(35件/14,1%)」
「か っ ぱ の イ メ ー ジ(43件
が 多 く、 「山野 草 の イ メー ジ(23件/9.31%)」
は当
蒔 か ら イ メー ジ と して は あ ま り強 くない 。
山 野草 に よる まち づ く りは 、 定 由 渓 の 自然 資 源 を生 か す とい う点 で 、他 の 温 泉 との 差 別 化 を図 る
た め に 行 なわ れ て い る が 、 温 泉 や 由 野 草 は 「癒 し」 の イ メー ジ に繋 が る と は い え 、35年 あ ま り も続
い た カ ッパ の モ チ ー フか ら新 しいr定 山 渓 温 泉 」 の 地 域 イ メー ジ と して地 域 佳 民 レベ ル ま で に定 着
す る に は 、 まだ まだ 時 問 が か か る と考 え る。
一方
、 訪 問 客 の イ メ ー ジ把 握 に つ い て は 、 ア ンケ ー ト調 査 を実 施 しなか っ たた め 、 プ ロ グ を禾IJ
して 傾 向 を探 っ て み た 。
Googleの
プ ロ グ検 索 を利 用 し、 「定 山渓 」 を キ ー ワ ー ドに抽 出 し、 さ らに 定 由 渓 にあ る観 光 資 源
名 をそ れ ぞ れ の$一
ワー ドで絞 り込 み を して み た と ころ 、 定 山 渓 で 抽 出で きた プ ロ グ2万7899件
申、「
足 湯 」 が1197件 と一 番 多 か った 。 山野 草 は20件 、 泉 源 公 園 は451`{=であ り、 ま だ まだ この 新 し
い コ ンセ プ トが 訪 問 客 に伝 わ って い ない の で は ない か と考 え る。
また 、 プ ロ グ に 掲 載 され て い る 写 真 で は、 自然 景 観 と して は 「中 山 峠 」 「山(天 狗 岳 な ど)」 「定
由 渓 や 豊 平 峡 な どの 渓 谷 」 が 多 く、 人 工 物 の あ る景 観 と して は、 「足 湯 や手 湯 」 「カ ッパ 像 」 「ホ テ
ル な どの 建 物 」 「
定 山渓 ダ ム」 が 多 い 。 定 山源 泉 公 園 は 足 湯 の 写 真 な ど にあ る も の の 、 山 野 草 につ
い て は 数枚 程fし か み あ た ら なか った 。 ブbグ の 写 真 で 傾 向 を捉 え る こ と は難 しい が 、 定 山渓 の イ
メー ジ 形 成 が どの よ う に展 開 され て い る か の 過 程 にお い て 、 こ うい った 調 査 も必 要 で ない か と考 え
る。
4.八
剣 山 を 地 域 の シ ン ボ ル と し て 利 用 し た 地 域 ブ ラ ン ドづ く り と課 題
今 回 調 査 した 地 域 は 、 簾 舞 、 砥 由 ・豊 滝 ・藤 野 ・小 金 湯 とい う歴 史あ る地 名 を保 窟 して い るが 、
そ れ ぞ れ の 地 名 だ け で は 、 な か な か 地 域 の イ メー ジが 外 部 に 伝 わ らな い 。 特 に観 光 農 園 や レ ジ ャー
施 設 、 観 光 施 設 は そ の 地 域 へ の 誘 客 が 必 須 で あ り、 ア クセ ス の確 保 と剛 寺に 強 力 な イ メー ジの 発 信
が 必 要 とな る 。 幸 い に 、 この 地 域 は 「里 山 」 な ど由 の 景 観 の イ メー ジが 内 外 で 共 通 して お り、 内 部
と外 部 の イメ ー ジの 乖 離 も少 ない 。
特 に 農 産 贔 に お い て は 「塁 山 」 の イ メー ジ 自体 が そ れ を損 な わ な い 上 、 最 近 の 「癒 し」 な ど心 の
ゆ と りを求 め る 生 活 感 覚 に対 し、 この 地 区 の 景 観 は プ ラス に働 くと思 わ れ る。
闘 題 は 、 ∼1コに 「里 山 」 とい っ て もそ の 解 釈 は 様 々 で あ り、 特 に 北 海 道 の 場 合 、 本 州 の 集 落 に 接
した1.0や林 が 形 成 す る所 で 、 継 続 的 に人 間 の 手 が 入 る もの とは 異 な る。 北 海 道 で の 里 山 は 、 落 ち 葉
な どの 堆 肥 科 用 な ど農 業 との か か わ りあ い とい う よ り、 特 に都 市 部 郊 外 で は ハ イ キ ン グや 山 菜 狩 り
な どの レ ク リs一 シ ョ ンで 親 しん で い る と も轡 え る だ ろ う。 この よ うに 関 わ り方 が 異 な る た め 、
「羅 山 」 とい う言 葉 で の 表 現 は 憶 測 を招 く恐 れ もあ って 難 し く、 へ た を す る と金 太 郎 飴 的 な 発想 に
終 わ っ て しまい が ち で あ る 。 そ こで 八 剣l!lとい う特 微 的 な 山 を共 逓 の シ ンボ ル に して 、 地 域 ブ ラ ン
ド名 や ロ ゴマ ー クに利 用 し、 連 携 して 発 信 して い くこ と を提案 した い 。
津 川(2005)は
、 ラ ン ドサ イ ンは 、 ラ ン ドマ ー クに お け る 空 間 的認 知 対 象 の 一 つ で あ る と し、 地
理 的 窒 間 にお け る サ イ ンや シ ン ボ ル と して 、 ま た 、 都 市 や 地 域 の ア イ デ ンテ ィテ ィや レジ ビ リテ ィ
地域 ブ ラ ン ド構築 の ため の住民 と生 産者 の連 携 に蘭す る研 究97
(legibility=わ か りや す さ)を 高 め る存 在 で あ る と述 べ て い る。 また 、 地 域 にお け る 地理 的 空 聞 の
演 出 や ア イ ス トップ な ど と して 、 人 々に 特 劉 な 感 覚 ・感 情 を喚 起 す る餐 象 で あ る と して い る。
ラ ン ドサ イ ンは 、記 号 ・サ イ ン(文 字 ・図 ・ピ ク トグ ラム)で あ り、 標 識 や 看 板 な どで 、 案 内 ・
誘 導 ・記 名 ・制 御 ・広 告 な どの 情 報 を伝 え る もの 、 そ の 媒 体 と位 置 づ け られ て い る。 日本 で は 、 カ
ン トリー サ イ ンや 京都 の 大 文 字 な ど五 山 の 送 り火(船 形 ・鳥 居 形 他)な
どが そ れ にあ た る。 カ ン ト
リー サ イ ンは 、 まち の シ ンボ ル と市 町 村 名 を一 体 化 した 標 識 で 、 遵 路 の ラ ン ドマ ー クの ひ とつ と し
て市 町村 の境 界 に 設 遣 され て い る が 、 八 鋪 山 付 近 は 宙 町 村 の 境 界 線 に は遠 く、 カ ン トリー サ イ ン は
設 羅 さ れ て い な い 。 また 、 八剣 山 は 聴 徴 の あ る 由 で あ るが 、 そ の 山 の 名 称 な ど を示 す ラ ン ドサ イ ン
が な く、 眺 望 を 楽 しめ る よ うな ビュ ー ポ イ ン トの 整 備 も され て い ない た め 、 車 な どが 寄 せ られ ない
こ と もこ の 地 区 の イ メ ー ジ の 印 象 を薄 く して い る要 闘 の 一 つ で あ ろ う。
地域 の 人 達 の八 剣 由 の 思 い 入 れ が 強 い こ とか ら、 シ ン ボ ル とす る合 意 形 成 へ の 道 の りは険 し くな
い よ うに考 え る が 、 課 題 は そ れ を どの よ う に地 域 イ メー ジ に結 びつ け、 誰 が 、 どの よ う に発 信 して
い くか 、 そ の フ レー ム づ く りと隅 時 に 、 国 道230号 に な ん らか の ラ ン ドサ イ ンを設 遣 し、 八 剣 山 を
知 ら しめ る こ とが 必要 に な る 。
現 在 国 道230暦 の喜 茂 別 町 側 は シ ー ニ ッ クバ イ ウ ェ イ の ニ セ コ ・羊 蹄 エ リ ア に 入 っ て い るが 、 札
醗 布 測 で も2006年 、 爾 区芸 術 の 森 地Cの 住 民 が 住 民 ワ ー ク シ ョ ップ や 景 観 つ く リ イベ ン トを「
粥催
し、 翌年 、 区 内 の 各種 鑓 体 に よっ て 「札 幌 市 南 区 シー ニ ックバ イ ウ ェ イ検 討 協 議 会 」 が 設 立 され て
い る 。 こ れ らの流 れ を 兇 な が ら も、 八 剣 由 周 辺 独 自の 共 逮 ロ ゴマ ー ク な ど、 地 域 が 一 体 と な っ た取
り組 みが 求 め られ る 。ICJf的 な報三
格 を持 つ とい わ れ る農 村 コ ミュニ テ ィ と、 強地 や 住 宅 地 な どの 比
較 的 新 しい コ ミ ュニ テ ィが どの よ う に ラ ン ドサ イ ンな ど、 地 域 イ メ ー ジつ く りに 協 同 して い くか
が 、課 題 とな る だ ろ う。
地域 名 に 知 名 度 が な い 場 合 、 また 「札 幌 」 の よ う な巨 大 ブ ラ ン ド傘 下 に い る と、 農 睦 品 な ど は燗
別 の 地域 ブ ラ ン ドに しに くい 。 この よ う な場 合 、 こ う した共 通 した シ ン ボ ル を利 用 して 、 新 しい地
域 の イ メー ジ を つ くる こ とがnJ能 で あ れ ば 、 そ こで で きた小 さな 地 域 ブ ラ ン ドを、 国 道230号 と い
う線 で結 び 、t111渓 とい う7inih資源 や 集 客 交 流 の 場 に結 びつ け る こ と もで き る だ ろ う。
現 在 、 定 山 渓 と砥 山 地 区 の 農 家 と堆 肥 を利 用 した農 産 物 の 販 売 が 行 な われ てい るが 、 こ う い っ た
取 り組 み はす で に各 地 で 実 践 さ れ て お り、 「エ コ」 だ け で は イ ンパ ク トが 弱 い 。定l!l渓か らは 八 剣
山 は 望 め な い が 、 車 で15分 の と ころ にあ る これ らの 地 区の 「里 山」 イ メ ー ジ は、 景 観 だ け で は他 の
温 泉 と差 鴉 が つ きに くい 定 由 渓 温 泉 の 広 域 的 な イ メー ジづ く りに も寄 与 で きる と考 え る。
地 域 イ メ ー ジ は 「人 び との 地 域 に関 す る誇 り、 居 柱 地 へ の 愛 着 意 識 」 と い うコ ミュニ テ イ ア イ デ
ンテ ィテ ィに 深 く結 び つ い て い る。 ま ちづ く りに は、 協 議 会 な ど多 数 の関 係 機 関 が 係 わ るが 、 あ る
麟 、 利 害 関 係 を 持 つ 者 が そ の 構 成 員 で あ る こ とが 多 い 。 無 論 、 地 域 の 活 性 化 に は地 域 経 済 を循 環 さ
せ る 取 り組 み は 必 要 で あ り、 そ こか ら生 まれ る コ ミュニ テ ィ ビ ジ ネ ス は 、経 済の み な らず 生 きが い
の 翻 出 に もつ な が る 。 しか し地 域 へ の 愛 着 を どの よ う に 次iu_一
代 に伝 え て い くか と考 え た と き、 地 域
に つ い て の 理 解 を深 め る学 習 を小 学 校 の 低 学 年 で 行 な っ てい るが 、 そ の成 果 を地 域 に還 元 す るー機
会
は そ う多 くは な い よ う にみ え る。
やま しろ
ここ で 参 考 に な る の は 、 京 都 蔚 山背 古 道 協 議 会 の取 り組 み で あ る。 山背 古 道 は城 腸市 、井 手 町 、
山 城 町 、 木 津 川 市 を結 ぶ 古 道 だ が 、 共 通 の カ ン トリー サ イ ン は地 元 の小 学 生 な どが デザ イ ン した も
の を使 っ て い る 。 こ うい った 地 域 の 小 学 校 との 連 携 も、 コ ミュ ニ テ イ ア イ デ ンテ ィテ ィを深 め る 一
98
つ の 要 素 で あ ろ う。
近 年 の グ リー ン ッー リズ ム を概 観 す る と、 都 市 住 民 の ビズ ィー な生 活 か らスmな
フス タ イル の 見 直 しが 確 実 に始 ま って い る こ とが 実 感 で き る。 札 幌 は 日本 で5番
生活への ライ
薄 に大 きな 都 布 で
あ りなが ら、 緑 が 多 く康然 環 境 に恵 まれ て い る。 しか しそ の よ う な 中で も、fや 緑 に求 め る癒 しの
ニ ー ズ は高 い 。 都 市 農 業 は 「食 」 の 提 供 だ けで な く農ueppと の 「ふ れ あ い 」 や そ れ を提 棋 す る地 域
との 交 流 が や は り必 要 で あ り、 八 剣 山地 域 の 活 性 化 の み な らず 、 札 幌 市 全 体 の 活 牲 化 に欠 か せ ない
もの で は ない だ ろ うか 。 そ の た め に も 「農 の あ る ま ちづ く り」 にお け る地 域 の イ メー ジ は重 要 で あ
り、 そ の 一 つ の 方 策 と して 、 住 民 と生 産 者 が イ メー ジ を共 有 し、 連 携 して それ を活 か してい くこ と
が 、 今 求 め られ て い る と考 え る。
油
1)内
糊麿 政 府 広 報 室r観 光 立 岡 に 関す る特 騎世 論 調 査 」 は2004年6月
、全 国20歳 以上3000人 を
対 象 に行 な っ た もの。 圃収=469.2%。
2)2007年
く
平 成19年)3月
の 「グ リー ン ッー リズ ム の 展 開 方 向(農 林 水 産 省)」 で は、 グ リー
ン ッー リ ズ ム を 濃 山漁 村 地 域 に お い て 、 自然 、文 化 、 人 々 の 交 流 を楽 しむ 滞 在 型 の 余 暇 活
動 」 と位 置 付 け て い る。
3)2004(平
成16)年10月
「道 民意 調 査 」 グ リー ン ・ツ ー リズ ム握 当 農 政部 農村 計 画課 。 調 査 対
象 は 道 内 に居 焦 す る満20歳 以 上 の 個 人 で 、250地 点 で の 郵 送 法 に よ る調 査 を行 な っ た。 標 本 数
2500中 、標 本 回 双 数1513で 有 効 國収 数 は60,5%。
4)2005(平
20r以
成17)年11月
「
都丁
盲と農 山 漁 村 の 共 生 ・対 流 に 関 す る世 論 調 査 」。 調 査 対 象 は全 國
上 の 者 で 、 調 査 員 に よ る個 別 面接 聴 取 に よ り、 標 本 数3000中 、 標 本 圓 収 数1746で 有 効Q
8又数`ま58.2%。
5)2005(平
成17)年
首 都 圏30㎞
93.2%。
度 「グ リー ン ・ツー リズ ム ニ ー ズ 調 査(交 流 意 向 調査)お
調査の対象は、
圏 内 に居 住 す る40歳 以 上70歳 未 満 の 男 女 で 、 標 本 数850、 有 効 回答 数792、 回 収 率
結 果 は 、 下 記 の 通 り。
○ 「希 望 窮 泊 日数 」 は 「2泊3臼
」 が 最 も多 く51.3%。3泊
以 上 も26.7°n。
○ 濃 村 地 域 へ の 旅 行 」 の 同 行 者 はr夫 婦 」 また は 「家 族 ・親 戚 」 が 中心 。
○ 「交 流 ・体 験 」 よ り農 村 の 「環 境 ・資 源 」 を楽 し む志 向 性 が 高 い 。
○ 「リ フ レ ッ シ ュ」 と 「食 事 ・買 い物 」 が 上 位 を 占め る。
○ 「農 村 地 域 へ の 旅 行 」 の 希 望 は24.6°0。
6)ジ
ョン ・アー リー 『
観 光 の ま な ざ し毒 撫 太 宏 邦 訳 、 法 政 大 学 出版 局 、2006年 、2頁 。
7)「 地 域 ブ ラ ン ド調 査2007(ブ
ラ ン ド総 合 研 究 所)」 に よ る と、 財 政 再 建 団 体 に認 定 され た 夕張
r15の情 報 接 触 度(夕 張 市 の 情 報 を こ の!年 間で 「何 度 も見 聞 き した」 人の 数)は73.9%を
占め
る な ど!000布 の 中で トッ プ と な っ た。 と こ ろが 、 認 知 度 は急 上 昇 した もの の 、魅 力 度 が11.7点
か ら9.5点 へ と低 下 して い る 。 特 に 「ぜ ひ住 み た い 」 が1人
も い な か っ た う え、70.9%が
ま り住 み た くな い」 と答 え る な ど、罵 伎 葡 での 評 癌 が 極 め て低 くな っ て い る 。
参 考 文献
内 閣府r観 光 立 国懇 談 会報 告 書 」(2003)
「あ
地域 ブ ラ ン ド構 築 の ための住 民 と生 産者 の連携 に濁す る研 究99
内 閣府
「21世 紀 初 頭 に お け る 観 光 振 興 方 策 」(2000)
内 閣府
「観 光 立 国 に 関 す る 特 劉 世 論 調 査 」(2004)
札 幌市
「さ っ ぽ ろ 都 市 農 業 ビ ジ ョ ン 」(2006)
日経 産業 地域 研 究所
「地 域 ブ ラ ン ド583銘 柄 の ラ ン キ ン グ 」(2007)
ブ ラ ン ド総 含 研 究 所
「地 域 ブ ラ ン ド調 査2008」
定 山 渓 混 泉 ま ち づ く り委 員 会 ・定 由 渓 観 光 協 会
「温 泉 観 光 地 活 性 化 モ デ ル 事 業 報 告 書 」(2003・
2004)
農糎 水 産 省 農村 振興 局 企 鋼 部 農 村 政 策 課
都 市 農 業 ・地 域 交 流 室
「グ リ ー ン ・ツ ー リ ズ ム の 展 開
方 向_1(2007)
農林 水 薩 省
多方一成
「農 林 業 セ ン サ スJ(2005)
奮グ リ ー ン ・ツ ー リ ズ ム の 文 化 経 済 学 壽(2000)芙
石 晃 利 勝 ・幽 申 美 子
田 中美 子
馳 域 イ メ ー ジ と ま ち づ く り毒(1996)技
艶 域 の イ メ ー ジ ・ダ イ ナ ミ ク ス 圭(1997)技
佐 藤 誠 ・篠 原 徹 ・山 崎 光 博 編 著
蓉書 房 出版
報堂出版
報堂出版
『グ リ ー ン ラ イ フ 入 門 一 都 市 農 村 交 流 の 理 論 と 実 際 曇(2005)農
山漁 村 文 化協 会
後 久 博P農
安村 克 己
業 ブ ラ ン ドは こ う し て 創 る』(2007)ぎ
獺 光 ま ち づ く りの 力 学
津 川 康 雄rラ
ょ うせ い
観 光 と 地 域 の 社 会 学 的 研 究 雲(2006)学
文社
ン ドサ イ ン の 成 立 過 程 と 地 域 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 関 係 」(2005)馳
(高 崎 経 済 大 学 地 域 政 策 学 会)第8巻
域 政 策 研 究選
第1号
札 幌 市 ホ ー ム ペ ー ジhttp://www.city.sapporo.jp/city/
札 幌 市 南 区 ホ ー ム ペ ー ジhttp://www.city.sapporo.jp/minami/
藤 野 地 区 町 内 会 連 合 会 ホ ー ム ペ ー ジhuu://fujino-sapporo.net/
北 海 道 の グ リ ー ン ツ ー リ ズ ム ホ ー ム ペ ー ジhttp://www.prefhokkaido.jp/keizai/kz-ksnko/700green/indexG,htm
(原 稿 受 理 日:平
成20年12月20臼)
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