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最近の米国経済について

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最近の米国経済について
情 報 報 告
シカゴ
●最近の米国経済について
○2016年7月の米小売売上高は前月比 0.0%減の 4,577 億ドル
8月12日、米商務省は2016年7月の小売売上高(速報)を発表した。7月の小売売上高
(季節調整値)は、4,577 億ドル(前月比 0.0%減)となり、4ヵ月ぶりの減少となり、市場予測
(ブルームバーグ調べ)の 0.4%増を下回った。なお、6月の小売売上高は、4,570 億ドル(前月
比 0.6%増)から 4,579 億ドル(0.8%増)に上方修正された。
今回の結果について、大和キャピタル・マーケッツ・アメリカのチーフエコノミスト、マイケ
ル・モラン氏は「家計の買い控えというよりも、消費の好調なペースが小休止したものだと受け
止めている」と指摘した(「ウォールストリート・ジャーナル」紙 8 月 12 日)。また、RBS セキュ
リティーズのエコノミスト、ケビン・カミンズ氏は「少なくとも第 3 四半期の始まりとしては、
やや失望する内容だ」と述べ、「労働所得がカギだ。(消費者の)信頼感に変化はないようだ」と
している(ブルームバーグ 8 月 12 日)。
業種別に売上高をみると、ガソリン価格の下落などの影響を受けたガソリンスタンド(前月比
2.7%減の 333 億ドル)が、最大の押し下げ要因となった。食品・飲料(0.6%減、585 億ドル)、
スポーツ・娯楽品・書籍(2.2%減、78 億ドル)も落ち込みが目立った。一方、自動車・同部品
(1.1%増、932 億ドル)は堅調な伸びを示した。
○2016年7月の米消費者マインドは前月より 0.1 ポイント減の 97.3
7月26日、米コンファレンスボードは7月の消費者信頼感指数(※)を発表した。7月の消
費者信頼感指数は 97.3(前月比 0.1 ポイント減)と、市場予測(ブルームバーグ調べ)の 96.0
を上回った。
この結果に関してコンファレンスボードの経済指標ディレクターのリン・フランコ氏は「消費者
は現在の景況や労働市場について以前よりやや前向きだ。今後のビジネスや労働市場の環境、個
人所得の見通しについてはわずかに悪化している。消費者は短期的な成長については、慎重なが
ら楽観的な見方をしている」と述べた。しかし、2014 年 7 月以降、現況指数は緩やかに上昇を続
ける一方で、期待指数は緩やかな低下傾向が続いており、消費者マインドの「楽観姿勢」は限定
的で、より慎重度を増しているといえる。
(※)全米 5,000 世帯を対象に毎月、経済状態や雇用情勢についてアンケートし、結果を指数化
したもの。現況指数は経済、雇用の 2 項目、期待指数は 6 ヵ月後の経済、雇用、所得の 3 項目
の平均値で、信頼感指数は両者を合わせた 5 項目の平均値。
○2016年6月の米貿易赤字は前月比 8.7%増の 445 億ドル
8月5日、米商務省は2016年6月の貿易統計を発表した。輸出は(国際収支ベース、季節
調整済み)は 1,832 億ドル(前月比 0.3%増、前年同月比 3.8%減)
、輸入は 2,277 億ドル(前月
比 1.9%増、前年同月比 2.4%減)となり、貿易赤字は 445 億ドル(前月比 8.7%増、前年同月比
3.6%増)と増加した。なお、3月の貿易赤字は 411 億ドルから、410 億ドルへ下方修正された。
○2016年8月の米新車販売台数は前年同月比 4.1%減の 151.3 万台
9月1日、オートデータは、2016年8月の米新車販売台数は 151 万 2,556 台(前年同月比
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情報報告 シカゴ
4.1%減)と発表した。季節調整済みの年率換算台数は 1,700 万台となり、先月の 1,788 万台から
減少した。新車販売台数が前年同月を割ったのは 2016 年に入り 3 回目。主要メーカーの多くで販
売が減少したことなどから、好調が続いていた新車販売市場がピークアウトしたと指摘する専門
家も多い。
新車販売市場がピークアウトしたとの見方は、業界関係者の最近の年間販売台数の見通しにも
表れている。ゼネラルモーターズ(GM)は 2015 年の実績(1,747 万台)を下回る 1,730 万台と発
表し、ケリーブルーブックは 8 月に予測台数の下限を 1,750 万台から 1,740 万台に下方修正した。
トゥルーカー・ドット・コムによると、8月のインセンティブは前年同月比 7.7%増の 3,331
ドルとなった。
車種別では、スポーツ用多目的車(SUV)が伸びたものの、乗用車や主に米系メーカーのピック
アップトラックが減少した。小型トラックは前年同月比 2.5%増の 91 万 1,573 台となった。人気
の CUV が 5.0%増と伸びを牽引したが、今まで好調だったピックアップトラックは 1.9%減と落ち
込んだ。一方、乗用車は 12.6%減の 60 万 983 台となり、乗用車販売の約 9 割を占める中小型車
のうち小型車は 5.3%減、中型車は 19.4%減となった。
主要メーカーをみると、スバルを除き、全社が減少か横ばいとなった。各メーカーを販売台数
順にみると、ゼネラルモーターズ(GM)は、前年同月比 5.2%減の 25 万 6,429 台とマイナスとな
り、前年同月比で5ヶ月連続の減少となった。フォードは、前年同期比 8.8%減の 21 万 3,125 台
と減少。人気のピックアップトラックの F シリーズ(6.1%減)や中型乗用車のフュージョン
(32.6%減)などが軟調で足を引っ張った。トヨタは、5.0%減の 21 万 3,125 台となった。人気
の CUV の RAV4(8.6%増)などが引き続き好調で販売を牽引したが、乗用車のカムリ(12.6%減)
やハイブリット車のプリウス(26.9%減)などのマイナス分をカバーできなかった。
その他、フィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)は 2.4%減の 19 万 6,756 台、ホ
ンダは 3.8%減の 14 万 9,571 台、日産は 6.5%減の 12 万 4,638 台、現代は 0.0%増の 7 万 2,015
台、スバルは 14.7%増の 6 万 418 台、起亜は 7.9%減の 5 万 4,248 台となった。VW は、不正ソフ
ト搭載モデルの販売停止を受け、4.5%減の 4 万 9,126 台と 9 ヶ月連続で前年割れとなっている。
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