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鹿児島大

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鹿児島大
No.7
犬の精巣 (鹿児島大学)
動物:犬(マルチーズ)、年齢不詳、雄
提出標本:右精巣(HE染色)
臨床事項:
皮膚病で開業獣医に来院した際、左精巣の腫大がみられたので両精巣が摘出
された。一般血液検査で異常はみられなかった。当研究室には両精巣のホルマ
リン固定材料が送付された。
組織所見:
右精巣の切り出し時に微小腫瘤(2mm未満)が1個のみ認められたので併せて
組織検索を行った。腫瘤(標本に矢印を付しています)は異型性がない間細胞の
増殖巣で、小葉構造を呈し、小葉の中心部には好酸性漿液が貯留する微細な管
腔(嚢胞)がいくつか認められた。この部位以外には間細胞の増生はほとんどみ
られなかった。
組織学的診断名:間細胞腫
参考組織所見等:
腫大していた左精巣は間細胞由来腫瘍細胞の増殖巣(1cm以上)が2個存在
し、双方とも血液や好酸性漿液が貯留した大小の嚢胞が認められた。腫瘍細
胞は核小体明瞭な類円形核と微細顆粒を含む広い好酸性細胞質を有し、異
型性は弱く、分裂像は少なかった。左精巣の腫瘤は間細胞腫と診断した。
討議希望事項:
微細な管腔を嚢胞形成の初期の変化と捉え、組織異型が出現し始めている
こととして、過形成性結節ではなく、初期の間細胞腫と判断いたしました。ご討
議をお願いいたします。
本症例とは異なり、多くの間質部位に間細胞の過形成がみられる精巣に発
生した結節性増殖巣では、核の大小不同が顕著にみられ、細胞異型がより顕
著な間細胞由来腫瘍細胞が増殖している傾向があるように思われます。
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