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デザインをまちづくりに生かすための研究会報告骨子(案)

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デザインをまちづくりに生かすための研究会報告骨子(案)
∼デザインをまちづくりに生かすための研究会報告骨子(案)∼
1.はじめに
∼今なぜ、デザインなのか∼・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
(1)震災復興と「神戸らしさ」
(2)
「神戸らしさ」の再認識・再創造
∼「神戸らしさ」とは何か?∼
(3)今なぜ、デザインか
2.創造都市戦略としての「デザイン都市・神戸」
・・・・・・・・・・・・・・・・・3
3.まちづくりの施策展開の視点と方向性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
(1)施策展開の視点
(2)施策展開の方向性
4.
「デザイン都市・神戸」を進めるための「ひと」
「場」
「しくみ」づくり・・・・・・8
(1)推進体制−「デザイン都市会議」の設立−
(2)各事業主体の取り組み
(3)時間軸の考え方
(4)モデル区域の設定の考え方
資料.他都市の事例
1.はじめに
∼今なぜ、デザインなのか∼
(1)震災復興と「神戸らしさ」
* 震災後の10年、神戸は住まいや生活、街の復興をめざして、さまざまな取組を集中的かつ精力
的に行い、その結果、神戸は震災を乗り越えて復興を遂げた。
* 「神戸らしさ」から創り出された都市ブランドは様々な都市間の比較調査からも伺えるように
全国的に定着している。
* 他方、神戸が震災復興に取り組んできたこの10年間、国内外の各地では新たな魅力的な都市づ
くりが進められており、神戸の地位が相対的に低下しつつある。
* そのことに対する危機感をもつ必要があり、神戸らしさに磨きをかける新たな取組が求められ
ている。
(2)
「神戸らしさ」の再認識・再創造
∼「神戸らしさ」とは何か?∼
∼「神戸らしさ」とは?∼
●今日の「神戸らしさ」の源泉は、六甲山と港がつくる「まちの構造」
、ハイカラを発信した「開港」
、
産学官民が協働で乗り越えた「震災」にある。
* 六甲山と港に囲まれ、エキゾチックな雰囲気を持つ「まち」は、神戸のイメージとして全国に
定着している。
* 「開港」により外から入ってきた新しい文化や産業を基礎として神戸の街が発展し、全国に情
報発信してきたエネルギーが「神戸らしさ」であった。
* 「震災」を乗り越え、10年の復興過程で生み出された新しいエネルギーも神戸の新たな「神戸
らしさ」である。
* 神戸らしさは、先人たちの営々とした活動から生み出されたもので、時代の先見性が評価され
てきた。今ある神戸らしさを守るだけでなく新たな活動を積み重ね、新たな神戸らしさを生み出
すことが重要である。
・・・・
(参考①、②)
(3)今なぜ、デザインか
* かつて神戸は、
「アーバンリゾート都市」を目指して、住み続けたい・訪れてみたい、高品質な
まちづくりに注力してきたが、震災後はその取り組みよりも復旧・復興を優先せざるを得なかっ
た。震災から 10 年を経過した今、アーバンリゾート都市の理念も取り入れながら、さらに創造
的で安全・安心なまちをつくっていく必要がある。
* デザインは多様な意味を持つ言葉である。デザインの根底には、機能性の充足、安全性の確保、
さらには都市環境への取り組みなども含まれる。
* まちづくりにおけるデザインを、物や建築物の形や色、意図、構想・計画だけでなく、様々な
資源相互の関係性を創りあげる「触媒」であると捉え、このデザインの力で神戸らしさを再認識
し、再創造する。
1
* 2010 年ビジョンでは神戸の将来像を「クオリティ・オブ・ライフ(市民生活の豊かさ)
」の観
点に立った 神戸らしい豊かさ と位置づけ、創造的に実現していく都市づくりを掲げているが、
「デザイン都市・神戸」は、 神戸らしい豊かさ を創造的に実現するための都市戦略とする。神
戸らしい豊かさは、「神戸を共有するひと」すべて(市民、大学、産業など)が神戸を基盤とする
活動の中で生み出していく新たな価値である。
2
(参考①)
「神戸らしさ」の考え方
*神戸らしさは ・ひと・・・・・・・国際性・開放性、進取の気質、神戸への思い、主体的な活動
・生活様式・・・開港以来の文化と伝統、特色あるファッション産業、おしゃれ
・経済・・・・・・・・港関連産業、生活文化産業、ものづくり産業、オンリーワン企業
などにあるが、震災を乗り越え、復興の過程で生み出されてきた新しいエネルギー【新たな産業
リーダー、新しい知的産業集積(医療産業都市)
、新たな文化リーダー、地域の力など】が新たな
神戸らしさを創造しているといえる。
ソフト←
→ハード
ひと
生活様式
まちづくり
国際性・開放性
進取の気質
神戸への思い
主体的な活動
開港以来の文化
と伝統
おしゃれ・ハイ
センス
市民・住民主体
復興における
住民の力の結集
NPO・ボラン
ティアの活動
産業
まちなみ
文化
生活文化産業
特色ある
ファッション
産業
社会的企業
ソーシャル・ベンチャー
港関連産業
ものづくり産業
医療産業
オンリーワン企業
経済
空間
海・港
山、坂
緑、田園
建物
温泉
(参考②)新たな「神戸らしさ」を創り出す動き−これから伸ばす神戸らしさ
住民主体のまちづくり
北野ユニバーサルデザイン、野田北ふるさとネット、六甲
道南公園、ながたTMO ほか
事業者主体のまちづくり
乙仲通、トアウエスト、甲南本通り市場 ほか
大学との協働によるまちづくり
あーち(神大)
、神戸芸工大、甲南大 ほか
神戸の魅力プロモーション
フィルム・オフィス
神戸ブランドの創成・発信
神戸コレクション、ドラフト!(神戸ファッション協会)
、
KOBEデザイン・ナビ事業、グッドデザインひょうご
新たな産業リーダー
デザインエクセレントカンパニー、ソーシャルベンチャーアワード
新しい産業の創成、知的集積
医療産業都市構想
企業のフィランソロピー・メセナ
まちづくり基金、先導的な地域貢献
社会的起業(企業)
プロップ・ステーション
新たな文化・芸術活動
CAPハウス、TEN×TEN、楽団あぶあぶあ
3
2.創造都市戦略としての「デザイン都市・神戸」
「デザイン都市・神戸」を 神戸らしい豊かさ を実現するための創造都市戦略とする。
↓
* 開港以来、近代神戸が外国の多様な文化を積極的に取り入れ、神戸の風土のもとで常に新しい
価値を生み出してきたが、これからの知識や知恵が重視される社会で、新しい、次なる価値を生
み出すことが豊かな社会を築く基礎となると考えられる。神戸の特性を生かして、
「デザイン都
市・神戸」を進めることにより、神戸らしい豊かさを実現していく。
* 都市は、その街に住む人にとって快適であり、街を愛し、誇りを持てること、何よりもその街
に暮らすことが幸せと感じることが重要である。また、まちへの来訪者にとっては、訪れたくな
る魅力があるまちでなければならない。このことがさらなるイメージアップとなり、経済活動の
好循環にもつながると考えられる。
●[内(市民)には神戸を誇りに思う街にし、
外(集客、企業誘致)には都市間競争に打ち勝つプロモーションを行う。
]
* 神戸の街は、山と海とそれらをつなぐ街のコントラストが特徴的な「空間」と、ものづくりと
生活文化産業に代表される「経済」と、国際性豊かな文化と洗練されたライフスタイルが特徴で
ある「文化」が相互に影響を与え、神戸の街がつくられている。
* 安全・安心、健康を確保することを前提として、
「デザイン都市・神戸」を構成する分野を「文
化」
、
「経済」
、
「空間」と位置づけ、デザインの力を触媒とし「文化」と「経済」からは「活力」
、
「文化」と「空間」からは「魅力」
、
「経済」と「空間」からは「持続力」がそれぞれの関係性か
ら創り出され、融合する中でハイブリッドなまちづくりを進めていく。
文化
活 力
魅 力
デザイン
空間
経済
持続力
4
3.まちづくりの施策展開の視点と方向性
(1)施策展開の視点
* 神戸らしさを見直し、
「活力のデザイン」
、
「魅力のデザイン」
、
「持続力のデザイン」を活かし、
新たな神戸の特性を創る。
* 神戸は生活文化すべてをファッションと規定し先駆的に取り組んできたが、
「神戸っ子のくら
し」である市民生活の質(QOL)を高め、洗練されたライフスタイル(
「クール」
、
「スマート」
(格好良さ)
)を創造、提案する力を持ち続けることが重要である。
* 神戸の中小企業の優れたものづくりの「技術」を生かした新製品の開発や第二創業などの取り
組みに対し、デザイン性の観点から製品の付加価値を高め競争力を高める。
* 神戸らしいまちづくりにとって大切なのは、
「海」と「山」の保全・活用とそれらを「まち」と
「みどり」が点から線、線から面へとどのようにつなぎ、神戸の魅力をさらに引き上げるかであ
る。
* まちの記憶・過去からの連続性と神戸の多様性を生かし、
「守る」
「創る」
「育てる」視点でまち
づくりを進める。
* 「おもいやりのあるデザイン」
、
「気配りのなされたデザイン」に囲まれた誰もが安全・安心で
健康に暮らせる都市の構築をめざす。
(2)施策展開の方向性
① 神戸の生活文化の提案力・情報発信力を高める
・ 神戸の特色は神戸らしい洗練されたライフスタイルを提案してきたことである。市内の生活
文化に関わる企業がオリジナリティあふれる自社ブランドを確立し、神戸発のメッセージを全
国に発信し、神戸への注目度を高めることで、新たな生活文化の提案力のある企業の集積を促
進する。
・ 神戸市民に自ずと身についた生活の質、センスのある暮らしぶりがある。
「神戸なひと」
「神
戸なくらし」
「神戸な時間」など神戸の気質を神戸の特集記事として企画・提案し、 神戸 full
なライフスタイルを楽しむ「お嬢さん」や「シルバー世代・団塊の世代」をモデルに、神戸を
アピールする。
② ものづくりの「技」と「デザイン」の融合を図り、世界へ情報発信する
・ 市内には高い技術を誇る中小企業が多くあるが、下請け構造が緩やかになる中で、デザイン
も活用した独自の製品開発、販路開拓をすることにより経営基盤の強化を図る必要がある。
・ 市内の大学(神戸芸術工科大学や神戸大学など)や兵庫県立工業技術センター、財団法人新
産業創造研究機構などと連携を進め、中小企業へのデザインに関する啓発、相談機能の充実と
産学連携による試作品、製品開発を推進し、デザイン性の向上を支援する。また、プロダクト
デザインを活用して新製品開発に取り組んでいる事例を紹介する。
・ デザイン都市としてのブランド力を高めるために、デザイン性の優れた製品を開発した企業
や人材を表彰する制度を検討する。
・ 神戸の高い品質の製品は世界マーケットの中でも先端の分野を目標にすべきであり、そのた
めにもケミカルシューズをはじめとする神戸の地場産業や中小企業はデザインを生かした国
5
際見本市に参加し、小さな成功事例を世界(特に東南アジアをターゲットとして)にアピール
する。
③ 新たな神戸ブランドを創るデザイナーやクリエーターの活躍の場をつくる
・ 新たな神戸ブランドの担い手であるデザイナーやクリエーターの活動を支援するため、作品
の発表の機会や製品化や販路開拓などビジネスチャンスにつながる機会をつくることが重要で
ある。
・ デザイナーやクリエーターとショップや百貨店を結び付ける取り組みや国産上屋にオープン
した TEN×TEN など、クリエーターの支援を進める新たな取り組みが始まっているが、さらにこ
のような取り組みを広げていき、人材育成と産業の連携を図る。
④ 神戸の魅力をアジアへ、世界へ発信する
・ 神戸には毎年 2 千万人を超える人が訪れる。神戸の街が多くの人を惹きつけ、新たな出会い
とつながりは新しい生活文化と産業を生み出す原動力である。多くの人を神戸に惹きつけるた
めにも、神戸の街を知ってもらうことが重要である。
・ 神戸ブランドを発信する「神戸コレクション」事業は日本でも最大級のファッションイベン
トとして定着しているが、さらに内容の充実と海外での開催など新たな展開を進める。
・ 「神戸フィルムオフィス」が中心となって神戸を舞台とした映画やドラマ、CM の誘致がされ
ているが、神戸の街の美しさだけでなく 神戸気質 を映像を通じて発信できることは重要で
あり、取り組みをさらに進める。
・ 神戸の街の特色を活かした都市デザインをユネスコの「デザイン都市」に申請することを検
討する。
⑤ 世界に誇る「緑の中に息づく街・神戸」の推進
−山のみどりと街のみどりをつなぐ−
・ 神戸の「みどり」は大きな財産である。神戸のクリーンでグリーンな神戸の街づくり(緑の
中のまちづくり)を戦略的に進め、市民だけでなく国内外からの来訪者に 心地よい街 を目
指す。
・ フラワーロードなどシンボルとなる道路の緑化を進め、公園が不足している既成市街地で身
近な公園の機能の補完として民有地や公共空間を活用した身近な公園的な空間の確保を図る。
さらに、市民が協働で管理する六甲道南公園などオープンスペースの確保、生活の中にみどり
を取り入れた取り組みを進める。また、六甲山をはじめとして豊かな自然の保全・活用をさら
に進める。
⑥ 神戸の景観をさらに育てる
・ 神戸らしい都市景観をまもり、そだて、つくり、神戸のまちを市民一人ひとりにとって親し
みと愛着と誇りのあるものとすることを目的として景観まちづくりに取り組んでいる。現在、
大規模建築物等の景観誘導基準の策定や都心ウォーターフロントの景観形成地域への指定を検
討しているが、さらに
6
ⅰ)これまでは近景を中心に都市景観行政が進められてきたが、中景観、大景観という視点
で、六甲山系から南斜面への眺望や風の通り抜けなど環境に配慮し、都市と建築との関係性
を検討する。
ⅱ)景観法の制定により、区域を指定し、地域特性に応じて独自の規制が出来る仕組みが法
的に整えられた。従来からの景観施策に加え、景観法を活用した協働による景観まちづくり
を推進し、地域性豊かな街をつくる。
・ 神戸の夜景の景観は美しいと評価されているが、神戸の魅力ある街を創るためには大変重要
な要素である。空港の開港により、新しい夜景の景観が生まれた。それは、空港や飛行機から
見た景観であり、特に「夜景」については、神戸の新しい魅力になるものである。夜景のデザ
インといったことも視野に入れていく必要がある。
⑦ ユニバーサルデザインのまちづくりを進める
・ 神戸のユニバーサルデザインは、震災からの復興過程で市民が人と人とのつながりを大切に
し、支えあい、主体的に街づくりに関わる姿勢から発展してきたことに特徴がある。こうべU
D広場(こうべユニバーサルデザイン推進会議)の取り組みをはじめ、
「北野・山本地区をまも
り、そだてる会」の 思い合いのまちづくり や長田区の「長田区ユニバーサルデザイン研究
会」やチャレンジドの社会参加を目指した社会福祉法人「プロップステーション」取り組みは
市民主体の取り組みである。
・ こうした動きをさらに進めるとともに、多くの市民が利用する駅や駅舎、建物などの公的な
施設や道路、公園など誰もが安全に利用できるよう整備を推進する。特に、多くの人が行き交
う道路に関しては、世界に誇るユニバーサルなみちを目指して、十分な幅員の確保、歩道の段
差解消、照明、サインなど快適に歩ける空間をつくる。身近な公園に関しても、ユニバーサル
デザインに配慮した公園を目指す。
⑧ 美しく誇りの持てるわが街デザインを育てる
・ 神戸の玄関である三宮周辺は、歩道も広く整備され四季折々の花が楽しめ、オープンカフェ
で街の雰囲気を楽しむことが出来る。また、住宅地では市民の手により街の美しさが保たれて
いる。こうした神戸の街を今後とも洗練された街として維持、継承していくためには、市民、
企業、行政が力を合わせ、たばこのポイ捨ての禁止、ごみのポイ捨てと不法投棄の禁止、不法
駐輪の禁止などマナーの育成とおもてなしの気持ちを醸成する。
・ 市街地の歴史的・文化的に価値のある建築物等を保存しつつ、活用を推進する仕組みを検討
する。
・ 人々の暮らしとともに築かれた地域の歴史的な資産(例えば、西国街道など)を知り、考え、
情報発信する機会を地域や学校教育の中で持ち、次世代に継承する。
7
4.
「デザイン都市・神戸」を進めるための「ひと」
「場」
「しくみ」づくり
* 神戸の街のデザインを考え、創り出すのは市民であり、企業であり、大学であり、神戸のまちに
関わるすべての人である。知識と知恵と人と人との出会いとつながりの「場」であるプラットホー
ムを空施設などを活用してつくり、神戸の街で可能性を追求し、夢を実現できることが求められて
いる。
(1)推進体制−「デザイン都市会議」の設立―
● 「デザイン都市会議」の設立
* 神戸のまちの「デザイン」を総合的にプロデュースする必要があり、経済界、市民、教育機関、
行政が思いを共有しながら事業を進めることで、まちをつくり、育てることが大切である。
* そのためには、専門的な立場から事業主体等に対してアドバイスや意見をのべる「デザイン都
市会議」を設立する必要がある。
* 体制としては、経済界をはじめとした関係機関の代表と専門家で会議の委員を構成し、独立し
た立場で具体的提案を行い、各事業主体はその提案を尊重して事業を進めることが肝要である。
(2) 各事業主体の取り組み
A)行 政
* デザインに関する施策を担当する組織は広範にわたるため、庁内の連携強化と専門性を高め
る必要がある。
* そのためには、デザインに関する施策を所管し、また、各部局にまたがるデザインに関する
施策を統括する責任者を設置し、その責任者のもとで
ⅰ)規制、誘導、支援、表彰など各種施策の検討
ⅱ)庁内の関連業務の調整や連携
を進める。
B)経済界
* デザインに注力した経営・商品開発を実施している企業がすでに現れている。こういった取
組を広めるとともに、神戸の企業が商品開発におけるデザイン力に磨きをかけ、企業ブランド
を確立した企業の集積を神戸の強みに繋げる。また、経済活動の場である都市空間の形成に配
慮する。
* 神戸商工会議所の神戸都市再生委員会を中心に、企業へのデザインの重要性に関する啓発活
動、クリエーターと企業とのビジネスマッチングの開催、アイデア募集事業、産学連携事業な
どを進める。
C)教育機関
* 大学や専門学校は専門家の養成機関として人材育成に努めるとともに、
大学や専門学校同士が
デザインを通じて交流を深める。さらに、地域、産業界、行政との連携を進め、デザインを考え
る機会をつくる。
8
D)市 民
* 住み、働き、憩うわが街のデザインについて知り、考え、さらに実践する機会を身近につく
ることで、互いに支えあい心通う豊かな地域を創る。
(3)時間軸の考え方
* デザイン都市の取り組みにあたっては、長期的視点に立って神戸のあるべき形を目指し、計画
的に進めるとともに、時代の変化に柔軟に対応することが重要である。
* 2,3年で出来ることも検討し、成功事例を重ねることでデザイン都市を対外的にアピールす
る。
(4)モデル区域設定の考え方
* デザイン都市の実現に向けては、3(2)で述べた8項目の施策展開の方向性を具体化してい
くことが基本であるが、戦略的な取り組みの方法として、まず一定のモデル区域を定め、まちづ
くりのコンセプトに沿って、集中的に施策を実施し、その効果を検証しつつ、さらにエリアを拡
大していく方法がある。
* モデル区域としては、新たな交流、創造の場としての可能性が大きく、効果が期待できる都心
及びウォーターフロント(南北は新神戸から神戸空港まで、東西はHAT神戸からハーバーラン
ドまで)が想定されるが、この区域での取り組みとしては次のような事業が考えられる。
① まちの個性を伸ばす
・ 北野、居留地等地域の個性を活かした取組みと地域相互の連携強化。
② 都心に誘(いざな)う
・ 新たな都心の顔づくり、回遊性の向上、おもてなしの充実などによる来訪者の増加。
・ LRTなど環境的に持続可能な交通体系の検討。
・ 歩行者動線の三層ネットワークや阪神三宮駅の整備など三宮駅周辺のターミナル機能の強化。
③ みなとを活かす
・ 中突堤周辺地区の再開発に加え、新港突堤西地区やポートアイランド西地区で親水空間を整備。
・ 都心からウォーターフロントへのアクセスや回遊性の向上、
「みなと神戸」の特徴ある景観を活
かした取り組みの推進。
④ 南北軸の強化(新神戸から三ノ宮駅を経由し神戸空港まで)
・ 神戸のシンボルロードにふさわしい雰囲気を備えたまちづくりの推進。
資料.他都市の事例
(1)国内(横浜市、金沢市)
(2)海外(シンガポール、ビルバオ、ジェノバ、ベルリン、リバプール)
(3)他都市の事例から伺えること、参考になること
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