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人と動物の絆 - パル動物病院

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人と動物の絆 - パル動物病院
PAL NEWS 2015/03
パル動物病院
~人と動物の絆~
よりよい関係を目指して
私たちは最先端の診療技術を生かし、地域に
密着した動物病院を目標にしております。
パルニュース 2015 年 3 月
●猫の新生子眼炎
●犬の糖尿病
診療時間
●裾野センター病院
月~土 午前 9:00 ~
午後 14:00 ~
日・祝 午前 9:00 ~
午後 14:00 ~
12:00 (11:30)
21:00 (20:30)
12:00 (11:30)
19:00 (18:30)
●沼津病院
平日
午前 9:00 ~ 12:00 (11:30)
午後 14:00 ~ 19:00 (18:30)
日
午前 9:00 ~ 12:00 (11:30)
木・祝日休診
お問合せ
●裾野センター病院
静岡県裾野市伊豆島田 843-5
TEL: 055-993-3135
●沼津病院
静岡県沼津市沼北町 1 丁目 5-27
TEL: 055-922-6255
●ウェブサイト
http://pal-ah.jp
猫の新生子眼炎
新生子眼炎とは、生まれたばかりの子犬や子猫に起こる目
の表面の感染症です。子犬ではあまり発生頻度は高くあり
ませんが、子猫ではよく見られる病気です。今回は比較的
多く見られる猫の新生子眼炎について紹介いたします。
● 今月の専門科診療 ●
今月は下記の日程で専門科の診察を行います。
ご希望の方は事前にご予約ください。
(カッコ内はカレンダー内の省略形です)
◆歯科(歯)
博士(歯学):奥田 綾子 先生
原因
猫の新生子眼炎はほとんどの場合、猫
ヘルペスウイルス 1 型の感染が原因となり
ます。猫ヘルペスウイルス 1 型は多くの猫
が保有しているウイルスで、母猫が猫ヘル
ペスウイルス 1 型に感染していると出生直
後に母猫から感染します。また、生後 2 ~
3 週齢頃に他のウイルス保有猫から感染す
ることもあります。
症状
新生子期に猫ヘルペスウイルス 1 型に感
染すると、結膜 ( 白目 ) や角膜 ( 黒目 ) に
炎症が起こり、涙目になったり、目やにが
増えたり、白目が赤く腫れるなどの症状が
みられます。この結膜炎や角膜炎がひどく
なると目の表面がただれ、まぶたの裏側と
目の表面がくっついて剥がれなくなってしま
うこともあります。このような場合はまぶた
が上手く動かなかったり、目の表面に不透
明な組織が癒着したりして視覚を障害しま
す。さらに症状が進行すると角膜に穴が開
いてしまい、目の中の構造が壊れ失明に至
る危険性もあります。
また、猫ヘルペスウイルス 1 型は目の症
状のほかに、くしゃみや鼻水、咳、発熱な
どの症状も同時にあらわします。
治療
内服の抗ウイルス薬を処方します。多く
の場合、二次的に細菌感染も起こしている
ので抗菌薬の内服や点眼も行います。症状
が重く、まぶたが目の表面に癒着している
ときには外科手術で剥離します。外来で行
うことができますが、何度か繰り返し処置
が必要となります。癒着が激しい症例では
処置後もまぶたの動きが悪く、黒目に濁り
が残ります。
予防
猫ヘルペスウイルス 1 型の予防には混合
ワクチンの接種が有効です。交配前に母猫
にワクチンを接種しておくことをお勧めしま
す。また、新生児期には猫ヘルペスウイル
ス 1 型を保有した猫との接触を避けるよう
に心掛けてください。
参考文献
Veterinary Ophthalmology 4th edition
◆エキゾチックペット(エキゾ)
エキゾチックペットクリニック
つるの
博士(獣医学):霍野 晋吉 先生
◆画像診断科(画)
博士(獣医学):小野 晋 先生
◆眼科
博士(獣医学):当院 小野 啓
毎週火曜~土曜日
(カレンダーには表記していません)
学会等で不在のこともありますので、
事前のご予約をお願いいたします。
月
火
水
9
3
画
10
11
16
17
18
23
24
25
30
31
2
4
木
5
歯
12
金
土
6
7
エキゾ
14
13
19
20
エキゾ
26
27
1
日
8
15
21
22
28
29
犬の糖尿病
人の生活習慣病としてよく知られる糖尿病は、犬においても近年増加傾向に
あります。今回は犬の糖尿病についてお話しします。
1、糖尿病とは
膵臓から分泌されるインスリンには、血液中のブドウ糖を全身の組織
に取り込ませる作用があります。インスリンの働きにより、生き物は食物
から取り込んだエネルギーを生命活動に利用したり、蓄えたりすること
ができるのです。糖尿病は、このインスリンの作用が低下し、血中のブ
ドウ糖が組織に取り込まれなくなることで発病します。
糖尿病には大きく分けてⅠ型とⅡ型があります。Ⅰ型糖尿病は、膵臓
から分泌されるインスリンの不足が原因となって起こるものです。Ⅱ型
は、インスリンに対する組織の反応が鈍くなり、インスリンが効きにくく
なるために起こるタイプです。
犬の糖尿病の多くはⅠ型ですが、肥満や発情に伴うⅡ型の糖尿病も
みられます。
2、犬の糖尿病
犬が糖尿病と診断されるのは 7-9 歳齢で多く、雌では雄より約二倍
多く見られます。遺伝的に糖尿病になりやすい犬種として、キースホン
ド、ケアン・テリア、ミニチュア・ピンシャー、プードル、ダックスフント、
ミニチュア・シュナウザー、ビーグルなどが知られています。
3、原因
主な要因として遺伝と生活習慣(ストレス、肥満)が考えられます。
自己免疫反応、ウィルス感染、膵炎、膵臓癌、副腎皮質機能亢進症な
どに併発することもあり、薬物使用から糖尿病になるケースもあります。
4、診断
診断は、症状と血液検査による空腹時の高血糖、尿検査による尿糖
を確認して行います。甲状腺や副腎皮質ホルモンの異常を伴うこともあ
るので、血液検査でホルモン検査も実施します。
よくある症状として、多飲多尿、食欲増進、体重減少がみられます。
一日の飲水量が体重1kg あたり100mL を超えると多飲となります。ペッ
トボトルなどに水を汲み置きして、自宅で飲水量を量ってみましょう。そ
の他、白内障や後ろ足の虚弱などの症状がでる場合もあります。
インスリンが不足した状態が続くと、取り込まれないブドウ糖の代わり
に、ケトン体が体内で生成されエネルギーとして使われます。このケト
ン体が血中に増加し、通常中性である血液が酸性化した状態を「ケト
アシドーシス」といいます。
ケトアシドーシスになると、重度の脱水、低血糖、電解質の異常が引
き起こされ、食欲不振、嘔吐、下痢、昏睡などの症状が現れ、とても
危険な状態に陥ります。
5、治療
一般的な糖尿病の治療は、血糖値のコントロールと合併症の予防の
ために、インスリン療法と食餌療法を組み合わせて行います。合併症が
ある場合は、その治療も並行して行います。
インスリン療法開始時には、入院してインスリンのタイプや量、投与
回数を決定し、血糖値のモニタリングをする必要があります。その後、
自宅でのインスリンの皮下注射、規則正しい食餌管理、飲水量や尿量、
尿試験紙による尿糖と尿ケトン体の確認、体重のチェックが重要になり
ます。獣医師の定期的な検診も必ず受けましょう。
参考文献
イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科 PIE BOOKS
パルニュース 2015 年 3 月号
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