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音楽コース
ポ ピ ュ ラー カ ル チ ャ ー学 部 ポ ピ ュ ラー カ ル チ ャ ー学 科 音楽コース ■2015 年度 試験科目 公募制推薦入試 ■前年度からの変更点 一般入試A日程 一般入試B日程 ● 共通学力試験 ● 一般入試A日程にて 「選曲・企画表現」をとり ● やめます ● 選曲・企画表現 ● 小論文 ● 小論文 ● 面接・作品審査 ● 公募制推薦入試、 一般入試A日程の「面接・作 ● 面接・作品審査 ● 共通学力試験 ● 品審査」 の内容を変更します ● 一般入試B日程に 「共通学力試験」を設けます ● 共通学力試験 選曲・企画表現 【出題意図】 課題曲を他の既存曲と関連づける選曲力と、それを商品にする企画力を問います。ただし企画の実現にはそれがどのように売れるのかを 説明しなければなりません。そのためのプレゼンテーション資料をつくってください。 2015年度 想定問題 時 間 3 時間 問 題 別紙に示した4曲の課題曲から1曲を選び、他にあな たの知っている既存の曲2曲を加えて、 合計3曲入りの コンピレーションアルバム(*)を考案しなさい。そし て、そのアルバムを売り出すためのプレゼンテーショ 〔制作条件〕 ●企画シートは横長で使用すること。 ●文字だけでなく、イラストなどもつかって、 コンピレーションアルバムのテーマが最大限に伝わるよう工夫をすること。 ●切り抜き用資料集のデータ等を企画シートに切り貼りしても構いません。 ン資料(スポンサーを説得するための資料)を企画 シート5枚から10枚を使って作りなさい。 〔音源の聴き方について〕 支給されたCDプレーヤーで、持参したヘッドフォンまたはイヤフォンを使って聴 くこととする。持参したヘッドフォンまたはイヤフォンが使えない場合は、CDプ *コンピレーションアルバム レーヤーについているヘッドフォンを使うことを認める。試験時間中に自由に音 特定のテーマにもとづいて複数のアーティストの楽曲をまと 源を聴くことを認めるが、周りの受験生の迷惑にならないよう心掛けること。 めたアルバム。 「コンピアルバム」あるいは「コンピ」ともいう。 〔別紙〕 一般的なプレゼンテーション資料として、以下のよう な内容が考えられます。もちろんこの順番のとおりに 作らなくても構いません。 □ 「課題曲紹介用紙」 以下の曲の歌詞が書かれたもの カラスは真っ白 『サニー・サイドアップ』2013年リリース 三沢洋紀と岡林ロックンロール・センター 『真夜中になれば』2013年リリース ① コンピレーションアルバムのタイトルや商品のイ Suck a Stew Dry『世界に一人ぼっち』 2013年リリース メージ Sasakura.UK『Mr.Wonderland Feat. Perio』 2013年リリース ② アルバムのテーマとそのテーマを選んだ理由 ③ 収録曲3曲の紹介とその3曲を選んだ理由 ④ ターゲットとなるリスナー層(アルバムを聴いて くれそうな人々のライフスタイルや音楽との接し方) ⑤ 販売戦略(そのリスナー層に届けるため、どのよう な話題作りをして、 どのようなかたちで販売するか) □切り抜き用資料集 内容 日本レコード協会『音楽メディアユーザー実態調査報告書』 より以下のデータを抜粋 (日本レコード協会Webサイトよりダウンロード可能) ●CD購入・レンタル利用・インターネット有料音楽配信購入の構造 ●購入した新品CDアルバムのジャンル:性年代別①② ●未知アーティスト購入のきっかけ ●未知アーティストの新品CD購入のきっかけ (性年代別) ●ライブ・コンサート支出状況(関連商品・グッズ等) ●CD販路としてのライブ・コンサート会場等 支給材料 0 0 8 ● 企画シート(A4/5mm方眼入り)10枚 ● 下描き用紙(A4) ● 切り抜き用資料集 1冊 ● CDプレーヤー 1台 10枚 Music Course ポピュラーカルチャー学部 ポピュラーカルチャー学科 音楽コース 1 2 3 4 5 ●作品評価 「夜」をテーマにした選曲から 「一日の終わりに音楽を聴きたい人」をイメージしてス トーリーを組み立てているところに説得力を感じます。曲調の描写も具体的で、アル バムのストーリーともうまく結びついています。販売戦略でも時間帯を活かしたアイ デアを打ち出せば、ターゲットにさらに届きやすくなりそうです。 009 1 2 ●作品評価 「かわいい」だけだとありきたりなところ、 「 何が悪い」 という開き直りがアクセントに なっています。曲紹介でも、単なる「かわいい」 とはひと味違うところを汲み取ってい けば、人を引きつけるアピールになります。ファッション雑誌での宣伝は、読者が求 める個性とマッチしたところに絞った方が、効果が期待できます。 0 1 0 Music Course ポピュラーカルチャー学部 ポピュラーカルチャー学科 音楽コース 3 4 5 6 7 011 小論文 【出題意図】 ある楽曲を聴いてもらい、与えられたテーマに沿って自分の意見をわかりやすく述べてください。その楽曲の特徴や、自分や世間の評価、 流行などとも関連付けながら、自身の考えを論じてもらうことが目的です。 学習の ポイント 解 説 音楽は歌詞やメロディだけでなく、楽器の音色や発声法、 ビートのノリ、音の組み合 一般的な小論文とは異なる点として、用意された音源を丁寧に聴いて適切に記述 わせ方といったさまざまな要素からできています。メロディが同じでも、歌い方や伴 することを重視しています。 といっても、 コード進行などの音楽理論や楽器について 奏のサウンドが変わることで、まったく異なる雰囲気が生まれます。そうしたサウン の専門的な知識は必要ありません。それよりも、個々の言葉がどの音のどういった ドの違いを的確にとらえ、わかりやすく言葉にできるかどうかが鍵となります。その 特徴を指しているのか、明確に伝わるよう意識することが肝心です。普段から幅広 説明と結び付けるかたちで、2つの音源からくる印象の違いを、論点を定めて説明 いタイプの音楽を積極的に聴くとともに、音楽を聴きながら言葉で書き表す練習を するとよいでしょう。 してください。その際、一つひとつの音の質感や動きに注意を向けましょう。例え ば、 ドラムの音がどのように響いているか、いろいろな音源を聴き比べながら言葉 で区別する練習を重ねれば、次第に特徴をつかめるようになるはずです。 2014年度公募制推薦入試 試験問題 時 間 1 時間 30 分 問 題 同じ楽曲を別のアーティストが録音した二つの音源 を聴いて、それぞれの音の特徴を比較しながら説明し なさい。また、その特徴の違いがどのような効果を 持っているかについて、自分の考えを述べなさい。 (合 計で1,000字程度) 【Track1】 Barrett Strong《Money (That s What I Want) 》1959年リリース 【Track2】 Flying Lizards 《Money (That s What I Want) 》1979年リリース 私が二曲を聞いた時に思った第一印象は「 B a r r e t t S t r o n g 」の 歌 っ た 方 は 、 明 る く楽しい曲 です。一方「 F l y i n g L i z a r d s 」の 歌 っ た 方 は 、 不 思 議 な 曲 で し た 。 歌詞もアイノテもほぼ同じ位置で入れているのになぜ全く別の曲のように聞こえてしまうのか・・・ 自分なりに分析してみました。 まず、分析の前に、「 B a r r e t t S t r o n g 」の 歌 っ た 曲 を B と、「 F l y i n g L i z a r d s 」の 歌 っ た 曲 を F とさせてください。 それでは2つの違いについてですが、 B は私が聞きとれる範囲ではタンバリン、ピアノ、ギター、 ドラムなどを使っています。つまり、一般的に有名な楽器ばかりでした。それに対し F は、金属を叩 いたような音、弦楽器のような音など何の楽器か特定できないものが多く入っています。これにより 、慣れしたしんだ音つまり、『安心して聞ける音』とよく分からない音つまり、『不安な音』との対 比ができます。これがまず一つ目の原因かと思われます。 次に歌っている人の歌い方に注目してみます。 B の方は、一人の男の人がメロディーを歌いその他 の人がアイノテを入れていました。皆で歌を歌っていると言えるでしょう。一方 F の方は、一人の女 性が語りかけるように、又は完全に音程を無視して歌っているようです。アイノテの音も 人の声 というよりも、 機械的な音 という方がいいと思います。つまり、まとめると、 皆でたわむれな がら歌う という『安心した音』と、 一人の女性が語りかけてくる という慣れない又は、『不安 な音』との対比ができます。これも原因なのではないでしょうか。 ここで話がまったく変わりますが、 B と F を聞いてイメージしてください。頭の中で二曲の P V を 作ってみてください。それぞれイメージはちがうと思いますが、とりあえず、私のイメージをきいて からもう一度二曲を聞いてみてください。 B は、広い荒地を一台の大きな車が走っています。その中では5∼6人の人々が楽しそうにあの曲 を演奏しています。ときにじゃれ合ったりしています。…とても楽しそうじゃありませんか。 F は、まっ白な部屋にキレイな女性が一人立っています。周囲には宇宙人がいます。その宇宙人た ちが地球で見つけてきた ドラム缶 や 三味線のようなもの を持っているんです。そしてならし ているんです。その音に女性も合わせて語ってみるんです。それだけじゃものたりない宇宙人たちが 自国の不思議な楽器を持ってきてならすんです。…すっごく不思議な音になるだろうし、女性は不安 じゃないでしょうか。 私の分析の結果、同じ曲でも全く違うものができます。でも、違う曲も同じように楽しめることを この二曲が教えてくれたと思います。 ●作品評価 まず2つの音源の印象を述べたうえで、それぞれに使われている音を説明し、その の記述に関しても、対比しやすい要素にうまく的を絞っています。一方、語りかける 説明をふまえて印象の違いを掘り下げる。 この構成が議論を明快にしています。音 ような文体のせいか、 ところどころ話の流れが間延びしているのが惜しいです。 0 1 2 Music Course ポピュラーカルチャー学部 ポピュラーカルチャー学科 音楽コース この二つの音源を聴いて、私は対照的なアレンジだと思った。同じ曲なのに全然違う曲に聴こえる 。二つの音源の音を特徴付けてみよう。 まず、ボーカルは T r a c k 1と T r a c k 2、それぞれ男性と女性である。それだけでこの曲が 人々に訴えかけるものの意味が変わってくるような気がする。お金(それは私が欲しいもの)と歌う この曲は、男性ボーカルが情熱的に歌うと、本当に切実な思いを感じる。女性ボーカルが話すように 歌っているのは、女の人がかわいく男性にお金をせびっているようだ。男性ボーカルに比べて熱さの ようなものはなく、余裕を感じる。次に、全体のサウンドだが、特徴的なのは T r a c k 1は純粋な バンドサウンドで T r a c k 2は電子音楽である。そして T r a c k 1は一発録りで T r a c k 2は 後からさまざまな音を足したように思った。 T r a c k 1は、タンバリン、ドラム、ピアノ、ベース 、ブラスなどアンサンブルで曲を構築している。 T r a c k 2は、音数は少ないが、随所に入る機械 的な効果音によって聴く者におもしろみを与えている。また、ヘッドホンの右と左の聴こえ方を意識 し、右から左に流れるように効果音が聴こえたりしている。 T r a c k 2はボーカルの反響や、ヘッ ドホンと右と左の聴こえ方によって聴く人が空間を感じるようになっている。そして、 T r a c k 2 は、女性ボーカルが話すように歌うため、休符が多いように感じるが、それは聴く者に色々な想像を させ、聴いていてあきることがない。 このニつの音源を聴いて、バンドサウンドと電子音楽という大きな特徴があったが、その特徴は、 この曲を聴く年齢層に違いが生じてくると思った。バンドサウンドは、主にバンドを始めた若い世代 、もしくは若い時にバンドをやっていた人などが聴きやすいと思う。純粋なアンサンブルが聴いてい て耳に入りやすいので、割とどの世代の人も聴きやすいとも思う。電子音楽は、あまり年をとった人 が聴くイメージはない。なぜかというと、電子音楽はディスコなどで踊っている時に流れているイメ ージが強いからだ。そして、加工された音を好まない人もいるからだ。だから、電子音楽は、バンド サウンドにあきたという、若いおしゃれな人たちが好むと思う。電子音楽は聴く年齢層を特定に絞る ことができると考える。若い人は情報の交換がしやすいのでよりはやるのではないだろうか。 ●作品評価 使われている音の種類だけでなく、音の左右への振り分けや空間的な広がり、音と 音の隙間といった側面まで、注意深く聴いて特徴を汲み取っています。個々の音につ いても、楽器名だけでなく響きの具体的な描写があるとなおよいです。聴き手の年 齢層に関する考察は、主張とその根拠が噛み合っていないのが気になります。 面接・作品審査 【出題意図】 持参した作品または試験会場での演奏について、説明を交えて自己アピールをしてもらいます。音・音楽についての関心、モチベーション、 作品の構想力、表現力、こだわりを持っているポイントなどについて問います。 共通学力試験 P003 013