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リーフレット [Leaflet]

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リーフレット [Leaflet]
電力中央研究所報告
電 力 輸 送
太陽光発電大量導入時における特高系統短地
絡事故時の太陽光発電の応動
キーワード:電力系統,太陽光発電,特別高圧系統,短地絡電流,系統事故
背
報告書番号:R12016
景
分散形電源が電力系統に接続される機会が増え,配変バンクを逆流する系統条件が発
生すると,分散形電源に備わる保護リレー装置だけでは,電気設備技術基準とその解釈
に定められた電路を開放すべき時間内に,事故除去不能となるおそれが生じる。一方,
今後主流になると考えられているステップ注入付周波数フィードバック方式(以下,A
方式 1))を単独運転検出リレーとして備えた太陽光発電(PV)が大量導入された場合の
特高系統における上記事故除去特性については,これまで十分な検討がなされていない。
目
的
特高系統から配電系統までを模擬した系統モデル(図 1)を用い,当所 Y 法シミュレ
ーションにより,A 方式と従来の単独運転検出リレーを備えた PV(以下,B 方式 2))に
対して,特高送電線で短絡・地絡事故が発生した場合の事故除去特性を明らかにする。
主な成果
1. 短絡事故に対する除去特性
表 1 の PV の保護リレーモデルを含む,図 1 のモデル系統において三相短絡事故を発
生させ,S 点を事故発生後 0.1 秒で開放し,以下を明らかにした。
・A 方式では,S 点開放前に単独運転検出リレー(能動的方式)で PV が停止し,S 点開
放後に,同リレーおよび瞬時不足電圧リレー動作により,S 点開放後 0.07 秒以内で PV
が停止した。一方,B 方式では,S 点開放前に停止した PV はなく,S 点開放後に主と
して瞬時不足電圧リレー動作により 0.21 秒以内で PV が停止した(図 2)。
・A 方式・B 方式ともに,同一事故ケースにおいて,地点による PV 停止時間の差異は
最大で 0.1 秒程度であった。
2. 地絡事故に対する除去特性
図 1 のモデル系統において一相地絡事故を発生させ,S 点を事故発生後 1 秒で開放し,
以下を明らかにした。
・A 方式では,主として S 点開放後に単独運転検出リレー(能動的方式)動作により PV
が停止した。一方,B 方式では,S 点開放後に,主として単独運転検出リレー(受動
的方式)動作により PV が停止した。
・A 方式・B 方式ともに,PV の導入量が少なく,単独系統移行直前の有効電力がバラン
スしている系統条件で,PV 停止までの時間が長くなる場合があった。また,同一事故
ケースにおいて,地点による PV 停止時間の差異は最大で 0.4 秒程度であった。
注1)単独運転検出リレー能動的方式はステップ注入付周波数フィードバック方式,同リレー受動的方式は周波数変化率
検出方式を採用。
2)単独運転検出リレー能動的方式は周波数シフト方式,同リレー受動的方式は電圧位相跳躍検出方式を採用。
図1
表1
モデル系統
検討対象とした機器保護リレーと系統連系保護リレー
機器保護・系統連系保護リレー
A 方式
瞬時不足電圧リレー(事故継続 1 秒未満の LVRT *) 各相(GB),三相(GB)
B 方式
モデル形態
各相(GB),三相(GB)
各相モデル
不足電圧リレー(事故継続 1 秒以上の LVRT *)
各相(GB),三相(CB)
各相(GB),三相(CB)
各相モデル
瞬時過電圧リレー
各相(GB),三相(GB)
各相(GB),三相(CB)
各相モデル
瞬時過電流リレー
各相(GB),三相(CB)
各相(GB),三相(CB)
各相モデル
単独運転検出リレー(受動的方式)**
三相(CB)
三相(GB)
三相モデル
単独運転検出リレー(能動的方式)***
三相(CB)
三相(CB)
三相モデル
過周波数/不足周波数リレー
三相(CB)
三相(CB)
三相モデル
*:これらの保護リレーの組み合わせで LVRT(Low Voltage Ride-Through:事故時運転継続)要件を満足するように模擬
**:A 方式は周波数変化率検出方式,B 方式は電圧位相跳躍検出方式
***:A 方式はステップ注入付周波数フィードバック方式(高調波急増ステップ注入のモデルを除く)
,B 方式は周波数シフト方式
注:GB:ゲートブロック,CB:連系点開放,各相:AB・BC・CA 間の電圧・電流を各々用いて個別に PV 用リレーをモデル化
注:解析結果は,図 1 に示すモデル系統で得られた結果であり,この系統条件下でのみ有効である。
図2
短絡事故(3LS)で最も遅く停止した PV の停止要因(保護リレーの種類)
注:解析結果は,図 1 に示すモデル系統で得られた結果であり,この系統条件下でのみ有効である。
一相地絡事故の場合,図 1 の事故点が含まれる系統が高抵抗接地系であるため,事故発生後の線間電圧の低下は小さく,
線間電圧を用いる家庭用単相 PV に対しては,系統事故のない状態で単独系統に移行した系統条件に近い。
図3
地絡事故(1LG)で最も遅く停止した PV の停止要因(保護リレーの種類)
研究担当者
山下 光司(システム技術研究所 電力システム領域)
問い合わせ先
電力中央研究所 システム技術研究所 研究管理担当スタッフ
Tel. 03-3480-2111(代) E-mail : [email protected]
報告書の本冊(PDF 版)は電中研ホームページ http://criepi.denken.or.jp/ よりダウンロード可能です。
[非売品・無断転載を禁じる]
© 2013
CRIEPI
平成25年9月発行
12-024
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