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最近の米国経済について

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最近の米国経済について
情 報 報 告
シカゴ
●最近の米国経済について
○2015年10月の米小売売上高は前月比 0.1%増の 4,473 億ドル
11月13日、米商務省は2015年10月の小売売上高(速報)を発表した。10月の小売
売上高(季節調整値)は、4,473 億ドル(前月比 0.1%増)となり、市場予測の 0.3%増(ロイタ
ー調べ)を下回った。エネルギー価格の下落や堅調な労働市場など消費を後押しする要因はある
が、慎重な消費行動が続いているというのが大方の見方だ。
なお、9月の小売売上高は、4,477 億ドル(前月比 0.1%増)から、4,470 億ドル(0.0%減)
に下方修正された。
業種別では、オンラインショッピングを含む無店舗小売りやフードサービスが伸びる一方、自
動車・同部品やガソリンが押し下げ要因となった。無店舗小売りが前月比 1.4%増の 414 億ドル
と、全体の伸びを牽引した。次いで、フードサービス(前月比 0.5%増)、建材・園芸用品(0.9%
増)、ヘルスケア(0.7%増)、家具(0.4%増)、スポーツ・娯楽品・書籍(0.4%増)となった。
一方、押し下げ要因となったのは自動車・同部品で、0.5%減の 939 億ドルだった。
○米消費者マインドは前月より 5.0 ポイント低下
10月27日、米コンファレンスボードは10月の消費者信頼感指数(※)を発表した。10
月の消費者信頼感指数は 97.6(前月比 5.0 ポイント減)となり、市場予測の 102.9(ブルームバ
ーグ調べ)を下回った。経済や雇用に対する厳しい見方が反映されたと見られる。内訳をみると、
現況指数は 112.1(9 月:120.3)、6ヵ月先の景況見通しを示す期待指数は 88.0(90.8)と、そ
れぞれ前月から 8.2 ポイント、2.8 ポイント下降した。
(※)全米 5,000 世帯を対象に毎月、経済状態や雇用情勢についてアンケートし、結果を指数化
したもの。現況指数は経済、雇用の 2 項目、期待指数は 6 ヵ月後の経済、雇用、所得の 3 項目の
平均値で、信頼感指数は両者を合わせた 5 項目の平均値。
○2015年9月の米貿易赤字は前月比 15.0%減の 408 億ドル
11月6日、米商務省は2015年9月の貿易統計を発表した。輸出は(国際収支ベース、季
節調整済み)は 1,879 億ドル(前月比 1.6%増、前年同月比 3.7%減)
、輸入は 2,287 億ドル(前
月比 1.8%減、前年同月比 4.0%減)となり、貿易赤字は 408 億ドル(前月比 15.0%減、前年同
月比 5.5%減)と縮小し、市場予測の 411 億ドル(ロイター調べ)を下回った。なお、8月の貿
易赤字は、483 億ドルから 480 億ドルに改定された。
財貿易のみでは、輸出が 1,273 億ドル(前月比 2.3%増(前年同月比 6.6%減)
)
、輸入が 2.3%
減(5.5%減)の 1,876 億ドルとなった。財貿易を主要財別(通関ベース、季節調整済み)にみる
と、輸出では消費財(前月比 8.1%増、170 億ドル)、資本財(2.0%増、453 億ドル)、食料品・
飲料(3.7%増、108 億ドル)、自動車・同部品など(1.3%増、129 億ドル)の順で増加に寄与し
た。一方、工業用原材料は 0.1%減の 352 億ドルとなった。また、輸入では、工業用原材料(前
月比 4.0%減、385 億ドル)、資本財(2.1%減、492 億ドル)、自動車・同部品など(2.8%減、288
億ドル)、消費財(0.9%減、514 億ドル)の順で減少に影響した。一方、食料品・飲料は 0.5%増
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の 107 億ドルだった。
原油の輸入額は 12.2%減少した。通関ベース(季節調整前)では 1 バレル当たりの輸入単価は
13.4%低下し、42.72 ドルとなった。輸入量は 5.5%増の 2 億 3,142 万バレルだった。
国・地域別の輸出では、カナダが 13.3%減の 232 億ドルと大きく落ち込んだ。鉱物油や自動車
および同部品、機械類などが押し下げ要因となった。次いで、ブラジルが 28.3%減の 26 億ドル
と不振だった。一方、ドイツや英国などが伸びたことで、EU への輸出は 3.9%増の 228 億ドルと
好調だった。また、中国は自動車・同部品が伸び、1.2%増の 94 億ドルとなった。
また、輸入を国・地域別にみると、EU や中国を除き、多くの国や地域で減少した。中でも、カナ
ダが 18.0%減の 251 億ドル、OPEC が 50.2%減の 54 億ドルとなるなど、産油国の落ち込みが目立
った。一方で中国の輸入額は 1.7%増の 457 億ドルと月額としては過去最高になった。
対日貿易は、輸出が前年同月比 13.9%減の 47 億ドル、輸入が 8.5%減の 99 億ドルとなり、貿
易赤字は 3.0%減の 52 億ドルだった。
○2015年11月の米新車販売台数は前年同月比 1.3%増の約 132 万台
12月1日、オートデータは、11月の米新車販売台数は 131 万 9,299 台(前年同月比 1.3%
増)と発表した。季節調整済みの年率換算台数は 1,819 万台と 3 ヵ月連続で 1,800 万台を超え、
引き続き、新車販売が好調であることを示す結果となった。サンクスギビング後のセール期間で
あるブラックフライデーでの好調な販売や引き続きのガソリン安などが伸びをけん引したものと
見られる。各社が販売促進のために提供したインセンティブの 11 月の平均は 3,066 ドルと、前年
同期比 172 ドル増にとどまったが、ブラックフライデーのセールでは、一部の車種に対する大幅
な値引きや利息なしの自動車ローンの提供サービスなど強力なインセンティブが提供された、と
専門家はみている。
車種別では、小型トラックが前年同月比 9.7%増の 77 万 2,986 台、乗用車が 8.6%減の 54 万
6,313 台となった。小型トラックでは、ミニバン・フルサイズバンが 15.4%増の 7 万 4,687 台、
スポーツ用多目的車(SUV、スポーツワゴンを含む)が 11.9%増の 49 万 8,830 台と大きく伸びた
一方、ピックアップトラックは 2.9%増の 19 万 9,469 台と小幅な伸びにとどまった。
乗用車では、
大型・高級乗用車が 11.5%減の 9 万 1,893 台、小型乗用車が 8.7%減の 20 万 9,404 台、中型乗用
車が 7.3%減の 24 万 5,016 台といずれも減少した。
主要メーカー別では、ホンダと VW を除き、各社とも前年同月より増加した。
各メーカーを販売台数順にみると、GM は 1.5%増の 22 万 9,296 台となった。シボレーブランド
のピックアップトラック「コロラド」や「シルベラード」
、クロスオーバーSUV(CUV)「トラック
ス」など、好調な車種の傾向は変わっていない。
トヨタは、3.4%増の 18 万 9,517 台だった。CUV「RAV4」、中型乗用車「カムリ」とレクサスブ
ランドの CUV「NX」が伸び、同社の全米シェアは 9 ヵ月ぶりにフォードを抜いて 2 位となった。
また同社は 11 月、「RAV4」のハイブリッド車の米国販売を開始し、話題となった。
フォードは、0.3%増の 18 万 6,889 台と微増にとどまった。フルサイズバン「トランジット」、
ピックアップトラック「F シリーズ」など小型トラックが伸びたものの、中型乗用車「マスタン
グ」「フュージョン」など人気モデルが減少した。
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フィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)は、3.0%増の 17 万 5,974 台だった。販売
台数は 11 月として最多で、前年同月比は 68 ヵ月連続の増加となった。ジープブランドの CUV「レ
ネゲード」や「パトリオット」などが伸びを押し上げた。
ホンダは、5.2%減の 11 万 5,441 台となった。人気車種の CUV「CR-V」が不調だったことが押
し下げ要因の 1 つだった。
日産は、3.8%増の 10 万 7,083 台だった。CUV「ローグ」が 49.8%増と伸びたことが押し上げ
要因となっている。
現代は、11.8%増の 6 万 7 台となった。小型乗用車「エラントラ」
、CUV「ツーソン」など、乗
用車、小型トラックともに好調だった。
スバルは 1.8%増の 4 万 6,070 台で、47 ヵ月連続で前年同月比増となった。小型乗用車「イン
プレッサ」と CUV「クロストレック」が伸びを押し上げた。
起亜は、1.4%増の 4 万 5,553 台となり、小型乗用車「ソウル」、CUV「スポーテージ」の増加が
同社の伸びを牽引した。
VW は、16.3%減の 4 万 834 台と大幅に減少した。一連のいわゆる不正ソフト搭載問題の影響が
表れた形だ。同社は 11 月 2 日、環境保護庁(EPA)から、大気浄化法に対する 2 回目の違反通告
を通達された。これを受け、VW はディーラーに対し、新たに対象となる 2013~2016 年モデルの 3
リッターディーゼルエンジン搭載車種の販売を停止するよう伝えている。
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