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住教育研究の現在の到達点 - 滋賀大学学術情報リポジトリ

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住教育研究の現在の到達点 - 滋賀大学学術情報リポジトリ
滋 賀 大 学 教 育 学 部 紀 要 人 文 科 学 ・社 会 科 学 ・教 育 科 学
No.40 p.p.199-214, 199
1990
住教育研 究の現在の到達点
山 崎
The Present Situation of Studies Kotoko 1.諸
古都子
about Housing Education
言
YAMASAKI
政 学 会 住 居 学 研 究 委 員 会 で 「高校 家庭 科 に お け
る住 教 育 の現 状 と そ の あ り方 η」 を 発表 した。
本 研 究 の 目的 は 住教 育 に 関す る既 往 の 文 献 を
そ れ に よ る と、 住居 領域 は他 領 域 に較 べ て 指 導
整 理 して住 教 育 の研 究 の到 達 点 を明 らか にす る
が 困難 で あ りそ の 理 由 は住 居 学 を専 攻 した 担 当
こ とで あ る 。
教 員 が 少 な い こ と、住 居 に 関す る情 報 不 足 と、
近 年 各 方 面 か ら住 教 育 の 必 要 性 を説 か れ る よ
再 教 育 の チ ャ ンス が少 な い とい う学 校教 育 にお
うに な っ た が 、未 だ住 教 育 に関 して コ ンセ ンサ
スが 得 られ て い る とは い え ない 。 した が って 、
の 出 身専 攻 分 野 と関係 つ けて 明 らか に な った 。
研 究 を促 進 し国民 が優 れた 成 果 を共 有 す るた め
この 指摘 は そ の後 各 地 域 にあ る学 校 の 実 態 調
に 「住 教 育 研 究 」 の現 状 を確 認 し、 各研 究 を組
査 を通 して追 認 され た。 そ して 学校 教育 の 中 で
織 的 に整 理 して概 念 化 を して お く必要 が あ る。
の 住教 育 の現 状 を把 握 す る指 標 の 一 つ に担 当教
本 研 究 で は 、① 住 教 育 の 概 念 を整 理 す る た め
師 の特 性 を加 え る こ とが 一 般 化 した 。 た とえ ば
に住 教 育 を どの様 に捉 えて い る か 、② 学 校 教 育
1982年 に貴 田 らは、 高 校 の 教 師 が住 領 域 の重 要
の 内 外 にわ た って 住 教 育 を扱 った 文献 、③ 文 献
性 を認 め なが ら も最 も教 え に くい領 域 と して お
け る住 教 育 の 困 難 な現 状 に あ る こ と を担 当 教 員
の レベ ル を現 状 認 識 段 階 と、構 想 を記 述 してい
り、 そ の 要 因 は[制 度 、 指 導 内 容 、 教 師 の 力
る もの に 当 た る こ と に留 意 して対 象 の文 献 を幾
量]で
分 広 い 範 囲 に採 っ た。 な お 本 論 を書 く上 で 、 引
科 出身 教 師 とそ の 他 の 教 師 との 間 に指 導 力 量 の
用 文 に は慣 例 上 の 引 用 附 「 」 をつ け たが 、 引
差 が あ る こ と、 また住 居 に 関す る専 門 的 な知 識
用 の 冗 漫 さ を避 け るた め に著 者 の責 任 で 要 約 さ
体 系 に触 れ て い な い教 師が 現 場 で は 自信 の 欠 如
せ て も らっ た もの もあ る 。 そ の場 合 は[]を
か ら対 応 を避 け る た め に14%の 学 校 で住 居 が履
つ け て 区別 した 。
修 され て い な い こ と を明 らか に した 。両 者 の 発
あ る と指 摘 した劉 。 そ こ で は特 に住 居 学
表 に よ って15年 間以 上 の間 に高 等学 校 の住 教 育
2.「 住 教 育 」 の 現 状 認 識
に 進 歩 が な い こ とが 明 確 に な った。
住 居 の指 導 が 困難 な理 由 につ い て 田 中恒 子 は
1)家 庭科 の教師 と住教育の問題
[① 児 童 生 徒 の 認 識 の対 象 と して 住 空 間 は複 雑
で あ る 、② 人 間の 働 きか け る素 材 と して 一 般 的
に両 方 の 手 で 扱 う こ とが で きる衣 ・食 に 較 べ て
学 校 教 育 の 中 で早 くか ら住 教 育 の現 状 の 問題
点 を指 摘 した の は奈 良女 子 大 学住 居 学 研 究 会 で
住 空 間 は それ が で きな い し、'かつ 多 様 な 経 験 を
あ った 。 同 研 究 会 は実 態 調 査 を基 に1968年 に家
選 び採 る こ とが で きな い 、③ 今 日の 住生 活 に は
200
山崎古都子
社 会 階層 が 如 実 に現 れ 、 児 童 問 の住 環境 ・住 経
2)教 員養成の中での住教 育の問題
験 が 違 い 過 ぎ、 生 活 経 験 を踏 まえ た授 業 が しに
くい 、④ 理 解 力 を定 着 させ る 実 習 方 法 お よ び 、
1960年 代 後 半 か ら 日本 教 育 大 学 協 会 二 部 会 家
獲 得 した 理 解 を現 実 の 生 活 の 改 善 に 向 け て行 く
庭 科 部 門 で は全 国 国 立 大 学 教 員 養 成 系 学 部 に お
こ との 困 難性]を
け る住 居 学 の省 令 化 を重 点 的 課 題 と して 取 り組
ゆ
あ げ る。
一 方 、 菊 地 、 梅 原 、 相 島 等 は 、 中学 校 で 技
ん で きた 。 そ して1981年 に はつ い に同 総 会 の 決
術 ・家庭 科 が 従 来 の 男 子 向 き、 女子 向 き教 科 の
議 事 項 と して 、教 育 大 学 協 会 、 及 び文 部 省 初 等
相 互 乗 入 れ を実 施 した1981年 以 降 、 男子 の履 修
中 等 学術 局へ 要 望 した。 そ して 、 日本 教 育 大 学
ヨ が 少 な い だ けで な く、 女 子 も住 居 領域 を履 修 す
協 会 の学 科 目整 備 の 第一 重 点 事 項 に な って 今
る 学 校 が 極 端 に 減 少 し た(相
日 に至 って い る。 しか し、 こ の様 な永 い経 緯 が
を ロ
の
島 の調 査 で は
また菊
あ る に も関 わ らず 、 未 だ 「教 員 養 成 系 」 学 部 に
地 の 調 査 に よ る と、 相 互 乗 入 れ の 担 当教 官 は他
お い て は住 居 学 の 省 令 化 は認 め られ て い ない 。
19%) こ と を 明 らか に した(表1)。
領 域 で は技術 系 列 は技 術 科 教 官 が 、 家庭 科系 列
この こ と を問題 に して い る文 献 も多 い 。
は家 庭 科 教 官 が 指 導 す るの が 多 い の に 較べ て 、
住 居 領 域 の指 導 性 を教 員 養 成 の 立 場 か ら明 ら
男 子 生 徒 へ の 住 領 域 の 指 導 を技 術 科 の教 師 が担
か に した の は住 環 境 教 育 研 究 会 の 研 究 で あ る。
当 して い る比 率 が 高 い こ とが 分 か った(表2)。
そ こ で は 実 態 調 査 を踏 ま え て 、 教 員 、 開 講 科
教 育 現 場 で 教 師 の 力 量 が 領 域 の 選 択 を決 定 した
目 ・単 位 数 を詳 細 かつ 、的 確 に現 状 分 析 を した。
り、 専 門 性 を無 視 した対 応 が み られ る の は 問 題
そ の 後1983年 に は二 部 会 住 居 学 担 当 教 官 が 再 調
査 を して 省 令 化 の要 望 資 料 を改 訂 して きた 。
が あ ろ う。
「住 」 教 育 と い う立 場 か ら み て教 員 養 成 を第 一
目的 と して い る全 国 国立 大 学 「教 員 養 成 系 」 学
表1 中学校技術 ・家庭科の相互乗 り入れの履修領域の実態,
表2 高知県乗 り入 れ領域 の学習内容 ・形態 ・担 当教 師
家庭系列 について男子が履修 している学校の割合
回答枚数 食 物
n
L
群 馬
L
埼 玉
n
1}
福 井
岐 阜
1
2}
D
3)
4)
P
大 阪
和歌山
兵 庫
山 口
高 知
福 岡
住 居
保 育
0.9
0.3
14.9
18.0
9.0
73.0
1.1100%
73.0
61100%
83.6
14.8
1.6
36.1
59.0
4.9
10.9
10.4
61
100%
193100%
121
100%
18100%
117
100%
44
100%
241
100%
46.1
78.5
27.0
32.6
1.7
6.7
13.2
学習内容
77.8
5.6
64.1
食物1
65.9
79.7
31.8
5.4
4.3
7.9
学校数
異 な る
住 居
異 な る
別 学
〃
9
〃
6
〃
〃
〃
別 学
3
2
1
7
3
〃
男 女 同 じ 共 学 家庭科教 師
異 な る
11
技術科教師
男 女 同 じ 別 学 家庭科教師
保 育 〃
〃
共 学 男 女 同 じ 別 学 技術科教師
2
2
〃
高 知県担 当教 師別乗 り入れ領域 の指導時間
6.8
家庭科教師
平均値 標準偏差
7.1
資料の 出典1)家 庭科の男女共修 をすすめる会 々報 1981.
秋
2)梅 原 清子:和 歌山県 の技 術 ・家庭科 の
「
相互 乗 り入 れ」 に関す る調査報告,和
歌 山大学教育学部家政科研究室紀要
3)相 島 裕子:家 庭科 の住教 材 に関す る基
礎的研究(2),山 口大学教 育学部研究論叢,
第32巻,1983
4)菊 地るみ子1高知県 の実態 か らみた中学校
の 家庭科教 育の問 題点 日本家庭科教 育
学会誌 ・第26巻2号,1983
〃
男 女同 じ
16.7
15.4
担当教師
学習形態
男 女 同 じ 共 学 家庭科教師
)
73.0
被 服
家 庭 系 列 ( 男 子 に
北海道
74
100%
11100%
7.1
食 物1
19.7時
住 居
保 育
20.0
0
20.0
0
電 気1
18.0
木 工1
20.0
機 械1
14.3
間
技術科教師
標準偏差
・平 均 値
9.5時
間
3.0
18.8
3.3
4.7
19.0
3.7
0
18.3
8.2
5.0
15.0
5.8
出典:菊 地 るみ子 前掲4)
住教育研究 の現在 の到達点
ユ
表3 専門分野(和 歌山)
専 門分野
家庭
(得意な分野) 食物 被服 住居 保育 経営
33
家庭科教師
41
0
{24.6)(30,8)⑩.0)
3
1
(23)
(0.8)
201
を分 析 した研 究 は多 い 。 そ れ に よ る と住 教 育 は
その
他
家政
以外
無記
入
計
主 に家 庭 科 の 中 に含 まれ て お りそ の枠 に よ って
27
17
11
133
(20.3)(12.8)(8.3)(100.0>
性 格 付 け られ て い るが 保健 体 育科 、社 会 科 、理
科
そ の 他 に も関 連 の 知 識 領 域 が 含 ま れ て い る 、
しか し両 者 を結 び うる総 合 的 な学 習 過 程 は みつ
出典 梅原 清子 前掲2)
か らない し、 家庭 科 以外 で は 「住 教 育 」 とい う
の
教 材 概 念 が 希 薄 で あ る。 次 に こ れ らの研 究 は、
表4 望 ましい乗 り入れ領域(和 歌山 )
家庭糸1への
歩
家庭科教師
食物 被服 住居 保育 家庭経営他
107
21
0
(80.5)⑩.0)
15
8
(15.8)(11.3)
(6.0)
計
無記入
3
154
(2.3)
{115.8)
出典 梅原 清子 前掲2)
家 庭 科 の 中 の住 教 育 は、 「技 術 教 育 」 の 枠 を持
ち、 「実 践 的 ・体 験 的 な学 習 を行 な う」 家 庭 科
教 育 の独 自性 を授 業 の指 導 に最 も反 映 させ に く
い と指 摘 して い る。 生 徒 は 生 活 の 中 で住 居 に関
表5 国立教員 養成系学部 家政科学科 目別ス タッフの比率 単位%
す る 「技 術 」 を僅 か しか 体験 して い な い に もか
か わ らず 、 学 校 教 育 に馴 染 み に くい 「住 宅 の技
電気
機俵
計
家庭科
教 育 助手も
含む
年度
食物
被服
管理
保育
住居
1968
38.6
32.6
11.2
6.3
1.8
1.1
4.9
1978
34.6
28.7
12.0
7.0
4.7
0.8
12.7
355
30.5
25.6
12.3
*131.9) 孝〔27.2〕 零(13.1)
5.7
6.8
*(8.1)
0.5
18.8
383
☆1987
285人
*家 庭 科教 育等他 領域 を主 とする者 も加 えた比率,☆ 日
本教育大学協 会全国家庭科部門会員名簿 を基に作成
術 」 を教 育 して も生 活 の 中 で実 践 で きな い し、
そ もそ も教 師 にそ の 指 導 力 が な く、 した が って
生 徒 の興 味 を引 き出 せ な い で い る の が実 状 で あ
る。 しか しこれ は住 領 域 に 原 因 が あ る の で は な
く、現 行 の 家 庭 科 が 衣 ・食 ・住 ・保 育 ・家庭 経
営 と縦 割 に扱 う こ と に慣 れ 、生 活 を立 体 的 ・総
合 的 に把 握 す る こ と に欠 け るた め に 起 こ して い
る混乱 で あ る と考 え られ る。 実 生 活 で は 生 活 活
部 に お け る住 教 育 分 野 の教 員 を例 に先(表5)
動 の あ る面 に は 「技 術 」 が 中 心 に な る し、 また
の 事 情 を見 る と、1986年 に お いて 、 全 国 で30校 、
あ る面 で は 「人 間 ・家 族 ・社 会 関係 の 運 営 」、
1大 学 当 り平 均0.6人(全
家庭 科教員 の中では
「生 活 価 値 の 決定 」 が 、 そ して また あ る面 で は
留 ま っ て い る。 こ れ は 同 じ家 庭 科教
「社 会 環 境 の 中 で の 意 志 決 定 ・行 動 」 が 中心 に
育 の 他 領 域 で あ る被 服 、食 物 、 家 庭 管 理 に較べ
な り、 生 活 は こ れ らの総 合 的 な 営 み で あ る 。 け
て 驚 くべ き 少 数 で あ る。 勿 論 学 部 に在 籍 す る研
っ して どの場 面 で も同一 の 切 口 を持 つ わ け で は
究 者 の 総 て が 各 領域 の教 育 に関 す る研 究 を して
な い 。 これ に比 べ て ア メ リ カの 教 科 書 で は コ ミ
い るわ けで は な い が 、教 員 養 成 の あ り方 と して
ュニ テ ィ活動 の ウエ イ トが 高 い が 、 そ こで は選
研 究 ス タ ッフ が 少 な い こ とは大 き な障 害 で あ る 。
挙 にお け る活 動 の仕 方 まで と りあ げ 、生 徒 の実
例 えば 各 地 域 の 生活 に根 ざ した独 自の 住 教 育 を
践 を促 した り、或 い はエ ネル ギ ー の 不足 を巡 っ
研 究 開 発 す る こ とが で きない か らで あ る。
て 、 まず生 活 様 式 の点 検 か ら始 め て エ ネ ル ギ ー
「住 教 育 」 の 研 究 者 の 大 半 は 家 庭 管 理 学 、 ま
の 消 費 を減 少 させ る道 を求 め 、 そ の 上 で 原子 力
た は 家 庭科 教 育 法 の ポ ス トにあ り住 居 学 を副次
エ ネ ル ギ ー を考 え させ る もの もあ る 。生 活 の あ
的 な担 当 と な って お り、 極 め て 不 安 定 な状 態 に
り方 を点検 す る作 業 は優 れ て 「技 術 的」、 「実 践
い る こ とが 考 察 で きる。 今 後 も省 令 化 の実 現 に
的 ・体 験 的 」で あ るが 、 日本 の 家庭 科 教 育 の 中
向 け て 説得 力 の あ る性 格 な根 拠作 り を積 み重 ね
で は なぜ か取 り上 げ るの が 難 しい 。・
手 を使 っ た
て い く必 要 が あ る だ ろ う。
物 の 製作 や 、修 理 に固 定 す る 「技 術 」概 念 を改
5.4%)に
め る必 要 が あ る だ ろ う。
3.住
教育 の性格
文 献 を通 祝 す る と住 教 育 の性 格 を 「技 術 」 教
育 とす る共 通 認 識 は な いが 、大 半 が 「実 践 的 ・
1)住
教育 の性格
体 験 的 学 習 」 で あ る こ とを肯 定 して い る。 しか
し、[実 践 的能 力 を一 般 的 ・抽 象 的 に否 定 す る
指導要領 及 び教科書か ら現行 の住教育の性格
も の は い な い が 、 「実 践 的 能 力 」 の 意 味 や 内容
202
山崎古都子
表6 日本 建 築 学 会1987年 大 会 建 築経 済 部 門研 究 協 議 会 「市 民 と住 宅 」 目次
序 文 建 築経 済委員会委員長
大会研究協議 会主題解説
市民 と住宅 一往 教育の視点か ら一
パ ネル講演 資料
・子供 お よび市民に対 する住教育
・住宅供給 者における住教 育
・健康 のための住教 育
下総
薫
竹林
寛
田中恒子
小林昭夫
吉沢 晋
・町づ くりと住環境 教育
宮西悠司
・住宅行 政における住意識向上へ の期待 と施策
赤松圭子
住教 育に関する研究 ・実践 ・関与者の報告 と問題提起
・学校 教育,教 員養成における住教 育の現状 と問題
点 秋山晴子
・学校 教育,教 員養成における住教 育の現状 と問題
点 浅見雅子
・家庭 科住領域か ら住環境教育へ 在塚礼子
・'初
等 中等教育における 「住 まい」教 育一その現状
と問題点一 内田 茂
・教 員養成 と教育現場の住教育の問題点 岸本幸 臣
・学校 教育,教 員養成における住教 育の現状 と問題
点 清野 きみ
・住教 育の現状 と課題 小澤紀美子
・学校 教育,教 員養成における住教 育の現状 と問題
点 鈴木雅夫
・家庭 科教育 におけ る住教育 と住 宅問題 西 島芳子
・学校 教育,教 員養成における住教 育の現状 と問題
点 ' 林 知子
・小 ・中 ・高校におけ る住居教育 藤井正一
・学校教育 における住教育 を取 り巻 く環境 出田清維
・学校教育,教 員養成 における住教育の現状 と問 題
点 山口 廣
・小 ・中 ・高校におけ る住教育' 渡辺彩子
・高等学校 におけ る住教育の現状 と問題点
浅井由利子
・住居 の授業実践 と問題点 黒沢悦子
・高等学校 における住教育か らの問題提起 妹尾理子
・学校教育,教 員養成 にお ける住教育の現状 と問題
点 山本紀 久子
社会教育にお ける住教育の実態 と課題
・コ ミュニ ティ形成 と住環境学習` 延藤安弘
・社会教育 における住教育の実態 と課題 本多 昭一
・集合住宅地 の 「
住み方 ルール」 と住教育西村 一朗
・ 「まちをつ くる力」 をつ くる一地域づ くりと環境
学習 原 昭夫
住宅供給,住 宅管理者 にお ける住教育の実践 と今後のあ
るべ き姿
・集合住宅 の維持管理 にお ける管理組合の役割 と技
術者の関 わ り ` 今仲 昭喜
・主体的 な住居選択 に向 けての学校における住教 育
に期待す る 小倉 敏
・分譲集合住宅 における管理者の住教育 大原章男
・マ ンシ ョンにお ける居住者の活動 と住環境改 善能
力の向上 梶浦恒 男
・住 まい教 育につ いて一所有者 ・管理者 ・占有使 用
者へ の住 まい教育 の実践 と課題 一 中村幸安
・住教育 の現状 と課題 丹羽篤人
・住宅 の質 と住文化 と住教育 水谷達郎
・住宅供給,住 宅管理 者における住教育の実践 と今
後のあるべ き姿 山崎古都子
・住み手 による住環境づ くり一認識 と実践 一
山本育三
・分譲マ ンシ ョンにおける住教育 米倉喜一郎
医療,保 健,福 祉 の現場 における住教育の必要性 と先進
的試み
・健康教 育の一貫と しての住居衛生 大谷 謙
・医療 ・保健 ・福祉 の現場 における住教育の必要性
相 良二朗
・環境衛生監視員に与 えられた機会
(都市の快 適な生活 を確保す るため に:東 京23区
の例) 佐藤明子
・保健所における住居衛生教育 の試み 高橋 弘
・医療,保 健衛生,福 祉 に従事 する専門家へ の住教
育の必要性 松本恭治
・在宅介護における生活環境 望 月彬也
・医療の現場における住教 育の必要性 と先進 的試み
一病院における住教育 につ いて一 安倉克明
・在宅ケア活動における家屋改 善指導 につ いて
横森英世
住教育 に関する期待 と意見
建築専門家教育の立場か ら
・義務教育 としての住教 育一rひ と り住 む」ことと
rみんなで住 む」 こと一 香 山壽夫
・研究成果の社会的還元 としての住教育 竹下輝和
・学校図書館に住宅,住 環境 に関す る図書,資 料 の
充実 を! 八木 沢壮一
・住 ・環境教育 をにな う人材 養成を 吉村 彰
住居学教育の立場か ら
・住教育に関する期待 と意見 小川信子
・住居学教育の立場か ら 川 崎衿子
・ハ ウジング専門機能の確 率 をめざ して 住 田昌二
・生活の主権者 となる若 き女性 への期待 一家政系短
大の住教育の立場か ら一
中島明子
・住居学教育の立場か ら
中野近代
・住居学教育の立場か ら
吉野正 治
建築家の立場か ら
・耕 しつつ学 び,創 る姿勢
東 孝光
・建築家の実践か ら住教育に関する意見 天野 彰
・建築家の立場か ら
大野勝彦
・"まず,住 まい方 を話 し合 って くだ さい"
大林康仁
・かつての棟梁の役割 を誰かが担 うか 杉坂智男
・建築家の立場か ら 松永充枝
・せめて最:小限の生活教育 を 宮脇 檀
・学校教育 と学校建築 とに よって建築文化 を広める
村上美奈子
都市計画 の立場か ら
・住 教 育 へ の 期 待
長田喜樹
・協 働 型 の ま ちづ く り と学 習 機 構
高野公男
・港 南 こ ど も ま ちづ く り絵 本
田口俊夫
市民の立場か ら
・住 教 育 に関 す る期 待 と意 見 ・市 民 の 立 場 か ら一 往
(環 境)は 誰 が 守 る の か
・主 婦 が学 ん だ住 居 学
・集合 住 宅 にお け る近 隣 騒 音 問 題
・市民 の立 場 か ら
神埼房子
岸本紀子
若木信子
渡辺房枝
住教育研究の現在の到達点
203
が 具 体 的 な 形 で 把 握 され な い 限 り、 そ れ は 「実
材 研 究 の発 表 が 期 待 さ れて い る。
用 主 義 」、「主 婦 養 成 」 に お ち い る の で これ を教
他 の ア プ ロ ーチ は市 民 の 住 意 識 の 向上 を住 教
け
科 の性 格 付 に使 う の は 好 ま し くな い]と
する
育 に委 ね よ う とす る もの で あ る。 わ が 国 は住 宅
意 見 もあ り、 未 だ 従 来 の 解 釈 か ら脱 した住 生 活
の建 設 量 にお いて も、 売 買 取 引 量 に お い て も世
教 育 の 「実 践 的 ・体 験 的 学 習 」 の 内容 や 方法 が
界 の トップ水 準 で あ り、 住 宅 産 業 が 日本 の 産業
明 確 に され て い な い 状 況 で あ る 。
の牽 引 力 に な って い る に も関 わ らず 、住 生 活 の
2)住
質 の低 さ は国 民 の 重 大 問 題 で あ る。1970年 代 ま
教 育 の 捉 え方
で の研 究 は この 問 題 の 解 決 を住 宅 政 策 の あ り方
1986年 に都 市 計 画 学 会 が 、1987年 に は 日本 建
に お いて きた とい え る。 しか し1980年 頃 か らこ
築 学 会 が 各 々の 学 会 の シ ンポ ジ ウ ム で住 環 境 教
の状 況 の 打 開 を住 宅 の 需要 者(す
育 を取 り上 げ た 。 日本 建 築 学 会 の資 料 「市 民 と
の住 生 活 認 識 ・住 意 識 に委 ね る研 究 が 出始 め た。
の
な わ ち 国民)
住 居 」 を見 る と住 環 境 教 育 を い か に広 範 に 解
この立 場 か ら は 日本建 築学 会 関東 支 部 が 住 環 境
釈 しよ う と して い るか が 分 か る(表6)。
教 育 の広 が りを図 示(図1)し
しか
てい る よ うに、
し幾 分 節操 の 無 さが伺 え る 。 したが って 執 筆 の
住 教 育 の 場 を学 校 教 育 ・社 会教 育 ・家 庭 教 育 に
依 頼 を受 け た 各 方 面 の 人 々 の 中 に は 、課 題 の 意
求 め られ て い る。 現 時 点 で の各 文 献 は ほ ぼ この
図 を測 りか ね 、 と ま どい を表 して い る もの も少 ・
中 に入 って い る とい え るだ ろ う。
な か らず み られ た 。 この こ とは誇 大 に範 囲 を広
げ 、 盛 り沢 山 の 内 容 を積 む こ とに よ って 漏 れ を
3)住
教育の意義
防 ご う とす る こ とで あ り、担 当者 の概 念 把 握 態
住 環境 教 育 研 究 会 は住 教 育 を体系 化 す る に あ
度 の 曖 昧 さ を表 して い る 。 こ う した現 象 は学 問
た って住 教 育 の意 義 を次 の よ う に位 置づ け た 。
の 未 成 熟 な段 階 を示 し、他 の分 野 に お い て も見
[住 教 育 は住 文 化 を担 う社 会 の構 成 員 が 、 高 い
られ る こ とで あ り、 言 い 替 え る と学 問 の客 観 的
見 識 に立 って住 生 活 ・住 環 境 を実現 して い く主
な 形 が 見 え て きて い ない と も言 え る 。建 築 学 会
体 者 と して の基 礎 的 な能 力 をつ ける こ とで あ る。
は同 関 東 支 部 が1982年 に も 「住 環境 教 育 を考 え
住 教 育 が必 要 に な って きた 理 由 は① 従 来 の生 活
ユ
の
る」 とい う座 談 会 を 開 い て 、 報 告 者 を研 究 ・
の 規 範 が 崩 れ 、価 値 観 の変 化 とそ の価 値 の判 断
活 動 の 蓄 積 の あ る7人 に絞 って 密度 の濃 い報 告
が 個 人 に委 ね られ る よ うに な り生活 の主 体 者 が
討 論 を行 って い る。1982、1987年 の 企画 者 に は
そ の 能力 を問 わ れ る よ うに な った 、② 住 生 活 の
沢 山 の 重 な りが み られ るだ け に 何故5年
間の 学
フ ィ ジカ ル な環 境 の質 が 変 わ り、特 に居 住 地 生
習 の 蓄 積 が 反 映 しなか った の か 疑 問 で あ り、 甚
活 の あ り方 を学 習 し、 居 住 地 つ くりに参 加 す る
だ 残 念 に思 わ れ る。 しか し、 この 企 画 に よ って
能 力 を求 め られ て きた、③ 住 環境 の改 善 を推 進
住 教 育 の 必 要 性 が多 方 面 の 分 野 の 人 々 に よ っ て
す るた め に住 要 求 の質 を高 め る必要 が あ る 、④
熱 っぽ く語 られ 、認 識 され た こ とは 意義 が あ る。
住 まい の 知識 が商 品情 報 と して 反乱 して い る反
さて 文 献 で扱 わ れて い る住 教 育 に は2つ の 異
面 、 そ の情 報 に適 性 な価 値 判 断 を下 し、 有 効 に
質 な ア プ ロ ー チ が み られ た 。
利 用 し、 主体 的 に選 択 で き る能 力 を育 て る住 居
一 つ は家 庭 科 の 中 に古 くか ら衣 食住 の教 育 と
観 ・住要 求 の教 育 が 遅 れて い る、 こ とに あ る。
して 位 置 づ け られ て い る授 業 の 展 開 を巡 る ア プ
住 環 境 に 関す る教 育 は住 生 活 を営 む全 て の人 た
ロ ーチ で あ る 。 家政 学 会 、 家 庭 科教 育学 会、 教
ち を対 象 に しな け れ ば な ら ない 。 なぜ な らば今
育 大 学 協 会 家 庭 科 部 門 な どの 論 文 に こ の ア プ
ロ ーチ の も の が 多 い。 ま た、 多 くの 教材 研 究 ・
日の 社 会 で は住 環 境 を有 効 に使 い 、豊 か な住 生
活 を創造 して行 くこ とが 、 一 個 人 の経 験 や知 識
授 業 実 践 の 報告 が あ る。 教 育 方 法研 究 を推 進 す
だ けで は実 現 で きな くな って きて お り、 住 環 境
る こ と は、 現 行 の教 科 にお い て よ り高 い 水準 の
の 科 学 的教 育 的知 識 や 技 術 を社 会 的制 度 と して
文 化 を よ り効 率 的 に指 導 す るた め に重要 で あ る。
正 し く国民 に伝 え られ ない と国 民 を住 ま い に対
特 に住 居 の 指 導 の 困難 さが 住 領 域 の履 修 を疎 外
して い る現 実 を踏 まえて 、 今 後 も よ り多 くの 教
して ます ます 受 身 的存 在 に変 え て し まう こ とに
14}
な りか ね な い か らで あ る]
204
山崎古都子
"住 環 境 教育"テ
ー マ の と り あげ 方 につ い て
A.テ ーマ の 焦 点
A-1.家
庭 科 に お け る住 領域 の扱 い方
舟2●性教育じ 郷
A-3.環
在
。、
校教育
庭科[勢
。ソフ,
境 教 育 住 民 運 動
A-4. ま ち づ く り 住 民 参 加/地
D.学
会科磁 轟 り 問題
域 施 設 ・老 人の た め の ・弱 者 の た め の …
築 ・町並 ・歴 史 的 遺 産
D-3保
健 ・体 育
A-6.公
共 施 設 利 用 の プ ロ グ ラム
D-4図
工 ・美術
D。5そ の他 国語 ・理 科
計 戎 市識
設 養 .意 揚
宅 節 婦 の昂
民.
建 家住教
薄
→ ,
⋮ ⋮⋮⋮ ←築 政 居 育
縄
﹁ト ﹂
● ・ .
エ 一 一
B B
ジ 園 枝 枝 枚 挙
一 稚 学 学
テ 幼 小 中 高 大
ス ﹁ ﹂i トー ﹁﹂
の
青 青
育
教
a
嬲物
A-5.建
C。MEDIA
C-1
絵 本 ・遊 具
C-2
C-3
C-4
C-5
C-6
C-7
C。8
'
、C-9
欝 卍 繋 三1翫
教科書
「住居 学 」 テ キ ス ト 〈 暗 記 科 目 と して で ない 扱 い 〉
教 員 向 参考 書 指 導 書
市民 向 け ガ イ ダ ンス ・本
雑 誌(コ
マ ー シ ャル)
'
'
'
B-4.生
涯 教 育 1∼3の
師)
'
珪3 教育[竺是認 脚 C-10 指 導 者(教
統合
図1 住 環 境 教 育 の テ ー マ の拡 が り
日本 建 築 学 会 関 東 支 部研 究 委員 会
「住 環 境 教 育 を考 え る 」1983よ り引用
住 教 育 の 意 義 ・必 要 性 は この 様 に住 生 活 の 主
と を押 し付 けて 家 を出 て行 く まで 家 の こ とに は
体 者 が 安 定 した生 活 を送 るた め の 住 環 境 を実現
全 くの 素 人 で あ った と ころ の 主婦 、社 会全 体 の
す る力 を持 つ こ と にあ るが 、 この 必 要 論 が公 表
住 や 建 築 に対 す る教 養 の レベ ル が低 い この 国 で
さ れ た 後 に 、 「わが 国 の 国 民 の住 意 識 の 低 さが
女 連 の ため に不 毛 な デ ィス カ ッシ ョ ンに い らい
今 日の住 宅 事 情 の 貧 しさの 一 因 にな って い
ら とっ き あ わ さ れ る]の
は こ り ご りだ か ら、
ユ
うロユ ロユ り
る」 と 規 定 す る 意 見 が 増 え た。 そ し て
「設 計 者 達 の 集 め た 比 較 的 正 確 な デ ー タ を住 宅
[「同 じ条 件 下 で もそ こ に住 む人 が 豊 か に な る方
設 計 上 守 る た め に」 主 婦 連 に住 教 育 が い る とい
法 が あ る」 はず だ か ら 「都 市 部 の 住 宅 問題 の解
っ た暴 論 も加 勢 す る こ と に な る。 宮 脇 は この 中
消 の ため に 住 意 識 の 改 革 も一つ の条 件 で あ
で[主 婦 が持 っ て い る住 居 に 関す る知 識 や 教 養
の
る」]と して 行 政 が住 教 育 の 必 要 性 を強 調 す る
は 「強 烈 な コ マ ー シ ャ リズ ム」 に操 作 さ れ た も
論 理 も現 れ る よ うに な った 。 一 体 住 宅 問 題 の解
の で学 校 教 育 や社 会 教 育 を通 して 「人 間形 成 期
決 の遅 れ は国 民 の住 意 識 の 低 さが 原 因 で あ ろ う
に なぜ そ ん な生 活 必 修 項 目を教 え て お い て くれ
か。 住 宅 需 要 者 が 座 して い て もらち が あ か な い
な か った の か」]'9}と
恨 む。 人 間 形 成 期 の住 教 育
土 地 ・住 宅 政 策 を強 力 に推 進 す るた め に 国 民 が
政 策 圧 力 的 な能 力 をつ け る必 要 性 を主 張 す る前
不 在 と、 そ の 間 隙 を抜 って い く 「コマ ー シ ャ リ
ズ ム 」 の 無 秩 序 な 汚 染 を糾弾 す る建 築 家 の 立場
者 の立 場 が あ る こ とは認 め られ るが 、 後 者 の よ
はみ とめ られ るが 、 こ れ に た い して 同 じ設 計者
うに政 策 担 当 者 が 政 策 の遅 れ を需 要 者 に 転 嫁 す
の 立 場 か ら 「設 計 の 内 容 を依 頼 者 に 説 明 して 理
る真 意 が 分 か らな い。 類 似 の必 要 論 の 中 に、住
解 や 承 認 を得 る に当 た って 施 主 の 建 築 家 や 環 境
宅 の設 計 者(宮 脇 檀)は[美
の 仕 組 み につ いて の 理 解 が 十 分 か 否 か は」 大 事
が あ る 日住 居 の こ
住教育研究の現在の到達点
で あ る こ と を 同意 しなが ら も住 宅 設 計 にお け る
建 築 家 と施 主 の コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ンは施 主 が 日
頃 の生 活 態 度 や行 動 を空 間 に結 び付 け て考 え る
205
活 」 教 育 の 目標 を、A生
活 の科 学 的 認 識、
B
(Aを 踏 まえ て 、)生 活 を う ま く仕 組 む方 法 の 学
ひ
習 で あ る と定 義 し 、 生 活 の秩 序 法 則 と生 活 の
学 習 の プ ロ セ ス で あ る だ け で な く、建 築 家 に と
発 達 法則 を教 え る ため の 内 容 の 性 格 と方 法 の 有
っ て も共 に 学 ぶ 環 境 学 習 で あ り建 築 家 とユ ー
効 性 か ら教 育 内容 の 範 囲 を限 定 した 。
ザ ー が 近代 工 業 の 生 産 物 の 同 じ受 け て と して近
ヱ
の
代 工 業 社 会 に 揺 さぶ り をか け る]と
東 孝光 は
4.学
校 教 育 に お け る住 教 育 の体 系 化
反 論 す る。 他 に も住 環 境 は居 住 者 自身 が活 動 に
参 加 しなが ら学 習 し、 創 造 、 改 善 して い くもの
で あ る故 、 住 環 境 こ そが 教 科 書 で あ り、 活 動へ
住 教 育 を体 系化 した 文献 は非 常 に少 な い 。 こ
の原 因 と して 田 中 は い くつ か の 団体 が発 表 して
の 参 加 が 教 師 で あ り、居 住 者 が 住 環 境 の 設 計 ・
い る提 案 を考 察 した 後 、 「授 業 内 容 を構 想 す る
施 工 者 で あ る とい っ た意 見 は少 なか らず あ る。
上 で ① 住 居 学 の学 問 的 背景 に裏 付 け られ て い る
生 活 主 体 者 こそ 生 活 の専 門家 で あ る はず で あ り、
こ と、② そ の 体系 が 『全 て の子 ど もに理 解 が可
そ の生 活 主 体 者 が 主体 に な れ な い社 会 の仕 組 み
能 な順 序 』 で カ リキ ュ ラム が編 成 さ れ て い る か
の 中 で住 教 育 の 目的 ・教 育 の方 法 論 を もっ と議
論 す る必 要 が あ るだ ろ う。
4)住
教 育 の 到 達 目標
も おひ
と い っ こ とが 問 わ れ る」 が ① 、 ② を共 に 満 た
した 提 案 が な い こ と をあ げ る6こ こ で は① 、②
を体 系 化 の 縦 軸 と横 軸 に して構想 した2つ の提
案 を取 り上 げ る。
住 教 育 の ね ら い と到 達 目標 を論 じた文 献 は住
教 育 を外部 か ら論 じて い る姿 勢 の もの が 多 い の
が特 徴 で あ る。 期 待 型 、 叱 咤 激励 型 、批 判 型 と
い った もの で あ る。 住 教 育 に 限 らず生 活 教 育 に
1)岸
本の提案内容
岸 本 は 「現 在 の 国 民 に と って 最低 限必 要 と思
る わ れ る住 意 識 の 育 成 を 前 提 に して 」 表7の
カ
対 す る社 会 の 要 求 は順 次 高 ま って きて お り、特
リキ ュ ラ ム を示 した 。 この構 成 の特 色 は子 ど も
に 生 活 上 の 社 会 問 題 が 発 生 した と きな ど しば し
の成 長 段 階 に対 応 させ た 題 材 の 系統 性 に あ る と
ば教 育 に よ る国 民 の 啓 発 を論 ず る声 が マ ス コ ミ
して(縦 軸)、 そ れ を対 空 間 認 知 と対 人 間 認 知
に 登場 す る 。 何 事 にお い て も国民 の認 識 を高 め
に お け る認 識 対 象 の 広 が り(表 内 の行 動 圏 ・関
る こ と は必 要 で あ るが 、 往 々 に して識 者 が 国民
心 事 参 照)、 「生 活 構造 の 認 識 に お け る生 活 の諸
を啓 蒙 す る 不 遜 さが 見 えた りもす る。啓 蒙 を先
事 象 の把 握 の発 展(表 内 記 識 力 参照)と
行 す る限 り生 活 の主 体 者 は育 た な い 。 した が っ
各教 育過 程毎 に住 教 育 の 到 達 目標 と して住 生 活
て 延 藤 は住 環 境 教 育 を語 る上 で 「他 者 か らの押
の全 体 像 の把 握 を ね らい 、 内容 の 一 貫性 の た め.
して 、
し付 けの 響 きが な い で は な い 「教 育 」 を避 け て 、
に 初 歩 的 ・基 礎 的 な題 材 か ら詳 細 ・系統 的 な も
む しろ ひ と りひ と りの 内発 性 や状 況 に適 合 した
のへ と深 化 す る よ う配 列 した と述べ て い る。
創 意 性 を重 視 す る 『学 習 』 とい う言 葉 を使 い た
い 」 と述 べ る。 社 会 教 育 の よ う に 学 習 者 の 生
また 岸 本 は住 教 育 の一 貫 性 系 統性 の あ り方 は.
活 経 験 や活 動 を共 有 して 共 に学 び合 う場 合 と違
れ に と もな う住 領 域 の 未 履 修 の 現状 を踏 まえ る
っ て 、学 校 を 中心 と した い くつ か の場 にお いて
と教 材 は個 別 の事 象 か ら帰 納 的 方 法 で全 体 を理
は 「教 育」 を避 け る わ け に はい かず 、教 育 と学
解 させ る よ り も、総 合 的知 識 ・技 術 を構減 す る
習 が共 に存 在 しな け れ ば な らな い 。 とす る と教
要 素 を各教 育 課 程 に組 み込 み 、 そ れ ぞ れ に一 つ
育 に馴 染 む もの と、 教 育 に は馴 染 まな い もの と
の 住 居 観 の形 成 を可 能 にす る ア プ ロー チ が望 ま
を明確 に し て お く必 要 が あ る。 そ して何 を ど う
しい と して い る。 一 方 、横 軸 は住 領域 の 内容 と
教 え るか 、 そ れ に よっ て学 習 者 の 主体 性 が どの
して 住 宅 の性 能 ・基 準 、環 境 ・空 間 、住 み方 の
様 に高 ま る の か とい うそ の領 域 に対 す る教 育 の
様 式 、住 宅供 給 に わ けて い る。 どの段 階 、 内容
ね らい と到 達 目標 が体 系 的 に捉 え られ て い な け
に お い て も一 定 の完 了 性 が あ り、 か つ全 体 を通
れ ば な ら な い だ ろ う。 そ れ につ い て 吉 野 は 「生
じて 系統 性 ・一 貫 性 を示 す カ リキ ュ ラム観 は評
高等 学校 男子 の履 修 、 中学 校 にお け る相 互乗 入
山崎古都子
206
表7 住教育 の枠組 と題材案
住宅の基準
小
学
校
環境 と空 間
住
み 方
住宅の供給
〈気 持ち よさ〉
〈身の回 り〉
〈か たづ け〉
〈いろんなすまい〉
⑦
あたたか さ
イ 部屋の数
イ 寝具 のかたづ け
イ まちのいえ,い なかの
⑤
すずしさ
ロ
使 って い る 人
あかる さ
八
家の近所
@机
の整理
⑤ 自分の部屋の清掃
いえ
⑤
θ
しずけ さ
ロ
木 の い え,石
のいえ
( ( A
認 行関
識 動心
力
図事
) ) )
未 身 自
分 の 分
化 回 ・
〈隣戸 ・住区〉
〈住 い方 ・使い方 〉
〈住 宅の供給 〉
中
イ 最低居住水準
イ 街の広が り
イ 住 まいの管理
イ 住 まいの歴史
学
校
ロ
住宅の構造
ロ
住生活を支 える施設
ロ 起居様式
ロ 住 まい と風土
⑤
必要な設備
⑤
住空間と機能
ハ
ハ 住宅 の建設
総 ↓族
合 居 ・
・住 隣
高
等
〈性 能 ・水準 〉
〈居 住地 ・都市 〉
〈維持 ・管理 〉
〈住 宅の取 得〉
適 地 人
応 ↓ ↓
都 住
イ 適正居住水準
イ
都市基盤
イ 居住 の管理 システム
イ 住宅 選択 の基準
市民
学 校
↓ り家
分 ・族
〈快 適性 〉
ロ
ロ
都市の規模
ロ ライフサ イクルの対応
@住
社市
会民
隣 人とのつ きあい
θ 空間にあ らわす
設備 と人工環境
岸 本 幸 臣:住
宅事情と政策
化 家 ↓
・↓ 庭 家
o ●
⑤ 空間がよめる
教 育 の 性 格 につ いて(2),家 庭 科 教 育 昭 和54年10月 号
価 で きる 。 しか し子 ど もの 認識 と内容 の分 類 に
は疑 問 が 残 る。 子 ど もの生 活認 識 は果 して都 市
取 り出 し利 用 しなが ら、 目標 を実 現 して 行 う こ
ら と 」 で あ る と表 現 す る。 岸 本 が 構 想 の 中 で 主
構 成 上 の 空 間 の広 が りと一 致 して い る の で あ ろ
に 配 置 した住 居 の管 理 、 その 中で も維 持 管 理 は
うか 。岸 本 の 認 識 対 象 の広 が りの設 定 につ い て
住 み 方 の 一 プ ロ セ スで しか な く、 住 み 方 そ の も
は住 教 育 の 方 法 上 好 ま しい段 階 と して捉 えて い
の で は な い 。 また認 識 の 方 法 と して は住 居 管 理
るの か 、 子 ど もの 認 識 の 実 態 と して捉 え て い る
は 家事 労働 的認 識 を含 み 住 み 方 か ら発 展 した独
の か 明 確 で ない が 、 子 ど もの認 識段 階 の実 態 、
立 の カ テ ゴ リ ィと して 扱 った 方 が 好 ま しい 。
した が って 子 ど もの 馴 染 み 易 さ を教 育 の方 法 に
す る のが 好 ま しい と考 え る な らば子 ど もの現 実
2)住 環境教育研究会の提案
に即 して い な い と い え る。 今 日の子 ど も達 は物
こ の研 究 は 国 内 にお い て は担 当 教 師 、 教 員 養
理 的 な近 遠 ・地 縁 的 な対 人 認 知 を して い な い。
成 環境 、教 科 書 、市 販 教 具 、 教 材 研 究 、 国 内 外
筆 者 はそ の 現 実 を妥 当 だ と は思 わ な い し、今 日
の 優 れ た教 育実 践 、教 科 書 等 か ら教 育 の 現 状 を
の生 活 上 の 大 きな欠 落 部 分 だ と考 え るか ら生 活
考 察 し先進 事 例 を検 討 した研 究 を受 けて 、 学 校
の広 が りを空 間認 識 に関 す る住 教 育 の 目標 にす
教 育 の 中 で の住 環 境 教 育 を構 想 体 系 化 して い る。
る の は賛 成 で あ るが 、 現 実 に即 さな い だ け に 内
そ こで は 認 識 の 捉 え方 を 「『身 近 な世 界 か ら広
容 や方 法 に工 夫 が 求 め られ るで あ ろ う。
い 世 界 へ 』、 『
既 知 の 世 界 か ら未 知 の 世 界 へ 』、
次 に住 領 域 の 内容 の分 け方 につ い て は教 育 の
『具 象 的 世 界 か ら抽 象 的 世 界 へ 』 と、 生 徒 達 の
目標 と も関 わ り重 要 で あ る。 と こ ろで 住 教 育 の
認 識対 象 を拡 大 して 、 認 識 内 容 を高 次 元 化 す る
目標 は 「住 意 識 の 育成 」 だ けで あ ろ うか 。住 居
選 択 方 法 を試 み て い る 」。 そ して 従 来 の カ リキ
の風 土 性 や歴 史 を 「住 宅 の供 給 」 とい う概 念 で
ュ ラム の研 究 が 往 々 に して い まあ る知 識 を どの
の み捉 え て よい か 、 また 「住 み 方 」 と は作 業技
様 に 配 列 す る か と い う思 考 過 程 が 採 ら れて い る
術 を指 す 概 念 で は な い 。住 生 活 の 歴 史 性 、風 土
の に対 して 、「生徒 達 が個 別 的 な認 識 を 通 して 、
性 、 階層 性 等 に規 定 さ れ た生 活 文 化 を内 包 す る
能 力 の 範 囲 内 で住 宅 や 住 環 境 の 事 象 をで き る限
概 念 で あ る。 そ れ は住 生 活 様 式 と表 現 され て い
り 『総 括 的 に 』認 識 で きる よ う教 育 を展 開 す る。
る。 吉 野 は 「『生 活 の しか た 』 とは 一 定 め生 活
そ して総 合 的 に展 開す る ため に不 可 欠 な要 素 を
手 段 を活 用 し一定 の状 況 の もとで で き るだ け う
ま く生 活 要 求 ・目標 を実現 して い く営 み で あ り、
総 て 含 み、 か つ 不必 要 な 要 素 まで 拡 大 しな
い 」 内 容 配 列 を重 視 し、 住 環 境 を取 り巻 く5
『生 活 環 境 』 に働 きか け て生 活 手 段 を選 択 的 に
つ の構 成要 素 を横 軸 に、 学 習 者 の発 達 過 程 を縦
207
住教育研究 の現在 の到達点
軸 に と り内 容 を極 端 に精 選 して 体 系 化 した(図
表8 2、 表8)。
小 学校
こ れ に対 して小 沢 は[5領
展 開 を可 能 に した]の
で は な い か と批 判 を加
え る。 「空 間 の形 態 」 で は空 間 の 認 識(た
とえ
中学校
〈住居の形式>8
〈住要求>8
住
oい ろい ろな家
O住 生活の中のブラ
ま
<相 隣関係>10
い
○自分の生活 と周囲 <起 居様式>10
域問の連続性や相
互 関連 性 の 配 慮 が あ れ ば住 環 境 の 総 合 的 内 容 の
住 宅 ・住 環 境 教 育 の カ リ キ ュ ラ ム構 想
方
イバシー
への配慮
活様式
て い るが 、 認 識 だ け で な く空 間 を作 る ため の 感
せ ざる を得 な い 。 日本 の文 化 の 中 に も桂 離 宮 、
茶 室 をは じめ 、伝 統 的 な 町並 み の 中 にか つ て の
の必要性と条件
<住 宅事情>6
住
o健 康な住まい
O防 災性,防犯性
○住宅問題の歴史,
居
○使いやすい住まい
〈設備水準>5
○住まいの設備
の
を育 て る必 要 が あ り、空 間認 識 の教 材 に は もっ
と検 討 を加 え るべ きで あ った。 ま た後 述 す るが 、
類
保証
○国民の居住水準
〈身の廻りの整理〉
住
上 で 有 効 な 方 法 で あ る とい う報 告
も有 り、 も
っ と総 合 的 な空 間 を扱 う必 要 が あ る。
10
傘
<戸 建と集合>10
○建物の寿命
<住 宅管理と住居費
負担>10
居
○整理整頓
o建 物の管理
○住宅の取得費
の
o清 掃とゴミ処理
○建物の改修,改善
○住まいの維持経費
管
o物 を長持ちさせる
o住 居費の負担能力
理
図 面 に表現 す る作 業 は生徒 の 空 間認 識 を助 け る
が
我国の住宅事情
<住 宅政策>6
o住 宅政策と生存権
種
る 。 しか し これ らが歴 史 的建 造 物 と して しか 存
れ が あ る の で あ ろ う。 「生 活 美 」 を生 む居 住 者
○ 集 まって 住 む こ と
〈安全性>5
空 間 に対 す る感性 の き らめ きを見 る こ とが で き
在 しな い と ころ に今 日の感 性 を育 て る教 育 の 遅
た住空間
〈住みやすさ>10
性 も住 要 求 を 高 め る上 で 極 め て 重 要 で あ る。
ど を比 較 した 時 そ の基 本 的 な感 性 の違 い を認 識
10
○家族の要求 にあつ
○文化の違い と往生 〈集住のルール>6
ば 人体 寸 法)の 仕 方 とテ ク スチ ャーが 重 視 され
我 々 は 日本 と外 国 の 町並 み、 室 内 の しつ ら えな
高等学校
〈家族像と間取り〉
〈町の生いたち>6
<環 境の点検>10
<居 住地の管理>8
地
○私達の町の歴史
○町の環境水準
○居住地管理のあ り
域
く通学路の成 りたち ○安全な町,快適な
環
境
>6
町
○自分や家族の行動 ○住み良さ
方
○オー プ ン スペ ース
の役割
〈町づくり計画>10
圏
○町づくりのあり方
.璽
\
空
〈寸法>10
<規模と感覚>10
間
○使いやすい寸法
○生活行為 と空間の ○住まいの広さ
の
○物 ・身体の大 きさ
大きさ
○色と膚ざわり
形
〈構成と雰囲気>8
○間取り
O空 間と雰囲気
能
ρb噛
住環境教 育研 究会:小 ・中 ・高等学校 における住 生活,住
宅及 び住環境教育に関する基礎的研 究(そ の2)
薗/
図2 カ リキュラムの5本 の柱の概念 図
住環境教育研究会構想
5.住
教 育 の 指 導 内 容 ・方 法の 研 究
1)授
業研究
教 材 研 究 は住 教 育 の 文献 の 中 で は多 い 方 で あ
る。 この 分 野 の 文 献 に は既 設 の指 導 要 領 、 教 科
書 、授 業 実 践 例 を対 象 に した もの と、 オ リジナ
ル な 内容 また は指 導 法 を開 発 して提 案 した り、
授 業 で 試 行 しそ の 有 効 性 を扱 っ てい る もの が あ
る。
本 研 究 で は小 ・中 ・高 校 の 家庭 科 教 育 の 中 で
取 り組 ま れた 授 業 実 践 は取 り上 げ なか っ たが 、
208
山崎 古 都 子
表9 住環境教育研究会構想指導案例
題 材
小題材
本時の 目標
3
導
入
時間
5
2
本時
ト2/5
置 き場所に影響する生活用品の分類 の指標 に気づ かせ る。
指導事項
学習活動
指導上の留意点
物の置 き場所
○物の置 いてある室
①
①
学校 で使 う道具 や物 をあげ,
そ れ らの置 いてあ る場所 や教
室 を発表 させ る。
② 各 室 に置い てあ るいろ いろ
O各 部 屋 に置 いて あ る
もの
な 物 を リ ス ト ・ア ップ し,な
ぜ その 室 に置 いて あるの か を
考 えさせ る。
・学校生 活 に必要 な生活用 品の
'
種類
・置いてある教室
・その教室 に置 いてあ る理由
展
O物 の置場所調べ
所 に置いて あるか を考 えさせ,
数観ずつ発表させ る。
⑤ 同 じ場 所,近 い場 所 に置い
てあ る ものの共通 点 を考 え さ
せ,物 をい ろい ろな視点 で分
類 して置場 所 を決めて いる こ
とを知'ら
せ る。
・使 う場所 ・使 う人
・物の種類や用途
・物の大 きさ ・物 の重 さ
・使 う(出 入れなど 頻度
開
Oま とめ
⑥ 「物 の置場 所調 べの 表」 を
各 自1枚 ずつ 与え,グ ルー プ
で調 べた 表 を参 考に まとめ さ
ま
せる。
・その室に置いてある もの
・各々の物の置 き場所
・そ こに置かれている理 由
・同 じ場 所,近 くに置い てあ る
と
め
調理室 ・図書室 ・被服 室 ・体 育館 ・校長室 ・給食
室 ・玄関 ・理科室 ・音楽 室等を想起 しやすい物 を例
にあげて場所 ・室名を発 表させ る。
②
グループ別 に一室 を選ばせそこに置いてあ りそ う
な もの を,各 自のノー トに書 き出 させ グループで ま
とめ て 「物の置場 所調べ の表」に記 入させる。(1
グループ1枚)
・
実際 にその室 に行って調べた時出て くるもの を書
き込むための余白を残 してお く
・図書等の場合は本の種類別に考 えさせ る
資料その他
板書①
(表 一1)
物の置場所調べの用紙
(表 一2)
グループご とに選んだ室 を実地調 査 し, 「物の 置
場所調べの表」にその場で記入させ る。
・そ の時 間に使用 していない室 を調べてお き予め その
③
③ リス ト ・アップ した物 が各
室 の どこ に置い てあるか を実
地調査 させ る。
④ それぞれの物が何故その場
室 を整理 ・整 とん してお くこと
・リス ト ・ア ップの品物の多い時 は主 なもの い くつ か
に限定 して調べ させる。
・⑤ は整 理 ・整 とんの原則の下地 とな るので物 の分 類
の指標 を明確に印象づけるよ うにする
・も しその教室に関係のない ものが置 いてあ る場合 も
その理由 を考え させる
膠
⑥
整理 ・整 とんの原則 となる,物 の分類 の指 標に気
つ かせ印象づ けてお く。
・物 が決め られた置場 にきちっと置 かれていた ら気持
の良いこ と,他 にもい ろいろ利点 のあることに気づ
かせ る
5/5時
へつな ぐ
次時へつな ぐ
ものの共通点
自分の部屋 と台所 につ いて,本 時 と同 じ調査 をして表に まとめて くる よう指示する。
置場がはっき りと決ってないもの について は 区別 して印 をつけ さす ようにする。
・グループ活動への参加度
・発表の態度
・各自の表のまとめ方 ・宿題の まとめ方
次時への課題
評
時間
持 物の整理 ・整とん
物の置 き場 所
① 生活用品には決った置場所 のあることが わかる。
② いろいろな生活用品の置場所 とそこに置 かれて いる理由 を理解す る。,
価
〔表一1〕 板書例①(ま ず道具 や物 の名前 を板書 し,室名別分類 をさせ る)』 物の置場所調べ用紙…調査時には各グループ1枚 記入させ まとめのと
〔表 一2〕 ころで各人1枚 ずつ整理させるる
室 名
道具や物の名前
玄 関
くつ 入 れ,か
さ立 て,来
客 用 ス リ ッパ,校
内案
校 長 室
応 接 セ ッ ト,校 旗,ト
など
体 育 館
ボ ー ル,平
均 台,マ
ッ ト,ネ ッ ト,他 各 種 運 動
ま な い た,包 丁,ス
プ ー ン,オ ー ブ ン,炊 飯 器,
具 など
調理実習室
食器類
給 食 室
被 服 室
上 記 の 他 に,生 徒 用 トレ ー,給 食 用 バ ケ ツ な ど
ミシ ン,ア
イ ロ ン,裁 断 机,ハ
教科書
使 ってその ままに してお
各 自1枚
置 き場所が決 って ない
有○
無x
まないた
○
○
O
調 理 台の ス プー ン
砲丁
置 き場所
なぜその場所に置いてあるか
タナの下に さげる
水 を切 りよ くかわかすため
調理台の引出 し
使 う場所に近い,あ ぶな くな
い
なるか
使 う場所 に 近い,大 きさが
引出 し
ちょうどよい
皆が使いやす く広い,大 きい
オープン
O
部 屋 の コ ーナ ー
炊飯器
O
調理台の下の開 き
O
食器 ダナ中段
台に近い
ど うず れば散 らか らな く
重たい し大 きい,使 う場所 に
近い
必ず もとの場所 にもどす
洋 皿{大)
く
野球 ボール
物 の名 前
スプーン
「散 らか りやす いもの」の まとめの表
散 らかる理由
室 名 調理実習室
サ ミ,も の さ し
など
散 らか りや
すい もの
)
グループ名(
ロ フ ィ ー,重 要 書 類 入 れ
氏名
内図 など
大 きさがあ う,よ く使 う,出
しやすい
ボー ル入れ をつ く り必ず
入れる
マンガ本
兄弟が読んでその まま
場所 をは っきり知 らせ,
小 さい もの が た く さん
仕切 りゃ入れ ものを区別
入 ってい る
して整理する
た くさん あ りす ぎて置場
い らない もの といる もの
がない
を整 理す る。や た らと買
もどす ように言う
引出しの中
プラモデル
'撚 鍛
跳
この(:簾 奪畿 醗二
使うも
の '〕
'論難 欄 難ll鞭1二塑 〕
わない
住環境教育研究会構想(中 野近代)
209
住教育研究の現在の到達点
授 業 実 践 を考 察 した文 献 は田 中 恒 子 等 に あ る 。
田 中 は優 れ た 授 業 実 践 例 を紹 介 解 説 した 上 で 、
[他 領 域 に比 べ て 住 領 域 の 実 践 報 告 は 極 端 に少
な い 。]し た が っ て[優 れ た 実 践 が 報 告 さ れ て
もそ れ が 他 の 地 域 や 教 師 に 実 践 され な い の で普
遍 性 が 検 証 され な い 。 意 欲 的 に取 り組 まれ た実
法 、 副 読 本 を総 合 的 かつ 完 結 して提 案 した)が
あ る。 貴 田 らは前 栽 した一 連 の研 究 と して高 等
ヨ
リ
学 校 に お け る授 業 内 容 を提 案 し、 そ の 一 部 実
習 に よ る授 業 の効 果 を実 践 検 証 した。 鈴 木 は住
教 育 の 地域 性 を重 視 し、 地 域 にあ っ た教 材 開発
ヨ
ロ
ヨ
ヨロ
り
を提 案 して い る こ とに 特 徴 が あ る(表10)。
践 の 中 で 問 題 が 残 る とす れ ば 、 この分 野 に お け
沖縄 の住 居 は毎 年 の よ う に台 風 との 関 係 を抜 く
る研 究 教 育 の 量 的 な少 な さ に あ る だ ろ う。]劉と
こ とが で きな い し、 暑 さか らみ て も本 土 と は明
指 摘 す る 。 そ して 優 れ た 実践 に は 「生 活 課 題 」
らか に 水準 の違 う風 土 にあ る。 そ の 点 をお さえ
と して住 教 育 を捉 える もの が 多 いが そ れ らが 子
な い で 沖縄 の住 教 育 は成 り立 た な い 。 沖 縄 に限
ど も達 の意 欲 を十 分 に 引 き出す こ とに成 功 して
らず北 の北 海 道 か ら南 の 沖 縄 まで風 土 と、 歴 史
い る の は教 師 の 力 量 に 置 っ て い る部 分 が 多 く、
一 般 的 に は教 師 の 問 題 意識 だ けが 先 行 し
、子 ど
の 異 な る 日本 に小 ・中学 校 の 教 科書 が2社 か ら
もの興 味 を起 こ さ な い危 険 を伴 う こ と を指 摘 し
こ れ で は生 活 を理 解 させ 、 実 践 力 をつ け る住教
て 、 「名 人 と呼 ば れ る教 師 」 だ け で な く生 活改
育 がで きる はず が ない 。 した が っ て 鈴木 の 指摘
善 を 目指 す 教 師 な らで きる学 習 内 容 を示 す必 要
は 当然 で あ り、 各 地 域 に根 ざ した教 材が 開 発 さ
性 を述 べ る。
れ るべ きで あ る。 また 児 童 の生 活実 態 を調 査 し
指 導 内 容 を教 科 書 と して 程 棄 して い る もの に
は長 野 県 、 京 都 府 等 が あ り実 践 を通 して高 い評
て 、そ の調 査 結 果 授 業 を展 開 して行 くこ と、衣
価 を受 けて い る。;れ
ら は何 れ も高等 学 校 用 で
あ り、 問 題 提 起 型 で あ る。 中 学校 を対 象 に した
しか発 行 されて い ない の は極 め て不 自然 で あ る 。
食 住 の 有 機 性 を もた す こ とに鈴 木 の授 業 の特 徴
が み られ た 。
ヨの
新 福 祐 子 「児 童 の住 居 観 」 は住 居 の 指 導 を
もの に は菊 地 るみ 子 の 「く ら し をつ くる3。,」
が
直 接 扱 った もの で は な く、 そ の前 段 階 に位 置 づ
あ る。 これ は イ ラ ス ト、 図表 や分 か りやす い平
け られ る研 究 で あ る が住 居 の指 導 方 法 を示 唆 す
面 図 な どが 見 開 き2頁 に1つ 以上 入 り現 在 の住
る研 究 と して 注 目 され る。 新 福 は子 ど もの 空 間
宅 の需 給 構 造 の 中で 求 め られ る家 を対 比 させ な
認 識 の レベ ル か ら住 教 育 が 可 能 な時 期 、 児 童 の
が ら住 み方 に絞 って 展 開 して い る。 こ れ を見 る
生 活 空 間 の 理 解度 に相 応 した教 材 を選択 す る こ
と住 居 を空 間 的 に も、社 会 関係 の上 で も トー タ
とが で きる と した上 で 、表 現 力 の 幼 い子 ど もの
ル につ か む こ とが で き、 家族 の 日常 生 活 を思 い
空 間 認 識 を子 ど もの絵 を通 して 見 つ ける 方 法 の
浮 かべ なが ら 自分 の 生 活 に引 き入 れて 理 解 す る
開 発 を試 み た もの で あ る。 研 究 の 方 法 は まず
こ とが で き る。 現 行 の住 居 の取 り扱 い が 台 所 だ
「住 み た い 家 」 とい う 自由 画 を描 か せ た 後 、住
け しか描 か れ て い な か っ た り、設 備 を個 別 に と
宅 の 間取 りや生 活 を表 現 した 文 章 を与 え て再 び
りあ げ た り して 「生 活 をす る住 居 」 を把 握 す る
絵 に 表現 させ た。 そ れ に よ る と子 ど もは認 識 し
こ とが で き ず 、 そ の た め に住 領 域 は分 か りに く
て い る事 柄(住 生 活)の 質 と量 を絵 に表 現 す る
い 領 域 とさ れ て い た が 、菊 地 の 提 案 は明快 で あ
力 を持 って お り、 言 葉 よ りも有 効 で あ る こ と、
る。 た だそ れ ぞ れ の テ ーマ 毎 に最 後 に 問 題 点 を
住 教 育 は小 学 校 三 年 生 か ら可 能 で あ る こ と、 子
整 理 して 一 定 の 原理 原 則 に基 づ い た解 説 を加 え
ど もの空 間認 識 に生 活 経験 が強 く作 用 してい る
た り、 好 ま しい あ り方 を提 案 した 方 が生 活 科 学
こ と、 さら に子 ど も は図 に表 現 す る こ と に よ っ
の根 拠 に基 づ い て理 解 し易 い の で は な い か。 た
て居 住 空 間 に対 して 関心 を持 つ よ うにな り、 絵
とえ ば 集合 住 宅 に住 むた め の ル ー ル が い る とい
を描 かせ る こ と は住生 活 の構 想 を助 け る手段 と
うだ け よ り も実 際 の ル ール例 を載 せ て一 定 の解
して 有 効 で あ る と して い る。 絵 を描 かせ て子 ど
説 を して お くな どが そ れ で あ る。
もの 認 識 を把 握 す る試 み は渡 辺 ら も行 って い る。
次 に オ リ ジ ナ ル な教 材 や指 導方 法 を提 案 して
い る の は新 福 祐 子 、 貴 田康 乃 他 、鈴 木 雅 夫 、 先
この 研 究 は 住教 育 の指 導 を考 え る上 で 多 くの
示 唆 を与 え、 高 く評 価 で き る。1まず 、 住 居 の
述 した住 環 境 教 育研 究会 の研 究(内 容 と指 導 方
「実 践 的 指 導 」 方 法 と して 非 常 に 興 味 を惹 か れ
210
山崎古都子
表10鈴
指導区分
1
住宅 の模 型づ くり
木雅夫 「沖縄 の住 まい」を題材と した住居の指導,指 導計画
時
主な学習内容
問
昔の住まい 現 在の住 まい
o沖 縄の民家の簡単な模型 をグループでつ くる。
2
他教科との関連注)・
教具(★)
(図工)
「ものの立体 と しての美 しさや,
、
特 徴 を表わす」,「工作 の技術 を身
につ けさせ る」等 6年
2
台風 に対す る工夫 の説 明
1
〈台風 の害 を防 ぐ工夫 〉
○石垣,樹 木で屋敷 を囲 む 'oブ ロ ックやコンクリー ト
(社会)
「気 候,自 然の 条 件 か ら人 々が
○家の軒を低 くす る づ くりの住宅にする
様 々な地域 において,自 然環境 に
o寄 棟にする ○窓に格子をつける
適応 しなが ら生活 してい る」4年
○瓦 をシ ックイで とめ る ○アル ミサ ッシにす る
3
暑 さに対 す る工夫 の説 明
び実験
2
「図工の位 置,気 候,地 形 など地
O雨 端 ・ヒンブンをつ ける
○雨戸をつ ける
理的環境 としての国土 の特 色」5
〈 日射熱 を防 ぐ工 夫〉
o屋 敷の まわ りに樹木 を植える o外 壁を白または明 るい色にする
★沖縄 における太 陽位置の模型
年
○両端,ヒ ンプンをつ ける ○バルコニーに屋根 をつける(ル ー
フ バ ル コ ニ ー)
★コ ンク リー ト住宅 の2つ の模 型
(理科)
(実験)「 家の向きによる西 日の影響」
「季節 によって気 温が違 うのは,
太 陽の高 さや昼 間の時間の長 さに
(実験)「屋根 の違 いによる日射熱 の影響」
関係 がある」 6年
〈風 通 しをよ くす る工夫 〉
○戸 を開けて開放的に暮らす ○住宅の中に吹 きぬけをつける
「空気が温 まるのは,体 積の変化
による空気の移動 による」 6年
○花 ブロックを使用する
注):他
教科との関連 は小学校指導要領か ら要約 して記入
① 本時 の題材 「沖 縄の民 家の模 型づ
くり」
②本時 の目標
O沖 縄 の民 家 の 簡 単 な 模 型 を グ
ルー プで協力 してつ くる こ とが
段 階
導 入
㈲
で きる。
温
習 してい ることをふ まえて,子 ども
・湿
度
た ちが 知って いる こと をあげ させ
o学 習 内容 の確認
る工夫 に気 づ くこ とがで きる。
指導上の留意点
教具 ・資料
04年 生の社会科 で,沖 縄 の気候を学
・気
・台風 の発生 など
○昔 の住 まいの台 風 や暑 さに対す
③本時の展開
学習活動
o沖 縄 の気候 につ いて発表す る。
る。
o昔 の住 まいの 自然 に対 する工夫 を模
型づ くりをしなが ら考える。
展開
㈹
○模型づ くりの説明 を聞 く
・模 型の形,材 料
注)
模 型の
・道具 の使 い方(カ ッター等)
材 料
・模型づ くりの手順
oグ ループで作業の分担について話 し
鈴木雅 夫 ・-「
沖縄 の住 まい」 を題材
と した住居 の指導,琉 球 大学教 育学
01人 で遊ぶ子がで ない ように最初 の
段階で役割分担 をさせ てお く。
合 う。
○模型づ くり
部紀要,27,
p.436, 1984
○かたずけ
oグ ループで協力 してかたず けをさせ
O次 時の学習内容の確認
o家 の人か ら台風の被害 につ いて聞 き
る 。
まとめ
o①
取 り調査 を して くるこ とを約 束す
る 。
O次 時 は,製 作 した模型 を使 って台風
に対 する工夫 につ いて学習す ること
を確認する。
る。 住 教 育 が 実 践 教 科 で あ る と い わ れ な が ら
福 の研 究 に よる と子 ど もの 認 識 段 階 は む しろ全
「手 で 掴 む こ とが で き な い」 住 生 活 を ど の様 に
体 か ら部 分(外 観 → 室 内→ 室 内 と外 観 → イ ン テ
実 践 的 に指 導 した ら よい か と悩 み 、結 局 作 業 の
リア)へ 移 行 して い くこ と も明 らか で あ る し、
伴 う教 材 と して 整 理 ・整 頓 に終 始 して しま う傾
早 くか ら部 分 に 関心 を持 つ と全 体 の 認 識 が で き
向 に あ る 。空 間 認 識 上 整 理 ・整 頓 の指 導 は部 分
な い こ と も読 み取 れ る。 子 ど もだか ら広 い 空 間
か ら出発 す る方 法 で あ る とす れ ば新 福 の方 法 は
よ りも狭 い部 分 を認 識 す る方 が 用 意 で あ る と い
空 間 の全 体 を認 識 す る こ とか ら出発 す る方 法 と
う教 材観 は改 め る必 要 が あ る だ ろ う。 さ らに子
言 え る だ ろ う。次 に教 材観 へ の指 摘 で あ る。 新
ど もの生 活 経 験 が 生 活 認 識 の第 一 要 因で あ る と
住教育研究の現在の到達点
211
い う確 認 は ど の様 に生 活 経 験 を広 げ ・深 め た ら
ニ テ ィの住 民 の 総 意 と して空 間形 態 に表 現 で き
よい のか とい う教 材 開 発 の 方 向 を示 す 。 最 後 に
る等 の 能 力 を育 て る こ と'が重 要 な住 教 育 に な る。
こ の研 究 は授 業 の評 価 法 に も暗 示 を与 えて い る。
一 般 に教 材 や 指 導 方 法 の 有 効 性 を確 か め るた め
生 活 を見つ め 、 資料 を集 め 、 関係 者 を捜 し出 し
に理 解 力 テ ス トや 生 徒 の 興 味 を ア ンケ ー トす る
市 民 の 立場 を認 め 、 さ らに美 しい町 を希 求 しそ
方 法 が と られ るが 、 妥 当 な 評 価 が 得 られ て い る
れ を絵 と して総 合 化 して い く。 これ らの 能 力 を
と は思 え な い もの が 多 い 。 新福 は表現 力 の あ り
養 うた め に は 、1教 科 の個 別 の 領 域 で は不 可 能
方 に着 目 して い るが 、 同 時 に 絵 は 全 体 も部 分 も
で あ る 。住 環 境 教 育 は多 くの 教 科 の 統 一 的 立 場
表 現 す る こ とが 出 来 、 また量 の 制 限 もな い 、 そ
に あ り、指 導 者 も教 科 の 専 門 が 多 様 で あ るだ け
れ に順 序 だ った 記 述 を要 求 され な い とい う点 で
で な く、教 師 だ けで な く、 行 政 家 も建 築 家 も参
トー タル な 認 識 をす る必 要性 の あ る住 教 育 の効
加 す る。 こ の概 念 を延 藤 の 記 述(イ ギ リス の 環
果 を見 る上 で 優 れ て い る。 しか し、 そ れ は裏 返
せ ば 認 識過 程 の 順 序 性 ・系 統 性 を見 る に は不 適
境 教 育 の動 向 、 住 宅 政 策 研 究5、 住 教育 、 ドメ
ス 出版 、1982、9983-112)を
使 って 以下 に箇 条
で あ る こ と を意 味 し、 時 に は未 消 化 な認 識 で も
書 に してお く。
見 過 ご す危 険 が あ る。 また初 歩 的 な こ と と して
イ ギ リス の 環 境 教 育 の 場:学 校教 育、 生 涯 教
絵 の表 現 力 の 影 響 を受 け る こ と も考 慮 しな けれ
育
ば な'らな い 。
学 校 教 育 の 環 境 教 育 の 目標:人 間 の生 存 環 境
て イ ン タ ビ ュー し、 ロ ー ル プ レイ を して 様 々 な
こ の研 究 は い くつ か の教 材 を使 って 多 くの 実
の保 存 と改 善 に向 け て 子供 自身 が環 境 に主 体 的
践 を積 み重 ね な が ら検 証 を して い くと よい と考
にか か わ る態 度 と 自己 表現 能力 を持 つ 「環 境 倫
え る。
理 」 に根 ざ した 人 間 を育 て る こ と
2)ア
メ リ カ とイ ギ リスの 住 教 育
(1)環 境 教 育 の 範 囲:公 害 、資 源 、 人 口 、 自然
生 態 、 都 市 環境 、 近 隣住 区 、住 宅 そ れ らの 社
外 国 の 住 教 育 に 関 す る 文献 は 数 点 見 られ
ヨ ロ
ヨアコ
会 的 。 経 済 的 関係 、歴 史 、理 科 、 美術
る (著 書 と そ の 内 容 が 重 複 して い る もの
(2)環 境 教 育 の教 科:独 立 した教 科 はな い 。 主
は省 く)。 こ れ らの文 献 に よ る と、外 国 の 住 教
に地 理 、歴 史 、理 科 、美 術
育 は相 当 高 い市 民 権 を得 て い る こ とが伺 え る。
(3)教 育 シ ス テ ム:① 子 供 自身 が 問 題 を 発 見 し
また 社 会教 育 の 対 象 が 児 童 か らに な っ て い るの
て 自 らが学 ぶ 、② オ ー プ ン シ ステ ム=場 所 を
は 、児 童 の 教 育 を学 校 と家庭 に任 され て い る 日
地 域 に 求 め る 、助 言 者 を地 域 、 専 門家 に 求 め
本 と異 な る と こ ろで あ る。
る。
イ ギ リス や ア メ リ カの住 教 育 の特 徴 は都 市 を
(4)カ
創 造 す る の は市 民 で あ る とい う大 前 提 か ら 出発
イ デ ア の探 求 、③ 変 化 す る環 境 、④ 視 覚 的 ア
して 、都 市 や 町 づ く りを実 践 で きる市 民 を育 て
ブ ロ ー チ の重 視
る こ と を 目的 に して い る こ とに あ る。 これ は 日
(5)教 育 で 身 につ け る能 力:① 環境 に対 す る美
本 で も一 部 の 地 域 で 実践 され て い るが 、 まだ 一
的 ・社 会 的 質 に対 す る感 性 の 向上 、② 環 境 教
般 の理 解 は得 られ て い な い。 日本 で は都 市 計 画
育 を素 材 に して 住 宅 ・都 市 ・自然 に生 起 す る
は行 政 の担 当者 や知 識 人が 行 う こ とで 、市 民 は
諸 事 実 を知 る。③ 環 境 の あ り方 の価 値 判 断 の
提 案 を見 て 意 見 を言 うか 、与 え られ た 時住 み こ
向上 、④ 環 境 の 改 善 主体 者 に な る。
なす 力 が あ る か ど うか を問 われ て きた に過 ぎな
い 。 公 聴 会 な どは そ の典 型 と言 え るだ ろ う。
生 涯 教 育 の環 境 教 育:都 市 計画 に お ける 市 民 参
リキ ュラ ム例:① 近 隣 住 区 、② 視 覚 的 ア
加 、主 体 的 に参 加 で き る市 民 の育 成
さて 、 町 づ く りが で き る市 民 を育 て る た め に
は 感性 、社 会 性 、表 現 力 な ど を磨 か な け れ ば な
市 学 習 セ ン ター(USC)
らな い 。実 際 に選 べ る、 判 断 で きる 、創 造 で き
(2)活 動:「 環 境 教 育 」誌 の発 行
る 、 隣 人 と関 係 を保 つ こ とが で きる。 住 環 境 空
(3)カ
間 に求 め ら れ る 「美 」、「ア メ ニ テ ィ」 を コ ミュ
(1)組
織:都
市 農 村 計 画 協 会(T.C.P.A.)、
都
リキ ュ ラム:① 問題 学 習 、② 都 市 探 訪 、
③ 学 校 にお け る建 築 につ いて の学 習
212
山崎古都子
るの
が 出 て きた こ と を紹 介 解 説 しな が ら、 「描 き
イ ギ リスの 環 境 教 育 の歴 史 的背 景
(1)オ
ク タ ビ ア ・ ヒ ル(1839-1912)の
理 教 育(生
(2)バ
住 宅管
方 に優 れ た もの と、 ひ どい もの とが あ り、 こ う
したず さ ん な絵 本 は絵 本 自体 と して も子 ど も を
活 指 導)
ト リ ッ ク ・ ゲ デ ス(1854-1932)の
都
軽 視 した もの で あ る。 こ う した状 況 は まち づ く
り をめ ぐる状 況 と も似 て い る よ うに思 え る。」
市 ・地 域 調 査 を基 に し た 環 境 教 育
と述 べ る。
6.絵
本 に よ る住 教 育
絵 本 を生 み 出す 大 人 とそ れ を支 え る購 買 者 と
して の 親 の 中 に住 環 境 へ の 関 心 、 そ の 想 像 性 、
住 教 育 と して 独 自の 領 域 を開 き、大 きな影 響
感 性 につ い て彼 我 の 隔 た りが あ る ので あ ろ うか。
を与 えた 研 究 と して 「絵 本 に よる住 教 育
そ れ は現 実 の 住 環境 の貧 弱 さ の現 れで もあ ろ う。
ヨ
り
」は
特 筆 すべ きで あ ろ う。 児 童 向 け 図 書 に早 くか ら
日本 で は この循 環 を断 ち切 らな い と子 ど も達 の
着 目 して い た の は本 多 昭 一 で 「全 体 を通 じて現
感 性 を育 て る手 だて を失 う。
代 の 日本 の住 宅 を描 い て お きた か った 」 と し
近 年 上 記 の活 動 が 実 り始 め 、住 環 境 教 育 に絵
て 「い え+U」 を 著 した 。 「い え」 の 内 容 は 転 勤
本 を取 り入 れ よ う とす る動 きが 出 て きた 。 そ の
一 つ は住 宅 供 給 者 や ニ ュ ウ タ ウ ン建 設 と連 動 し
る
の
に よ るい え探 しと い う物 語 を展 開 させ な が ら現
在 の 住 宅 の 種 類 や そ こで の 生 活 、 さ らに は住 宅
た り、既 成 市 街 地 の 再 開 発 や 活性 化 を 目的 に し
設 計 ・工 事 を分 か りや す い 絵 入 りで 説 明 した も
た もの で あ る。 独 自の 絵 物 語 を表 現 した 単 行 本
の で あ る。
が 出 て お り、該 当者 に配 られ た り、販 売 され た
延 藤 は内 外 の:豊富 な絵 本 を紹 介 しな が ら特 に
り して い る。 ま た若 者 の 活 字 離 れ を反 映 して 漫
外 国 に住 環 境 を扱 っ た優 れ た絵 本 が 多 い こ とに
画 本 も発 売 され る よ う に な った 。 二つ め は学校
注 目す る。 延 藤 は 「住 宅 ・町 づ く りと絵 本 を ク
ロ ス オ ーバ ー させ る意 義 は時 代 を担 う子 ど も達
教 育 に教 材 化 した もの で あ る。 立 石康 「絵 本 ジ
ヨセ ブの 庭 の 教 材 化
の心 の中 に住 まい や町 づ く りの 想 像 力 の 種 を蒔
い る(表11)。
ラ
」 とい う報 告 が な され て
く とい う こ とです …… 絵 本 が 持 つ イ メー ジ形 成
と こ ちで 優 れ た絵 本 を住 教 育 の素 材 と して考
力 と感 受 性 を育 む土 壌 と して の 役 割 に着 目 して
え る場 合 に問 題 にな るの が そ の普 及 率 で あ る。
み る必 要 が あ る(中 略)絵 本 は子 ど もだ けの 物
筆 者 は住 居 計 画 学 の 受講 生 に 、延 藤 と本 多 が示
で は な く… …住 環 境 教 育 の素 材 と して 、 楽 しみ
した内 外 の 絵 本 の リス ト(挿 絵 付 き)を 配 り、
な が ら学 べ る とい う長 所 を もつ
る
。」 と述 べ る。
か って 読 ん だ り、 見 た りした もの を挙 げ て も ら
方 を呈 示 して い る 。 そ の一 方 、 日本 で は従 来 住
っ た。 表12が そ の結 果 で あ る。3冊 読 ん だ者 が
一 番 多 くて 二 人 しか お らず 、1冊 で も読 ん だ者
環境 を素 材 に した り、絵 に表 現 した りす る絵 本
は7/16で あ る。 予 測 以 下 とい わ ざる をえ な い。
が非 常 に少 な か った こ と も指 摘 し、 その 風 土 性
ち なみ に小 さい 頃 に読 ん だ 本 の題 名 を覚 え て い
を問 題 にす る。 本 多 は 日本 で は近 年 優 れ た絵 本
る者 は12/16で あ っ た 。 この 学 生 が 国 民 の どの
そ して住 環 境 教 育 と して の絵 本 の絵 説 き、 読 み
表11「 絵 本ジ ョセブの庭」の スライ ドによる教材化
視 聴前 と視聴後 の価値観 の変化 「植物 を育ててい ると
都市 N=1324年
き,そ
く
あ
の花
なたは
に小動物が
どうす
る
T
中立
反対
賛成
るか」 とい う項 目を視
37 72
視聴前
23
132
聴 前 に児 童 に提 示 し
視聴後
16
132
て,そ の反応 ・態度 を
32 84
記述 させ たあと,こ の
39
69
156
264
計
立石康「
絵本ジ
絵本 を視聴 させた。
ョ
セブの庭」
の教材化
視聴後 の児童の変容
をプロ ッ ト
住教育研究の現在の到達点
表12 大学生 の住居 の絵 本読書経験
and
3冊
2冊
1冊
表13 「家庭科教育」(家政教育社に掲載の)教 材研究事例数
読んだ本
襲
213
小学校
蔑
中学校
高等学校
計
穫 衣 食 住 家庭 衣 食 住 木工艦茜の 衣 食 住 家庭保礪 の
1
旅 の絵 本 ・縁 日 ・大 工 とお に ろ く
1
あ お くん と きい ろ ち ゃん ・縁 日 ・大 工 とお
計 120 87 62 80 187 15426 32 46 52 12 50 8 62 1323 1014
にろ く
出典 小澤紀美子 :住 環境 教育に関する基礎 的考察, 東京学芸大学
紀要第6部 門,32,1980(95)
2
バ ー バ パ パ の 家 さが し ・大工 とお に ろ く
1
小 さい お うち ・大工 とお に ろ く
1
あ お くん と きい ろ ち ゃん
1
変 りゆ く風 景
教 育 方 法 の研 究 が必 要 で あ る。
1
大 工 とお に ろ く
本 研 究 の文 献収 集 に は菊 沢 康 子 、 関 川 千 尋 、
調査対象数16人
町 田玲 子 氏 の 協 力 を得 た 。 記 して謝 意 を述べ る
「
特 集絵本にみる まちづ くり」建 築 と社会に記載 された絵本 リス ト
(本 研 究 は 文 部 省 科 学 研 究 費 総 合 研 究
の中で読書経験 がある本 を選んだ。
A62301087の 補 助 金 を受 け た もの で あ る。)
レベ ル にあ る か は測 れ な いが 、 国 立 大 学 の教 育
引用文献
学 部 に在 籍 す る レベ ル は低 い もので は ない と考
え る。 子 ど もの世 代 に どの様 に絵 本 を届 け るか 。
1)奈
大 きな課 題 で あ ろ う。
る住 教 育 の 現 状 とそ の あ り方 、 日本 家 政 学 会 住
居 学 研 究 委 員 会 シ ンポ ジ ウ ム報 告 書 、1968
7.結
語
良女 子 大 学 住 居 学 研 究 会:高 校 家 庭 科 にお け
2)貴
田 康 乃 他:高
等学校家庭 科住居の学 習指導 に
関 す る調 査 研 究(第1報)一(第4報)、
以上 既 往 の研 究 を中心 に して住 教 育 研 究 を整
科 教 育 学 会 誌 、25.2、1982-26.1、1983
理 して きた 。住 教 育 の研 究 は学 校 教 育 、 社 会 教
3)松
育 の面 か ら多 面 的 に アプ ロー チ され て い たが 、
を取 り入 れ た授 業 効 果 、 日本 家庭 科教 育 学 会誌 、
研 究 の アプ ロ ーチ は大 別 して授 業 方 法 の研 究 と、
住 教 育 の 本 質 論 ・原 論 を固 め て い く研 究 とで あ
4)田
村 京 子 他:高
日本 家庭
等 家 庭 一 般住 領 域 に お け る実 習
30.1、 1987
中 恒 子:学
校教育 にお ける 「
住」教 育の現状
った 。授 業 方 法 の研 究 で は い くつ か の注 目 に値
と課 題 、住 居 学 ノー ト、 勁 草 書房1977
す る実 践 が み ら れ るが 、 現段 階 で は提 案 者 か ら
5)菊
離 れ て 一般 化 す る筋 道 が 見 つ か って い な いの で
庭 科 教 育 の 問 題 点 、 日本 家 庭 科 教 育 学 会 誌 、
全 国 の 住教 育 の水 準 をあ げ る効 果 に結 び付 か な
26.2、 1983
い 。 住 教 育 原 論 研 究 は授 業研 究 に 較べ る と数 が
6)梅
少 ない 上 に 、後 発 の研 究 が 先 発 の 研 究 か ら学 ぶ
入れ」 に関する調査報 告、和歌 山大学家政科研
とい う姿 勢 が 薄 い た め に、 議 論 の 蓄積 に欠 け る。
究 室 紀 要 、1983
「住 教 育 の 研 究 」 は今 日研 究 数 は少 な くない
に もか か わ らず 、 この 方 面 の研 究 の歴 史 が 浅 い
こ とか らそ の成 果 が 学 界 の 共 通財 産 に な って お
地 る み子:高
原 清 子:和
7)相
知 県の実態か らみた中学校 の家
歌 山 県 の 技 術 ・家 庭 科 の 「相 互 乗
島 裕 子:家 庭 科 の 住 教 材 に 関 す る 基 礎 的研 究
(2)、山 口大 学 教 育 学 部 研 究 論 叢 、32.3、1983
8)日
本 教 育 大 学 協 会:教 員 養 成 に お け る教 育 研 究
らず 、 多 く の研 究 が 個 別 に存 在 し、 お互 い の 研
体 制 の 整 備 等 に関 す る要 望 書 の 提 出 、文 教速 報 、
究 の 質 に反 映 してい ない とい う状 況 が み られた 。
3363、 1981.7.22
この様 な状 況 で はあ るが 、 住教 育 を教 師、 認 識
9)教
大 協 家庭 科 住 居 学 担 当 教 官:住 居 学 省 令 化 に
対 象 、 教授 方 法 、 とい う教 育 の 要 素 に分 けて み
関 す る ア ン ケ ー ト ・調 査 集 計 結 果 の 概 要 、
た 時 、 どの 要 素 に も他 の 領 域 には な い難 しさが
あ る こ と、 住 領 域 は実 践 教 科 で あ るこ とな どい
10)苗
1986.3.15
田清 維:戦 後 中 学 校 教 科書 に み られ る 「
住教
くつ か の共 通 認 識 も出来 上 が って きて い る。 こ
育 」 の 研 究 ・戦 後 一 昭和30年 代 前 半 の 家 庭 科 及
れ らの 共 通 認 識 を足 掛 りに して 今 後 は研 究 者 間
び理 科 教 科 書 を も と に して 、住 宅 ・土 地 問 題研
の コ ミュニ ケ ー シ ョ ンを高 め 、 しん しで厳 格 な
究 論 文 集[91、
討 論 を活 発 に して教 育 現 場 を先 導 で き る理 論 と、
11)吉
野 正 治:生
日本 住 宅 総 合 セ ン ター 、1986
活 様 式 の 理 論 、 光 生 館 、p.203、
214
山崎古都子
1980
報)・ カ リキ ュ ラ ム攻 勢 の 基 本 的 枠 組 み につ い て 、
ユ2)日 本 建 築 学 会 ・建 築 経 済 委 員 会:市 民 と住 宅 ・
東 京 学 芸 大 学 紀 要 第6部 門 、34、1982
住 教 育 の 視 点 か ら、1987
28)新 福 祐子:児 童 の住 居 観 、 後 掲35)
13)日 本 建 築 学 会 関 東 支 部 研 究 委 員 会:住 環 境 教 育
29)田
中恒 子:前 掲14)p.53
を考 え る、1983.3
30)菊
地 る み 子:く
14)住 環 境 教 育 研 究 会:小
・中 ・高 等 学 校 に お け る
ら し をつ くる ・見 な が ら考 え る
住 まい、 たの しい 手 作 り教 室39、 民 衆 社 、1987
住 生 活 ・住 宅 お よ び居 住 地 環 境 教 育 に関 す る基
31)松 村 京 子:前 掲3)
礎 的 研 究(そ
32)鈴 木 雅 夫:地 域 性 を考 慮 した 住 居 領 域 の 指 導 ・
の1)、
住 宅 建 築 研 究 所 、p.1-2、
1980
小 学 校 家 庭 科 の 場 合 、 琉 球 大 学 教 育学 部 紀 要 、
15)岸 本 幸 臣:住 教 育 の性 格 につ い て(1)、・
家庭科教
26、1983
育 、1979、9、p.47
33)鈴 木 雅 夫:「 沖 縄 の 住 まい 」 を題 材 と した住 居 の
16)小 沢 紀 美 子:住
指 導 、琉 球 大 学教 育学 部 紀 要 、27、1984
環 境 教 育 に 関 す る基 礎 的 考 察 、
東 京 学 芸 大 学 紀 要 第6部 門 、32、1980
34)鈴 木 雅 夫:小
17)曲 田 清 維:中
指 導 方 法 、 琉球 大 学 教 育 学 部 紀 要 、29、1986
学 校 にお け る 住 教 育 の現 状 ・愛 媛
学 校 家 庭 科 の住 まい 領 域 に 関 す る
県 の 中 学 校 家 庭 科 教 員 を 通 して 、 愛 媛 大 学 教 育
35)新 福 祐子:児
学 部 紀 要 、1980
政 学 雑誌 、30.10、1979-30.10、1979
18)赤 松 圭 子:住
36)延
宅 行 政 に お け る住 意 識 向 上 へ の期
童 の 住 居 観(第1報
14)、p.63-86、
19)宮 脇 檀:せ
37)小
p.117
20)東
孝 光:耕
環 境 教 育 に 関 す る研 究(第2
報)・ イ ギ リス の環 境 教 育 の 理念 と実態 に つ い て 、
東 京 学 芸 大 学 紀 要 第6部 門 、33、1981
ミ ュ ニ テ ィ形 成 と住 環 境 学 習 、 前
て 、 前 掲13)
38)大 村 謙 二 郎:西
独 に お け る都 市 計 画 教 育 に つ い
39)特 集 絵 本 にみ る す まい と まち づ く り、 建 築 と社
掲12)p.54
22)吉 野正 治:前
掲11)p.205
会 、1982、10
23)田
が 国 に お け る住 教 育 の先 進 的 取 り
40)本
中 恒 子:我
そ の他
沢 紀 美 子:住
しつ つ 学 び 、 創 る 姿 勢 、 前 掲12)
p.111
21)延 藤 安 弘:コ
多 昭 一:絵 本 に み るす ま い と ま ちづ く り ・日
組 み の事 例 、 前掲16)p.53-60
本 の 絵 本 か ら、前 掲39)、p.63
24)岸
41)本
本 幸 臣:住 教 育 の 性 格 につ い て ② 、 家 庭 科 教
25)吉 野 正 治:前 掲11)p.17
26)住 環 境 教 育 研 究 会:小
多 昭 一:い
42)延
・中 ・高 等 学 校 に お け る
藤 安 弘:絵
本 の可 能 性 を考 え る ・よ りよ い す
ま い とま ちづ く りの た め に、特 集 前掲39)、p.52
住 生 活 ・住 宅 お よ び居 住 地 環 境 教 育 に 関 す る基
43)本 多 昭 一:前 掲39)p.62
礎 的 研 究(そ
44)立 石 康:絵
の2)、 住 宅 建 築 研 究所 、1982
沢 紀 美 子:住
え 、 玉 川 こ ど も き ょ う い く百 科
(1巻)、197
育 、1979、10、p.55
27)小
家
藤 安 弘:英 米 に お け る住 教 育 の動 向 、前 掲13)、
待 と施 策 、 前 掲12)p.17
め て 最小 限 の 生 活 教 育 を、 前掲12)
一 策2報)、
環 境 教 育 に 関 す る研 究(第3
手
易39) p.71
本 「ジ ョセ ブ の 庭 」 の 教 材 化 、前
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