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3D映像技術 のコピー.pptx
「3D画像・映像技術」 書籍「3D映像のすべて」(日経BP社)、p.138、図1から 画像から得る立体の手がかり 人間は、観察条件や被写体を限定すれば、1枚の画像から でも3次元情報を得ることが可能である。 モナリザにみる遠近法 レオナルド・ダ・ヴィンチは空気遠近法を利用して、モナリザ を描いた。 (映像情報メディア学会誌、Vol.65、No.1、p.45の図3の一部から) 主要な空間立体視要因 小さいものは遠くに、大きいものは近くに感じるなど、立体 視には多くの要因が関係する。その中で主要なものは、 両眼視差、輻輳、ピント調節、運動視差である。 3D映像技術は、主に両眼視差を利用している。 3次元空間の認識に必要な視覚要因 A 調節〔水晶体調節、焦点深度〕 <5m B 空気透視〔コントラスト低下、青着色〕 C 色〔後退色ー前進色〕 D 網膜像の大きさ〔既知の物体〕 <500m E 線透視(図法)〔平行線が消点で交わる〕 単眼視 F 均一模様の密度勾配 G 不均整構図〔対称性欠除〕→立体反転図形 H 重なり I 光と影の分布〔照明条件の判断〕 J 単眼運動視差〔多方向観察〕 <300m K 視野〔画枠効果除去〕→大画面表示 >50m 両眼視 L 両眼視差 <250m 同時視 プルリッヒ効果〔特殊な奥行き効果〕 単眼視 M 輻輳(ふくそう)〔眼球筋肉緊張〕 <20m 第1次 3D映像ブーム 1920年代に、青赤メガネを使った、アナグリフと呼ばれる 立体写真や立体映画がアメリカで流行した。 視差のある2枚のカラー写真を両目で見えるようにした 「ビューマスター」という玩具は、今でも販売されている。 1920年代のアナグリフ方式のメガネと広告用の立体画像 (書籍「3D映像のすべて」(日経BP社)、p.45、図2から) ビューマスター (http://www.3dimages.co.uk/gallery/v/viewmaster/から) 第2次 3D映像ブーム 1980年に液晶シャッター・メガネが考案され、左右の映像 を電気的に切り替える技術が実用化された。 1990年代、テレビ放送を2D-3D変換により立体映像化し、 世界初の民生向け液晶シャッターメガネ(1986年、シャープ製) (書籍「3D映像のすべて」(日経BP社)、p.56、図12から) フリッカーレスの3Dテレビシステム(1995年、三洋電 機製)(書籍「3D映像のすべて」(日経BP社)、p.59、 図14から) 液晶シャッター・メガネで見るテレビが開発された。 液晶で光をオン/オフするしくみ 液晶で挟んだ配向膜 に電圧をかけなければ 光が透過し、電圧を印 可すると光が遮断され る。 液晶 http://www.sharp.co.jp/products/lcd/tech/s2_1.htmlから 第3次 3D映像ブーム 2005年頃から、ハリウッドで3D映画の製作が開始された。 技術的には、RealD社が開発した「Zスクリーン」による円偏 光を用いた両眼映像の多重化方式など、いくつもの優れた 表示技術が開発された。 パナソニック、ソニーがBD(ブルーレイ)およびハイビジョ ン・テレビの次世代技術として3D映像技術を採用した。 現在では、映画/テレビ/ゲーム産業において、一定の市 場を形成している。 3D映像技術の全体像 3Dカメラ (業務用/民生) Blu-ray 3D 3Dテレビ MPEG-4 MVCによる画像圧縮 メガネ式/裸眼式 2眼式カメラ、2D-3D変換技術 現行放送との両立性、サイドバイサイド方式 3D映像 製作技術 ゲーム機 スマホ 3Dコンテンツ 放送・伝送技術 メガネ式/裸眼式 上映技術 3D映画 自然な3D映像 偏光/液晶シャッターメガネ 3D映像に関する人間工学 左右画像のクロストークやずれ・歪み、両眼の輻輳と調整の不一致などによる不快感 3D映画、3Dテレビの原理 3D画像の撮影 3D画像の表示 立体感の知覚 同じシーンを、視線が少 し異なった2つのカメラ 右目に右目画像を、 で撮影する。 左目に左目画像を提示する。 脳内の処理が2つの画像を融合 し、奥行き感を知覚する。青は手 前に、緑は奥に見える。 3D画像(ステレオ画像)の例 左右の画像は、被写体までの距離によって見える位置が少し異なる 3D映像を見る方法 メガネあり 偏光メガネ(円偏光/水平・垂直偏光) 色分割メガネ(波長フィルタ/アナグリフ) 液晶シャッタメガネ メガネなし(裸眼立体視) レンチキュラ・レンズ/パララックス・バリア方式 インテグラル方式 研究段階 ホログラフィ ヘッドマウントディスプレイ 映画で使われる3D表示方式 偏光映像を重畳し、偏光メガネで分離 3D映画ではIMAX方式やRealD方式がある。 メガネはパッシプ型と呼ばれ、安価。 原色が異なる映像を重畳し、波長フィルタメガネで分離 3D映画ではDolby方式がある。 メガネはパッシプ型。偏光メガネよりは高価。 時間分割(フレームシーケンシャル)で重畳し、液晶シャッタ メガネで分離 家庭用ディスプレイでも使われる方式。 3D映画ではXpanD方式が利用されている。 従来の3D表示方式の一つ 2台のプロジェクタ(映写機)で左右映像を水平偏光・垂直 偏光して投影し、偏光メガネで観察。 左目映像 2段重ねの プロジェクタ 水平偏光 右目映像 垂直偏光 1.2つの映像の状態(輝度、色、位置) を合わせ、それを維持することが困難。 2.水平・垂直偏光では、頭を傾けると正 しく映像を分離できなくなる。 偏光メガネ 3D映画の方式1:RealD方式 映像投影時に、液晶シャッターで円偏光の左回転・右回転 を切り替え、円偏光メガネで観察する。切り替えは144Hz。 液晶シャッター プロジェクター (Zスクリーン) 左目映像 左右左右左右 右目映像 円偏光メガネ メガネが安価。円偏光なので、頭を傾けることができる。 3D映画の方式2:Dolby方式 カラーホイールで左右映像に合わせて波長成分を切り替え る。波長フィルタメガネで観察する。切り替えは144Hz。 プロジェクター カラーホイール 左目映像 左右左右左右 右目映像 透 過 率 波長 左目用フィルタの特性 透 過 率 波長 右目用フィルタの特性 波長選択 メガネ 3D映画の方式3:XpanD方式 左右映像を144Hzで切り替える。映像に同期した液晶 シャッターメガネで観察する。 プロジェクター 左目映像 左右左右左右 右目映像 同期信号発信器 液晶シャッター メガネ 3Dテレビで用いる方式と、基本的に同じ。 テレビやゲーム機で使われる 3D表示方式 時間分割重畳、液晶シャッタメガネ分離 映画の項で述べたものと、基本的に同じ。 偏光方式 液晶パネルに密接させて、パターンリターダと呼ばれる偏光 板を配置することで、左右に円偏光した2画像を生成する方 式などがある。 レンチキュラ・レンズ方式 線順次で重畳された左右画像を、レンチキュラ・レンズによっ て、右目画像を右目に、左目画像を左目に導くようにした方式。 パララックス・バリア方式 線順次で重畳された左右画像を、遮光板によって、右目画像 を右目に、左目画像を左目に導くようにした方式。 偏光方式(パターンリターダ方式) 液晶パネルの前面に、パターンリターダと呼ばれる薄膜を 貼付け、パネルの奇数ラインと偶数ラインで、円偏光の回 転方向を変えるようにしたものがある。 垂直の解像度は1/2になるが、円偏光メガネを用いるた め、液晶シャッタメガネに比べて軽量である。 ル ネ パ 液晶 ーン タ パ ダ ー リタ 青色のラインからは左円偏光された画像が、 赤色のラインからが右円偏光された画像が表示され、 円偏光メガネで、それらを分離する。 円偏光メガネ レンチキュラ・レンズ方式 レンチキュラ・レンズは、縦筋がついたシート状レンズで、各 筋が微小な縦型レンズになっている。 視点位置に応じて、特定の画素だけが見えるように設計さ れている。画素パネルに 複数の画像が混合表示さ れ、各視点からは適切な 画像だけが見える。 視点位置 レンチキュラレンズ 画素パネル パララックス(視差)バリア方式 画素パネルのR画素が右目から見え、L画素が左目から見 えるように設計した遮光板を用いる方式。この部分に液晶 シャッタを用いると、2D表示のときに、解像度を倍にするこ とが可能である。 携帯電話やゲーム機のような小型3Dディスプレイに用いる。 R L R L R L R L R L R L R L R L パララックス・バリア 画素パネル その他の3D表示方式 ホログラム レーザーを使って物体から反射した光の波形(干渉縞)を感光 材に記録し、立体画像として再生する技術。 インテグラル方式 レンズアレイを用いて、3次元光線空間を再現する方式。 インテグラル方式 インテグラル方式は、レンズアレイを用いることで、視空間 の縦横密な位置に視点を配置できる。その結果、両眼視差 だけでなく、運動視差、調整(焦点あわせ)を再現すること ができる。 インテグラル方式で再現される画像の例 (書籍「3D映像のすべて」(日経BP社)、p.176、図4から) インテグラル方式の原理図 (映像情報メディア学会誌、Vol.65、No.5、p.657の図9から) 3D映像の人間工学的側面 3D映像の視聴により「目が疲れる」、「頭が痛くなる」、「気 持ちが悪くなる」ということが聞かれる。このような弊害を引 き起こす要因を 3D映像の原理に由来するもの 機器の特性に由来するもの 視聴条件に由来するもの に分けて、代表的なものを説明する。 (映像情報メディア学会誌、Vol.65、No.3、p.297の図1から) 3D映像の原理に由来するもの 調整と輻輳の不一致 下図(a)の3D映像において、立体像はスクリーンよりも手 前にあるが、焦点はスクリーンに合わせる必要がある。す なわち、輻輳による距離と調整による距離に不一致が発生 している。この差が大きいと、疲労や不快感を生じる。 (映像情報メディア学会誌、Vol.65、No.3、p.298の図4から) 3D映像の原理に由来するもの 多大な視差の影響 視差を極端に大きくすると視覚疲労を引き起こす。両眼で の画像融合が自然に行われる範囲をパナムの融合領域と よび、基準となるスクリーン面に対して、視差が1°程度以下 とされている。 (映像情報メディア学会誌、Vol.65、No.8、p.1168の図3から) 機器の特性に由来するもの クロストーク:左右画像の分離が不十分で、逆側の画像が 目に入り込む状態をクロストークと呼ぶ。 機器の調整が不十分であれば、下図のような不適切な3D 映像が表示される可能性がある。 視聴条件に由来するもの 適正な位置から、適正な姿勢で視聴する ハイビジョンテレビの標準視距離は、画面高さの3倍とされて いる。ハイビジョンテレビを使った立体表示装置では、この距 離で観察することが望ましい。 3D映像は両眼を水平にして見ることが前提である。したがっ て、寝転がって3D映像を見ることは望ましくない。 3次元錯視 立体反転図形(ドラゴン) http://www.youtube.com/watch?v=bldxhcEWgAA 平面立体図形 http://www.youtube.com/watch?v=tBNHPk-Lnkk プロジェクションマッピング http://www.mr-beam.nl/ http://www.projektil.ch/ http://research.microsoft.com/en-us/projects/ illumiroom http://www.theicebook.com/ 大型ハーフミラーを使った バーチャルコンサート http://www.youtube.com/watch?v=EU-LGfC7k4Y