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学校教育のための育児 - Kyoto University Research Information

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学校教育のための育児 - Kyoto University Research Information
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<書評論文>学校教育のための育児 : ジェンダー化された
労働と教育の不平等
敷田, 八千代
京都社会学年報 : KJS = Kyoto journal of sociology (2009),
17: 175-183
2009-12-25
http://hdl.handle.net/2433/192712
Right
Type
Textversion
Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
175
〈書評論文 〉
学 校 教 育 の た め の育 児
ジ ェ ンダー化 され た労 働 と教 育 の不 平等
Alison
I. Griffith
I''
Dorothy
E. Smith
t 2'
Mothering For Schooling
(Routledge Falmer, 2005)
敷
田
八千代
は じめ に
近 年 「格 差 」 や 「不 平 等 」 に 関 す る 議 論 が 活 発 化 す る な か で 、 学 校 教 育 と格 差 の 関 係 に
つ い て も 様 々 な 研 究 が な さ れ て い る。 そ も そ も以 前 か ら、 教 育 の 社 会 学 研 究 で は 子 ど もの
社 会 ・経 済 的背 景 が 学 業 達 成 に何 らか の 影 響 を 及 ぼ し て い る こ と は 一 種 の 「定 説 」 で あ っ
た(苅
谷2004:127)。
そ の た め 、 こ う した 問 題 意 識 は 教 育 学 や 社 会 学 の 分 野 に お い て は 国
内 外 を問 わ ず 共 有 さ れ て お り、 多 くの 実 証 的 研 究 が な さ れ て き た 。 本 書 は こ の よ う な 背 景
の も と、 階 級 が 再 生 産 さ れ る メ カ ニ ズ ム を 「母 親 の 就 労 形 態 」 に 着 目 した イ ン タ ビ ュ ー に
よ っ て 明 らか に す る 試 み で あ る。
本 書 の 著 者 で あ るSmithとGrimthは
、 異 な る 就 労 形 態 の 母 親 に対 す る イ ン タ ビ ュ ー を
通 して 、 本 来 は 平 等 へ の 可 能 性 に 開 か れ て い る は ず の 公 教 育 シ ス テ ム が い か に特 定 の 階 級
に 有 利 に 働 き 、 「不 平 等 の 源 」 と な る の か を 明 らか に す る 。 多 くの 母 親 た ち へ の イ ン タ ビ
ュ ー を 通 して 明 らか に な る の は 、ど の 階 級 の 母 親 もそ れ ぞ れ に 自分 の 子 ど も の こ と を思 い 、
主 体 的 か つ 合 理 的 に 育 児 を して い る と い う こ と で あ る 。 しか し そ の 結 果 、 母 親 た ち は 皮 肉
に も、 階 級 や ジ ェ ン ダー 間 の 不 平 等 を 産 出 す る 学 校 「制 度 」 に貢 献 して し ま うの で あ る 。
mニ
ュ ー オ リ ン ズ大 学 な ど を経 て 、 ヨー ク大 学 教 授 。
(2)ブ り テ ィ ッ シ ュ ・コ ロ ン ビ ア 大 学 な ど を 経 て 、 ヴ ィ ク ト リ ア 大 学 非 常 勤 講 師 。
京都社会学年報
第17号(2009)
敷 田:学 校 教 育 の た め の 育 児
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本 稿 で は 、 まず 本 書 の 構 成 と 「制 度 の エ ス ノ グ ラ フ ィ ー 」 につ い て 確 認 した 後 、 本 書 の
主 な 論 点 を3つ
1本
に 絞 っ て 紹 介 し 、 最 終 節 で 全 体 の ま と め を行 う。
書 の 構 成 と特 徴 一
本 書 は 全 体 で7章
「制 度 の エ ス ノ グ ラ フ ィ ー 」
か ら な っ て い る。 まず 序 文 で は 、 本 書 が 依 拠 す る 「制 度 の エ ス ノ グ ラ
フ ィ ー 」 の 概 説 と、 調 査 地 に つ い て の 簡 単 な 説 明 が な さ れ る 。 彼 女 た ち が 依 拠 す る 「制 度
の エ ス ノ グ ラ フ ィー 」 と は 、 人 々 の 具 体 的 な 経 験 に根 ざ しつ つ 個 々 人 の 意 図 を超 え た 社 会
関係 の 制 度 を探 求 す る 手 法 で あ る 。 こ れ は 一 見 、 従 来 の 社 会 学 に お け る 経 験 的 ア プ ロー チ
と重 な る よ う に 思 わ れ る。 しか し本 書 に よれ ば 「制 度 の エ ス ノ グ ラ フ ィ ー 」 は 「人 々 の 経
験 に と ど ま ら ず 、 マ ク ロ な 社 会 関 係 を も 視 野 に 入 れ る 」(p.3)。
つ ま りこの 考 え方 は、
人 々 の 日常 的 な 経 験 が 「制 度 」 を つ く り出 す こ と を 明 らか に す る の で あ る 。
続 く各 章 で は 、 「学 校 教 育 の た め の 育 児 」 制 度 が 、 言 説 と人 々 の 経 験 と い う2つ
か ら分 析 され る 。1章
「新 しい 中 産 階 級 の 形 成 と女 性 」 で は 、 著 者2人
の側面
の育 児経 験 や調査
結 果 が 位 置 づ け られ る 歴 史 的 な 系 譜 が ま とめ られ る。19世 紀 後 半 に お け る 中 産 階 級 の 形 成
と ジ ェ ン ダ ー 役 割 の 固 定 化 は 、 マ ル ク ス主 義 フ ェ ミニ ズ ム が 明 らか に し た よ う に 、 資 本 主
義 の 成 立 と深 く関 係 し て い る(3)。 男 性 が 家 の 外 で 働 く一 方 、 女 性 は 家 庭 の 中 で 家 事 を こ な
す と い う 中 産 階 級 の ジ ェ ン ダ ー 役 割 に よ っ て 、 中 産 階 級 の 母 親 だ け が 子 ど もの 教 育 に 専 念
す る よ う に な っ た 。 こ う して 成 立 した 中 産 階 級 と 労 働 者 階 級 の 差 異 は 、 学 業 達 成 の 差 異 を
通 じて 再 生 産 さ れ て い く。 こ こ で 重 要 な の は 、 本 書 が 社 会 の 組 織 化 に お い て 「人 々 の 主
体 ・行 為 者 と し て の 存 在 」(p.15)を
重 視 す る 点 で あ る。 一 人 一 人 の 人 間 の 具 体 的 な 行 動
の 集 積 が 、 階 級 の 再 生 産 につ な が る の で あ る。
次 の2章
「育 児 に 関 わ る 言 説 」 で は 、 フ ー コ ー に 依 拠 した 言 説 概 念 に よ っ て 「育 児 言 説 」
の 歴 史 的 系 譜 が 検 討 さ れ る 。19世 紀 末 に始 ま る 育 児 言 説 の 普 及 に よ っ て 、 新 興 中 産 階 級 の
母 親 に 有 利 と な る 育 児 方 法 が 共 有 さ れ 、 資 本 主 義 社 会 に お い て 階 級 と ジ ェ ン ダー の 再 生 産
を支 える シス テムが構 築 された。
3章 か ら6章
は 、 そ う し た 育 児 言 説 に積 極 的 に 関 わ る母 親 や 教 師 た ちへ の イ ン タ ビ ュ ー
で 構 成 さ れ て い る。 こ こ で は、 学 校 と家 庭 が 相 互 依 存 的 な 関 係 に あ り、 母 親 に は 学 校 教 育
をバ ッ ク ア ッ プ す る 役 割 が 求 め ら れ て い る こ とが 明 らか に さ れ る 。 こ の 役 割 を 強 く 内 面 化
す る の が 中 産 階 級 の 母 親 で あ り、 彼 女 た ち は労 働 者 階 級 の 母 親 と 比 べ て きわ め て 強 い学 校
〔3,た と え ば 上 野(1990)の
Kyoto Journal
of Sociology
議論が参考 になる
XVII / December
2009
。
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敷 田:学 校 教 育 の た め の 育 児
教 育 志 向 を 示 す 。 学 校 で の 宿 題 を 積 極 的 に サ ポ ー トし た り、 習 い 事 を させ た り と い っ た 中
産 階 級 の 母 親 た ち の 育 児 方 法 は 、 学 校 制 度 の 中 で 子 ど もが 成 功 す る た め に は きわ め て 合 理
的 な方 法 で あ る 。 し か しそ の 結 果 、 家 庭 と学 校 との 結 び つ き を 前 提 と した 階 級 、 ジ ェ ン ダ
ー 間 の 不 平 等 が 再 生 産 さ れ て い くの で あ る 。
7章 で は 、 近 年 の 新 自 由 主 義 的 な 教 育 改 革 に よ っ て 家 庭 教 育 言 説 が ます ま す 強 化 さ れ て
い く様 子 が 描 か れ る。 過 去20年 間 に 労 働 時 間 は 増 加 し、 共 働 き家 庭 も増 え て い る こ と か ら、
母 親 が 育 児 に 割 け る 時 間 は 減 少 し て きて い る 。 に もか か わ らず 家 庭 に 対 す る 「自 己 責 任 」
の 圧 力 が 強 ま れ ば 、 育 児 の ス ト レス は ます ます 増 加 し、 家 庭 教 育 を通 して 生 み 出 さ れ る不
平 等 も な くな らな い だ ろ う 。 本 書 は こ う した 家 庭 教 育 をめ ぐる 近 年 の 変 化 に警 鐘 を鳴 ら し
つ つ 締 め く く られ る。
以 下 、 本 書 の 主 な 論 点 を3つ
に 絞 っ て 見 て い く。 ま ず2節
で は、新興 中産 階級 とジ ェ ン
ダー 役 割 の 固 定 化 に つ い て 考 察 す る 。3節 で は 育 児 言 説 の 成 立 と そ の 論 理 に つ い て 確 認 し、
4節 で は 母 親 に よ る教 育 労 働 の 機 能 につ い て 紹 介 す る。 さ ら に 近 年 の 教 育 改 革 に よ る 変 化
が 各 家 庭 に 与 え る影 響 に つ い て も考 察 し、 本 書 全 体 の 批 評 を行 う。
2新
興 中産 階級 とジ ェンダ ー役割 の固 定化
19世 紀 後 半 に 成 立 した 資 本 主 義 社 会 は 、 新 しい 家 庭 と家 族 関 係 の 形 成 を促 した 。 そ れ は
マ ル ク ス 主 義 フ ェ ミ ニ ズ ム が 明 らか に した よ う に 、 男 性 が 外 で 働 き 、 女 性 は 家 庭 内 の 家 事
育 児 を 担 う と い う性 別 役 割 分 業 の 確 立 と 一 体 で あ っ た 。 男 性 の 稼 ぎ が 充 分 あ る 中 産 階 級 で
は 、 妻 が 子 ど もの 教 育 に 対 し て 全 面 的 に 関 わ る 余 裕 が 生 まれ る 。 しか しそ うで は な い 労 働
者 階 級 の 母 親 は子 ど もの 教 育 に 十 分 な 時 間 を 割 く こ と が で き な い 。 こ う して 、 男 性=外
女 性=内
、
とい う ジェ ンダー役 割 が 固定化 され る と同時 に、 中産 階級 を再生 産す る システ ム
が形 成 されて い った。
こ こ で 重 要 な の は 、本 書 で 繰 り返 し使 用 さ れ る 「支 配 関 係mlingrelations」
概 念 であ る。
彼 女 た ち の 定 義 に よ れ ば 、 「支 配 関 係 」 と は 官 僚 制 シ ス テ ム に 代 表 さ れ る 近 代 の 社 会 組 織
の モ ー ドで あ る 。 この 「支 配 関 係 」 の 上 部 に 位 置 す る た め に は 、 特 定 の 能 力 を保 証 す る 資
格 が 必 要 と な る 。 そ の 資 格 を得 る た め に必 要 な 能 力 と は 、 学 校 で しか 習 得 す る こ と が で き
な い 読 み 書 き計 算:能力 で あ る 。 つ ま り、 学 校 に お い て 必 要 な特 定 の 能 力 を 上 手 く身 に つ け
ら れ る 者 だ け が こ の 社 会 の 中 心 に ア ク セ ス で き る の で あ る 。 こ の シ ス テ ム は必 然 的 に 、 学
校 教 育 に多 くの 時 間 を 割 くこ と が で き る 中 産 階 級 に 有 利 とな る 。 実 に 「キ ャ リ ア」 や 「能
力 」 とい っ た概 念 は 、 そ れ 自 体 が 中 産 階 級 の 特 権 的 地 位 を構 造 的 に 強 め る働 き を も っ て い
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敷 田:学 校 教 育 の た め の 育 児
た の だ 。 こ う して 階 級 は学 校 制 度 を媒 介 に して 固 定 化 さ れ 、 こ の 傾 向 は 現 在 ま で 続 い て い
る。 近 代 社 会 は 「支 配 関 係 」 の 中 心 に い る一 部 の 白 人(男
性)を
中 心 と して 構 造 化 さ れ て
い る とい える。
さ ら に 、 中 産 階 級 の 再 生 産 は 男 女 別 の 循 環 図 と して 考 え る こ とが で き る。 ま ず 中 産 階 級
の 男 性 は 、 幼 少 時 か ら家 庭 教 育 と学 校 教 育 を 通 じて キ ャ リ ア 形 成 の た め に 有 効 な 資 格 を 身
に つ け る 。 そ して 順 調 に キ ャ リ ア を積 み 上 げ 、 「支 配 関 係 」 の 中 で 特 権 的 地 位 に 就 く。 さ
ら に 結 婚 後 も経 済 的 に 一 家 を 支 え 、 妻 が 子 ど もの 教 育 に 専 念 で き る 環 境 を支 え る 。
一 方 中 産 階 級 の 女 性 も男 性 と 同 じ よ う に学 校 教 育 を受 け る も の の 、 そ こ か ら得 られ る 資
格 は キ ャ リ ア に は 直 接 結 び つ か な い もの で あ る 。 こ れ は 日本 に お け る デ ー タ で あ る が 、 た
と え ば 大 学 で の 専 攻 分 野 に は 明 確 な 男 女 差 が 存 在 す る。 男 子 の 方 が 工 学 、 社 会 科 学 と い っ
た 実 学 的 な コ ー ス に 入 っ て い く の に 対 し、 女 子 は 人 文 科 学 系 な ど の 教 養 主 義 的 な コ ー ス 、
も し く は 教 育 ・医 療 や 、 「主 婦 」 との 関 連 性 が 高 い 家 政 とい っ た コ ー ス に 進 み や す い とい
う性 別 分 離 が 見 られ る(笹
原1999:182)。
こ の よ う な 資 格 を得 て 女 性 た ち が 就 く職 業 は 一
般 的 に 補 助 的 な もの が 多 く、 賃 金 の 上 昇 も 見 込 め な い 。 そ の た め 女 性 た ち は 結 婚 に よ っ て
仕事 を辞 め、 家庭 に入 る こ とを望む ので あ る。 こう して主婦 にな った女 性 た ちは、 育児 と
家 事 の 無 償 労 働 を 通 して 、 男 の 子 に は 夫 と 同 じ よ う な キ ャ リ ア 教 育 を 、 女 の 子 に は 自分 と
同 じよ う な ノ ン ー キ ャ リア か ら結 婚 と い う ラ イ フ コ ー ス を歩 ま せ る た め の 教 育 を施 す の で
あ る。
しか し皮 肉 な こ と に 、 そ れ ぞ れ の 母 親 が こ う し た 教 育 を 主 体 的 に お こ な う こ と は 、 女 性
が 男 性 に従 属 す る ジ ェ ン ダ ー シ ス テ ム(「 支 配 関 係 」)を 再 生 産 す る こ と に つ な が る 。 つ ま
り母 親 た ち が 育 児 を 通 して 、 男 の 子 に は キ ャ リ ア 、 女 の 子 に は ノ ン ー キ ャ リ ア か ら結 婚 と
い う ラ イ フ コ ー ス を歩 ま せ る こ とが 「支 配 関 係 」 に お け る 白 人 中 産 階 級 男 性 の 特 権 的 地 位
を維 持 し、 再 生 産 して い る の で あ る1%さ
ら に 注 目す べ き は 次 節 で み る よ う に 、 子 ど も に
対 す る 女 性 の 教 育 的 貢 献 を推 進 す る 「育 児 言 説 」 を普 及 させ た の も ま た 、 こ の 「支 配 関 係 」
の 中 心 に位 置 す る学 者 た ち だ っ た と い う こ と で あ る 。
3育
児言説の成立 とその論理
で は 、 中 産 階 級 の 母 親 に と っ て 有 利 な 「育 児 言 説 」 は ど の よ う な 歴 史 的 経 緯 に よ っ て 成
立 し た の か 。 本 書 で は フ ー コ ー の 言 説 概 念 に 依 拠 しつ つ 、 言 説 を 、 特 定 の 制 度 と結 び つ き
ω 本 書 で は、 ウー マ ン ・リブ が この よ う な社 会 的 な階 級 関係 を背 景 と して 生 まれ た と論 じ られ てい る。
Kyoto Journal
of Sociology
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敷 田:学 校 教 育 の た め の 育児
なが ら 多 様 な テ ク ス トや 行 為 に埋 め 込 ま れ る こ とに よ り 「トラ ンス ロ ー カ ル に 社 会 関 係 を
組 織 す る ロ ー カ ル な 実 践 」(p.34)で
あ る と定 義 す る。 ま た こ こ で 扱 う 「育 児 言 説 」 と は 、
基 本 的 に は専 門 家 た ち の 創 造 物 で あ る が 、構 造 的 に 女 性 を そ の 対 象 とす る メ デ ィア(女
誌 や 育 児 書 な ど)に
性
よっ て媒 介 され、 家庭 や 学 校 での 育児 や 教育 を規 定す る もので あ る。
以 下 、 育 児 言 説 の 成 立 過 程 を歴 史 的 に た どっ て み よ う。
育 児 言 説 の 成 立 は19世 紀 の 終 わ りま で 遡 る151。 こ の 時 期 多 くの 専 門 家 に よ っ て 子 ど も の
発 達 に 関 す る言 説 が 広 め られ 、 社 会 に 大 き な 影 響 を与 え た 。 そ の 役 割 を担 っ た の は 精 神 分
析 家 や 心 理 学 者 、 大 衆 的 な 大 手 出 版 社 か ら出 る 育 児 本 の 著 者 な どで あ る。 彼 ら は 育 児 を独
自 の 基 準 で 評 価 す る よ う に な り、 そ の 評 価 基 準 は 母 親 が 子 ど も を理 解 す る 一 般 的 な 考 え方
を普 及 させ る こ と に な る。
1930年 代 に は 、 心 理 学 の 分 野 に お い て 子 ど もの 発 達 に 関 す る議 論 が 数 多 く発 表 さ れ た 。
そ れ ら の 言 説 は 子 ど も 中 心 の 育 児 言 説 と徐 々 に 結 び つ い て い く。 た と え ば 発 達 心 理 学 の テ
ク ス トは 、 小 学 校 の カ リ キ ュ ラ ム の 構 成 や 雑 誌 の 誌 面 に お け る 母 親 へ の ア ドバ イ ス な ど の
理 論 的 基 盤 と な っ た 。 子 ど も の 発 達 に 関 す る 言 説 は 、 育 児 言 説 や 教 育 言 説 と互 い に 繋 が り
合 い な が らい くつ もの 社 会 的 な 場 を組 織 して い っ た の で あ る 。20世 紀 に 入 る と精 神 衛 生 学
の 言 説 が 発 達 し、 公 衆 衛 生 の 発 達 と結 び つ き な が ら育 児 に 対 して 影 響 を与 え た 。
戦 後 は さ ら に 、 育 児 言 説 に よ っ て 「特 定 の 形 の 子 育 て 」 が 規 範 化 され て い く。 育 児 言 説
は よ り一 層 子 ど も の 心 理 的 発 達 に お け る 母 親 の 役 割 を 強 調 す る よ う に な っ た 。 そ し て 家 庭
と学 校 の 関 係 性 が 強 化 され る に つ れ て 、 母 親 に 要 求 さ れ る 責 任 も大 き くな っ て い っ た 。 さ
ら に1950年 代 に は 育 児 言 説 に 社 会 学 者 が 参 入 す る 。 た と え ば コー ル マ ン は 、 家 庭 的 背 景 と
子 ど も の 学 業 達 成 を 結 び つ け て 論 じ た 。 こ の よ う に 特 定 の 形 態 の 家 族 と子 ど もの 学 業 達 成
と の 関 連 性 を論 じ る 言 説 に よ っ て 、 母 子 家 庭 や 父 子 家 庭 は 自動 的 に 「欠 損 家 族 」 と さ れ る
よ う に な っ た 。 北 ア メ リ カ の 「標 準 的 」 な 家 族 形 態 は 、(特 に)男
の 子 に とっ て は 社 会 で
の 成 功 に繋 が る 規 範 的 な 型 と な っ た 。
以 上 、 育 児 言 説 の 流 れ を み て き た が 、 どの 時 代 の 育 児 言 説 に も共 通 し て い る の は 「母 親
が 」 子 ど も の 育 児 に 関 して 中 心 的 な 役 割 を担 う と さ れ て い る 点 で あ る。 しか も育 児 は労 働
と は み な さ れ て い な い 。 母 親 が 育 児 に割 く時 間 は 自 明 視 さ れ て い る と い え る 。 ま た 、 時 間
や お 金 が な い と い っ た 母 親 の 個 人 的 な 事 情 が 考 慮 さ れ る こ と は な い 。 つ ま り、 ど の 母 親 に
と っ て も 「標 準 的 」 な 育 児 を 行 う こ と が 自 明 の 行 為 と して 要 求 され て い る の だ 。 そ し て 育
児 言 説 に お け る 権 威 は 常 に 白 人 男 性 の 専 門 家 で あ る16)。
{9奇 し くも、 育 児 言 説 の 成 立 は、 中産 階級 家 庭 の成 立 と時 期 を 同 じ く して い る 。
(6〕こ こ に も、 不 均 衡 な 「支配 関係 」 が 現 れ て い る 。
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こ うい っ た 育 児 言 説 は 特 に 中 産 階 級 の 母 親 た ち に 大 きな 影 響 を与 え た 。 彼 女 た ち は 子 ど
もの 学 校 で の 成 功 を 願 い 、 専 門 家 が 書 い た 育 児 書 を 読 み 、 ア ドバ イ ス を 受 け る。 そ し て 学
校 教 育 を バ ッ ク ア ップ す る こ と を 自 ら の 仕 事 と 見 な し、 無 償 で 学 校 に 対 して 奉 仕 す る よ う
に な る 。 北 ア メ リ カ で は こ の 時 期 、PTAな
ど学 校 を サ ポ ー トす る親 の 組 織 が 全 国 的 に広 ま
っ た が 、 こ れ は 育 児 言 説 の 確 立 と無 関 係 で は な い。
本 書 が 論 じる よ う に 、 ど ん な 母 親 も 自 分 に と っ て 合 理 的 な か た ち で こ の 育 児 言 説 に 関 わ
っ て い る 。 た だ そ の 関 わ り方 は 階 級 に よ っ て 異 な る。 本 書 で は 次 節 で み る よ う に 、 そ の 関
わ り方 の 違 い を 、 異 な る就 労 形 態 の 母 親 た ち に 対 す る イ ン タ ビ ュ ー か ら明 らか に して い る 。
4母
親による教育労働の機能
本 書 の 中 心 は 多 様 な立 場 に あ る 母 親 た ち へ の イ ン タ ビ ュ ー で あ る 。著 者2人
オ ン タ リ オ 州 の2つ
は、カナ ダ、
の 市 か らそ れ ぞ れ 山 の 手 と下 町 に あ た る 地 域 を ピ ッ ク ア ップ し、 主 に
小 学 生 の 子 を 持 つ 母 親 や 教 師 に対 して イ ン タ ビ ュ ー 調 査 を行 っ た 。 そ こ か ら分 か っ た こ と
は 、 学 校 教 育 は 家 庭 教 育 と密 接 に 繋 が っ て お り家 庭 か らの バ ック ア ッ プ を前 提 と して い る
とい う こ とで あ る 。 言 い換 え れ ば 、 子 ど も の 学 校 で の 教 育 は 家 庭 に お け る基 本 的 な学 習 姿
勢 の 習 得 な しに は 成 立 しな い の だ 。 そ の た め に 母 親 た ち は 、 専 業 主 婦 で あ ろ う と仕 事 を も
っ て い よ う と、1日
の 細 か な 予 定 を 調 節 し な が ら育 児 を す る 。 そ して 彼 女 た ち は そ れ ぞ れ
の 価 値 観 に と っ て 合 理 的 な育 児 方 法 を選 択 して い る の で あ る 。
た と え ば オ ン タ リ オ 州 の 小 学 校 で は 、 子 ど も た ち は 学 校 の ラ ンチ ル ー ム で 昼 食 を 取 る こ
とが で き る。 しか し大 半 の 子 ど も は 帰 宅 し て ラ ンチ を と る の が 一 般 的 で あ る 。 多 くの 学 校
関 係 者 が 家 庭 で の ラ ンチ を 推 奨 し て い る か らだ 。 こ の 制 度 は 特 に 仕 事 を 持 つ 母 親 に と っ て
は 負 担 と な る。 イ ン タ ビ ュ ー で は 、近 所 に 住 む 祖 母 の 家 で ラ ン チ を と らせ る 母 親 も い れ ば、
自 宅 に 弁 当 を 用 意 し て お い て 仕 事 場 か ら電 話 を か け 、 きち ん と食 べ た か を確 認 す る 母 親 も
い た 。 ま た オ ン タ リ オ 州 で は 放 課 後 の 子 ど もの 面 倒 を 見 て くれ る サ ー ビ ス が な い た め 、 子
ど もが 学 校 か ら帰 宅 す る 時 間 に は 誰 か が 家 に い な くて は な ら な い 。 そ の役 割 は ほ と ん ど 母
親 が 担 っ て い る 。 学 校 は 母 親 の 協 力 な しに は シ ス テ ム を 維 持 で き な い の だ 。
そ う し た 学 校 か ら の 要 請 に細 か く対 応 し よ う とす る の は 、 専 業 主 婦 の 割 合 が 高 い 中 産 階
級 の 母 親 で あ る 。 彼 女 た ち は 教 師 と 頻 繁 に 連 絡 を 取 り合 い 、 子 ど も の 成 績 や 勉 強 の 進 み 具
合 を 細 か くチ ェ ッ クす る。 そ し て 放 課 後 は 子 ど もの 宿 題 に 一 緒 に 取 り組 み 、 子 ど も の 学 習
に 問 題 が あ っ た と き は 教 師 に 連 絡 し 、 特 別 な サ ポ ー トを受 け よ う とす る。 ま た 学 校 へ の 期
待 が 大 き い分 、 教 師 へ の 圧 力 も 強 くな る。
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of Sociology
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敷 田:学 校 教 育 の た め の 育 児
そ れ に対 して 仕 事 を 持 っ て い る こ とが 多 い 労 働 者 階 級 の 母 親 は 、 学 校 や 教 師 と は あ ま り
深 く関 わ ら な い 。 中 産 階 級 の 家 庭 と比 べ て 宿 題 を 親 が み る と い っ た こ と も少 な く、 子 ど も
の 学 業 達 成 に対 す る 期 待 も少 な い た め 教 師 へ の 圧 力 も小 さい 。 しか し家 庭 で の 補 完 的 な教
育 が 得 られ な い 分 、 労 働 者 階 級 の 子 ど も た ち は 中 産 階 級 の 子 ど もた ち と比 べ て 学 業 達 成 に
お い て は 不 利 に な る。
こ の よ う に 個 々の 母 親 た ち は 、 自分 に と っ て 最 適 と 思 わ れ る 方 法 で そ れ ぞ れ 主 体 的 に 家
庭 教 育 を お こ な っ て い る 。 に もか か わ らず 母 親 た ち の 育 児 は 、 結 果 的 に さ ま ざ ま な 不 平 等
を再 生 産 して し ま うの で あ る 。
5お
わりに一
近年の教育改革 による変化
こ こ ま で 、 学 校 が 家 庭 教 育 を 前 提 と して 成 り立 つ 制 度 で あ り、 家 庭 教 育 の 差 が 学 業 達 成
の 差 、 ひ い て は 階 級 の 再 生 産 に 結 び つ くこ と を み て きた 。 ど の 階 級 の 母 親 も子 ど もの た め
に 主 体 的 か つ 合 理 的 に育 児 を して い る 。 しか し長 い 目 で 見 れ ば 、 彼 女 た ち は 不 可 避 的 に 学
校 制 度 が 不 平 等 を産 出 す る 円 環 に貢 献 して し ま う の で あ る 。 こ こ に 「学 校 教 育 の た め の 育
児 」 の パ ラ ドッ ク ス が あ る 。
最 後 に 、 近 年 の 教 育 改 革 に よ る変 化 と、 家 族 形 態 や 労 働 形 態 の 変 化 が 生 む 問 題 に つ い て
考 察 し本 稿 の ま とめ と し た い 。Walfbrdに
よれ ば 、 多 くの 先 進 国 で は1980年 代 か ら1990年 代
に か け て 、 教 育 改 革 に よ り公 立 学 校 に 選 択 制 が 導 入 さ れ た 。 学 校 間 の 競 争 を 奨 励 し、 よ り
大 き な 選 択 を 家 庭 に 与 え る た め で あ る(Walfbrd2003:148)。
学 校 の 運 営 が 商 業 化 され 多 く
の 機 関 に 分 散 す る 一 方 で 、 教 育 カ リ キ ュ ラ ム に 対 して は 国 家 の 介 入 が 目立 つ よ う に な っ た 。
こ う した 一 連 の 変 化 は 新 保 守 主 義 の 台 頭 に よ っ て も た ら さ れ た 。Appleが
指摘 す る よ う
に 、 新 保 守 主 義 を支 え る 中 心 的 な イ デ オ ロ ギ ー は 新 自由 主 義 で あ る(Apple2003:180)。
新 自 由 主 義 は 、 市 場 に お け る 自 由 競 争 を 公 的 な 領 域 ま で 拡 大 さ せ る 一 方 、 社 会 に生 き る
人 々 に対 して は 「自 己 責 任 」 の 論 理 を押 しつ け る。 近 年 の 教 育 改 革 に お い て ま す ます 家 庭
教 育 の 重 要 性 が 叫 ば れ る よ う に な っ て い る の は 、 こ の 「自 己 責 任 」 の 論 理 に よ る もの で あ
る 。 学 校 教 育 が 市 場 化 さ れ 教 育 格 差 の 拡 大 が 懸 念 さ れ る 一 方 で 、 教 育 の 結 果 に対 して は 家
庭 の 自己責 任が い われ る ように なっ てい るの だ。 家庭 教育 の推 進 は、 道徳 的 な規 範 の強化
も含 ん で い る ω 。
【7,広田 は、 新 自 由主 義 の特 徴 と して 「道 徳 的 な 教 育 の 強 化」 を あ げ て い る(広 田2004:73)。
これは
一 見 、 個 人 の 自 由へ の 介 入 を最 小 限 に す る新 自 由 主 義 の イ デ オ ロ ギ ー と は矛 盾 す る 政 策 の よ うだ が 、 政 府
が 市 民 を管 理 す る支 出 を抑 え る点 か らは完 全 に整 合 的 で あ る。
京都社会学年報
第17号(2009)
敷 田:学 校 教 育 の た め の育 児
isz
一 方 で 近 年 、 先 進 諸 国 で は男 女 と もに 労 働 時 間 が 増 加 して い る 。 本 書 に よ れ ば 、 現 在 カ
ナ ダ で は6歳
以 下 の 子 を持 つ 母 親 の7割
、14歳 以 下 の 子 を 持 つ 母 親 の8割
が仕 事 を もって
い る 。 家 計 に 対 す る 責 任 が 、 以 前 の よ う に 男 性 だ け で は な く女 性 に も及 ぶ よ う に な っ て い
る た め だ 。 こ の よ う な 変 化 か ら分 か る の は 、 学 校 教 育 が 必 要 とす る.母親 の バ ック ア ジ プ が
ます ま す 得 に く くな っ て い る と い う こ と で あ る 。 母 親 た ち は忙 し い仕 事 の 合 間 を 縫 っ て 子
ど もの 家 庭 教 育 に 少 しで も時 間 を 割 か な け れ ば な ら な い 。 学 校 に とっ て も、 家 庭 教 育 の サ
ポ ー トが 受 け られ な くな る こ と は 、 提 供 で き る教 育 の 質 の 低 下 に 繋 が る 。
こ の よ う に 、 近 年 の 新 自 由 主 義 的 な 教 育 改 革 が もた ら し た 変 化 は ます ます 教 育 格 差 を 拡
大 させ る可 能 性 が あ る(8[。 こ れ か ら は 教 育 格 差 の 拡 大 に よ っ て 、 子 ど も の 貧 困 率 の 高 ま り
も予 測 さ れ る 。 今 後 も こ の よ う な状 態 が 続 け ば 、 黒 崎 が 論 じ る よ う に 、 現 代 社 会 の 構 成 要
素 で あ る 人 権 概 念 と民 主 主 義 は危 機 に 瀕 す る だ ろ う(黒 崎2003:8)。
個 人の 精神 的 自由 と
福 祉 の 充 実 が 近 代 社 会 の 理 念 で あ る と す れ ば 、 近 年 の 新 自由 主 義 に よ る変 化 は こ の 理 念 が
解 体 さ れ つ つ あ る こ と を 示 唆 し て い る。
で は教 育 制 度 は ど う あ る べ きか 。 本 書 で は 、 教 育 予 算 を 増 や した 上 で 全 て の 子 ど もた ち
に平 等 な 就 学 前 教 育 を提 供 す る こ と、 小 学 校 の ク ラ ス を 少 人 数 制 に し、 人 種 や 民 族 な ど の
多 様 性 に 即 し た カ リ キ ュ ラ ム を 作 る こ と な ど が 提 案 さ れ て い る 。 しか し十 分 な 議 論 が 尽 く
されて い る とは いえ ない。 また本 書 の イ ンタ ビュー で は、貧 困状 態 にあ る家 庭や シ ングル
マ ザ ー の 家 庭 、 さ ら に 非 白 人 の 家 庭 は 対 象 に な っ て い な い た め 、 本 当 に 教 育 支 援 を必 要 と
して い る 家 庭 の 現 状 は 分 か ら な い 。 今 後 は こ う い っ た 多 様 な 家 庭 の 母 親 が 置 か れ て い る 状
況 を把 握 し、 不 平 等 の 解 決 の た め に何 が 必 要 な の か を考 え て い く視 点 が 必 要 だ ろ う 。 さ ら
に 、 イ ン タ ビ ュ ー に よ っ て 得 られ た 結 果 を マ ク ロ な パ ネ ル調 査 の デ ー タ に照 ら し合 わ せ て
考 察 す る こ と も必 要 で あ る 梱 。 本 書 は 言 説 分 析 と イ ン タ ビ ュ ー が 中 心 で あ り、 国勢 調 査 な
どの デ ー タ は 参 照 さ れ て い な い 。 そ の た め 今 後 は 数 量 デ ー タ も用 い た 分 析 が 求 め ら れ る 。
そ う す る こ とで 、 本 書 の 依 拠 す る 「制 度 の エ ス ノ グ ラ フ ィー 」 は よ り確 か な 方 法 論 と し て
確 立 さ れ 、 さ ら に 深 い 社 会 関 係 の 記 述 を 可 能 に す る だ ろ う。
{8}WaHbrdも
、 公 立 学校 制 度 の 改 革 が 学 校 間 の不 平 等 を拡 大 させ 、 異 な る ジ ェ ン ダー 、 階級 、 民 族
出 身 の 子 ど もた ち の 教 育 経 験 に お け る差 異 を拡 大 させ た と指 摘 して い る(Walfbrd2003:148)。
〔'}本田(2008)に
よ る 日本 に お け る母 親 の 育 児 研 究 は 、 マ ク ロ なパ ネ ル 調 査 に よ っ て家 庭教 育 と学
業 達 成 の 影 響 を調 べ た もの で あ り、 この 点 を補 う もの で あ る。
Kyoto Journal
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XVII / December
2009
敷田
学校教育のための育児
183
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