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最近の米国経済について

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最近の米国経済について
情 報 報 告
シカゴ
●最近の米国経済について
○2014 年 4 月の米貿易赤字は前年比 16.9%増の 472 億ドルと拡大
商務省は、2014 年 4 月の貿易統計を 2014 年 6 月 4 日に発表した。輸出(サービスを含む国際
収支ベース、季節調整済み)は前月比 0.2%減(前年同月比 3.0%増)の 1,933 億ドルと 2 か月ぶ
りに減少に転じた。輸入は 1.2%増(同 5.4%増)の 2,406 億ドルと 5 カ月連続で増加し、過去最
高を記録した。その結果、貿易赤字は 6.9%増(同 16.9%増)の 472 億ドルとなり、2012 年 5 月
以降で最大となった。
財貿易の国際収支ベース(季節調整済み)で 4 月の赤字を見ると、前月比 5.2%増(前年同月
比 12.0%増)の 658 億ドルとなった。財輸出は同 0.4%減(同 2.9%増)の 1,351 億ドルとなり、
財輸入は、前月比 1.3%増(同 5.7%増)の 2,009 億ドルとなった。
財貿易を通関ベース(季節調整済み)で見ると、輸出では工業用原材料が前月比 0.6%増の 420
億ドルと増加したものの、それ以外のほとんどで減少した。食料品・飲料が 2.2%減の 119 億ド
ル、自動車・同部品などが 1.3%減の 127 億ドル、資本財が 0.7%減の 458 億ドルだった。一方、
輸入は工業用原材料が 0.6%減の 577 億ドルとなったものの、それ以外はそろって増加した。自
動車・同部品などが 3.4%増の 272 億ドル、消費財が 2.4%増の 475 億ドル、食料品・飲料で 1.9%
増の 108 億ドル、資本財が 1.8%増の 486 億ドルとなった。これら財全体の輸入額は過去最大と
なった。
主要貿易相手国・地域に対する財貿易赤字(通関ベース、季節調整前)は、対世界は前年同月
比 9.3%増の 668 億ドルとなった。輸出入とも増加に最も寄与したのは EU で、輸出では前年同月
比 11.2%増の 234 億ドル、輸入では 12.2%増の 374 億ドルとなった。さらに国別にみると、輸出
では英国が前年同月比 27.0%増の 44 億ドルと大きく伸び、韓国がこれに次いで、20.9%増の 39
億ドルとなった。輸入では、中国が前年同月比 9.6%増の 363 億ドルとなり、国別で輸入の伸び
に最も寄与した。携帯電話などが 48.6%増と伸びたことなどが大きい。
○2014 年 5 月の米小売売上高、前月比 0.3%増と堅調
商務省は 2014 年 6 月 12 日、小売統計(速報)を発表した。2014 年 4 月の小売売上高(季節
調整済み)は前月比 0.3%増(前年同月比 4.3%増)の 4,376 億ドルとなり、市場の予測(0.7%増)
を下回った。
「ニューヨーク・タイムズ」紙は、
「専門家の予測には達しなかったものの、経済が
ゆっくりと成長していることを示している」と報じた。また、「4 月、5 月の連続の伸びは、3 月
に勢いがついた消費動向が続いていることを示している」と分析する専門家もいる。
業種別にみると、13 業種中 6 業種で前月増となった。業種別にみると、自動車・同部品が最も
伸び、前月比 1.4%増の 888 億ドルとなった。次いで、建材・園芸用品が 1.1%増の 275 億ドル、
オンラインを含む無店舗小売りが 0.6%増の 395 億ドルとなった。一方、衣料は 0.6%減の 210
億ドル、総合小売りも 0.6%減の 549 億ドル、家電が 0.3%減の 88 億ドルだった。
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情報報告 シカゴ
また、前年同月で比較すると、自動車・同部品が 10.4%増と 2 ヵ月連続して 2 桁増となったほ
か、無店舗小売りが 7.4%増と伸びた。一方、スポーツ・娯楽品・書籍は 1.5%減と 5 ヵ月連続で
減少した。
○2014 年 5 月の米新車販売台数は年率換算で 1,677 万台を超える。
2014 年 5 月の全米新車販売台数は、160 万 8,693 台(オートデータ 6 月 3 日)となった。年率
換算台数(季節調整済み)は 1,677 万台と、市場予測(エドモンズ・ドット・コム)の 1,620 万
台を上回った。自動車専門調査会社ケリー・ブルー・ブックは「冬から積み上がった繰り越し需
要が販売台数を押し上げた」(ブルームバーグ 6 月 3 日)との見方を示した。
販売台数を車種別にみると、全ての車種が前年同月比で増加した。スポーツ用多目的車(SUV、
スポーツワゴンを含む)が 17.4%増の 51.3 万台、ミニバン・フルサイズバンが 16.7%増の 9.6
万台、小型乗用車が 16.0%増の 32.6 万台となり大幅に伸びた。一方、ピックアップトラックは
2.9%増の 20.5 万台にとどまった。
販売台数を主要メーカー別でみると、販売台数を主要メーカー別にみると、VW を除く各社が
前年同月比増となった。中でも日産が 18.8%増の 13.6 万台(シェア 8.4%)、トヨタは 17.0%増
の 24.3 万台(同 15.1%)、フィアットクライスラーが 16.7%増の 19.4 万台(同 12.1%)、起亜が
14.8%増の 6 万台(同 3.7%)、GM は 12.6%増の 28.5 万台(同 17.7%)と、前年同月比で 2 桁の
伸びを示した。また、フィアットクライスラーは 50 カ月連続、スバルは 30 カ月連続で対前年同
期比増と好調を維持している。
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