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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅
Title Author(s) Citation Issue Date URL Morphologic changes in the perioral soft tissues in patients with mandibular hyperplasia using a laser system for threedimensional surface measurement( Abstract_要旨 ) Motegi, Nobuo Kyoto University (京都大学) 1999-09-24 http://hdl.handle.net/2433/181255 Right Type Textversion Thesis or Dissertation none Kyoto University 氏 名 義 美 蒜 美 学位( 専攻分野) 博 士 ( 医 学) 学 位 記 番 号 6 9 9号 論 医 博 第 1 学位授与の日付 1年 9 月 2 4日 平 成 1 学位授与の要件 学 位 規 則 第 4 条 第 2項 該 当 学位論文題 目 Mor phol ogi cc hange si nt hepe r i or als of tt i s s ue si npat i ent swi t hmandi bu1 arhype r pl as i aus i ngal as e rs ys t em f ort hr e e di me ns i onals ur f ac eme as ur e me nt (3次元 表面 形 状 計 測 システ ムに よ る下 顎前 突 症 患 者 の 口唇 周 囲部 の形 態 変 化 に 関す る研究) ( 主 論文調査委員 査) 教 授 高 橋 隆 論 目 教 授 西 村 善 彦 文 内 容 の 要 教 授 飯 塚 忠 彦 旨 的 嘆合異常を伴 う顎顔面変形症の診断やその手術前後の評価を行 うための側貌頭部 Ⅹ線規格写真 による硬組織,軟組織の 計測による 2次元的分析はすでに数多 く行われている。 しか し,術前術後の 3次元的評価を行 うためには,必要 とする情報 量がまだ十分であるとは言い難い。 ことに顔面軟組織に関 しての研究は稀である。 そこで軟組織形態変化の 3次元的情報を 得ることを目的 とし,骨格性下顎前突症の手術前後の口唇周囲部の定量的な変化様相を,半導体 レーザーによる 3次元表面 形状計測装置を用い評価検討 した。 方 法 対象 は 1 9 9 6年 3月か ら 8月までに京都大学 口腔外科 にて骨格性下顎前突症 と診断 され手術を施行 された 1 7才か ら 4 8才 の患者で男性 7名,女性 5名の 1 2症例である。 手術法は下顎枝矢状分割法 1 0例,下顎枝垂直骨切 り術 2例である。 解析 ソ フ トには米国イメージウエア社製のサーフェサー,計測装置にはユニス ン社製のサーフレーサー,VMH-6 0 0Rを用いた。 計測には被験者の周囲 4方向に配置 した CCD カメラと半導体 レーザーを含む撮像ユニ ットで全周を計測す る. 計測時間約 1 0秒である。 本実験では各症例において手術 日の 2- 3日前 と術後 6か月経過時の 2回計測 し, 3次元表面形状計 測 システ ムか ら得 られた術前術後の顔面軟組織の重ね合わせを行 った。次に口唇周囲部の 3次元評価を行 うために,口裂を境にその 上部領域を鼻下点上唇部,下部領域を下唇オ トガイ部 とし,鼻下点上唇部な らびに下唇オ トガイ部の術前 と術後の縦横の比 率に応 じた対応点を取 り, その移動量を体積 として表 し,分布度 も算出 した。 結 果 1 2症例の体積で求めた移動量の平均値 は鼻下点上唇部が 1 0 3 2 . 3I hm3 ,下唇オ トガイ部で 8 7 0 0 . 9mm3と下唇オ トガイ部 が大 きな移動量を示 した。鼻下点上唇部での移動量の分布度は領域都全体がはば均等なものが 6例,不均一に現れて くるも のが 6例観察 された。均一なものと不均一な ものとに関わ らず,上唇部か ら左右口角部付近が大 きな変化を示 し,それとは 反対に鼻下点付近 はほとんど変化がみ られなか った。下唇オ トガイ部での移動費の分布度は矢状面 にほぼ左右対称なものが 5例,非対称なものが 7例観察 された。左右対称なもの も非対称なもの も,オ トガイ部に大 きな変化を示 したもの,オ トガ イ唇溝部に大 きな変化を示 したもの,下唇部 に大 きな変化を示 したものがみ られた。 結 論 (1) 3次元表面形状計測 システムは半導体 レーザーにより約 1 0秒での短時間で計測でき,非接触方式であるため,接触 による形態変形 もおこさず,患者に恐怖感 も与えないので正確な計測ができる。また Ⅹ線被爆の恐れ もないため人体に影響 を与えない。操作性, データ処理共容易であることが利点であった。 -1 5 2 3 - (2)本法 は,共通 した無変化の部分を重ね合わせ,特に設定 した基準線 に頼 らないで顔面軟組織の変化章を観察できた。 (3)3次元表面形状計測 システムを用いることにより,手術前後の 3次元的な移動量を容易に算出することが可能 となっ た。 これは顎顔面変形症手術前後の形態評価を行 う上で臨床上,極めて有用であると考え られた。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 半導体 レーザーによる 3次元表面形状計測 システムを用いて,骨格性下顎前突症患者の手術前後の口唇周囲部の移動量 と その分布度を調査 した。対象 は京都大学 口腔外科 にて骨格性下顎前突症 と診断 され手術を施行 した 1 7才か ら 4 8才の患者で 男性 7名,女性 5名の 1 2症例である。これ らの患者 に対 し, 3次元表面形状計測 システムを用い,手術前後の顔面表面の画 像の重ね合わせを行 った。 1 2症例の平均値での体積 により求めた手術 による移動量 は鼻下点上唇部で 1 0 3 2 . 3mm3 , 下唇隙 部で 8 7 0 0 . 9mm3と下唇願部が大 きな移動量を示 した。鼻下点上唇部での移動量の分布度 は領域郡全体が はば均等なものと 不均一 に現れて くるものとが観察 された.下唇願部での移動量の分布度 は矢状面にはぼ左右対称1 革ものと非対称なものとが 観察 された。 3次元表面形状計測 システムを用いて, 口唇周囲軟組織の 3次元定量解析を検討することにより,手術前後の 3次元的な 移動量を簡単に算出す ることがで きた。 以上の研究 は顎顔面軟組織形態の手術前後の 3次元的評価を可能 に し,顎変形症の診断治療に寄与するところが多い。 したが って,本論文は博士 ( 医学)の学位論文 として価値あるものと認める。 なお,本学位授与申請者 は,平成 1 1年 7月 1 6日実施の論文内容 とそれに関連 した研究分野並びに学識確認のための試問 を受 け,合格 と認め られた ものである。 -1 5 2 4 -