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ロシア情勢 (2012 年 5 月モスクワ事務所)

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ロシア情勢 (2012 年 5 月モスクワ事務所)
更新日:2012/06/19
JOGMEC モスクワ事務所
大木 雅文
原田 大輔/屋敷 真理子
公開可
ロシア情勢 (2012 年 5 月モスクワ事務所)
1.ロシア動向:
(1)ロシア情勢(全般)
①プーチン大統領就任式、首相には予定通りメドヴェージェフ氏を任命
・ 7日、プーチン大統領の就任式が大クレムリン宮殿で盛大に行われ
た。官僚の他、国会議員、社会活動家、宗教者、文化人、各国外交官
等、約3000名の来賓が参加した就任式の模様は、全国ネット6局で生
中継された。大統領の任期を4年から6年に延長する憲法改正に伴い、
今後プーチン大統領は2018年5月まで大統領を務めることになる。
<右写真(戦略核ボタンの引継ぎ)出典:大統領府HP:http://kremlin.ru/news?page=10>
・ また、同日中に首相候補としてメドヴェージェフ前大統領を指名。翌8日には下院が賛成299票(定
数450/賛成66%)で承認、同日メドヴェージェフ首相任命の大統領令に署名が行われた。議決に
際しては政権与党である統一ロシアと自由民主党がメドヴェージェフ首相就任を支持、共産党と
公正ロシアはほぼ全員が反対票を投じた。
・ また、プーチン大統領は就任直後に経済の近代化等に関する16の大
統領令に署名。更に2014年に南部ソチでの冬季オリンピック開催を
控え、IOC会長との会談(右写真)をこなした。また、当日夜には自
らが設立したアイスホッケーのアマチュア・リーグ戦に背番号11をつ
けて登場。
<写真出典:大統領府HP:http://kremlin.ru/news?page=10>
・ 一方、反体制派は6日、モスクワでプーチン新大統領の就任に反対する「数百万人の行進」と銘打
った大規模なデモを実施。警察発表で8000人、主催者発表では10万人が参加し、昨年12月から続
く抗議活動としては、ほぼ初めて警察との衝突に発展。約450人が拘束される事態となった。先に
暴力を振るったのがどちら側か言い分が食い違っているが、最終的に警官20人とデモ参加者17人
が負傷したとされている。野党勢力は就任式当日にも市民にデモへの参加を呼び掛け、厳戒態勢
の中、クレムリン近くの広場に数10人が集まったが、警察に解散させられた。
–1–
Global Disclaimer(免責事項)
本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデ
ータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等
に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負
いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
②メドヴェージェフ内閣組閣:セーチン前副首相は閣外ながら依然エネルギー産業への影響力を維持
<巻末資料:石油天然ガスに関する政府関連組織の変遷もご参照>
・ 21日、プーチン大統領はラブロフ外相、セルジューコフ国防相及びシアルノフ財務相等主要閣僚
を留任させる閣僚人事を発表。前回プーチン首相就任時(2008年)には就任から組閣に要した時
間が4日間であったことを考えると、14日間の空白はメドヴェージェフ内閣の前途の多難さを示す
ものという見方も。
・ メドヴェージェフ首相は内閣の大幅な刷新を約束していたものの、副首相7人のう
ち5人が留任。極東発展省が新設され、極東連邦管区のイシャーエフ大統領全権代
表(右写真)が兼任。
<写真出典:大統領府HP:http://kremlin.ru/news?page=10>
・ メドヴェージェフ首相の側近で前大統領補佐官のリベラル派と言われるドヴォルコビッチ氏が副
首相に迎えられる等、大統領と首相の勢力バランスも配慮されたが、プーチン氏に近いスルコフ
氏やロゴージン氏が副首相職を留任する等、大方の予想通りプーチン大統領の影響力が色濃い組
閣となっている。
・ 副首相は総勢7名で前内閣と同数。プーチン大統領の側近でメドヴェージ
ェフ首相とも近いシュヴァーロフ第一副首相は留任。エネルギー担当副首
相でメドヴェージェフ首相と対立してきたと言われるセーチン氏は閣外
に去り、22日付けで国営石油会社Rosneftの社長へ就任(これに先立ち、6
日にはプーチン首相(当時)は、Rosneft及びGazpromの国家株保有会社
であるRosneftegazの取締役会メンバー候補者リストに、国家代表者とし
てセーチン副首相を加える指示書に署名している。また、フダイナトフ社
長は第一副社長へ)
。
<写真出典:RosneftHP:http://www.rosneft.com/about/management/igor-sechin/>
③プーチン大統領、G8 サミットを欠席。代理としてメドヴェージェフ首相を派遣
・ 10日、ロシア大統領府はプーチン大統領が就任後の初の舞台となる予定だった米国開催のG8首脳
会議を欠席し、メドヴェージェフ首相を代理で派遣することを発表。新首相が15日を目途に大統
領に対して組閣案を提示することになっており、各候補者との面談を含め、その構成・人事を吟
味する必要があるというのが欠席の理由(実際上記の通り、最終組閣は21日に)
。
・ 一方、プーチン大統領のG8欠席が明らかになった直後、オバマ大統領も9月にウラジオストクで開
催されるAPEC首脳会議を選挙活動を理由に欠席することが判明。会議欠席の応酬との見方も出た
が、既に昨年の段階で確定していたという情報も。オバマ・プーチン両大統領会談は6月にメキシ
コで行われるG20の期間中に行われる予定。
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本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデ
ータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等
に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負
いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
④イルクーツク州新知事に、セルゲイ・エロシェンコ氏
・ 18日、イルクーツク州のメゼンツェフ知事が辞任し、同日付の大統領令により
エロシェンコ氏(右写真)が知事代行に任命された。輸送、観光、建設、商業
などのビジネスを行う同氏は、今年のロシア大統領選挙に際しては、プロホロ
フ候補の代理人として活動、現在、プロホロフ氏が進める新党創立に向けた作
業に参加している。
<写真出典:イルクーツク州HP:http://www.irkobl.ru/>
・ 29日、イルクーツク州議会の承認を得て、正式に知事に就任。また、前任のメゼンツェフ知事(大
統領選にも出馬し、200万人署名の不備から出馬辞退)は6月6日、上海協力機構の事務総長に指名
されている(任期は2013年1月から3年間)。
⑤メドヴェージェフ首相、与党・統一ロシアの党首に就任
・ 26 日、政権与党・統一ロシアはモスクワで党大会を開
催し、メドヴェージェフ首相を新しい党首に選出。前任
者であるプーチン現大統領が党大会で自らメドヴェー
ジェフ氏の党首就任を提案していた。プーチン氏は党籍
を持たずに党首を務めていたが、メドヴェージェフ氏は
22 日に正式に党員に。また、プーチン大統領は統一ロ
シアを包含する政治運動団体・全ロシア国民戦線のトッ
プとして党運営への影響力を維持する見込み。
<写真出典:統一ロシア HP:http://er.ru/persons/chairman/>
⑥プーチン大統領初外遊:ベラルーシへ
・ 31日、プーチン大統領は大統領就任後初の外遊先としてベラ
ルーシを訪問。ミンスクでルカシェンコ大統領と会談し、旧
ソ連圏中心の経済統合をめざすユーラシア経済同盟の創設に
向けた動きを加速することについて一致。
<写真出典:大統領府HP:http://kremlin.ru/news/15516>
・ 両大統領は内政干渉に反対し、国際紛争は外交的手段での解決を目指すことを謳った共同声明を
発表。欧米諸国から「欧州最後の独裁者」と非難されるルカシェンコ大統領が率いるベラルーシ
とシリア情勢で欧米が目指す武力介入に対立するロシアのスラブ兄弟国の絆を誇示するものとな
った。
(2)ロシア情勢(石油ガス産業)
①6 月 1 日からの原油・石油製品輸出税を引き下げ
・ 6月の原油輸出税は、約57.5USD/BBLと前月に引き続き引き下げられた。
・ 東シベリア及びカスピ海北部の油ガス田に適用される特典輸出税についても、約28.9USD/BBLに
引き下げ。
・ 6月の石油製品輸出税は277USD/t、内、ガソリンについては377.8USD/tに設定された。
<参考:原油及び石油製品輸出税の推移>
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いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
輸出税
原油(USD/t)
原油(USD/BBL)
減税特典原油(USD/t)
減税特典原油(USD/BBL)
2009 年
2010 年
2011 年
2012 年
2012 年
2012 年
平均
平均
平均
第 1Q 平均
6月
第 2Q 平均
179.6
273.7
408.9
400.8
419.8
443.0
約 24.6
約 37.5
約 55.3
約 54.9
約 57.5
約 60.7
87.68
186.1
196.6
210.8
228.2
約 11.9
約 25.2
約 26.9
約 28.9
約 31.3
264.5
277
292.3
360.7
377.8
398.7
非課税
軽質石油製品(USD/t)
133.1
149.1
274.1
重質石油製品(USD/t)
71.7
80.3
208.2
内、ガソリン(USD/t)
2011 年 5 月~
388.6
②原油生産・輸出統計(エネルギー省発表データ)
・ 6月、ロシアの原油、ガス・コンデンセート生産量は4374.4万t(約3.19億BBL)で前年同時期比、
0.8%増。
・ 6月、ロシアの原油輸出量は2073.1万t(約1..51億BBL)で前年同時期比、0.8%増。
③天然ガス生産・輸出統計(エネルギー省発表データ)
・ 6月、ロシアの天然ガス生産量は518.6億㎥(約1.87TCF)で、前年同時期比1.1%減。内、Gazprom
による生産は375.8億㎥(約1.35TCF)
、15.7%減。
・ 6月、ロシアの天然ガス輸出量は125億㎥(約0.45TCF)で、前年同時期比29.4%減。
④Rosnedra(天然資源環境省地下資源利用庁)長官にポポフ氏
・ 5日、Rosnedraの長官にアレクサンドル・ポポフ氏が任命された。同氏は
Severneftegazprom社長、VostokGazInvest社長を経て、2011年からセーチン副
首相補佐官を務めていた。前任のレドフスキー氏が国家公務員の上限65歳を迎
えたことによる交代とされている。
<写真出典:RosnedraHP:http://www.rosnedra.com/page/15.html/>
⑤ロシア政府、天然ガスの地下資源抽出税率引き上げを承認
・ 2日、ロシア政府は2013~2015年における天然ガスに対する資源抽出税増税を承認。この期間、
年2回の引き上げを行い、Gazprom向け及び独立系ガス生産者向けの税率を徐々に近づけることと
し、2015年下半期には独立系ガス生産者向けの割引係数が0.987となる見込み。
<参考:天然ガスの資源抽出税・今後の推移(1000CM 当たり/単位:RUB)>
2013 年
2013 年
2014 年
2014 年
2015 年
2015 年
上半期
下半期
上半期
下半期
上半期
下半期
Gazprom 向け
582(19) 679(23) 717(24) 859(29) 886(30) 1062(35)
独立系向け
265(9) 445(15) 456(15) 726(24) 726(24) 1049(35)
※括弧内は 1USD=30RUB とした場合の USD 換算額(筆者)
。
・ 31日、ドヴォルコヴィッチ副首相は上記承認された資源抽出税引き上げについて、引き上げ率を
縮小する可能性について示唆。現在修正案が討議されており、まもなく国会下院に提出されると
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本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデ
ータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等
に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負
いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
の見込みを明らかにした。但し、数値の微修正でより緩やかな引き上げとするものであり、最終
的に2017~2018年ごろには、現在言われている数字に至る必要があるとしている。
⑥開発困難な油田に対する地下資源抽出税引き下げ案草案へ
・ 3日、プーチン首相(当時)は3貯留岩の浸透率と原油の粘性の指標に基づく開発困難な埋蔵量を
有する開発プロジェクトの分類に関するエネルギー省提案について政府指示書に署名。開発困難
な埋蔵量を持つ鉱区を4つのカテゴリーに分け、内3つのカテゴリーに対しては資源抽出税率を法
定の0~10%、10~30%、30~50%の範囲に設定すること等に関して、今年10月1日までに財務省、
経済発展省、エネルギー省、天然資源環境省が関係省庁等と調整した法令草案を提出するよう求
めるもの。
・ 4日、同首相は開発困難な油田の開発促進に関する会議に出席。これら油田に対して優遇税制を取
ることにより2020年以降年間4000万~1億t(日量10万~27万BBL)の増産が可能になると述べた。
・ また、フョードロフ・エネルギー省次官は会議後、現在検討されている資源抽出税の優遇は経済
的な理由で開発が止まっている既存鉱床を含め、新しい投資プロジェクトに適用されることにな
ると明らかに。0~50%の優遇税率を商業生産開始から5~10年の間適用することが検討されている。
⑦プーチン大統領:Rosneftegaz 民営化を 2013~15 年の間での実施を指示
・ 24日、プーチン大統領は国営持ち株会社Rosneftegazが保有する株式売却を2013年から2015年に
かけて実施するとの方針を指示。Rosneftegazは国営石油会社Rosneft株式75.16%、Gazprom株式
の11%弱を保有。更には今後同社が国内エネルギー企業(特に電力分野)の資産を買収する方針
であることも明らかに。
<参考:OJSC Rosneftegaz及び国営石油ガス会社の資本関係(各社年次報告書より作成>
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いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
⑧ズプコフ前第一副首相、ガス輸出国フォーラム(GECF)の特使に就任
・ 30日、プーチン大統領は前第一副首相でGazprom会長であるズプコフ氏をガス輸出国フォーラム
ロシア特使に任命したと発表。
・ ドヴォルコビッチ副首相はその前の週、ズプコフ氏が6月29日に予定されているGazprom株主総会
後も会長職に留まるとの見方を示している。
<参考:GECF及びOPEC/加盟国・組織の比較>
(3)東シベリア~太平洋原油 PL(ESPO)関連
Gazprom:コヴィクタガス田開発に関するテンダーを実施
・ Gazpromによると5月末までにコヴィクタガス田開発に関する技術スキームを作成するコントラ
クタを選定するテンダーを実施。テンダーは21日に公示され、28日まで受け付けるとのこと。契
約の上限額は4500万RUB(約1.4億円)
。
<参考:コヴィクタ及びチャヤンダガス田位置図(出典:Gazprom資料より)>
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・ コントラクタは第一フェーズでは、鉱床の開発状況を分析、地質及び技術データの取りまとめ、
コヴィクタとハンジンスキー鉱区の今後の探査・調査作業プログラムの策定を行う。また、第二
フェーズでは地質・技術モデルの構築が義務づけられ、更にアジア太平洋諸国へ天然ガスを供給
することを念頭に置いたコヴィクタとチャヤンダの総合的開発の可能性についても検討すること
が義務付けられている。その他、開発において大きな課題となると予想されるヘリウムの抽出と
保管に関する技術的措置の根拠付け作業も実施しなければならない模様。
・ また、Gazpromガス・ガスコンデンセート石油部のチェレパノフ部長はチャヤンダ開発に関する
最終的投資決定は夏に採択されると発言。
(4)極東・サハリン
拠点は極東ハバロフスクに 露、新設の極東発展省
・ 25日、極東連邦管区のイシャエフ大統領全権代表兼極東発展大臣は同省の拠点がハバロフスクに
設けられると述べた。また、極東発展省が新設された理由について「政権指導部はロシアの経済
成長ペースを世界20位以内にするとの課題を設定。新興5カ国(BRICS)やアジア太平洋諸国と協
力すれば年6~8%の成長が達成可能であり、極東の発展がロシアの成長に繋がるためだ」と強調。
・ 極東発展省の機能については、中央政府から極東に配分される国家予算の厳重な管理を挙げ、東
連邦管区が極東を構成する地方や州など地方機関との調整機能を果たすのに対し、極東発展省は
主に経済や社会発展に関与し、両者に機能の重複はないとのこと。極東発展省は250人程度の職員
で構成される予定。
(5)ロシア石油ガス会社
Gazprom
・ 2日、GazpromExportのゴルブニチィ副社長はシュトックマンプロジェクトにおいてLNG液化施設
を建設するかPLにて輸出するのかの最終判断を9月から11月に行う予定と発言。3月にはプロジェ
クトカンパニーであるShtokman Development AG社が最終投資判断を7月1日に延期している。
・ 他方、25日、プーチン大統領は最終投資決定をサンクト国際経済フォーラムが開催される6月下旬
のタイミングで行うべきと要請。また、複数紙が同日24%の権益を有するノルウェーStatoilが同プ
ロジェクトから撤退を検討していること、またShellがそのファームアウトに関心を寄せているこ
とを報道。30日にはGazpromミレル社長もファームアウトに関して複数の会社と協議を行ってい
ることを認めた。
・ 15日、GazpromMezhregiongaz社によれば東方ガスプログラムの一環としてプリモルスク(沿海)
州に年間5BCMのガスケミプラントを建設する計画について三井物産と協議していることを明ら
かに。2012年夏にFSに係るテンダー(予算1.4MMUSD)を実施し、2013年6月にスタディを終了
する計画。
・ 23日、Gazpromマルケロフ副社長はコヴィクタガス田についてJOI(Justification of Investment)
を2012年末までに終了する見込みであると発表。更にチェレパノーフガス生産部長はチャヤンダ
ガス田についての最終投資決定を今年8月末までに行いたいと考えていると発言。
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いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
・ <参考:シュトックマンガス田開発プロジェクト(Shtokman Development AG社資料より)>
Partners:
---Gazprom/51%
---Total/25%
---StatoilHydro/24%
Proven Gas Reserves:
---94TCF
Cost for Development:
---15BillionUSD
*FID will be done in 2012
Rosneft
・ 5 日 、 Rosneft と Statoil は バ レ ン ツ 海 の Perseyevsky 鉱 区 及 び オ ホ ー ツ ク 海 の Lisyansky 鉱 区 、
Kashevarovsky鉱区及びマガダン-1鉱区開発のための合弁会社設立協定に調印。上記同様、3分の1を
Statoilが保有する。また、同社が保有する北海及びバレンツ海のプロジェクトへのRosneft参画につ
いても検討されている。総投資額は650億~1000億USDに上る見込み。
・ Statoilは地質探査作業費用を100%負担。試掘井第一坑は2016年にマガダン-1鉱区に掘削される予定
で、2017年にLisyansky鉱区、2019年にはKashevarovsky鉱区、2020年にはPerseyevsky鉱区で掘削
が実施される予定。2014年から、各鉱区において2D及び3D震探実施を計画。
・ また、契約条件ではStatoilはRosneftに過去の支出と大陸棚鉱区ライセンスに係る支払いについて同
社権益分である33.3%を負担。また、Rosneftに対して商業生産可能な石油およびガス埋蔵量の発見
に際してボーナスを支払うもの。
<参考:ロシア石油会社と欧米メジャー等の業務提携実績>
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いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
・ 31日、ドヴォルコビッチ副首相によれば詳細は未定との前提でRosneftは海外石油開発を専門とする国
営石油会社Zarubezhneftの買収の関心があると発言。
TNK-BP
・ 8日、TNK-BPはRosneftに対してRosneft主導で行われるロシア領北極圏の石油・天然ガス鉱区の
開発に同社もLUKOILに続いて参加の意向を確認したことを明らかに。Rosneftは北極圏の12鉱区
の開発計画を進めるに当たって、LUKOILとTNK-BP、Bashneft、Surgutneftegazの民間石油大手4
社に参加を要請していた。
・ 29日、TNK-BPのフリードマン氏が同社CEOを辞任。組織管理の腐敗と改善に向けたBPのやる気
の無さが原因であると説明。
・ 30日、同社ロシア側株主であるAlfa-Access-Renova(AAR)はBP保有の50%を買い取る用意があ
ると表明。また、同株主が保有する株式について売却の意向はないが、BP株式とのスワップであ
れば検討可能とも発言(AARのCEO・ポロヴェッツ氏)。また、31日には辞任したフリードマン氏
が第三者への売却も示唆。
LUKOIL
・ 29日、LUKOILはエジプト西部のメレイハ地区で油田を発見したと発表。推定埋蔵量は約11~18
億BBL。オペレータはENI(56%)で、LUKOILが24%、三井物産が20%を保有している。
・ 30日、LUKOIL・フェドゥン副社長は香港上場に関する計画を発表。上場は発行済み株式を香港
株式市場へ移す形で行われ、規模は10億USD~20億USD。2013年半ば頃を予定。
・ 31日、同社はINPEXと共同でイラクの第4次国際入札で南部バスラ西方にある探鉱ブロック10を
落札。今後5年間で探鉱を行い、油田が見つかれば開発、生産に移行する計画。権益はINPEXが
40%、LUKOILが60%を保有。
Transneft
・ 11日、Transneftは現トカレフ社長との契約を3年間更に延長したと発表。5日開催された臨時株
主総会で実質の大株主であるロシア連邦国有資産管理庁の臨席の下、承認。
(6)旧ソ連諸国関連
ウクライナ
・ 16日、ウクライナの環境天然資源省は2012年末までにChevron及びShellとPSA契約を締結したい
意向を発表。5月初旬に両社はシェールガスが見込まれるYuzovskoye及びOlesskoye鉱区を入札で
落札しており、ChevronはOleeskoye鉱区での排他的PSA交渉権を要望している。
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いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
・ 9日、ウクライナのアエロスビット航空が首都キエフと日本を直接結ぶチャーター便を8~10月の
週末に運航する見通しになったと発表。近く国土交通省に正式に申請の見込み。認可が得られれ
ば、8月11日の成田発から始まり、長崎、福岡、宮崎、熊本、鹿児島、大分からも運航の予定。
カザフスタン
・ 1日、枝野経済産業大臣が首都アスタナでイセケシェフ産業新技術相と会談。自動車等の生産に
不可欠なレアアース(希土類)鉱山の新規開発及び放射性物質の除染技術での協力を推進につい
て合意。
トルクメニスタン
・ 23日、韓国LG商事と現代エンジニアリングの韓国企業連合がトルクメニスタンで石油精製プ
ラントの建設事業受注を発表(5.3億USD)
。1943年に建設された設備の老朽化に伴う再開発事
業の一環。年内に着工し、2015年の完工を目指す。
(7)日露関係
①民主党・前原政調会長が訪莫
・ 2日、民主党の前原政調会長が訪莫し、政府及び政府機関と会談を実施。ラブロフ外相と会談
し、北方領土については「日本固有の領土」と重ねて主張。両氏は北方4島の帰属問題を決着
させて平和条約を締結し、両国関係を発展させることが重要との認識で一致。
・ 3日GazpromではGazpromExportのメドヴェージェフ社長と面談し、サハリン-2やウラジオス
トクにおけるLNG施設建設における日露協力事業の進展を確認。更にロシアから日本への直接
パイプラインによる天然ガス輸送の可能性についても協議。
②北方領土開発に中韓企業が参画の予定
・ 12日、サハリン州のホロシャービン知事は韓国及び中国の企業が択捉島、国後島でインフラ整
備及び農業生産に参画する計画を表明。ロシア政府が北方領土開発等のため推進している「ク
リール諸島社会経済発展計画」への外国企業の参画は初めてとなる。同知事は、これまで外国
企業の(北方領土を含む)千島列島での事業参画には日本側から承認出来ないとの反応を呼ん
できた」と発言する一方、日本からの北方領土への投資は歓迎との従来の立場も示した。
・ 29 日、イシャエフ極東発展担当相は北方領土で日本側と協力して水産加工業を発展させ、日本
企業の進出に期待を表明。一方で、中国や韓国の企業を誘致する用意もあるとも述べ、北方領土
での共同経済活動に慎重な日本側を牽制。
③山根外務副大臣、モルグロフ露次官と会談
・ 25日、山根外務副大臣が訪莫。ロシアのモルグロフ外務次官(アジア太平洋地域担当)とモス
クワで会談。両者は安全保障、経済、エネルギー等で協力を推進し、6月18日にメキシコにて
開催されるG20首脳会合の際の日露首脳会談実現に向けた調整で一致。
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に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負
いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
④アエロフロートが成田~ハバロフスク便就航
・ 25日、アエロフロート航空は極東ハバロフスクと成田を結ぶ定期便を6月19日から火曜及び木
曜に各一往復ずつ就航することを発表。成田~ハバロフスクは現在月曜及び金曜に週二往復し
ているシベリア航空(S7)と合わせ週4便に増加。
2. その他:
①ゴルバチョフ氏にアンドレイ最高勲章 授与
・ 3日、メドベージェフ大統領はゴルバチョフ元ソ連大統領(81歳)に対し、ロシア最高位の聖
アンドレイ勲章を授与。
・ 同氏はソ連を崩壊に導き、社会や経済を混乱させた人物としてロ
シアでの人気は低いと言われている。現在のロシアで政治的影響
力はほとんど持っていないが、昨年12月のロシア下院選の不正疑
惑で政権批判が高まった際には、プーチン首相に権力の座を去る
よう促した。<写真出典:ゴルバチョフ基金HP:http://www.gorby.ru/en/>
②ユーロヴィジョン準優勝「ブラノフスキエ・バーブシキ(ブラノヴォ村のおばあさん達)」
・ 26日、欧州のポップ音楽コンテスト「ユーロヴィジョン」にロシ
ア代表として平均年齢66歳という女性中心のグループ「ブラノフ
スキエ・バーブシキ」
(ウドムルト共和国<沿ヴォルガ連邦管区に
属し、Sinopec及びRosneftが有する石油会社Udmurtneftがあり、
原油生産地としても有名>出身)が出場、見事準優勝を果たした。
・ ユーロヴィジョンは今年は前回の優勝者の祖国アゼルバイジャン
共和国の首都バクーで開催。計42カ国が参加。
・ 27日、プーチン大統領は準優勝を祝うと共に、自身も村に行き、
メンバーに会う意向を示した。
写真出典:WikipediaHP「Бурановские бабушки」:
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%91%D1%83%D1%80%D0%B0%D0%BD%D0%BE%D
0%B2%D1%81%D0%BA%D0%B8%D0%B5_%D0%B1%D0%B0%D0%B1%D1%83%D
1%88%D0%BA%D0%B8
ウドムルト共和国位置図
③東シベリア・ザバイカリエ地方で旅行中の邦人男性殺害
・ 23日、東シベリア・ザバイカリエ地方の捜査委員会はナイフでの殺傷による日本人男性の遺体が
同地方で発見され、殺人事件として捜査を始めたと発表。男性の遺体は22日午前9時頃、同地方
西部ヒロク地区の主要街道から約500メートル離れたテントの中で地元住民が発見。遺体の近く
には男性が旅行中運転していたオートバイの他、現金や携帯電話等が残されたままだった。
・ 31 日、捜査当局は強盗殺人容疑で 20 歳と 21 歳の地元在住の男 2
人を拘束したと発表。男 2 人は所持品を奪おうと殺害を計画。22 日
未明、テント内にいた男性をナイフで刺して殺害。2 人は所持品を
奪おうとしたが、車が近くを通りかかったため何も取らずに逃走し
ザバイカリエ地方ヒロク地区位置図
たと言う。
以
上
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いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
<巻末資料:石油天然ガスに関する政府関連組織の変遷>
(プーチン大統領 2000 年~メドヴェージェフ大統領~プーチン大統領 2012 年>
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