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円・ウォン均衡為替レートの動向

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円・ウォン均衡為替レートの動向
今月のトピックス No.164-1(2011年9月26日)
円・ウォン均衡為替レートの動向
・韓国ウォンがリーマン・ショック後に相対的に通貨安で推移してきたこともあり、韓国企業の価格競争力が高
まっている。また、競争力の源泉として日本より6割以上安い電気料金にも注目が集まっている。
・為替レートが長期的に適正な水準にあるか検証する方法として、「均衡為替レート」を計算するものがある。日
韓の輸出産業6業種(繊維、一次金属、一般機械、電気機械、輸送機械、精密機械)の単位労働コストと単位中間投入コスト
を考慮して、輸出財の一物一価が成立するような為替レートを均衡レートと定義して求めたところ、直近09~10年の実際の
為替レート(13.4ウォン/円)は、同期間の均衡レート(9.9ウォン/円)より4割近くウォン安で推移してきた。
・このようなウォンの過小評価は、日本国内の電力供給不安と相まって、日本の輸出企業の競争条件を悪化させる材
料として作用している。
図表1
図表2
対ドル為替レート指数
60 (08年1月=100)
各国の産業用電気料金(2009年)
(ドル/kWh)
0.18
70
韓国
0.16
80
マレーシア
0.14
0.158 0.135 0.12
90
タイ
0.120 0.10
0.107 100
台湾
110
中国
120
0.08
0.06
0.04
日本
130
通貨高
140
0.068 0.058
0.02
0.00
08
09
10
11
(月次)
(備考)
1.各国中央銀行資料より作成
日本
韓国
米国
英国
独
仏
(備考)
1.資源エネルギー庁「電気料金の国際比較について」より作成
2.金額は市場レートによる換算値
図表3 円・ウォン均衡為替レート
16
(ウォン/円)
14
実際のレート
12
均衡レート
10
8
6
ウォン高
4
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
(備考)
1.韓国銀行「Economic Statistics System」、日本銀行「物価指数月報」、ITCホームページより作成
2.2000年以前の均衡レートは、宮川・外谷・牧野(2004)の推計値。韓国の経常収支不均衡が小さかった
1990年を基準年としている
(参考文献)
series No.29
No 29
宮川・外谷・牧野(2004)「アジア諸国の均衡為替レート」Hi-Stat Discussion paper series,
(暦年)
今月のトピックス No.164-2(2011年9月26日)
・もっとも、ウォンの過小評価は、韓国経済にひずみをもたらしている。韓国の契約通貨ベースの輸入物価は日本と
同様に資源価格と同調的に動いているが、自国通貨ベースの輸入物価は、ウォン安を反映して過去最高水準で推移し
ている。このような交易条件の悪化により、実質購買力の目減り(交易損失)はここ数年拡大傾向にある。
・輸入物価の上昇は消費者物価にも波及していることから、利上げでインフレが鎮静化されれば実際の為替レートと均衡レー
トとの乖離は縮小していく可能性がある。
・低廉な電気料金も、原価割れによる電力公社の赤字もあり、2011年7月から燃料費調整制度が導入されている。そのため、
韓国の電気料金が市場メカニズムに基づいた価格へ移行すれば、日韓の電気料金格差は縮小し、これまで不利に働いてい
た日本企業の競争条件は改善される可能性がある。
図表4
180
図表6
契約通貨ベースの輸入物価
(ドル/バレル)
(05年=100)
日本
140
(%)
120
実質GDP
140
100
実質GDI
120
80
100
60
160
ドバイ原油価格
(右目盛)
韓国
80
06
07
図表5
08
09
10
11
韓国の交易利得
(兆ウォン)
270
8
240
4
40
(月次) 210
0
自国通貨ベースの輸入物価
180 (05年=100)
日本
160
180
韓国
-4
交易利得の対GDP比率
(右目盛)
:マイナスは交易損失
140
120
-8
00
80
06
07
08
09
10
11 (月次)
(備考)
1.韓国銀行「Economic Statistics System」、
日本銀行「物価指数月報」より作成。
図表7
6.0
(暦年四半期)
150
100
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
(備考)
1.韓国銀行「Economic Statistics System」より作成
2.交易利得=実質Gross Domestic Income
- 実質Gross Domestic Poduct
図表8
韓国の消費者物価上昇率
(前年比:%)
2
11
韓国電力公社の収益状況
(兆ウォン)
(%)
5.5
110
営業損益
5.0
IMF見通し
4.5
11年:4.5%
1
4.0
3.5
105
売上/原価比率(右目盛)
0
100
-1
95
-2
90
-3
85
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
06
07
08
09
10
-4
11
(月次)
(備考)
1.韓国銀行「Economic Statistics System」より作成
2.シャドー部分はインフレーション・ターゲットのゾーン
80
06
07
08
09
10
(年)
(備考)
1.韓国電力公社IR資料より作成。数値は単体ベース
2.売上/原価比率=売上高/(販管費含む営業費用)×100
[産業調査部
遠藤 業鏡]
今月のトピックス No.164-3(2011年9月26日)
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E-mail: [email protected]
産業調査部
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