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3.男性の性別役割分担に関する周囲の意識の検討

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3.男性の性別役割分担に関する周囲の意識の検討
3.男性の性別役割分担に関する周囲の意識の検討
(1)親(養育者)の性別役割分担に関する意識についての項目
性別役割分担に関する意識について、自身の親(養育者)がどのように考えていたかについて、男性
に質問している。
その結果、「男は妻子を養うべきである」という意識について、『そう思う』(「とてもそう思う」「や
やそう思う」の合計)とする回答は、全体の 68.7%に上っている。また、「夫は外で働き、妻は家庭を
守るべきである」とする意識も 48.0%が『そう思う』と回答しており、このような意識が強い傾向にあ
る。
図表 3-1-3-1
親(養育者)の性別役割分担に関する意識についての項目
0%
20%
男は妻子を養うべきである
夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである
40%
28.9
60%
39.8
16.8
31.2
男は仕事における成功が重要である
12.8
31.9
男は弱音を吐くべきではない
13.1
30.5
とてもそう思う
あまりそう思わない
101
100%
5.1 3.3
22.8
32.6
38.9
38.1
ややそう思う
そう思わない
(n=3,000)
80%
13.6
5.7
4.3
12.0
13.2
5.1
どちらともいえない
(2)配偶者の性別役割分担に関する意識についての項目
配偶者のいる男性に「次の項目について、あなたの配偶者はどのように考えているか」と質問してい
る。男性からみた配偶者の意識として「男は妻子を養うべきである」は、
『そう思う』(「とてもそう思
う」
「ややそう思う」の合計)とする回答は、全体の 68.1%に上っており、顕著である(図表 3-1-3-2)。
また、「男は仕事における成功が重要である」については、全体の 43.5%が『そう思う』と回答してい
る。「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」とする意識は 41.5%が『そう思う』と回答している
が、
『そう思わない』
(「あまりそう思わない」
「そう思わない」の合計)とする回答も 25.4%となってい
る。
図表 3-1-3-2
配偶者の性別役割分担に関する意識についての項目
(n=2,040)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
2 9 男は妻子を養うべきである
25.1 43.0 男は仕事における成功が重要である
12.2 夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである
11.9 29.6 男は弱音を吐くべきではない
11.3 29.4 22.1 31.3 38.3 33.2 37.5 とてもそう思う
あまりそう思わない
ややそう思う
そう思わない
102
6.9 13.6 19.2 4.7 6.2 16.8 どちらともいえない
5 0 (3)職場の性別役割分担に関する意識についての項目
(回答対象:仕事をしている者)
仕事をしている男性に、「次の項目について、あなたの職場の雰囲気に最も近いものはどれか」と質
問している。その結果、職場の性別役割分担に関する意識についての項目は、男性の規範意識の回答(図
表 3-1-2-50)に比較して、全体的に『そう思う』(「とてもそう思う」
「ややそう思う」の合計)とする
回答が減り、
『そう思わない』
(「あまりそう思わない」
「そう思わない」の合計)とする回答が増加する
傾向が示されている(図表 3-1-3-3)。特に「男は妻子を養うべきである」という意識について『そう思
う』とする回答は、親や配偶者の意識よりも減少し、42.4%にとどまっている。また、
「夫は外で働き、
妻は家庭を守るべきである」とする意識について『そう思う』とする回答は 27.7%にとどまり、「どち
らともいえない」が 46.3%となっている。
図表 3-1-3-3 職場の性別役割分担に関する意識についての項目
(n=2,423)
0%
20%
男は妻子を養うべきである
12.2
責任ある仕事は、女性よりも男性がするほうが良い
10.8
夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである
7.1
40%
60%
30.2
39.4
25.7
20.6
43.1
46.3
とてもそう思う
あまりそう思わない
103
ややそう思う
そう思わない
80%
100%
12.8
13.7
18.7
5.4
6.6
7.3
どちらともいえない
4.男性の性別役割分担に関する意識に影響を及ぼす要因の分析
(1)男性の性別役割分担に関する意識(自身の態度)の因子分析結果
これまでの分析結果を概観すると、男性の性別役割分担に関する意識には、多くの要因が関連してい
る可能性が考えられる。したがって、これまで検討してきた属性及び周囲の意識のどのような要因が、
男性の性別役割分担に関する意識に影響を及ぼしているかについて、重回帰分析により検討する。なお、
重回帰分析を行うにあたり、男性の性別役割分担に関する意識については、23 個の質問項目別に分析す
るのではなく、志向ごとに項目をまとめて分析することとする。
まず、因子分析により構造を明らかにするため、各項目について 5 段階(「とてもそう思う(5 点)」
「ややそう思う(4 点)」
「どちらともいえない(3 点)」
「あまりそう思わない(2 点)」
「そう思わない(1
点)」)として、得点化を行った。なお、逆転項目として設定していた 5 項目(3-1-4-1 の※のついてい
る項目)については、点数を逆転させて(「とてもそう思う(1 点)」∼「そう思わない(5 点)」として
得点化している。23 項目について主因子法による因子分析を行い、5 因子を抽出した。因子軸の回転に
は直行回転(バリマックス法)を用い、結果の解釈には因子負荷量を適用している(図表
3-1-4-2)。
次に項目を精選するため、負荷量が.40 未満の項目合計 3 項目及び、複数の因子に負荷量が高い 1 項目
(図表
3-1-4-2 において色づけしている項目)を削除し、残った項目について因子分析の作業をもう
一度繰り返したところ、図表 3-1-4-1 に示すような結果を得た。
図表 3-1-4-1 男性の性別役割分担に関する意識の因子分析結果
Ⅰ
Ⅰ 主導権役割志向
Ⅱ 日常生活依存
志向
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
妻や恋人には、できれば自分の意見に従ってもらいたい
.760
.124
-.029
(結婚したら)妻には自分の(家の)習慣(やり方)に合わせてほしい
.708
.119
-.082
.055
.004
家事は、主に妻にしてほしい
.588
.233
.007
.118
.304
妻や恋人が自分の思い通りにならないと、イライラすることがある
.571
.137
-.084
.047
-.001
結婚生活の重要事項は、妻ではなく自分が決めたい
.534
.046
-.073
.122
-.027
家庭のこまごました管理は、妻にしてほしい
.503
.154
-.065
.118
.250
父親が仕事中心に生活することは、家庭の幸せにつながる
.454
.320
-.057
.149
.180
.147
.005
自分の親に介護が必要になったら、介護は妻にしてほしい
.436
.212
-.158
.102
.019
家族の洗濯物を干すことは、自分がするような仕事ではない
.353
.635
-.067
.004
.051
スーパーマーケットや商店で野菜や肉、魚などを買うことに抵抗がある
.130
.631
-.122
.002
-.138
妻が仕事を持つのは、家族の負担が重くなり、よくない
.248
.584
-.084
-.048
.323
-.039
-.158
.807
-.063
.010
※ 自分の素直な気持ちを他人によく話すほうである
-.036
-.046
.623
-.155
-.055
※ 他人に弱音を吐くことがある
-.148
-.032
.497
-.014
.050
仕事では競争に勝ちたい
.229
.078
-.081
.736
.050
仕事で業績を上げ評価されたい
.133
-.056
-.147
.682
.017
子どもに手がかかるうちは、妻に働いてほしくない(ほしくなかった)
.322
.189
-.085
.058
.549
Ⅲ 私的感情の抑制 ※ 悩みがあったら、気軽に誰かに相談するほうである
志向
Ⅱ
Ⅳ 社会的役割志向
Ⅴ 経済的役割志向
(結婚したら)家族を養い守るのは、自分の責任である
.291
-.156
-.035
.302
.522
-.164
.000
.089
-.072
.518
因子寄与率
16.57
7.97
7.05
6.22
5.82
アルファ係数
.83
.70
.68
.71
.52
※ (結婚したら)妻には、できるだけ稼いでもらいたい
<削除項目>
(結婚したら)一家の大黒柱は自分である
※は逆転項目
男同士では、自分と相手との上下関係を意識して接している
(結婚したら)家族のために、仕事は継続しなければいけない
※ たとえ収入が低くても、興味の持てる仕事をしたい
104
(参考資料)図表 3-1-4-2 男性の性別役割分担に関する意識についての 23 項目の因子分析結果
Ⅰ
妻や恋人には、できれば自分の意見に従ってもらいたい
Ⅰ 主導権役割志向
Ⅱ
.747
Ⅲ
.037
Ⅳ
.110
Ⅴ
.134
-.030
(結婚したら)妻には自分の(家の)習慣(やり方)に合わせてほしい
.720
.016
.093
.048
-.085
妻や恋人が自分の思い通りにならないと、イライラすることがある
.578
.011
.110
.033
-.092
家事は、主に妻にしてほしい
.577
.319
.231
.085
.008
結婚生活の重要事項は、妻ではなく自分が決めたい
.538
.016
.016
.133
-.074
家庭のこまごました管理は、妻にしてほしい
.499
.265
.149
.096
-.065
父親が仕事中心に生活することは、家庭の幸せにつながる
.463
.201
.301
.135
-.051
自分の親に介護が必要になったら、介護は妻にしてほしい
.449
.033
.197
.109
-.153
男同士では、自分と相手との上下関係を意識して接している
.388
.087
-.012
.192
-.068
(結婚したら)家族を養い守るのは、自分の責任である
.263
.697
-.199
.295
-.049
子どもに手がかかるうちは、妻に働いてほしくない(ほしくなかった)
.305
.500
.233
.013
-.079
Ⅱ 経済的役割志向
(結婚したら)一家の大黒柱は自分である
.308
.495
-.114
.419
-.058
-.194
.451
.092
-.093
.111
(結婚したら)家族のために、仕事は継続しなければいけない
.233
.389
-.321
.301
-.080
妻が仕事を持つのは、家族の負担が重くなり、よくない
.267
.269
.609
-.079
-.074
※ (結婚したら)妻には、できるだけ稼いでもらいたい
Ⅲ 日常生活依存
志向
Ⅳ 社会的役割志向
家族の洗濯物を干すことは、自分がするような仕事ではない
.387
.050
.586
.002
-.061
スーパーマーケットや商店で野菜や肉、魚などを買うことに抵抗がある
.181
-.142
.570
.015
-.109
仕事で業績を上げ評価されたい
.130
.054
-.041
.710
-.117
.245
.073
.089
.679
-.057
※ たとえ収入が低くても、興味の持てる仕事をしたい
仕事では競争に勝ちたい
-.051
-.023
.104
.058
.149
Ⅴ 私的感情の抑制 ※ 悩みがあったら、気軽に誰かに相談するほうである
志向
※ 自分の素直な気持ちを他人によく話すほうである
-.030
.012
-.188
-.094
.801
-.020
-.059
-.088
-.186
.601
-.149
.052
-.029
-.026
.506
※ 他人に弱音を吐くことがある
※は逆転項目
※色づけしている項目は、複数の因子に負荷量が高いまたは全ての因子に負荷量が低い項目であり、それらを
除いて再度、因子分析を行った結果が図表 3-1-4-1 である。
105
○ 第Ⅰ因子:主導権役割志向
「妻や恋人には、できれば自分の意見に従ってもらいたい」
「(結婚したら)妻には自分の(家の)習
慣(やり方)に合わせてほしい」「家事は、主に妻にしてほしい」といった項目に負荷量が高く、男女
の関係性において重要事項を決めるのは自分であり、妻や恋人を従わせるという傾向や、家事や介護は
妻にまかせたいという志向性を示している。
○ 第Ⅱ因子:日常生活依存志向
「家族の洗濯物を干すことは、自分がするような仕事ではない」「妻が仕事を持つのは、家族の負担
が重くなり、よくない」といった項目に負荷量が高く、家事をはじめとする生活全般について妻や家族
に依存し、自分がやることを避ける志向性を示している。
○ 第Ⅲ因子:私的感情の抑制志向
「悩みがあったら、気軽に誰かに相談するほうである」「自分の素直な気持ちを他人によく話すほう
である」
(いずれも逆転項目)といった項目に負荷量が高く、悩みを他人に打ち明けたり、相談したり、
弱音を吐いたりといった、プライベートな感情を見せない志向性を示している。
○ 第Ⅳ因子:社会的役割志向
「仕事では競争に勝ちたい」「仕事で業績を上げ評価されたい」といった項目に負荷量が高く、仕事
における業績について評価されたい、社会的に活躍したいという志向性を示している。
○ 第Ⅴ因子:経済的役割志向
「子どもに手がかかるうちは、妻に働いてほしくない」「家族を養い守るのは、自分の責任である」
といった項目に負荷量が高く、家族を経済的に支え、家族を守る役割は自分であり、妻に働いてもらう
ことはあまり期待しない志向性を示している。
以下の分析では、各因子の粗点の合計を項目数で割った得点を、各因子の得点とする。なお、図表
3-1-2-1 にて示した男性の性別役割分担に関する意識についての 23 項目の並び順(図表 3-1-4-2 の因子
分析結果の志向別の並び順と同じ)に合わせるため、以降の記載は、順に第Ⅰ因子「主導権役割志向」、
第Ⅴ因子「経済的役割志向」、第Ⅱ因子「日常生活依存志向」、第Ⅳ因子「社会的役割志向」、第Ⅲ因子
「私的感情の抑制志向」の並び順で記載することとする。
106
次に因子間相関を検討したところ、
「主導権役割志向」と「日常生活依存志向」には中程度の正の相
関がみられており(r=.487)、
「主導権役割志向」と「社会的役割志向」、
「主導権役割志向」と「経済
的役割志向」との間には、それぞれ弱い相関がみられている(それぞれr=.321、r=.320)(図表
3-1-4-3)。
図表 3-1-4-3 男性の性別役割分担意識に関する志向ごとの相関
経済的役割志向
主導権役割志向
経済的役割志向
.320
−
日常生活依存志向
**
.321
**
-.205
**
**
.182
**
-.051
**
**
-.198 **
日常生活依存志向
−
社会的役割志向
−
−
注.
私的感情の抑制志向
**
.175
−
**
社会的役割志向
.487
.080
−
-.208
**
p <.01
志向別の得点の平均値について、以下に示す(図表 3-1-4-4)。全体の平均値は、「主導権役割志向」
3.12、
「経済的役割志向」3.47、
「日常生活依存志向」2.21、
「社会的役割志向」3.44、
「私的感情の抑制
志向」3.18 であった。平均値では「経済的役割志向」が最も高く、次いで「社会的役割志向」の順に高
い。なお、「日常生活依存志向」が最も平均値が低い。
図表 3-1-4-4 男性の性別役割分担意識に関する志向別の平均値と標準偏差
平均値
(SD)
主導権役割志向
3.12
.63
経済的役割志向
3.47
.68
日常生活依存志向
2.21
.76
社会的役割志向
3.44
.94
私的感情の抑制志向
3.18
.80
(2)男性の性別役割分担意識に関する志向についての属性別の平均値
① 年代別・婚姻状況別の平均値
男性の性別役割分担意識に関する志向について、年代別の平均値に差異がみられる傾向にある項目
は、「経済的役割志向」や「社会的役割志向」「私的感情の抑制志向」である(図表 3-1-4-5)。
「経済
的役割志向」や「私的感情の抑制志向」は年代が上昇するにつれて高くなる傾向がみられており、
「社
会的役割志向」については、年代が低いほど得点が高い傾向がみられている。また婚姻状況別には、
「主導権役割志向」
「経済的役割志向」
「社会的役割志向」において、既婚者のほうが未婚者よりも高
い傾向がみられている。
107
図表 3-1-4-5 男性の性別役割分担意識に関する志向別の得点の平均値(年代・婚姻状況別)
<主導権役割志向>
2.50
3.00
3.50
2.92
20歳代(n 360)
30歳代(n 180)
2.92
30歳代(n 180)
3.02
50歳代(n 120)
3.00
60歳代(n 120)
3.02
3.18
既婚
<日常生活依存志向>
2.00
未婚合計(n 960)
未婚
40歳代(n 180)
2.22
2.16
40歳代(n 420)
既婚
2.30
2.41
<私的感情の抑制志向>
3.00
3.50
20歳代(n 360)
3.16
30歳代(n 180)
3.18
40歳代(n 180)
3.29
50歳代(n 120)
3.29
未婚合計(n 960)
30歳代(n 420)
3.23
2.94
3.05
40歳代(n 420)
3.20
50歳代(n 480)
3.20
60歳代(n 480)
4.00 (点)
3.37
60歳代(n 120)
20歳代(n 240)
60歳代(n 480)
合計(n 3,000)
2.21
2.50
50歳代(n 480)
既婚合計(n 2,040)
2.25
2.00
3.59
3.34
3.11
3.34
3.88
20歳代(n 240)
40歳代(n 420)
60歳代(n 480)
4.00 (点)
3.50
3.15
30歳代(n 420)
合計(n 3,000)
3.00
3.14
2.13
既婚合計(n 2,040)
2.50
60歳代(n 120)
30歳代(n 420)
50歳代(n 480)
3.47
50歳代(n 120)
未婚合計(n 960)
2.13
20歳代(n 240)
3.73
3.53
30歳代(n 180)
2.28
60歳代(n 120)
3.54
60歳代(n 480)
20歳代(n 360)
2.22
50歳代(n 120)
3.49
50歳代(n 480)
<社会的役割志向>
4.00 (点)
2.10
40歳代(n 180)
未婚
3.50
2.07
30歳代(n 180)
既婚
3.00
2.10
20歳代(n 360)
3.45
3.36
合計(n 3,000)
3.12
2.50
3.63
3.35
既婚合計(n 2,040)
3.20
2.00
3.27
50歳代(n 120)
40歳代(n 420)
3.30
60歳代(n 480)
合計(n 3,000)
3.32
30歳代(n 420)
3.23
既婚合計(n 2,040)
3.32
3.29
20歳代(n 240)
3.18
50歳代(n 480)
4.00 (点)
3.50
未婚合計(n 960)
3.09
40歳代(n 420)
3.00
60歳代(n 120)
2.96
30歳代(n 420)
2.50
40歳代(n 180)
未婚
40歳代(n 180)
20歳代(n 240)
未婚
2.00
20歳代(n 360)
未婚合計(n 960)
既婚
<経済的役割志向>
4.00 (点)
既婚
未婚
2.00
3.25
既婚合計(n 2,040)
3.15
合計(n 3,000)
3.18
108
3.59
3.52
3.41
3.25
3.49
3.44
② 男性の収入別の平均値
男性の性別役割分担意識に関する志向について、収入別の平均値に差異がみられる傾向にある項目
は、
「主導権役割志向」や「経済的役割志向」
「社会的役割志向」である(図表 3-1-4-6)。いずれも収
入が増加するにつれて、高くなる傾向がみられている。
図表 3-1-4-6 男性の性別役割分担意識に関する志向別の得点の平均値(男性の収入別)
<主導権役割志向>
【男性の収入】
2.00
2.50
3.00
3.50
<経済的役割志向>
(点)
4.00 2.00
2.50
3.00
<日常生活依存志向>
(点)
4.00 2.00
3.50
収入がない(n=141)
2.93
100万円未満(n=193)
2.98
3.36
100万円∼200万円未満(n=227)
3.02
3.35
2.50
3.00
3.50
2.22
3.33
2.10
2.18
200万円∼300万円未満(n=389)
3.11
3.44
300万円∼400万円未満(n=523)
3.10
3.43
<社会的役割志向> <私的感情の抑制志向>
(点)
4.00 2.00
2.50
3.00
(点)
4.00 2.00
3.50
2.50
3.27
3.30
3.22
3.51
3.19
3.19
400万円∼500万円未満(n=417)
3.17
3.51
3.54
3.10
500万円∼600万円未満(n=295)
3.14
3.52
2.17
3.55
3.15
3.52
2.22
3.52
3.17
600万円∼800万円未満(n=381)
3.22
800万円∼1,000万円未満(n=181)
3.25
1,000万円以上(n=118)
3.23
2.24
2.35
3.62
2.28
3.69
(点)
4.00
3.27
3.39
2.14
3.50
3.29
3.12
2.21
3.00
3.52
3.62
3.16
3.14
③ 配偶者の収入別の平均値
男性の性別役割分担意識に関する志向について、配偶者の収入別に差異がみられる傾向にある項目
は、「経済的役割志向」や「日常生活依存志向」である(図表 3-1-4-7)。いずれも配偶者の収入が上
昇するにつれて低くなる傾向がみられている。
図表 3-1-4-7 男性の性別役割分担意識に関する志向別の得点の平均値(配偶者の収入別)
<主導権役割志向>
【配偶者の収入】
<経済的役割志向>
収入がない(n=766)
3.24
100万円未満(n=485)
3.27
3.71
3.60
100万円∼200万円未満(n=264)
3.17
3.38
200万円∼300万円未満(n=165)
3.12
3.37
300万円∼400万円未満(n=113)
3.09
400万円∼500万円未満(n=58)
500万円∼800万円未満(n=69)
800万円以上(n=16)
<日常生活依存志向>
<社会的役割志向> <私的感情の抑制志向>
(点)
(点)
(点)
(点)
(点)
1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00
2.97
3.07
2.98
3.53
3.15
2.28
3.48
3.15
3.49
3.22
2.20
2.10
2.10
3.20
1.93
3.19
2.16
3.15
3.04
2.32
1.73
109
3.41
3.58
3.66
3.48
3.38
3.16
3.14
3.19
2.92
2.83
④ 配偶者の就業形態別の平均値
男性の性別役割分担意識に関する志向について、配偶者の就業形態別に検討したところ、「主導権
役割志向」や「経済的役割志向」「日常生活依存志向」は、配偶者が「正社員」や「公務員・公社等
の正規職員」の場合に低くなる傾向がみられている(図表 3-1-4-8)。また、「私的感情の抑制志向」
は、配偶者が「自営(農林漁業)」及び「年金生活」の場合に高くなる傾向が示されている。
図表 3-1-4-8 男性の性別役割分担意識に関する志向別の得点の平均値(配偶者の就業形態別)
<主導権役割志向>
<経済的役割志向>
(点)
<日常生活依存志向>
(点)
<社会的役割志向> <私的感情の抑制志向>
(点)
(点)
(点)
【配偶者の就業形態】 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00
自営(農林漁業)(n 47)
自営(商工サービス業)(n 93)
正社員(n 356)
公務員・公社等の正規職員(n 82)
パートタイマー等の非正規雇用者(n 528)
専業主婦(n 785)
年金生活(n 96)
3.35
3.18
3.13
3.04
3.17
3.24
3.34
3.62
2.48
3.38
3.64
3.54
2.25
3.32
2.15
3.12
3.50
2.02
3.44
3.33
2.18
3.72
3.47
2.32
3.76
2.50
110
3.53
3.21
3.28
3.01
3.07
3.14
3.19
3.15
3.37
(3)性別役割分担についての規範意識
性別役割分担についての規範意識に関する 6 項目について、5 段階(「とてもそう思う(5 点)」
「やや
そう思う(4 点)」
「どちらともいえない(3 点)」
「あまりそう思わない(2 点)」
「そう思わない(1 点)」)
として、得点化を行った。6 項目の合計得点を項目数で割ったものを、男性自身の性別役割分担につい
ての規範意識得点として算出した。
性別役割分担についての規範意識の得点について、平均値は 3.36 であった(図表 3-1-4-9)。婚姻状
況及び年代別に分析したところ、未婚者よりも既婚者のほうがやや高い傾向にあり、年代別には 60 歳
代において性別役割分担についての規範意識が高い傾向がみられている(図表 3-1-4-10)。
図表 3-1-4-9 男性の性別役割分担についての規範意識の平均値と標準偏差
平均値
3.36
性別役割分担に対する規範意識
(SD)
.76
図表 3-1-4-10 男性の性別役割分担についての規範意識の平均値【年代・婚姻状況別】
2.00
2.50
3.00
3.50
未婚
(点)
3.22
20歳代(n=360)
30歳代(n=180)
3.16
40歳代(n=180)
3.19
50歳代(n=120)
3.22
3.42
60歳代(n=120)
未婚合計(n=960)
3.23
3 31
20歳代(n=240)
既婚
4.00
30歳代(n=420)
3.40
40歳代(n=420)
3.39
50歳代(n=480)
3.36
3.59
60歳代(n=480)
既婚合計(n=2,040)
3.42
合計(n=3,000)
3.36
(4)周囲の性別役割分担に関する意識
① 親(養育者)の性別役割分担に関する意識の得点化の方法
男性から見た親(養育者)の性別役割分担に関する意識 4 項について、5 段階(「とてもそう思う(5
点)」
「ややそう思う(4 点)」
「どちらともいえない(3 点)」
「あまりそう思わない(2 点)」
「そう思わな
い(1 点)」
)として、得点化を行った。4 項目の合計得点を項目数で割ったものを、親の性別役割分担
に関する意識得点として算出した。
親の性別役割分担に関する意識の得点について、平均値は 3.49 であった(図表 3-1-4-11)。婚姻状況
及び年代別に分析したところ、顕著な差異がみられていないが、未婚者よりも既婚者のほうがやや高い
111
傾向にあり、年代別には、年代が高くなるとともに親の性別役割分担に関する意識の得点が高くなる傾
向がみられている(図表 3-1-4-12)
。
図表 3-1-4-11 親の性別役割分担に関する意識の平均値と標準偏差
平均値
3.49
親の性別役割分担意識
(SD)
.82
図表 3-1-4-12 親の性別役割分担に関する意識の平均値【年代・婚姻状況別】
2.00
2.50
3.00
3.50
3.19
30歳代(n=180)
3.31
40歳代(n=180)
未婚
(点)
3.12
20歳代(n=360)
3.43
50歳代(n=120)
3.69
60歳代(n=120)
未婚合計(n=960)
3.28
20歳代(n=240)
3.37
30歳代(n=420)
3.35
3.54
40歳代(n=420)
既婚
4.00
3.69
50歳代(n=480)
3.85
60歳代(n=480)
既婚合計(n=2,040)
3 59
合計(n=3,000)
3.49
② 配偶者の性別役割分担に関する意識(分析対象:既婚者)
男性から見た配偶者の性別役割分担に関する意識 4 項目について、5 段階(「とてもそう思う(5 点)」
「ややそう思う(4 点)」
「どちらともいえない(3 点)」
「あまりそう思わない(2 点)」
「そう思わない(1
点)」)として、得点化を行った。4 項目の合計得点を項目数で割ったものを、配偶者の性別役割分担に
関する意識得点として算出した。
配偶者の性別役割分担に関する意識の得点について、平均値は 3.40 であった(図表 3-1-4-13)。既婚
者について年代別に分析したところ、年代が高くなるとともに配偶者の性別役割分担に関する意識の得
点が高くなる傾向がみられている(図表 3-1-4-14)。
図表 3-1-4-13 配偶者の性別役割分担に関する意識の平均値と標準偏差
配偶者の性別役割分担意識
112
平均値
3.40
(SD)
.80
図表 3-1-4-14 配偶者の性別役割分担に関する意識の平均値【年代・婚姻状況別】
2.00
2.50
3.00
3.50
(点)
3.11
20歳代(n=240)
3.25
30歳代(n=420)
3.41
40歳代(n=420)
既婚
4.00
3.45
50歳代(n=480)
3.62
60歳代(n=480)
既婚合計(n=2,040)
3.40
③ 職場の性別役割分担に関する意識(分析対象:仕事をしている者)
男性から見た職場の性別役割分担に関する意識に 3 項目について、5 段階(「とてもそう思う(5 点)」
「ややそう思う(4 点)」
「どちらともいえない(3 点)」
「あまりそう思わない(2 点)」
「そう思わない(1
点)」)として、得点化を行った。3 項目の合計得点を項目数で割ったものを、職場の性別役割分担に関
する意識得点として算出した。
職場の性別役割分担に関する意識の得点について、平均値は 3.18 であった(図表 3-1-4-15)
。婚姻状
況及び年代別に分析したところ、顕著な差異がみられていないが、既婚者のほうが未婚者よりもやや高
い傾向にあり、年代別には 20 歳代と 60 歳代で高い傾向がみられている(図表 3-1-4-16)。
図表 3-1-4-15 職場の性別役割分担に関する意識の平均値と標準偏差
平均値
3.18
職場の性別役割分担意識
(SD)
.89
図表 3-1-4-16 職場の性別役割分担に関する意識の平均値【年代・婚姻状況別】
2.00
2.50
未婚
3.50
3.11
20歳代(n=190)
30歳代(n=154)
3.00
40歳代(n=150)
3.02
3.09
50歳代(n=95)
3.24
60歳代(n=51)
未婚合計(n=640)
既婚
3.00
3.07
20歳代(n=236)
3.26
30歳代(n=411)
3.24
40歳代(n=414)
3.18
50歳代(n=454)
3.15
3.30
60歳代(n=268)
既婚合計(n=1,783)
3.21
合計(n=2,423)
3.18
113
4.00
(点)
(5)男性の性別役割分担に関する意識に影響を及ぼす要因の検討
① 男性の性別役割分担に関する意識に影響を及ぼす要因の分析について
男性の性別役割分担に関する意識には、どのような要因が影響を及ぼしているのか、重回帰分析によ
り、検討する。なお、設定した要因については、男性の性別役割分担に関する意識との関連を検討し、
関連がみられる要因に絞って設定している(図表 3-1-4-17)。
まず、
「周囲の意識に関する要因」は「親の意識」
「配偶者の意識」
「職場の意識」を設定した。また、
属性要因は「年齢」「収入」「配偶者の収入」「労働時間」「学歴」「職種」を設定した。なお、男性の性
別役割分担意識については、「自身の態度」に関する 5 つの志向と「規範意識」について検討した。
図表 3-1-4-17
男性の性別役割分担に関する意識に影響を及ぼす要因の検討
114
② 既婚・有職者を対象とした分析
全ての要因について回答している者を対象として分析するため、まず、既婚者であり、かつ、仕事を
している者(有職者)を分析対象として重回帰分析を行った。分析の結果を図表 3-1-4-18 に示す。
○ 主導権役割志向:
「配偶者の性別役割分担に関する意識」と「親の性別役割分担に関する意識」「職場の性別役割分
担に関する意識」について、それぞれ正の影響がみられている。配偶者や親、職場の性別役割分担意
識が強くなると、男性の主導権役割志向も強くなる傾向にあり、反対に配偶者や親、職場の性別役割
分担意識が低くなると、男性の主導権役割志向も低くなる傾向が示唆される。
○ 経済的役割志向:
「配偶者の収入」「親の性別役割分担に関する意識」「男性の収入」の影響がみられている。「配偶
者の収入」からの負の影響がみられており、配偶者の収入が少なくなるほど、男性の経済的役割志向
が強くなり、反対に配偶者の収入が高くなるほど、男性の経済的役割志向は低下するという関連がみ
られている。また、「親の性別役割分担に関する意識」からの正の影響もみられており、親の性別役
割分担に関する意識が強くなると男性の経済的役割志向も強くなり、親の性別役割分担に関する意識
が低くなると経済的役割志向も低下するという傾向がうかがえる。また、男性の収入からの正の影響
もみられており、男性の収入が増加するほど経済的役割志向が強くなり、男性の収入が低くなるほど
経済的役割志向も低くなる傾向が示されている。
○ 日常生活依存志向:
「配偶者の性別役割分担に関する意識」と「配偶者の収入」という、配偶者の要因が影響している
様子がうかがえる。「配偶者の性別役割分担に関する意識」が強くなると、男性の日常生活依存志向
が強くなり、反対に配偶者の性別役割分担に関する意識が低くなると、男性の日常生活依存志向も低
下する。また、「配偶者の収入」については、負の影響が示されており、配偶者の収入が高くなるほ
ど男性の日常生活依存志向は低下し、配偶者の収入が低くなるほど男性の日常生活依存志向は強くな
る傾向が示されている。
○ 社会的役割志向:
「男性の年齢」と「配偶者の性別役割分担に関する意識」
、
「親の性別役割分担に関する意識」
、
「職
種」の影響がみられている。「男性の年齢」については、負の影響となっており、年齢が低いほど社
会的役割志向は強く、年齢が高くなると社会的役割志向は低下する傾向にある。また、「配偶者の性
別役割分担に関する意識」及び「親の性別役割分担に関する意識」は、それぞれ正の影響が示されて
おり、配偶者や親の性別役割分担に関する意識が強い場合には、男性の社会的役割志向が強くなり、
反対に配偶者や親の性別役割分担に関する意識が低い場合には、男性の社会的役割志向も低下する傾
向がみられている。さらに、いくつかの職種からの正の影響がみられており、
「営業・販売の仕事」
「管
理的な仕事」
「専門知識をいかした仕事」の場合に社会的役割志向が強くなる傾向が示されている。
115
○ 私的感情の抑制志向:
主に「男性の年齢」に正の影響が示されており、年齢が高くなるほど私的感情を抑制する傾向が、
反対に年齢が低くなるほど私的感情を抑制しない傾向が示されている。
図表 3-1-4-18 男性の性別役割分担に関する意識に影響を及ぼす要因(既婚・有職者の重回帰分析結果)
主導権役割
志向
(n=1,682)
経済的役割
志向
(n=1,682)
配偶者の意識
.216
***
親の意識
.189
***
.220
職場の意識
.127
***
***
.178
***
***
.074
**
.146
***
.072
**
.088
**
-
男性の年齢
-
.075
男性の収入
-
.093
***
-.251
***
-.051
*
-.046
*
営業・販売の仕事
.047
*
-
管理的な仕事
.053
*
-
労働時間
社会的役割
志向
(n=1,682)
.173
-
**
配偶者の収入
日常生活依存
志向
(n=1,682)
-
***
-.275
私的感情の
抑制志向
(n=1,682)
-.066
*
-.085
**
***
.136
-
-
-.087
***
-
-
-.066
**
-
*
.056
-
-
.117
***
**
.153
***
-
.101
***
-
-.067
専門知識をいかした仕事
-
-
-
事務的な仕事
-
-
-
-
-
製造・技能・労務の仕事
-
-
-
-
-
中学卒
-
-
-
-
高校・高専卒
-
-
-
短大・専門学校卒
-
-
-
大学・大学院卒
-
F
60.43
自由度調整済みR 2
*
**
・注. p <.05, p <.01,
・表の数値は標準編回帰係数
***
.198
***
65.32
-
***
.161
29.91
.094
**
-.066
41.23
.143
-
***
*
.050
***
13.48
***
.036
p <.001
なお、属性要因は、以下のように設定している
・「年齢」は、実年齢である。
・「収入」「配偶者の収入」は、WEB 調査の選択肢に即して、
「収入がない=1」「100 万円未満=2」、「100 万円∼200 万
円未満=3」のように「1,000 万円以上=10」まで設定している。
・「労働時間」は、1 週間あたりの実労働時間である。
・
「学歴」は、
「中学卒」
「高校・高専卒」
「短大・専門学校卒」
「大学・大学院卒」についてダミーを作成し「その他の
学歴」をレファレンスグループとしている。
・
「職種」は、サンプル数が多い「営業・販売の仕事」
「管理的な仕事」
「専門知識をいかした仕事」
「事務的な仕事」
「製
造・技能・労務の仕事」のそれぞれについて、ダミーを作成し「それ以外の職種」をレファレンスグループとして
いる。
116
③ 未婚・有職者を対象とした分析
次に未婚者で仕事をしている者の分析を行う。未婚者の場合は、配偶者の要因がなくなることから、
既婚者の分析から「配偶者の性別役割分担に関する意識」及び「配偶者の収入」を除いて分析を行った。
分析の結果を図表 3-1-4-19 に示す。
○ 主導権役割志向:
「親の性別役割分担に関する意識」「職場の性別役割分担に関する意識」について、それぞれ正の
影響がみられている。親や職場の性別役割分担に関する意識が強くなると、男性の主導権役割志向も
強くなる傾向にあり、親や職場の性別役割分担に関する意識が低くなると、男性の主導権役割志向も
低下する傾向にある。
○ 経済的役割志向:
「親の性別役割分担に関する意識」「職場の性別役割分担に関する意識」について、それぞれ正の
影響がみられている。親や職場の性別役割分担に関する意識が強くなると、男性の経済的役割志向も
強くなる傾向にあり、親や職場の性別役割分担に関する意識が低くなると、男性の経済的役割志向も
低下する傾向にある。
○ 日常生活依存志向:
影響の程度はそれほど強くないものの、
「親の性別役割分担に関する意識」
「職場の性別役割分担に
関する意識」について、それぞれ正の影響がみられている。親や職場の性別役割分担に関する意識が
強くなると、男性の日常生活依存志向も強くなる傾向にあり、親や職場の性別役割分担に関する意識
が低くなると、男性の日常生活依存志向も低下する傾向にある。
○ 社会的役割志向:
「男性の年齢」と「親の性別役割分担に関する意識」「職場の性別役割分担に関する意識」の影響
がみられている。「男性の年齢」については、負の影響となっており、年齢が低いほど社会的役割志
向は強く、年齢が高くなるにつれて社会的役割志向は低下する傾向にある。また、「親の性別役割分
担に関する意識」及び「職場の性別役割分担に関する意識」は、それぞれ正の影響が示されており、
親や職場の性別役割分担に関する意識が強くなると、男性の社会的役割志向が強くなり、反対に親や
職場の性別役割分担に関する意識が低くなると、男性の社会的役割志向は低下する傾向がみられてい
る。
○ 私的感情の抑制志向:
「職場の性別役割分担に関する意識」に負の影響が示されており、職場の性別役割分担に関する意
識が低い場合には、男性の私的感情の抑制志向は強くなり、職場の性別役割分担に関する意識が高く
なると、男性の私的感情の抑制志向は低下する傾向がみられている。
117
図表 3-1-4-19 男性の性別役割分担意に関する意識に影響を及ぼす要因の検討(未婚・有職者の重回帰
分析結果)
主導権役割
志向
(n=606)
親の意識
職場の意識
.252
***
.179
***
男性の年齢
-
男性の収入
***
.137
**
.187
***
.120
**
.093
*
.088
*
-
営業・販売の仕事
-
管理的な仕事
-
-
-
-
-
-
日常生活依存
志向
(n=606)
.164
*
.080
労働時間
経済的役割
志向
(n=606)
.078
私的感情の
抑制志向
(n=606)
.204
***
.161
***
-.220
***
-
**
-
.116
*
-.087
*
社会的役割
志向
(n=606)
-
***
-.188
-
-
-
-
-
*
.087
-
専門知識をいかした仕事
-
-
-
事務的な仕事
-
-
-
-
-
製造・技能・労務の仕事
-
-
-
-
-
中学卒
-
-
-
-
-
-
-
*
高校・高専卒
-
-
短大・専門学校卒
-
-
-
-
大学・大学院卒
-
-
-
-
F
自由度調整済みR
*
**
35.13
2
・注. p <.05, p <.01,
・表の数値は標準編回帰係数
.145
***
***
20.33
.113
p <.001
118
.087
***
10.44
.072
***
20.78
.140
-.088
***
13.44
.039
*
***
④ 男性の性別役割分担についての規範意識に影響を及ぼす要因の分析
最後に、「男性の性別役割分担についての規範意識」について、どのような要因が関連しているのか
検討している。まず、既婚・有職者の分析を行った結果、「男性の性別役割分担についての規範意識」
には「配偶者の性別役割分担に関する意識」と「親の性別役割分担に関する意識」「職場の性別役割分
担に関する意識」が影響していることが示されている(図表 3-1-4-20)。特に「配偶者の性別役割分担
に関する意識」が最も影響が強く、次いで、「職場の性別役割分担に関する意識」が影響している。こ
のことは、男性が社会的に望ましいと考える性別役割分担についての規範意識は、配偶者の態度や職場
の雰囲気により、影響を受けやすい可能性が示唆される。
また、未婚者について検討したところ、未婚者の場合は、「親の性別役割分担に関する意識」と「職
場の性別役割分担に関する意識」が影響を及ぼしており、特に職場のほうが親よりも影響している可能
性が示唆された。
なお、未婚者、既婚者いずれの分析においても、規範意識には「年齢」
「収入」
「労働時間」
「職種」
「学
歴」は、影響がないことが示されている。
図表 3-1-4-20 男性の規範意識に影響を及ぼす要因(婚姻状況別・有職者の重回帰分析結果)
【既婚者】
(n=1,682)
【未婚者】
(n=606)
.304
***
親の意識
.193
***
.339
***
職場の意識
.275
***
.374
***
配偶者の意識
-
男性の年齢
-
-
男性の収入
-
-
配偶者の収入
-
-
労働時間
-
-
営業・販売の仕事
-
-
管理的な仕事
-
-
専門知識をいかした仕事
-
-
事務的な仕事
-
-
製造・技能・労務の仕事
-
-
中学卒
-
-
高校・高専卒
-
-
短大・専門学校卒
-
-
大学・大学院卒
-
-
F
341.45
自由度調整済みR 2
.378
・注. *** p <.001
・表の数値は標準編回帰係数
119
***
175.98
.366
***
5.日常生活の意識・行動との関連
(1)日常生活の家事や家計管理について
① 食品や生活雑貨などの買い物役割
・男性:あなたは、肉や魚、生活雑貨などの買い物をしますか
・女性:あなたの配偶者は肉や魚、生活雑貨などの買い物をしますか
(a)調査結果
・
年代・婚姻状況別の分析では、男性未婚者は、年代が高くなるほど「頻繁にする」が増加傾向に
ある。男性既婚者は、年代が高くなるほど「頻繁にする」がやや減少傾向にある(図表 3-1-5-2)。
・
女性は年代が高くなるほど「頻繁にする」がやや減少傾向にあり、男性既婚者の回答と顕著な差
はみられていない(図表 3-1-5-3)。
・
属性による分析では、配偶者の就業形態別、および男性の労働時間別に差異がみられている。配
偶者の就業形態別にみると、配偶者が「正社員」「公務員・公社等の正規職員」の場合には「頻
繁にする」が多い傾向にある(図表 3-1-5-4)。男性の労働時間別にみると、65 時間未満までは、
労働時間が増加するにしたがって「頻繁にする」が増加する傾向がみられている(図表 3-1-5-5)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連(分析対象:既婚者)
・
男性の買い物の頻度と男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検討している(未婚者と
既婚者では生活状況が異なるため、分析は既婚者を対象に行っている)。分析の結果、特に「主
導権役割志向」や「日常生活依存志向」が関連している傾向がみられている。買い物を「ほとん
どしない」と回答している者は、買い物を頻繁にする者に比べて、主導権役割が強く日常生活に
ついて依存傾向にある様子が示されている(図表 3-1-5-1)
図表 3-1-5-1 男性の買い物と性別役割分担意識に関する志向との関連(分析対象:既婚者)
1.5
2
2.5
3
3.5
4 (点)
<主導権役割志向得点>
ほとんどしない(n=387)
3.31
3.22
3.04
ときどきする(n=1,178)
頻繁にする(n=475)
<経済的役割志向得点>
ほとんどしない(n=387)
3.60
3.55
3.43
ときどきする(n=1,178)
頻繁にする(n=475)
<日常生活依存志向得点>
ほとんどしない(n=387)
2.58
ときどきする(n=1,178)
頻繁にする(n=475)
2.25
1.97
<社会的役割志向得点>
ほとんどしない(n=387)
3.46
3.51
3.47
ときどきする(n=1,178)
頻繁にする(n=475)
<私的感情の抑制志向得点>
ほとんどしない(n=387)
ときどきする(n=1,178)
頻繁にする(n=475)
3.22
3.14
3.12
120
※平均値の分析に関する記述については、統計
的に有意差のあった項目の中から、特に差が
顕著なもののみ記載している。サンプルが多
いことから平均値 0.1 程度の差であっても
有意となるが、記述の基準としては、選択肢
の順序通りに高低差がついており、最低点と
最高点でおおむね 0.2 点以上の差があるも
ののみ取り上げている。
男性の回答
図表 3-1-5-2 男性自身が肉や魚、生活雑貨などの買い物をするかどうか(年代・婚姻状況別)
0%
20%
20歳代(n=360)
28.6 30歳代(n=180)
28.9 既婚
100%
50.0 21.4 27.8 43.3 58 3 50歳代(n=120)
18.9 35.8 60.8 未婚合計(n=960)
80%
43.3 60歳代(n=120)
全
体
60%
37.8 40歳代(n=180)
未婚
40%
5.8 36.7 38.1 2.5 44.1 17.8 20歳代(n=240)
26.3 56.7 17.1 30歳代(n=420)
26.7 56.0 17.4 40歳代(n=420)
25 2 50歳代(n=480)
60歳代(n=480)
21.3 19.2 既婚合計(n=2,040)
23.3 合計(n=3,000)
57.6 17.1 56 3 22.5 61 5 19.4 57.7 28.0 19.0 53.4 頻繁にする
18.6 ときどきする
ほとんどしない
女性の回答
図表 3-1-5-3 配偶者が肉や魚、生活雑貨などの買い物をするかどうか(年代・婚姻状況別)
0%
20%
20歳代 既婚(n=238)
40%
60%
26.6 48 9 24.5 100%
25 2 47.9 26.9 30歳代 既婚(n=413)
80%
40歳代 既婚(n=412)
21.1 50.0 28.9 50歳代 既婚(n=462)
22.1 49.1 28 8 60歳代 既婚(n=474)
29.5
51.3
19.2 既婚全体(n=1,999)
28.1 49.6 22.3 頻繁にする
男性の回答
ときどきする
ほとんどしない
図表 3-1-5-4 男性自身が肉や魚、生活雑貨などの買い物をするかどうか(配偶者の就業形態別)
【配偶者の就業形態】
0%
自営(農林漁業)(n=47)
20%
40%
60%
17.0 自営(商工サービス業)(n=93)
100%
66.0
25.8 正社員(n=356)
公務員・公社等の正規職員(n=82)
17.0
59.1
31.2 15.1
50.0
36.6 パートタイマー等の非正規雇用者(n=528)
80%
18.8
52.4
21.6 11.0
58.1
20.3
専業主婦(n=785)
19.7 60.9
19.4
年金生活(n=96)
20.8 59.4
19.8
頻繁にする
ときどきする
ほとんどしない
男性の回答
図表 3-1-5-5 男性自身が肉や魚、生活雑貨などの買い物をするかどうか(既婚男性の労働時間別)
【男性の労働時間別】
(既婚者のみ)
35時間以上∼40時間未満(n=74)
40時間以上∼45時間未満(n=472)
45時間以上∼50時間未満(n=277)
50時間以上∼55時間未満(n=310)
55時間以上∼60時間未満(n=80)
0%
20%
60%
80%
100%
23.0
63.5
13.5 18.0
60.6
21.4 18.4
62.1
19.5 18.4
55.2
26.5 18.8
52.5
28.8 19.1
51.6
29.3 60時間以上∼65時間未満(n=157)
65時間以上(n=124)
40%
56.5
19.4 頻繁にする
ときどきする
121
24.2
ほとんどしない
② 家族の洗濯物を干す役割(回答対象:家族と同居している者)
・男性:あなたは、家族の洗濯物を干すことがありますか。
・女性:あなたの配偶者は、家族の洗濯物を干すことがありますか。
(a)調査結果
・
年代・婚姻状況別の分析では、男性未婚者の場合は、年代が高くなるほど「頻繁にする」とする
回答が増加する傾向にある。男性既婚者は顕著な差異はないが、年代が高くなるほど「頻繁にす
る」とする回答がやや減少傾向にある(図表 3-1-5-7)。他方、「ほとんどしない」とする回答は
全体の 3 割超となっており、特に未婚の 20 歳代∼40 歳代では 5 割前後がほとんど行っていない。
・
属性による分析では、配偶者(妻)の就業形態別に差異がみられている。男性の回答において、
妻が、
「正社員」
「公務員・公社等の正規職員」の場合には「頻繁にする」とする回答が多い傾向
にあるが、その傾向は、女性の調査においてもみられている(図表 3-1-5-8、図表 3-1-5-9)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連(分析対象:家族と同居している既婚者)
・
男性が家族の洗濯物を干すことと男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検討してい
る(未婚者と既婚者では生活状況が異なるため、分析は既婚者を対象に行っている)。分析の結
果、「主導権役割志向」や「日常生活依存志向」が関連している傾向にあり、洗濯物を干すこと
をほとんどしない男性は、頻繁にする男性に比べてそのような意識が強い傾向がみられている
(図表 3-1-5-6)。
図表 3-1-5-6 男性が家族の洗濯物を干すことと性別役割分担意識に関する志向との関連
(分析対象:家族と同居している既婚者)
1.5
2
2.5
3
3.5
<主導権役割志向得点>
ほとんどしない(n=607)
3.36
3.20
ときどきする(n=1,004)
頻繁にする(n=402)
2.96
<経済的役割志向得点>
ほとんどしない(n=607)
3.59
3.55
3.39
ときどきする(n=1,004)
頻繁にする(n=402)
<日常生活依存志向得点>
ほとんどしない(n=607)
2.57
ときどきする(n=1,004)
頻繁にする(n=402)
2.22
1.85
<社会的役割志向得点>
ほとんどしない(n=607)
3.46
3.51
ときどきする(n=1,004)
頻繁にする(n=402)
3.46
<私的感情の抑制志向得点>
ほとんどしない(n=607)
3.22
3.12
3.12
ときどきする(n=1,004)
頻繁にする(n=402)
122
4 (点)
男性の回答
図表 3-1-5-7 男性自身が、家族の洗たくものを干すことがあるかどうか(年代・婚姻状況別)
0%
20%
9.4 20歳代(n=213)
未婚
49 5 31.4 35.3 44.7 38.3 17 2 43.9 50.2 25.4 30歳代(n=417)
50歳代(n=469)
22.1 46.2 31.1 47.5 14.9 13.8 60歳代(n=477)
21 8 52.5 22.6 40歳代(n=411)
17 0 38.8 28.0 20歳代(n=239)
既婚
45.1 33.3 60歳代(n=47)
37.5 52.8 既婚合計(n=2,013)
20.0 合計(n=2,541)
19.4 100%
51.9 32.1 50歳代(n=51)
未婚合計(n=528)
80%
36.1 18.3 40歳代(n=109)
60%
45.5 12.0 30歳代(n=108)
全体
40%
33.3 49.9 30.2 47.6 頻繁にする
33 0 ときどきする
ほとんどしない
男性の回答
図表 3-1-5-8 男性自身が、家族の洗たくものを干すことがあるかどうか(配偶者の就業形態別)
【配偶者の就業形態】
0%
自営(農林漁業)(n=47)
20%
40%
10.6 自営(商工サービス業)(n=92)
60%
80%
59.6
16.3 100%
29.8
43.5
40.2
正社員(n=352)
34.4 43.5
22.2
公務員・公社等の正規職員(n=79)
34.2 44.3
21.5
パートタイマー等の非正規雇用者(n=521)
20.7 専業主婦(n=775)
13 2 年金生活(n=95)
12.6 52.0
27.3
51.6
35.2
50.5
頻繁にする
36.8
ときどきする
ほとんどしない
女性の回答
図表 3-1-5-9 配偶者が家族の洗たくものを干すことがあるかどうか(女性の就業形態別)
【女性の就業形態】
0%
20%
自営(農林漁業)(n=34)
8.8 自営(商工サービス業)(n=82)
9.8 正社員(n=141)
専業主婦(n=1050)
年金生活(n=146)
60%
58.5
31.7
43.3
35.5
21.3 36.4
31.8
31.8 44.2
39.5
16.4 9.7 80%
52.9
38.2
公務員、公社などの正規職員(n=22)
パートタイマー等の非正規雇用者(n=489)
40%
55.0
35.2
49.3
34.2
16.4 頻繁にする
ときどきする
123
ほとんどしない
100%
③ 家計管理の役割(回答対象:既婚者)
・男性:家計のお金のやりくりは、誰が行っていますか。
・女性:男性と同じ
(a)調査結果
・
年代別の分析では、男性も女性も年代が低いほど「2 人で行っている」の回答が多い傾向にある。
男性と女性の回答を検討すると、女性に比べて男性のほうが「夫が行っている」とする回答が多
い傾向にある(図表 3-1-5-11、図表 3-1-5-12)。
・
属性による分析では、男性の収入別や配偶者の就業形態に差異がみられている。男性の収入別に
みると、「収入がない」を除いて収入が高くなるほど「主に自分」とする回答が増える傾向にあ
る(図表 3-1-5-13)。また、配偶者が「公務員」
「自営(商工サービス)
」「正社員」の場合に「2
人で行っている」の回答が増加する傾向にある(図表 3-1-5-14)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性の家計管理の役割と男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検討している。分析の
結果、
「主導権役割志向」や「日常生活依存志向」との関連がみられており、2 人で行っている場
合には、主に自分や主に配偶者が行う場合に比べて、主導権役割志向が低く、日常生活依存志向
も低い様子が示されている(図表 3-1-5-10)。
図表 3-1-5-10 男性の家計管理の役割と性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
3.5
<主導権役割志向得点>
主に自分(n=500)
3.27
3.23
3.03
主に配偶者(n=1,173)
2人で行っている(n=366)
<経済的役割志向得点>
主に自分(n=500)
3.52
3.57
3.41
主に配偶者(n=1,173)
2人で行っている(n=366)
<日常生活依存志向得点>
主に自分(n=500)
2.26
2.32
主に配偶者(n=1,173)
2人で行っている(n=366)
2.04
<社会的役割志向得点>
主に自分(n=500)
3.51
3.47
3.53
主に配偶者(n=1,173)
2人で行っている(n=366)
<私的感情の抑制志向得点>
主に自分(n=500)
3.14
3.15
3.16
主に配偶者(n=1,173)
2人で行っている(n=366)
124
4 (点)
男性の回答
図表 3-1-5-11 お金のやりくりを誰が行っているか(既婚男性の年代別)
0%
20%
20歳代 既婚(n=240)
25.4 30歳代 既婚(n=420)
25.7 40歳代 既婚(n=420)
25.7 40%
60%
80%
100%
48 8 25 8 54 0 20.2 58.8 15.5 0 2 50歳代 既婚(n=480)
23.5 59.8 16.5 60歳代 既婚(n=480)
22.9 61.5 15.6 既婚全体(n=2,040)
24.5 57.5 主に自分(夫)
女性の回答
17.9 主に配偶者(妻)
その他
2人で行っている
図表 3-1-5-12 お金のやりくりを誰が行っているか(既婚女性の年代別)
0%
20歳代 既婚(n=240)
20%
40%
14.6 60%
80%
100%
62 9 22.5 0.5 30歳代 既婚(n=420)
10.7 40歳代 既婚(n=420)
10.7 71.2 17.6 0. 75.0 13.6 0 4 50歳代 既婚(n=480)
12.5 60歳代 既婚(n=480)
12.5 既婚全体(n=2,040)
12.0 74.4 0.4 8.5 0.4 14.1 78.5 73.5 主に配偶者(夫)
男性の回答
12.7 主に自分(妻)
その他
2人で行っている
図表 3-1-5-13 お金のやりくりを誰が行っているか(男性の収入別)
【男性の収入別】
0%
収入がない(n=22)
20%
40%
27.3
20.0
20.0
21.5
100万円未満(n=40)
100万円‐200万円未満(n=105)
200万円‐300万円未満(n=242)
60%
400万円‐500万円未満(n=333)
500万円‐600万円未満(n=245)
600万円‐800万円未満(n=331)
800万円‐1,000万円未満(n=165)
主に自分(夫)
男性の回答
22.5
25.7
16.9
00
00
00
00
18.2
19.8
15.5
15.7
17.0
00
00
04
00
00
16.5
00
58.5
57.7
58.0
59.8
54.5
49.5
33.9
1,000万円以上(n=109)
100%
36.4
36.4
57.5
54.3
61.6
23.3
22.5
26.1
24.5
28.5
300万円‐400万円未満(n=369)
80%
主に配偶者(妻)
その他
2人で行っている
図表 3-1-5-14 お金のやりくりを誰が行っているか(配偶者の就業形態別)
【配偶者の就業形態別】
自営(農林漁業)(n=47)
自営(商工サービス業)(n=93)
正社員(n=356)
公務員・公社等の正規職員(n=82)
パートタイマー等の非正規雇用者(n=528)
専業主婦(n=785)
年金生活(n=96)
0%
20%
40%
60%
29.8 53.2
24.7 21.6
46.3
32.9
61.6
27.5 56.9
20.8 主に自分(夫)
20.4
55.1
22.5 64.6
主に配偶者(妻)
125
100%
17.0
54.8
23.0 20.7 80%
2人で行っている
00
00
03
00
15.9
00
15.5
00
14.6
00
その他
④ 妻が不在時の生活の困難度(回答対象:既婚者)
・男性:例えば、あなたの配偶者(妻)が入院や実家の用事等で 2∼3 週間不在になった場合、あ
なたは生活面で困らず暮らせると思いますか。
・女性:例えば、あなたが入院や実家の用事等で 2∼3 週間不在になった場合、あなたの配偶者は
生活面で困らず暮らせると思いますか。
(a)調査結果
・ 年代別の分析では、性別、年代に関係なく「困らず暮らせる」とする回答は 25%前後である。男
性と女性の回答を検討すると、顕著な差異はみられていない(図表 3-1-5-16、図表 3-1-5-17)。
・
属性による分析では、配偶者の収入別に差異がみられており、配偶者の「収入がない」を除くと、
収入が高くなるほど「困らず暮らせる」とする回答が増加する傾向がみられている(図表
3-1-5-18)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・ 妻が不在時における男性の生活の困難度と男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検
討している。分析の結果、
「主導権役割志向」や「日常生活依存志向」との関連がみられ、
「困ら
ず暮らせる」「ある程度やっていける」と回答している者は、「困る」「生活できない」者に比べ
て主導権役割志向が低く、日常生活依存志向が低い様子が示されている(図表 3-1-5-15)。
図表 3-1-5-15 男性の妻が不在時の生活の困難度と性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
3.5
<主導権役割志向得点>
困らず暮らせる(n=524)
3.05
3.18
3.32
3.41
3.41
ある程度やっていける(n=882)
生活が不自由になり困る(n=391)
生活が不自由になりかなり困る(n=191)
生活できない(n=52)
<経済的役割志向得点>
困らず暮らせる(n=524)
3.45
3 52
3.57
3.71
3.56
ある程度やっていける(n=882)
生活が不自由になり困る(n=391)
生活が不自由になりかなり困る(n=191)
生活できない(n=52)
<日常生活依存志向得点>
困らず暮らせる(n=524)
ある程度やっていける(n=882)
2.04
2.20
生活が不自由になり困る(n=391)
2.49
2.50
2.59
生活が不自由になりかなり困る(n=191)
生活できない(n=52)
<社会的役割志向得点>
困らず暮らせる(n=524)
3.45
3.48
3.50
3.64
3.49
ある程度やっていける(n=882)
生活が不自由になり困る(n=391)
生活が不自由になりかなり困る(n=191)
生活できない(n=52)
<私的感情の抑制志向得点>
困らず暮らせる(n=524)
3.25
3.17
3.02
3.09
2.97
ある程度やっていける(n=882)
生活が不自由になり困る(n=391)
生活が不自由になりかなり困る(n=191)
生活できない(n=52)
126
4 (点)
男性の回答
図表 3-1-5-16 妻が不在時の生活の困難度(既婚男性の年代別)
0%
20歳代 既婚(n=240)
20%
40%
24 2 40.4 30歳代 既婚(n=420)
25.7 40歳代 既婚(n=420)
24 8 50歳代 既婚(n=480)
24.8 60歳代 既婚(n=480)
60%
12.1 5.0 16.9 10.2 3.1 43 3 20.5 8.8 2.6 43.3 20 0 9.6 2.3 1.0 44.0 19.6 43.8 25.7 100%
18.3 28.1 既婚全体(n=2,040)
80%
19.2 43 2 妻が不在でも困らず暮らせる
妻が不在だと困る
妻が不在だと生活できない
7.5 9.4 2.5 妻が不在でもある程度やっていける
妻が不在だとかなり困る
女性の回答
図表 3-1-5-17 妻が不在時の夫の生活の困難度(既婚女性の年代別)
0%
20歳代 既婚(n=240)
20%
40%
60%
24.2 47.5 30歳代 既婚(n=420)
21.7 47.1 40歳代 既婚(n=420)
21.9 46.9 19.6 43.1 60歳代 既婚(n=480)
26 9 44 2
6.3 2.5 10.5 15.0 26.5 24.4 100%
18.1 50歳代 既婚(n=480)
既婚全体(n=2,040)
80%
11 9 20.2 11.5
17.4 私が不在でも困らず暮らせると思う
私が不在だと困ると思う
私が不在だと生活できないと思う
4.3 8 8 1.5 14.8
45.5 2.6 2.7
10.1 2.7 私が不在でもある程度やっていけると思う
私が不在だとかなり困ると思う
男性の回答
図表 3-1-5-18 妻が不在時の生活の困難度(配偶者の収入別)
【配偶者の収入別】
収入がない(n=766)
100万円未満(n=485)
100万円‐200万円未満(n=264)
0%
20%
24.4
19.8
26.5
31.0
800万円以上(n=16)
23.9
9.5
56.3
12.1
31.3
妻が不在でも、困らず暮らせる
妻が不在だと、生活が不自由になり、困る
妻が不在だと、生活できない
127
5.2
16.7
45.5
3.0
8.0 0.9
27.6
44.4
39.4
8.5
13.3
34.5
2.7
7.6 0 4
20.0
46.9
36.1
3.7
15.2
38.8
32.8
100%
11.5
50.4
300万円‐400万円未満(n=113)
600万円‐800万円未満(n=33)
80%
18.5
44.1
29.7
500万円‐600万円未満(n=36)
60%
41.9
200万円‐300万円未満(n=165)
400万円‐500万円未満(n=58)
40%
6.3
2.8
3.0
6.3
妻が不在でも、ある程度やっていける
妻が不在だと、生活が不自由になり、かなり困る
(2)子育てについて
① 子どもの世話の頻度(回答対象:高校生以下の子どもがいる既婚者)
・男性:あなたは、子どもの世話をしますか。
・女性:あなたの配偶者は、子どもの世話をしますか。
(a)調査結果
・
年代別の分析では、男性の場合は、20 歳代、30 歳代において「頻繁にする」とする回答が多い
傾向にある。男性と女性の回答を検討すると、30 歳代以外の年代では、男性より女性のほうが「頻
繁にする」とする回答が多くなっている(図表 3-1-5-20、図表 3-1-5-21)。
・
属性による分析では、配偶者の就業形態別に差異がみられている。配偶者の就業形態別にみると、
配偶者が「自営(農林漁業)」
「正社員」
「公務員・公社等の正規職員」の場合には「頻繁にする」
とする回答が多い傾向にある。なお、「パートタイマー等の非正規雇用者」と「専業主婦」を比
較すると、子育ての頻度はほとんど変わらない(図表 3-1-5-22)。なお、男性の労働時間別には
顕著な差異は見られていない(図表 3-1-5-23)
。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性の子どもの世話の頻度と男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検討している。分
析の結果、「主導権役割志向」「日常生活依存志向」「社会的役割志向」が関連しており、頻繁に
する男性はほとんんどしない男性に比べ、主導権役割志向や日常生活依存傾向が低く、社会的役
割志向が強い傾向にある(図表 3-1-5-19)。
図表 3-1-5-19 男性の子どもの世話の頻度と性別役割分担意識に関する志向との関連
(分析対象:高校生以下の子どもがいる既婚者)
1.5
2
2.5
3
4 (点)
3.5
<主導権役割志向得点>
ほとんどしない(n=63)
3.33
3.25
3.07
ときどきする(n=524)
頻繁にする(n=395)
<経済的役割志向得点>
ほとんどしない(n=63)
3.41
3.49
3.45
ときどきする(n=524)
頻繁にする(n=395)
<日常生活依存志向得点>
ほとんどしない(n=63)
2.44
2.30
ときどきする(n=524)
頻繁にする(n=395)
2.04
<社会的役割志向得点>
ほとんどしない(n=63)
3.32
ときどきする(n=524)
3.57
3.66
頻繁にする(n=395)
<私的感情の抑制志向得点>
ほとんどしない(n=63)
3.25
3.14
3.06
ときどきする(n=524)
頻繁にする(n=395)
128
男性の回答
図表 3-1-5-20 男性自身の子育ての頻度(既婚男性の年代別)
0%
20%
40%
20歳代 既婚(n=144)
50.7 30歳代 既婚(n=329)
51.1 40歳代 既婚(n=328)
60%
100%
46 5 2 8 47.4 35.4 50歳代 既婚(n=168)
80%
5 55.5 20 8 9.1 65.5 既婚全体(n=982)
13.7 40 2 53.4 6.4 頻繁にする
ときどきする
ほとんどしない
※高校生以下の子どもを持つ未婚者及び 60 歳代の数が少なかったため、グラフは 50 歳代までの既婚者に限定して作成している。
女性の回答
図表 3-1-5-21 配偶者の子育ての頻度(既婚女性の年代別)
0%
20%
40%
20歳代 既婚(n=151)
60%
80%
63.6 30歳代 既婚(n=312)
31 8 48.1 40歳代 既婚(n=287)
17.4 47 5 26.3 46.2 41.7 頻繁にする
男性の回答
7.4 42.2 26 3 既婚全体(n=832)
4.6 44.6 40.4 50歳代 既婚(n=80)
100%
12.1 ときどきする
ほとんどしない
図表 3-1-5-22 男性自身の子育ての頻度(配偶者の就業形態別)
【配偶者の就業形態別】
0%
20%
40%
自営(農林漁業)(n=19)
60%
80%
57.9 自営(商工サービス業)(n=34)
36.8
38.2 正社員(n=162)
5.9
1.9
50.6 47.5
59.5 パートタイマー等の非正規雇用者(n=274)
35.7
34 3 専業主婦(n=433)
4.8
56.2
36.5 9.5
57.3
頻繁にする
男性の回答
5.3
55.9
公務員・公社等の正規職員(n=42)
100%
6.2
ときどきする
ほとんどしない
図表 3-1-5-23 男性自身の子育ての頻度(既婚男性の労働時間別)
【男性の労働時間別】
35時間以上∼40時間未満(n=26)
40時間以上∼45時間未満(n=249)
45時間以上∼50時間未満(n=165)
50時間以上∼55時間未満(n=179)
0%
20%
40%
60%
34.6 80%
57.7
41.4 7.7
51.8
43.0 60時間以上∼65時間未満(n=99)
37.4 65時間以上(n=75)
37.3 5.5
56.4
47.8 55時間以上∼60時間未満(n=46)
6.8
51.5
37.4 6.1
47.8
56.6
ときどきする
129
4.3
6.1
53.3
頻繁にする
100%
9.3
ほとんどしない
② 子育てへの関与の希望(回答対象:高校生以下の子どもがいる者)
・男性:あなたは、子育てにもっとかかわりたいと思いますか。
・女性:質問していない
(a)調査結果
・
年代別の分析では、年代が低いほど「もっとかかわりたい」とする回答が多い傾向にある(図表
3-1-5-25)。
・
属性による分析では、男性の労働時間別、男性の収入別、男性の職種別に差異がみられている。
男性の労働時間別にみると、労働時間が増加するにつれて「もっとかかわりたい」とする回答が
増加する傾向がみられる(図表 3-1-5-26)。男性の収入別にみると、
(「収入がない」
「800 万円∼
1,000 万円未満」を除き)収入が高くなるほど「もっとかかわりたい」という意識が減少する傾
向がみられる(図表 3-1-5-27)。男性の職種別にみると、「管理的な仕事」「農林漁業の仕事」の
場合「今のままでよい」とする回答が多い傾向がみられている(図表 3-1-5-28)
。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性の子育てへの関与の希望と男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検討している。
分析の結果、「日常生活依存志向」「私的感情の抑制志向」との関連がみられており、「もっとか
かわりたい」者は「今のままでよい」者や「もっと関わりを減らしたい」者に比べ、日常生活依
存志向や私的感情の抑制志向が低い傾向が示されている(図表 3-1-5-24)。
図表 3-1-5-24 男性の子育てへの関与の希望と性別役割分担意識に関する志向との関連
(分析対象:高校生以下の子どもがいる既婚者)
2
2.5
3
4 (点)
3.5
<主導権役割志向得点>
もっとかかわりたい(n=353)
3.11
3.22
今のままでよい(n=619)
もっとかかわりを減らしたい(n=10)
3.11
<経済的役割志向得点>
もっとかかわりたい(n=353)
3.46
3.48
今のままでよい(n=619)
もっとかかわりを減らしたい(n=10)
3.00
<日常生活依存志向得点>
もっとかかわりたい(n=353)
今のままでよい(n=619)
もっとかかわりを減らしたい(n=10)
2.10
2.26
2.43
<社会的役割志向得点>
もっとかかわりたい(n=353)
3.62
3.57
今のままでよい(n=619)
もっとかかわりを減らしたい(n=10)
3.55
<私的感情の抑制志向得点>
もっとかかわりたい(n=353)
3.06
今のままでよい(n=619)
3.14
もっとかかわりを減らしたい(n=10)
3.40
130
男性の回答
図表 3-1-5-25 男性自身がもっと子育てにかかわりたいかどうか(既婚男性の年代別)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
0.7 20歳代 既婚(n=144)
48.6 50.7 0 9 30歳代 既婚(n=329)
53.5 45.6 0.9 40歳代 既婚(n=328)
71.6 27.4 1 2 50歳代 既婚(n=168)
79.2 19.6 1 0 既婚全体(n=982)
63.0 35 9 もっとかかわりたい
今のままでよい
もっとかかわりを減らしたい
※高校生以下の子どもを持つ未婚者及び 60 歳代の数が少なかったため、グラフは 50 歳代までの既婚者に限定して作成している。
男性の回答
図表 3-1-5-26 男性自身がもっと子育てにかかわりたいかどうか(男性の労働時間別)
【男性の労働時間別】
0%
20%
40%
60%
19.2 35時間以上∼40時間未満(n=26)
100%
80.8
30.6 40時間以上∼45時間未満(n=258)
80%
00
68.6
36.7 45時間以上∼50時間未満(n=169)
63.3
33.9 50時間以上∼55時間未満(n=180)
08
00
63.9
2.2
55時間以上∼60時間未満(n=46)
43.5 56.5
00
60時間以上∼65時間未満(n=102)
44.1 55.9
00
42.3 65時間以上(n=78)
もっとかかわりたい
男性の回答
53.8
今のままでよい
3.8
もっとかかわりを減らしたい
図表 3-1-5-27 男性自身がもっと子育てにかかわりたいかどうか(男性の収入別)
【男性の収入別】
0%
20%
収入がない(n=5)
40%
60%
80%
40.0 100万円‐200万円未満(n=22)
50.0
54.5
41.9 42.3 42.5 37.1 200万円‐300万円未満(n=93)
300万円‐400万円未満(n=189)
400万円‐500万円未満(n=186)
500万円‐600万円未満(n=143)
36.5 17.3 1,000万円以上(n=52)
2.2
05
0.5
1.4
1.5
63.5
00
1.9
80.8
もっとかかわりたい
男性の回答
55.9
57.1
57.0
61.5
76.5
21.9 600万円‐800万円未満(n=196)
800万円‐1,000万円未満(n=85)
00
00
00
60.0
50.0 45.5 100万円未満(n=10)
今のままでよい
100%
もっとかかわりを減らしたい
図表 3-1-5-28 男性自身がもっと子育てにかかわりたいかどうか(男性の職種別)
【男性の職種別】
0%
20%
専門知識をいかした仕事(n=323)
管理的な仕事(n=136)
60%
80%
35.3 63.2
22.8 事務的な仕事(n=163)
1.5
38.7 60.7
45.6 サービスの仕事(n=45)
54.4
42.2 保安の仕事(n=16)
57.8
37.5 運輸・通信の仕事(n=36)
36.1 製造・技能・労務の仕事(n=149)
35.6 62.5
61.1
63.8
25.0 もっとかかわりたい
75.0
今のままでよい
131
100%
1.5
75.7
営業・販売の仕事(n=114)
農林漁業の仕事(n=8)
40%
0.6
0.0
0.0
0.0
2.8
0.7
0.0
もっとかかわりを減らしたい
③ 育児休業取得経験(回答対象:高校生以下の子どもがいる者)
・男性:お子様が生まれたときの育児休業の取得※について、ご回答ください。
※なお、回答における取得率が高かったことからも、
「育児休業」については、法令に定めら
れた期間ではなく、数日間の休業も含む回答であったと推測される。
・女性:質問していない
(a)調査結果
・
分析の結果、年代が低いほど「取得した」「取得したかったができなかった」とする回答が多い
傾向がみられている(図表 3-1-5-30)。
・
属性による分析では、男性の収入別、男性の職種別、配偶者の就業形態別に差異がみられている。
男性の収入別にみると、収入が高くなるほど「取得しようと思わなかった」とする回答が増加し、
収入が低いほど「取得したかったができなかった」とする回答が増加する傾向にある(図表
3-1-5-31)。男性の職種別にみると、
「営業・販売の仕事」
「サービスの仕事」の場合、
「取得した
かったができなかった」とする回答が多い傾向がみられている(図表 3-1-5-32)。配偶者の就業
形態別にみると、配偶者が「パートタイマー等の非正規雇用者」「専業主婦」の場合には「取得
しようと思わなかった」とする回答がやや多い傾向にある(図表 3-1-5-33)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性の育児休業取得経験と男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検討している。分析
の結果、男性の性別役割分担意識に関する志向との顕著な関連はみられていない(図表 3-1-5-29)。
図表 3-1-5-29 男性の育児休業取得経験と性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
3.5
4 (点)
<主導権役割志向得点>
取得した(n=58)
3.15
3.15
3.26
取得したかったができなかった(n=559)
取得しようと思わなかった(n=1,165)
<経済的役割志向得点>
取得した(n=58)
3.43
3.52
3.59
取得したかったができなかった(n=559)
取得しようと思わなかった(n=1,165)
<日常生活依存志向得点>
取得した(n=58)
取得したかったができなかった(n=559)
取得しようと思わなかった(n=1,165)
2.31
2.28
2.27
<社会的役割志向得点>
取得した(n=58)
3.58
3.39
3.51
取得したかったができなかった(n=559)
取得しようと思わなかった(n=1,165)
<私的感情の抑制志向得点>
取得した(n=58)
3.05
3.12
3.21
取得したかったができなかった(n=559)
取得しようと思わなかった(n=1,165)
132
男性の回答
図表 3-1-5-30 男性自身の育児休業の取得の有無(既婚男性の年代別)
0%
20歳代 既婚(n=144)
20%
6 3 40%
60%
80%
35.4 30歳代 既婚(n=329)
4.6 33.1 40歳代 既婚(n=352)
5.1 1.4 31.0 50歳代 既婚(n=423)
100%
58.3 62.3 63 9 67.4 31.2 1 8 60歳代 既婚(n=445)
29.4 既婚全体(n=1,693)
3 3 68.8 65.3 31.4 取得した
男性の回答
取得しなかった
(取得したかったができなかった)
取得しなかった
(取得しようと思わなかった)
※高校生以下の子どもがいる未婚者の数が少なかったため、グラフは既婚者に限定して作成している。
図表 3-1-5-31 男性自身の育児休業の取得の有無(男性の収入別)
0%
【男性の収入別】
20%
収入がない(n=17)
40%
100万円‐200万円未満(n=102) 2.9 200万円‐300万円未満(n=211) 1.9 300万円‐400万円未満(n=313) 2.6 400万円‐500万円未満(n=290) 3.1 5.0 3.7 800万円‐1,000万円未満(n=147) 4.1 1,000万円以上(n=98) 3.1 500万円‐600万円未満(n=202)
600万円‐800万円未満(n=294)
48.6
38.2
36.0
36.7
30.3
28.7
23.8
25.9
21.4
取得した
80%
取得しなかった
(取得したかったができなかった)
男性の回答
100%
47.1
51.4
58.8
62.1
60.7
66.6
66.3
72.4
70.1
75.5
41.2
11.8 100万円未満(n=37) 0.0 60%
取得しなかった
(取得しようと思わなかった)
図表 3-1-5-32 男性自身の育児休業の取得の有無(男性の職種別)
【男性の職種別】
0%
20%
専門知識をいかした仕事(n=452)
3.8 管理的な仕事(n=263)
3.4 事務的な仕事(n=233)
3.9 営業・販売の仕事(n=183)
1.1 サービスの仕事(n=81)
4.9 40%
60%
30.8
80%
100%
65.5
22.8
73.8
31.8
64.4
38.8
60.1
38.3
56.8
保安の仕事(n=27)
0.0 運輸・通信の仕事(n=53)
3.8 34.0
62.3
製造・技能・労務の仕事(n=200)
4.5 33.5
62.0
農林漁業の仕事(n=19)
0.0 33.3
66.7
36.8
63.2
取得した
取得しなかった
(取得したかったができなかった)
男性の回答
取得しなかった
(取得しようと思わなかった)
図表 3-1-5-33 男性自身の育児休業の取得の有無(配偶者の就業形態別)
【配偶者の就業形態別】
0%
20%
自営(農林漁業)(n=36) 0.0 自営(商工サービス業)(n=81)
正社員(n=258)
1.2 3.4 80%
58.3
34.6
64.2
34.5
公務員・公社等の正規職員(n=63) 3.2 専業主婦(n=679)
60%
41.7
5.8 パートタイマー等の非正規雇用者(n=453) 2.4 40%
59.7
33.3
63.5
31.8
65.8
28.7
取得した
67.9
取得しなかった
(取得したかったができなかった)
133
取得しなかった
(取得しようと思わなかった)
100%
④ 育児休業取得希望(回答対象:40 歳代までで、今後子どもを持つことを希望しない者を除く)
・男性:あなたは育児休業取得の環境(会社の体制や収入面の条件等)が整ったならば、今後、
子どもが生まれたとき、育児休業を取得したいと思いますか。
・女性:質問していない
(a)調査結果
・
年代・婚姻状況別の分析では、未婚者において「取得したい」とする回答が多い傾向がみられて
いる(図表 3-1-5-35)。
・
属性による分析では、男性の収入別、男性の職種別、配偶者の就業形態別に差異がみられている。
男性の収入別にみると、収入が高くなるほど「取得したい」とする回答が減少し、「取得しなく
てもよい」という回答が増加する傾向がみられる(図表 3-1-5-36)。男性の職種別にみると、男
性が「営業・販売の仕事」
「サービスの仕事」の場合、
「取得したい」とする回答が多い傾向がみ
られる(図表 3-1-5-37)
。配偶者の就業形態別にみると、妻が「自営(商工サービス業)」の場合、
「取得したい」とする回答が少ない。他の就業形態においては、「取得したい」と回答する者が
50%を超えている(図表 3-1-5-38)
。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性の育児休業取得の希望と男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検討している。分
析の結果、
「主導権役割志向」
「日常生活依存志向」
「社会的役割志向」との関連がみられており、
取得したいと回答している者は、取得したくないと回答している者に比べ、主導権役割志向や日
常生活の依存志向、社会的役割志向が低い傾向が示されている(図表 3-1-5-34)
。
図表 3-1-5-34 男性の育児休業取得の希望と性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
4 (点)
3.5
<主導権役割志向得点>
育児休業を取得したい(n=819)
3.01
育児休業は取得しなくてもよい(n=544)
3.21
<経済的役割志向得点>
育児休業を取得したい(n=819)
3.38
育児休業は取得しなくてもよい(n=544)
3.50
<日常生活依存志向得点>
育児休業を取得したい(n=819)
2.03
育児休業は取得しなくてもよい(n=544)
2.23
<社会的役割志向得点>
育児休業を取得したい(n=819)
3.55
育児休業は取得しなくてもよい(n=544)
3.76
<私的感情の抑制志向得点>
育児休業を取得したい(n=819)
3.08
育児休業は取得しなくてもよい(n=544)
3.04
134
男性の回答
図表 3-1-5-35 男性自身の育児休業の取得の希望(年代・婚姻状況別)
0%
20%
40%
34.5 70.9 40歳代(n=86)
未婚合計(n=451)
29.1 68.7 31.3 57.2 20歳代(n=222)
42.8 30歳代(n=391)
55.8 44.2 40歳代(n=299)
54.8 45.2 既婚合計(n=912)
55.8 44.2 合計(n=1,363)
100%
30.6 65.5 30歳代(n=113)
未婚
80%
69.4 20歳代(n=252)
既婚
60%
60.1 39.9 育児休業を取得したい
育児休業は取得しなくてもよい
男性の回答
図表 3-1-5-36 男性自身の育児休業の取得の希望(男性の収入別)
【男性の収入別】
0%
20%
40%
収入がない(n=65)
60%
80%
72.3 74.7 100万円未満(n=83)
27.7
25.3
71.7 60.0 67.7 100万円‐200万円未満(n=60)
200万円‐300万円未満(n=160)
300万円‐400万円未満(n=282)
28.3
40.0
32.3
58.5 51.9 400万円‐500万円未満(n=234)
500万円‐600万円未満(n=181)
41.5
48.1
48.4 54.4 600万円‐800万円未満(n=159)
800万円‐1,000万円未満(n=68)
51.6
45.6
34.4 1,000万円以上(n=32)
65.6
育児休業を取得したい
男性の回答
100%
育児休業は取得しなくてもよい
図表 3-1-5-37 男性自身の育児休業の取得の希望(男性の職種別)
【男性の職種別】
0%
20%
40%
専門知識をいかした仕事(n=414)
60%
80%
45.2
42.7
40.1
54.8 57.3 59.9 68.9 68.1 57.1 52.3 55.5 管理的な仕事(n=96)
事務的な仕事(n=217)
営業・販売の仕事(n=161)
サービスの仕事(n=72)
保安の仕事(n=14)
運輸・通信の仕事(n=44)
製造・技能・労務の仕事(n=182)
農林漁業の仕事(n=12)
31.1
31.9
42.9
47.7
44.5
58.3
41.7 育児休業を取得したい
男性の回答
100%
育児休業は取得しなくてもよい
図表 3-1-5-38 男性自身の育児休業の取得の希望(配偶者の就業形態別)
【配偶者の就業形態別】
0%
20%
40%
自営(農林漁業)(n=15)
自営(商工サービス業)(n=23)
正社員(n=192)
専業主婦(n=387)
80%
60.0 40.0
47.8 52.2
59.9 公務員・公社等の正規職員(n=42)
パートタイマー等の非正規雇用者(n=231)
60%
40.1
64.3 35.7
56.7 43.3
51.9 48.1
育児休業を取得したい
135
育児休業は取得しなくてもよい
100%
(3)仕事や経済的問題について
① 経済的な不安や問題の有無
・男性:あなたは経済的な不安や問題がありますか。
・女性:男性と同じ
(a)調査結果
・ 年代・婚姻状況別の分析では、男性の場合は、未婚者 30 歳代∼50 歳代において「かなりある」
とする回答が多い。既婚者は相対的に「かなりある」の回答が少ない傾向にある(図表 3-1-5-40)。
・
属性による分析では、男性の収入別、男性の職種別、配偶者の就業形態別に差異がみられている。
男性の収入別にみると、収入が高くなるほど「かなりある」とする回答が減少する傾向がみられ
る(図表 3-1-5-41)。男性の職種別にみると、
「サービスの仕事」
「運輸・通信の仕事」
「製造・技
能・労務の仕事」の場合、
「かなりある」とする回答が多い傾向がみられている(図表 3-1-5-42)。
配偶者の就業形態別にみると、配偶者が「自営(農林漁業)」の場合、
「かなりある」とする回答
が多い傾向がみられている(図表 3-1-5-43)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性の経済的な不安や問題の有無と男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検討して
いる。分析の結果、男性の性別役割分担意識に関する志向との顕著な関連はみられていない(図
表 3-1-5-39)
。
図表 3-1-5-39 男性の経済的な不安や問題の有無と性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
3.5
4 (点)
<主導権役割志向得点>
かなりある(n=751)
3.10
3.16
3.09
3.02
少しある(n=1,416)
あまりない(n=714)
全くない(n=119)
<経済的役割志向得点>
かなりある(n=751)
3.39
3.47
3.56
3.51
少しある(n=1,416)
あまりない(n=714)
全くない(n=119)
<日常生活依存志向得点>
かなりある(n=751)
少しある(n=1,416)
あまりない(n=714)
全くない(n=119)
2.12
2.25
2.23
2.22
<社会的役割志向得点>
かなりある(n=751)
3.44
3.48
3.38
3.35
少しある(n=1,416)
あまりない(n=714)
全くない(n=119)
<私的感情の抑制志向得点>
かなりある(n=751)
3.27
3.12
3.18
3.21
少しある(n=1,416)
あまりない(n=714)
全くない(n=119)
136
男性の回答
図表 3-1-5-40 男性自身の経済的な不安や問題の有無(年代・婚姻状況別)
20%
0%
40歳代(n=180)
50歳代(n=120)
38.3 未婚合計(n=960)
41.7 40.0 45.0 42.6 25.4 20.5 24.8 20歳代(n=240)
30歳代(n=420)
40歳代(n=420)
50歳代(n=480)
既婚合計(n=2,040)
22.9 13.5 20.9 合計(n=3,000)
25.0 60歳代(n=480)
2 5 4.2 4.1 20 8 22.6 23.3 4.2 3.6 3.1 22.9 3.3 5.4 3.9 50.8 44.8 36.3 49.4 25.8 47 2 23.8 少しある
あまりない
6.1 2.8 2.2 19.2 24.2 19.5 49.6 53 3 48.8 かなりある
男性の回答
100%
19.4 21.1 15.0 37 8 26.7 33.9 60歳代(n=120)
80%
45.6 38.3 41.1 30歳代(n=180)
未婚
60%
28.9 20歳代(n=360)
既婚
40%
4.0 全くない
図表 3-1-5-41 男性自身の経済的な不安や問題の有無(男性の収入別)
【男性の収入別】
0%
20%
収入がない(n=141)
100万円‐200万円未満(n=227)
300万円‐400万円未満(n=523)
400万円‐500万円未満(n=417)
500万円‐600万円未満(n=295)
600万円‐800万円未満(n=381)
10.5 4.2 80%
100%
36.2
42.0
43.2
33.2 28.1 21.3 16.9 13.4 200万円‐300万円未満(n=389)
1,000万円以上(n=118)
60%
44.0 39.4 41.9 100万円未満(n=193)
800万円‐1,000万円未満(n=181)
40%
16.3
15.5
12.8
44.5
50.5
19.0
19.9
21.8
52.8
47.8
51.4
30.5
29.9
39.8
41.4
44.1
43.2
かなりある
少しある
3.5
3.1
2.2
3.3
1.5
4.1
4.7
5.2
8.3
8.5
あまりない
全くない
男性の回答
図表 3-1-5-42 男性自身の経済的な不安や問題の有無(男性の職種別)
【男性の職種別】
0%
20%
専門知識をいかした仕事(n=731)
40%
60%
24.4 管理的な仕事(n=308)
49.1
14.0 事務的な仕事(n=390)
49.7
25.7 25.6
46.4
34.3 17.0
45.9
かなりある
男性の回答
14.4
46.6
24.3 1.3
26.8
35.1 製造・技能・労務の仕事(n=341)
2.6
17.7
58.5
運輸・通信の仕事(n=97)
4.1
23.4
50.0
14.6 農林漁業の仕事(n=37)
5.8
48.4
31.0 保安の仕事(n=41)
4.5
32.1
20.5 サービスの仕事(n=158)
100%
22.0
48.1
営業・販売の仕事(n=304)
80%
少しある
27.0
あまりない
00
4.1
2.1
2.7
全くない
図表 3-1-5-43 男性自身の経済的な不安や問題の有無(配偶者の就業形態別)
【配偶者の就業形態別】
0%
20%
自営(農林漁業)(n=47)
正社員(n=356)
年金生活(n=96)
80%
12.8
25.8
22.2
51.7
24.4 26.6
48.8
19.5 かなりある
少しある
137
あまりない
17
5.1
5.2
37.5
45.8
11.5 3.9
4.9
36.6
43.9
2.1
5.4
32.3
52.2
18.0 14.6 100%
51.1
40.9
21.5 パートタイマー等の非正規雇用者(n=528)
専業主婦(n=785)
60%
34.0 自営(商工サービス業)(n=93)
公務員・公社等の正規職員(n=82)
40%
全くない
② 仕事をやめたいと思ったこと(回答対象:仕事をしている者)
・男性:あなたは過去 3 か月以内に仕事をやめたいと思ったことがありますか。
・女性:男性と同じ
(a)調査結果
・ 年代・婚姻状況別の分析では、男性の場合、未婚者 60 歳代において『あった』
(「よくあった」
「少
しあった」の合計)とする回答が少ない傾向にある。また、既婚者の場合は、年代が高くなるほ
ど『あった』とする回答率が低くなる傾向がみられている(図表 3-1-5-45)。
・
属性による分析では、男性の収入別、男性の労働時間別、男性の職種別に差異がみられている。
男性の収入別にみると、収入が低くなるほど『あった』とする回答が増加する傾向にある(図表
3-1-5-46)。男性の労働時間別にみると労働時間が長くなるほど「よくあった」とする回答が増
加する傾向にある(図表 3-1-5-47)。男性の職種別にみると「保安の仕事」「運輸・通信の仕事」
「製造・技能・労務の仕事」の場合『あった』とする回答が多い傾向にあり、
「農林漁業の仕事」
の場合『あった』とする回答が少ない傾向にある(図表 3-1-5-48)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性が仕事をやめたいと思ったことと男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検討し
ている。分析の結果、性別役割分担意識に関する志向との顕著な関連はみられていない(図表
3-1-5-44)。
図表 3-1-5-44 男性が仕事をやめたいと思ったことと性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
3.5
<主導権役割志向得点>
よくあった(n=370)
3.12
少しあった(n=782)
3.18
3.10
全くなかった(n=1,271)
<経済的役割志向得点>
よくあった(n=370)
3.33
3.46
少しあった(n=782)
全くなかった(n=1,271)
3.49
<日常生活依存志向得点>
よくあった(n=370)
少しあった(n=782)
全くなかった(n=1,271)
2.14
2.26
2.17
<社会的役割志向得点>
よくあった(n=370)
3.37
3.48
3.49
少しあった(n=782)
全くなかった(n=1,271)
<私的感情の抑制志向得点>
よくあった(n=370)
3.19
3.15
3.15
少しあった(n=782)
全くなかった(n=1,271)
138
4 (点)
男性の回答
図表 3-1-5-45 男性自身が仕事をやめたいと思ったこと(年代・婚姻状況別)
0%
20%
20歳代(n=190)
19 5 30歳代(n=154)
20.1 60.8 10.6 60歳代(n=268)
8.6 50.0 30.5 53.0 52.9 32.1 57.7 31.7 57.8 33.6 54 5 32.0 13.5 未婚
合計(n=2,423)
46.7 32.1 15.0 50歳代(n=454)
既婚合計(n=1,783)
50.5 33.0 19.5 40歳代(n=414)
42.7 32.7 14 8 30歳代(n=411)
44.2 28.4 20.3 20歳代(n=236)
52.5 32.3 15.3 よくあった
男性の回答
100%
46.8 29.4 9.8 60歳代(n=51)
未婚合計(n=640)
80%
36.3 21.1 50歳代(n=95)
60%
33.1 24.7 40歳代(n=150)
既婚
40%
少しあった
全くなかった
図表 3-1-5-46 男性自身が仕事をやめたいと思ったこと(男性の収入別)
【男性の収入別】
0%
20%
100万円未満(n=64)
40%
45.3
36.6
17.0 400万円‐500万円未満(n=377)
48.3
34.3
16.1 300万円‐400万円未満(n=467)
47.3
31.3
51.7
500万円‐600万円未満(n=282)
13.1 31.6
55.3
600万円‐800万円未満(n=376)
13.8 30.9
55.3
800万円‐1,000万円未満(n=180)
9.4 28.3
1,000万円以上(n=118)
9.3 28.8
62.2
61.9
よくあった
男性の回答
100%
46.9
34.7
20.4 200万円‐300万円未満(n=309)
80%
35.9
17.2 17.0 100万円‐200万円未満(n=147)
60%
少しあった
全くなかった
図表 3-1-5-47 男性自身が仕事をやめたいと思ったこと(男性の労働時間別)
【男性の労働時間別】
0%
20%
10.9 35時間以上∼40時間未満(n=101)
40%
60%
33.7
80%
55.4
40時間以上∼45時間未満(n=650)
14.2 33.7
52.2
45時間以上∼50時間未満(n=375)
13.1 34.9
52.0
50時間以上∼55時間未満(n=422)
14.0 30.3
16.3 55時間以上∼60時間未満(n=98)
55.7
36.7
19.6 60時間以上∼65時間未満(n=204)
46.9
32.4
26.3 65時間以上(n=156)
48.0
32.1
よくあった
男性の回答
100%
41.7
少しあった
全くなかった
図表 3-1-5-48 男性自身が仕事をやめたいと思ったこと(男性の職種別)
【男性の職種別】
専門知識をいかした仕事(n=731)
管理的な仕事(n=308)
事務的な仕事(n=390)
営業・販売の仕事(n=304)
サービスの仕事(n=158)
保安の仕事(n=41)
運輸・通信の仕事(n=97)
製造・技能・労務の仕事(n=341)
農林漁業の仕事(n=37)
0%
14.9 11.0 13.1 20.4 16.5 12.2 17.5 18.8 2.7 20%
40%
60%
80%
53.8
58.4
54.1
50.7
50.6
31.3
30.5
32.8
28.9
32.9
46.3
36.1
34.6
41.5
46.4
46.6
62.2
35.1
よくあった
少しあった
139
全くなかった
100%
(4)悩みや困りごと
① 相談したい悩みや困りごとの有無
・男性:あなたはこの 1 年間に、悩みや困りごとについて、誰かに相談したいと思ったことがあ
りますか。
・女性:質問していない
(a)調査結果
・
年代・婚姻状況別の分析では、婚姻状況にかかわらず、年代が低いほど「あった」と回答する傾
向が示されている(図表 3-1-5-50)
。
・
属性による分析では、男性の収入別、男性の労働時間別に差異がみられている。男性の収入別に
みると、
「収入がない」
「100 万円未満」においては「あった」とする回答が多い傾向がみられる。
収入が 400 万円以上では、収入が高くなるほど「あった」とする回答が減少する傾向がみられる
(図表 3-1-5-51)。男性の労働時間別にみると、労働時間が増加するほど「あった」とする回答
が多くなる傾向がみられている(図表 3-1-5-52)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性の相談したい悩みや困りごとの有無と性別役割分担意識に関する志向との関連を検討して
いる。分析の結果、特に「社会的役割志向」や「私的感情の抑制志向」と関連しており、「相談
したいことがあった」と回答した者は、「なかった」者に比べて社会的役割志向が強く、感情を
抑制しない傾向にあり、他方、「相談したいことがなかった」と回答した者は、社会的役割志向
が低く、感情を抑制する傾向にある様子が示されている。社会的役割志向が相談の有無に関連し
ていることは、男性の悩みや困りごとの内容として、主に仕事に関するものが多いことが影響し
ていることが考えられる(図表 3-1-5-49)。
図表 3-1-5-49 男性の相談したい悩みや困りごとの有無と性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
3.5
4 (点)
<主導権役割志向得点>
あった(n=1,201)
3.15
なかった(n=1,799)
3.11
<経済的役割志向得点>
あった(n=1,201)
3.48
なかった(n=1,799)
3.47
<日常生活依存志向得点>
あった(n=1,201)
なかった(n=1,799)
2.14
2.26
<社会的役割志向得点>
あった(n=1,201)
3.63
なかった(n=1,799)
3.32
<私的感情の抑制志向得点>
あった(n=1,201)
2.95
なかった(n=1,799)
3.33
140
男性の回答
図表 3-1-5-50 相談したい悩みや困りごとの有無(年代・婚姻状況別)
0%
20%
40%
42.2 52 8 47.2 40歳代(n=180)
69.2 30.8 50歳代(n=120)
73.3 26.7 60歳代(n=120)
未婚合計(n=960)
53.2 46.8 20歳代(n=240)
50.0 50.0 30歳代(n=420)
49.3 50.7 56 9 43.1 40歳代(n=420)
66.9 33.1 50歳代(n=480)
82.3 17.7 60歳代(n=480)
既婚合計(n=2,040)
63.1 36.9 合計(n=3,000)
100%
51.7 48 3 30歳代(n=180)
未婚
80%
57.8 20歳代(n=360)
既婚
60%
60.0 40.0 あった
なかった
男性の回答
図表 3-1-5-51 相談したい悩みや困りごとの有無(男性の収入別)
【男性の収入別】
0%
収入がない(n=141)
20%
40%
60%
100万円‐200万円未満(n=227)
200万円‐300万円未満(n=389)
300万円‐400万円未満(n=523)
400万円‐500万円未満(n=417)
500万円‐600万円未満(n=295)
600万円‐800万円未満(n=381)
800万円‐1,000万円未満(n=181)
1,000万円以上(n=118)
100%
80%
100%
53.9
50.3
61.7
62.7
58.1
55.9
58.6
63.8
68.0
68.6
46.1 49.7 38.3 37.3 41.9 44.1 41.4 36 2 32.0 31.4 100万円未満(n=193)
80%
あった
なかった
男性の回答
図表 3-1-5-52 相談したい悩みや困りごとの有無(男性の労働時間別)
【男性の労働時間別】
35時間以上∼40時間未満(n=101)
0%
20%
40%
36.6 60%
63.4
40時間以上∼45時間未満(n=650)
40.6 59.4
45時間以上∼50時間未満(n=375)
40.5 59.5
50時間以上∼55時間未満(n=422)
55時間以上∼60時間未満(n=98)
60時間以上∼65時間未満(n=204)
65時間以上(n=156)
42.9 57.1
46.9 53.1
44.1 55.9
49.4 50.6
あった
141
なかった
② 最も大きな悩みや困りごとを相談したかどうか(回答対象:相談したい悩みや困りごとがあった者)
・男性:あなたは前問の最も大きかった悩みや困りごとについて、誰かに相談しましたか。
・女性:質問していない
(a)調査結果
・
年代・婚姻状況別の分析では、既婚者の 20 歳代では「相談した」との回答が多く、未婚者では
30 歳代で「相談しなかった」との回答が多い傾向が示されているが、その他の年代・婚姻状況に
よる顕著な差異はみられていない(図表 3-1-5-54)。
・
属性による分析では、男性の収入別に差異がみられている。男性の収入別にみると、
「200 万円∼
300 万円未満」
「400 万円∼500 万円未満」において、
「相談した」との回答が少ない傾向がみられ
る(図表 3-1-5-55)。なお、労働時間別には顕著な傾向はみられていない(図表 3-1-5-56)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性の最も大きな悩みや困りごとについて、誰かに相談したかどうかと男性の性別役割分担意識
に関する志向との関連を検討している。分析の結果、特に「社会的役割志向」と「私的感情の抑
制志向」に関連がみられており、相談した者は相談しなかった者に比べて、社会的役割志向が高
く、感情を抑制しない傾向にある(図表 3-1-5-53)。
図表 3-1-5-53 男性が最も大きな悩みやごと等を相談したかどうかと性別役割分担意識に関する志向
との関連
2
2.5
3
4 (点)
3.5
<主導権役割志向得点>
相談した(n=727)
3.15
相談しなかった(n=474)
3.16
<経済的役割志向得点>
相談した(n=727)
3.51
相談しなかった(n=474)
3.43
<日常生活依存志向得点>
相談した(n=727)
相談しなかった(n=474)
2.11
2.20
<社会的役割志向得点>
相談した(n=727)
3.69
相談しなかった(n=474)
3.53
<私的感情の抑制志向得点>
相談した(n=727)
2.78
相談しなかった(n=474)
3.20
142
男性の回答
図表 3-1-5-54 最も大きかった悩みや困りごとについて、誰かに相談をしたか(年代・婚姻状況別)
0%
20%
40%
54.0 60.0 40歳代(n=85)
40.0 62.2 50歳代(n=37)
37.8 56.3 60歳代(n=32)
未婚合計(n=449)
43.8 58.4 41.6 72 5 20歳代(n=120)
27.5 30歳代(n=207)
58.5 41.5 40歳代(n=181)
58.6 41.4 50歳代(n=159)
61.6 60歳代(n=85)
62.4 37.6 既婚合計(n=752)
61.8 38 2 合計(n=1,201)
100%
37.5 46.0 30歳代(n=87)
未婚
80%
62.5 20歳代(n=208)
既婚
60%
38.4 60.5 39.5 相談した
相談しなかった
男性の回答
図表 3-1-5-55 最も大きかった悩みや困りごとについて、誰かに相談をしたか(男性の収入別)
【男性の収入別】
0%
20%
収入がない(n=65)
40%
60%
100万円‐200万円未満(n=87)
200万円‐300万円未満(n=145)
300万円‐400万円未満(n=219)
400万円‐500万円未満(n=184)
500万円‐600万円未満(n=122)
600万円‐800万円未満(n=138)
800万円‐1,000万円未満(n=58)
1,000万円以上(n=37)
100%
38.5
34.4
34.5
44.8
37.9
43.5
41.0
36.2
37.9
35.1
61.5 65.6 65.5 55.2 62.1 56.5 59.0 63.8 62.1 64.9 100万円未満(n=96)
80%
相談した
相談しなかった
男性の回答
図表 3-1-5-56 最も大きかった悩みや困りごとについて、誰かに相談をしたか(男性の労働時間別)
【男性の労働時間別】
35時間以上∼40時間未満(n=37)
0%
20%
40%
51.4 60%
80%
48.6
40時間以上∼45時間未満(n=264)
59.8 40.2
45時間以上∼50時間未満(n=152)
59.2 40.8
63.5 50時間以上∼55時間未満(n=181)
55時間以上∼60時間未満(n=46)
54.3 45.7
62.2 60時間以上∼65時間未満(n=90)
65時間以上(n=77)
36.5
37.8
57.1 42.9
相談した
相談しなかった
143
100%
③ 相談したい悩みや困りごとの内容
(a)相談したい悩みや困りごと(複数回答)
・
この 1 年間で、誰かに相談したい悩みや困りごとが「あった」と回答した者を対象に、その内容
について、複数回答形式にて質問している。その結果、最も多かった悩みは「仕事、雇用、転職、
再就職、起業など」といった仕事に関する悩みであり、全体の 72.5%が回答している。次に「生
き方、暮らし方など」「家計、借金、相続など」となっている(図表 3-1-5-57)。
・
「地域における相談ニーズに関する調査報告書」(内閣府,平成 22 年)の男性の結果と比較する
と、「仕事」関連の悩みを挙げた比率はほとんど変わらず、いずれの調査においても悩みや困り
ごとの1位となっている。前回調査と異なる点は、「生き方、暮らし方」の回答率が高く、特に
未婚者において自分の生き方や今後の暮らし方などの悩みがある様子が示されている。
男性の回答
図表 3-1-5-57 この1年間にあった悩みや困りごとの内容(複数回答)
(複数回答,n=1201)
(%)
80
72.5 60
45.4 42.6 40
39.6 33.7 27.3 26.3 18.3 20
16.4 16.1 15.7 8.2 0
(%)
仕事、雇用、
転職、再就 生き方、暮らし 家計、借金、
職、起業
方など
相続など
など
未婚
既婚
全体
健康、病気、
障害など
友人、知人と
恋愛、結婚、 家族、親戚と
メンタルヘル の関係や職場
育児、子育
離婚、夫婦の の関係や家制
ス、ストレス の人間関係な
て、教育など
関係など
度など
ど
異性・配偶者
性格、容姿な
との性に関す
ど
る悩みなど
その他
20歳代
(n= 208)
76.0
63.5
26.9
32.7
37.5
36.1
41.8
13.5
1.9
31.3
17.3
30歳代
(n=
87)
79.3
47.1
47.1
37.9
46.0
40.2
44.8
17.2
5.7
29.9
20.7
11.1
6.9
40歳代
(n=
85)
74.1
61.2
37.6
52.9
49.4
30.6
32.9
25.9
2.4
20.0
20.0
12.9
50歳代
(n=
37)
70.3
62.2
59.5
48.6
35.1
13.5
29.7
21.6
8.1
2.7
18.9
8.1
60歳代
(n=
32)
28.1
50.0
31.3
53.1
21.9
9.4
18.8
15.6
0.0
3.1
12.5
9.4
合計
(n= 449)
72.4
58.8
35.9
40.3
40.1
32.1
38.1
17.4
3.1
24.5
18.3
10.2
20歳代
(n= 120)
76.7
41.7
54.2
25.0
33.3
30.8
25.8
19.2
26.7
15.0
19.2
6.7
30歳代
(n= 207)
74.4
36.2
47.3
30.0
28.5
28.5
19.8
19.3
31.9
13.5
12.6
6.3
40歳代
(n= 181)
74.0
35.9
44.8
40.3
35.4
19.3
20.4
17.7
26.0
9.9
16.0
6.6
50歳代
(n= 159)
74.2
41.5
49.1
51.6
29.6
23.9
18.9
18.2
19.5
8.8
15.1
6.3
60歳代
(n=
56.5
29.4
34.1
55.3
17.6
17.6
7.1
21.2
8.2
5.9
5.9
11.8
85)
合計
(n= 752)
72.6
37.4
46.7
39.1
29.9
24.5
19.3
18.9
24.3
11.0
14.2
7.0
合計
(n=1,201)
72.5
45.4
42.6
39.6
33.7
27.3
26.3
18.3
16.4
16.1
15.7
8.2
144
(b)最も大きな悩みや困りごとの内容
・
この 1 年間で、誰かに相談したい悩みや困りごとが「あった」と回答した者を対象に、最も大
きな悩みや困りごとについて、ひとつだけ回答する形式にて質問している。その結果、最も多
かった悩みは「仕事、雇用、転職、再就職、起業など」といった仕事に関する悩みであり、全
体の 37.4%が回答している。次に「家計、借金、相続など」となっており、最も大きな悩みと
しては、仕事や経済的なことが挙げられている(図表 3-1-5-58)。
・
婚姻状況別に検討したところ、既婚者は未婚者に比べて「家計、借金、相続など」が多くなっ
ている。また、未婚者については特に 20 歳代と 60 歳代で「生き方、暮らし方など」の回答が
多くなっている。
男性の回答
図表 3-1-5-58 この1年間にあった最も大きな悩みや困りごとの内容(単回答)
(単回答,n=1201)
(%)
80
60
40
37.4 20
14.1 8.5 8.2 7.3 6.6 5.5 3.3 3.2 1.9 0.7 3.3 0
な
(%)
仕事、雇用、
転職、再就
職、起業
など
未婚
既婚
全体
家計、借金、
相続など
恋愛、結婚、
健康、病気、 生き方、暮らし
離婚、夫婦の
障害など
方など
関係など
友人、知人と
家族、親戚と
異性・配偶者
メンタルヘル の関係や職場
育児、子育
性格、容姿な
の関係や家制
との性に関す
ス、ストレス の人間関係な
て、教育など
ど
度など
る悩みなど
ど
その他
20歳代
(n= 208)
39.4
6.3
3.4
17.8
8.7
6.7
7.7
2.4
0.0
2.4
1.4
3.8
30歳代
(n=
87)
43.7
12.6
6.9
4.6
14.9
9.2
6.9
0.0
0.0
0.0
0.0
1.1
40歳代
(n=
85)
36.5
10.6
8.2
7.1
10.6
10.6
5.9
2.4
0.0
4.7
0.0
3.5
50歳代
(n=
37)
40.5
10.8
18.9
8.1
8.1
5.4
2.7
2.7
2.7
0.0
0.0
0.0
60歳代
(n=
32)
12.5
18.8
25.0
21.9
6.3
3.1
3.1
3.1
0.0
3.1
0.0
3.1
合計
(n= 449)
37.9
9.6
7.8
12.7
10.0
7.6
6.5
2.0
0.2
2.2
0.7
2.9
20歳代
(n= 120)
40.8
15.0
5.8
5.8
7.5
5.8
5.0
3.3
6.7
0.8
0.8
2.5
30歳代
(n= 207)
39.1
15.9
3.9
3.9
7.2
7.2
6.8
4.8
4.3
3.4
1.4
1.9
40歳代
(n= 181)
40.3
17.7
6.1
4.4
6.6
6.6
2.8
4.4
5.5
2.2
0.0
3.3
50歳代
(n= 159)
34.0
20.1
13.8
6.9
3.1
6.3
6.3
0.6
5.0
0.6
0.0
3.1
60歳代
(n=
25.9
12.9
22.4
9.4
2.4
1.2
2.4
9.4
2.4
0.0
1.2
10.6
85)
合計
(n= 752)
37.1
16.8
8.9
5.6
5.7
6.0
4.9
4.1
4.9
1.7
0.7
3.6
合計
(n=1,201)
37.4
14.1
8.5
8.2
7.3
6.6
5.5
3.3
3.2
1.9
0.7
3.3
145
表 3-1-5-59 この 1 年間にあった最も大きな悩みや困りごとに関する主な意見(自由記述)
年代
20代
30代
40代
50代
60代
未婚男性
・正社員で就職できるか
仕事 ・転職するべきか
・仕事が見つからない
・将来の進路における悩み
生き方
・どのようなライフプランを立てるか
・異性との出会い
結婚
・結婚のタイミング
・転職するべきか
・職がない
仕事
・正社員になれない
・今の仕事を続ける自信がない
・収入減
家計 ・借金の返済
・収入が安定しない
・将来に対する不安
生き方
・将来の人生設計をどうするか
・定職にないため結婚できない
結婚
・将来結婚できるかどうか
・転職するべきか
・会社の将来が不安
仕事
・正社員になれない
・リストラ
健康 ・病気
・将来に対する不安
生き方
・将来どのように生活していくか
・結婚できるかどうか
結婚
・経営難
・職業上の降格・リストラ
仕事 ・定年後の雇用
・転職先がない
・介護と仕事の両立が困難
健康 ・病気
・借金の返済
・収入減
家計
・生活費の工面
・相続問題
生き方 ・定年後の生活不安
・病気
健康
・体力低下
・収入減
家計
・借金の返済
仕事 ・再就職先を見つけるのが困難
生き方 ・今後の生活不安
既婚男性
・転職するべきか
仕事 ・現在の仕事や会社に不安を感じる
・転職したいができない
・人生の目標とは何か
生き方
・どのようなライフプランを立てるか
・収入が低い
家計
・住宅購入・出産などによる支出の増加
・現在の待遇に不安・不満を感じる
・転職または起業するべきか
仕事
・意思に反する転勤の辞令
・過重労働
・収入減
家計 ・ローン等借金の返済
・育児による支出の増加
・将来に対する不安
生き方
・子どもにどのような教育を受けさせるか
・仕事が忙しく育児にかかわれない
・転職するべきか
・会社の将来が不安
仕事
・仕事の減少
・管理職としての悩み
健康 ・病気
・将来に対する不安
生き方
・定年後の人生
・収入減による生活不安
家計
・子どもの教育費の工面
・経営難
・職業上の降格・リストラ
仕事 ・定年後の雇用
・仕事の重圧
子育て
健康
・病気
・ローン等借金の返済
・収入減
家計
・子どもの学資の工面
・相続問題
生き方 ・定年後の生活不安
・病気
健康
・体力低下
・収入減
家計
・借金の返済
仕事 ・再就職先を見つけるのが困難
生き方 ・今後の生活不安
146
④ 相談機関への相談の希望
(a)調査結果
以下のような項目について、相談機関に相談するかどうか、質問している。
・自身のメンタルヘルス(心の問題)やストレスなどの相談
・生き方、暮らし方などの相談
・結婚や家族(夫婦を含む)など身近な人との間におきた問題についての相談
・育児・子育て・子供の教育などの相談(回答条件:22 歳以下の子どものいる者)
集計の結果、
「相談すると思う」とする回答は、25%前後となっており、テーマによる顕著な差異
はみられていない(図表 3-1-5-60)
。
男性の回答
図表 3-1-5-60 相談機関への相談の希望
0%
20%
40%
60%
自身のメンタルヘルス等(n=3,000)
27.9 72.1 生き方・暮らし方等(n=3,000)
28.3 71.7 結婚や家族等身近な人との問題等(n=3,000)
24.2 育児・子どもの教育等(n=1,212)
80%
100%
75.8 28.4 71.6 相談すると思う
相談しないと思う
(b)相談機関に悩みを相談しない理由の主な意見(自由記述)
相談機関に「悩みを相談しない」と回答した理由については、以下のようなものがみられた。なお、
下記 5 つの回答は、各テーマに共通してみられた回答である。
【各テーマに共通する理由】
・自分で解決するから
・今までも自分自身で乗り越えてきたから
・相談機関に相談しても、解決するとは思わないから
・家族、妻、友人などに相談するから
・具体的な相談先がわからないから
147
【その他の理由】
1.メンタルヘルスに関する悩み
相談しない理由
・専門家のいる病院に行ったほうがよいと思うから
・相談機関と信頼関係が築けるかどうか、不安に感じるから
・自分自身の問題であり、他人に相談しようと思わないから
・男として弱みを見せられないから
2.生き方・暮らし方に関する悩み
相談しない理由
・予約などの手続きに手間がかかり、面倒だと感じるから
・生き方は自分自身の問題であり、他人に相談しようと思わないから
3.結婚・家族に関する悩み
相談しない理由
・プライベートなことを他人に聞かれるのが恥ずかしいから
・相談機関より、弁護士等の専門家に相談するほうがよいと思うから
・家族の問題に他人を巻き込みたくないから
4.育児・子どもに関する悩み
相談しない理由
・相談機関に行く時間がないから
・インターネットや専門書で調べたり、医者に聞いたりするから
・公的な相談機関に相談したが、問題解決に至らなかった経験があるから
148
⑤ 無料で利用できる相談機関への相談の希望
(a)調査結果
以下のような悩みが生じた場合に無料で利用できる相談機関(例えば公的な相談機関など)があれ
ば、利用するかどうか、質問している。
・自身のメンタルヘルス(心の問題)やストレスなどの相談
・生き方、暮らし方などの相談
・結婚や家族(夫婦を含む)など身近な人との間におきた問題についての相談
・育児・子育て・子供の教育などの相談(回答条件:22 歳以下の子どものいる者)
集計の結果、
「相談すると思う」とする回答は、無料の場合、有料の場合と比べてやや増加する傾
向にあり、特に「育児・子どもの教育等」については、無料の場合、やや増加する傾向が示されて
いる(図表 3-1-5-61)。
男性の回答
図表 3-1-5-61 無料で利用できる相談機関への相談の希望
0%
自身のメンタルヘルス等(n=3,000)
生き方・暮らし方等(n=3,000)
結婚や家族等身近な人との問題等(n=3,000)
育児・子どもの教育等(n=1,212)
20%
40%
60%
80%
28.3 71.7 26.8 73.2 24.3 100%
75.7 30.6 69.4 相談すると思う
相談しないと思う
(b)無料で利用できる相談機関に相談しない理由の主な意見(自由記述)
無料で利用できる相談機関に「相談しない」と回答した理由については、以下のようなものがみられ
た。なお、下記の 6 つの回答は、各テーマに共通してみられた回答である。
【各テーマに共通する理由】
・自分で解決するから
・相談機関に相談しても、解決するとは思わないから
・家族、妻、友人などに相談するから
・具体的な相談先がわからないから
・無料相談機関では、プライバシーが守られているかどうかがわからないから
・相談員との信頼関係が築けるかどうか、的確なアドバイスをもらえるかどうか不安だから
149
【その他理由】
1.メンタルヘルスに関する悩み
相談しない理由
・プライベートな問題について話したくないから
・予約などの手続きに手間がかかりそうで、面倒だと感じるから
・メンタルヘルスの問題は、心療内科や精神科に受診したほうがよいと思うから
・有料、無料にかかわらず、メンタルヘルスの悩みを気軽に相談することに抵抗があるから
2.生き方・暮らし方に関する悩み
相談しない理由
・納得のいく回答がもらえるかどうか、不安に感じるから
・自分の生き方の問題を、他人に相談することに抵抗感があるから
3.結婚・家族に関する悩み
相談しない理由
・相談機関に行く時間がないから
・話しても理解してもらえるかどうか不安だから
・プライベートな悩みを相談することに抵抗感があるから
4.育児・子どもに関する悩み
相談しない理由
・相談機関に行く時間がないから
・無料の場合、親身になって相談にのってくれるかどうかわからないから
・相談したが、真剣に対応してもらえず、問題解決に至らなかった経験があるから
150
⑥ 利用しやすい相談方法や体制
・
相談先については、どのような方法や体制だと利用しやすいかについて、質問している。なお、
「育
児・子育て・子どもの教育などの相談」については、22 歳以下の子どもを持つ男性を対象に集計
している。
・
その結果、
「インターネット相談」が最も多く、次いで「医師、臨床心理士、弁護士などの専門家
による相談」「面接での相談」の回答が多くなっている。電話相談のニーズも少なくない(図表
3-1-5-62)。
男性の回答
図表 3-1-5-62 利用しやすい相談方法や体制
0%
10%
20%
30%
40%
50%
38.6 33.5 22.8 自身のメンタルヘルス(心の問題)やストレスなどの相談
(n=3,000)
19.9 17.6 10.4 3.1 16.2 39.0 18.4 22.9 生き方、暮らし方などの相談
(n=3,000)
18.8 14.9 13.7 3.3 18.8 37.8 20.5 21.2 18.7 結婚や家族(夫婦を含む)など身近な人との間におきた
問題についての相談 (n=3,000)
14.1 13.0 2.6 20.2 42.7 18.7 22.7 20.1 育児・子育て・子供の教育などの相談
(n=1,212)
16.0 17.2 2.4 15.6 インターネット相談
医師、臨床心理士、弁護士などの専門家による相談
面談での相談
電話相談
24時間受付けてくれる相談
同じ問題・テーマを持つ人同士のグループ相談
男性相談員による相談
その他
151
(5)「何もやる気がしない」「死にたい」などと思ったこと
① 孤独だと感じたことについて
・男性:あなたは過去3か月以内に孤独だと感じたことがありますか。
・女性:男性と同じ
(a)調査結果
・
年代・婚姻状況別の分析では、男性の場合、「よくあった」とする回答は、未婚者に多く、特に
20 歳代∼40 歳代において「よくあった」とする回答が多い傾向にある(図表 3-1-5-64)。
・
属性による分析では、男性の収入別、男性の職種別に差異がみられている。男性の収入別にみる
と、収入が高くなるほど「よくあった」とする回答が減少する傾向にある(図表 3-1-5-65)。男
性の職種別にみると、「保安の仕事」においては「よくあった」とする回答が他の職種と比べて
少ない傾向にある(図表 3-1-5-66)
。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性が孤独だと感じたことと男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検討している。分
析の結果、孤独だと感じたことについて、性別役割分担意識は顕著な関連はみられていない(図
表 3-1-5-63)
。
図表 3-1-5-63 男性が孤独だと感じたことと性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
3.5
<主導権役割志向得点
>
よくあった(n=468)
3.11
3.19
3.08
少しあった(n=1,145)
全くなかった(n=1,387)
<経済的役割志向得点>
よくあった(n=468)
3.41
3.45
3.51
少しあった(n=1,145)
全くなかった(n=1,387)
<日常生活依存志向得点>
よくあった(n=468)
少しあった(n=1,145)
全くなかった(n=1,387)
2.17
2.26
2.19
<社会的役割志向得点>
よくあった(n=468)
3.47
3.49
3.39
少しあった(n=1,145)
全くなかった(n=1,387)
<私的感情の抑制志向得点>
よくあった(n=468)
3.27
3.13
3.18
少しあった(n=1,145)
全くなかった(n=1,387)
152
4 (点)
男性の回答
図表 3-1-5-64 男性自身が(最近 3 か月間で)孤独だと感じたこと(年代・婚姻状況別)
0%
20%
20歳代(n=360)
27.5 30歳代(n=180)
28 3 35.8 30.3 44.0 28.3 30歳代(n=420)
10.5 31.7 40歳代(n=420)
13.3 60.0 57 9 47.6 39.0 47.1 40.6 12.3 59.0 34.0 7.1 53.7 35.4 10.8 合計(n=3,000)
未婚
34 2 49.2 11.7 既婚合計(n=2,040)
23.9 50.0 20歳代(n=240)
60歳代(n=480)
30 0 42.8 25.7 50歳代(n=480)
100%
30.6 41.7 14.2 未婚合計(n=960)
80%
41.9 16.7 50歳代(n=120)
60歳代(n=120)
既婚
60%
33.3 40歳代(n=180)
全体
40%
46.2 38.2 15.6 よくあった
少しあった
全くなかった
男性の回答
図表 3-1-5-65 男性自身が(最近 3 か月間で)孤独だと感じたこと(男性の収入別)
【男性の収入別】
0%
収入がない(n=141)
20%
27.7 27.5 21.6 16.7 12.2 15.8 11.5 13.9 8.8 11.9 100万円未満(n=193)
100万円‐200万円未満(n=227)
200万円‐300万円未満(n=389)
300万円‐400万円未満(n=523)
400万円‐500万円未満(n=417)
500万円‐600万円未満(n=295)
600万円‐800万円未満(n=381)
800万円‐1,000万円未満(n=181)
1,000万円以上(n=118)
40%
60%
80%
42.6
40.4
29.8
32.1
34.8
39.6
43.6
43.7
50.1
49.2
48.5
46.5
55.8
50.8
37.7
35.0
40.0
39.6
35.4
37.3
よくあった
100%
少しあった
全くなかった
男性の回答
図表 3-1-5-66 男性自身が(最近 3 か月間で)孤独だと感じたこと(男性の職種別)
【男性の職種別】
0%
20%
専門知識をいかした仕事(n=731)
14.0 管理的な仕事(n=308)
12.7 事務的な仕事(n=390)
13.8 営業・販売の仕事(n=304)
サービスの仕事(n=158)
保安の仕事(n=41)
40%
60%
48.7
37.3
51.6
35.7
44.6
41.5
43.8
40.1
16.1 46.2
39.2
14.6 56.1
36.6
7.3 運輸・通信の仕事(n=97)
16.5 製造・技能・労務の仕事(n=341)
16.1 農林漁業の仕事(n=37)
16.2 80%
40.2
43.3
48.1
35.8
43.2
40.5
よくあった
少しあった
153
全くなかった
100%
② 何もやる気がしないと感じたこと
・男性:あなたは過去3か月以内に何もやる気がしないと感じたことがありますか。
・女性:男性と同じ
(a)調査結果
・
年代・婚姻状況別の分析では、男性の場合、「よくあった」とする回答は未婚者に多く、特に 20
歳代∼40 歳代において「よくあった」とする回答が多い傾向にある。なお、60 歳代においては、
婚姻状況を問わず「よくあった」とする回答が少ない傾向にある(図表 3-1-5-68)。
・
属性による分析では、男性の収入別、男性の労働時間別に差異がみられている。男性の収入別に
みると、収入が低くなるほど『あった』(「よくあった」「少しあった」の合計)との回答が多く
なる傾向がみられる(図表 3-1-5-69)
。男性の労働時間別にみると、労働時間が増加するほど『あ
った』との回答が増加する傾向がみられている(図表 3-1-5-70)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性が何もやる気がしないと感じたことと男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検
討している。分析の結果、
「経済的役割志向」との関連がみられており、
「よくあった」者と「全
くなかった」者を比較すると、よくあった場合において、経済的役割志向が低い傾向が示され
ている(図表 3-1-5-67)
。
・
図表 3-1-5-67 男性が何もやる気がしないと感じることと性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
4 (点)
3.5
<主導権役割志向得点>
よくあった(n=431)
3.11
少しあった(n=1,286)
3.16
3.10
全くなかった(n=1,283)
<経済的役割志向得点>
よくあった(n=431)
3.35
3.44
少しあった(n=1,286)
全くなかった(n=1,283)
3.54
<日常生活依存志向得点>
よくあった(n=431)
少しあった(n=1,286)
全くなかった(n=1,283)
2.12
2.24
2.22
<社会的役割志向得点>
よくあった(n=431)
3.34
3.49
3.43
少しあった(n=1,286)
全くなかった(n=1,283)
<私的感情の抑制志向得点>
よくあった(n=431)
3.20
3.15
3.20
少しあった(n=1,286)
全くなかった(n=1,283)
154
男性の回答
図表 3-1-5-68 男性自身が(最近 3 か月間で)何もやる気がしないと感じたこと(年代・婚姻状況別)
0%
20%
20歳代(n=360)
24.4 30歳代(n=180)
25.0 未婚
48 9 49.2 47.1 46.7 43.1 45.0 16.4 41.3 4 0 60歳代(n=480)
既婚合計(n=2,040)
47.7 37.9 58.1 11.1 合計(n=3,000)
40.5 43.1 11 0 50歳代(n=480)
31.7 38.3 11.9 40歳代(n=420)
25.0 35.8 43.3 15.0 30歳代(n=420)
27 8 31.7 51.7 21.3 20歳代(n=240)
100%
47.8 7 5 60歳代(n=120)
80%
43.3 12.5 50歳代(n=120)
未婚合計(n=960)
既婚
60%
26.1 40歳代(n=180)
全体
40%
40.9 14.4 48.0 42.9 42.8 よくあった
少しあった
全くなかった
男性の回答
図表 3-1-5-69 男性自身が(最近 3 か月間で)何もやる気がしないと感じたこと(男性の収入別)
【男性の収入別】
0%
20%
収入がない(n=141)
40%
60%
29.8 27.5 100万円未満(n=193)
48.2
200万円‐300万円未満(n=389)
300万円‐400万円未満(n=523)
400万円‐500万円未満(n=417)
500万円‐600万円未満(n=295)
600万円‐800万円未満(n=381)
800万円‐1,000万円未満(n=181)
1,000万円以上(n=118)
100%
22.0
29.0
43.5
17.2 13.9 11.7 14.9 11.5 11.5 7.7 11.9 100万円‐200万円未満(n=227)
80%
43.2
45.0
42.4
41.5
43.4
42.5
45.3
36.4
39.6
41.1
45.9
43.6
45.1
45.9
47.0
51.7
よくあった
少しあった
全くなかった
男性の回答
図表 3-1-5-70 男性自身が(最近 3 か月間で)何もやる気がしないと感じたこと(男性の労働時間別)
【男性の労働時間別】
35時間以上∼40時間未満(n=101)
40時間以上∼45時間未満(n=650)
45時間以上∼50時間未満(n=375)
50時間以上∼55時間未満(n=422)
55時間以上∼60時間未満(n=98)
60時間以上∼65時間未満(n=204)
65時間以上(n=156)
0%
20%
40%
60%
47.5
42.6
9.9 44.8
40.8
14.5 46.1
41.9
12.0 42.2
47.4
10.4 39.8
48.0
12.2 35.8
50.0
14.2 80%
41.7
22.4 よくあった
少しあった
155
35.9
全くなかった
100%
③ 死にたいと思ったこと
・男性:あなたは過去 3 か月以内に死にたいと思ったことがありますか。
・女性:男性と同じ
(a)調査結果
・ 年代・婚姻状況別の分析では、男性の場合、「よくあった」とする回答は未婚者に多く、特に 20
歳代∼40 歳代において『あった』(「よくあった」「少しあった」の合計)とする回答が多い傾向
にある(図表 3-1-5-72)
。
・ 属性による分析では、男性の収入別、男性の労働時間別に差異がみられている。男性の収入別に
みると、収入が低くなるほど『あった』とする回答が多くなる傾向がみられる(図表 3-1-5-73)。
男性の労働時間別にみると、(40 時間以上∼45 時間未満を除き)労働時間が増加するほど『あっ
た』とする回答が増加する傾向がみられる(図表 3-1-5-74)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性が死にたいと思ったことと男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検討している。
分析の結果、「経済的役割志向」や「社会的役割志向」が関連している可能性が示され、よくあ
った者は、少しあった者や全くなかった者に比べて、そのような意識が低い傾向が示されている
(図表 3-1-5-71)。
図表 3-1-5-71 男性が死にたいと思ったことと性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
3.5
<主導権役割志向得点>
よくあった(n=169)
2.95
少しあった(n=506)
3.15
全くなかった(n=2,325)
3.13
<経済的役割志向得点>
よくあった(n=169)
3.15
少しあった(n=506)
3.40
全くなかった(n=2,325)
3.51
<日常生活依存志向得点>
よくあった(n=169)
少しあった(n=506)
2.16
2.23
全くなかった(n=2,325)
2.21
<社会的役割志向得点>
よくあった(n=169)
3.19
少しあった(n=506)
3.45
全くなかった(n=2,325)
3.46
<私的感情の抑制志向得点>
よくあった(n=169)
3.29
少しあった(n=506)
3.20
3.16
全くなかった(n=2,325)
156
4 (点)
男性の回答
図表 3-1-5-72 男性自身が(最近 3 か月間で)死にたいと思ったこと(年代・婚姻状況別)
0%
20%
20歳代(n=360)
66.7 11.7 21.7 66.7 未婚
50歳代(n=120)
6.7 60歳代(n=120)
5.8 20歳代(n=240)
既婚
60歳代(n=480)
全体
既婚合計(n=2,040)
合計(n=3,000)
84.2 68.4 22.0 80.0 15.4 83.1 14.3 30歳代(n=420) 2.6 50歳代(n=480)
70.0 23 3 10.0 4.6 6.7 77.4 16 0 81.9 13.8 4.4 85.2 13.5 .3 81.8 14.5 3.8 100%
62.2 28.9 9.6 40歳代(n=420)
80%
22.2 8.9 未婚合計(n=960)
60%
11.1 30歳代(n=180)
40歳代(n=180)
40%
77.5 16.9 5.6 よくあった
少しあった
全くなかった
男性の回答
図表 3-1-5-73 男性自身が(最近 3 か月間で)死にたいと思ったこと(男性の収入別)
【男性の収入別】
0%
収入がない(n=141)
20%
15.6 10.4 10.1 100万円未満(n=193)
100万円‐200万円未満(n=227)
6.4 4.8 400万円‐500万円未満(n=417) 3.6 500万円‐600万円未満(n=295) 3.4 600万円‐800万円未満(n=381) 3.4 200万円‐300万円未満(n=389)
300万円‐400万円未満(n=523)
40%
28.4
80%
100%
56.0
62.2
70.0
27.5
19.8
17.0
16.6
16.3
16.9
13.6
76.6
78.6
80.1
79.7
82.9
800万円‐1,000万円未満(n=181) 2.8 1,000万円以上(n=118)
60%
9.4
5.1 5.1
87.8
89.8
よくあった
少しあった
全くなかった
男性の回答
図表 3-1-5-74 男性自身が(最近 3 か月間で)死にたいと思ったこと(男性の労働時間別)
【男性の労働時間別】
0%
20%
35時間以上∼40時間未満(n=101)
4.0 40時間以上∼45時間未満(n=650)
3.5 45時間以上∼50時間未満(n=375)
4.3 50時間以上∼55時間未満(n=422)
4.5 55時間以上∼60時間未満(n=98)
5.1 60時間以上∼65時間未満(n=204)
4.9 65時間以上(n=156)
9.6 40%
10.9
60%
80%
85.1
20.8
75.7
11.5
84.3
14.7
80.8
16.3
78.6
18.6
76.5
19.9
70.5
よくあった
少しあった
157
全くなかった
100%
(6)配偶者や恋人との関係について
① 夫婦間の会話の頻度(回答対象:既婚者)
・男性:あなた配偶者とはよく話をしますか。
・女性:男性と同じ
(a)調査結果
・
年代別の分析では、男性において「よく話す」の回答は年代が低い者に多く、年代が高くなるに
つれて『話さない』
(「あまり話さない」
「必要以外全く話さない」)とする回答が増える傾向にあ
る。男性と女性の回答を比較すると、年代別・婚姻状況別に同様の傾向が示されている(図表
3-1-5-76、図表 3-1-5-77)。
・
属性による分析では、男性の労働時間別、配偶者の就業形態別に差異がみられている。男性の労
働時間別にみると、60 時間未満までは、労働時間が増加するほど「よく話す」の回答が増加し、
60 時間以上になると「よく話す」の回答が減少する傾向にある(図表 3-1-5-78)
。配偶者の就業
形態別にみると、配偶者が「自営(商工サービス業)」
「正社員」において「よく話す」との回答
が多い傾向がみられる。
「自営(農林漁業)」においては『話さない』の回答が多い傾向がみられ
る(図表 3-1-5-79)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性の夫婦の会話の頻度と男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検討している。分析
の結果、夫婦間の会話の頻度は、
「主導権役割志向」
「日常生活依存志向」
「私的感情の抑制志向」
が関連している可能性があり、配偶者とよく話す男性は、必要以外全く話さない男性と比べてそ
のような意識が低い傾向が示されている(図表 3-1-5-75)
。
図表 3-1-5-75 男性の夫婦の会話の頻度と性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
3.5
<主導権役割志向得点>
よく話す(n=901)
3.07
やや話す(n=801)
3.29
3.30
3.47
あまり話さない(n=281)
必要以外全く話さない(n=57)
<経済的役割志向得点>
よく話す(n=901)
3.57
3.50
3.51
3.43
やや話す(n=801)
あまり話さない(n=281)
必要以外全く話さない(n=57)
<日常生活依存志向得点>
よく話す(n=901)
やや話す(n=801)
あまり話さない(n=281)
必要以外全く話さない(n=57)
2.12
2.34
2.40
2.36
<社会的役割志向得点>
よく話す(n=901)
3.51
3.52
3.34
3.53
やや話す(n=801)
あまり話さない(n=281)
必要以外全く話さない(n=57)
<私的感情の抑制志向得点>
よく話す(n=901)
3.02
3.19
やや話す(n=801)
あまり話さない(n=281)
3.42
3.40
必要以外全く話さない(n=57)
158
4 (点)
男性の回答
図表 3-1-5-76 男性自身が配偶者とよく話をするかどうか(年代別)
0%
20%
40%
20歳代 既婚(n=240)
60%
80%
63.3 100%
29.6 5.8 1.3 0 7 30歳代 既婚(n=420)
50.0 40歳代 既婚(n=420)
39.8 41.4 50歳代 既婚(n=480)
37.5 60歳代 既婚(n=480)
38 5 既婚全体(n=2,040)
9 5 40.0 14 0 38.8 19.2 43.5 44.2 やや話す
4.6 2 1 15.8 39.3 よく話す
4.5 13.8 あまり話さない
2.8 必要以外全く話さない
女性の回答
図表 3-1-5-77 女性自身が配偶者とよく話をするかどうか(年代別)
0%
20%
40%
20歳代 既婚(n=240)
60%
80%
43.1 50歳代 既婚(n=480)
42.1 60歳代 既婚(n=480)
既婚全体(n=2,040)
4.6
20.2
35.4
4 2 14.2 35.2 46.4 やや話す
5.6 16.0 36.3 よく話す
5 5 14.0 37.4 39.8 2.6 10.5 36.7 50.2 40歳代 既婚(n=420)
5.0 1.3 26 3 67 5 30歳代 既婚(n=420)
100%
あまり話さない
必要以外全く話さない
男性の回答
図表 3-1-5-78 男性自身が配偶者とよく話をするかどうか(男性の労働時間別)
【男性の労働時間別】
0%
20%
40%
33.8 35時間以上∼40時間未満(n=74)
60%
41.3
50.2 45時間以上∼50時間未満(n=277)
28
11.9
2.9
8.8
5.0
10.8
37.1
やや話す
18
12.9
43.3
41.1 よく話す
14.2
31.3
43.3 65時間以上(n=124)
14
35.5
55.0 55時間以上∼60時間未満(n=80)
16.2
36.1
48.7 50時間以上∼55時間未満(n=310)
60時間以上∼65時間未満(n=157)
100%
48.6
41.7 40時間以上∼45時間未満(n=472)
80%
15.3
あまり話さない
2.5
6.5
必要以外全く話さない
男性の回答
図表 3-1-5-79 男性自身が配偶者とよく話をするかどうか(配偶者の就業形態別)
【配偶者の就業形態別】
0%
20%
自営(農林漁業)(n=47)
40%
34.3
36.6
45.1 39.1
44.6 年金生活(n=96)
43.8
40.6 よく話す
9.7
2.2
12.1
2.0
やや話す
あまり話さない
159
12.2
15.0
43.9
37.5 専業主婦(n=785)
4.3
32.3
51.7 公務員・公社等の正規職員(n=82)
100%
19.1
55.9 正社員(n=356)
パートタイマー等の非正規雇用者(n=528)
80%
34.0
42.6 自営(商工サービス業)(n=93)
60%
14.0
14.6
必要以外全く話さない
6.1
3.6
2.3
1.0
② 夫婦の会話の必要性(回答対象:既婚者)
・男性:配偶者とはもっと会話が必要だと感じていますか。
・女性:男性と同じ
(a)調査結果
・
年代別の分析では、男性の場合、「とてもそう感じている」とする回答は年代が低いほどに多い
傾向にある。男性と女性の回答を比較すると、年代別に同様の傾向が示されているが、40 歳代以
降においては男性のほうが女性よりも、
『そう感じている』
(「とてもそう感じている」
「ややそう
感じている」
)とする回答が多い傾向にある(図表 3-1-5-81、図表 3-1-5-82)。
・
属性による分析では、男性の労働時間別、配偶者の就業形態別に差異がみられている。男性の労
働時間別にみると、「65 時間以上」において「とてもそう感じている」の回答が増加する傾向が
みられる(図表 3-1-5-83)。配偶者の就業形態別にみると、妻が「自営(商工サービス業)」
「年
金生活」の場合、『そう感じない』(「あまりそう感じない」「まったくそう感じない」の合計)」
とする回答が多い(図表 3-1-5-84)
。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性の夫婦の会話の必要性と男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検討している。分
析の結果、
「私的感情の抑制志向」との関連がみられ、会話の必要性をとても感じている男性は、
全く感じていない男性と比べてそのような意識が低い傾向が示されている(図表 3-1-5-80)
。
図表 3-1-5-80 男性の夫婦の会話の必要性と性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
3.5
<主導権役割志向得点>
とてもそう感じている(n=379)
3.14
3.26
3.16
3.12
ややそう感じている(n=964)
あまりそう感じない(n=643)
まったくそう感じない(n=54)
<経済的役割志向得点>
とてもそう感じている(n=379)
3.61
3.49
3.54
3.57
ややそう感じている(n=964)
あまりそう感じない(n=643)
まったくそう感じない(n=54)
<日常生活依存志向得点>
とてもそう感じている(n=379)
ややそう感じている(n=964)
あまりそう感じない(n=643)
まったくそう感じない(n=54)
2.12
2.31
2.26
2.09
<社会的役割志向得点>
とてもそう感じている(n=379)
3.61
3.49
3.42
3.48
ややそう感じている(n=964)
あまりそう感じない(n=643)
まったくそう感じない(n=54)
<私的感情の抑制志向得点>
とてもそう感じている(n=379)
2.98
ややそう感じている(n=964)
3.20
3.15
あまりそう感じない(n=643)
まったくそう感じない(n=54)
3.48
160
4 (点)
男性の回答
図表 3-1-5-81 男性自身が配偶者ともっと会話が必要だと感じているかどうか(年代別)
0%
20%
20歳代 既婚(n=240)
40%
60%
25.8 30歳代 既婚(n=420)
38.3 21.9 40歳代 既婚(n=420)
16.9 50歳代 既婚(n=480)
17.1 60歳代 既婚(n=480)
32 9 2 9 53.6 46.5 46.5 18.6 47.3 とてもそう感じている
女性の回答
100%
47.9 15 0 既婚全体(n=2,040)
80%
28.6 1.7 26.7 2.9 32.5 4.0 36.7 1.9 31.5 ややそう感じている
あまりそう感じない
2.6 まったくそう感じない
図表 3-1-5-82 女性自身が配偶者ともっと会話が必要だと感じているかどうか(年代別)
0%
20%
20歳代 既婚(n=240)
40%
60%
30.0 30歳代 既婚(n=420)
36.3 23.3 40歳代 既婚(n=420)
60歳代 既婚(n=480)
既婚全体(n=2,040)
35.7 40.8 12.7 とてもそう感じている
2.9 48.1
38 9 6.0
38 0 ややそう感じている
あまりそう感じない
.9 4.3 39.4 33.1
19.4 2.9 31.4 40.2 16.9 100%
30 8 43.3 19.8 50歳代 既婚(n=480)
80%
3.7 まったくそう感じない
男性の回答
図表 3-1-5-83 男性自身が配偶者ともっと会話が必要だと感じているかどうか(男性の労働時間別)
【男性の労働時間別】
0%
20%
40%
31.1
32.1
45時間以上∼50時間未満(n=277)
20.2 45.8
50時間以上∼55時間未満(n=310)
19.7 48.1
29.3
とてもそう感じている
男性の回答
25.0
46.0
25.8 65時間以上(n=124)
ややそう感じている
あまりそう感じない
2.7
3.2
1.8
16
2.5
35.0
49.7
18.5 60時間以上∼65時間未満(n=157)
30.6
46.3
16.3 55時間以上∼60時間未満(n=80)
100%
29.7
48.3
17.4 40時間以上∼45時間未満(n=472)
80%
54.1
13.5 35時間以上∼40時間未満(n=74)
60%
2.5
3.2
まったくそう感じない
図 3-1-5-84 男性自身が配偶者ともっと会話が必要だと感じているかどうか(配偶者の就業形態別)
【配偶者の就業形態別】
0%
20%
自営(農林漁業)(n=47)
年金生活(n=96)
とてもそう感じている
30.5
51.7
16.9 34.0
46.9
42.7
ややそう感じている
161
あまりそう感じない
3.1
4.9
26.9
46.4
2.1
5.4
29.5
48.8
19.5 9.4 29.8
45.8
15.9 100%
36.6
34.4
21.6 パートタイマー等の非正規雇用者(n=528)
80%
40.4
23.7 正社員(n=356)
専業主婦(n=785)
60%
27.7 自営(商工サービス業)(n=93)
公務員・公社等の正規職員(n=82)
40%
1.9
2.7
1.0
まったくそう感じない
③ 配偶者等への行為(なぐったり、けったりしたこと)
・男性:これまでに、カッとなって配偶者や恋人をなぐったり、けったりしたことはありますか。
・女性:男性と同じ
(a)調査結果
・
年代・婚姻状況別の分析では、男性の場合、
『あった』
(「よくあった」
「少しあった」の合計)と
する回答は(60 歳代を除き)既婚者に多い傾向がみられている。男性と女性の回答を比較すると、
未婚者は(60 歳代を除き)女性のほうが男性より『あった』とする回答が多い傾向にあり、既婚
者の 20 歳代∼30 歳代では女性のほうが男性より『あった』とする回答が多い傾向にあり、既婚
者の 50 歳代∼60 歳代では女性のほうが、
『あった』とする回答が少ない傾向にある(図表 3-1-5-86、
図表 3-1-5-87)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性のなぐったりけったりした行為と男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検討し
ている。分析の結果、「主導権役割志向」「日常生活依存志向」「社会的役割志向」との関連がみ
られ、「よくあった」と回答している者に、そのような志向が強い傾向が示唆された(図表
3-1-5-85)。また、「私的感情の抑制志向」との関連もみられており、「よくあった」と回答して
いる者は、そのような志向が低い傾向が示唆された。
図表 3-1-5-85 男性のなぐったりけったりした行為と性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
3.5
4 (点)
<主導権役割志向得点>
よくあった(n=35)
3.51
少しあった(n=289)
3.36
全くなかった(n=2,676)
3.09
<経済的役割志向得点>
よくあった(n=35)
3.45
少しあった(n=289)
3.50
全くなかった(n=2,676)
3.47
<日常生活依存志向得点>
よくあった(n=35)
2.79
少しあった(n=289)
全くなかった(n=2,676)
2.43
2.18
<社会的役割志向得点>
よくあった(n=35)
3.67
少しあった(n=289)
3.58
全くなかった(n=2,676)
3.42
<私的感情の抑制志向得点>
よくあった(n=35)
2.82
少しあった(n=289)
3.07
全くなかった(n=2,676)
3.19
162
男性の回答
図表 3-1-5-86 男性自身がカッとなって配偶者や恋人をなぐったりけったりしたこと(年代・婚姻状況別)
未婚
0%
0.6 20歳代(n=360) 2.2 1.1 30歳代(n=180)
3.3 1.1 40歳代(n=180)
3.3 0.8 50歳代(n=120)
5.8 20%
93.3 82.5 15.8 94.3 87.5 8.8 3.8 92.1 既婚
40歳代(n=420)
1.4 50歳代(n=480)
0.8 13.3 60歳代(n=480)
0.8 全体
84.3 14.3 85.8 85.0 14.2 86.8 1.3 11.9 合計(n=3,000) 1 2 100%
95.6 30歳代(n=420) 0.7 7.1 既婚合計(n=2,040)
80%
95.6 未婚合計(n=960) 0.9 4.8 20歳代(n=240)
60%
97.2 1.7 60歳代(n=120)
40%
89.2 9.6 よくあった
少しあった
全くなかった
女性の回答
図表 3-1-5-87 女性自身がカッとなって配偶者や恋人をなぐったりけったりしたこと(年代・婚姻状況別)
0%
20%
40%
91.7 30歳代(n=180) .6 7.8 未婚
93 9 .1 5.0 90.0 50歳代(n=120) 1.7 8.3 94.2 60歳代(n=120) .0 5.8 未婚合計(n=960)
92.3
.1 6.6
80 2 16.9 30歳代(n=420) 2.9 既婚
82.5 14.6 20歳代(n=240) 2.9 全体
80%
91.9 20歳代(n=360) 1.7 6.4 40歳代(n=180)
60%
85 0 40歳代(n=420)
0 50歳代(n=480)
.0 7.7 91.3 60歳代(n=480) .4 8.5 91.0 14.0 既婚合計(n=2,040) 1 5
11.9
86.6
合計(n=3,000) 1.4 10.2 88.4 よくあった
少しあった
163
全くなかった
100%
④ 配偶者等への行為(声を荒げたり、どなったりしたこと)
・男性:これまでに、カッとなって、配偶者や恋人に声を荒げたり、どなったりしたことはあり
ますか。
・女性:男性と同じ
(a)調査結果
・
年代・婚姻状況別の分析では、男性の場合、
『あった』
(「よくあった」
「少しあった」の合計)と
する回答は既婚者に多い傾向がみられており、年代が高くなるにつれて『あった』とする回答が
増加する傾向がみられている。男性と女性の回答を比較すると、未婚者は 60 歳代を除き男性よ
りも女性のほうが『あった』とする回答が多い傾向にある。また、既婚者は 20 歳代、30 歳代に
おいて女性のほうが男性よりも『あった』とする回答が多い傾向にあり、60 歳代の回答は、未婚
既婚いずれも男性のほうが『あった』とする回答率が高い傾向がみられている(図表 3-1-5-89、
図表 3-1-5-90)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性の声を荒げたり、どなったりした行為と男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検
討している。分析の結果、「主導権役割志向」や「社会的役割志向」が関連している可能性があ
り、よくあったと回答している者に、そのような志向が強い傾向が示唆された(図表 3-1-5-88)
。
図表 3-1-5-88 男性の声を荒げたり、どなったりした行為と性別役割分担意識に関する志向との
関連
2
2.5
3
3.5
4 (点)
<主導権役割志向得点>
よくあった(n=135)
3.49
少しあった(n=1,086)
3.28
全くなかった(n=1,779)
3.00
<経済的役割志向得点>
よくあった(n=135)
3.50
3.55
少しあった(n=1,086)
全くなかった(n=1,779)
3.42
<日常生活依存志向得点>
よくあった(n=135)
少しあった(n=1,086)
全くなかった(n=1,779)
2.27
2.25
2.19
<社会的役割志向得点>
よくあった(n=135)
3.63
3.52
少しあった(n=1,086)
全くなかった(n=1,779)
3.38
<私的感情の抑制志向得点>
よくあった(n=135)
3.10
3.14
少しあった(n=1,086)
全くなかった(n=1,779)
3.20
164
男性の回答
図表 3-1-5-89
男性自身がカッとなって配偶者や恋人に声を荒げたり、どなったりしたこと(年代・婚姻状況別)
0%
20%
20歳代(n=360) 1 9 30歳代(n=180)
未婚
60歳代(n=120)
既婚
30歳代(n=420)
76.7 5.0 33.3 61.7 17.7 79.6 7.1 30.8 4.0 62.1 40.0 6.0 50歳代(n=480)
5.0 60歳代(n=480)
5.4 既婚合計(n=2,040)
5.3 合計(n=3,000)
4.5 全体
80.6 20.0 40歳代(n=420)
100%
80 0 17.8 未婚合計(n=960) 2.7 80%
85.8 16.7 3.3 20歳代(n=240)
60%
12.2 3.3 40歳代(n=180) 1.7 50歳代(n=120)
40%
56.0 47.9 46 2 47.7 47.3 52.3 42.3 44.9 49.8 36.2 59 3 よくあった
少しあった
全くなかった
女性の回答
図表 3-1-5-90 女性自身がカッとなって配偶者や恋人に声を荒げたり、
どなったりしたこと
(年代・婚姻状況別)
0%
20歳代(n=360)
5.6 30歳代(n=180)
5.0 40歳代(n=180)
未婚
20%
50歳代(n=120)
20歳代(n=240)
30歳代(n=420)
全体
既婚
40歳代(n=420)
50歳代(n=480)
60%
61.7 33.3 77.2 60.0 33.3 6.7 75.0 22.5 71.4
23.9
48
48.8 41.7 9.6 43.1 45.0 11.9 9 5 5.4 80%
75.8 18.6 19.4 3.3 60歳代(n=120) 2.5 未婚合計(n=960)
40%
48.8 41.7 52.7 41.9 60歳代(n=480)
6.9 44.2 49.0 既婚合計(n=2,040)
8.4
43.0
48.6
合計(n=3,000)
7.3 55.9 36.9 よくあった
少しあった
165
全くなかった
100%
⑤ 配偶者や恋人からの暴力の被害体験
・男性:あなたはこれまでに配偶者や恋人からの暴力を受けたことがありますか。
・女性:男性と同じ
(a)調査結果
・
年代・婚姻状況別の分析では、男性の場合、
『あった』
(「よくあった」
「少しあった」の合計)と
する回答はかなり少なく、妻や恋人から暴力を受けたと認識している男性は少ない。男性と女性
の回答を比較すると、女性に被害体験が多いことがうかがえる。また、女性の未婚者の場合は、
50 歳代までは年代が高くなるほど被害体験が多い傾向がみられる。(図表 3-1-5-92、図表
3-1-5-93)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性の配偶者や恋人からの暴力の被害体験と男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を
検討している。分析の結果、男性の配偶者や恋人からの暴力の被害体験について、性別役割分担
意識は顕著な関連はみられていない(図表 3-1-5-91)。
図表 3-1-5-91 男性の配偶者や恋人からの暴力の被害体験と性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
3.5
4 (点)
<主導権役割志向得点>
何度もあった(n=39)
3.30
1、2度あった(n=78)
3.27
3.12
全くない(n=2,883)
<経済的役割志向得点>
何度もあった(n=39)
3.34
3.53
3.47
1、2度あった(n=78)
全くない(n=2,883)
<日常生活依存志向得点>
何度もあった(n=39)
1、2度あった(n=78)
2.18
2.21
全くない(n=2,883)
2.21
<社会的役割志向得点>
何度もあった(n=39)
3.45
3.64
1、2度あった(n=78)
全くない(n=2,883)
3.44
<私的感情の抑制志向得点>
何度もあった(n=39)
3.15
3.00
1、2度あった(n=78)
全くない(n=2,883)
3.18
166
男性の回答
図表 3-1-5-92 男性自身が配偶者や恋人からの暴力を受けたこと(年代・婚姻状況別)
0%
0 8 20歳代(n=360)
0.8 1.1 30歳代(n=180)
1.1 20%
40%
未婚
95.0 4.2 1.7 60歳代(n=120) 1.7 1.1 未婚合計(n=960) 1.8 95.8 96.7 97.1 3.3 3.8 1.2 2.9 92.9 96.0 95.2 1 5 3.3 0 0 60歳代(n=480) 2.5 1.4 既婚合計(n=2,040)
3.0 95.2 50歳代(n=480)
全体
既婚
40歳代(n=420) 1.9 2.9 合計(n=3,000)
100%
97.8 50歳代(n=120)
30歳代(n=420)
80%
98.3 40歳代(n=180) 2.2 2.8 20歳代(n=240)
60%
97.5 95.6 1.3 2.6 96.1 何度もあった
全くない
1、2度あった
女性の回答
図表 3-1-5-93 女性自身が配偶者や恋人からの暴力を受けたこと(年代・婚姻状況別)
0%
20%
40%
20歳代(n=360) 2.8 5.6 30歳代(n=180)
未婚
40歳代(n=180)
10.0 9.2 20歳代(n=240)
3.3 30歳代(n=420)
3.6 81.7 17.5 72.5 15.0 75.8 10.1
84.1
10.4 86.3 14.0 82.4 5.0 13.1 81.9 50歳代(n=480)
5.4 10.4 60歳代(n=480)
5.2 40歳代(n=420)
既婚
5.8
84.4 11.1 60歳代(n=120)
既婚合計(n=2,040)
合計(n=3,000)
80%
91.7 10.0 7 2 50歳代(n=120)
未婚合計(n=960)
全体
5.6 60%
84.2 18.1 76.7 4.7
13.5
81.8
5.0 12.4 82.5 何度もあった
1、2度あった
167
全くない
100%
(7)定年後や老後の希望について
① 定年後や老後の楽しみや計画の有無(回答対象:40 歳以上の者)
・男性:定年後や老後に楽しみにしていることや計画していることはありますか。
・女性:男性と同じ
(a)調査結果
・
年代・婚姻状況別の分析では、男性の場合、
『ある』
(「たくさんある」
「少しはある」の合計)と
する回答は既婚者に多い傾向がみられており、年代別にみると年代が高くなるにつれて『ある』
とする回答が増加する傾向がみられている(図表 3-1-5-95)。
・
属性による分析では、男性の収入別、男性の職種別に差異がみられている。男性の収入別にみる
と、収入が高くなるほど『ある』とする回答が増加する傾向がみられている(図表 3-1-5-96)。
男性の職種別にみると、男性が「管理的な仕事」「保安の仕事」「農林漁業の仕事」の場合、『あ
る』とする回答が多い傾向がみられる(図表 3-1-5-97)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性の定年後や老後の楽しみや計画の有無と男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を
検討している。分析の結果、定年後や老後の楽しみや計画の有無には、特に「社会的役割志向」
が関連している可能性があり、老後の楽しみがたくさんあると回答した者は、ほとんどない者に
比べてそのような意識が強い傾向にある。(図表 3-1-5-94)
。
図表 3-1-5-94 男性の定年後や老後の楽しみや計画の有無と性別役割分担意識に関する志向との
関連
2
2.5
3
4 (点)
3.5
<主導権役割志向得点>
たくさんある(n=372)
少しはある(n=914)
3.16
3.20
ほとんどない(n=514)
3.17
<経済的役割志向得点>
たくさんある(n=372)
3.63
少しはある(n=914)
3.57
3.45
ほとんどない(n=514)
<日常生活依存志向得点>
たくさんある(n=372)
少しはある(n=914)
ほとんどない(n=514)
2.18
2.29
2.30
<社会的役割志向得点>
たくさんある(n=372)
3.42
少しはある(n=914)
3.36
3.21
ほとんどない(n=514)
<私的感情の抑制志向得点>
たくさんある(n=372)
3.21
3.20
少しはある(n=914)
ほとんどない(n=514)
3.33
168
男性の回答
図表 3-1-5-95 男性自身の定年後や老後の楽しみや計画の有無(年代・婚姻状況別)
未婚
0%
20%
60%
80%
40歳代(n=180)
13 9 36.7 49.4 50歳代(n=120)
13 3 38 3 48 3 23.3 60歳代(n=120)
未婚合計(n=420)
42.4 48.3 21.3 31.7 50.8 27.9 24.4 60歳代(n=480)
既婚合計(n=1,380)
61.3 22.0 合計(n=1,800)
25 8 41.2 20.0 50歳代(n=480)
100%
50.8 16.4 40歳代(n=420)
既婚
40%
14.4 53.7 20.7 24.3 50.8 たくさんある
28.6 少しはある
ほとんどない
男性の回答
図表 3-1-5-96 男性自身の定年後や老後の楽しみや計画の有無(男性の収入別)
0%
【男性の収入別】
収入がない(n=47)
100万円未満(n=85)
100万円‐200万円未満(n=149)
200万円‐300万円未満(n=229)
20%
10.6 23.5 14.1 19.7 800万円‐1,000万円未満(n=156)
1,000万円以上(n=108)
26.9 400万円‐500万円未満(n=215)
500万円‐600万円未満(n=160)
600万円‐800万円未満(n=308)
60%
80%
100%
46.8
40.0
36.2
28.8
42.6
21.5 21.4 20.6 18.8 26.9 300万円‐400万円未満(n=247)
40%
36.5
49.7
51.5
51.0
50.2
56.9
53.9
49.4
27.5
28.4
22.5
27.3
23.7
52.8
たくさんある
20.4
少しはある
ほとんどない
男性の回答
図表 3-1-5-97 男性自身の定年後や老後の楽しみや計画の有無(男性の職種別)
【男性の職種別】
専門知識をいかした仕事(n=406)
0%
20%
事務的な仕事(n=203)
サービスの仕事(n=88)
製造・技能・労務の仕事(n=171)
農林漁業の仕事(n=22)
80%
30.8
21.9
27.1
58.1
14.8 30.5
47.3
22.2 34.1
52.3
13.6 17.9
50.0
32.1 52.4
33.3
14.3 100%
50.4
27.8 保安の仕事(n=28)
運輸・通信の仕事(n=63)
60%
49.5
19.7 管理的な仕事(n=270)
営業・販売の仕事(n=167)
40%
32.7
46.2
21.1 63.6
13.6 たくさんある
少しはある
169
22.7
ほとんどない
② 老後一緒にいたい者の希望(回答対象:40 歳以上の者)
・男性:老後は誰と一緒にいたいですか。最もあてはまるものをひとつお選びください。
・女性:男性と同じ
(a)調査結果
・
年代・婚姻状況別の分析では、男性の場合、既婚者は「配偶者」とする回答が中心であるが、未
婚者は「一人」とする回答が多い(図表 3-1-5-98)。
・
年代別にみると、未婚者では年代が高くなるにつれて「配偶者」は減り、「一人」が増加する。
既婚者では年代が高くなるにつれて「配偶者」が増える傾向がみられている。
・
男性と女性の回答について、まず未婚者について比較すると、女性は「子ども」の回答が男性よ
りも多く、
「一人」の回答が少なくなっている(図表 3-1-5-99)。既婚者について比較すると、男
性のほうが「配偶者」とする回答が多く、女性の既婚者は「子ども」や「一人」が多い傾向にあ
る。
170
男性の回答
図表 3-1-5-98 男性自身が老後、誰と一緒にいたいか(年代・婚姻状況別)
0%
20%
40%
50.6 40歳代(n=180)
25.8 未婚
50歳代(n=120)
2.8 4.2 5 0 16.7 60歳代(n=120)
未婚合計(n=420)
既婚
60%
10.8 80%
11.7 31.1 10 0 6.7 48.3 2.5 8 3 33.8 100%
56.7 5.5 2.9 10.2 40歳代(n=420)
81.0 50歳代(n=480)
80.8 5.0 43 3 4.0 8.8 2.9 6.0 7.7 6.0 91.9 60歳代(n=480)
既婚合計(n=1,380)
3.1 84.7 合計(n=1,800)
5.4 72.8 配偶者
子ども
5.4 兄弟姉妹
友人
孫
3 8 5.6 14.4 一人
その他
※2%以下のグラフの数値は、掲載していない。
女性の回答
図表 3-1-5-99 女性自身が老後、誰と一緒にいたいか(年代・婚姻状況別)
0%
20%
未婚
60歳代(n=120)
未婚合計(n=420)
10.0 26.7 40歳代(n=180)
50歳代(n=120)
40%
11.7 15.8 16.4 5.8 17.4 6.4 17.5 18.6 14.3 子ども
13.3 14 2 兄弟姉妹
※2%以下のグラフの数値は、掲載していない。
171
2.1 6.4 10.4 56.5 配偶者
8.1 15.2 68.6 合計(n=1,800)
2 5 32.1 71.0 既婚合計(n=1,380)
10.8 36.7 69 2 60歳代(n=480)
10.0 32.5 65.2 50歳代(n=480)
100%
28.9 20.8 6.7 40歳代(n=420)
既婚
80%
17.8 6.7 30.0 5.8 60%
友人
孫
2.9 8.8 5.0 2.3 3.8 2.1 7.7 10.2 .9 5.0 8.9 8.2 14.3 一人
その他
3.1 ③ 介護者の希望(回答対象:40 歳以上の者)
・男性:介護されるときには、だれに介護されたいですか。最もあてはまるものをひとつお選び
ください。
・女性:男性と同じ
(a)調査結果
・
年代・婚姻状況別の分析では、男性の結果について婚姻状況別みると、未婚者は「施設」「介護
サービス」とする回答が多く、既婚者は「配偶者」とする回答が中心である(図表 3-1-5-100)。
・
男性の結果について年代別にみると、未婚者では年代が高くなるにつれて「配偶者」は減り、
「介
護サービス」が増加する傾向がみられている。また、既婚者では年代が高くなるにつれて「配偶
者」が増える傾向にある。
・
男性と女性の回答について、まず未婚者について比較すると、女性は「子ども」の回答が男性よ
りも多く、
「介護サービス」の回答も多い(図表 3-1-5-101)。なお、
「配偶者」の回答は、未婚の
男性には 2 割程度いるが、未婚の女性には極めて少ない傾向にある。既婚者について比較すると、
男性のほうが「配偶者」とする回答が多く、女性の既婚者は「子ども」や「施設」「介護サービ
ス」の回答が多い傾向にある。
172
男性の回答
図表 3-1-5-100 男性自身が介護されるときには、誰に介護されたいか(年代・婚姻状況別)
0%
20%
27.2 40歳代(n=180)
4.2 13.3 60歳代(n=120)
未婚合計(n=420)
64.4 5 0 12.1 5.1 5.3 56.3 配偶者
子ども
兄弟姉妹
15.5 15.6 2.5 66.7 合計(n=1,800)
6.9 15.0 75.8 既婚合計(n=1,380)
4.2 40.0 8.3 60歳代(n=480)
9.2 47.5 59.0 50歳代(n=480)
7 2 35 0 24.0 5.7 100%
38.3 22.5 40歳代(n=420)
既婚
80%
27.5 9 2 21.9 60%
22 8 4.4 22.5 50歳代(n=120)
未婚
40%
友人
施設
10.2 12.3 10.2 13.7 15.1 19.8 介護サービス
孫
2.7 その他
※2%以下のグラフの数値は、掲載していない。
女性の回答
図表 3-1-5-101 女性自身が介護されるときには、誰に介護されたいか(年代・婚姻状況別)
0%
40歳代(n=180)
未婚
50歳代(n=120)
7.2 8.9 5.8 5 0 40%
5.6 17.5 15.0 60歳代(n=120)
未婚合計(n=420)
既婚
20%
2.5 13.1 40.6 21.7 48.3 26.0 26.4 13 3 50歳代(n=480)
26.0 14.8 既婚合計(n=1,380)
合計(n=1,800)
28.3 配偶者
24.3 兄弟姉妹
※2%以下のグラフの数値は、掲載していない。
173
5.8 21.0 31.3 34.6 施設
2.4 30.6 23.8 友人
6.0 30.6 24.3 14 8 子ども
4.2 32.9 26.3 15.3 21.8 7.2 45 5 17.5 27.0 100%
50.0 25.0 3.6 80%
29.4 40歳代(n=420)
60歳代(n=480)
60%
介護サービス
2 8 孫
その他
(8)飲酒の習慣について
① 飲酒の習慣の有無
・男性:あなたの現在の飲酒について伺います。
・女性:質問していない
(a)調査結果
・
年代・婚姻状況別の分析では、年代別みると、
「習慣的に飲む」とする回答は、50 歳代までは、
年代が高くなるにつれて増加する傾向にある。婚姻状況別に検討すると、既婚者のほうが「習慣
的に飲む」とする回答は多い傾向にある(図表 3-1-5-103)。
・
属性による分析では、男性の収入別、男性の職種別、男性の労働時間別に差異がみられている。
男性の収入別にみると、収入が高くなるほど「習慣的に飲む」の回答が増加する傾向がみられる
(図表 3-1-5-104)。男性の職種別にみると、「管理的な仕事」の場合「習慣的に飲む」の回答が
多い傾向がみられる(図表 3-1-5-105)。男性の労働時間別にみると、労働時間が増加するほど「習
慣的に飲む」の回答が増える傾向がみられる(図表 3-1-5-106)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性の飲酒の習慣と男性の性別役割分担意識に関する志向との関連を検討している。分析の結果、
「社会的役割志向」や「私的感情の抑制志向」との関連がある様子が示され、習慣的に飲む人は
飲まない人に比べ、社会的役割志向が強い傾向や、私的感情を抑制しない傾向が示されている(図
表 3-1-5-102)。
図表 3-1-5-102 男性の飲酒の習慣と性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
3.5
4 (点)
<主導権役割志向得点>
習慣的に飲む(n=1,232)
3.19
3.11
3.04
ときどき飲む(n=1,042)
飲まない(n=726)
<経済的役割志向得点>
習慣的に飲む(n=1,232)
3.53
3.45
3.41
ときどき飲む(n=1,042)
飲まない(n=726)
<日常生活依存志向得点>
習慣的に飲む(n=1,232)
ときどき飲む(n=1,042)
飲まない(n=726)
2.21
2.22
2.20
<社会的役割志向得点>
習慣的に飲む(n=1,232)
3.47
3.50
3.30
ときどき飲む(n=1,042)
飲まない(n=726)
<私的感情の抑制志向得点>
習慣的に飲む(n=1,232)
3.15
3.12
3.30
ときどき飲む(n=1,042)
飲まない(n=726)
174
男性の回答
図表 3-1-5-103 男性自身の飲酒の習慣(年代・婚姻状況別)
0%
20%
24.4 23.3 20歳代(n=360)
30歳代(n=180)
未婚
60%
46.7 40.0 50歳代(n=120)
60歳代(n=120)
未婚合計(n=960)
29.2 28.8 50.0 40.5 47.4 53.3 50.4 45.9 30歳代(n=420)
40歳代(n=420)
50歳代(n=480)
60歳代(n=480)
既婚合計(n=2,040)
合計(n=3,000)
100%
25.8 33.3 29.4 24.2 33.3 28.6 26.7 40.5 30.8 20歳代(n=240)
80%
49.7 43 3 36.1 34.4 40歳代(n=180)
既婚
40%
21.3 22.4 19.5 22.7 24.0 22.1 37.1 33.1 24.0 25.6 32 0 41.1 34.7 習慣的に飲む
24.2 ときどき飲む
飲まない
男性の回答
図表 3-1-5-104 男性自身の飲酒の習慣(男性の収入別)
【男性の収入別】
0%
収入がない(n=141)
20%
40%
19.1 25.4 100万円未満(n=193)
60%
41.1
200万円‐300万円未満(n=389)
300万円‐400万円未満(n=523)
400万円‐500万円未満(n=417)
500万円‐600万円未満(n=295)
600万円‐800万円未満(n=381)
800万円‐1,000万円未満(n=181)
1,000万円以上(n=118)
男性の回答
25.4
25.1
26.7
23.3
27.3
22.4
19.7
18.8
12.7
33.9
35.7
38.8
30.2
36.6
29.7
28.7
27.1
習慣的に飲む
100%
39.7
49.2
41.0 37.5 37.9 42.4 41.0 50.7 52.5 60 2 100万円‐200万円未満(n=227)
80%
ときどき飲む
飲まない
図表 3-1-5-105 男性自身の飲酒の習慣(男性の職種別)
【男性の職種別】
0%
20%
専門知識をいかした仕事(n=731)
40%
60%
44.1 36.2
サービスの仕事(n=158)
44.3 36.1
運輸・通信の仕事(n=97)
19.6
35.1
29.6
36.7
24.3
32.4
43.2 習慣的に飲む
男性の回答
19.7
31.7
23.7
41.2 33.7 農林漁業の仕事(n=37)
21.8
31.7
36.6 製造・技能・労務の仕事(n=341)
14.0
37.4
40.8 営業・販売の仕事(n=304)
保安の仕事(n=41)
22.4
30.8
55.2 事務的な仕事(n=390)
100%
33.8
43.8 管理的な仕事(n=308)
80%
ときどき飲む
飲まない
図表 3-1-5-106 男性自身の飲酒の習慣(男性の労働時間別)
【男性の労働時間別】
35時間以上∼40時間未満(n=101)
0%
20%
40%
39.6 60%
80%
100%
21.8
38.6
42.5 45時間以上∼50時間未満(n=375)
42.1 36.0
21.9
50時間以上∼55時間未満(n=422)
41.5 36.0
22.5
55時間以上∼60時間未満(n=98)
60時間以上∼65時間未満(n=204)
65時間以上(n=156)
33.2
24.3
40時間以上∼45時間未満(n=650)
42.9 35.7
21.4
34.8
44.6 46.8 28.2
習慣的に飲む
ときどき飲む
175
20.6
25.0
飲まない
② お酒を飲むまいと思っても飲んでしまうことや飲まないと眠れないこと
・男性:あなたは過去3か月以内にお酒を飲むまいと思っても飲んでしまうことや、飲まないと
眠れなかったことはありますか。
・女性:男性と同じ
(a)調査結果
・
年代・婚姻状況別の分析では、男性の結果について年代別みると、年代が高くなるにつれて『あ
った』(「よくあった」「少しあった」の合計)とする回答が多くなる傾向にある。また、婚姻状
況別にみたところ、顕著な差異はみられていない(図表 3-1-5-108)。
・
属性による分析では、男性の収入別、男性の労働時間別に差異がみられている。男性の収入別に
みると、収入が高くなるほど『あった』とする回答が増加する傾向がみられる(図表 3-1-5-109)。
男性の労働時間別にみると、労働時間が 50 時間以上の場合、労働時間が増加するほど『あった』
とする回答が増加する傾向がみられる(図表 3-1-5-110)。
(b)男性の性別役割分担意識に関する志向との関連
・
男性がお酒を飲むまいと思っても飲んでしまうことや飲まないと眠れないことと男性の性別役
割分担意識に関する志向との関連を検討している。分析の結果、「主導権役割志向」が関連して
いる傾向がみられ、よくあった者は全くなかった者に比べ、主導権役割志向が強い傾向が示され
ている(図表 3-1-5-107)。
図表 3-1-5-107
男性がお酒を飲むまいと思っても飲んでしまうことや飲まないと眠れないことと
性別役割分担意識に関する志向との関連
2
2.5
3
3.5
<主導権役割志向得点>
よくあった(n=271)
3.24
3.24
3.08
少しあった(n=630)
全くなかった(n=2,099)
<経済的役割志向得点>
よくあった(n=271)
3.43
3.45
3.48
少しあった(n=630)
全くなかった(n=2,099)
<日常生活依存志向得点>
よくあった(n=271)
少しあった(n=630)
全くなかった(n=2,099)
2.24
2.34
2.17
<社会的役割志向得点>
よくあった(n=271)
3.50
3.51
3.41
少しあった(n=630)
全くなかった(n=2,099)
<私的感情の抑制志向得点>
よくあった(n=271)
3.23
少しあった(n=630)
3.04
3.21
全くなかった(n=2,099)
176
4 (点)
男性の回答
図表 3-1-5-108
お酒を飲むまいと思っても飲んでしまうことや飲まないと眠れないこと(年代・婚姻状況別)
0%
未婚
20歳代(n=360)
6.7 30歳代(n=180)
9.4 40歳代(n=180)
11.7 50歳代(n=120)
11.7 60歳代(n=120)
未婚合計(n=960)
7.5 30歳代(n=420)
7.4 50歳代(n=480)
60歳代(n=480)
80%
100%
77.8 12 8 70 0 18 3 62.5 25.8 66.7 21.7 73.0 17.6 75.8 16.7 72.4 20.2 11.4 65.7 22.9 66.0 22.7 11.3 6.3 60%
77.8 66 5 27.3 既婚合計(n=2,040)
8.9 22.6 合計(n=3,000)
9 0 21.0 全体
40%
15.6 11.7 9.4 20歳代(n=240)
40歳代(n=420)
既婚
20%
68.5 70 0 よくあった
少しあった
全くなかった
男性の回答
図表 3-1-5-109
お酒を飲むまいと思っても飲んでしまうことや飲まないと眠れないこと(男性の収入別)
0%
【男性の収入別】
20%
40%
60%
収入がない(n=141)
3.5 17.0
9.3 16.6
100万円‐200万円未満(n=227)
11.5 19.4
11.1 8.4 8.2 8.5 9.7 300万円‐400万円未満(n=523)
400万円‐500万円未満(n=417)
500万円‐600万円未満(n=295)
600万円‐800万円未満(n=381)
7.2 10.2 800万円‐1,000万円未満(n=181)
1,000万円以上(n=118)
100%
79.4
74.1
69.2
100万円未満(n=193)
200万円‐300万円未満(n=389)
80%
21.1
19.5
23.3
22.0
21.8
67.9
72.1
68.6
69.5
68.5
26.5
24.6
66.3
65.3
よくあった
少しあった
全くなかった
男性の回答
図表 3-1-5-110
お酒を飲むまいと思っても飲んでしまうことや飲まないと眠れないこと(男性の労働時間別)
【男性の労働時間別】
0%
20%
35時間以上∼40時間未満(n=101)
10.9 40時間以上∼45時間未満(n=650)
8.9 45時間以上∼50時間未満(n=375)
8.5 50時間以上∼55時間未満(n=422)
8.3 55時間以上∼60時間未満(n=98)
7.1 60時間以上∼65時間未満(n=204)
65時間以上(n=156)
9.8 14.7 40%
60%
19.8
80%
69.3
20.0
71.1
18.7
72.8
23.7
68.0
24.5
68.4
23.0
67.2
19.9
65.4
よくあった
少しあった
177
全くなかった
100%
6.日常生活の意識・行動についての関連分析
ここからは、男性の日常生活の意識・行動(家事・育児、仕事や経済的問題、相談、孤独・何もやる
気がしない・死にたいといった気持ち、配偶者や恋人との関係、定年後や老後の希望、飲酒の習慣に関
連する意識や行動)について、それぞれがどのような関連にあるのかを検討する。
(1)育児の頻度と家事の頻度との関連
高校生以下の子どもがいる男性を対象に、子どもの世話をする頻度と家事をする頻度との関連につい
て検討している。まず、「肉や魚、生活雑貨などの買い物の頻度」との関連であるが、買い物を頻繁に
するほど育児も頻繁にするとする回答が多い傾向がみられる。
図表 3-1-6-1 育児の頻度と買い物の頻度との関連(末子が高校生以下の既婚者のみ)
0%
【買い物の頻度】
20%
40%
頻繁にする(n 238)
60%
80%
65.5 ときどきする(n 558)
30.7
34.4 ほとんどしない(n 186)
100%
3.8
61.5
25.3 4.1
58.1
子育てを頻繁にする
16.7
子育てをときどきする
子育てをほとんどない
次に「家族の洗濯物を干すこと」との関連であるが、洗濯物を頻繁に干すほど、育児も頻繁にすると
する回答が多い傾向がみられる。
図表 3-1-6-2 育児の頻度と洗濯物を干す頻度との関連
(末子が高校生以下、家族と同居している既婚者のみ)
【洗濯物を干す頻度】 0%
20%
40%
頻繁にする(n=213)
60%
80%
100%
83.1 ときどきする(n=476)
15.5
31.3 ほとんどしない(n=280)
65.5
23.6 3.2
61.4
子育てを頻繁にする
.4
15.0
子育てをときどきする
子育てをほとんどない
(2)家事の頻度と妻が不在のときの生活困難度との関連(既婚者のみの分析)
既婚男性を対象に、日常的に家事をすることと妻が不在のときの生活困難度との関連について検討し
ている。まず、
「肉や魚、生活雑貨などの買い物の頻度」との関連であるが、買い物を頻繁にするほど、
困らず暮らせるとする回答が多くなっている。
図表 3-1-6-3 買い物の頻度と妻が不在のときの生活困難度との関連
0%
20%
【買い物の頻度】
頻繁にする(n=475)
ときどきする(n=1,178)
ほとんどしない(n=387)
40%
60%
37.3 42.1
24.3 15.8 80%
11.8
45.8
37.0
19.4
27.4
困らず暮らせる
生活が不自由になり、困る
生活できない
100%
6.5 2 3
8.4 2.1
15.8
4.1
ある程度やっていける
生活が不自由になり、かなり困る
178
次に、「家族の洗濯物を干すこと」との関連であるが、洗濯物を頻繁に干すほど、困らず暮らせると
する回答が多くなっており、家事をする男性は、妻が不在であっても生活困難度は低い可能性が示唆さ
れる結果である。
図表 3-1-6-4 家族の洗濯物を干す頻度と妻が不在のときの生活困難度との関連
(家族と同居している既婚者のみ)
0%
【洗濯物を干す頻度】
20%
頻繁にする(n=402)
40%
60%
35.8 ときどきする(n=1,004)
42.8
25.1 ほとんどしない(n=607)
80%
0.7
6.0
14.7
49.1
18.6 100%
7.7 2.0
16.1
34.6
27.7
困らず暮らせる
生活が不自由になり、困る
生活できない
4.6
14.5
ある程度やっていける
生活が不自由になり、かなり困る
(3)日常生活の意識・行動に関する項目の関連分析
男性の日常生活に関する意識・行動に関する項目について、相関分析を行った。図表 3-1-6-5 は、特
に相関の高かった項目について、それぞれの相関係数を示している。相関係数から、日常生活の意識・
行動に、関連がある様子が示されている。
まず、
「孤独だと感じたこと」については、
「お酒を飲むまいと思っても飲んでしまう、飲まないと眠
れない」
「何もやる気がしないと感じたこと」
「死にたいと思ったこと」
「仕事をやめたいと思ったこと」
の項目と相関がみられており、関連がある様子が示されている。
次に、「何もやる気がしないと感じたこと」は、「死にたいと思ったこと」「仕事をやめたいと思った
こと」の項目と相関がみられており、関連がある様子が示されている。
配偶者等への行為については「身体的行為」と「精神的行為」に相関がみられており、関連がある様
子が示されている。
また、「飲酒の習慣」については、「お酒を飲むまいと思っても飲んでしまう、飲まないと眠れない」
に相関がみられており、関連がある様子が示されている。
最後に「経済的な不安や問題」については、「何もやる気がしないと感じたこと」に相関がみられて
おり、関連がある様子が示されている。
図表 3-1-6-5 日常生活の意識・行動に関する相関係数
②飲まないと ③やる気が ④死にたい ⑤仕事を
眠れない
しない
やめたい
**
.544
**
.445
**
.405
② お酒を飲むまいと思っても飲んでしまう、飲まないと眠れない
−
.364
**
.256
**
.243
③ 何もやる気がしないと感じたこと
−
−
.490
**
.500
④ 死にたいと思ったこと
−
−
−
.473
⑤ 仕事をやめたいと思ったこと
−
−
⑥ カッとなって、妻や恋人をなぐったり、けったりしたこと
(身体的行為)
−
⑦ カッとなって、妻や恋人に声を荒げたり、どなったりしたこと
(精神的行為)
⑧ 飲酒の習慣の有無
① 孤独だと感じたこと
*
**
・注. p< .05, p< .01
・数値は相関係数である。
・相関係数が0.3以上の箇所に色づけをしている。
⑥身体的
行為
**
.100
**
.140
**
.091
**
.139
−
−
.089
−
−
−
−
−
−
.310
⑦精神的
行為
⑧飲酒の
習慣
⑨経済的不
安や問題
**
.001
.269
**
.413
**
-.007
**
-.048
**
-.039
**
.111
**
.181
**
.104
**
.126
**
.127
−
−
.463
−
−
−
−
−
−
−
−
**
**
**
**
.163
**
.313
**
**
.287
**
.255
*
.057
**
.075
−
-.007
.041
.105
**
**
(4)夫婦間コミュニケーションに関する分析(既婚者のみの分析)
既婚者を対象に、配偶者とよく話すかどうか(夫婦間コミュニケーション)について、日常生活の意
識・行動に関する項目との関連を検討している。
① 孤独感、何もやる気がしないと感じたこと、死にたいと思ったこととの関連
「夫婦間コミュニケーション」は、「孤独感」、「何もやる気がしないと感じたこと」、「死にたいと思
ったこと」との関連がみられており、いずれも、配偶者とよく話す者に比べて、必要以外全く話さない
者には「よくあった」とする回答が増加傾向にある。
図表 3-1-6-6 夫婦間コミュニケーションと、孤独だと感じたこととの関連
0%
20%
よく話す(n=901)
7 0 やや話す(n=801)
40%
60%
27 4
40 3
18 1 49 2
47 0
必要以外全く話さない(n=57)
100%
65 6
10 5 あまり話さない(n=281)
80%
34 9
40 4 36 8
よくあった
少しあった
22 8
全くなかった
図表 3-1-6-7 夫婦間コミュニケーションと、何もやる気がしないと感じたこととの関連
0%
20%
よく話す(n 901)
80%
46.3
32.0
51.2
16.7 必要以外全く話さない(n 57)
100%
55.5
43.2
10.5 あまり話さない(n 281)
60%
36.0
8.5 やや話す(n 801)
40%
31.6
35.1
33.3 よくあった
少しあった
全くなかった
図表 3-1-6-8 夫婦間コミュニケーションと、死にたいと思ったこととの関連
0%
20%
よく話す(n 901)
2.9 やや話す(n 801)
3.2 あまり話さない(n 281)
必要以外全く話さない(n 57)
40%
10.5 80%
100%
87.5
9.7
6.8 60%
78.7
18.1
74.4
18.9
71.9
17.5
よくあった
少しあった
全くなかった
② 子どもの世話をする頻度との関連
「夫婦間コミュニケーション」は、「子育ての頻度」と関連する傾向がみられており、配偶者とよく
話す者は、子どもの世話をよくする傾向にある。また必要以外全く話さない者は、よく話す者に比べて
「ほとんどしない」の回答が増加する傾向にある。
180
図表 3-1-6-9 夫婦間コミュニケーションと、子どもの世話をする頻度との関連
(末子が高校生以下の既婚者のみ)
0%
20%
よく話す(n 429)
40%
60%
23.2 必要以外全く話さない(n 25)
24.0 3.7
5.6
62.8
31.5 あまり話さない(n 138)
100%
41.7
54.5 やや話す(n 390)
80%
13.8
63.0
24.0
52.0
頻繁にする
ときどきする
ほとんどしない
③ 定年後や老後の楽しみや計画の有無
「夫婦間コミュニケーション」は、「定年後や老後の楽しみや計画の有無」と関連する傾向がみられ
ており、配偶者とよく話す者は、全く話さない者に比べて「たくさんある」の回答率が高く、「ほとん
どない」の回答が少ない傾向にある。
図表 3-1-6-10 夫婦間コミュニケーションと、定年後や老後の楽しみや計画の有無との関連
0%
20%
よく話す(n 539)
40%
60%
31.0 やや話す(n 563)
12.8 必要以外全く話さない(n 51)
13.7 100%
51.9
17.8 あまり話さない(n 227)
80%
17.1
57.2
25.0
52.9
34.4
37.3
49.0
たくさんある
少しはある
ほとんどない
④ 配偶者等への行為との関連
「夫婦間コミュニケーション」は、
「配偶者等への行為(なぐったり、声を荒げたりしたこと)」と関
連する傾向がみられており、配偶者と全く話さない者はよく話す者に比べて、身体的行為や精神的行為
の頻度が高くなる傾向が示されている。
図表 3-1-6-11 夫婦間コミュニケーションと、妻や恋人をなぐったり、けったりしたこととの関連
0%
よく話す(n 901)
20%
40%
60%
80%
100%
90.3
0.9 8.8
やや話す(n 801)
1.4 14.4
84.3
あまり話さない(n 281)
1.8 13.9
84.3
必要以外全く話さない(n 57)
3.5 78.9
17.5
よくあった
少しあった
全くなかった
図表 3-1-6-12 夫婦間コミュニケーションと、妻や恋人に声を荒げたり、どなったりしたこととの関連
0%
よく話す(n 901)
やや話す(n 801)
あまり話さない(n 281)
必要以外全く話さない(n 57)
20%
3.0 40%
60%
40.2
80%
56.8
5.7 48.2
8.9 46.1
52.3
19.3 38.8
36.8
よくあった
181
43.9
少しあった
全くなかった
100%
(5)老後の楽しみや計画に関する分析
「老後の楽しみや計画の有無」について、日常生活に関する意識・行動に関する項目との関連を検討
している。
① 孤独感、何もやる気がしないと感じたこととの関連
「老後の楽しみや計画の有無」は、「孤独感」、「何もやる気がしないと感じたこと」との関連がみら
れており、いずれも、楽しみや計画がたくさんある者に比べて、ほとんどない者には「よくあった」と
する回答が増加する傾向にある。
図表 3-1-6-13 老後の楽しみや計画の有無と、何もやる気がしないと感じたこととの関連
(40 歳以上の者のみ)
0%
20%
たくさんある(n=372)
9.1 少しはある(n=914)
8.8 ほとんどない(n=514)
40%
60%
32.5
80%
100%
58.3
43.8
47.5
19.1 47.1
よくあった
33.9
少しあった
全くなかった
図表 3-1-6-14 老後の楽しみや計画の有無と、孤独だと感じたこととの関連
(40 歳以上の者のみ)
0%
20%
たくさんある(n=372)
10.5 少しはある(n=914)
10.8 ほとんどない(n=514)
40%
60%
80%
61.8
27.7
45.2
44.0
41.4
21.0 よくあった
少しあった
182
37.5
全くなかった
100%
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