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レポートでの多い間違い例
有機化学1 今までに提出されたレポートでの多い間違い ★ 共役酸の酸性度の比較ができていない Point ! → つまり、H + H を出せるものが、酸である(基本中の基本) + を持ってなければ酸ではない ̶ ̶ たとえば、以下の2つの反応の脱離基は F と Br であり、共役酸は HF と HBr ̶ ̶ ̶ ̶ + 従って、酸の強さは Br >F とような説明は間違い(Br も F も H を持ってないから) 正しくは、共役酸の強さは HBr>HF とような説明になる なお、問題中には pKa は与えられていないので、pKa なしで説明できるように! Ph H F Ph Ph CH2CH3 SN1反応 H 2O H 3C H3CH2C + F OH Ph H Br CH2CH3 SN1反応 H2O H3C H3CH2C + Br OH ★命名の基本となるアルカン名が書けていない → 炭素数1から10までのアルカンは必ず書けるように。 アルカンを置換基にする場合は、最後の ane を yl にかえるだけ。 例 methane → methyl cyclopentane h の有無については特に誤りが多い 例:buthyl → cyclopentyl → butyl 官能基では、アルカン名の e を接尾語(ol, al, one など)にかえるだけ。 例 methane → methanol H H C H cyclopentane → cyclopentanone H H H C OH C O H butanone(正しい)を butone(誤り)と書く誤答が多いので注意しましょう。 官能基の優先順位は アルデヒド > ケトン -al -one oxooxo- > アルコール -ol 接尾語 hdroxy- 接頭語(他に優先される官能基がある場合はこれを使う) ★共役酸が書けていない 同じ問題で、何回も同じ誤りをしている学生が多数います。 H H+ O H O+ H H H 水の共役酸 + 共役酸:元の分子やイオンに H をつける。例: - H+ O H H H O- 水の共役塩基 + 共役塩基:元の分子やイオンから H を取り去る。例: ★炭素数の誤り O O O HN(CH3)2 N(CH3)2 NH(CH3)2 共役付加 1炭素少ない 結合数も誤り ★結合数の誤り 毎度、注意していますが、まだまだ多い誤りです。 O N NH2OH H OH C 結合が足りない など 還元でも多い ★結合位置の誤り O CH3COCl AlCl3 CH3CO 反応はカルボニル炭素に起こる CH3 このように、略さずに 書くと誤りがない 結合数が多い 直接結合しているのは 酸素原子である Ph H H3C Cl CH3 H CH3COOH3C 反応するのは酸素原子である CH3COO OH CH3 H H OH Ph 3 ★ sp 炭素の立体構造の書き方 今更ですが、 と 正しい書き方 の基本的な使い方ができていない学生が多数います。 Ph 109.5˚ Ph H H HO CH3 H3C OH 立体的に考えましょう。 3 sp 炭素の結合角は約 109.5̊(四面体構造)なので、以下の書き方は誤り 誤り Ph H CH3 (同じ側に書く) OH 誤り と は延長線 より左側に書いて! Ph H H3C OH や は隣り合ってないといけない 実線をまたいでいるのでダメ 2 ★sp 炭素の書き方 2 sp 炭素は平面構造。結合角は約 120̊である。 SN1 や E1 反応のカルボカチオン中間体やカルボニル基、アルケンに相当する。 Ph CH3 Cl sp2混成炭素 Ph SN1反応 H3C CH3 CH2CH3 アセトン O CH3 CH2CH3 これよりも、 下の方がより良い ではなく、 120˚より大きい Ph 角度になっている sp2混成炭素 Ph 120˚ O 120˚ CH3 CH2CH3 これよりも、 右の方がより良い H3C CH2CH3 正しい書き方 H3C CH3 正しい書き方