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「『生活習慣づくりカード』を生かして、生活習慣を向上させる取り組み

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「『生活習慣づくりカード』を生かして、生活習慣を向上させる取り組み
≪PTAによる子どもの生活リズム向上事業(2年目)≫
「『生活習慣づくりカード』を生かして、生活習慣を向上させる取り組み」
~生活習慣の確立が学力を高める~
八頭町立隼小学校愛育会
1
はじめに
~毎年見直し
バージョンアップする「生活習慣づくりカード」~
本校は、県下唯一の50メートルプール
を持つ小学校です。水泳指導の伝統を守る
ために、栄養バランスのとれた食事と睡眠
時間の確保を意識し、体力作りの一環とし
て生活習慣づくりカードを使っての早寝早
起きの呼びかけが10年以上続いています。
毎年、前年の反省を生かして試行錯誤しな
がら取り組んでいます。
本校は、家庭数が28家庭と少なく、全
員が総務社会部と人権教養部に分かれて
愛育会活動(本校でのPTA活動の呼び名)を行っています。ですから、部会の話
し合いにおいても半数以上の家庭の意見を聞きながら進められるという利点があり
ます。
今年度初めにも、昨年の取り組みを振り返り、今年度の方向性について話し合い
を行いました。昨年度は生活習慣づくりカードの2週間の取り組みを年間2回行い
ました。2週間行うことで習慣化を図ったのですが、実際は親も子も2週目になる
と意識が薄れ、逆に効果が半減してしまうという反省の意見が多く、今年度は1週
間の取り組みにしました。また、学期に1度はやらないとなかなか意識の継続がで
きないという意見から年間3回行うことにしました。このように、少人数の学校だ
からこそできる各家庭の生の声を生かした取組につながっています。
2
活動内容
~親子で意識して臨む生活習慣づくり~
(1)生活習慣づくりを意欲的に取り組むための「缶バッジ」
昨年度より、「生活習慣づくりカード」優秀者には、賞状と缶
バッジを会長から授与しています。缶バッジのデザインは隼らし
さを生かしたオリジナルで、保護者の一人がデザインしました。
昨年度の2回(6月、11月)と今年度の1回目(6
月)の結果、予想以上にたくさんの優秀者があり、缶バ
ッジを再度追加注文するほどでした。子どもたちの評判
もよく、生活習慣づくりカードの意欲づけの一つとなっ
ています。
第1回の生活習慣づくり調査は、結果を分析し、お便
りで各家庭にお知らせしました。
平成26年6月
生活習慣集計結果と夏休みに向けて
6月16日( 月) ~22日( 日) の調査( 100%回収)
愛育会 総務社会部
* 割合は、○の人数×日数で出しています。
◎低学年は9時、中学年は9時30分、高学年は10時
◎自分で決めたお手伝いを進んでした
までにふとんの中に入った児童の割合
児童の割合
100
100 (%)
(%)
80
80
60
60
40
40
20
20
0
0
1年
2年
3年
4年
5年
1年
6年
就寝時刻については、船岡中学校区で共通して取り組
んでいます。「低学年の9時は、家の人の都合でむずかし
かった。」という意見もありました。時刻は意識しているも
のの10~15分間オーバーの人もかなりありました。
就寝時刻を守るには、お家の人の協力も必要です。夏
休みには、ラジオ体操もあります。早寝早起きのよいリズ
ムがつきますよう声かけをお願いします。
2年
3年
4年
5年
6年
自分の役割が常に果たせ、家族から便りにされている
児童が多くいました。進んで働くことを低学年から意識
し、家庭の中で役割を持って生活させていただきありが
たいです。一方、水泳シーズンまっただ中のためか、疲
れていてあまりできなかったという児童もいました。
「助かったよ。ありがとう。」など家の人の声かけが励み
になります。夏休みにも継続して声かけをおねがいしま
す。自分の仕事(お手伝い)を果たし家族に認められるこ
とで、自尊感情も高まります。
◎1日3回3分間歯みがきをした児童の割合
18
100 (%)
80
(人)
13
60
8
40
3
20
0
-2
1年
2年
3年
4年
5年
6年
朝の歯みがきと休日の昼の歯みがきが課題の児童が
ありました。夏休みも忘れずに1日3回の歯みがきを心が
けましょう。歯科衛生士さんのお話では、「小学3年生ま
では、しあげみがきを保護者でしてほしい。」とのことでし
た。
0~5
5~10
10~15
15~
時間
「テレビやゲームの時間は2時間まで」の隼小学校のめ
あてについては、平日にはほとんどの児童が守れていま
す。休日の前や休日は個人差がありました。親子で話し
合ってめあての時間をしっかりと守ろうと意識している児
童も多くいます。夏休み中は自由な時間が増えます。一
日の生活の計画を立て、テレビ・ゲームの時間の約束を
家庭でしっかりと確認しましょう。やずっこの日など親子で
中間の振り返りをしてみてください。
集計結果から
昨年度2週間続けて年2回にした生活習慣づくりカードの取り組みを今年は1週間ずつ3回に戻して、よりよい生活
習慣づくりの意識化が図れるようにしました。今回のスローガンを『テレビを消して親子で○○しよう』とし、テレビや
ゲームを消して各家庭で、工夫して過ごしていただきました。
その内容は、「読書・会話・今日の出来事を話す・学習・自学・ランニング・運動・野球・味わって食事・ふれあう時
間をふやす・ふれあい(トランプ・絵本など)・・・」などがありました。ゲームやテレビの時間を減らし、有効な時間を過
ごせたようです。
夏休みもよい習慣をつづけましょう。
(2)親子で作るオリジナル「生活習慣カルタ」
今年は、生活習慣に関わる題材で、 親子
カルタ作りにチャレンジしました。
「あ」~
「ん」までを、1年生から順に児童全員に
担当する文字を振り分けました。児童数よ
りも平仮名の数の方が多いので、先生方に
も担当していただきました。児童は、用紙
を家に持ち帰り、親子で読み札の言葉を考え、
取り札の絵を描いてきました。先生方の中
にも、親子で作ってくださった方もあった
そうです。
多くの方を巻き込み、できあがったカルタは隼小学校の宝物です。できたカル
タを部員と先生方でラミネートする作業を行ったとき、あまりの力作揃いにみん
なが感心しました。読み札を読んでは「なるほど~」とうなり、取り札の絵を見
ては、「かわいいなあ」と笑顔になりました。
カルタ作りを通して、生活習慣について親子で 頭を悩ませたり、協力して作っ
たりしたことは、親子で、
「生活習慣づくりを一緒にがんばろう」という気持ちを
高めることにもつながったと思います。 今後、このカルタは、隼っ子フェスティ
バルで掲示され、1月には児童の校内カルタ大会が予定されています。
(3)講演会を親子一緒に聴こう!考えよう!取り組もう!
昨年度より、参観日の後の講演会 などは親子で一緒に聴くことができる内容に
しようということで実施しています。
昨年度はメディアについて親子で講演を聴きました。子どもたちにとっては、
少し難しい内容もあったかもしれませんが、親子でメディアに関する共通認識が
でき、帰宅後に講演の内容について話し合うなど、親子で取り組んでいこうとい
う意識 を高 め る こと が できま し
た。
メデ ィ アと の 接触 時 間 が親 子
とも多 くな って いる 現 状から 、
今年度 は拡 大学 校保 健 委員会 と
して、同じテーマで親子を分け、
それぞ れに 合っ た 話 を 聞き、 そ
の後親 子で 話し 合う と いう 企 画
にしま した 。 こ れは テ レビや ゲ
ームと上手につきあい、
「早寝早
起き」 が実 践で きる よ う に親 子
で考え る機 会に して ほ しいと 願
ってのことです。
3
おわりに
隼小学校のよさは,伝統の水泳活動を中心に、児童、親、先生が同じ方向を見
て共に歩んでいることです。今回の生活習慣の取り組みも 、みんなで同じ方向を
見て取り組めたことが大きな成果だと 思います。環境は、児童の生活習慣の確立
に大きな影響を及ぼします。日々の生活習慣が確立されることで、自ずと学力も
高まっていくと考えているので 、最も近くにいる私たち親の努力が必要だと考え
ています。
ですから、私たちが行ってきた取り組みに共通するのは、 子どもだけががんば
るのではなく、親もしっかりと考え、共に取り組んでいくことで した。正直、毎
日が忙しく、子どもに合わせた生活をすることは大変厳しい ことです。しかし、
1日に1回は家族そろって食事をとるように努める など、できる範囲で親も一緒
になって子どもの生活習慣を確立するために努力していくことが大切だというこ
とを改めて感じました。また、親が一生懸命になって取り組んでいる姿こそが、
子どもに生活習慣の大切さを理解させる近道だと思います。 そして、その親の思
いが子どもに伝わることによって、より一層親子の絆が深まり、 子どもの学力が
つき、心が育っていくことを信じて活動してきました。そして、それぞ れの取り
組みを支えるのが親同士のつながり、つまり愛育会活動(PTA活動)の充実だ
と思います。今後も支え合える 仲間づくりに力を入れながらがんばっていくとと
もに、子どもとともにがんばろうとしている 親の姿を子どもたちにみせていきた
いです。
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