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拡大する米国ネット販売
No.2011-006 2011年4月18日 http://www.jri.co.jp 拡大する米国ネット販売 ~ 広告市場ではテレビに次ぐ主要媒体に ~ (1)近年、米国では無店舗販売が急成長。2011年1~3月期の売上高は984億ドルに達し四半期 当たり千億ドル売上が目前に(図表1)。小売売上高に占めるシェアも8.5%に上昇。ほぼ 1割を占める主要販売ルートに。 (2)無店舗販売は、このところの消費拡大の原動力。店舗種類別に11年1~3月期の小売売上高 の前年差増加額をみると、値引き攻勢で販売好調な自動車や価格上昇で売上シェアが拡大し たガソリンに次いで第3位(図表2)。第4位の飲食店が55億ドル増加に対し、無店舗販売 は123億ドルに上り、4位以下を大きく凌駕。 (3)背景には、ガソリン価格の高騰に伴いGMSなど店舗往復のコストが増加するなか配送費 の値引きが拡がる一方、無店舗販売では店舗コストが不要な分、総じて商品の価格帯が低く、 消費者の支持が拡大という情勢変化。 (4)消費行動変化の影響は広告市場にも波及。インターネット広告が台頭(図表3)。07年に ケーブルテレビやラジオを、10年には新聞を追い越し、第1位のテレビに肉薄。インターネ ット広告の内訳をみても、かつてはパソコンや旅行の予約など規格化された商品やサービス での利用が中心であったものの、近年では幅広い商品・サービスが俎上に(図表4)。近年、 米国のみならず国際的にも普及が進むグループ購入で破格の安さを提供するネットサービス も無店舗販売やネット広告の拡大を後押し。従来のパソコン利用型に加え、移動型通信端末 向けの広告で急成長の兆し。 (図表1)無店舗売上高と総小売売上に占めるシェア 10 (百億ドル) (%) 無店舗売上高(左目盛) シェア(右目盛) 9 9 (10億ドル) 28 (百億ドル) 21 前年差(①-②、左目盛) 2011年1~3月期(①、右目盛) 2010年1~3月期(②、右目盛) 24 8 8 7 7 6 5 6 15 16 12 12 9 8 6 4 3 0 0 電化製品 書籍な ど 家具 衣料品 そ の他 GMS 健康関連 住宅機器 食 品 ・飲 料 飲食店 無店舗 5 09 10 11 (年/期) 18 20 ガ ソリ ン 自 動 車 ・部 品 4 30 2001 02 03 04 05 06 07 08 (図表2)店舗種類別売上高 (資料) US Dept. of Commerce “Survey of Current Business” (資料) US Dept. of Commerce “Survey of Current Business” (図表3)主要形態別広告売上高 (図表4)インターネット広告の分野別内訳 5 (百億ドル) 12 (億ドル) (億ドル) 前年差(①-②、左目盛) 2009年(②、右目盛) 2010年(①、右目盛) 10 新聞 インターネット ラジオ ケーブルテレビ テレビ 4 3 8 2 1 50 40 6 30 4 20 2 10 0 0 -10 ▲2 09 10 (年) (資料) Interactive Advertising Bureau “Internet Advertising Revenue Report” 娯楽 08 メデ ィア 07 レジ ャー 06 贈答品 05 PC 04 自動車 03 (資料) Interactive Advertising Bureau “Internet Advertising Revenue Report” 金融 2001 02 通信 小売 0 60 《ご照会先》日本総研調査部 藤 井([email protected]、03-3288-4615)