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外交団による福島県視察ツアー(平成23年11月)(PDF)
外交団による福島県視察ツアー ~地域の魅力発信ツアー特別企画~ 平成 23 年 11 月 7 日 地方連携推進室長 古沢洋志 当室では、駐日外交団に対し、日本の各地域が持つ「強み」や「特色」への理解を深 めてもらうことを目的として、地方自治体との共催で「地域の魅力発信セミナー」 (於: 外務省講堂)を平成20年度から既に9回開催してきました。かかるセミナーに参加し た外交官よりの要望を受け、昨年度より、実際に地方を視察するツアーを実施し(既に 愛知県、大阪府堺市を訪問)、外交団の間で好評を博しています。 今年度は初回の「特別企画」として、東日本大震災の被災地復興支援、観光促進、更 には風評被害対策を目的として福島県を視察することを決定しました。今企画には、福 島県国際課の多大な協力を得、在京外交団14名を招待し、10月26日、27日の1 泊のツアーを実施しました。外交団の参加国は、米国、カナダ、オーストラリア、EU、 南アフリカ、フィンランド、ロシア、クロアチア、エジプト、レソト、ナミビアの10 ヶ国1代表部です。視察先は、(1)被災しながら復旧しつつあるアクアマリンふくし ま(水族館)、 (2)30年以上全国一位を誇る安積黎明高校のコーラス部との交流(注: 訪問した翌々日、同コーラス部は全国コンクールに出場し、堂々金賞を受賞)、(3) 野口英世記念館、(4)難攻不落の名城で知られる鶴ヶ城、(5)江戸時代の宿駅とし て栄えた大内宿の視察等でした。初めて福島を訪問するこれらの外交団にとっては、新 聞で報道されている、放射性物質の「仮置き場」や「中間貯蔵」等からは離れた地域の 視察であったにせよ、福島県の現状の断片を十分垣間見ることが出来、極めて有意義か つ有益な視察となりました。 ここで、かかる視察ツアーに参加したエジプト大使館のエル・エトレビー公使による 当室長宛謝意メールの一部を紹介します。 「今回外務省に招待いただいた福島県視察ツアーは、自分(エトレビー公使)にとっ て福島県の文化、経済、教育そして自然などの知識を飛躍的に向上させることができた 大変貴重な経験であった。また、この機会は我々にとり、福島県が3月11日から直面 している、原発災害を含む震災全体への地道な努力に溢れた対応を目のあたりにするこ とが出来るこの上ない機会であった。福島の方々の、困難を克服しようとする姿は、福 島県だけでなく日本という偉大な国の国民が、困難から立ち上がろうとしていることを 強く感じさせた。」 1 初日の視察を終えた夕刻、宿泊先の旅館で外務省主催にてレセプションを開催させて 頂きました。そこには、ご多忙を極めておられる佐藤福島県知事をはじめ、佐藤県議会 議長訪問先の各市長、町長、商工会議所連合会会長等多くの地元の名士の方々が駆け付 けて下さり外交団を歓迎して下さいました。そのお陰をもって立派な会を催すことが出 来、主催者側としては大変喜ばしく思った次第であります。 このレセプションでは、冒頭主催者側を代表し、實生(みばえ)不拡散・科学原子力 課長が、この外交団視察ツアーを外務省と福島県が共催で実施出来た意義につき述べた 後、佐藤知事がご挨拶の末尾に外交団へのアピールとして、「帰京後、『福島は元気で ある、訪問しても問題ないところである』ということを是非とも、同僚、友人、自国の 政府関係者、更には自国民に報告して欲しい」と強調されました。次に、外交団を代表 して、ナミビア臨時代理大使から「福島県が最悪の状況にあり、苦難に立ち向かうと共 に県民の生活の維持、地域社会の存続、県の運営等で多忙を極めておられる佐藤知事、 並びに県議会議長に、かかるレセプションに参加して我々外交団を歓迎して頂いたこと に対し、深謝を表したい」、「諸外国は、日本国民が示している国難に屈服しない『精 神』、他に類のない『勇気』に対し深い敬意の念を有しており、またこれらの日本人が 再びより強固かつより素晴らしい日本を創りだすことを確信するものである」旨返礼が ありました。 帰路、新幹線の新白河駅までのバスの中で、私から外交団に対し、今回のツアーへの 参加に対する謝意を伝えると共に、佐藤知事などの意を受け、外交団への「宿題」とし て、「同僚や本国に今回の視察ツアーに関し報告して欲しい」旨改めて要請しました。 かかる要請に対し、一部参加者からは、帰京後直ちにツアーに関する本国への報告の写 を私信にて転送してくれました。今回はこれまでにも増して参加外交団全てが、心温ま る、人情味溢れる外交官であったことも、ツアーの成功に繋がったことは間違いありま せん。 最後に、これらの視察先の企画・実施に当たっては、本庁国際課の阿部課長はじめ、 多くの関係者の方々に多大なご尽力を頂いたことに対し、改めてここで謝意を表しま す。また 今回のツアーを通し、通訳をしてくださった多くの方々にも謝意を表します。 彼らのサポートなしでは、これほどの成果は生まれなかったと確信しています。 2