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最近の米国経済について

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最近の米国経済について
情報報告
シカゴ
●最近の米国経済について
5 月の既存店売上高、増加
国際ショッピングセンター協会(ICSC)は 6 月 3 日、大手小売店 31 社の 5 月の既存店売上
高(季節調整前)を発表した。前年同月比 2.6%増となり、ICSC の最終予測を若干上回った。
ICSC は当初、3.5%増を予測していたが、期待ほどの伸びがみられないことから、終盤にか
けて予測を 2.0~2.5%増に引き下げていた。
5 月は、ディスカウントストアや百貨店を中心に多くの小売店で売り上げが増えたものの、
ICSC の全体的な評価としては、
「不安定な回復を示唆」
「引き続く乱高下」など、回復が不安
定なことを示唆する表現が目立った。
業種別にみると、5 月は、ドラッグストアの売り上げが減少した(前年同月比 0.7%減)
。
そのほかは、衣料品専門店(2.0%増)
、百貨店(1.6%増)
、ディスカウントストア(2.0%増)
、
会員制量販店(8.7%増)と多くの業種で増加した。
一方、若者向け衣料品店の不調(2.5%減)が目立つ。衣料品専門店全体ではプラスに転じ
たものの、アバクロンビー(3.0%減)やアメリカン・イーグル(3.0%減)など、若者向け
衣料品店だけは 4 月、5 月とも低迷している。この理由の 1 つに挙げられているのが若者の
失業率の高さで、これも、気温の低下に加えて 5 月の売り上げを押し下げたマイナス要因と
受け止められている。
2010 年第 1 四半期環境関連ベンチャーキャピタル投資、増加傾向
環境技術に関する資金・市場動向を調査しているクリーンテック・グループ(サンフラン
シスコ)
によると、
10 年第 1 四半期の世界の環境関連 VC 投資は前期比 47%増の 21 億ドルで、
08 年第 3 四半期(27 億ドル)以来の 20 億ドル超に復活した。また、第 1 四半期の数字とし
ては過去最高となった。
地域別にみると、全投資額の 82%を占める北米が 17 億 2,000 万ドルとなり、北米内では
カリフォルニア州が圧倒的に多く(全体の 57%)
、オレゴン州(12%)
、マサチューセッツ州
(8%)が続く。北米以外では、欧州・イスラエルが 14%、中国が 4%、インドが 1%だった。
事業分野別にみると、最多の投資を集めた部門は輸送・交通技術で、投資額は 7 億 400 万
ドル(前年同期 2 億 3,700 万ドル)
、投資件数は 27 件(24 件)でともに過去最多だった。08
年には全投資額の約 60%を占めていた再生可能エネルギー(太陽光、風力、バイオ燃料など)
は 35%に下がった。中心となる太陽光発電への投資額も、08 年第 3 四半期の 12 億ドル(投
資件数 40 件)を境に減少傾向にある。ただし第 1 四半期は 4 億 1,600 万ドル(前年同期比
33%増)
、投資件数 29 件(71%増)とかなりの資金を集めた。太陽光発電の中では集光型太
陽光発電(CPV)が、シリコン・薄膜系太陽電池(PV)を抜いて最多の資金を集めたことが注
目される。PV は世界的に供給過剰と価格下落に直面し、利益が出にくい構造が続いている。
4 月の小売売上高、前月比 0.4%増
商務省は 5 月 14 日、4 月の小売売上高(季節調整済み)を発表した。前月比 0.4%増(前
年同月比 8.8%増)の 3,664 億ドルと、小幅ながら増加が続いた。
業種別では、全 13 業種のうち、6 業種が売り上げを伸ばした。前月(11 業種)に比べ売り
上げ増の業種は減ったものの、建材(前月比 6.9%増)が大幅に伸び、これが全体を押し上
げた。ほかには、自動車・同部品(0.5%増)
、ヘルスケア(0.9%増)
、ガソリンスタンド(0.5%
増)
、無店舗小売り(0.2%増)
、フードサービス(0.1%増)が増加した。
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第 2 回米中戦略経済対話
第 2 回米中戦略経済対話が 5 月 24、25 日に北京で開催された。米国側はクリントン国務長
官が戦略対話、ガイトナー財務長官が経済対話を主導、このほかロック商務長官やカーク通
商代表が参加した。中国側は戴秉国国務委員と王岐山副首相が参加した。
オバマ政権にとって 2 回目となる米中戦略経済対話。中国の為替政策や自主イノベーショ
ン製品認定制度が最優先議題となるはずだったが、先送りされた。韓国哨戒艦沈没事件や欧
州の債務危機など国際問題への対処を米国が優先し、議論の軸を安全保障へと移したのが理
由の 1 つといわれている。
多くの議論で進展がみられない中、合意あるいは前進したのはエネルギー・環境分野だっ
た。両国はブッシュ政権時代に結んだエネルギー・環境に関する 10 ヵ年枠組み合意に基づき、
エネフォーラムの開催などを約束した。また米国の国務省と中国の国家発展改革委員会の間
で、エコ・パートナーシップ枠組みを実行に移すための事務局の設置で合意した。
エネルギー省、長期見通しを発表
エネルギー省が発表した「2010 年エネルギー見通し」によると、現行制度を前提とした基
準ケースでは、一次エネルギー消費量は 08 年から 35 年にかけて年率 0.5%増のペースで拡
大する。同期間の平均経済成長率 2.4%を大幅に下回る伸びで、米国経済の省エネ化は毎年
1.9%のペースで進むことになる。日本が石油危機後の 10 年間で進めた省エネ(年約 5%)の
ペースと比べれば緩やかだが、米国の省エネ余地がいかに大きいかを示しているともいえる。
また、2035 年までに増加する発電量の 45%を再生可能エネルギーで賄う。再生可能エネル
ギーではバイオマスと風力がシェアを大きく伸ばす見通しだ。代替エネルギー自動車の販売
シェアは 35 年には 50%近くにまで高まる。20 年まではフレックス燃料車、マイクロハイブ
リッド車が市場をリードし、ハイブリッド車、ディーゼル車がそれを追いかけると見込んで
いる。
なお、今後の発電量増加分に占める再生可能エネルギーの存在感が高まるとはいえ、一次
エネルギー消費量全体でみると石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料にエネルギー源の大半
を依存する構図に大きな変化はない。シェアの低下が最も大きいのは原油で、ガソリン価格
上昇や自動車の燃費規制強化が大きく貢献する。
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