Comments
Description
Transcript
理容作業による社会貢献作業
理容作業による社会貢献作業 Yamaguchi Prison 山口刑務所においては,山口保護観察所,山口公共職業安定所や「社会福祉法人恩賜 財団済 生会支部山口県済生会山口地域ケアセンター(以下「山口地域ケアセンター」という。)」 などの関係機関と連携して,刑務所出所者の社会復帰支援に取り組んでいます。 この度,山口地域ケアセンターから,環境上の理由及び経済的理由により,居 宅での生活が困難な高齢者に対し,受刑者による理髪をボランティアとして実施 できないかとの申入れがありました。 山口刑務所の「理容科」職業訓練で理容師の国家資格を取得した受刑者が,老 人ホーム入居者に対し,ボランティアによる理髪を実施することは,受刑者が修 得した技術の維持・向上につながるだけでなく,実社会での体験を通じて社会に 貢献していることを実感することができ,受刑者の改善更生及び社会復帰に資す ることから,平成27年4月17日,老人ホームにおいて,当所の理容師資格を有す る受刑者が入居者に対し,「社会貢献作業」として理髪を実施しました。 この日は,初めてということもあり,受刑者も緊張した様子でしたが,髪を切り終 えた後,女性が「髪がすっきりすると気持ちが良い。」と仕上がりに喜ぶと,受刑者 は笑顔を浮かべました。今回,就業した受刑者は,「貴重な機会を与えてもらった ことをうれしく思う。訓練の成果を出せるようにがんばった。勉強して取った資 格なので,資格を活かした仕事に就きたい。」と改善更生,社会復帰への決意を 新たにしました。 山口刑務所では,4月以降,毎月1回,同取組を行っており,受刑者の再犯防止に 向けた取組を推進しています。 山口刑務所の新たな再犯防止への取組 「介護福祉科」職業訓練の開講 Yamaguchi Prison 刑事施設で受刑者が実施している刑務作業の内容については,近年,再犯防止 対策の推進の観点から,できる限り受刑者の勤労意欲を高め,これに職業上有用 な知識及び技能を習得させるよう充実化が求められています。 山口刑務所においては,社会の雇用ニーズを踏まえた資格が取得できる訓練種 目を実施するため,刑務所を出所した後,介護福祉関係施設等に就職ができる「介 護職員初任者研修課程修了」資格の取得を目指した「介護福祉科」職業訓練を開 設することとし,平成27年8月25日(火),山口刑務所体育館において,開講式 を行いました。 同訓練を開講するに当たり,全国の刑事施設に希望を募ったところ,介護福祉 関係の資格取得を希望する受刑者約30名から応募があり,10名が選抜されま した。 講義は,1日約3時間,8月26日から11月25日までの46日間に渡って実 施され,社会福祉法人恩賜 財団済生会支部山口県済生会山口地域ケアセンターのスタッフが 講師を担当します。 また,山口刑務所と山口地域ケアセンターは,刑務所出所者の再犯防止を目指し, 出所後に介護福祉関係の職場に就職を希望する受刑者に対して,資格取得を支援する にとどまらず,資格取得後,出所までの間,技能向上及び社会貢献の機会として就労 体験の場を設け,加えてハローワーク等の関係機関と連携して就労支援を行う「やま ぐち再犯防止プロジェクト」を立上げることとし,介護福祉科職業訓練の開講式に先 立ち,協定書の調印式を行いました。 今後,山口刑務所と山口地域ケアセンターは連携して,刑務所出所者の円滑な社会 復帰を支援し,再犯率の低下を目指します。