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バレイショ収穫作業同時緑肥作物播種機の技術確立と普及(H24
バレイショ収穫作業同時緑肥作物播種機の技術確立と普及(H24-26) =長崎県= 新技術導入広域 推進事業取組実績 (概要) 【事業の実施方針】 本県バレイショ産地においては、春作の収穫時期が梅雨期の大雨と重なり、収穫後の裸地状態の圃場では土壌 流亡が発生しやすい。そこで、本県と県内企業とが開発したバレイショの収穫と緑肥作物の播種を同時に作業でき る装置を、土壌流亡防止と地力維持等を図るため現地実証・展示により県域全体に普及・定着を推進を図る。 技術実証の成績等 実施体制図(研究・行政等との連携、役割分担等) 実施体制図(研究・行政等との連携、役割分担等) 情報共有・協力 情報共有 ※実施体制図を記載ください。 【2JA】【2市】 ・検討会への参画 ・現地研修会等調整 【協力農家】 ・実証ほ栽培管理 ・収量の記帳 【長崎県農林技術開発セ ンター】 ・検討会への参画 ・新たに発生した課題へ の対応技術開発 現地実証に係る助言 情報提供依頼 【農業革新支援専門員】 ・事業実施計画の作成、運営 ・各種検討会の開催 ・関係組織との調整 実証等協力依頼 主な取組内容(特徴的なもの、工夫した点) 【現地検討会の開催及び実証ほの設置】 雲仙市で作業実演を行い、現地関係者の認識を統一。 試験圃場として雲仙市に実証ほ(1ヶ所)を設置し、緑肥作物並びに 秋バレイショの収量や土壌病害発生状況等を調査。 鋤き込みやすい新草種「ライムギ」の実証・展示を追加。 【緑肥作物導入技術研修会】 同装置の導入効果を分析・評価し、課題に対する改善対策を検討。 【主要産地での研修会・装置展示・情報の提供】 実証ほを設置した生産部会において緑肥研修会を開催。 雲仙市、諫早市内の3カ所で、装置の展示並びに実証成績を提供。 【県農業環境担当課】 ・検討会への参画 ・土壌の地力向上、環 境負荷軽減施策への 反映 ・バレイショ収穫時(5月中旬)に播種すること で、入梅時(6月上旬)までに緑肥の生育を確 保でき、目視であるが土壌流亡防止(濁水発 生抑制)効果が確認できた。 ライムギ 150 (cm) バレイショ収穫と緑肥作物播種を同時に作業できる技術で、播種装置をバレ イショ掘取に取り付けることで、緑肥作物の適期播種と播種作業の省力化が 可能となり、カバークロップとしての植被率、生草重とも慣行栽培と遜色ない。 (2012年に長崎県農林技術開発センターと田中工機(株)により開発。2013 年3月より販売) 200 青刈ヒエ 50 ・秋作バレイショの収量は緑肥作物を鋤き込ん だ区において、1割程度向上した。そうか病等 の土壌病害の影響は認められなかった。 ・展示ほ設置農家の意見として、緑肥作物を鋤 き込んだところは、収穫時にバレイショの土の 離れが良く作業がしやすいとの意見があった。 ・現地ではフレールモアでの刈り取り作業が課 題となり、ライムギの導入実証を行った。ライム ギは生育が早いため、カバークロップの適性が 高く、生草重が約1t/10aで、既存ロータリーだ けで鋤き込みできた。秋作バレイショ植付け前 までの鋤き込み回数も青刈ヒエに比べ削減で きた。 今後の展開 クロタラリア 100 0 5/16 5/30 6/13 6/27 7/11 図 緑肥作物の草丈の推移(H26) 2500 2000 kg/10a 新技術の内容 【2振興局(普及組織)】 ・検討会への参画 ・実証ほの運営協力 【成果目標及び達成状況】(H26.1月末) 平成23年度(基準年):0ha 平成26年度(実績):3.6ha 平成24年度(実績):0.1ha 平成28年度(目標年):50ha 平成25年度(実績):0.2ha 1500 1000 500 0 緑肥なし クロタラリア ギニアグラス 図 緑肥作物の鋤き込みの有無による 秋作バレイショの収量(H24) クロタラリア 青刈ヒエ ライムギ ・雲仙市では緑肥作物の普及・定着が進んでおり、今後は緑肥作物の種類別の特徴 を活かす利用技術の普及を進める。その中で、収穫同時播種技術は緑肥作物の播種 の省力化と生育の早進化技術として普及を図る。また、現地では電動の同時播種機 や自作機の普及情報があり、これらを含めて普及状況を確認する。 ・バレイショ産地では連作による土づくりの必要性が指摘されており、緑肥作物の導入 は引き続き県内の主要産地で推進するほか、基盤整備地(予定地を含む)での普及を 図る。 ・新草種のライムギは現地で導入希望者があり、現地調査で生育特性を把握するとと もに、試験研究の協力を得ながら導入できる土壌条件や播種時期、鋤き込み技術を 確立する。