Comments
Description
Transcript
初めて出来た彼氏に魔改造されたんですが
初めて出来た彼氏に魔改造されたんですが 3年与太郎 !18禁要素を含みます。本作品は18歳未満の方が閲覧してはいけません! タテ書き小説ネット[R18指定] Byナイトランタン http://pdfnovels.net/ 注意事項 このPDFファイルは﹁ノクターンノベルズ﹂﹁ムーンライトノ ベルズ﹂﹁ミッドナイトノベルズ﹂で掲載中の小説を﹁タテ書き小 説ネット﹂のシステムが自動的にPDF化させたものです。 この小説の著作権は小説の作者にあります。そのため、作者また は当社に無断でこのPDFファイル及び小説を、引用の範囲を超え る形で転載、改変、再配布、販売することを一切禁止致します。小 説の紹介や個人用途での印刷および保存はご自由にどうぞ。 ︻小説タイトル︼ 初めて出来た彼氏に魔改造されたんですが ︻Nコード︼ N9458CK ︻作者名︼ 3年与太郎 ︻あらすじ︼ 大学四年、初めて彼氏ができた優子は彼氏の和久から向けられる 愛情が屈性していることに気づけずに居た。 ギャル化、優等生堕落︵悪堕ち︶、OD要素、ブラコンシスコン、 露骨なエロ表現要素有り ご感想、リクエストお待ちしております。 1 ※一部時系列から外れた話の公開を停止しました。時系列整った後 に番外編で投稿、公開という形にしたいと思います。 2 初彼0話 はじまりのシスコン 俺は重度のシスコンだ。 シスコンといっても慕っているわけじゃない。物心つく頃には性の 対象として姉貴に愛情を抱いていた。 中学の時まで姉貴はバスケ部のエースで勉強も学年で断トツの1番。 容姿は華やかさでは無いけど愛嬌があり、彼氏は取っ替え引っ替え。 新しい彼氏ができる度に俺は悔しく惨めな気持ちになった。 弟の俺には見せてくれない女の顔があることが許せなかった。 高校に進学してから姉貴は大学生や社会人との付き合いが多くなっ た。 影響を受けやすい性格の姉貴は、森ガールになったかと思うとロリ ータファッションに傾倒したりした後、新しい彼氏の好みでギャル ファッションに落ち着いた。 生来の頭の良さと要領の良さか、姉貴はどんなコミュニティに属し ても馴染んでしまう。 その頃から勉強をしなくなり、ついには高校3年で彼氏と駆け落ち 同然で高校を退学して家を飛び出した。 俺が中学三年の頃だった。 3 次に姉貴に会ったのは高校2年の時、彼氏に捨てられ色んな夜の仕 事を渡り歩き、男に染まっては捨てられて、借金と共にうちへと戻 ってきた。 親は借金の肩代わりで頭を悩ましていたが、もちろん俺は狂喜した。 それと同時にもう誰にも姉貴を奪われたくないとも思った。 バイトや博打まがいの行為で稼いだ金を全部FXに突っ込んでハイ レバで取引をした。ここで運が尽きるなら家族という壁は越えられ ない。 通帳の桁がずらりと並ぶ頃、姉貴にその金を見せて言った。 ﹁借金は全部俺が返す。黙って俺の女になれ。﹂ その日初めて姉貴を抱いた。 次の日、姉貴のゴミだらけの部屋で一つの計画を話した。 大学に姉貴とそっくりな奴がいる。 そいつと入れ替わって俺の彼女になってくれ。卒業したら、結婚し よう。 大丈夫、今から日サロをやめれば年末には肌も白くなる。姉貴の順 応力があれば絶対になりきれる。 姉貴じゃなきゃダメなんだ。 4 それだけの為に、俺は着々と計画を進めた。 クリスマスの夜、彼女の優子にセックス後、お茶と一緒に睡眠薬を 飲ませた。 定期的に睡眠薬をオーバードーズ気味に与えることで死なないよう に昏睡させ続ける。 姉貴と三ヶ月じっくり練った計画通りに進める。 成り代わるのは3日で終わらせたい。 優子の両親がもしかしたらこちらに来るかもしれない。 帰省は正月を一緒に過ごそうと誘ってあるので、今年はしないと約 束させた。 三ヶ月間で得られるだけ聞き出した優子の情報は全て教えてあるの だからメールや電話なら問題ないはずだ。 優子が眠っている間、姉貴と優子の違いを埋めることに専念した。 手始めにハイブリーチで髪の色を何度も脱色し、金髪に近い茶髪へ と染め上げた。 姉貴の行きつけの日サロに三日間毎日通い肌を真っ黒に焼いた。 姉貴がネイルが得意だと言うのでやらせてみた。思ってた通りのロ ングのゴテゴテに仕上げて姉貴はケタケタ笑っている。 姉貴の方は事前に予約していた美容整形外科で顔をいじった。 5 優子は年中スッピンに近い。これから少しずつ変化をつけるにして も初めは姉貴もスッピンでいないといけないだろう。 久しぶりにスッピンを見せた姉貴は少しもじもじしていて可愛かっ た。 何よりキツめのメイクの下には中学の時の優等生の面影が残ってい たことが俺を興奮させた。 二重の幅を少し広げ、顔の何箇所かにヒアルロン酸を打ち込んだ姉 貴はどこからどう見ても優子だった。 その日スッピンの姉貴を犯したことは言うまでもないだろう。 今ではタトゥーも落とせるらしい。 姉貴の右手首と左足首にあった幾何学模様のタトゥーも取らせた。 逆に優子には同じタトゥーを彫らせた。 合法じゃない彫り師なんて金でどうにでもなる。 ピアスは迷ったが、姉貴と同じ数に加えて舌にも開けてやった。 姉貴の気紛れ感を演出したつもりだ。 これで後は姉貴の髪を黒く染めないとな。 三日間やれることはやったし、薬も今日には切れるだろう。 姉貴のベッドに優子を横たえて俺は姉貴にキスをして、 ﹁起きても何も説明しなくていいから。買い物行ってくるわ。﹂ そう言って最後の買い出しにでかけた。 6 初彼 1話 起きてみればギャル!? 大学四年目の9月にして人生初彼氏ができた。 それから付き合って3ヶ月。 今日はクリスマスイブ。 彼氏の家に泊まって念願の初エッチ! 彼は実家暮らしだけど今日は家族みんなでかけてるらしい。 私は一人暮らしだからうちにくれば気にしなくていいのに、と何度 かさりげなく誘ったけど初めては雰囲気を大事にしたいと断られて きた。 今時の男子が性欲よりも女の子のことをこんなにも大事にしてくれ るなんて、とすごく感動していた。 ベッドの中、逞しい腕の中で幸せを感じている私に彼は囁く。 ﹁これでもう優子は俺の物だからな。﹂ ﹁うん!和久の為ならなんでもするからね!!﹂ イッた後、眠くなるとは知っていたけど、眠気に任せて目をつむっ たあと、まさかそのまま3日も目を覚まさないなんて、まさかこの 約束がそんなに重いなんて、夢にも思わなかったんだもの。 すごく体が気だるい。 重い瞼をこじ開けて、一番に目に飛び込んで来たのはゴミの山だっ た。 7 ﹁和久ぁー?おはよぅ。﹂ 不安な気持ちの中、彼を呼ぶ。声の出し方を忘れたみたいに少し声 がかすれてしまう。 ﹁やっと起きたんだー﹂ ゴミ山の奥から見知らぬ女がこちらに歩いてきた。 ダルさから顔の向きが変えられず、目線だけで追う。 目の周りを真っ黒に塗り、派手な付け爪に派手なゼブラ柄のパーカ ーを着たギャルが私の前にどかりと座り込んだ。 ﹁か、和久は?﹂ ﹁さっきまで居たんだけど買い出し行ったから。そろそろ帰ってく るっしょ。﹂ ギャルはスマートフォンを片手で操作しながらタバコを吸い始める。 煙と臭いでむせ込む私を気にもとめない。 ガチャ しばらくするとゴミ山の向こうでドアが開き、和久がやってきた。 ﹁和久!!どうなってるの?ここどこ???﹂ 私は迷子が親を見つけたように必死にすがった ﹁優子、おはよ。姉貴、まだなんも話してないよな?﹂ 私の質問には何も答えず和久はずかずかとゴミ山を歩いてくる。 姉貴と呼ばれたギャルが煙を吐きながら振り向いて答えた。 8 ﹁なーんもー。和久がなんもすんなっつったんじゃん﹂ ならいい。和久はそう答え、手に持ったビニール袋をゴミだらけの 机に置いた。 ﹁とりあえず優子、そろそろ動けるだろうから起きてみろよ。飯買 ってきたから。﹂ 言われる通りに私は身を起こした。 バサッ。 金色の糸が視界に落ちてきた、それも無数に。 邪魔だなぁ、そう思って右手で掻き分けて気がついた。これ髪の毛 ?引っ張ると頭皮が突っ張り痛みが走った。 掻き分けた右手にも違和感を感じた。 肌が、茶色い。いや、茶色を通り越して黒いくらいに日焼けをして いる。 手首には幾何学模様の黒い落書きがあり、消そうと思い擦ってみた が消える気配が無い。これ、もしかしてタトゥー? 手だけじゃない、足先まで肌は黒くなり、左足首にも同じタトゥー が彫られている。 耳が重い。触ると少しひんやりとした小さな金属が幾つかあり、耳 たぶには同じく金属の、大きなリングがついていた。 ﹁優子、とりあえずオニギリでいいよな。﹂ 和久がニヤニヤしながらオニギリを手渡してきた。 確かにお腹空いてるけど、混乱しちゃってそれどころじゃないよ。 和久に目線で助けを求めるけど ﹁食ったら話す﹂ と拒絶されてしまった。 9 私は仕方なく受け取ったコンビニのオニギリの包装を取ることにし た。 しかし、結局私は包装を取ることができなかった。 手の爪が長い。10cmはあろうか真っ黒なネイルにゴテゴテのス トーンが幾つも付いていて存在感を放っている。 指の腹で何かを掴もうにも慣れないその指ではオニギリのビニール 部分すら持てない。 ﹁ぷふっ!ぎゃははは!和久可哀想だからそろそろやめたげろよー www﹂ 泣きそうになりながら必死にオニギリの包装を取ろうとする姿が滑 稽だったのかギャルが吹き出した。 ギャルの笑いに応えるように、和久は私からオニギリを取り上げる と包装をひょいと剥がして私の口に押し付けた。 むぐっ。 拙い手つきでオニギリを持ち咀嚼する。 一口目を飲み込む瞬間、口内に鋭い痛みが走った。 ﹁痛い!オニギリになんか入ってた??ベロになんか刺さっちゃっ た﹂ ﹁違うよ優子。べーってしてみ?﹂ 和久は私の顎をくいっと持ち上げる。 べー。 ベロに向かって和久が手を伸ばすと、先ほどの痛みがまた私を襲っ 10 た。 何かが今刺さった訳じゃなく、私の舌を何かが貫いてて、それに引 っかかるから痛いんだ。 舌ピだよー。ギャルが相も変わらずぷかぷかとタバコを吸いながら、 私が当たらないで欲しいと願った答えを裏付けた。 ﹁優子は今日からここで俺と暮らすことにするから﹂ 優子の代わりはうちの姉貴がやってくれるから気にすんなよ。とギ ャルを指差しながら訳のわからないことを和久が言い出す。 ﹁ど、どういうことなの?ていうかここは﹂ ﹁うちの家だよ﹂ 姉貴、それ持ってってさっさと済ましてくれ。 そう言うとギャル姉は和久が持って入ってきたビニール袋を持って 部屋を出て行った。 ﹁とりあえず、全部説明するから服着替えて。﹂ さっきから気づいていたけど、私はずっと裸で寝ていたらしい。 和久がゴミ山から適当に服を選んでくれた。 下着は真っ黒でフリルのたくさん付いたブラに豹柄の紐パンだった。 上下もバラバラだし紐は恥ずかしいと言って文句を言うと、和久が 他の下着を見せてくれた。Tバックや乳首がスケて見えるようなブ ラしか無いらしい。 私はしぶしぶそれを着ける。サイズは測ったようにピッタリだ。 11 次に肩出しの黒と豹柄のワンピースを投げられた。背中は金色の金 具で留められていて大きく開いている。 丈は膝上20cmくらいか、下着が見えそうな長さしかなく頼りな い。 パンツを取ってほしいと頼んだら下着とたいして変わらないくらい ピチピチのショートパンツを渡された。 有無を言わさない和久の態度に私はそれを着込むと、少し怯えなが らこのままじゃあ寒いとだけ伝えた。 和久は優しい顔で真っ白なニットカーディガンと黒ニーハイをくれ た。 ﹁立ってこっちに来て﹂ 私は言われるままにゴミ山の果てに行き、そこにあった鏡を覗き込 んだ。 そこに立っていたのは、私の知っている優子ではなく、全身のあら ゆるところからエロい緩さを醸し出す黒ギャルが、呆然とした顔を して立ちすくんでいた。 12 初彼 2話 外見変化。ギャルメイクされちゃった。 私が状況を理解できずに固まっていた。 誰? 顔の造形は、いつもすっぴんに近い自分のまんまだけど、それ以外 が違いすぎる。 呆然としている私を和久が抱き寄せる。 ﹁優子、最高に可愛いよ。すげぇ興奮する。﹂ 和久の膨張したおちんちんが私のお尻にぐいぐいと当たってくる。 和久の手は私のニーハイをなぞり股間へと伸びてくる。 こんな異常事態なのに私は少し興奮して濡れてしまっていた。 ガチャ。 ﹁和久ー。あたしの部屋で勝手にいちゃついてんなよーw﹂ 私が和久にされるがままになってる間にギャル姉が帰ってきた。 鏡越しにそちらを見ると、私は一段と固まることになった。 私がもう一人いる、そう思った。 そこに居たのは先ほどまでの茶髪を真っ黒に染めたギャル姉。 クリスマスだからと精一杯のオシャレと思って着てきた小さなリボ ンが幾つかついた薄ピンクのニットに膝上丈のチェックのスカート、 足元はトレンカ。 ただ顔に施されたギャルメイクだけが浮いている。 13 ﹁姉貴、その服にメイク似合わねーよ﹂ ﹁うっせーな。これから落とすんだよw﹂ ギャル姉は机の前にどかりと座るとメイクを落とし始めた。 その光景を和久の腕の中、鏡ごしで見てる私は更に驚くことになる。 ﹁これでいいか?﹂ メイクが落とされたギャル姉の顔は、剃り落とされた眉毛以外ほぼ 私の顔だった。 姿形が自分なのに喋り方と態度がまるで違う違和感は凄かった。 和久もそこが気になり始めたようで、 ﹁姉貴、喋り方。あと座り方もう少しどうにかしろよ。﹂ はーい。そう言ってあぐらからトンビ座りに変える。 ﹁これでいいかな?﹂ 一層、優子にしか見えなくなったギャル姉は和久の顔を見て満足し たのかタバコを吹かし始めた。 ﹁和久、もう説明してくれてもいいんしゃない?﹂ 私は不安に耐えきれずに懇願した。 怖い。目の前で起こっていること、和久の言動から半分は察してい る⋮ でも納得したくないし、何より和久の口から真実を聞かないと。 しかし、和久は自分のペースを崩したくないらしい。 ﹁姉貴、タバコ吸ってないで優子にメイクしてくれ。﹂ 14 私を机の前に連れて行き、ギャル姉の前に座らせると和久はギャル 姉からタバコを奪い取り自分が吸い始めた。 私の前でタバコを吸っている姿、初めて見た。 和久の知らない一面を見ることで、私は唯一信じていた存在からも 突き放された気持ちになった。 それから一時間ほど私はギャル姉にずっとメイクをされ続けた。 抵抗する気力も体力も無かった。 入れたこともないカラコンを入れられ、付けたこともない付けまつ 毛を付けられ、まるで絵を描くカンバスの様に顔にラインやチーク をされるがままに入れられていく。 ﹁終わったよー!いいじゃん!どっからどう見てもギャルだよアン タ!﹂ ギャル姉が満足そうに私の顔を和久の方へ向ける。 ﹁やっぱ、最高だよ優子!﹂ 和久は今まで見たこともないような嬉しそうな顔をして私の手を取 ると引き寄せて強引にキスをしてきた。 ﹁あー!馬鹿。グロス塗ってんだから変なことすんじゃねぇよ殺す ぞ!﹂ ギャル姉がテキパキと私の唇にグロスを塗り直す。 ﹁やっとゆっくりタバコ吸えるわー。もういいだろ和久。﹂ すっかりあぐらに戻ったヘビースモーカーのことを気にも止めず、 クリスマスにおもちゃを貰った子供のように浮かれた様子の和久は、 15 私を先ほどの鏡の前に連れて行く。 再び覗き込んだ鏡には、既に優子の原型をとどめていない1人の黒 ギャルが立っていた。 とにかく大きく見せるために三枚重ねにされた付けまつ毛、下まつ げもばさりと音がなるくらいに付けられ羽の様になっている。 太いアイラインはたれ目気味に、目のきわよりも大きく長めに引か れ、目の上に光る金色のアイシャドウがギラギラと存在感をだす。 目の下には涙袋を強調する為の真っ白なシャドウが落とされ、私の 小さな涙袋が二倍にも三倍にもぷっくり大きく見せられていた。 黒肌によく目立つ白金のチークが頬でギラつき、唇はピンク色の口 紅とピンク色のグロスでテラテラと摘みたての果実の様に輝いてい る。 服装以上に重たいまぶたやぬるぬるする唇、内巻きにされた金髪を 肌で感じる度、鏡に映る黒ギャルが私の姿なのだと思い知らせる。 ﹁優子はこれから姉貴としてここで暮らしてもらうから。﹂ そういうと人形のように立ち尽くしている私を力づくで抱き寄せる と、 ﹁全部、俺の物にして俺の色に染めてやるから﹂ と耳元で囁いた。 16 初彼 3話 外出 ﹁それじゃあ和久、帰ったらメールするね!﹂ そう言うとギャル姉⋮今は優子に成り切った彼女は和久に恋人の様 に熱いキスをすると私の持ってきたカバンを持ってでていってしま った。 携帯も、財布も、身分証明書も全部持って行かれたことになる。 ﹁俺たちもでかけるぞ。﹂ ﹁どこに行くの?こんな格好じゃ私でかけられないよ﹂ ﹁大丈夫。今の優子はどう見ても姉貴にしか見えないから。姉弟で 出かけてる様にしかみえないさ。﹂ 和久はゴミ山の中からシャ⃝ルのロゴがちょこんとついた、真っ黒 なショルダーバックを取り出した。 ﹁優子は俺の為ならなんでもするんだろ?だったら言う通り着いて こい。﹂ 家から出るとき、和久に二つの悪戯を仕込まれた。 一つは出かける時に履かされた豹柄のブーティ。 ヒールが10cm以上あって、普段はヒールなんてほとんど履かな い私は不安定でどうしてもふらふらしてしまう。 17 ﹁ほら、掴まれよ。﹂ そんな私を和久は恋人繋ぎで手をつなぎ、エスコートしてくれた。 こんな訳のわからない状況でもその強引さにキュンとしてしまった。 駅に着くまでの道を、和久がわざと人気の多い道を選んでいること に気づかず、私は沢山の人の目線に羞恥しながら歩いた。 ﹁もう帰りたいよ⋮。﹂﹁恥ずかしいよ⋮。﹂ と泣き言を言う度に和久は、 ﹁約束しただろ。﹂ と怖い顔で私を睨んだ。あの優しい和久が私にこんなことをするな んて、混乱はいつまで経っても収まらなかった。 満員の電車内で和久は私の下半身を触ろうと手を伸ばしてきた。 私がやめてと拒絶すると、ニヤニヤと笑い始めその手をポケットに 入れた。 もう一つの悪戯はここで使うものだったらしい。 ブーーーン。 下半身、それもクリトリスにしっかりと当たるように取り付けられ たそれが、突然震えだした。 和久が家を出るときに見せてくれたのはピンク色の小さなカプセル だった。 和久はとびっこだよと言ってそれを私のパンツの内側に突っ込んで きた。 18 その時はとびっこがどういうものなのか分からなかったけど、遠隔 バイブのことだったんだ。 気付いた時には遅かった。今更パンツに手は入れられない。 初めは弱めの振動だったのをどんどんと強くしてくる。 同時に和久の手が私のお尻を撫で回し始め、吊革を握りしめてない と膝が砕けそうになる。 電車が新宿駅に着く頃、私の履いていたショートパンツはビショビ ショに濡れ、何度も声を噛み殺してイキ続けて意識は朦朧としてい た。 そんな状態の私は和久に連れられるままに歌舞伎町のアーケードを 潜ったことに気づけないでいた。 和久が道で誰かと話し始めた。 少しだけ取り戻した意識で見たのは、ネオンがキラキラ輝き歩く人 も華やかな服装、地味な私の見たことがない世界。 ﹁これうちの姉貴だから頼むわ﹂ そう言われて和久の手が離れ、男の人に手を握られた。 心は抵抗しているのに身体が思うように動かない私はその男に手を 引かれるままに煌びやかなネオンの中に引き込まれていった。 19 初彼 4話 内面堕落 ネオン街のビル二階、セクキャバ︽ティラミス︾その奥のロッカー ルームに私は連れ込まれた。 男は黒いスーツを着て、長い髪をオールバックにで固めている強面 だ。 ﹁和久の姉さんなんだってな。こういう店は初めてかい?﹂ ﹁初めて、です。そもそもここはどういうお店なんですか?﹂ ﹁和久のやつ何も知らんのに自分の姉貴を連れてきたのか?ここは セクキャバだよ。おっぱいパブとか、言い方は店によって違うけど な。﹂ 愕然とした。和久に風俗に売られた?裏切られたの? 混乱の中、男が私に赤色の布を渡してきた。 ﹁これを着ろ。初めてだって付いた客に言うんだ。そしたらちった ぁ優ししてくれる。﹂ 開いてみると、赤色の布はただの布ではなく、超ミニスカのサンタ 服だった。 ﹁それにしてもアンタ、どっから見ても遊んで来たようにしか見え ねえな。ソープとかAVででも働いてたんかい?﹂ 黒ギャルにされた私はみんなにそう見られていたのだろう。絶望し かない。 20 今逃げても、身分証や外見も全部ギャル姉に取られてしまっている。 私が優子だと分かってもらう方法がない。 ﹁うちはそういうとこにも斡旋してるから、戻りたくなったらいつ でも言ってくれよ。﹂ 今日は絶対に逃げられない。 そう理解した私は、男の言葉を無視するように更衣室に入っていっ た。 着替えた後、自分の姿を確認する。 確かに私も街中で見たら体を売ってるとしか思えないギャルが安っ ぽいサンタのコスプレをしていた。 私は優子じゃないんだ。そう考えることで現実から逃げようと思っ た。 ﹁お待たせしました!姫子さんでーーす。﹂ 黒服のお兄さんに連れられて真っ暗にされたホールの一角に案内さ れた。 21 顔はよく見えないけど、若いスーツを着た男だ。 ソファにどっしりと座った男が無言で手招きをする。 ﹁ひ、姫子です。よろしくお願いします。﹂ オールバックの黒服に付けられた名前を名乗る。こういうの、源氏 名って言うんだっけ。 それにしても黒ギャルに姫は皮肉にしても無いと思うな。 ﹁今日が初めてなんで、﹂ 黒服の言う通りのセリフを言おうとすると、男は急に私のおっぱい を鷲掴みにしてきた。 ﹁い、痛い!!﹂ 思わず大きな声が出た。 ﹁五月蝿えな。黙ってろ糞ギャルビッチが。﹂ ドスの効いた低い声で罵られ、怖くて声を飲み込む。 嘘つき。全然優しくなんてしてくれないじゃない。 男の指先が服の上から乳首を撫で回し始め、もう片方の手で脚をま さぐられる。 あぁ⋮和久にしか触られたことないのに⋮どうしよう。だんだん気 持ちよくなってきた。 電車の余韻がまだ抜けない私の下半身はトロトロとヨダレを垂らし 始め、また視界が定まらなくなる。 22 ﹁ああん!下は、駄目⋮﹂ ﹁すまんな。そういえばティラミスじゃ下は禁止か。﹂ 黒服も下は触らせるなと頑なに念押ししてきたっけ。 ﹁でもやっぱりオマエ、ただのビッチな糞ギャルだな。もうドロド ロじゃねぇかよ。臭えな⋮何日も風呂入ってないんだろ。﹂ ﹁そ、そんなことないですよ⋮。私はいつだって綺麗にしてきたん だもん⋮。それだけが取り柄なの⋮。﹂ ﹁いや、マジで臭えって。香水で誤魔化してるつもりかも知れねー けど、隠しきれるもんじゃねぇぞ。﹂ そういえば、私が意識のなかった三日間ってお風呂入ってなかった んじゃ⋮ 私が全身の臭いを確かめようと体をよじった瞬間を狙われた。 男に脚を持ちあげられ、お姫様抱っこの状態にされてしまった。 ﹁い、いや!触らないで⋮﹂ 強がって我慢をしていたけど、急に怖くなった。 こんな強引に男の人に触られた経験が無かったから。 男の力強さをこんな形で感じるなんて。 ﹁だから黙ってろよ糞ビッチ。こんなとこで働いてんだ、文句言う な。﹂ 私は怖くて声が出なくなってしまった。 黒服に助けを求めるように目線を向けるが誰もこちらを見て見ぬ振 23 りをしている。 サンタ服の胸元が一気に下ろされ、私のおっぱいがあらわになる。 ﹁糞ギャルのくせに乳首はピンクなんだな。﹂ こないだまで処女だったんだもん⋮。 和久にしか見せたことないのに。 ﹁あああん﹂ 男が乳首を咥えこんだ。 乳首を舌で転がすように舐め回される。 もう片方の手はおまんこを完全に触り、クリトリスをピンポイント で刺激された。 ﹁あん、あーぁぁ﹂ もう何も考えられなかった。 和久じゃない男に触られて興奮しちゃってる。 見たまんまのエロギャルだ。ビッチだ。 ﹁もっと、もっと触ってぇ﹂ 本能のままに哀願してしまう。だって私はビッチなんだし仕方ない よね。 ﹁糞ギャル。酒入れてやるから飲めや﹂ 24 男は黒服を呼ぶとドリンクを頼んだ。 私はそれを無理矢理に一気飲みさせられる。 すごい⋮頭がとろけてく。 ﹁オラ、もっと飲めや。﹂ ドリンクが矢継ぎ早にでてきた。 成人してもお酒なんて数えるほどしか飲んだことが無かったのに、 こんなに美味しく感じるなんてぇ ﹁オマエ最高だよ。場内指名してやるからここにいろ。﹂ ﹁うん⋮。アタシここに居るぅ。﹂ お酒の良いと愛撫の気持ちよさが混ざってもう何も考えられないよ ぅ。 ﹁タバコも吸うだろ?﹂ そういってアタシは口にタバコを突っ込まれ、火をつけられた。 ﹁ゲホッゲホッ!﹂ タバコなんて吸ったことの無かったアタシは当然むせ込む。 ﹁なんだ、吸えねぇのか。じゃあ今日から吸えよ。﹂ そういって男はアタシにタバコを吸わせ続けるのだった。 5本目を越えたあたりからか、だんだんとタバコを美味しく感じ始 めていた。 25 アタシは一晩でアルコールも、タバコも、強引な愛撫の気持ち良さ も知ってしまった。 どれくらいの時間が経ったのかな、 ﹁お客さん、お時間ですよ。﹂ オールバックの黒服が低い声で男に言った。 ニタニタと笑ってる? ﹁斉藤さん、やめてくださいよ。自分の女連れ込んでプレイさせて もらっただけなんですから。お客じゃないっすよ。﹂ え?なに? トロトロになった脳内で言葉の意味を理解しようにも整理ができな い。 エレベーターまで来て照明の下に来た時、スーツの男の顔がはっき りと見えた。 和久だぁ。 26 ﹁姫子、また後でな。裏で待ってるから﹂ 和久が待ってるぅ。行かなきゃぁ。 ロッカールームまでふらふらと歩いて戻るとオールバック黒服、斉 藤が待っていた。 ﹁姉貴ととそういうプレイがしたかったんだとよ。全部和久の演技 さ。﹂ そこで初めて理解した 全部和久の演技だったんだぁ 和久にしか見られてないし触られてないのね やっぱり誰にも触らせたくないんだぁ そう考えるとアタシのおまんこが更にビショビショに濡れてきた 更衣室でティラミスまで着てきた服に着替える サンタ服より露出少ないからもう全然恥ずかしくなかった ﹁あんまりにも美味そうにしてたからこれやるよ。﹂ 斉藤さんにタバコを一箱貰っちゃった ﹁ありがとーー!﹂ 斉藤さんに抱きついてキスをする 27 和久愛してる。 アタシはふらつきながら、店外で待つ和久の元へと歩いていった。 28 初彼5話 優子から姫子へ 内面改造 ﹁和久ぁー!﹂ 私は裏口で片手に缶ビールを持ってタバコを吸う和久の元へ駆け寄 る。 酔いとヒールでふらふらになりながらも飼い主の元に向かう犬のよ うに。 ﹁やっぱり私のこと大事にしてくれるんだぁ和久ぁ⋮﹂ トロンとした視界で和久がタバコを踏み消す。 なんだか怒ってる? ﹁姫子。一人称はアタシだ。わ、たしじゃねぇ。﹂ ﹁姫子ってわた⋮ア、アタシのこと?﹂ ﹁オマエ以外に誰が居るんだよ。姉貴の名前だろ?そんなことも分 かんねぇくらい酔ってんのか?﹂ ﹁アタシは、優子?姫子⋮?﹂ そうだ、姫子だ。黒ギャルで、ビッチの姫子だ。 和久に手を引かれて電車に乗せられた。 終電近いからか人はまばらなのに二人は席を立って、ドアの前に陣 取っていた。 ガラスに映る全身の姿を指差す。 あれがオマエだ。どう見ても優子じゃないだろ? うちの姉貴の姫子なんだよ。 アタシは姫子なんだ。 29 帰宅してゴミ山の中に座らされた。 途中のコンビニで買わされた缶チューハイを言われるがままに飲む。 和久は自分の部屋から持ってきたいくつものアルバムを開いてアタ シに見せてくれた。 これ、アタシ⋮? そうだよ、この時の姫子はさぁ 写真を見るたびに同じことを聞くアタシに、和久は思い出を全部語 ってくれる そんなことがあった気がするなぁ 気がするじゃなくてあったんだよ。 和久は笑顔で答える。 そうね、あったね。 その繰り返しだった。一つ一つ肯定していくことで、アタシはどん どん姫子になっていく。 優子の名前を出すと、それは俺の彼女の名前だろ、ってアタシに説 き伏せた。 30 ﹁姉貴!!姉貴!!!﹂ アタシのことを呼びながら和久が必死に腰を振ってる。 姿見の鏡の前での立ちバック⋮。 その髪も、肌も、顔も、胸も、爪も、全部が最高だ! 毎日抱いてやるよ!! そう言ってアタシを突く和久のアソコはいつもよりずっと大きくて 熱い。 アタシ、姫子でいいやぁ 姫子になるのぉ 和久に愛してもらうんだぁ 22歳のクリスマス、何回イッたのかも覚えてない果てのない夜、 こうしてアタシは優子から姫子になった。 31 初彼 6話 姫子としての日常の始まり クリスマスが終わり、26日。 街は早々に年末年始の準備モードに入って人々の喧騒は一層に増し ている様だ。 アタシ、﹃姫子﹄はというと、ゴミ山の中で二日酔いとセックス疲 れの倦怠感の中で目が覚めた。 全部夢だったらいいのに。 いくらそう思おうと顔にかかる金の髪と肌の色や長いネイルがこれ は現実だよと物語ってくる。 ﹁おはよう、姫子。﹂ 朝一番の和久の声。どこかに出かけていたのか昨日とは違う服装に 着替え、ビニール袋を手に下げていた。 ﹁姫子⋮姉貴さぁ、今日から年末年始も仕事入ってたよな?﹂ え?仕事?初耳だよ。 ﹁シフトの日はケータイにメモってるだろ?寝ぼけてんの?﹂ アタシはケータイを取り出した。 タッチパネルはこの爪だと使いにくいなぁ。 そう思いながらスケジュールアプリを立ち上げてみる。 32 ﹃zb日⇩El日 lz時∼zz時シフ┯﹄ 12時∼22時シフト﹄ は?文字化け?アタシは意味が分からず和久にそれを見せた。 ﹃26日⇩31日 和久は即答する。 ﹁ギャル文字だよ。姉貴いつもこんなじゃん﹂ ええー。アタシ全然分かんないよー。 でも確かに予定が入っている。 ぉ泊мαレ︶ぅいゑ﹄ もう一つタスクがあることに気づき、そちらも確認してみる。 ﹃zb日カゝζ京子σ家τ またも暗号。 和久はまるで教科書を読むようにさらさらとそれを読んだ。 ﹁﹃26日から京子の家でお泊まりうぃる﹄だってよ。﹂ ﹁京子って誰?﹂ ﹁おいおい可哀想だろ。姉貴のバイト仲間の京子ちゃんだよ。﹂ てか姉貴、とケータイのホーム画面を見せてくる。 ﹁バイトまで、あと二時間も無いぜ﹂ ﹁ええー!だってアタシバイトとかしたことないし、あとどこで働 いてるかも知らないし!京子さんのことも分かんないよ?﹂ 33 ﹁あぁ、そこは大丈夫だよ。﹂ 俺がオーナーだから。 京子ちゃんも、優子が姫子になったの知ってるし。 と衝撃的な話を始める。 お金を持ってるとは思ってたけど、和久ってお店まで持ってるの? いや、それより京子さんにも話をしてるって⋮ ﹁京子ちゃんのとこで姉貴になりきる合宿だよ。どーせ俺も年末家 に居ないから一人でいるのも楽しくないだろうしね。﹂ そうしてアタシの姫子化計画は第二段階に入っていった。 の前に和久が足元から雑誌を取り上げてアタシの前にポンと投げて 寄越した。 それはキャバ嬢達御用達のギャル雑誌。 アタシが本屋で参考書を買おうとしているときに見向きもしなかっ た本。 ﹁これで今日のメイクはどうにかして﹂ それから一時間の試行錯誤の上に、アタシはスッピンにマスクとい う、よくギャルがスッピン隠しに使う方法で外出することになる。 服は昨日のままだ。正直臭いが気になったけど、和久は姉貴のいつ ものことだろ。そう言って着替えは許されなかった。 和久は笑って京子ちゃんによろしく言っとくと言ってアタシを見送 った。 34 Surfer﹄と書かれている。 和久に教えられたバイト先は乗り継ぎ一本で行ける駅前通りにあっ た。 扉には﹃日焼けサロン 嫌な予感しかないアタシが立ち止まって出社を躊躇すると、中から 一人の黒ギャルが顔を出した。 ﹁姫子じゃん!和久さんから話聞いてたけど、普段の姫子じゃんw﹂ たぶん彼女が京子さんだ、と話の流れから分かった。 何立ち止まってんのぉ、早くおいでよーと言うと腕を捕まれ、店内 へ無理やり引き込まれる。 ﹁あの、京子さん。よろしくお願いします。﹂ 京子さんがカラカラと笑い始めた。 ﹁京子でいいよwあとタメ語でいいべ。てかほんとにこれで姫子じ ゃないんだねwwウケるわー﹂ ﹁き、京子、よろしく﹂ ﹁あはは、優子の写真貰ってるけど、すげー変身だねぇ。﹂ 35 かくいうアタシも人のこと言えないけどぉ、と意味深に笑う。 ﹁とりあえず制服に着替えてから話しな。アタシも着替えまだだか らさぁ﹂ 奥の更衣室に着くと京子がそこに畳まれた服を渡してくれた。 昨日までサンタだったんだけどね、と前置きをして、 ﹁うちの店、今月は制服コスプレデーなんだよ﹂ 白いシャツにベージュのダルっとしたカーディガン、ピンク色をし たチェック柄の超ミニプリーツスカート。 スカートに合わせたリボンが安っぽさを感じさせた。 一番衝撃を感じたのは、年齢的に見ることはあっても履くことは一 生ないだろうと思っていた、ルーズソックスだった。 36 初彼7話 おつかい。 開店してから一時間。 あたしは京子に渡された制服を着て、まだ誰も来ていないお店の掃 除をさせられている。 お店は至る所が鏡ばりになっていて、そこに映るギャルJKが気に なって作業に身が入らない。 アタシは中学、高校と女子校で地方では名の知れたお嬢様学校に通 っていた。 制服はセーラー服で色はリボンも含めて全部紺色。丈も膝下が当た り前だったし靴下は白以外禁止されていた。もちろんルーズソック スなんて履くような子は一人も通っていなかった。 それがどうして22歳になってこんな服装をしてるんだろ。 スカートからは下着が今にもはみ出しそう。 ルーズソックスはアタシの黒い肌の下で存在感を存分にアピールし てる。 メイクは京子にしてもらった超盛りメイク。昨日の少し甘え目の狸 みたいなメイクに比べて今日のメイクはキツネや猫のような攻撃的 な印象を受ける。 ⋮どこからどう見ても頭の悪いJKにしか見えない。 37 制服って勉強する時に着る服じゃないの? こんな服装じゃあ勉強なんてできないでしょ。 そんな思いも京子の﹁姫子相変わらずちょー可愛い!﹂という言葉 で掻き消され、﹁そんな深く考えなくても、セーフクなんて男に興 奮してもらう為の武器っしょ。アタシなんて別の仕事でもこんなん 着てっし。﹂とまで言われたアタシはぐうの音もでなかった。 ﹁よっ!馬鹿が珍しく働いてるじゃん﹂ ﹁ひゃっ!﹂ ミニスカートの下側、つまり下着の上からお尻を撫であげられたの で変な声がでる。 ﹁あれ?姫子じゃねぇのか。オマエ誰だよ。﹂ お尻を隠しながら振り返ると、アタシに負けないくらい肌が真っ黒 に焼けたギャルが腕組みをして立っていた。 ﹁アタシが姫子じゃないって、分かるんですか?﹂ ﹁当たり前だろ。アタシがダチの尻触って間違う訳ねぇよ。﹂ どういう理屈? ﹁いらっしゃいませー⋮ってヤヨイかー。﹂ 奥でローションの在庫整理をしていた京子が顔を覗かせる。 ﹁明らかガッカリすんなよ。客だぞ客。﹂ どうやら、姫子や京子の友だちらしい。 ﹁それより面白そうだから事情話してみろよ。﹂ 京子は呆れた顔をした後、奥に引っ込んでいった。 38 普通ケーサツとか実家とか逃げ ヤヨイさんに事情を話すとガッハッハと痛快に爆笑されてしまった。 ﹁アンタめっちゃ面白くない?w ること一番に考えんだろーが﹂ 姫子と同じくらい馬鹿だよオマエ。 とまで、言われてアタシはムッとした。 ﹁で、京子の家にしばらくいるんだろ?⋮やべぇし。超面白いから これやるよ。﹂ そうして、渡されたのは一枚のカードだった。それは河内弥生と書 かれた一枚の名刺で印鑑が押され、ラミネート加工が施されていた。 なんだろうこれ。 ﹁使い方は京子から聞きな。また年明けにあったらよろしくなー。﹂ そう言うとヤヨイさんは更衣室に入り、すぐに裸ででてきた。 そのまま恥ずかしげもなく全裸で廊下にでてくるとこちらに手を振 り、一番奥のマシーンに入っていった。 ﹁あれ、アタシの悪友。ここの常連だから覚えといた方がいいよ。﹂ 京子はそれだけ言うと事務作業に戻っていった。 そのあと何人かのお客さんが来た。 大体は京子1人でお店を回してくれた為、何もすることが無かった。 ﹁ごめん、買い出しのメモ書いたから、昼メシと夜メシの買い出し 行ってきてくれない?﹂ ああ、アタシより早く店に来てたからお腹減っちゃったんだな。 39 そう思ったが早いか、京子は制服の冬服ブレザーをアタシに着せる とお金と財布を押し付けて、行ってらっしゃい!と私を店から追い した。 京子は内心でごめんね。と思いながらも、オーナーである和久の仕 込んだJKの格好で買い物に行かせるという恥辱プレイの片棒を担 ぐだけでもらえる大きなボーナスの使い道ばかりを考えていた。 ﹁いらっしゃいませー﹂ 道路を通る人からの目線に耐えられず、とりあえず手近のコンビニ に逃げ込むように入った。 こそこそと店の角に移動すると、京子から受け取ったメモを開く。 可愛い丸文字で内容だけ箇条書きで書かれていた。 ・おにぎりふたつ︵好きな具でいいよ︶ ・サラダ︵ドレッシングは要らないです︶ ・メビウス3箱 ・スミノフアイス5本 メビウス?スミノフアイス? アタシはそれが何なのかさえ分からず、一度京子さんに聞きに行こ うかと迷った。 その時、隣から聞き覚えのある声がした。 40 ﹁アンタ、そんな恰好で恥ずかしくねぇのww﹂ 横を見るとヤヨイさんがニヤつき顏でアタシのお尻を撫で回した。 メビウスはタバコの銘柄。 スミノフアイスっていうのはお酒のことだよ。 あんたの格好なら、どっちも身分証明書がいるよ。 おっ、あんじゃん。はい、スミノフ。 京子は海藻サラダだな。 おにぎりは海苔とか佃煮とか⋮そうそう、マジあいつババくせぇの 抜けねぇんだ。もう二年もギャルやってんのにマジヤベェしw ほら、行けよ。 店の中で騒ぐ黒ギャル2人は凄く目立つようで周りからの視線が辛 い。 ヤヨイさんはズイズイと、アタシをレジへ追いやると少し離れてこ っちを傍観し始めた。 ﹁す、すいません。メビウス3箱いただけますか?﹂ ﹁はい!い、いや⋮す、すいませんが、年齢確認の出来る物を提示 して頂いてよろしいですか?﹂ なよなよとした青年店員が怯えながらも仕事をこなした。悪いこと 41 じゃないけどここは見逃して欲しかった。 アタシは姫子の財布から、姫子の原付免許証を出す。 その写真は黒ギャルになる以前、姫子が16歳になったばかりの頃 のもので、どちらかというと元の優子に近い雰囲気をしている。 目の前の黒ギャルと免許証を交互に見てどうしていいか狼狽した様 子の店員。 店内の全員の視線に視姦されている感覚に囚われるアタシ。 少し重くなった空気の中、頬にかかる金髪が邪魔に感じた。 長いネイルで髪を耳にかけると、ギラギラしたピアスが姿を見せる。 後でヤヨイさんから聞くと、﹃早くしてくれねぇかな。ちょーうぜ ー﹄って態度に見えたらしい。 威圧と取った店員さんは萎縮した声で、ありがとうございました。 とだけ言うとタバコをレジ袋に入れて会計をしてくれた。 ふつー制服ってだけで コンビニを出ると、あれから10分も経っていなかった。 ﹁あいつJKにタバコと酒売ってんのww 断れよww﹂ ヤヨイさんが大声で爆笑しながらコンビニからでてくる。 42 ﹁ちょっと、店員さんに聞こえるじゃないですか!﹂ ﹁聞こえるように言ってるんですけどぉ。﹂ 悪びれるそぶりもない。 ﹁それにピアス見せてガンつけるオマエもオマエで相当性格悪いよ w﹂ 面白いもん見たわー。みんなに話そー。 そう言ってヤヨイさんは去っていった。 ブーン。 ブレザーのポケットが震える。 手を入れてみるとアタシのケータイが入っていた。 京子からだ。 ﹃客の注文でスミノフ足りないから5本追加﹄ ヤヨイの大声のせいでもうこのコンビニは使えない⋮。 アタシは諦めて少し離れた別のコンビニへと歩き始めた。 43 初彼8話 姫子になる。 22時。ようやく今日のシフトが終わった。 ﹁お疲れー!ビールでいい?﹂ ﹁あ、はい。いえ、ビールはあんまり飲んだことないから﹂ ﹁マジ?アタシとか大学のコンパとかで無理やり飲まされてサイア クだったわー。﹂ ﹁アタシ、あんまり人が集まるところが苦手で⋮﹂ ﹁ビールは飲んだら飲んだだけなれるからさ、今日から毎日ノルマ ね。﹂ あと、と京子は胸の谷間から昼間買ってきたメビウスのタバコを取 り出してアタシの口に咥えさせた。 ﹁仕事終わりが一番うめーんだよ。頭とろけるから試してみな﹂ 京子はそういうと自分のタバコに火をつけた。 ﹁和久から聞いてるよ。始めてじゃないっしょ。﹂ 昨日の夜を思い出してマンコがじわりと濡れる感触があった。 シュポ。 京子は豹柄のZippoを片手に構えると、軽々と火をつける。 小さくチリチリと音を立てると、アタシのタバコに火がついた。 煙を一気に吸い込む。 軽い倦怠感と共に昨夜の快感が体を巡り、気持ちよさでどうにかな りそうだった。 アタシはもうタバコから離れらんない体になっちゃったんだ。 ビショビショのショーツを指でなぞりながら、後悔を感じていな私 自分に驚きながら、アタシはすぐに2本目に手をつけた。 44 ビールとタバコでヘロヘロになったアタシはソファで少し寝ていた らしい。 少しチカチカする目を開けると。そこは青一色の世界だった。 今日1日働いてよく見た色、直ぐにここが日サロマシーンの中だと 気がつく。 服も全部脱ぎとられ、全身にはテカテカとサンオイルが塗られてい る。 ﹁和久から仕事終わりは絶対に焼くようにしろって頼まれてんだよ ね﹂ マシーンの外から京子の声が聞こえた。 小窓から見える京子の他に誰かいる。 京子もマシーンからでたばかりなのか、綺麗な裸体で歩いている。 ﹁15分はロックかかってるから、終わったらでてきてシャワー浴 びておいでよ。﹂ そういうと人影に寄り添い、奥の控え室に入っていった。 制服の時には気づかなかったけど、京子の背中には左足にかけて大 きな薔薇のタトゥーが彫られていた。 15分後にマシーンをでる。言われたようにシャワーを浴びた。 45 鏡に映るアタシ。姫子の裸体。 黒く焼かれている割にキメの細やかな肌。縦長のへそ。その下に光 るピアス。脱毛された陰毛。 白肌の時は気づかなかったけど、すらりと長い手足とお椀型の綺麗 なおっぱい。 メイクして無くてもエロさが滲み出している。 昼間は女子高生に間違われた。 地味な服装をしているときは20代半ばに見られたのに。 これが可愛いの? あぁ、昼間たくさんの人に見られた視線を思い出すとキモチイイ。 アタシが人生で可愛いと思ってきたものはなに? アニメも漫画もゲームだって可愛いものがいっぱいなのに、こんな に興奮したことなんてないわ。 可愛いっていうのは、エロくて、目立ってて、今のアタシみたいな ことなのね。 股間に這わした指には、水滴とは別の、粘り気の強い液体がまとわ りついた。 シャワーから上がり控え室のソファーでタバコを吸いながら5本目 のビールを飲んでいると、奥から京子が出てきた。 ﹁あとは帰るだけだから着替えといてぇ﹂ そういうと京子は黒い体にベトベトの液体をまとわせたまま、シャ ワールームに消える。 薔薇のタトゥーの付近には白い液体がべっとりとへばりついていた。 ちょうどビールが底をつき、アタシはソファーで眠りについた。 46 帰ると言ったはずなのに⋮。 それがアタシの本音だった。 ここはどこだろう。 飲み慣れないビールを飲みすぎて前後不覚になっていたのは悪かっ た。 でもこんな時間からお店に入るなんて思わないじゃない。 気がつくと真っ暗な部屋のソファーに寝かされていた。 ﹁あ、起きた。マジあんた酒癖悪いから飲み方覚えなよー?﹂ 向かい側のソファーで京子が足を組んで座っている。 隣には見知らぬ和服の男がいた。 ﹁如月さん。店からあんた連れてくる時に手伝ってもらったの。﹂ ﹁あ、ありがとうございます。﹂ ﹁ほんと、如月さん居たから良かったけどさぁ。アタシだけだった らどうしようもなかったんだからね。﹂ ﹁ごめんなさい⋮。﹂ ﹁京子、あんまり責めてやるなよ。⋮姫子が酔い潰れるのなんてい つものことだし、俺も慣れてるから。﹂ ﹁そうはいうけど、こういうのは始めに言い聞かせないと﹂ そこまで言うと京子はしまった、という顔をした。 ﹁始めに?姫子さんだったらいつものことだろ?﹂ 如月さんは表情を変えずに京子を睨んだ。 ﹁ちょっとごめんね。﹂ と、アタシの左腕を掴んで引き寄せる。 ﹁この墨の跡はまだ新しいな。姫子にこれを入れたのが二年前だか ら、こんなに綺麗なのは可笑しい。﹂ 京子、全部話せ。と如月さんは凄んだ。 47 京子は泣きそうな顔でアタシが姫子でないこと、和久に頼まれて世 話をするようになったことを全部白状した。 ﹁優子さん。貴女はそれで、構わないんですか?﹂ ﹁⋮え?﹂ ﹁今なら引き返せますよ。和久には俺と、ここの店長から強く言え ば諦めさせられるでしょう。タトゥーも皮膚が弱っているので直ぐ には無理ですが、病院に知り合いがいますから、消すことも難しく はないでしょう。﹂ 素晴らしい提案だった。 横で京子が気まずそうな顔をした。 ﹁⋮このままで、大丈夫です。﹂ 素晴らしい提案、だった。 過去形なのは、自分の姫子として見られる快感。和久に全てを抑圧 され、奪われたという現実からくる興奮、この数日で感じた全てを 失いたくない。そう思ってしまったから。 ﹁アタシ、超可愛くないですか?﹂ ﹁﹁⋮え?﹂﹂ ﹁このままでいい、です。このままが、いいです。﹂ それは、優子を捨てることになるんだよ。と何故か京子が困惑する。 ﹁アタシ、こんなに人に見られること初めてで、和久にあんなに興 奮されるのも、初めてで。優子でいることは、アタシにとってもう 枷でしかないの。﹂ だから、このままアタシをほっといてください。 気を使ってくださって、本当にありがとうございました。 頭を下げると、京子が隣に座って頭を撫でてくれた。 ﹁⋮なら、姫子以上に姫子になろう。﹂ 如月さんからのまさかの言葉だった。 ﹁それは⋮﹂ 48 ﹁姫子の真似じゃなく、姫子よりも姫子らしい姿にしてあげるよ。﹂ ﹁はい。﹂ それが悪魔の囁きだろうと、天使の囁きだろうと、選んだ道は引き 返さない。 アタシは酔った頭で安易な選択をしたことに、翌日になって後悔す るのだった。 49 初彼9話 京子との日々 それから年末までの日々は、まるで異世界での生活となりました。 京子のゴミだらけの部屋で目覚めるとギャル雑誌を参考に、京子の 許可が出るまで何度もメイク直しをさせられました。 出勤時間に間に合わないときはすっぴんにマスクでお店に向かい、 お店でやり直しです。 長い爪でのメイクは困難ですが、手先の器用さは自信があります。 3日目には一発合格をもらいました。 京子の冷蔵庫にはお酒しか入っていませんでした。 食べると太るからお酒しか飲まないというダイエットだそうです。 それに付き合わされる形で、仕事中だろうが関係なく、朝からベッ ドに入るまでの間、常にお酒を飲まされます。 そして時間が許す限りタバコを吸うことを義務付けられ、律儀にも アタシはそれを守りました。 そしてギャルJKスタイルで毎日お遣いを頼まれます。 朝買えばいいのにわざわざお昼に買い物をさせるということは、つ まり和久が京子に命令しているんだと3日目になって気付かされま した。 毎日コンビニで免許証を出す度に顔が熱くなり、自分が姫子なんだ と思うと、面積の少ないショーツがじんわりと湿り気を帯びるのを 感じました。 仕事の合間や終わりの時間を利用して、タンニングマシンに入って 黒肌に磨きをかけると、ただでさえ黒い肌が黒人の様に黒くなりま 50 した。 乳首とおマンコだけがピンクで残りは真っ黒です。 初めて鏡で見たときは気持ち悪かったこの肌ですが、今では黒く光 を反射する黒肌はアタシの自慢です。 如月さんと会った夜から、アタシの右肩には大きな太陽の形をした タトゥーが、右腰にはリボンをしたドクロのタトゥーが大きく存在 感を放っています。 デザインは太陽の様な明るさと姫なのに毒を持っている姫子のイメ ージで、オーダーメイドです。 世間話の中で京子から聞いた話ですが、如月さんはネットで調べれ ば都市部でオススメの彫り師10選に選ばれるほどの彫り師なんだ そうです。 京子の薔薇のタトゥーも如月さんの作品でした。 仕事が終わると、京子と二人で如月さんの店に向かいます。 腫れをひかせるケアをした後、痛みを堪えながらテキパキと続きを 掘り進めます。 本当のところ、アタシはお酒の飲み過ぎで痛みが快感に変わってい ました。 そんな恥ずかしいこと、2人には言えませんでした。 家に帰るとスウェットに着替えさせられ二人でギャル語の練習をし ます。 といっても恋話をしたり今日の客は∼といった会話をするだけで、 そんなに抵抗はありません。 ただ、タバコやお酒の手を止めると京子から、 ﹁もう要らないの?﹂ と凄まれました。そこには和久に嫌われてもいいの?というメッセ ージが含まれています。 それだけは避けたいので、 51 ﹁はぁ?全然足りねぇしぃ﹂ そういって手元の缶を一気に空にしました。 話す話題が無くなると、お店で流れているギャル御用達のトランス MIXを大音量で流します。 ジャス⃝ィンから加藤⃝リヤまで和洋で組まれためちゃくちゃなM IXです。 一日中聴いているので、元から好きだったクラシックが思い出せな い位にアタシはギャル系トランスの虜になりました。 29日はお休みをもらって京子と買い物にお出かけです。 人生初の渋谷109です。 毎日雑誌で見ていたギャルが働いている、今や憧れの地です。 当日はゼブラ柄の厚手で長めのコートに生脚ショートブーツ。 コートの下にはド派手な赤の下着以外着ていません。着せてもらえ ませんでした。 寒さよりも、背徳心から過剰に周りが気になってたまりません。 街行く人はアタシのことをジロジロ見てきます。 京子はゼブラ柄のコートに千鳥格子柄のパンツ、ピンヒールのパン プス、女優帽にサングラスと、海外セレブの様な着こなしをしてい ます。 自分だけ肌の露出を少なくして姫子に目線を向けてやろうという悪 意からのセレクトです。 すれ違う人の目線が視界にどうしても入ります。目はできるだけ合 わせません。 黒ギャル二人が珍しいのか、アタシの脚を見ているのか、どちらに せよアタシには視姦でしかありませんでした。 歩く度に染み出す愛液で、サテン地のショーツはシミを作り、ボル ドー色に変色いくのが見なくても分かります。 52 もしかしたら、和久にセクキャバに連れて行かれたときよりも興奮 しているのかもしれません。 頭の片隅で、和久以外のおチンコを入れられる姿を想像してしまい ました。 嫌だと思う気持ちと、誰でもいいから大きいのを突っ込んで!とい う気持ちが同時に浮かぶことに困惑しましたが、妄想は止まりませ んでした。 京子が次々と選ぶのは布面積に対して0が一つ多いんじゃないのか と思うような服ばかりです。 店員は何を着ても﹁カワイー!﹂﹁カッコイイ!﹂﹁オニアイデス !﹂﹁アタシモコンナニスタイルヨケレバナー﹂と褒めちぎってく れました。 その言葉に酔いしれてアタシもどんどん派手な服を試着するのでし た。 ﹁合計で168000円でぇす﹂ 店員のその声で我に返りました。そんなお金持っていません。 ﹁あ、だいじょぶよ。カードあるじゃん﹂ ﹁カード?﹂ ギャル姉の使い回しのブランド財布にはレシートやゴミしか入って いません。給料日はまだ先ですし。 ﹁これこれ。﹂ そういって、何なのかよく分からない黒いカードを取り出しました。 あ、ヤヨイから貰ったカードだ。 店員はそのカードを恭しく受け取ると、 ﹁お名前を控えさせていただいてよろしいですかぁ?﹂ ﹁ひ、姫子です﹂ ﹁姫子様⋮はい、カードをお返し致します﹂ 53 会計が終わりました。 現金もクレジットカードも要らない支払い方法が世の中にはある様 です。馬鹿なアタシにはさっぱり分かりませんでした。 ﹁正月用に髪いじんないとねー﹂ 紙袋に自分用の服をパンパンに買ってご満悦の京子が呟きました。 そういえば京子の髪はショートの金髪が少し伸びてプリンになって います。 初詣用に染め直すのでしょう。 ﹁次は何色にするの?﹂ ﹁金にピンクメッシュとか﹂ それは黒肌に生えて可愛いこと間違いない。 ﹁でも京子はショートじゃん?メッシュってあんま入れてるの雑誌 じゃ見たこと無いよ﹂ ﹁⋮あ、アタシの話?アタシはアッシュだよ。今のは姫子の話w﹂ 確かにアタシの髪はロングだからメッシュがよく似合うかも。 でも数日前まで黒髪ロングだったのに金髪にピンクのメッシュ入れ るなんて、流石に恥ずかしい。 タトゥーみたいに隠せるものでもないし。 ﹁よし、じゃあお互いに髪型コーディネートし合おうよ!﹂ 京子の提案は姫子にとって不利以外の何物でも無かった。 木目調の小洒落た美容院を黒ギャルが2人揃って出てくる姿は迫力 満点でした。 京子は結局脱色してアッシュに染め直しました。 ただ、姫子の提案で右側のもみあげから上は大きく刈り上げ、ツー ブロックになっています。 刈り上げの下から見える耳たぶには大きなピアスが3つギラついて います。 54 服装も相まって、可愛いというよりカッコ良いギャルの完成です。 本人も満足そうにアイラインを強めの猫目に引き直したりと楽しそ うでした。 対してアタシは、姫子はまさしく姫でした。 金髪はブリーチで脱色され、黄ばみのある白髪になると、薄く紫に 染められます。 これは黄ばみを取るために行われる方法で、染め終わると北欧の女 性のような白金色になりました。 続けざまに担当の美容師はピンク、青、金、赤、紫、オレンジ、黒 の染料をパレットに載せて持ってきました。 耳より少し下あたりから毛束を作ると染料を丁寧に塗って、ラップ を巻きます。 色はそのまま使ったり、混ぜたりします。 まるで画材のキャンバスになった気分です。 ラップが取れると、それはそれは鮮やかな作品に仕上がりました。 自分の髪じゃなければウィッグに見えます。 仕上げにくるくるとコテで毛先を内巻きや外巻きに巻いて散らしま した。 鏡に映る自分を直視したときにはウキウキ気分が止まりません。 根元や前髪は白金、そこから毛先に向けてたくさんの色のメッシュ が胸したまでくるくると伸びています。 前髪はド派手な髪や肌、メイクに似合わず眉の長さのパッツンです。 超かわいい。 ナルシストの気分が初めて分かりました。 トイレで滴る愛液を膝の辺りまで拭き取らないといけない程に、興 奮が収まりません。 55 お店の前で2人見つめ合うと﹁アッハッハ!!﹂と、どちらからと もなく同時に笑い出しました。 次の日の出勤日、2人揃って制服姿がコスプレにしか見えなくなっ たのは言うまでもありませんでした。 56 初彼10話 内面堕落/姫子の痴態 ﹁∼∼っ♪﹂ 毎朝カラフルな髪を巻くのが楽しくて、つい鼻歌がでる。 もちろんお気に入りのトランスMIXに入っている曲。 ケロケロした音声が気に入っている女性のパートを何度もリピで歌 っちゃう。 ピンクの毛束は四回巻き、青の毛束は二回くるくる、赤は毛先だけ スルッと流して、こんな感じにヘアアレンジが楽しめるのもギャル になった特権だと思うと、優子に戻る未練が全然なくなる。 楽しさの原因は髪色だけが原因じゃない。 それに拍車をかける嬉しい話を京子から聞かされたのは、昨日美容 室から帰って買った服の試着をしている途中だった。 ﹁和久が初詣に姫子と行きたいってー﹂ 可愛くなったアタシを褒めてもらえるチャンスがあと2日でくる! じゅん... 和久のことを考えるだけでショーツが湿り、乳首が浮き立ってブラ にこすれ、気持ちよさに少し身震いがした。 ヘアセットを終えてゴミだらけの部屋で机の上に自分の朝食を準備 した。 朝食は食パンとサラダとハイボール。 57 向かいで座る京子はあぐらをかいてコーヒーを飲んでいましたが、 アタシのお酒が三杯目を超えると、 ﹁見てる方が気持ち悪いわ﹂ 自分で命令したくせに、難癖をつけて席をたって洗面所の方へ姿を 消した。 そういえば明らかに酒量が増えてるなぁ。ゴクゴク。 あ、空だわぁ。もう一杯もう一杯⋮ウィスキーをコップに半分。残 り半分に炭酸水を雑に入れると出来上がり。 ビール、酎ハイ、ジンジャーハイボールときてウィスキーハイボー ルが今のお気に入り。 舌ピアスのふちについてパチパチ音を立てる炭酸の泡と共に、独特 の香りが鼻を通っていく。その香りが好きで、とにかく酔えるとい う点とも相まって飽きずにずっと飲めるお酒だった。 鼻筋に白いパウダーを引いたがっつりメイクをすると、家を出る前 から茶系ブレザーのミニスカ制服を着込んで姿見鏡に自分を映した。 そのブレザー制服は都内私立高校の指定制服で、偏差値39の底辺 高、羽可女子高校の服。 着ているだけで電車の中で馬鹿ジョだとかひそひそ話の対象になる ような酷さ。 数週間前に電車内で見たこの制服をまさかアタシが着ることになる なんて思わなかった。 それこそ和久に、 ﹁うわ、馬鹿ジョだよ。あんな制服着てよく外歩けるよねー﹂ って軽蔑の目で見てたのに。 58 それがおそらく馬鹿ジョに行ってもトップクラスでド派手な髪色と 真っ黒に焼いた肌、派手に塗りたくったメイクが頭の悪さをどんど ん引き立てていて、風俗店のコスプレデーにしか見えない。 この制服は28日の帰りに京子から ﹁和久さんがこれ着て働けって送ってきたんだけど﹂ 京子も馬鹿ジョの制服を見て少し引いている。 ﹁次の出勤からこれを着ていくようにって﹂ おそらく、あの時の会話を覚えていて、アタシを辱めようって考え なんだ。 アタシはもう快楽に抗う理由なんて無くて、早くそれに袖を通した くてたまらなかった。 今実際に着てみても、赤色をした短いチェックスカートは短くて、 誰の目からも誘惑している様にしか見えない。 それが快感で、あえての生足は黒く艶やかに光を反射している。 比例して白のハイソックスと革のローファーは真面目そうな新品が 準備されていたので、一層アタシのコスプレ感に拍車がかかってい た。 アタシが玄関から先にでて、寒空の感触を生足で味わっていると、 少し遅れて京子がでてきた。 ﹁おまたせー、寒いから中にいれば良かったのにー﹂ 京子は普通に黒のコートと白いスキニー生地のラフなパンツ姿。ツ ーブロックがよく見えるように髪を耳にかけてタバコを吸いながら でてきた。 ﹁うわぁ、超馬鹿っぽい﹂ 59 褒め言葉では無いけれど、 馬鹿ジョの女子に見られて興奮してし まう。 ﹁姫子、絶対痴漢にあうよー?タク呼ぶ?﹂ ﹁えー。アタシされたこと無いから大丈夫だよー﹂ ﹁まぁいいけどさ、その代わりアタシは助けないからね。あれめっ ちゃ怖いんだよ﹂ ﹁京子でも怖いことってあるんだ﹂ ﹁そりゃあたりまえだろー。キモい親父とかに体触られるのよ﹂ 和久以外に触られるのかぁー、どんな感触なのかなぁ。...だめ だめ!アタシの体は和久のモノなんだから! 駅までの徒歩10分の道のりで既にアタシの羞恥心は限界にきてい た。 みんながこっちを見てる。 みんながアタシを避けてる。 サラリーマンは全身舐めるように見て、目が合うとささっと視界を 背ける。 おばさんは不快そうに顔をしかめて他のおばさんとひそひそ話に逃 げた。 男子高校生はちらちら携帯とアタシを交互に見てくる。パシャ!写 メ取られた...SNSなんかで拡散されちゃうかも。今夜のオカ ズにされたりして。 女子高生は視界に入るとさっと道を譲ってきた。カーストが上の相 手に従順なのが女子の掟だから、アタシもそうだったし。 みんなアタシを見てエッチな気持ちになったり妬んだり、性的な目 で見てくるぅ。 触ってもいないのにおまんこがヒリヒリしてきて、もう我慢できな かった。 60 ﹁き、京子。少しトイレ行って来るから先行ってて!!!﹂ ﹁えー?いいけどさぁ﹂ ﹁遅刻はしないから﹂ ﹁はいはい。電車は女性専用乗るんだよ?﹂ ﹁うん、そうするね﹂ そうしてアタシはトイレの個室にかけこんだ。 もう限界だった。おマンコは涎をだらだらとたらして指を持ってい けば今にも噛み付いてきそうなにひくついている。 クリトリスが勃起して表皮が剥けて真っ赤に充血している。その小 さなお豆に指を添えてみた。 ﹁ひゃぁぁあああうぅぅぅ﹂ 声をかみ殺そうとしていたのに大声がでてしまった。 幸い他の個室には誰も居なかったので聞かれることはなかったけど、 アタシは昨日買った薄紫のサテン地のパンツを脱ぐと口の中に押し こんだ。 優子として初めてオナニーを覚えたのが中学3年の時だった。 当初好きだった松長くんのことを考えていたら自然と股間に手が伸 びている自分に気づいた。 指で触るなんて不潔だと思って、その日は我慢した。 次の日の放課後、我慢が出来なくなって松永くんの机の角に自分の 股間を押し付け、オナニーをした。 駄目だダメだと思いながらスカートをたくし上げ、シンプルな白い パンツの上から自然と一番感じるところを何度も何度もこすりつけ た。 快感でビクついたときには既に遅かった。べっとりとした粘液が机 61 の角に付着してパンツまで糸を引いていた。 運悪く教室に忘れ物を取りにきたクラスメイトが居たため、ふき取 る間もなくカバンを引っつかむと教室から逃げ帰った。 次の日に学校へ向かうと外部から変質者が入ってきたのではと学校 内の大問題になっていた。 もちろん優等生の優子は疑われることも無かった。 ﹁気持ち悪いよねー!しかも優子が好きな松長くんの机でしょ、シ ョックだよね!﹂ 友人の優しい気遣いが逆に優子には辛かった。 自己嫌悪で性に対して内向的になってしまった原因にもなった。 自分の性欲を抑えるためにオナニーをするようになったのはそれか らだった。 声が出ない為の工夫として自然とパンツを咥えるようになった。 頑なに男性に触れないように高校生活をすごし、BLやアニメや漫 画で男を感じ、オナニーを繰り返した。 ﹁................!!!!!!﹂ ぐりぐりと指の腹でクリトリスを押し込むと体中に痺れと暖かさが 巡る。目の前に白雪が積もった丘の様に真っ白な光景がにじんだ。 和久にあと二日で会える!和久もアタシを見てエッチな気分になっ て、おちんちんを大きくして、アタシのここに! ﹁ぃぅ......!!ぁぅ.........!!!!!﹂ ビクビクビクビク!! 和久との営みを頭に思い描いただけでイってしまった。 蛍光ピンクのリボンを外し、制服の胸元を緩めて胸をだした。体の 熱気で寒さも感じない。 パンツと同じ色のブラをずらして乳首を出すと、乳輪から先端にか 62 けてピンク色になり、小さな山の様にツンと空を仰いでいる。 右側にある先端を長い爪で両端からつまんでみた。 ﹁んくっ﹂ 徐々に力を入れていくとピンク色から少し赤くなっていく。 あの日、セクキャバ、ティラミスの暗闇のなか舐められたり齧られ たりした乳首ぃ! 爪の痕が残るくらい強く摘むと、クリトリスの指の動きを一層早め る。 ﹁ぃぃいっ...!﹂ 姫子の乳首ぃちょー気持ちイイの!優子の乳首よりずっと気持ちイ イの!! 変わったのは外見だけなのに!中身はずっとエロエロなままなのに! ずっと隠してた大きい胸も、人に見せたことの無かった生足も、姫 子になったとたんちょー気持ちイイの!!! ﹁ぁぁぁぁっぁああああーーーーーーーー﹂ ガクガクガクガクガク 体が縦に弾んで一気に意識が遠のいていく感覚がする。 でも体中ジンジンして、特に乳首がうずいて堪らない。 もう誰でもいいから入れてよぉ。 ついに本音が心の蓋を取って漏れた。ホワイトアウトする寸前、一 番強く願ったのは誰でもいいからおちんこを入れて欲しい、優子に してみれば禁断の欲望でした。 ゴンゴンゴン 63 ﹁お客さん?大丈夫ですか??﹂ 知らないおじさんの声で目が覚める。アタシはどれくらい飛んでた んだろう? ぼやけた視界で左手首の時計を見ると、オナニーを始めて15分し か経ってない。 ﹁だいぶ大きな悲鳴が聞こえたそうですが、どこか体の調子が悪い のでしょうか?﹂ 最後の快感で口に咥えていたショーツが足元に落ちてしまっている。 唾液でびしょびしょになったそれを履くとぐしょっとした嫌な感触 がお尻を包みこむ。 ﹁らいひょーふれす﹂ なんとか声を出してみたけど、やっぱりイって直ぐには回復しない みたい。 でも今出て行かないと、救急車とか呼ばれても困るし。 ブラの中におっぱいを仕舞い込んで。スカートのめくれを整えて。 この際、胸元のボタンはいいや。ちょっと谷間が見えるけど、調子 よくなったら直そう。 リボンも緩めに巻いとけば後であとで。 がちゃ。 ﹁うっ...大丈夫ですか?﹂ 駅員さんと何人かのおばさんがドアの前でアタシを迎えてくれる。 露骨な嫌そうな顔は流石にしていないけど、蔑む目線は隠せない。 あれ?駅員さん、おちんちん大きくなってる。ふふっ。 64 ﹁ほんとにだいじょうぶです。すいません。﹂ すぅーーーー。 後ろから大きな鼻息の音がした。 駅員さん、アタシの臭い嗅いでる。 臭うんだ。女の臭い?それともお風呂入れてもらってないから体臭 かなぁ? 隠そうとしていっぱい付けてる香水の臭いかも。 あ、さっきイったのにまた濡れてきちゃった...。 朦朧とした意識で電車に乗ると、ちょうど通勤ラッシュだったらし く、社内はすし詰めになってしまってる。 これに乗らないと遅刻する時間だから、無理やり乗り込む。 体臭くさいけど、我慢してね! プルルルルルルルルル ドアが閉まり、自分の体臭を嗅いでみたけど、自分じゃやっぱり分 からない。 もぞもぞとした何かがお尻の上で変な動きをし始めてやっと気づい た、京子に女性車両に乗るように言われてたんだった。 それはワザとだったのかも知れないし、優子の時からの無意識から だったような気もしてくる。 快感の余韻に浸っていた姫子にはどちらでも良かった。 なんか、隣の男の人も、逆の人もおちんちん大きくなってない? 65 んんーーー...触るならもっと大胆に触ってぇ。 京子は不快っていってたけど、全然気持ちイイよぉ。 お尻の上をなぞっていた動きがゆっくりと圧力を増してきたと同時 に、それが男性の股間だということに気づいた。 キノコの形が押し付けられて上下に動いていく。 お尻にばかり気を取られていると、両胸と股間に伸びた手に気がつ いた。 ﹁複数人で計画的に女の子を狙う犯人も居ます﹂ いつか見たテレビで言っていた他人事が自分に降りかかってきたこ とに驚いた。 驚きに少し体をビクつかせると、大きな手のひらに口を塞がれた。 怖い! 流石の姫子も気持ちよさの合間に恐怖を感じて目線を回りに向けた。 両隣のサラリーマンは壁の役目をしている様であたりをゆっくりと 見回している。 後ろ三人ほど、口を塞いでおちんちんを押し付けてくる男、右胸と おまんこを触る男、左胸を触りながら携帯のムービーで行為を撮影 している男が居た。 全員顔を帽子で隠し、別の方向を向いているので表情もよく見えな い。 他の乗客は気づいていないのか、みんなこちらには気づいてない。 ﹁おい、ぐっしょりじゃねえか﹂ ﹁こいつビッチだぞ﹂ ﹁馬鹿ジョは女子車両の文字も読めねえんだな﹂ ﹁わざとだろ﹂ ﹁くっせえな。むんむんするぜ﹂ ﹁なんの臭いだ?﹂ ﹁汗?香水?酒とタバコかも、。あ!うちの嫁さんのマンコもこん 66 な臭いしたかも﹂ ﹁おい、やめろよ﹂ ﹁おえー﹂ ﹁すまんすまん﹂ ﹁お嬢ちゃん?ってほど育ちは良くないだろうが、お嬢ちゃん。黙 っててくれるなら優しくしてあげるよ﹂ ﹁そうそう、俺らそこまで悪いやつじゃないからさ﹂ ﹁ゲンコーハンじゃないと捕まえられないんだよ、こういうのは﹂ ﹁この人数だ。降りるまでに騒いでみろ、殴る蹴るで済むと思うな﹂ 恐怖で手も足も動かなかった。口を抑えた手が緩んでも声帯が仕事 を拒んだ。 なのに、なんで?おマンコだけがくぱくぱと動いて涎をこぼすのを 止めようとしないの。 ﹁大人しいな。馬鹿ジョの割りには日本語が分かったってか﹂ ﹁﹁はははは﹂﹂ ﹁やべぇな、久しぶりにこんな上玉、もったいねぇのに我慢が﹂ ﹁でたよ早漏﹂ ﹁...ぅうっ﹂ ビュっ お尻に生暖かい液体が脚に向かって伝う感触。 臭いが付かないようにとの配慮なのか、さっとティッシュで拭き取 られるそれは、手馴れた動きで余計に怖かった。 真後ろに居た男が右のサラリーマンとさっと入れ替わった。 先ほどの液体を出したのがこの男だと即座に理解したし、あと最低 4人も精液が残っているという現実も、理解できた。 ﹁嬢ちゃん、どこで降りるんだい?﹂ 67 ﹁あと何駅かで応えろ。声もだすなよ﹂ ﹁今から駅数分うなずけ﹂ ﹁嘘をついて一駅なんて応えてみろ、家までおしかけるかこの映像 をネットに流す﹂ 目的の駅までは乗り継ぎ無しで3駅。 アタシは動かせる範囲で首を三回上下に往復させた。 ﹁じゃあ後17分だな﹂ ﹁一人4分か﹂ ﹁単純計算な﹂ ﹁あ、俺ギャル興味ないんでいいっす﹂ 左のリーマンだった。 ﹁じゃあその分いただきますか﹂ ピト。 お尻を三箇所から同時に触られる。いや、おちんちんが三つ同時に アタシのお尻に当てられてる。 同時に胸やおまんこに当てられていた手がそれぞれ触手の様にうに うにと動き始めた。 ああぁん! 声にならない声が口からこぼれた。 ﹁おい、こいつ感じてるぞ﹂ ﹁とんだビッチだな﹂ ﹁やっぱ俺遠慮しといてよかったすわ﹂ ﹁俺挿れようかな﹂ ﹁やめろよ、そこまでやるのはルール違反だぞ﹂ ﹁ご、ごめん﹂ 68 一駅目に着いた。集団は車両の奥へと流され、アタシを囲んで覆い 隠す様な形になった。 まさぐる手が一本増えた。最初の男もまた触りはじめたらしい。 二駅目に着くと、まだイってない三人が同時に股間のチャックを開 けておちんちんを取り出した。 ﹁時間がねぇ。イかせろ﹂ ﹁三人ともイかせ無いと降ろさねえぞ﹂ いつもなら気にも留めない二駅の区間。その短時間が永遠にも思え、 恐怖と快感で全身の神経が敏感になっている。 無意識にどうすれば助かるのか理解した。 右手でサラリーマンのおちんちんを掴むと上下にスライドさせ始め る。 後ろからひざの裏側を押され、ほとんど中腰まで視界が下がる。 目の前には黒くて大きく、毛がライオンの様に生えたおちんちん。 アタシ、これがずっと欲しかったの!はむっ 大きい。凄い熱くて、脈打ってて、喉の奥を突かれるとそこが性感 帯みたいに痺れた。 不思議と吐き気はないし、愛おしくも思える。 ﹁舌ピアスしてるぞ﹂ ﹁舌ピアスフェラ??うわー、もう一回イけたら俺も頼んだのに﹂ ずちゅずちゅずちゅ 20秒くらい同じ速度で動くとおちんちんがビクッと痙攣し、口の 69 中いっぱいに苦味が広がった。 ごくん 勢いで飲んじゃったけど、もしかして精液? おちんちんがすぐさま抜き去られると、惜しむ暇も無く左に首をひ ねられ、次のおちんちんが喉の奥まで突っ込まれた。 こちらも負けず劣らず大きくて熱くなっている。ちょっと左向きに 曲がってる?それにちょっと臭い。 でもそれが逆に、ああん!こんな可愛いアタシがこんな汚いおっさ んのおちんちん咥えてるって考えるとぉ!! ビクビク! 次に痙攣したのはアタシの体だった。もうどうでもいいかた突いて 欲しい。 姫子のおまんこ突いてよぅ。魅力的じゃないっていうの!? ﹁こいつ、イったぞ﹂ ﹁痴漢されてイくやつなんてAVの中だけだと思ってたわ﹂ ﹁確かに﹂ うぅううん。 挿れてくれない欲求不満から目の前のおちんちんの後ろあたりを左 手でなぞった。 ビクビクビク!!! ビュ!! ソコをなぞった瞬間、再び口内に苦味が走った。 70 今度は反射的には飲み込まなかったけど、右手の一本を咥えるため には飲むしかないなぁ。 ゴクッ はい、次、あーーーん と口を開けて右を向くと、サラリーマンはティッシュで亀頭を押さ えて体を震わせ、ティッシュごと股間のチャックの中におちんちん を片付けてしまった。 え、終わり?周りみんな満足そぅなんですけど、アタシまだまだイ きたいよ? ﹁お嬢ちゃん。目的地だぞ﹂ ﹁今日のことは忘れないわ﹂ ﹁こんな早くイったの始めてだった﹂ ﹁あー、やっぱ途中から参加したかったすわ﹂ ﹁ほら、立てよ﹂ アタシはそのまま立たされると服の崩れを男に整えられた。 といっても電車に乗ったときと同じ程度の崩れた着こなしだけど。 ざぁーーーーー、多くの人波に乗せられて駅のホームへと折りたつ と、振り返った時には電車は発車してしまっていた。 改札をでるとコンビニに入った。 ビールを三本買おうとすると年齢確認される。 71 ってかこいつこないだの店員だろ?顔くらい覚えろよバァーカ。 もう恥ずかしくも無いしぃ。 だって姫子は20代後半なのに馬鹿ジョの制服着て電車で痴漢され て悦んでる変体女でぇーっす。 なにじろじろ見てるんだよ! 文句あるなら直接言えよ!オラ!! アタシが目線で凄むと、店員は戸惑いながらもレジ袋にビールを詰 め込んで会計を済ませた。 それでいいんだよ。 店をでて即一本を一気に飲み干した。 精液の臭みがまだ喉に残ってる。 もう一本をまた一気に飲み干す。 吐息がビールの臭いに変わって頭が少しくらっとした。 顔のほうへと持ち上げた右手から精液の臭いがする。 アタシは長い爪を使い器用に三本目のプルタブを開けると、それを 右手にかけにちゃにちゃと洗い流した。 何度か繰り返して臭いを嗅ぐと、右手が大好きなビールの匂いに変 わったので残りを全部飲み干した。 右手から滴るビールがもったいない。 ペロ。 舌ピアスが肌に当たる感触ってこんなんなんだ。気持イイジャン。 アタシは綺麗にビールを舐めきると、京子の待つお店へと向かった。 もういい加減誰でもいいからおちんちんぶち込んで!!! アタシが考えられるのはそれしか無かった。 72 初彼 11話 年末、大荒れ 大晦日も含めて年末の二日、姫子はまるで時季外れに咲き荒れる桜 吹雪の様に、淫乱にそして妖艶に、激しく開花した。 酔いが覚める前に次々に酒を飲み、肌が痛むのを躊躇わずにマシン に入った。 入っては酒を飲む。 いい男を見つけると手を引いてマシンに連れ込んだ。 そしてたくさんの男共に自慢のタトゥーを舐めさせる。 恍惚な表情を浮かべながら、天板に向かいそり立つ粗チンを左手で 優しく包む。 舌ピアスが見えるようにピンク色の小さな舌をべっーーっと出すと、 そこから蜘蛛が糸を垂らすように、つーーっ⋮と、よだれを垂らす。 舌先で全体に滑りを広げると、右手を、そのギラギラした長い爪先 から指先の腹を通り手のひらへ、まるで蛇が巻きつくようにするす ると、握った。 それは繰り返せば繰り返すほどに﹁丁度いい﹂力加減で握れるよう になった。 ﹁ううぅ﹂ 京子が呆れた顔をして注意すら止めた、だいたい20人目か、初め て日サロにやってきたという大学生は、握られた瞬間にイクという 未知の体験に、タンニングマシンの青紫のライトの下で赤面した。 73 姫子は大学生の顔を見る。 正直、連れ込んだ相手の顔をじっと見たのはこれが最初、これが最 後かもしれない。 ウルフヘアー、筋肉質なのに生白い肌。ピアスが左右に4つ。 ほとんど眉頭しか無い薄い眉毛がハの字になって、困った時の犬の 様な表情でこちらの様子を伺ってくる。 どことなく和久に似ている、気がする。 和久の顔が正確に思い出せない、そんな現実的不安はアルコールの 淀みの中に沁み広がり、溶けた。 赤面のために頭へ血を流した為か、一気に体積を収縮させたそれを 握りなおすと、亀頭にソフトなキスをする。ちゅっちゅ。 ﹁アハ⋮カワイイっ﹂ 姫子は笑みを浮かべ、彼の出したザーメンを綺麗に舐めとる。 舌ピが蟻の門渡りをつつーっと通り過ぎると、萎れた椰子の木がム クムクと天板向けて起き上がった。 ぬちゅっ 前戯はこれで終わり、蹂躙の如く荒いセックスが始まった。 急な挿入に戸惑った彼も、姫子が手癖で付けた︵ソープ嬢も真っ青 なほどナチュラルな手さばきで︶ゴムに気づくと、騎乗位のまま腰 を突き上げ始めた。 ﹁うぅ⋮イッたばっかなのに⋮やべぇ⋮すぐにも出そうです⋮﹂ ﹁ダメ。アタシがいいって言うまで射精禁止だからね﹂ 74 弱音を吐くと長い爪の先端で左右の乳首をつままれた。 冷たい口調がカッターの刃先を突きつけられているかの様な気分だ った。 冷や汗が額を伝う。 さっき出してなかったら、初めの数ストロークでイッてしまってい ただろう。 それくらい締まりが良く、内壁の襞がゴムの上からでも分かるほど 正確にチンコの表面を撫でつけてくる。 それはまるでオナホールを使っているような、しかし人肌でしか表 現出来ない温もりと淫猥さで、チンコを貪っていた。 互いに名前も知らないの、人間オナホールが自分のチンコを貪って いる。 ﹁いぃぃ!気持ちイイよ!﹂ マシンの中の汗と、タバコと、酒と、愛液と、精液と、涎と、カウ パー液や潮が混ざった悪臭に、何度も意識が飛び掛る。 ﹁姫の中に出して!早く!ちょうだい!せーしちょうだぃ!!﹂ 射精できるかできないか、意識できる程に余裕は無かった。 もしかしたら何度もいっていたかもしれない。 いつの間にかタイマーが切れ、青紫の光すら無くなった暗闇のマシ ンの中はこの世の空間じゃない。 許可をもらい、射精の自由が解禁された陰茎の先からは、あたかも マンコに吸い取られる様に大量の精子を放出した。 ﹁あぁぁ、ビクビクなってる!姫のマンコでビクビク!きもちくな 75 ってる!!﹂ 気の強そうな外見に似合わない可愛い声。 ﹁おちんちんありがとー!おちんちんごちそうさまぁ!おちんちん だいすきぃ!おちんちん⋮﹂ ガクガクガクガク⋮ おちんちんさいこぅ⋮ キュポ キュ、キュキュ、キュキュ ﹃姫子専用マシン﹄ ってか姫地獄?wーーー 京子は気持ち良さそうな顔で気絶している姫子を放置して、閉店時 間の店内に男の子を引きずり出した。 お金はいいよ。風営法とか怖いから姫子の相手したやつから金とっ てないんだ。 76 できたら他言しないでね。 あんまり声がでかいとこわーい人が出てきちゃうから。 姫子の連絡先?まぁこの店来ればだいたい会えるんじゃないかなー。 今度この子が酔ってない時に聞いてあげてよ。 ーーそんな時あればねぇw ん、じゃあ閉店時間だから。 はいはい、ありがとーございましたーー。おやすみー おはよ姫子ー あーあ、迎え酒隠し持ってたかぁ⋮ 77 初彼 11話 年末、大荒れ︵後書き︶ いつまでもあると思うなスレと読者⋮ 読み返しすらしてませんが終わらせにかかります 78 初彼12話 初詣、禊︵前書き︶ 起承転結でいう転の終わりらへんです。 あと1話か2話でこのお目汚しも終わります。 79 初彼12話 初詣、禊 元日。 朝から京子は携帯片手にバタバタ枕元を行ったり来たりしていた。 そのリズムに合わせ、二日酔いから覚めない姫子の頭はズキズキ痛 む。 あんなに楽しみにしてた正月の、元旦が来たというのに、気がつく と姫子はここ数日の朝と同じ様に迎え酒を口にしていた。 ﹁もう!初詣に行くんしょ!?﹂ アタシも他で遊び行くから今日は世話できないからね、と姿見鏡の 前で豹柄とカーキといった対照的なファー付きコートを左右に持っ て目線だけで凄んだ。 ﹁あーい﹂ 正直めんどくさくてコタツで酒を飲んで寝て居たかった。 和久のチンコだけ取って来てくれたらそれでいい。 そういえば優子だった時は元日は一番に起き出して、家族みんなの 御節の準備に勤しんでたなぁ うん、今更やれって言われたってネイル割れるのヤダし。 親戚みんなで酒飲んで騒いでて、アタシら女子供はお手伝いばっか で、なんかダンソンジョヒ?みたいなサイアクな行事なんだよな。 80 そんなことを思いながら、昨夜呑んだくれたのバーで拝借してきた ジャックダニエルが半分を切る程度に飲み干した後、さすがに見か ねた京子にコタツから引っ張り出され、ボサボサ頭のまま金色の英 字が書かれた黒いジャージ姿のまま家を追い出されてしまった。 近所のコンビニでメンソールのタバコを買って4本目の火を着ける と携帯が軽快な音楽を奏でる。 あけましておめでとうの件名、本文は箇条書きに時間と集合場所。 もちろん差出人は和久だ。 外気の寒さからくる吐く息の白さか、ハイペースで減っていくタバ コの煙か、昨日飲んだ精液が酒と混ざり合って湯気になったのか、 とにかく真っ白な息を思い切り肺の奥底の1ミリまで吐き出した。 後から考えると、これはため息でしかなかったのかもしれない。 正午を回る頃合い、参拝客があまり多くない郊外の神社の前に二人 の晴れ着を着た女性が立っていた。 81 片方は時期に合わない真っ黒に日焼けした肌、それに合わせ三枚に 重ねられた派手なつけまつげを中心にギラギラとラメ使いが激しい メイクが過剰に目立つ。 それに加え、色とりどりの髪色を真っ赤な花飾りや金色のかんざし で和風にセットし、孔雀が求愛をしている様にも見える。 着ている服は華やかに白、赤や青、水色のグラデーションが効いた 生地に鶴や桜などが描かれた派手な振袖。 しかし鎖骨や肩の部分は丸出しで肩口のタトゥーが丸見えになって いる、近年の成人式で流行りの花魁ファッションだ。 対照的に隣に立っている女性は真っ白な肌、黒髪の三つ編みを大き めの白い花飾りでまとめ、健康的な艶やかさを醸すうなじがちらり と見えて可憐である。 着物は薄いピンクに小花柄がうっすらと入り、少し大ぶりな花があ しらわれた金色の帯をしめた落ち着いた印象にまとめられていた。 メイクは控えめながらもパッチリとした目元を中心に丁寧に塗られ た下地やぷるんとしたサーモンピンクのリップが印象的で、男なら 誰しもが可愛いと言ってしまうであろう愛らしさがあった。 そんな対照的な二人が黙って並んでいる姿は中々に珍妙で、ほとん どの通行人が何度も横目で見てきた。 ﹁それにしても凄い変わりようね﹂ 先に口を開いたのはピンクの振袖を着た、優子だった。 ﹁京子から聞いてたけど、変わりすぎててビックリしちゃった﹂ ﹁あんたもね﹂ 82 ギャル姉だった姫子が今や目の前にいる清楚な美少女になっている のだから変わりようはお互い様だ。 ﹁てかその振袖、アタシが成人式に着たやつじゃね?﹂ 姫子がまだ優子だった2年前、地味な優等生が赤や黄色といった派 手な色を避けて選んだ慎ましいけど可愛い振袖。思い出の振袖。 ﹁うん、優子が⋮私が着た振袖だよ﹂ 悪びれもなく、むしろ見せびらかすようにくるりと回る。 ﹁姫子が着てるのは、和久と二人で買いに行った新品だから﹂ さすがに7年も前の振袖は置いてなかったから、とにこりと笑った。 姫子は自分がイライラしていることに気づき、巾着からタバコを取 り出すと肺の中にぐぅーっと煙を吸い込んだ。 優子が成人式に着た時はこんなに可愛くならなかった。 顔の造形がほぼ同じで体格も同じなのにこうも違うのか。 メイクも、髪型のセレクトも、可愛くあしらったネイルも、手持ち の小物も全部がセンスがあって、優子の人生としての正解を見せつ けられている気になってしまう。 勉強ばかりにかまけずにオシャレにもっと敏感になっていれば、ア タシだってこんな風になれたんだ⋮そんな劣等感。 83 煙の臭いがつくからと少し離れたところに優子が移動した頃、和久 がビニール袋を片手にコンビニから戻ってきた。 優子の近くに行くとカイロを渡し、頭をなでなでと愛おしそうに撫 でる。 姫子は背筋に寒気を覚えた。 もちろん花魁着物で出した肩からの冷えもあるのかもしれない。 しかしそれ以上に、その手つきがあまりに優子と和久のいつものや り取りのままで、それを、客観的に遠巻きから見ていることに対す る不快さが身体中の皮膚を這いずりまわった。 ここに来て姫子は、どうして自分が呼ばれたのかの理由を理解した。 禊の様なものなのだ、と。 和久と優子、二人が足並みを揃えて姫子を迎えに来る。 カップル繋ぎの手と手。 薬指のお揃いのリング。 そこに姫子の居場所はない。 行こう、と声をかけられ小さく会釈。 無言で二人の後に続いた。 境内の露天の前をカップルの背中を目に、付かず離れず歩く。 84 朝飲んだお酒はすっかり抜けきって、今はただ吐き気と頭痛が酷か った。 実は京子が起こしてくれず、コタツで寝ているのかもしれない。悪 夢かもしれない。夢であって欲しい。 昨日まで、むしろ朝までは、和久なんてただのチンコだと思ってい た。 こんなにエロくなって可愛くなって、そうすれば男は全員チンコを 立てて自分を愛してくれる。 本心からそう思って、タトゥーやピアス、タンニングにも精を出し た。 でもどこかで思っていた。 姫子は和久の姉で、ビッチで、沢山のチンコをくわえ込むことは汚 くて、愛なんてどこにもないんだと。 お酒でただただ誤魔化して、本当に欲しかった愛情が自分に向いて ないことに、気づくのが怖かったのだと。 自分が京子と共に過ごしている間に過ごしているであろう、この目 の前の愛の育みに。 酔いさえ冷めてしまえば、姫子はビッチなギャル姉の姫子でもなく、 優等生で処女だった和久の彼女の優子でも無かった。 85 これは優子としての、和久の彼女としての居場所は本当にどこにも 無いんだという禊。 前を行く2人が社に着き、姫子と共にお賽銭を入れようと振り返っ た時、そこにはもう誰も居なかった。 優子も和久も、驚いた顔もせず、そのまま何事もなかったかの様に お参りデートに戻った。 86 初彼12話 初詣、禊︵後書き︶ 書いていて、エロくないし無慈悲過ぎて正直更新するのが嫌になっ てました。↑これが半年間 とりあえず、優等生堕落本スレが無くなったので書きかけてたSS を仕上げて掲載する前に、優子姫子の話を終わらしたく書きます⋮ PS.たくさんの感想ありがとうございました。お陰様でまた書こ うと思えました。コメント返信しましたのでご一読ください。 87 初彼13話 大吾︵前書き︶ たくさんのifを書いて公開はこのルートだけにしました。 88 初彼13話 大吾 参道を逆戻りして50m程、右手の一角に喫煙所があった。 姫子は逃げる様にそこへ入ると、すぐさまタバコに火をつけた。 目頭が熱くて今にも涙がこぼれそうだ。 今更なんのプライドか、メイクが崩れるのが嫌で嫌で泣くに泣けな かった。 余りの勢いと、その奇抜な姿に、元々喫煙所で談笑をしていた男衆 は面食らって黙ってしまい、嫌な沈黙がメンソールの煙と共に立ち 込めた。 ﹁あれ、姫子さん?﹂ そんな沈黙を破ったのは聞き覚えの無い声だった。 といっても姫子は姫子になってまだ1週間程度、知り合いに会って も声を覚えてる筈もない。 ﹁覚えてますか?日サロで会った﹂ ウルフヘアーに生白い肌、筋肉質な体に真っ黒なダウンジャケット を羽織った青年。 1日に何人も入れ替わり立ち代りする店の客1人1人を覚えている ほど、今の姫子は頭が良くない自信がある。 89 しかし、その顔にはかすかに見覚えがあった。 ﹁お店に来てた⋮大学生の⋮﹂ 青年の顔が飼い主を見つけた犬の様にパッと明るくなった。 途端に姫子との距離を詰めてくる。 ﹁ごめん、名前覚えてないや﹂ 申し訳ないほどに無慈悲だけど、お店に居る時はほとんど酔ってた からなぁ。 ﹁あ∼⋮実は俺、名前教えてないんで⋮﹂ ほとんど眉頭しか無い薄い眉毛がハの字になったのを見て、姫子は 完全に思い出した。 確かに、お互い名乗る前にマシンに引きずり込んじゃったんだよね ⋮。 ﹁○大学の大吾っていいます。こないだは、なんか、すいませんで した﹂ 謝らなくていいよ、アタシが誘ったんだし。 ﹁いや、あぁいうのホントに初めてで!﹂ つい声が大きくなってしまって、周りに人が居ることを今の今思い 出したのか、大吾は大きな体を亀の手足の様にシュンと、縮こませ た。 ﹁あの⋮場所、変えませんか⋮?﹂ 恥ずかしさで生白い肌がみるみる真っ赤に染まる。 90 コロコロ変わる顔色に大吾が肌を焼きたくなった理由が聞かずとも 分かり、姫子は少し笑ってしまった。 境内を出て少し歩く距離。 コインパーキングに黒いバンが一台止めてあった。 大吾はその前ではたと足を止めると、ちょっと待ってて、と焦った 様に車の中に入り五分ほど車体を左右に揺らすとのっそりと出てき た。 優しくエスコートしてもらい、姫子は助手席に腰を下ろした。 大吾も駆け足で運転席に乗り込むとドアを閉めて嬉しそうに前髪を 直す。 ﹁タバコ吸ってもいい?﹂ ﹁あ、俺も吸うんで遠慮なく﹂ と弄って、さっきの一本でタバコがちょうど切れたことに気づいた。 ﹁俺の吸います?﹂ 爽やかな顔に似合わずオッさん臭い銘柄のタバコ。 普段なら貰わないであろうそれを、姫子は素直に一本貰うと口にく 91 わえた。 なんだかライターを出すのも億劫で、姫子はそのままタバコの先端 を大吾のタバコの赤くチリついている部分に押し付けた。 自然と顔が近くなる、と音が鳴りそうなくらい急速に大吾の顔が赤 くなった。 いつものメンソールと違って重いはずの煙が、肺の中でポワポワと 体を温めていく気がした。 ﹁親戚が毎年ここに初詣に来るんすよ﹂ 照れ隠しなのか少し早口で大吾が喋り始めた。 ﹁姫子さんと会えるんだったらもっと、なんだろう、スーツとか着 てきたら良かった!﹂ 何喋ってんだろ俺、とかごにょごにょ跡を濁す。 それから素人童貞だったこと、周りの友だちに白肌をバカにされて 店に行ったこと、京子にシラフな時にまた話しかけてあげてくれと 言われたことを続けて話してくれた。 シラフな時なんて、多分今しかないよ。とは流石に申し訳なくて言 えなかった。ここ数日までと、これから過ごすであろう生活を頭に 浮かべると奇跡に近い。 ﹁なんでさっきから目が泳いでんの?﹂ 特に話すことも無くなり、タバコも吸い終えたので思ったことをそ のまま伝えてみた。 92 ﹁あ、いや、目のやり場に困って⋮。前は暗くて分からなかったん だけど、姫子さん、すげぇ美人だし﹂ 照れ隠しにタバコを咥えた大吾に、せめてもと、今度はライターで 火をつけてあげる。 キャバ嬢じゃなくてもこれくらいはできる。 ﹁その、胸の谷間とか、すげぇエロくて⋮ちょっと、ほんとにどこ 見たらいいのか﹂ 言われてみて、自分がどんな格好なのかを思い出した。 和久とあの女に着せられたこの着物 2人の顔が頭をよぎった途端、大吾に会ったことで引っ込んでいた 涙が、今度は堰を切ったように目尻から流れ落ちた。 ﹁ご、ごめんなさい!すいません!!⋮そんな見られるの嫌だとか 思ってなくて﹂ ワタワタと慌てる大吾を見ていると余計に涙が溢れてきて、嗚咽ま で出るほど、声を出して泣き出してしまった。 ﹁あぁあぁぁ、やべぇな、どうしよう﹂ 大吾は、まだ長さの残ったタバコを揉み消してガサゴソと周りを見 渡す。 ハンカチなんて洒落たもんは持ってないし、少し前にティッシュ箱 は後部座席に放り投げてしまった。︵デザインがアニメ系だったの で︶ 93 困り果てて、結局ダウンジャケットの下に着ていたTシャツを脱い で姫子の涙を拭った。 これ、一昨年の夏フェスのTシャツでプレミアが付いてるやつだ。 汚れることも惜しまず、しかもメイクが崩れる顔を隠すように、溢 れる涙を拭き取ってくれる。 生地が白だったのが運の尽きで、数分とせずにマスカラやチークや アイシャドウでみるみる汚れていく。 冷え切った肩に、暖かい感触がした。 大きな手のひらの温もり。 そのまま筋肉質な腕でそっと抱き寄せられる。 されるがまま、生白い胸板に顔を埋め、姫子は子供のように泣きじ ゃくった。 気がつくと、姫子は後部座席で大吾に優しく抱きしめられていた。 泣きながら、すがるように、大吾の股間に左手を滑らせると、大き く硬くなったおチンチンがチノパンの中で窮屈そうにしている。 当事者のはずの大吾は、真っ赤な顔を精一杯真顔にして下心は無い よ、安心して、と顔を文字にして訴えてきた。 不便なロングスカルプネイルの先端を使って、チノパンのボタンと 94 チャックを開ける。 赤いボクサーパンツを引き下げると充血したおちんちんが解放感か らかひょっこりと顔を出す。 それを見ると涙が自然と止まった。 お酒のない、和久以外とのセックスは初めてで、まるで処女に戻っ た様に心臓がバクバクと鳴り響いていた。 大吾の顔にお尻を向ける形で姫子は姿勢を低くしていく。 ペロッ パク⋮ 大きなおちんちんを軽く唇でつつき、先端からゆっくり喉へと滑ら せていく。 形の崩れた盛り髪から、ピンクの一房が視界に落ちて、それを爪の 先でそっと耳にかけた。 着物も相まって、側から見ると、本当に男が遊女と戯れている様に 見える。 大吾の手が太ももからお尻にかけて擦り上がり、褐色の肌の上に紫 のサテン地に黒のフリルとレースがあしらわれた紐パンが姿を現わ す。 恥ずかしさとくすぐったさにお尻を左右に振ると、甘ったるい香り と妖艶さにおちんちんがむくりむくりと更に大きさを増した。 フェラは腐る程してきた。 95 恐らく普通の人よりも沢山のおちんちんを咥えた。 なのに、今日初めてこんなに美味しい物を味わう様に、まるで口の 中が性感帯になったかのように熱く気持ちよくて、もっと深く深く 喉の奥まで食べたくて食べたくて仕方がない。 一番深いところまで咥えると、舌の位置をずらして喉の奥へと亀頭 を滑らせる。 喉の奥で咥え込むとヨダレが棒を伝って陰毛の茂みまで垂れていっ た。 ズズズ⋮とヨダレとカウパーを啜る。臭くて苦くて美味しかった。 ゆっくりと放してはまた咥え込む。 ストロークが終わる度に限界なんて無いとばかりにむくむくと大き くなり、カリまで真っ赤に充血していく。 んぱっ、と口を放したタイミングで お返しとばかりに大吾の舌が姫子の割れ目をなぞった。 ﹁んんんぁぁ!!﹂ 瞬間、背筋に電気が走りガクガクと腰から砕け落ちた。 クリトリスや割れ目を優しく、時に激しくなぞるクンニに姫子の体 は素直に反応し、意識が何度も飛んだ。 快感の余韻に浸ると、姫子は股側に移動し、亀頭だけを咥えて舌先 で飴玉を舐めるように転がし始めた。 優しい愛撫の中で不意を突くように舌ピアスを押し当てながら裏筋 を舐め上げる。 96 ﹁あぁぅぅ﹂ 大吾は思わず声を漏らし、何度目かの困った犬のような顔でこちら を見つめた。 フェラの流れなんていつも通りなのに、凄く心が高ぶって、下着の 奥から愛液がドロドロと染み出すのが止まらず、着物にまで大きな 染みを作っているのが分かる。 とにかくおちんちんを咥えこみたくてたまらなかった。 目線の端に写ったバックミラー越しの自分の姿は酷いものだった メイクはぐしゃぐしゃ、髪はボサボサ よくこんな女相手に立つもんだと、思った いつものエロくて綺麗で可愛い姫子はそこには居なかった ﹁ほんとはね、私、優子って名前なの﹂ 97 お酒で黙らせていた理性が勝手に喋りだした ﹁大学に行ってて、地味で勉強しか出来なくて、メイクもロクにし たことなくて﹂ 多分これを話したところで何も変わらない 優子の立場は全部、和久が抑えてしまってる ﹁彼氏に騙されて色んなことさせられて、エロくならなきゃって頑 張って﹂ 引き返せる段階なんて実は無かったんだと思う 聡い理性が気付いたからこそ、あの日からお酒で全部誤魔化した ﹁嘘に聞こえるかもしれないけど、処女無くしてから一週間しか経 ってないんだよ﹂ 別に大吾じゃなくてもよかった たまたまが重なって、今体を重ねているだけで、思いが重なってる 訳じゃない そもそも、誰とも心が重なった瞬間なんて無かったんだよ ﹁今日だけでいいから、そんな可哀想な優子って女の子だと思って、 98 抱いてくれませんか?﹂ 人通りの無いコインパーキングで一台のバンが激しく揺れ始めた。 99 初彼13話 大吾︵後書き︶ お目汚しの駄文もあと一話で終わります。 せっかく頑張って堕落した内面も新キャラにさっさと洗い流されて しまいましたかね。 かなりちゃかちゃかと書いているのでそんなに間は開かないと思い ますが、少々お待ちください ︵例の如くここは公開数日で消しますのでメモ的なものです︶ 100 初彼14話 無題 約半年が過ぎて初夏。 褐色の肌を堂々と見せびらかしながら大通りを闊歩できる気持ち良 さに姫子は酔いしれていた。 黒のショートパンツのセットアップ。 身体中に散らばる金色のアクセが西日を浴びてギラギラと光を放っ ている。 たくさんの男の視線と夕刻の涼しい風が身体中を弄る。 予定時間ちょうどに渋谷に着いた。 右手にはコンビニで買った酎ハイ。 左手にはメンソールのタバコ。 道の脇にM字に座ると、身体中に彫られた薔薇やスカルのタトゥー が周りの人たちを威嚇する。 ぎゅうぎゅう詰めの空間の中で少しだけ隙間ができている気がした。 ﹁おまたせ﹂ バサバサとしたまつ毛と銀髪の隙間から待ちわびた相手が 101 初彼14話 無題︵後書き︶ 3話で終わらせようとしたのがいつの間にかダラダラと書いてしま ってました。 最後の3話は何度も書き直してどれも気に食わずにこうなりました。 姫子は半年経ってもギャルのままですが、誰を待っていて、どんな 暮らしをしているのか、妄想の余地です。僕もたくさん妄想します。 お目汚し失礼しました。 102 初彼姉話 はじまりのブラコン︵前書き︶ 完結したので落とします。 時系列的には2話の後になります。 103 初彼姉話 はじまりのブラコン アタシはブラコンだ 弟の和久が好きなことに気付いたのは中学に入ってからだったかな りんり的にダメ、とか思って他の男を好きになろうと必死に彼氏作 ったんだけど、結局戻ってきちゃった そしたら和久がアタシのことが好きとか言い出して、借金も全部返 してくれて、結婚しようとまで言ってくれたんだ 泣きそうになったよ でも他人と入れ替わって暮らすとか理解できなくてさ アタシはこのままでも十分幸せだから、多くを求めないし、全部和 久の言う通りにしようと思ったんだ でも和久が優子を連れて来た時はほんとにびびった アタシのスッピンにそっくりでさ 和久が本気なんだって分かった でもマジでスッピンで外にでるなんて考えらんねぇわ すげぇ恥ずかしい 104 アタシに化けた優子と和久を家に置いて アタシは大田優子の免許証に書かれた住所に向かって歩いてる ケータイに住所を打ち込むとき気付いたんだけど、短い爪ってだせ ぇけどすげぇ楽なんだねー あとヒールのねぇ靴とか久々に履いたけどこれも楽だわ。つくづく だせぇけど笑 ショーウィンドウに映ったアタシのかっこ見たらしゃあねぇかって 逆に落ち込んだよ 黒髪ロングで前髪パッツンとか今時流行らねぇっつの 折角の自慢の脚もなにが嬉しくてこんな膝丈のスカートで隠すんか なぁ トレンカとかパンプスとか何を取ってもセンスねぇよ、マジで 和久に頼まれなきゃぜってー着ないし 自分見てたらむずむずしてきたわ あ、この服可愛いじゃん 寄り道しちゃおー 105 2時間くらい経ったかな 気付いたら和久からラインのメッセきてるし ´Д ﹂ そういえば帰ったら連絡いれるつってたっけ ウソついちゃえー ﹁帰ったよー これでいいや笑 財布に入ってたお金勝手に使っちゃった エンコーもしてねぇのにこいつ結構金もってんだな メイクだけとりあえず売り場でしてきたけどキモいくらい優子とア タシって顔似てるんだね ﹁あ、優子じゃん!クリスマスなのに和久くんは一緒じゃないのー ?﹂ やべぇ優子の知り合いに会っちゃった ここでバレたら和久に怒られるんだろうなー 声のする方を見たらチョイデブくらいの芋い女がこっちに歩いてくる ﹁和久さっきまで一緒だったんだけどねー。お手洗い行っちゃって 106 待ってるんだよー。﹂ ﹁そっかそっかー。ふふふ、アンタがそんなお洒落して嫌がってた まぁ本当だから何も言えないけどさ﹂ メイクまでしてるなんてねー!恋ってホントに凄いんだww﹂ 早くどっか行けよ ﹁それ結構失礼でしょっw ﹁でもこんな喪女、よく和久くんも付き合ってくれてるよねー﹂ ﹁えー、酷い﹂ アタシのじゃないけどなんかムカつくわ ﹁だって和久くん、めちゃくちゃイケメンだし頭も良いし、お金も めっちゃ持ってるんでしょ?それがアンタとねー﹂ もうどっか行けよデブス ﹁あはは。本当にねー﹂ それからなんかよく分かんないけどめっちゃディスられてアタシは 無難に受け流してやったけど、結局我慢できなかった ﹁いい加減にしろよテメー!テメーの方がずっとブスだろうが。ク リスマスに1人でこんなとこ歩いてるとか臭えんだよ。使ってねぇ からマンコ腐ってんじゃねぇか?このデブ!﹂ ﹁えっ?!﹂ 107 急にキレたアタシにデブは怯んでる ﹁和久はアタシのもんなんだよ!キメェ口で名前も呼ぶんじゃねぇ よ!!汚れんだよ。消えろよブタ!﹂ アハハっ デブスが泣きながら走って逃げった! ちょー気持ちいい笑 ⋮あ、もしかしてアタシやばいことしちゃったかな? まぁいいか。 バレて優子と戻っても優子が困るだけだし アタシがこれから優子なんだからダチも自分で選ばなきゃだろ あんな性格もブスなブタこっちから願い下げなんだよ 気分悪くなったアタシはコンビニでチューハイを買って一気飲みし てやった 店員が年齢確認してきやがったけど免許証見せたら普通に買えた やっぱアタシが優子だよ 昼間っからの酒はやっぱうめーわ 歩いてるリーマンがめっちゃびっくりしてたけど関係ないわ 最高にハイな気分! 108 人生やり直せるんだもん!! 糞な男共にめちゃくちゃにされた人生だったけど全部あいつが代わ ってくれるんだぁ しかも4歳も若返ってんだぜ? ちょっと地味だけどこれから幸せな人生取り返してやるんだ 和久本当に愛してる チンコもデケェしアタシのこと誰よりも愛してくれんの 和久のお嫁さんになって毎日抱いてもらうの そんで子供産んで優子として死ぬまで和久と暮らすんだー 考えただけで濡れちゃう 気付いたら目的地に着いてた チューハイは歩きながら10本は飲んだ?数も覚えてねぇわ オートロックの番号は和久から聞いてたから部屋に入るのに問題な いし鍵もカバンに入ってる ガチャガチャ めっちゃ良い部屋住んでんじゃん アタシの部屋とは違う、すげー片付いてるし でもこれからここにあるもん全部アタシの物なんだー 109 ああっもう我慢できねぇ クチュ⋮ 地味なブラのを外して胸を、 地味なパンツの上からマンコを触る ﹁あん⋮!﹂ オナニーなんて高校ん時以来だわ⋮男に困ったことなんてねぇし すっげぇビショビショじゃんか⋮ もう直に触っちゃえ クチュクチュ、クチュ、クチュ ゴク、ゴクゴク アルコールオナニー気持ちよすぎ⋮! ﹁あぁああ和久ぁ⋮和久ぁあ!!﹂ アタシが今日から大田優子なんだ⋮和久以外の男を知らない無垢で 地味な女⋮あのデカチンコ以外知らない⋮ ﹁あぁぁぁ!﹂ 頭が真っ白になる アタシは和久の姉?彼女?嫁? サイコウじゃん 110 ﹁オナニーで、イッちゃった。﹂ しかも、指だけで オモチャとかねぇのかよこの部屋 でも、まだお酒あるし 冷蔵庫の中なんかねぇかな あ、キュウリあんじゃん。ナスもあるし オモチャねぇんだからもうこれでいいや ﹁もう、一回﹂ ゴクゴクゴクゴクゴクゴク グチュグチュグチュグチュ アタシは、優子は、意識が無くなるまでオナニーを止めなかった 111 初彼姉話 はじまりのブラコン︵後書き︶ 文字数少ないし投稿当初は相当怒られた記憶しかありませんが⋮終 わったことなので大目に見てください 112 初彼閑話 優子の処女喪失︵前書き︶ こちらも再投稿11話近辺の姉と和久がどうしていたのかの一場面 です。 113 初彼閑話 優子の処女喪失 優子、今の姫子に会わずに年が明けた。 京子に全ては託してある。元々真面目なやつだったから、頼まれた 仕事はしっかりこなしてくれるだろう。 俺は姫子、今の優子をぎゅっと抱きしめた。 ﹁かずひさ、おはよー﹂ ピンク色のネグリジェ一枚の優子はそのセクシーな体で抱き返して くる。 姫子を日サロに送り出してからずっと、俺は優子の部屋で暮らして いる。 114 26日 優子と駅前で待ち合わせをしていたのに時間になってもこなかった。 仕方なく迎えに行くことにした。 スペアキーで部屋に入ると、部屋中にはビールと缶チューハイの空 き缶が溢れ、普段の優子の部屋では考えられないほどの荒れようだ った。 ﹁あ、かじゅひしゃだぁー﹂ オナニーでもしながら寝たのか。 今の今まで飲んでいたのか気持ち悪いくらいの酒の臭い、汗でグズ グズになったメイク、昨日のままの服、ビショビショのショーツで 優子が抱きついてくる。 それでも姉貴の痴態に俺の股間はいきり立っていた。 無理やり風呂に突っ込んで全身くまなく洗ってやる。 少し酔いが覚めた優子は自分で服を着てくれた。 115 ﹁あた⋮私、こんな服着たくないんだけど﹂ といって膝丈の緑と赤のチェックスカートをつまむ。 ﹁優子、俺がいいって言うまでは俺の言う通りにしてもらう約束だ ぞ。﹂ ﹁う、うん。分かってる。﹂ ﹁破れば姫子に戻ってもらうし借金も全額返してもらうからな。﹂ ﹁ごめんごめん!そんな怒らないでよぉ﹂ 優子は諦めて黒色の地味なPコートを着込んだ。 メイクをしていないと、どこからどう見ても姉貴は優子だった。 今日の目的地は原宿。 地味な優子をこんなところに連れてきたのには理由がある。 ﹁いらっしゃいませー﹂ 色とりどり、といっても主にピンク色で構成された店に入る。 出てきた店員も頭の先からつま先までピンク色のふりふりなコーデ ィネート。 ﹁予約していた者ですが、少し遅くなったんですけど、今から大丈 夫ですか?﹂ ﹁大丈夫ですよー。そちらが彼女さんですか?﹂ ともじもじする優子を見る。 側から見れば人見知りに見えるんだろうけど、こいつは単純にスッ ピンを見られたくなくてキョドってるだけだ。 ﹁じゃあこちらへどうぞー﹂ ﹁あ、僕はまた後で来ますので。よろしくお願いします。﹂ そう言って優子を店に残し、俺は一人でラーメンを食べに行った。 116 一時間後塩ラーメンを食べ終わり、店に戻る。 ﹁ちょー恥ずかしいんですけどぉ﹂ 顔を赤くした優子が上目遣いで睨んできた。 ここまで引っ張ったが、俺がしたかったのは姉貴の人生全てを犯し てやること、それだけだった。 まず手始めに、学生時代にはまったロリータファッションで犯す。 この店はロリータファッションのコーディネートをしてくれるお店 だ。 頭にはいちご柄の入った大きなピンクのリボン。 前髪パッツンでロングの黒髪はツインテールに纏められ、毛先は内 巻きにくるくると巻かれている。 ピアスは音符の形をした大きなピアス。 首にはレースのついた黒いチョーカー。 白いブラウスにもフリルがふんだんに使われ、首元の細いリボンは アクセントに赤色だった。 パニエで大きく膨らんだジャンパースカートはこれもピンク色。ア リスの絵柄が胸元とスカートの裾にたくさん描かれていて、ロリー タという名称にふさわしい雰囲気を醸し出している。 白いタイツにもアリスの世界観でトランプの柄があしらわれている。 靴は太ヒールのエナメルパンプス。もちろんピンク。 ウサギの形をした大きなカバンを背負わされ、茶色いチョコレート 柄の日傘を持つ優子はどこから見てもロリータ趣味の女の子だった。 おまけでカラコンとメイクまでしてもらった優子は、実年齢26歳 だけど18くらいにしか見えない。 117 会計をカードで済ますと優子を街へ連れ出した。 周りの目線を釘付けにする程に可愛い優子は恥ずかしさでずっとう つむいている。 そんなのは御構い無しに連れ回した。 優子の恥ずかしさが限界に近づいた頃合いを見てホテルに入った。 大きなお城の形をしたラブホテルだ。 ﹁私がロリータにはまってた時の彼氏はね﹂ ベッドでうさぎを抱きしめながら優子が語り出した。 ﹁20歳のアニオタで、私がこういう服を着ると凄い喜んでくれた の。でも変態でさ。鼻フックとか、スカトロとか、そういうのばっ かり求めてきて、愛情なんて感じなかったな。処女まであげたのに ね。﹂ 俺は優子の上から被さると優しくおでこにキスをする。 ﹁そんな思い出、全部上書きしてやるよ。﹂ そのまま唇に長いキスをして、舌を入れた。 唾液が混ざり合う。 ﹁だからその時のことをもっと思い出してくれ。一人称もボクだっ ただろ?それに俺のことはカズくんって呼んでた。﹂ 118 ﹁カズくん⋮。ボクのこと、好き?﹂ ﹁あぁ、好きだよ。ずっとずっと大好きだ。﹂ 一気にタイツを脱がす。 パンツにはぐちゅぐちゅに濡れて、大きなシミができていた。 ズン。 前戯もなく一気に突き上げる。 ﹁ああぁあぁぁ!痛いよぉ!!ボクのマンコ壊れちゃうぅ!!﹂ ﹁痛いのか?あのヤリマンの姫子が?﹂ ﹁姫子じゃないよぉ。ボクは優子だもん⋮!﹂ ズンズンズンズンズンズン ﹁あぁ、どんどん、気持ちよくなってきたぁ⋮ぁ﹂ ﹁痛いかったのは優子が処女だったからだよ。今日、俺に処女を奪 われたんだ。﹂ ﹁うん!優子の処女は、カズくんがもらってくれたのぉ!﹂ 119 そうして、姉貴の処女喪失の思い出を塗り潰してやった。 120 初彼閑話 優子の処女喪失︵後書き︶ 読み返すと確かに分かりにくいですねー 反省して今後も下手なりに文字を書いていきたいと思います 121 PDF小説ネット発足にあたって http://novel18.syosetu.com/n9458ck/ 初めて出来た彼氏に魔改造されたんですが 2016年7月13日07時53分発行 ット発の縦書き小説を思う存分、堪能してください。 たんのう 公開できるようにしたのがこのPDF小説ネットです。インターネ うとしています。そんな中、誰もが簡単にPDF形式の小説を作成、 など一部を除きインターネット関連=横書きという考えが定着しよ 行し、最近では横書きの書籍も誕生しており、既存書籍の電子出版 小説家になろうの子サイトとして誕生しました。ケータイ小説が流 ビ対応の縦書き小説をインターネット上で配布するという目的の基、 PDF小説ネット︵現、タテ書き小説ネット︶は2007年、ル この小説の詳細については以下のURLをご覧ください。 122