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論文紹介

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論文紹介
論文紹介
スーパーハイビジョン映像を用いた実時間ハイビジョン電子ズーム装置の開発
映像情報メディア学会誌,Vol.63, No.12, pp.1868­1876(2009)
船津良平,塚本 拓※1,今村崇之※2,山下誉行,三谷公二,野尻裕司
※1 アストロデザイン(株)
,※2 NHK­ES
スーパーハイビジョン(SHV)の現行放送への応用を目的として,4板画素ずらし方式(800万画素の撮像素子を4枚(緑に
2枚,赤・青に各1枚)用いる方式)のSHV映像から任意の領域をハイビジョン映像としてリアルタイムで切り出すことの
できる電子ズーム装置を開発した。操作性を考慮して,電子ズーム領域の選択を汎用のロボットカメラ用リモコンで行えるよ
うにした。また,出力映像の品質を確保するために,最大ズーム倍率を4倍とした。電子ズーム装置を使用することで,競技
場全体を撮影したSHV映像から決定的なシーンを切り出してハイビジョン番組の素材として利用することができるようにな
るなど,これまでにない番組制作手法が可能になる。切り出したハイビジョン映像の品質を評価するために,解像度,電子ズー
ムに伴うS/Nの低下,SHV映像の周辺部を切り出したときのSHVカメラ用レンズの色収差の影響などについて調べた。その結
果,最大ズーム倍率で切り出した映像はハイビジョン番組用の映像素材としての実用的な品質を満たしており,本装置の有効
性が確認できた。
有機光導電膜とZnO TFT回路の積層構造を用いた有機撮像デバイスの原理実証実験
映像情報メディア学会誌,Vol.64, No.3, pp.365­371(2010)
瀬尾北斗,相原 聡,難波正和,渡部俊久,大竹 浩,久保田節,江上典文,平松孝浩※,松田時宜※,古田 守※,新田浩士※,
平尾 孝※
※ 高知工科大学ナノデバイス研究所
青色(B)
・緑色(G)
・赤色(R)光のそれぞれだけに感度を持つ有機光導電膜を積層した単板カラー撮像デバイスの検討を進
めている。今回,有機光導電膜を積層した構造で色分離が可能なことを検証するために,B・G・R光それぞれだけに感度を持
つ有機光導電膜を個別に透明電極で挟んだ3枚のセルを試作し,それらを重ねた状態で光応答特性を調べた。その結果,それ
ぞれのセルから光の3原色に対応した出力信号が得られ,有機光導電膜を積層した構造で光の3原色を分離し,それぞれの色
に対応した信号電荷を独立に取り出せることが確認できた。この結果を基に,可視光を透過するZnO TFT(酸化亜鉛薄膜ト
ランジスター)を用いた信号用読み出し回路(47 30画素)と,G・R光に対して感度を持つ有機光導電膜とを組み合わせた2
層構造の基礎実験用撮像デバイスを作製した。撮像実験の結果,画素数に対応する解像度のカラー映像が得られ,有機光導電
膜と信号読み出し回路を交互に積層した構造でカラー撮像が可能であることを実証した。
Conversion from Ultrahigh−definition Video with Bayer−sampling to Digital
Cinema by Using Time−expanded Bi−directional Motion Estimation
IEEE Transactions on Circuits and Systems for Video Technology, Vol.20, No.1, pp.65­75(2010)
松尾康孝,矢野澄男※
※ 情報通信研究機構けいはんな研究所/ATR認知情報科学研究所
4板画素ずらし方式(800万画素の撮像素子を4枚(緑に2枚,赤・青に各1枚)用いる方式)のスーパーハイビジョン(SHV)
からデジタルシネマへの方式変換法を提案した。60fps(フレーム/秒)のスーパーハイビジョンから24fpsのデジタルシネマ
へフレームレートを変換する際には,精度と確度の高い動き補正フレーム内挿処理を行い,動画像の滑らかな動きを再現する
必要がある。従来方式では,輝度信号だけを用いて時間軸の順方向に動き補正フレーム内挿処理を行っていたが,提案方式で
は,輝度信号と高い空間標本化周波数を持つ緑色信号とを用いて時間軸の双方向に精度と確度の高い動き補正フレーム内挿を
行った。なお,空間標本化周波数変換は線形フィルター処理で行った。計算機シミュレーションで作成した映像の画質を客観
的および主観的に評価した結果,従来方式よりも優れた画質が得られることが確認できた。
640×480 Pixel Active−matrix Spindt−type Field Emitter Array Image Sensor
with High−gain Avalanche Rushing Amorphous Photoconductor Target
Journal of Vacuum Science & Technology B, Vol. 28, No.1, pp.96­103(2010)
難波正和,瀧口吉郎,本田悠葵,平野喜之,渡部俊久,江上典文,宮 健太※1,中村和仁※1,谷口昌照※1,伊藤茂生※1,
小林 昭※2
※1 双葉電子工業(株)
,※2 浜松ホトニクス(株)
小型超高感度カメラの実現を目指して,スピント型冷陰極(円すい状の陰極とそれを取り囲むゲート電極で構成される冷陰極)
アレーと超高感度なHARP光電変換膜とを対向させた冷陰極HARP撮像板の開発に取り組んでいる。今回,画素数640 480,
画素サイズ20μm 20μm,HARP膜の電荷増倍率約200倍の1インチ標準TV用撮像板の試作を行った。撮像板の多画素化にお
いては,冷陰極アレーの駆動の高速化および電子ビームの空間広がりの抑制が課題である。そこで,画素ごとに駆動用トラン
ジスターを内蔵させたアクティブ駆動型スピント冷陰極アレーを開発するとともに,陰極からの電子の出射角による収差を小
さくし,より細い電子ビームが得られるようにするために永久磁石を用いた磁界集束系の構造を最適化した。その結果,従来
の6倍以上の画素数の冷陰極アレーを十分な速度で駆動できること,従来の1/6以下の画素サイズに相当する解像度が得られ
ることを確認し,撮像板の多画素化に見通しを得た。
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NHK技研 R&D/No.125/2011.1
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