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特別活動(PDF:271KB)

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特別活動(PDF:271KB)
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特別活動
学級活動の現状と課題
(1) 児童生徒の自主性・自発性を大切にする指導
東日本大震災発生後 、「被災地の友だちを励まそう」と千羽鶴を折って、励ましの手紙ととも
に被災地の学校を訪問した小学校があった。また 、「みんなで一歩を踏み出そう」をテーマに学
級でボランティア活動を計画し、支援物資や義援金を募ったり実際に被災地を訪問したりした中
学校があった。どちらの活動も児童生徒の自発的な思いから始まった活動であったが、外部講師
を招いて被災地の現状についての理解を深めたり、道徳の時間で「相手の気持ちを考えること」
についての意識を高めたりと、教師による適切な単元指導計画の下に活動が進んでいた。これに
より、これら一連の活動が単なるボランティア活動に終わらずに 、「望ましい集団づくり」に結
びつく活動となった。なお、対外的な活動を行う際には、保護者への事前説明を十分に行うと同
時に、児童生徒の安全確保について綿密な準備と最大の注意を払うことが必要である。
(2) スキルの習得で終わらない指導
話合い活動を円滑に進めるための手立てとして、Q-U検査の分析結果から児童生徒の人間関
係を十分に踏まえた上で 、「構成的グループエンカウンター」や「ソーシャルスキルトレーニン
グ」を学級活動に取り入れる学校が増えてきている。しかし、それらの活動が中心となってしま
い、十分な話合い活動が行われない場面も見られる。大切なのは、例えば「あったか言葉を使お
う」の授業で、友達に話しかける場面を設定してソーシャルスキルトレーニングを行ったとして
も、それで終わらずに、その活動を基に集団による話合い活動を行うことである。そして授業の
終わりには 、「私は明日からあったか言葉を使うようにするぞ!」といった個人目標の自己決定
(ねらいによっては、集団目標の集団決定)の場を設定することである。
2
児童会・生徒会活動の現状と課題
(1) 学校行事への協力
運動会や体育祭、文化祭の計画の一部を児童会や生徒会に担当させたり、その組織を活用して
実際の運営に参画させたりしている学校が多く見られる。児童会・生徒会活動として学校行事に
関わらせることで児童生徒相互の連帯感が深まり、活躍の場も大きく広がっている。しかし、そ
のような場合でも、単なる「仕事の分担」にとどめることなく、活動の意義等について教師によ
る適切な指導助言を行うことが重要である。そうすることで、児童生徒の学校行事への積極的な
参加を促し、その他の児童会・生徒会活動の充実につなげるようにしたい。
(2) 縦割り班による異年齢集団活動の導入
児童会活動の一環として、縦割り班による異年齢集団活動を積極的に取り入れている小学校が
多い。下学年を思いやる気持ちが芽生えたり、上学年としての責任感が育まれたりと、上学年児
童にとって有意義な活動となっている。
3
クラブ活動[小学校]の現状と課題
~
活動意欲を高める工夫
~
児童の活動意欲を高めるために、児童が希望するクラブについて前年度中にアンケート調査を実
施し、それを新年度のクラブ開設に生かしている学校がある。また、児童の希望の他に地域性や教
師のスキルを生かして、特色あるクラブを開設している学校も多く見られる。なお、年間を通して
児童の興味・関心を持続させるためにも、年度の終わりにクラブ発表会・展覧会等を計画し、日頃
のクラブ活動の内容を学校全体に披露する場を設定する等の工夫が望まれる。
- 78 -
経営教育課程学習指導道徳教育総合学習生徒指導キャリア人権教育健康安全特別支援へき複式生涯学習生涯スポ講演記録
第5章
特色あるクラブ活動の例
ク ラ ブ 活 動 実 施 時 数 ご との 学 校 数
17
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
学
校
数
13
12
7
7
3
1
0
14
15
16
17
18
19
20
21
1
22
年間 時数
学校行事の現状と課題
(1) 宿泊体験活動の充実
校外の豊かな自然や文化に触れる体験を重視し、宿泊体験活動を積極的に取り入れている学校
が増えてきている。発達の段階を考慮し、学年に応じて宿泊先や宿泊期間、活動内容等を工夫す
ることで、児童生徒は集団生活の在り方や、公衆道徳などについて望ましい体験を積むことがで
きている。実施に当たっては、各教科等との関連を図ることが大切であるが、通常の学校生活で
行うことのできる活動はできるだけ除き、その環境でしか実施できない教育活動を豊富に取り入
れるような工夫が必要である。
[集団宿泊活動の実施状況] ※1泊2日以上、修学旅行を除いた数
学年ごとの宿泊体験活動実施校数
活動内容
○自然に親しむ(156校)
○社会奉仕(3校)
○職業感・勤労意識(1校)
○文化・芸術(11校)
○異地域・異文化交流(0校)
○その他(3校)
70
58
60
50
学 40
校
数 30
27
17
20
10
13
11
4
4
宿泊日数
9
1
0
小学1年 小学2年 小学3年 小学4年 小学5年 小学6年 中学1年 中学2年 中学3年
○1泊2日(66校)
○2泊3日(108校)
○3泊4日(0校)
○4泊5日(0校)
○5泊6日以上(0校)
本地区では、多くの学校が2泊3日で「自然に親しむ活動」を行っており、主な宿泊先は「と
ちぎ海浜自然の家 」「大田原市ふれあいの丘 」「なす高原自然の家 」「那須甲子青少年自然の家」
であった。また 、「宇都宮冒険活動センター 」「休暇村那須 」「学校の体育館」に宿泊した学校も
あった 。なお 、本年度は東日本大震災の影響で 、やむを得ず宿泊体験活動の実施を取りやめたり 、
宿泊数を減らしたりした学校が見られた。
(2) 小中連携、地域との連携を目指した取組
児童生徒が主体となって実行委員会を組織し、小中合同で運動会や文化祭、スポーツ大会を開
催したり、小・中学校が連携して数10kmにも及ぶ強歩を実施したりしている校区がある。また、
実際の運営では、保護者や地域住民がボランティアとして参加するなど、学校と地域が一体とな
って活動している。教育効果を上げるためには、学校の教育活動について積極的に地域の人々に
理解してもらうことが大切であり、そのためにも、開催期日を考慮するとともに、地域の伝統文
化や地域行事との関連を図りながら学校行事を計画するようにしたい。
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特別活動総合学習生徒指導キャリア人権教育健康安全特別支援へき複式生涯学習生涯スポ講演記録
4
○郷土芸能クラブ
○自転車クラブ
○スポーツ・相撲クラブ
○華道・茶道・書道クラブ
○ワールドクラブ
○演劇クラブ
○太鼓伝統クラブ
○シネマクラブ
○新聞クラブ
○ダンスクラブ
○体操クラブ
○テニスクラブ
○木工クラブ
○ミュージッククラブ
経営教育課程学習指導道徳教育
[各校の年間時数の現状] ※3年生から活動している学校が6校、そのうち、2年生も活動(1時間のみ)している学校が1校
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