Comments
Description
Transcript
我が国の土地利用調整について(PDF:265KB)
我が国の土地利用調整について 資料3補足資料 1 我が国の土地事情の特徴 ○ 世界各国における可住地面積、農地面積等の比較(2001年) 我が国と欧米諸国等における可住地面積等の比較を してみると、国土面積に占める可住地面積については、 我が国は、急峻な地形であることから、約3割に過ぎ ないが、フランス、ドイツは平地が多く、約7割も占 めている。 (単位:万人、万ha) ○ →このような状況を反映し、我が国においては、農地に 対する住宅用地等の他用途への需要が諸外国よりも格 段に強い。 また、農用地面積自体もフランスは日本の6倍の 3,000万ha、ドイツは約3倍の 1,700万haを有してい る。 人 口 (A) 国 土 面 積 (B) 可住地 面 積 (C) 農用地 面 積 (D) 本 12,734 3,778 1,183 520 31 4 フランス 5,945 5,515 4,000 2,963 73 50 ドイツ 8,201 3,570 2,420 1,703 68 21 イギリス 5,976 2,429 2,170 1,695 89 28 アメリカ 28,593 96,291 61,991 41,126 64 144 4,707 993 342 194 34 4 日 C/B D/A (%) (a/人) ○ →このようなことから、人口の多い日本は、1人当たり 農用地面積が4aとフランスの50a、ドイツの21aと比 べ、極めて少ない状況にある。 韓 国 資料:FAOSTAT 注1:「可住地面積」は「Land Area(土地面積)」(Total Areaから 内水面を除いたもの)から、「Forest And Woodland(森林面積)」 を除いて推計した数値。(なお、「Forest And Woodland」は1994年 の数値。) 注2:「農用地面積」は「Agricultural Land」の数値。(「Arable Land (耕作地)」、「Permanent Crops(永年作物地)」及び 「Permanent Pasture(永年牧草地)」の合計値。) 2 土地利用制度間の調整 ○ 我が国の主要な土地利用規制についてはそれぞれ目的が異なることから、制度間で調整を要するものが多 いが、土地利用規制間の調整には多大なる労力を要する。 (例2) 農業振興地域と都市計画区域との重複 我が国の主要な土地利用規制 農業振興地域と都市計画区域が重複する集落地域では、 集落地域整備法により農業の生産条件と居住環境との調和 のとれた地域の整備を計画的に推進。 農振法、農地法 → 農地が効率的に農業に利用されることを担保することが目的 森 林 法 → 森林の有する公益的機能の確保が目的 集落地域整備法について 自 然 公 園 法 → 自然公園の有する優れた景観の保持が目的 自然環境保全法 → 自然環境の保全が目的 ・ 農地のスプロール的転用のおそれがある集落地域で、土地利用の 混乱を防止し農地を保全 都 市 計 画 法 → 都市的開発・利用を用途に応じて促進することが目的 ・ 農業生産基盤と生活環境の計画的な整備 (例1) 都市計画区域と農業振興地域との調整 しかしながら、農振法、都市計画法の両方の手続きを経る必要が あるため、計画を定めるまでには相当の期間を要することとなる。 都市計画法第23条により、市街化区域と市街化調整区域の 区分の決定・変更の際毎に調整 (ルール)① 市街化区域の規模は原則として市街地内人口目標値に相当す る面積とすること ② 集団的農用地等は原則として市街化区域に含めないこと 集落地域を定めた後、具体の計画をするまでに要した平均期 間は4∼5年となっている。 現況 計画 ③ 市街化区域と市街化調整区域の区分の定めのない都市計画区 域の用途地域は、農業振興地域に含めないこと 等 農振白地 農振農用地 農業振興地域と都市計画区域 農業振興地域と都市計画区域 農用地の保全利用協定 土地区画整理事業によ る新規宅地の整備 農道の 整備 集落地区計画 全国土面積 3,779万ha 農業振興地域 * 面積は平成15年現在 1,719万ha 農振白地の整備 農用地区域 集落道 ・細街路 の整備 494万ha 重複地域 591万ha 市街化区域 145万ha 都市計画区域 996万ha 農振農用地 集落農振地域(農振法サイド) 集落地区計画(都市計画法サイド) 農振農用地 幹線 道路 整備 の 集会施設用地 農振農用地 土地区画整理事業 協定農用地 注)農振白地とは、農業振興地域内の農用地区域外の地域のこと 農振農用地 3 諸外国における土地利用制度 ○ 諸外国においては、一般的に「計画なきところに開発なし」の原則のもと、土地利用計画制度及び開発許可 制度等により、計画的な土地利用の誘導が行われている。 日本と西欧諸国では、土地利用に関し私的 利用に比べ公共的制約が優先することに対す る国民のコンセンサスに違いがあることもあ り、土地利用制度の理念が大きく異なってい ることに留意する必要がある。 ○ 日本・ドイツ・フランスの土地利用制度のイメージ 【 日 本 】 都市計画区域 市街化調整区域 市街化区域 開発行為規 制・建築制限 農用地区域 農地転用は原則禁止 開発行為に計画必要なし 例えば、ドイツにおいては、まず国土全体 に開発規制がかけられ、その上で開発計画を 【 ドイツ 】 策定した地区に限り、当該計画に従った開発 地区詳細計画が策定されている地区 が認められる。こうしたことから、「計画な 計画に適合した建築物は建築許可を受けることが可能 きところ開発なし」との理念が法制度上も担 開発行為は原則禁止 保されている。 【 フランス 】 一方、日本においては、国土全体に開発規 制がかけられているのではなく、まず、開発 規制をかける区域を、例えば、都市計画区域 土地占有計画が策定されている市町村 (自然・農業地域) (都市地域) 計画に適合した建築物は建築 許可を受けることが可能 開発行為は原則禁止 として設定し、その区域の中で計画に従った 開発が許容される地区(例えば、市街化区 域)を設定する仕組みとなっている。 土地占有計画を策定していない市町村 開発行為は原則禁止