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MATE 処理 EST

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MATE 処理 EST
氏
名
横正
健剛
授 与 した 学 位
博
士
専攻 分 野 の名称
農
学
学位授与番号
博 甲第 4576号
学 位 授 与 の 目付
平成 24年
学位 授 与 の要 件
自然科学研究科
3月 23日
バイオサイエ ンス専攻
(
学位規則第 5条第 1項該当)
学 位 論 文 の題 目 植物 のアル ミニウム耐性 に関与す る トランスポーター遺伝子の単離 と機能解析
論文審査委員
教授
馬建鋒
教授
坂本 亘
准教授
杉本学
学位論文内容の要 旨
酸性土壌は世界の農耕地の約 3-4割 を占め,そ こでの主な作物生育阻害因子 はアル ミニウムイオ ン
(
A1
3
i
)毒性である。 しか し,植物の種類 によって Al耐性が大 き く異なる。本研究では Al耐性 の高い
植物種 (
イネ, ライムギ, ソバ) を用 いて,特 に Al耐性 に寄与する トランスポーター遺伝子 の単離 と
機能解析 を行 った。
TE型遺伝子二つ (
Os
FRDL2と Os
FRDL4)の単離 と機能解析 を行 った。Os
FRDL2
まず はイネか ら MA
と Os
FRDL4によって コー ドされ るタンパ ク質はクエ ン酸の外向き輸送活性 を示す 。os
FRDL4は細胞膜
に局在するのに対 して ,Os
FRDL2 は細胞 内に頼粒状で存在 して いた。両遺伝子 とも主 に根で発現 し,
Alによって誘導 された。また Al耐性 に重要な転写調節因子 ARTlによって制御 されて いた。Os
FRDL4
遺伝子 を破壊すると,Alによるクエ ン酸分泌量が大き く減少 し,根 の先端部 に Alが多 く集積 し,その
結果 ,Al耐性 も低下 した。Al耐性 の異なるイネ品種 にお いて Os
FRDL4の発現量 とクエ ン酸分泌量及び
Al耐性の間に強 い相関が認め られた。 これ らの結果は Os
FRDL4が根 圏へクエ ン酸 を分泌す ることで,
FDRL2を破壊 して も Al耐性や鉄の輸送 に明
イネの Al耐性 に寄与 して いる ことが示唆された。一方,os
瞭な表現型が見 られなかった。Os
FRDLl と Os
FRDL4の破壊株 との二重破壊株 の解析か ら,Os
FRDL2
は Os
FRDLl
,Os
FRDL4と機能重複 して いた。
E型遺伝子 (
Sc
FRDLlと Sc
FRDL2)を単離 した。Sc
FRDLlの発現 は Al処理
ライムギか ら二つの MAT
に影響 されず,鉄欠乏によって誘導 された。 これ に対 して,Sc
FRDL2 の発現 は鉄欠乏ではな く,Alに
FRDLlは根か ら地上部への鉄輸送 に,Sc
FRDL2は Alによる租 圏へのク
応答 した。これ らの結果は,Sc
エ ン酸の分泌 に関与 して いることを示唆す るものである。
Alの集積植物 として も知 られて いるソバを用いて ,Alに応答す る ES
Tを次世代 シーケンサーで網羅
的に解析 し,他 の植物 と共通 の発現遺伝子及び特異的な遺伝子が存在す る ことが分かった。 トランスポ
ーター遺伝子の内,発現量の多 い Fe
I
REG2につ いて詳 しく解析 した結果 ,主 に根で発現 し,鉄欠乏や他
の金属 に応答せず ,Alによって特異的 に発現が誘導 された。また Fe
I
REG2は細胞の液胞膜 に局在 して
いた。 これ らの結果 ,Fe
I
REG2は Alを液胞 に隔離す るのに機能 して いる可能性がある。
Al耐性遺伝子の解析 を通 じて,植物 の種類 によって耐性機構が異な り,また機能相 同の遺伝子で も,
局在な どが異なる ことで,違 う役割 を果た している ことが明 らか となったQ
論文審査結果の要 旨
Al
)耐性の高い植物種 (
イネ,ライムギ,ソバ)を用いて,特にアルミニ
本研究ではアルミニウム (
ウム耐性に寄与する トランスポーター遺伝子の単離 と機能解析を行った。
まず は イ ネ か らM A T E 型 遺 伝 子 二 つ (Os
FRDL2.
Os
FRDL4) の単 離 と機 能 解 析 を行 った 。
Os
FRDL2,
Os
FRDL4によってコー ドされるタンパク質はクエ ン酸の外向き輸送活性を示す.os
FRDL4は
FRDL2は細胞内に頼粒状で存在 していた。両遺伝子 とも主に根で発
細胞膜に局在するのに対 して ,Os
現 し,Alによって誘導された。また Al耐性に重要な転写調節因子 ARTlによって制御されていれてい
FRDL4遺伝子を破壊すると,Alによるクエ ン酸分泌量が大きく減少 し,根の先端部に Alが多く
た.Os
FRDL4
集積 し,
その結果,アル ミニウム耐性も低下 した.アル ミニウム耐性の異なるイネ品種において Os
の発現量 とクエン酸分泌量及びアル ミニウム耐性の間に強い相関が認め られた.一方,os
FDRL2を破壊
して もアル ミニウム耐性に明瞭な表現型が見 られなかった。
Sc
FRDLlと Sc
FRDL2
) を単離 したosc
FRDLlの発現はアル ミニ
ライムギか ら二つの MATE遺伝子 (
FRDL2の発現は鉄欠乏ではな く,
ウム処理に影響されず,鉄欠乏によって誘導 された。これに対 して ,Sc
FRDLlが根か ら地上部への鉄輸送に,S
c
FRDL2は Alによ
アル ミニウムに応答 した.これ らの結果は sc
る裾圏へのクエ ン酸の分泌 に関与 していることを示唆するものであるo
Alの集積植物 として も知 られているソバを用いて,アル ミニウムに応答する ES
T を次世代 シーケン
サーで網羅的に解析 し,他の植物 と共通の発現遺伝子及び特異的な遺伝子が存在することが分かった。
I
REG2について詳 しく解析 した結果,主に根で発現 し,
トランスポーター遺伝子の内,発現量の多い Fe
l
REG2は細胞の液胞膜
鉄欠乏や他の金属に応答せず ,Alによって特異的に発現が誘導 された。また Fe
I
REG2はアル ミニウムを液胞に隔離するのに機能 している可能性が
に局在 していた。これ らの結果,Fe
ある。
これ らの成果はすでに国際誌に 2本の論文 として公表されてお り,博士学位論文として十分 に値する
と判定 した。
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