Comments
Description
Transcript
3 美術
3 美術 美術や工芸は、さまざまな材料を加工して作品を制作する場面が多い教科であり、特に用具に ついては、材料と加工の仕方とのかかわりを考え、その基本的な使用法、安全で的確な取扱がで きるように生徒を指導しなければならない。用具の取扱に習熟し、さらに用具を大切にし、適切 な管理や整備ができる態度を身に付けさせる必要がある。生徒が用具等を正しく取扱うことによ って、制作活動の可能性の幅を広げ、生徒の制作意欲や興味・関心を高めることができる。 (1) 安全管理 美術室等には、多様な材料や用具があり、また、生徒が製作した作品などがある。事故を防 止するためには、材料や用具にかかわる管理を徹底して行う必要がある。 ① 棚の引き出し等を有効に利用し、用具を整理する。また、用具の所在が明らかとなるよう に、引き出しに用具名を貼ったり一覧表を教室前に貼ったりするなどして、用具の整理を工 夫する。 ② 刃物類は、使用後、必ず保管場所にもどし、数を確認する。 ③ 机等の配置を工夫し、座席間にゆとりを設けることにより、生徒の作業スペースを確保し、 安全に制作活動ができるようにする。 ④ 教室内の環境整備や備品等について日常点検で安全確認をするとともに、用具類が安全に 使用できるように整備し、安全管理に努める。 ⑤ (2) 材料と用具のかかわりを考え、生徒が安全に制作できるように学習指導計画を作成する。 安全教育 教員は、材料や用具の特徴や性質を理解し、生徒が制作活動において用具を適切に扱うこと ができるよう指導するとともに、落ち着いた雰囲気の中で生徒が制作に取組み、基礎的技能を 生かして、創造的な制作活動が行われるよう指導することが重要である。 ※ 予想される事故事例と指導内容 ①絵画 事 例 屋外での写生でハチなどの虫に刺される。日焼けする。 事前に場所や時間を十分調査し、安全を確認するとともに、医療施設等の場所を確 指導内容等 認しておく。事前に、生徒に帽子の着用や服装について指導する。 ハチ、毛虫、毒蛾等に刺された時は、傷口を清潔にし、すぐに医療機関に行く。 事 例 定着液、溶き油などから揮発した気体を吸い込む。 締め切った部屋で作業しないように、換気扇等により換気をするように指導する。 指導内容等 生徒の様子に留意し、気分が悪くなった生徒にはすぐに退出させ、保健室に連絡す るとともに、他の生徒の安全確保に努める。 - 107 - ②彫刻 事 例 版画用彫刻刀で手などを傷つける。 版木台を使い材料を固定し、刃の進む方向には手を絶対に置かないように指導す 指導内容等 る。両手で刀を持つなど、正しい用具の扱い方や姿勢等を指導する。 事 棚の上などに置かれた石膏像などのモチーフが落下する。 例 大型モチーフ専用の収納庫に保管するのが望ましい。収納庫に保管できない時は、 指導内容等 できるだけ低い場所に置くなど工夫する。生徒には、大型モチーフに触れないよう指 導する。 事 例 電動ノコギリの刃が折れてはじけ飛ぶ。 電動工具を事前に点検し、安全であることを確認する。生徒には、力の入れ具合な 指導内容等 ど、正しい取り扱い方を指導する。また、危険性を理解させ、安全な立ち位置等を指 導する。 ③デザイン 事 例 素材のアルミ缶などで手などを傷つける。 素材の選択に十分注意し、手袋を用意し、生徒に手袋を使用した上で、制作作業を 指導内容等 行うように指導する。 ④鑑賞 事 例 天井から吊るした作品が落下する。 作品展示場所や展示方法には細心の注意を払い、万が一、作品が落ちたとしても、 指導内容等 生徒に危害が及ばないよう、生徒の活動範囲を規制するなどの工夫をする。生徒には、 落ち着いた中で鑑賞させ、作品の取り扱いについて指導する。 ⑤映像メディア表現 事 例 指導内容等 写真現像の際に薬品の取扱を誤る。 使用する薬品以外、用意しない。生徒には、薬品の危険性や、安全な取り扱い方を 理解させ、混ぜることのないよう指導する。また、換気をするように指導する。 - 108 -