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授業科目名 東洋史b (General History of Asia b) 必修の区分 ※ 単位
授業科目名 東洋史b (General History of Asia b) 必修の区分 ※ 単位数 2.0 開講年次 1 講師名 増井 寛也 所属 非常勤講師 オフィスアワー・場所 ※ 連絡先 ※ 講義目的及び到達目標 テーマ:《北と南から見た「中国」史論》 この講義では歴史世界としての〈中国〉の多様性を、まったく異質な南北二つの世 界、つまり南方の漢族農耕社会と北方の草原遊牧民社会との、激烈にして長期にわた る相克という視野から説明することを目的とする。 講義内容・授業計画 今日の地理的〈中国〉は大小、あるいは内外に大別することができる。「内」中国 は黄河・長江流域の中国本土(漢族中心)、「外」中国はそれを除いた周辺部(非漢 族中心)という大まかな設定が可能であろう。「外」中国のなかでも、とりわけ「内 」中国と鋭く対立したのが、モンゴル高原に興亡した騎馬遊牧民であった。両者の歴 史的・社会的交渉の実相を、古代中心に以下の項目に従って講義する。 第1回 Ⅰ.地理的〈中国〉の地域構造 1.広大な国土と多様性 第2回 2.〈中国〉の地域構造 3.内中国の地域構造 第3回 Ⅱ.気候変動から見た中国の歴史と北方遊牧民の活動 第4回 Ⅲ.中国北部の農耕条件と漢帝国 1.中国農業社会の基本的性格――華北農業の不安定性―― 第5回 2.漢帝国/漢王朝の成立前史 第6回 3.漢帝国の成立――武帝以前―― 第7回 4. 古代中国の農業社会とその不安定性 第8回 Ⅲ.モンゴル高原の遊牧条件と匈奴単于国 第9回 1.ステップ遊牧社会の生態的性格 第10回 2.北アジアの青銅器時代と初期遊牧民 第11回 3.匈奴単于国――古代遊牧国家の性格―― 第12回 Ⅳ.漢帝国と匈奴単于国の激突――南北二つの世界の抗争―― 1.両勢力激突の背景 第13/14回 2.漢の武帝の大戦争とその後 授業計画の順序は若干変更の余地がある。 テキスト 特に指定しない。教員自作のレジュメを配布する。 参考文献 レジュメに文献一覧を添付する。図書館における文献の有無は第1回目に説明する。 成績評価の基準 ・平常点(ただし出席と毎回のコメント提出をあわせて評価)……40% ・レポートないし試験(いずれになるかは目下のところ未定)……60% ・ただし、正当な理由のない欠席が3分の1以上に達する場合、不合格とする。 履修上の注意・履修要件 この授業は内容の暗記を求めるのが本旨ではなく、論理的理解を重視する。○高校世 界史の履修(もはや未履修は存在しないはず)を選択の必要条件とし、歴史への関心 を十分条件とする。○90分講義の間、緊張を保てない者には選択を勧めない。 備考 必ずこのシラバスを読んでから選択受講して欲しい。