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平成27年度 町政運営方針
平成27年度 町政運営方針 平成27年度施政方針 町政運営の基本的な考え方 今、国では、昨年12月に日本の人口の現状と将来の姿を示し、今後目指すべき将来の方向を提示する「まち・ ひと・しごと創生長期ビジョン」と、これを実現するために、今後5か年の目標や施策の基本的な方向を示した 「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を取りまとめました。 この中では、世界に類を見ないスピードで進行している「人口減少・超高齢社会」の原因を、少子化と東京へ の一極集中としており、結婚から出産、子育てまでの切れ目のない支援や、都市部から地方へ移転しやすい環境 づくりを掲げています。 あわせて、地方創生を国と地方が一体となり、中長期的視野に立って取り組むため、全自治体に対して具体的 な施策をまとめた「地方版総合戦略」の策定を要請しているところであります。 本町といたしましても、こうした国政の流れを注視しつつ、南伊勢町の発展のため、また、町民の皆様が日々 の生活を明るく豊かに送れますよう、本町の地域特性や可能性をしっかりと生かした地方創生に今までにも増し て取り組んでまいります。 さて、今年は、南伊勢町合併10周年の記念すべき年であり、この10周年という節目の年を町民の皆さまと 共有しながら、平成27年度はさまざまな記念事業を一緒に展開していきたいと考えています。 そして、 この合併後の10年間の上に今日の南伊勢町があることを再認識しながら、 未来の南伊勢町に向けて、 町民の皆さまが安全で安心して幸せに暮らし、希望をもち、町内外に誇れるまちづくりを進めていきます。 平成23年度に策定した南伊勢町総合計画「絆プラン」は間もなく5年目を迎えます。 これまで、国道260号錦峠の全線開通や南島バイパスの部分開通、宿浦木谷間のバイパスの部分開通と拡幅 工事の推進、保健・医療・介護サービスの一元的運用ビジョンの策定、デマンドバスの運行、1次避難所・避難 路等の防災対策、有害獣駆除等獣害対策の徹底、保育所・小中学校の統合と高台移転、紀勢地区広域消防組合南 島分署の高台移転、地域包括ケアシステムの拠点となる町立南伊勢病院の高台移転の着手、広域型・地域密着型 特別養護老人ホームの誘致と支援、小・中学生の学力向上、放課後児童クラブの設置、図書室の新設・拡充、ア ワビ・アサリの種苗生産とアコヤの稚貝の大型化やカサゴの放流、ワイン用ぶどう栽培の実証実験、新規作物で ある青ねぎ栽培の振興、農林水産業の振興を目的としたバイオマス発電事業の可能性調査、国土強靭化地域計画 策定など、各分野においての取組を行ってきました。 南伊勢町を取り巻く課題は山積していますが、近年の著しい人口減に伴う地域活力の低下、南海トラフを震源 とする巨大地震・津波の脅威への対応策は特に急がなければなりません。 日本全体が人口減の時代となり、特に我が南伊勢町も含めて将来消滅可能性自治体として、若者の都会への流 出が大きな課題となっています。町に若い世代が少なくなっていくことは、町の活力の低下につながり、産業も 立ち行かなくなってしまいます。 また、過去に幾度も押し寄せた巨大地震・津波は町を壊滅させるおそれがあります。何としても町民の命を守 り、速やかな復興が実現できるよう準備をしなければなりません。 絆プラン後期基本計画では、 「若者定住促進」と「町民の安全・安心」を最大の課題として取り組んでいくこと とします。 1 若者定住促進では、若者にとっても暮らしやすい生活環境を整えていかなければなりません。働く場の確保、 産業振興であり、子育て環境の整備、教育の充実、学力の向上、道路・上下水道等のインフラ整備、健康づくり など、また、高齢者にとっても安全で安心できる住みよい町でなければなりません。若者の居場所づくりも大切 です。 町民の安全・安心は巨大地震・津波から町民全部の命を守り、安心して避難生活を送り、早い時期の復興が可 能になるような対策、まちづくりが必要となります。 これらの課題に向けて早急に取り組んでいくこととします。 南伊勢町のまちづくりは、絆プランにより、町民を出発点とする「町民起点のまちづくり」の理念のもと、町 民の皆さま一人ひとりが、住み慣れた地域で、なじみの人々と共に支え合い、助け合いながら幸せに暮らしてい ける南伊勢町づくりに取り組むこととしています。 後期の基本計画においても、めざすまちのすがたを「安全・安心を実現し、希望をもち誇れる南伊勢町」とし て、地震・津波などの自然災害への備えに万全を期し、若者の定住促進や地域産業の活性化に取り組み、老後も 安心して笑顔でいきいき暮らせる、誰もが希望をもち誇れるまちづくりをめざしていきます。 平成27年度当初予算概要 予算編成の基本方針 ① 絆プラン「まちづくり5つの目標」の実現 ② 事務事業評価に基づく「見直しの具体的方策」を予算に適切に反映 ③ 政策提言項目の実行 ④ 地区懇談会や地区からの要望など今年度の取組を踏まえた町民ニーズのうち緊急的に対応すべき課題の着実 な解消 ⑤ 一般会計の町債残高、一般会計が負担する特別会計・企業会計等の借入金残高を減らす取組の継続 ⑥ 町税収入を含め歳入の的確な確保及び新たな財源の創出 これらの基本方針に基づいた予算編成を行った結果、平成27年度当初予算の一般会計の予算規模は、前年度 当初予算と比べ0.6%増の91億5,888万1千円となりました。 特別会計6会計の総額は62億4,329万円、企業会計は、上水道事業会計が4億6,976万9千円、病院 事業会計が9億3,798万円で、全会計をあわせた予算総額は、対前年度比1.3%増の168億992万円と なりました。 歳入予算 町税は厳しい経済状況の影響から、ほぼ前年度並みの10億2,384万9千円を計上しています。 地方交付税は地方財政計画の内容を踏まえ、対前年度比0.8%増の48億2,500万円を計上しています。 国庫支出金は道路整備に伴う社会資本整備総合交付金や社会保障・税番号制度システム整備補助金等の増加に より、対前年度比35.1%増の6億2,969万3千円、県支出金は鳥獣被害防止緊急捕獲等対策事業補助金や 再生可能エネルギー等導入推進基金事業費補助金等の増加により、対前年度比 1.1%増の6億362万2千円を 計上しています。 寄附金については、 ふるさと納税寄附金の増加により、 前年度を大きく上回る3,650万円を計上しています。 2 繰入金については、財政調整基金繰入金や活性化対策事業基金繰入金等の減少により、対前年度比44.6%減 の2億4,311万7千円を計上しています。 町債については、コミュニティ施設整備事業や統合保育所整備事業に係る地方債等の減少により、6.9%減の 12億250万円を計上しています。 歳出予算 義務的経費については、人件費で対前年度比0.1%減の15億2,465万円、公債費で対前年度比1.9% 減の11億9,458万4千円を計上しています。 物件費は、自主運行バス委託料の増加や社会保障・税番号制度システム整備業務委託料等の増加により、対前 年度比3.0%増の15億2,739万8千円を計上しています。 補助費等は志摩広域消防組合本部整備事業に係る負担金、自主防災組織防災資機材等整備事業補助金等の増加 により、対前年度比5.8%増の13億5,594万2千円を計上しています。 投資的経費は地域密着型・広域型特別養護老人ホームに係る補助金や統合保育所建設事業等の減少により、3. 7%減の15億4,691万7千円を計上しています。 絆プランの推進に向けた主要な施策 「目標1 安全で安心して住めるまち」 ・大規模地震、津波等の自然災害から生命財産を守るため、重点的に2次避難場所への資機材整備、災害用トイ レ、耐震性貯水槽の設置、災害用通信システムの整備に着手します。 ・自主防災組織に対して資機材や避難路整備のための補助金交付事業等を行います。 ・現在策定中の南伊勢町国土強靭化地域計画に基づき、大災害が起こっても被害をできるだけ少なくできるよう なまちづくり、素早い復興が可能となるようなしなやかなまちづくりに取り組んでいくこととします。 ・医療・福祉施設等の公共施設の高台移転を進めるため、昨年に引き続き地域包括ケアシステム拠点施設として の町立南伊勢病院の高台移転、特別養護老人ホーム真砂寮の高台移転事業に取り組みます。 ・大規模地震、津波など被災後の迅速な復旧・復興に貢献できるよう、優先的に津波浸水想定地域の官民・民民 境界の整備が進められるよう地籍調査事業に着手します。 ・保健・医療・介護サービスの総合的提供体制の整備事業として、地域包括ケアの仕組みを構築し、必要なとき に必要なサービスを判断し、適切に受けられる体制づくりに取り組みます。 「目標2 希望のみつかるまち」 ・水産業については、水産資源の安定化と資源の増大を図るため、カサゴ、アコヤ、アワビ、アサリ、ヒオウギ の種苗生産を行います。 ・市場価格が比較的高いことや、移動範囲が狭く定着性が強いことから、引き続きカサゴの種苗生産と放流に取 り組み資源管理型漁業を進めます。 ・漁港施設については、施設の長寿命化を図るため、機能保全計画を作成し、機能保全工事の必要な施設につい ては、計画的に工事を実施していきます。また、海岸堤防施設等についても長寿命化計画を作成する等計画的 に取り組みます。 ・農業については、後継者育成・新規就農者の発掘のため、みかんの学校を昨年度に引き続き開校します。 ・青ねぎ栽培については普及促進や規模拡大を図るとともに耕作放棄地の解消を図っていきます。 3 ・農業担い手育成のための補助金の交付や新規就農者に対する給付金の支給を行なうほか、集落営農を推進しま す。 ・鳥獣被害防止対策については、サル、イノシシ、シカの有害獣駆除をはじめ、進入防止柵の設置や追い払い等 総合的な対策に引き続き取り組みます。また、集落単位で獣害対策研修会等を実施するなど、集落ぐるみによ る鳥獣害対策を促進します。 ・広域連携による観光誘客促進として、平成 27 年度も玉城町、度会町と協働でサニー市の開催等サニーロードを 活用した誘客促進事業を行います。 ・観光情報発信事業として、マスメディアやホームページ、イベント等において南伊勢町でしか味わえない魅力 や旬な情報を発信するとともに、四季を通じた「おいないさ南伊勢キャンペーン」の開催や、 「ハートの入り江」 関連のルートマップ作成等に取り組みます。 ・障がい者の活動の場づくりとして、障がい者本人や家族の社会参加促進のため、日中における活動の場を確保 するなどの支援を行います。 また、 障がい者や家族などが気軽に相談できる相談支援事業を充実するとともに、 生活上の困りごとについても相談体制を充実し、一次相談から専門的な相談への切れ目のない連携ができるよ う関係機関間の協力支援体制の確立、強化を行います。 ・地方創生については、国の総合戦略等を勘案し、 「地方人口ビジョン」及び「地方版総合戦略」を策定し、総合 戦略に基づいた人口減少対策、若者定住・移住対策、産業振興等具体的な事業を展開していきます。 ・地域づくりでは、地域外から意欲ある人材を積極的に誘致し、新たな視点や発想力により埋もれている地域資 源の発見や今ある資源を見直し、地域にある潜在能力を十分に引き出すことで地域の活性化を図ることを目的 に、総務省が進める地域おこし協力隊事業に取り組みます。 ・若者の定住を促進するため、若者の出会いのきっかけとなる機会や場の提供を行う出会い交流事業や「南伊勢 ええやんプロジェクト」等による若者交流事業に取り組みます。 ・雇用対策促進事業として、就職支援活動員やハローワーク等関係機関と連携し、就職相談や求人情報などの提 供を行い、Uターン・Iターン希望者も含めた雇用対策を促進します。また、三重県緊急雇用創出事業臨時特 例基金を活用した「南伊勢町地域人づくり事業」に引き続き取り組みます。 「目標3 新しい誇りをうみだすまち」 ・エネルギー施策については、再生可能エネルギー創出と農林漁業の活性化を目的に、畜産排泄物、生ごみ、浄 化槽汚泥、し尿等を原料としたバイオマス発電事業の実現化に向けた取組を推進します。 ・太陽光を利用した発電の普及促進を図るため、住宅用の太陽光発電システムを設置した町民に対し、引き続き 補助金交付事業を行います。 ・下水道事業については、町民の生活環境の改善や公共用水域の水質保全を図るため、引き続き相賀浦地区にお いて下水道を整備します。また、下水道事業経営の効率化を図るため、設備の老朽化が進んでいる中津浜浦浄 化センターの船越浄化センターへの統合事業を推進します。 ・火葬場建設事業については、南勢地域の2つの火葬場を統合し、新たな火葬場を建設します。本年度は火葬場 までの道路の拡幅工事や用地造成工事、火葬炉の工事を行います。 ・文化財保護活用事業としては、地域に残るすばらしい伝統文化や文化財を保存、継承するため、無形民俗文化 財の記録化(DVD等)に取り組みます。 「目標4 笑顔でいきいき暮らせるまち」 ・仕事などで昼間に保護者が家庭にいない子どもに対して、放課後や夏休みなどに安心して楽しく過ごせる場を 提供し、遊びを通して自主性・社会性・創造性を養うとともに、自立に向けた基本的生活習慣の育成や自主的 な学習活動を行えるように放課後児童クラブを運営する団体へ補助や支援を行います。 ・安心して子どもを預けて仕事ができる環境を充実させるため、引き続き全保育所で早朝保育と夕方保育を行い 4 ます。 ・地域の子育て家庭への育児支援を目的として、子育て中の親子が楽しく遊び、情報交換や交流ができる場の提 供や、育児不安等についての相談指導などを行います。また、子育てに関する情報提供や子育てサークル等へ のサポートを行います。 ・南伊勢高校南勢校舎への支援として、専門的な知識をもった就職活動支援員を配置し、高校の教員の進めるキ ャリア教育を支援するとともに、大学進学を希望する生徒に対しては、一人ひとりの実態に応じた指導を通し て、進学に向けての学力を身につけられるよう、講師を派遣します。また、高校生が南伊勢町をもっと元気に しようと取り組む、地域資源を活用したビジネスを研究する「ソーシャルビジネスプロジェクトSBP」活動 を引き続き支援していきます。 ・手づくり図書館推進事業として、閉校した学校の図書室の活用や拠点となる「みなみいせ図書室」と「なんと うふれあい図書室」を軸に学校と連携し、小中学校の図書室に町民にも貸出しできるコーナーを設け、町民誰 もが気軽に利用できる環境づくりを進めます。 ・学校の教育環境を充実させるため、施設や設備などの整備を行います。本年度は南勢小学校体育館、南勢中学 校体育館・武道館において防災対策の観点から天井落下防止対策工事を行います。 ・生活道路の整備については、長年の課題となっていた相賀浦の大川に係る大坪第 1 本線の整備、迫間浦地区内 道路の整備を行います。また、大規模地震に備えて避難や救助活動を円滑に行うことができるよう橋りょうの 耐震化・長寿命化事業を進めます。 ・町民にとって「命の道、生活の道、産業の道」として重要な役割を果たす国道260号の宿浦木谷バイパス・ 拡幅工区、南島バイパス第2工区の年度内完成、船越区間の事業着手を促進します。 ・公共交通サービスについては、引き続き町営バス、デマンドバスの運行を行ない、通勤、通学、通院など町民 誰もが利用しやすい利便性の高い公共交通機関の確保を図ります。 ・安定的な給水の確保を図るため、神津佐地区、宿浦地区の老朽化した水道管の更新、改良を主体とした施設整 備を行います。 「目標5 みんなでまちづくりを実現するまち」 ・合併10周年を記念して、 「10周年 いかして未来へ 南伊勢」 をキャッチコピーとして記念事業を行います。 主な記念事業として、記念式典、モニュメントの設置などのシンボル事業、歌舞伎フォーラム、10周年記念 NHK公開番組などの特別事業、各種祭りなどの冠事業、10周年記念提案事業など一年を通じて展開してい くことによって、今までの10年から次の10年を未来に向かって輝きつづける南伊勢町となることをアピー ルしていきます。 ・地域コミュニティ活動を支援するため、財団法人自治総合センターの宝くじの社会貢献広報事業を活用し、地 域のコミュニティ活動に必要な設備や備品を整備します。 ・ふるさと納税の推進については、民間事業者とタイアップすることによって飛躍的に応援寄附が伸び、それと ともに、お礼としてお送りする地場産品の需要が高まっています。さらに多くの方に南伊勢町を知っていただ き、応援していただくために、全国への情報発信の充実、寄附をしていただいた方へのお礼特典品の充実を図 っていきます。 ・行政経営の改革については、絆プランを推進するため、 「組織目標」 、 「重点的に取り組む施策・事業」 、 「業務の 円滑な推進と改善・改革の取組み」 、 「職場の活性化、人材育成」について具体的に示す課長経営方針をもとに、 事業管理シートによりPDCAの行政経営マネジメントを徹底する中で、推進した各事業、業務を検証・評価 し、目指す成果に向けた課題の設定と改善・改革を行い、事業、施策の効果をより一層高めていきます。また、 町民サービス基本方針に基づき、常に町民目線、町民の立場に立った町民サービスが提供できるよう、職場風 土を改善・改革する取組として、職場ぐるみ町民サービス向上事業に引き続き取り組んでいきます。 5 6