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目指せJ1!レノファ山口FC - 一般財団法人 山口経済研究所

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目指せJ1!レノファ山口FC - 一般財団法人 山口経済研究所
Focus
山口県
地域ニュース
目指せJ1!レノファ山口FC
サッカー明治安田生命J2リーグに昇格した
とした山口県全域である。
レノファ山口FC(以下「レノファ」
)が好調
アマチュアの地域リーグからスタートしたレ
な戦いを続けており、ホームゲーム(地元での
ノファは、JFL(日本フットボールリーグ)
試合)には多くの観客が訪れている。山口県唯
を経て2014年にJ3参入が決定し、山口県初の
一のプロスポーツクラブであるレノファの活躍
プロサッカークラブとなった。翌2015年、J3
は、様々な分野に経済的・社会的効果をもたら
最初のシーズンにいきなり優勝し、わずか1年
しつつある。
でJ2に昇格した。
選手は27名、チームスタッフは上野展裕監督
●山口県初のプロサッカークラブ、J3参入か
やコーチなど8名で、フロントスタッフは河村
ら1年でJ2昇格
孝社長(山口県出身、元Jリーガー)以下10名
レノファは、1949年発足の山口県サッカー教
である。今シーズンは、営業等の人員を3名増
員団を母体に、Jリーグ参入を目指すべく2006
やしており、レノファのJ2昇格は新規雇用創
年に任意団体として設立された。2011年にNP
出にも結び付いている。
O法人へ移行後、2013年に株式会社化され、現
在は幅広い企業や個人等が出資する「市民クラ
●J2には北海道から熊本県までの22クラブ
ブ」(特定の母体企業を持たないクラブ)とし
が参加、「関門海峡ダービー」に注目
て活動している。ホームタウン(本拠地)は、
Jリーグは、J1からJ3まで3つのカテゴ
山口市・下関市・山陽小野田市・宇部市を中心
リーに分かれており、レノファの属するJ2に
は今シーズン、北海道から熊本県までの22クラ
<名称の由来>
「renovation( 維 新 )」 の 頭 文 字 レ ノ と「fight( 戦
う)
」や「fine(元気)
」のファを合わせて「RENOFA
YAMAGUCHI FC(レノファ山口FC)」となった(F
C:フットボールクラブの略)
。歴史に名を残した山口
県の先人たちのように、日本のサッカー界にもその名を
刻んでほしいと願い命名された。
<エンブレムの由来>
チームカラーであるオレンジ色をベースに、メインのモ
チーフとして山口県と山口市のランドマークといえる瑠
璃光寺五重塔を用い、室町の昔から今に伝わる山口の伝
統・文化と、未来へ向けて大空に立ち登っていくイメー
ジを託した。また、クラブ名の
由来にもある「維新」の原動力
となった長州藩の紋章をアレン
ジし、サッカーボールの模様に
した。これらを、古来より戦闘
で用いられる盾で囲むことによ
り、戦いに挑むレノファ山口F
Cに力を与えてくれる意味合い
ももたせた。
Ⓒ2013 RENOFA
(資料)㈱レノファ山口
YAMAGUCHI CO.,LTD
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やまぐち経済月報2016.5
ブが参加している。このうち、ジェフユナイ
テッド千葉や東京ヴェルディ、清水エスパル
スといった、Jリーグ創設時に参加したクラブ
のほか、
「カズ」こと三浦知良選手が所属する
横浜FCなど10クラブはJ1参戦の実績がある。
レノファはこれらの強豪と、2月から11月まで
激しい勝負を繰り広げる。
とりわけ注目されるのは、ギラヴァンツ北九
州との「関門海峡ダービー」である。レノファ
の昇格によって実現したもので、第1戦は3月
に北九州市で行われ、第2戦は7月、レノファ
のホームスタジアム、維新百年記念公園陸上競
技場(山口市)で開催される。
今シーズンのJ2参加クラブとJリーグの主な仕組み
*J1参戦の経験があるクラブを赤で表示
*色付きで表示している都道府県は各クラ
ブの活動区域(ホームタウンとは必ずし
も一致しないクラブあり)
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᳄Ძ
ǯȩȖ
<J2の大会方式>
・ホーム&アウェイ方式による2回戦総
J1の下位3クラブはJ2に自動降格、J2の上位2クラブはJ1に自動昇格
(J1ライセンス付与済が条件)
J2の3∼6位のうちJ1ライセンス付与済のクラブが昇格プレーオフ出場、
優勝クラブがJ1昇格
当たりリーグ戦
・開催期間は2/28(日)∼ 11/20(日)
・90分間(前後半各45分)の試合を行
い、勝敗が決しない場合は引き分け
᳄Წ
Წ ǯȩȖ
ǯȩȖ
・勝点は勝利3点、引き分け1点、敗戦
0点
J2の最下位クラブはJ3に自動降格、J3の優勝クラブはJ2に自動昇格
J2の21位とJ3の2位が入れ替え戦、勝利クラブが翌シーズンJ2
(J3からの自動昇格・入れ替え戦進出はJ2ライセンス付与済が条件)
・リーグ戦が終了した時点で勝点合計の
多いチームを上位として順位決定(勝
点が同じ場合は得失点差等で決定)
᳄Ჭ
Ჭ ǯȩȖ
ǯȩȖ
J3ライセンスが付与された上で、JFL(日本フットボールリーグ)4位以内、
かつ「百年構想クラブ」の上位2クラブとなった場合、J3入会が認められる
JFLの下部には地域リーグ、都道府県リーグあり
(資料)Jリーグホームページ等
やまぐち経済月報2016.5
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●ホームゲーム開催を通じて賑わい創出
うした飲食関連に加えて、警備や設営に携わる
レノファが地元にもたらす主な効果としては、
業者にも、ホームゲーム開催の効果は及ぶ。
ホームゲーム開催を通じた賑わい創出が挙げら
れる。
●アウェイサポーターの宿泊等がポイント
レノファの観客動員数は、J3に属してい
レノファの試合を通じた地域経済活性化とい
た2015年が1試合平均4,367人で(12クラブ中
う観点では、アウェイサポーター(対戦相手の
2位)
、今シーズンは5月8日現在6,163人に達
ファン)による宿泊・飲食等がポイントとなる。
しており(22クラブ中9位)
、開幕戦には過去
特にJ2の場合、過半数が中部・北陸以東のク
最多の11,308人が訪れた。ホームゲームは合計
ラブであり、主としてこれらのホームタウンか
21試合であり、2週間に1度以上のペースで、
ら訪れた観戦者の宿泊が見込まれる。他クラブ
5千人∼1万人程度を動員するイベントが開か
の事例1から類推すると、アウェイサポーター
れることになる。開催当日は会場周辺に「山口
は平均して1試合あたり数百人来場し、このう
グルメガーデン」が設けられ、県内業者が販売
ち50 ∼ 100人程度が、レノファのホームスタジ
する軽食や飲み物等を求めて行列が出来る。こ
アムに近接する湯田温泉(山口市)など県内に
◆レノファのホームゲーム(2016年シーズン)
宿泊するものとみられる。
開催日
KICK
OFF
対戦相手
2/28
13:00 ファジアーノ岡山
(日)
3/13
16:00 FC町田ゼルビア
(日)
4/3
16:00 カマタマーレ讃岐
(日)
ジェフユナイテッド
4/23
13:00
千葉
(土)
5/3
13:00 ザスパクサツ群馬
(火・祝)
5/7
18:30 ツエーゲン金沢
(土)
5/22
16:00 V・ファーレン長崎
(日)
6/4
13:00 東京ヴェルディ
(土)
6/8
19:00 愛媛FC
(水)
6/19
18:00 水戸ホーリーホック
(日)
6/26
18:00 清水エスパルス
(日)
7/10
18:00 ギラヴァンツ北九州
(日)
7/24
19:00 京都サンガF.C.
(日)
7/31
北海道
19:00
(日)
コンサドーレ札幌
8/11
19:00 セレッソ大阪
(木・祝)
8/21
19:00 松本山雅FC
(日)
9/25
未定 FC岐阜
(日)
10/2
未定 ロアッソ熊本
(日)
10/16
未定 徳島ヴォルティス
(日)
10/30
未定 横浜FC
(日)
11/12
未定 モンテディオ山形
(土)
*5月18日現在
*維新:維新百年記念公園陸上競技場
*下関:下関市営下関陸上競技場
(資料)
㈱レノファ山口ホームページ
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やまぐち経済月報2016.5
会場
結果
観客動員数
維新
△1-1
11,308人
維新
×0-2
4,711人
維新
○1-0
5,126人
維新
○4-2
5,159人
維新
○2-0
4,332人
維新
×0-1
6,339人
維新
―
―
維新
―
―
維新
―
―
維新
―
―
維新
―
―
維新
―
―
維新
―
―
維新
―
―
維新
―
―
維新
―
―
維新
―
―
下関
―
―
維新
―
―
維新
―
―
維新
―
―
ちなみに、一部のアウェイサポーターは観戦
ゴール裏のサポーター
ⒸRENOFA YAMAGUCHI FC
賑わいをみせる「山口グルメガーデン」
1 徳島県の資料等によると、徳島ヴォルティスのホームゲー
ムにおけるアウェイサポーターは、J2に属していた際
には1試合平均300人程度であった。また、J1で戦った
2014年シーズンには5倍超の約1,600人来場し、その4割強
が県内に宿泊したとのことである。
前後に、レノファのエンブレムに描かれた瑠璃
一方、山口市の中心市街地活性化に取り組む
光寺五重塔など県内の観光地を訪ねている。こ
㈱街づくり山口は、主に中心商店街から協力店
うした周遊行動も呼び起こすレノファは、本県
を募り、ホームゲーム開催に合わせた「応援サー
への誘客を図る上で重要な観光資源だといえる。
ビス」を展開中である。チケット半券を持参し
た来店客や、アウェイのユニフォームを着用し
●県内ではサポーター向けの各種サービス実施
たサポーターに、飲食・買物の代金割引や無料
県内の宿泊施設や飲食店等は、県外からの観
サービス等を行うもので、今シーズンは60超の
戦者やレノファサポーターの来訪を促すべく、
店舗が参加している。商店街にとって新たな顧
代金割引など各種サービスを実施している。
客層誘引につながる取り組みであり、実際に幅
湯田温泉では、一部の宿泊施設が代金の割引
広い世代のサービス利用がみられるという。
を実施しているほか、市や湯田温泉旅館協同組
地域リーグ時代からレノファを応援する中心
合等が連携し、割安な宿泊プランの提供を検討
商店街では、アーケードへの横断幕掲示や店舗
中。また、宇部市は宿泊費の助成を行う(実施
前の幟設置など、応援の機運を盛り上げる動き
主体は宇部旅館ホテル生活衛生同業組合加盟の
が一段と活発になっている。昨年のJ3優勝の
ホテル・旅館)ほか、美祢市観光協会は秋芳洞
際には、選手・監督によるパレードが行われ、
入洞料の割引をスタートした(試合のチケット
沿道は約2万人(主催者発表)の人出でごった
提示が条件)。
返した。なお、中心商店街に出店しているレノ
ファのアンテナショップには、公式グッズのほ
か、マスコットキャラクター「レノ丸」をあし
らったグッズ等が並んでいる。
●600超の企業等がスポンサーとして支援
Jリーグのクラブ経営を支える収入源として
は、スポンサー(広告料)収入の位置付けが大
きい2。レノファに関しては現在、600を超える
企業や団体等がスポンサー(同クラブでは「パー
トナー」と呼ぶ)として支援を行っている。
山口市中心商店街に掲げられた横断幕
パートナーの業種は幅広く、広告の形態もユ
ニフォームへの企業ロゴ表示や試合会場での看
板掲出など多彩である。一部のパートナーは自
社名等を冠した「冠マッチ」を開催しているほ
か、レノファと連携協定を締結し、地方創生や
人材育成等に取り組む動きも相次いでいる。
これらのパートナーは、レノファを通じた宣
伝効果を得ると共に、スポーツによる地域貢献
をアピール出来る。特にレノファの場合、試合
ⒸRENOFA YAMAGUCHI FC
レノファのマスコットキャラクター「レノ丸」
2 2014年度のJリーグクラブ営業収益に占める広告料収入
の割合(平均)は、J1が48.5%、J2が47.8%であった。
やまぐち経済月報2016.5
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等を通じて北海道から九州までのホームタウン
中国・四国地方におけるJクラブのホームタウ
と関わることから、パートナーにとっては、広
ン(県及びホームスタジアムのある自治体)に
告の形態にもよるが、県内のみならず全国規模
よるイベント「PRIDE OF 中四国」に
で自社の知名度を高めるチャンスがある。
●自治体もレノファの活動をサポートしつつ、
◆レノファのホームタウン自治体における
主な取り組み
自治体名
山口県
山口市
市の名称を冠した「冠マッチ」開催
JR大歳駅を「レノファ応援駅」と称し、歓迎看
板を設置したほか、同駅から維新百年記念公園陸
上競技場に向かう歩道の一部をレノファカラー
(オレンジ色)に塗装
「ふるさと納税」のお礼の品としてレノファグッ
ズ採用
JR西日本と共同でラッピング列車運行(山口線
など)
山口大学及び山口県立大学の新入生に観戦チケッ
ト引換券配布(レノファのアンテナショップにて
引換)
市職員有志が「山口市役所職員サポーターズ」結成
下関市
ホームゲーム開催に向けPR活動実施
昨年度は市内での大型スポーツイベント参加者を
対象に宿泊費の半額を補助(上限あり)
、レノファ
の試合も対象とした(3試合)
*今年度はこれら補助制度なし
市職員やその家族の有志が「レノファ山口下関市
職員Family Club」発足、市議会議員有志も応援
組織結成
山陽
小野田市
練習拠点としての施設利用をサポート(山口県立
おのだサッカー交流公園、赤崎運動広場)
レノファをまちづくりに活用すべく調査実施
選手・監督による保育園や社会福祉施設への訪問
等を依頼
市と市議会、商工会議所、観光協会等による応援
組織「パートナーズクラブ」設立
宇部市
レノファの試合観戦に伴う市内宿泊費の一部を助
成(2,000円:前泊と当日泊が対象)
各種PR活動実施(ポスター掲示等)
ホームゲームの前売券販売(市施設)
シティセールスにもつなげる
レノファのホームタウンとなっている自治体
は、試合会場・練習拠点の提供や、ホームゲー
ムの集客に向けたPR等を通じ、クラブの活動
をサポートしている。
また、各自治体においては、レノファをシティ
セールスのコンテンツとして活用する取り組み
が進行中である。このうち山口県と山口市は、
◆レノファのパートナー企業等における
主な取り組み
項目
冠マッチ
開催
(今季)
企業等の名称、取り組み内容
ユーピーアール㈱
山口マツダ㈱(2試合)
㈱ユニサプライズ
富士商グループ
㈱ビ・メーク
ボートレース徳山
山口トヨペット㈱(2試合)
㈱オートバックスセブン
明治安田生命保険(相)
専門学校YICグループ
㈱山口銀行
生活協同組合コープやまぐち
㈱マエダ商事
山口朝日放送㈱
㈱ヒューモア
連携協定
専門学校YICグループ:レノファと「産学連携
協定」締結、スポーツ人材の実践的専門教育の研
究やインターンシップなどを実施
日本赤十字社山口県支部:レノファと「パートナ
ーシップ協定」締結、献血PRキャンペーン等で
協力
マックスバリュ西日本㈱(イオングループ):レ
ノファ及びホームタウン自治体と「地方創生、ま
ちづくりパートナーシップ包括連携協定」締結、
スポーツ・文化振興等について活動
その他
㈱エースカード:レノファの「サポーターズクラ
ブ」会員向けクレジットカード発行、売上の一定
割合等をクラブに寄付
原田㈱:同社が制作するレノファの公式マスコッ
トキャラクターグッズを寄付つき商品化(山口県
共同募金会の「募金百貨店プロジェクト」に参加)
㈱山口銀行:「レノファV預金」を5月末まで取
扱うほか、昨年実施の「YMFG預けて、もらって、
ふるさと再発見キャンペーン」の定期預金総額の
0.005%相当額をレノファに寄付
山口ソーシャルファイナンス㈱:昨年、クラウド
ファンディングにてレノファの応援ファンド組成
*冠マッチ:5月18日現在での決定分、開催日順に記載
(資料)㈱レノファ山口ホームページ、新聞記事等
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やまぐち経済月報2016.5
主な取り組み
「レノファ山口応援事業」として、ホームタウン自
治体と連携したPR活動(横断幕や幟の制作等)
及びアウェイゲームでの観光・物産PR実施
ホームスタジアム(維新百年記念公園陸上競技場)
の改修実施
県職員や県議会議員の有志がそれぞれ応援組織設立
*予定を含む
(資料)各自治体ホームページ、ヒアリング等
JR大歳駅周辺の歩道に引かれたライン
加わり、観光地や特産品等のPRを行っている。
15歳以下の年代を指導するなど、育成強化を図
レノファに関しては、J2昇格に伴い、メディ
っている。また、自治体や企業と連携したサッ
ア等での露出も一段と増加した。これに比例し
カー教室も開催し、競技普及に努めている。
て、ホームタウンの認知度向上やイメージアッ
レノファの理想像は、基本的に県内出身選手
プ等の効果は一層拡大する見通しである。
のみで構成するクラブである。ゆくゆくは、山
口県で生まれレノファで育った選手が日本代表
●地域の一体感醸成や住民の交流促進にも寄与
で活躍後、指導者として復帰し、新たな才能の
レノファは、地域の一体感醸成や住民同士の
芽を育てるかもしれない。そうした理想の実現
交流促進といった社会的効果ももたらしている。
に向けた取り組みにより、優秀な人材の受け皿
Jリーグの調査によると、リーグ全体(J1、
としての機能が発揮され、本県のスポーツ振興
J2)での観戦者は男性が6割強を占め、平均
にもつながるだろう。
3
年齢は41歳程度である 。一方、レノファの試
合の来場者は、年配の夫婦やファミリー層、若
●来季のJ1参戦も夢ではない
いカップルなど多彩で、今季のシーズンシート
レノファは5月15日現在、J1昇格プレー
(年間指定席)も、大半はこうした個人が購入
オフ圏内の3位(暫定順位)。昇格に向けては、
したとのことである。山口市民中心に、サッカー
ライセンス取得に必要な諸条件(スタジアムの
観戦が娯楽として定着しつつあると共に、試合
座席数増加や常設のクラブハウス確保等)を満
展開に一喜一憂しながら感動や興奮を共有する
たす必要があるものの、これらをクリアすれば、
など、レノファが地域の誇りとなり、コミュニ
来季のJ1参戦も夢ではない。
ケーションツールにもなっている。
今シーズン、「志 今から未来へ」というス
レノファと住民との関係でいえば、ボラン
ローガンを掲げるレノファは、クラブに関わる
ティアグループ「Team BONDS」も活
全ての人々の思いを背に奮闘中である。
「Jク
動中である。登録メンバーは約100名で、ホー
ラブのある街」となった山口県において、レノ
ムゲーム運営サポート等を通じて交流を深めて
ファを通じて新たな魅力を創出・発信し、スポー
いる。
ツによる地方創生を実現すると共に、サッカー
を地域の文化として根付かせることが期待され
●優秀なスポーツ人材の受け皿としても期待
ている。
山口県のサッカー界では、山口高校や高川学
(能野 昌剛)
園高校が全国選手権でベスト4やベスト8に進
出したほか、日本代表クラスの優れた才能が発
掘されてきた4。しかしながら、こうした有力選
手は、活躍の場を県外に求めざるを得なかった。
レノファは、ユースチーム(18歳以下)と女
子チームを保有するほか、傘下のNPO法人が
3 「Jリーグスタジアム観戦者調査2015」による。
4 日本代表経験者は岩政大樹(周防大島町出身)、久保裕也
(山口市出身)、高松大樹(宇部市出身)、田中達也(周南
市出身)の各選手。また、リオ五輪の最終予選では、久保
選手や原川力選手(山口市出身)が主力として活躍し、両
選手は五輪のメンバー入りが有力視されている。
ⒸRENOFA YAMAGUCHI FC
懸命にプレーする選手
やまぐち経済月報2016.5
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